MUSIC
6097 products

Slomoによる2005年のドゥーム・ドローンの金字塔『The Creep』が、20周年を迎えて初のアナログ・リイシュー。かつてJulian Copeのレーベル〈Fuck Off & Di〉から100枚限定でCD-Rリリースされ、瞬く間にカルト的評価を獲得したこの作品は、Holy McGrail(ギター)とHoward Marsden(シンセ)によるデュオが、たまたま録音したとされる偶発性に満ちた1曲61分の音の儀式。英国の地下霊廟ボリー・フォグーをイメージソースに、死と再生の気配をたたえた漆黒のアンビエンスを滲ませ、重低音の持続、サイケデリックな湿り気、時に野性味ある英国的な湿地帯のイメージを喚起しつつ、EnoやCOIL、Sunn O)))とも通じる深淵な音世界を展開する。スロウモーな時間感覚と地を這うような音圧は、聴く者を内なる風景へと沈め、やがて儀式的な覚醒へと導く。今回〈Ideologic Organ〉からの再発にあたり、Rashad Beckerがリマスターを手がけ、理想的なヴァイナルとして結実した。ドゥームの物理的重さとアンビエントの霊的静けさが交差する、唯一無二の音響体験。アンビエント、ドローン、ドゥーム、スピリチュアル・サイケデリアの交差点に咲いた奇跡のような一枚。

1月中旬再入荷。ケベック・モントリオールで結成されたカナダのポスト・ロックを代表する屈指のバンド、Godspeed You Black Emperor!による2015年名作『Asunder, Sweet And Other Distress』のアナログ・リイシュー盤が〈Constellation〉から登場。轟音なユニゾン・リフ、ノイズ/ドローン、揺れ動く倍音、ギターとストリングスの対位法による、インストゥルメンタル・ポスト・ロックの大名作!180g重量盤

ミニマリズム、ジャズ、クラシック、音響アートを融合させた独自のスタイルが特徴的なスウェーデン出身の作曲家、演奏家、インスタレーションアーティストEllen Arkbroの4枚目のアルバム『Nightclouds』が、ニューヨークを拠点とする〈Blank Forms Editions〉から登場!本作には2023〜2024年に中央ヨーロッパで録音されたソロオルガンによる5つの即興演奏が収められており、これまでの作品よりも一層ロマンティックで内省的な雰囲気を持っている。シンプルでありながら深く響く和音と、彼女ならではの緻密な音の構造を使って、冷徹な美しさの中に感情の幅を見事に表現している。彼女の音楽的進化を象徴する重要な作品であり、聴くものを深い内面の探求へと導く一枚!

星野源、突然段ボール、Ogre You Asshole、坂本慎太郎など、アンダーグラウンドやコンテンポラリーといった枠を超えて、名だたるアクトたちを支えてきた現代の日本が誇る名SSW=石橋英子と、シーンの枠組みを越えて多大なリスペクトを浴びてきた我らがジム・オルークとの5作目の共作が〈Drag City〉より登場!本作は、2023年のフランス、スイス、イタリア、アイルランドを回った欧州ツアーでの即興ライブ録音を素材にしたサウンド・コラージュ。各地の演奏から響きや音の関係性を拾い集め、コンピューター生成音、フルート、ハーモニカなどが交錯する動的な音世界を作り上げている。二人は事前に打ち合わせをせず、それぞれ準備した音素材を持ち寄って現場で即興的に対話し、日ごとに異なる演奏を展開。ライブ中に録音した素材もその場で再利用するなど、旅の途中で生まれる偶然や状況の変化がそのまま音楽に反映された。『Pareidolia』では、ツアーの様々な瞬間をリミックスし、たとえばパリのジム・オルークの音とダブリンの石橋英子の音を重ねるような形で、理想的な記憶を描いている。無作為に見える音の流れにも、どこか意味や構造を感じ取ってしまう──そんな「Pareidolia(錯視)」的な感覚をテーマに、聴く人それぞれが自由に解釈できるような、柔らかくも謎めいた電子音響作品。

〈Shelter Press〉主宰の当店お馴染みの実験的アーティストFelicia Atkinson、ニュージーランドの地下シーンを代表する作家として現在注目が高まっているMaxine Funke、ロンドンを拠点に活動するデュオのTime Is Away、そして、Christina Petrieといった豪華面々が一堂に会した、一度限りの特大コラボレーション・プロジェクト、Annie Aによるアルバムが〈A Colourful Storm〉よりアナログ・リリース。フィルレコ素材や持続音、アンビエント・サウンドなど、それぞれの音が持つ感触や気配が静かに重なり合い、まるで風や光が溶け合うように、ひとつの繊細で透き通った音の風景へと融けていく様子がとても美しい作品。音は音のままにあることを手放し、祈りのように、儚く滲む憂いや記憶のように、やさしく都市の呼吸に滲み出していく、そんな一枚です。

