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おじまさいりのソロプロジェクト《くまちゃんシール》のアルバム完成。透き通ったヴォイスが浮遊してぐるぐる回る無重力サウンドワールド、その真の魅力は奥に宿る胆力の強さ。Le MakeupとTakaoの全面サポートのもと、代表作ができました!
おじまさいりはCASIOトルコ温泉、neco眠る、Emerald Four等々のインディーバンドで活動してきたヴォーカリスト/キーボーディスト/ソングライターで、2013年にソロ活動を始め、2017年に《Hoge Tapes》でカセットデビュー。この『くまちゃんシール』は、彼女にとって初のCD/LPアルバムであり、全曲おじまが作曲・プロデュースし、Le MakeupとTakaoのサポートを得て作り込んだ楽曲群は大きな発展と飛躍を遂げている。
おじまの個性であるDIYな音を軸に、Le Makeupのヴィヴィッドでカラフルなギターとサウンドメイク、Takaoのアンビエントポップシンセとキーボードが刺繍され、素地のロウファイさと精妙なハイファイさが躍動的に重なった音の層を堪能できる。全11曲中10曲でLe Makeupがミキシングを行い、「CHINA珊都異知」はTakaoが担当。おじまの音楽的アイデンティティの中心は透明感のある声で、インスト曲「カヌーで火を焚く」を除くすべての曲でそのヴォイスが使われているが、歌詞のある曲は半分のみ。アルバム全体で彼女のワードレス・ヴォイスがメロディやテクスチャーの要素として使われている。
『くまちゃんシール』はテクノやアンビエントやニューエイジ・リバイバルのフィルターを通したベッドルーム・ポップと呼べるかもしれないが、終盤に収録された四つ打ちリズムに歪んだ音が被さったお宅ディスコ「羹(あつもの)」、英のブレンダ・レイを少し思わせるドゥーワップ風味の似非レゲエ「TINYCELL」という2曲に、お約束を逸脱してしまうおじまの世界観が披露されている。
DIY精神に満ちた自主レーベルを運営しながらロンドン市内でレコード店も営む〈World of Echo〉4周年を記念して制作された、2枚組LPで500枚限定の20曲入りの贅沢なコンピレーションアルバム。午睡を誘うような”Blackwater - Overload”までの流れから、”Komare - Blanco y Verde”から始まる寝耳に水のような、点滅するヴォイスとノイズのコントラスト、終盤の”Tara Clerkin & Sunny Joe Paradisos - Castelfields”でまた幸福で長い気怠さが戻ってくる。始まりと終曲をPat Benjaminの鎮静作用のあるピアノ曲で纏めた、とりとめがないようで巧みな楽曲構成、そして繰り返し繰り返し聴きたくなるのは、中毒性のある微量の毒素が含まれているからなのかも。
イングランドで1980年に結成されたロック・バンドであり、ポスト・パンクとサイケデリア、アトモスフェリックなキーボード・ワークがブレンドされた孤高のサウンドを生み出した、プロト・ドリーム・ポップの伝説的存在ことSad Lovers And Giants。1982年に自身らのレーベル〈Midnight Music〉から発表したデビュー・スタジオ・アルバム『Epic Garden Music』が〈Radiation Reissues〉よりアナログ・リイシュー。Nick RalphとSteve Burgessによるプロデュースのもと、1981年に〈Spaceward Studios〉で録音された、可憐でポップなネオ・サイケデリアの珠玉の名作!
Blue HawaiiやAlvvaysなどと並び、テン年代以降のカナダを代表するインディ・ポップ・バンドこと”TOPS”が2012年にリリースしたファースト・フルレングス・アルバム『Tender Opposites』の10周年記念盤が登場。自身らのホームグラウンドである〈Arbutus Records〉のクリエイティヴ・ハブとして機能しているロフト会場〈La Brique〉にてレコーディングされたアルバム。メランコリックな未来像とそれを乗り越えていく恍惚とした幻想が交互に現れ、ムードの陰へとすっと入り込んでいくようなドリーム・ポップの傑作!