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ニューオーリンズのアーティストMJ Guiderによる、ドリームポップの甘さとザラついた質感を曖昧に溶かし合わせた、ニューゲイズの小品『Another Weird Dream』が〈Modern Love〉よりリリース。クラシックなシューゲイズを厚いすりガラス越しに聴くような質感の、My Bloody ValentineやCurve、Cocteau Twinsからの影響を感じさせつつ、MJ Guiderならではの夜想的ムードがしっかり息づいたA面「Another」、ゆっくりと揺れるハーモニック・ノイズの波が聖歌のように漂い、リミナルでドリーミーなアンビエンスが広がるB面「Weird Dream」を収録。短いフォーマットながら、夢の入口から深部までを描き切る濃密な7インチ。

ベルリンのアンビエント作家Florian TM Zeisigが、2022年から2025年にかけて、さまざまな状況で録られた複数のコラボレーターから寄せられた断片的な素材を集め、選び、並べ替え、長い時間をかけて再配置しながら、アンビエントジャズからドリームポップまでも横断させた作品『The Thinking of the World Began Pounding in Our Ears the Moment We Hit Shore』が、カルト的なキュレーションに舵を切った実験的レーベルである〈STROOM.tv〉から登場。作曲、録音、編集、アレンジ、ミックスといった工程が明確に分かれることなく、すべてが連続した作業として扱われたことで、個々の音が別々の場所から集まってきたにもかかわらず、最終的にはひとつの流れとして聴こえる構造になっている。参加メンバーにはMoreEaze名義でも知られるMariRubioをはじめ、RóisínBerkeley、DonLyons、CalFish、K、SeánBeing、JQなどが名を連ね、各曲の共同作曲クレジットも明記されている。声や電子音、環境音の断片が重なり合う静かな音像を中心にして、素材の組み替えを通して少しずつ形を変えていくような、スタジオ制作ならではの質感が作品全体を支えている。断片が集まり、時間をかけて磨かれ、別の文脈へ置き換えられながら、ひとつのまとまりへと収束していく、その過程そのものが刻まれた一枚。

ベルギー版〈Music From Memory〉的なラインナップの再発レーベルから、一癖も二癖もあるカルト的なキュレーションに舵を切った実験的レーベルである〈STROOM.tv〉からの新タイトル!オランダのヴォーカリスト、Noa Kurzweilによるソロ・プロジェクト体制へ移行したVoice Actorと、英国のプロデューサーSquuによるコラボ・アルバムが登場。UKベースやアンビエント・ダブ、サウンド・コラージュなどの要素やレフトフィールドな音楽性を、白昼夢的で甘美な微睡みの感覚へ巧みに落とし込んだ、今年度のヒプナゴジック・ポップでもかなりの怪作!

日本のインディ・ミュージックの中でも最高峰の予感!ダブやネオ・サイケデリア、都会的コンテンポラリーR&B等の多彩な要素を巧みにブレンドした東京拠点のインディ・ロック・バンド、TAMTAMによる、アンビエント・ダブにほのかなサイケデリックの香りが漂う幻想的なシングル『花を一輪 - Hana Wo Ichirin』。柔らかなヴォーカルと浮遊感のあるシンセ、空間的なミックスが印象的。〈PPU〉からリリースのTAMTAMの国際的な展開を象徴する一枚。静けさと揺らぎの中にある美しさ。耳に残る余白と、心に染み入る音の粒子が、聴く者を静かな深淵へと誘う。

ニューヨークを拠点に活動するシンガー、プロデューサー、マルチメディア・アーティストのJames K による最新作『Friend』が〈AD93〉より登場。本作は、詩的なサウンド・スケープと内省的な声のレイヤーが交差する、まるで夢の中を彷徨うような幽玄なアンビエント・ポップ作品で、ビートは滲み、旋律は記憶の断片のように浮かんでは消え、聴き手の感覚を揺さぶる。静けさと混沌、優しさと不可思議が同居する音像は、トリップホップやポスト・インダストリアル、ダブの要素を内包しながらも、どこにも着地しない浮遊感に満ちている。音だけでなく、言葉や感情そのものが霧のように立ち上り、聴く者の内面にじわりと染み入る。消えていくものへの眼差しと、つながりへの希求が交錯するようなこの作品は、ジャンルの枠を軽々と越え、リスナーの奥深くにやさしく爪を立てるような、繊細でラディカルな一枚となっている。感覚と記憶が重なり合い、音が色や味になるような、まるで別世界の入口のようなアルバム。