これぞ、フィールド・アンビエントや即興音響の新たな交点。フランス出身、現在はベルリンを拠点に活動するサウンドアーティストDiane BarbéとLaure Boerによるコラボ・プロジェクトARBOREが、グラスゴーの地下音響拠点〈Somewhere Press〉より登場!ざらついたフィールド録音と即興的なノイズ~音響彫刻が織りなす、霊性と動物性のあわい。森の深部で鳴るかすかな足音、金属が軋むようなノイズ、さざめく息遣いは、すべてが非人間的感覚を呼び覚ます、感覚の再編成装置のようであり幽玄で美しい。

2018年に発表されたDavachiの5作目のアルバムで、その年のWire誌"Top 50リリース"で第6位に選ばれた。メロトロン、エレクトリック・オルガン、ピアノ、シンセサイザーによる、夕刻のための楽曲を集めた作品集。
カナダ出身のシンセシスト、Sarah DavachiがSean McCannの主宰のRecitalから2018年にリリースした超人気作にしてキャリア最重要作が待望の再プレス。デビュー以来、軸のあるミニマル・ミュージックへと取り組み続けてきた彼女の音楽も随分と深いところまで来たように感じます。ロマンティシズムを讃える祝福的和音と、持続する永遠の引用のような多幸感。音楽の中へと入り込む、あるいは万華鏡の中へと侵入して、音の波に没頭する、ミニマル・ミュージックの至高体験的一枚。あるいは街の灯りのような優しげに寄り添う環境音楽の、影当たるところで眠っている子供達。イーノの子供達は皆健やかに・・・

米国の大人気実験作家Ullaとの昨年のコラボレーション・アルバムが大変素晴らしかった、〈Radio.syg.ma〉の共同創設者としても知られるベルリン拠点のDJ/プロデューサー、Perilaによる最新アルバムが〈Smalltown Supersound〉からアナログ・リリース。極地的環境を彷彿とさせる、荒涼として凍てつく広大なサウンドスケープが、深い内省と愁いを込めつつシュルレアリスティックに展開されていく、破格のエレクトロアコースティック/ドローン・アンビエント作品!名匠Rashad Beckerによるマスタリング仕様。

1月中旬再入荷。当店大大大ベストセラー『The Sacrificial Code』でもおなじみ、〈Hallow Ground〉や〈Total Black〉などといった現行アンダーグラウンドの深遠から極めて優れたドローン/実験作品を繰り出す米国出身/スウェーデン・ストックホルム在住の女性ミニマリスト、Kali Malone。名門〈Ideologic Organ〉からの2022年最新作『Does Spring Hide Its Joy』がアナウンス。Stephen O'Malley(エレキギター)、Lucy Railton(チェロ)という豪華ゲストを迎え、Malone自身が調律したサイン波オシレーターを用いて制作した没入型モダン・クラシカル/ドローン作品!パイプオルガンの調律、和声理論、長時間の作曲の経験が、この作品の出発点となっていて、彼女のニュアンスに富んだミニマリズムは、驚くべき焦点の深さを展開し、リスナーの注意の中に瞑想的な空間を切り開いています。