〈A Colourful Storm〉より、インディ・ポップ、フォーク、ドリームポップを中心に、DIY的な親密さと温かさを持つ楽曲を集めたコンピレーション『Going Back to Sleep...』が到着。Carla dal Forno「Veselka City Lights」やRat Columns「Fruit and Nuts」をはじめ、オーストラリアやヨーロッパのインディ・シーンで注目されるアーティストによる、自宅録音や小さなスペースでの制作を感じさせる、親密さにあふれた音楽たち。風に吹かれるような儚さや、夜更けに寄り添うような静けさが漂う、愛すべきコンピレーション。

横田進のカタログの中で最も愛され、高く評価されているアンビエントの金字塔『Sakura (Skintone Edition)』。オリジナルは1999年に自身のレーベル〈Skintone〉から発表されたものが〈Lo Recordings〉よりめでたくリイシュー。本作は、日本の「喜怒哀楽」という四つの感情を音楽で表現することを意図しており、そのサウンドは深遠な静けさからためらい、憂鬱、そして純粋な喜びへと、人間の心の移ろいを桜の花びらが舞うさまに重ねて辿る。穏やかなギターのループがかすかなドローンへと溶け込み、断片的なヴォイス・サンプルが揺らめいては消え、静かな水面に波紋のように突如リズムの脈動が現れるなど、アンビエント、テクノ、そしてドリーム・ポップの要素を彼独自の方法で融合。特に、Steve ReichのミニマリズムやHarold Buddのテクスチャからインスピレーションを得たサンプルワークは、懐かしさと斬新さが同居する独特の世界観を作り上げている。ブライアン・イーノやフィリップ・グラスといった巨匠たちからも絶賛され、ヨコタを国際的な音楽家へと押し上げたこの作品は、その儚くも力強い美しさによって、20年以上経った今もなお、聴く者に静けさと不思議な感覚を与え続ける、時代を超越した傑作。
" dean blunt & Elias Rønnenfelt - lucre LP. Single-sided, 180g vinyl "
シューゲイザーとアンビエントの境界を探るlovesliescrushingの名作デビュー作『Bloweyelashwish』。1992年、12弦ギターと4トラックのカセットMTR、ループペダル、そして深いリヴァーブだけで組み立てられた音響は、きらめきと靄が入り混じる夢のような質感をもっており、スコット・コルテスのギターのディストーションはノイズでありながらも優しく、メリッサ・アルピン・ドゥイムストラの声は言葉を超えた気配として響く。バンドサウンドとしてのビートを放棄し、甘美な轟音とウィスパーヴォイスだけが響き続ける耽美的な世界。今回のリイシューではリマスターに加え、当時の未発表曲5曲を追加。歌詞やポストカードも付属し、作品の内奥により深く沈み込める仕様となっている。轟音のまぶしさではなく、むしろ、目を閉じることを促すようなこの音楽は、単なるシューゲイザーの名盤にとどまらず、私的な夢の記録でありながら、今なお多くのリスナーを包み込む無限の広がりを感じさせる。