Sarah Davachiの2015年デビューLP。Davachi自身およびサンフランシスコ・ベイエリアのミュージシャンたちが参加した、拡張されたエレクトロ・アコースティックなソロ作品と室内楽作品のシリーズであり、カナダ、カリフォルニア、ヨーロッパ各地で録音された。すべては風景の中にあり、心の位置が風景となっている。
1980年超名盤。15メートルの長さのワイヤーを貼り その両端に巨大な磁石を設置し、空気とワイヤーの振動関係をオシレーターによって発した1972年発表作品。本CDでは約18分のトラックが4つ収録されておりますが、実際は72時間連続してのインスタレーションだった模様。その場の天井、空気の流れ、人の出入り等によりに変化していく瞑想的恍惚持続音。
Brian EnoやRobert Fripp、またSonic YouthやMy Bloody Valentineからインスパイアされた音響ドローン・ギター・サウンド!90年代には「最も才能豊かで革新的なギタリストの一人」と称され、そして、Sonic Youthのメンバーたちにも愛されたポルトガルの一大音響作家、Rafael Toralが英国Touchより2001年にリリースしていたフィードバック・ドローンの超傑作。
ノルウェーのアンビエント・デュオ、Deaf Centerが長い沈黙を経てリリースする新作『REVERIE』が〈SONIC PIECES〉より登場。今回は、2024年10月にベルリンのMorphine Raumで行われたライブ音源を収めた2曲入りの作品で、ピアノのOtto A Totlandと、ギター/チェロ/エレクトロニクスのErik K Skodvinによる即興演奏で、約5年ぶりの共演となった。「Rev」は、深くエフェクトがかかったピアノの反響音がループと電子音の中で変化しながら広がっていく、陶酔的で幻想的なサウンドスケープ。一方「Erie」は、ピアノとチェロによる静かなデュオから始まり、やがて重厚なオルガン・ドローンへと移行。終盤には再びピアノの旋律が現れ、静かな哀しみに沈んでいく。全体として、Totlandの叙情的な旋律とSkodvinの抽象的な音響処理が対比しながら溶け合い、「光と影」「静と動」の緊張感を生み出している。Deaf Centerの次なる章を予感させる一枚!
ギリシャ・アテネを拠点に活動するサウンド・アーティスト、Panos Alexiadisによる新作『Cestrum Nocturnum』が〈B.A.A.D.M.〉より登場。喪失と再生をテーマにした静かな瞑想のようなエレクトロ・アコースティック作品で、ピアノのセルフサンプリング、断片的な声、フィールドレコーディング、儚いデジタルの痕跡などを重ねて構成されており、音のテクスチャは記憶のように層を成しながら、ぼやけた輪郭の中に余韻を残していく。全6曲、暖かくもかすかな光を湛えた音の織物のように展開し、存在の循環性や、暗闇の中にひっそりと息づく美しさを描き出す。

ベルギー拠点の鍵盤奏者Giovanni Di Domenicoとオランダの音響作家Rutger Zuyderveltによる静かな対話『Painting A Picture / Picture A Painting』が〈Moving Furniture Records〉より登場。本作は、Di Domenicoが自身のピアノ/ローズの一発録り録音に「きっとあなたの音と合うと思う」というメッセージを添えてZuyderveltに送ったことから始まる音による往復書簡のような一枚。アルバムには長尺の2曲を収録しており、一方は、Giovanniの鍵盤演奏をもとにRutgerが加工・音響構築を加えていく。他方は、Rutgerが前曲の素材を変奏・再構築した土台を先に作り、それにGiovanniが応答するかたちで鍵盤を重ねるという、どちらも片方の楽曲がもう片方の素材となる反響し合うような制作プロセスを踏んでいる。静かにさざめく音響と即興的な音の連なりは、時間の中に滲む絵筆の跡のように流れていく。作曲と非作曲の境界線をぼかす、静かに深く響く一作。
2025年リプレス!大名門〈Modern Love〉に残した『Liumin』は今や同レーベルを代表する名盤としておなじみ。Stephen Hitchellとの名アンビエント・ダブ・プロジェクト、cv313やWaveform Transmissionなどでの活動も大変名高いデトロイトのダブテクノ/アンビエント巨匠Rod Model。Brian Enoの『Music for Airports』のアンビエントの青写真を再構成し、ヨーロッパの前衛的なバスステーションのデザインのために作り上げた環境音楽作品。
2025年リプレス!大名門〈Modern Love〉に残した『Liumin』は今や同レーベルを代表する名盤としておなじみ。Stephen Hitchellとの名アンビエント・ダブ・プロジェクト、cv313やWaveform Transmissionなどでの活動も大変名高いデトロイトのダブテクノ/アンビエント巨匠Rod Model。Brian Enoの『Music for Airports』のアンビエントの青写真を再構成し、ヨーロッパの前衛的なバスステーションのデザインのために作り上げた環境音楽作品。

ベルギーのチェリストGwen Sainte-Roseが、ガウム地方とソワーニュの森の風景からインスピレーションを得て制作した2つの長編チェロ・ドローン作品を収録した新作『Collines, Racines』を〈Okraïna〉レーベルの新シリーズ〈By The Bluest of Seas〉からリリース!本作は、25分を超える2つの楽曲を収録しており、ループステーションを駆使し、チェロの音色を幾重にも重ねながら、森林や草原を見渡すような壮大な音風景を描き出す。「Collines」は緊張と解放が劇的に交錯しながら上昇し、「Racines」は夜の静寂の中で広がり、Richard Skeltonを思わせるポストロック的な響きから、めくるめく高揚感へと昇華する。大自然を映すチェロの響きに満たされる。また、本作は、木製ボックス入りの特別仕様CDでまるで小さな「好奇心のキャビネット」のように、Beata SzparagowskaとCorentine Jaunardによる写真や、羽・石・葉・苔など、音楽家たちが自然の中で拾い集めた小物が同梱され、作品の世界観をより深く体感できる。パッケージのこだわりも音楽と見事に調和した一作。