Domenique Dumontによる4thアルバム『Deux Paradis』が〈ANTINOTE〉より登場。これまでと同様にミステリアスで夢見心地な雰囲気に包まれた作品で、内なる世界のためのダンス・ミュージックとして、日常のリズムや恋愛の起伏、人生の移ろいまでもを静かに描き出していく。アルバムは朝の目覚めを描くカラフルなダブ「Enchantia」で始まり、「La Vie Va」、官能的な疾走感をもつ「Amants Ennemis」とともに、太陽の軌跡をなぞるように展開。夜が訪れると、きらめくポップ「The Order of Invisible Things」や、80年代フレンチポップ Desirelessへのさりげないオマージュも感じさせる「Visages Visages」など、黄昏時のロマンティックなムードに染まっていく。さらにバロック的な雰囲気を感じさせる「Deux Paradis」や、柔らかなエキゾチカ「Visiteur de la Nuit」がアルバムに幻想的な彩りを添える。2022年から2024年末にかけて、ラトビアのリガ、パリ、エストニアの小島ヒーウマーで制作された本作は、これまで以上に豊かな音色と大胆さを兼ね備え、どこか懐かしくも掴みどころのない郷愁を感じさせる。まるでエリック・ロメールの映画のワンシーンのような、時代や場所を超えたロマンティシズムが静かに息づいている。
Dean Blunt やデンマークのシンガー・ソングライター Fine Glindvad Jensen がクレジットされているものの、プロジェクト全体の正体は謎めいたままのユニット The Crying Nudes によるセルフタイトルのデビュー・アルバムが〈World Music Group〉から登場。全9曲・約15分というコンパクトな構成で、アコースティック・ギターの断片的なフレーズや、余白を活かしたアンビエント的サウンド、そしてリヴァーブに包まれた幽玄なヴォーカルが中心となり、短いスケッチ集のような印象を与える一枚。断片的で、メロディやハーモニーよりも雰囲気や質感を前面に出した音楽性といい、アーティスト像を意図的に曖昧にするような匿名性といい、ミニマルな美学と神秘性が魅力を放つ一枚。

ハイエイタス・カイヨーテのリミックスや、トロ・イ・モワの『Mahal』への参加など、マルチな才能を発揮するサラミ・ローズ・ジョー・ルイスことリンジー・オルセン。
フライング・ロータス主宰の〈Brainfeeder〉からリリースされた本作『Lorings』は前作に引き続き、愛用する “Roland MV8800” を使用し、制作のほぼ全てが彼女自身の手によって行われ、多彩なアーティストとのコラボレーションによって肉付けされている。
2024年の共作アルバム『Sarah』でタッグを組んだ、フィラデルフィアの伝説的アーティスト、フラナフィをはじめ、オマリ・ジャズ、ルーク・タイタスらが参加。
初期フライングロータスを感じるシンセリフのM1「Inside」、コズミックに舞うキーボード、浮遊する高速グルーヴとサラミの持ち味である夢見心地な歌声が堪能できるM3「That must be hard for you」、アンビエントからプログレッシブな展開をしていくM7「Crow, friendship」など、様々なタイプの楽曲が収められていながらも全体のムードとしては一聴してサラミの作家性が伝わる全17曲を収録。マルチな才能で新たなる桃源郷を描き出す〈Brainfeeder〉らしいコズミック・ドリーミー・ジャジーな世界観が詰め込まれた必聴作品!
ストックホルムを拠点に欧州各地で楽曲制作に取り組んでいる実験的インディ・ロック・ユニット Horse Visionによる最新アルバムが〈Scenic Route〉よりアナログ・リリース。ポップ/インディー的な感性とドリーミーな電子アンビエントの交差点に位置しながら、「日常の揺らぎ、記憶と感情のすり替わり」をテーマに静かに染み入る作品。夜明け前の静けさや、都市の灯りがまだ揺れている時間に寄り添うような、ポスト・ロック~エモ影響下の親密かつ内省的なサウンドが大変優美。余韻と曖昧さの中に豊かな情景が立ち上がる、聴く者の心の隙間を埋めるような一枚です。
限定イエローヴァイナル仕様、ポスター付属。2025年リプレス!かなり凄い内容です。昨年度、年間ベストに選んだ方も多いでしょう。デンマークの作曲家、ML Buchが自身のレーベルと思われる〈15 love〉より2023年にデジタル・リリースしていた2枚目のアルバムにして、昨年各所で話題を呼んだ大変素晴らしい作品が、今年度遂にアナログ化されました!明らかに逸していると言えるほどに鮮やかなギター。エレキギターとレイヤーされたヴォーカルの領域にさらに踏み込む事で、新しい楽器表現を模索した、これぞ、20年代標準と言いたい破格のネオ・サイケデリア/ドリーム・ポップ名作!
限定ホワイトヴァイナル仕様、ポスター付属。2025年リプレス!かなり凄い内容です。昨年度、年間ベストに選んだ方も多いでしょう。デンマークの作曲家、ML Buchが自身のレーベルと思われる〈15 love〉より2023年にデジタル・リリースしていた2枚目のアルバムにして、昨年各所で話題を呼んだ大変素晴らしい作品が、今年度遂にアナログ化されました!明らかに逸していると言えるほどに鮮やかなギター。エレキギターとレイヤーされたヴォーカルの領域にさらに踏み込む事で、新しい楽器表現を模索した、これぞ、20年代標準と言いたい破格のネオ・サイケデリア/ドリーム・ポップ名作!
2025年リプレス!かなり凄い内容です。昨年度、年間ベストに選んだ方も多いでしょう。デンマークの作曲家、ML Buchが自身のレーベルと思われる〈15 love〉より2023年にデジタル・リリースしていた2枚目のアルバムにして、昨年各所で話題を呼んだ大変素晴らしい作品が、今年度遂にアナログ化されました!明らかに逸していると言えるほどに鮮やかなギター。エレキギターとレイヤーされたヴォーカルの領域にさらに踏み込む事で、新しい楽器表現を模索した、これぞ、20年代標準と言いたい破格のネオ・サイケデリア/ドリーム・ポップ名作!
〈Captured Tracks〉最大級の売れっ子!『Salad Days』などの名盤と並ぶ、この人の入門盤として是非!カナダ出身の現行インディ・ポップのカルト・アイコンであり、Makeout Videotapeでの活動やセキトオシゲオの”ザ・ワード II”のサンプリング、細野さんとの大人気スプリット・シングル『Honey Moon』などでも知られるMac Demarco。2012年に発表した名作『Rock And Roll Night Club』がアナログ・リリース。まるで、Deerhunterの『Microcastle』のカセット・デモを聴いているような、サイケデリックで中毒的なインディ・ポップの珠玉の傑作盤!
ミニマルウェイヴ/サイケデリック・フォーク作家Loopselと共に〈Mammas Mysteriska Jukebox〉レーベルを運営しているスウェーデン・ヨーテボリ拠点の実験的ミュージシャンであり、"Monokultur"名義でも知られるJJULIUSによる最新アルバムがダンス・パンクの聖地〈DFA Records〉から登場!本作には、ディスコやドリーム・ポップといった要素を加えつつ、自身が愛してやまない、Arthur RussellやAfrican Head Charge、The Fallといった偉大なアクトへの敬意が込められています。収録曲は、ストックホルムきっての現行ポスト・パンク・バンド、Viagra BoysのTor Sjödénが演奏するビートを基に制作。10年代のコペンハーゲン・インディ勢にも通じる、北欧的な威風と異都憧憬を纏ったユーフォリックなシンセ・ポップの傑作!
ドイツ・デュッセルドルフで活動していたという、知る人ぞ知るポストパンク・バンド、The Crippled Flower。1985年、時代の終焉を敏感に察知した4人の探求者たちが、短命ながらも強烈な個性と静的な熱量を放つ音楽を残した幻のカセット音源が発掘リリース。WireやFelt、Scritti Polittiといったニューウェイヴ/ポストパンクの巨人たちも通じるミニマルで夢見がちなサウンドは、まるで未完のまま美しく残された記憶のようでもあります。元メンバーにはKreidlerへと繋がるStefan Schneiderも在籍していたとのこと!

本日休演のTakujuro Iwadeと映画監督でドラマーのKaya Koike、Mayumi Sakuraiによって「向こう側のラバーズロック」をテーマに2018年に結成された要注目バンド、ラブワンダーランド。2019年から2024年の間にリリースされた3つのデモ音源からトラックを選りすぐったコンピレーション・アルバム『The Best Twilights of Love Wonderland』がフランスの目利き発掘レーベル〈Camisole Records〉よりアナログ・リリース。サイケデリアやシンセポップの影響を受けた独自の解釈でレゲエを披露するラブワンダーランドの魅力がたっぷりと詰め込まれた素晴らしい一枚!仏鬼才Krikor Kouchainによるマスタリング。限定400部。
