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ロサンゼルスの作曲家 Brendan Eder が率いるアンサンブルによる、臨死体験、神智学、哲学の影響を背景に、室内楽の繊細さとミニマルの反復、そしてアンビエントの柔らかい空気感が静かに溶け合う、心の深部に触れるような作品『Therapy』。本作の制作は、Brendan Eder がエイフェックス・ツインの楽曲をカバーした経験から、Richard D. Jamesなら室内アンサンブルと教会オルガンを使って何をするだろう?という発想からスタート。アルバムには、エイフェックス・ツインのカバーも2曲収録されている。楽曲中では、木管・弦・パーカッションが中心の小編成アンサンブルが呼吸するように動き、シンプルなパターンがゆっくりと変化していく。音は決して強く主張せず、余白の多いアレンジが感情の揺れを受け止めるように広がり、どこか懐かしい和音やメロディ、映画音楽的な感触が記憶の奥を静かに刺激する。現代音楽の緻密さを持ちながら、聴き心地は驚くほど軽やかで、日常の中にふっとおさまる静かなセラピーのよう。癒しという言葉では収まりきらない、深い感情の層に触れうる一枚。
1960年代アメリカ実験音楽の核心を捉えた歴史的録音、John CageとDavid Tudorによる『Variations IV vol.2』。1965年、ロサンゼルスのFeigen-Palmer Galleryで行われたライブ・パフォーマンスを収録した作品で、オリジナルテープからのリマスタリングを施した決定的リイシュー。Cageの不確定性音楽を象徴する本作では、短波ラジオ、環境音、電子音、テープ素材など、その場で得られる音を自由に組み合わせる手法が採用されている。Tudorは電子音響の操作を担当し、ラジオの断片やノイズと鋭く交差する金属的な音をリアルタイムで生成。音の流れは予測不能で、ノイズ、会話の断片、電子音が次々と現れては消え、音が勝手に動き出すようなコラージュ感が強い。Cageの思想とTudorの電子音響が交差した20世紀実験音楽の重要ドキュメント。
1960年代アメリカ実験音楽の核心を捉えた歴史的録音、John CageとDavid Tudorによる『Variations IV』。1965年、ロサンゼルスのFeigen-Palmer Galleryで行われたライブ・パフォーマンスを収録した作品で、オリジナルテープからのリマスタリングを施した決定的リイシュー。Cageの不確定性音楽を象徴する本作では、短波ラジオ、環境音、電子音、テープ素材など、その場で得られる音を自由に組み合わせる手法が採用されている。Tudorは電子音響の操作を担当し、ラジオの断片やノイズと鋭く交差する金属的な音をリアルタイムで生成。音の流れは予測不能で、ノイズ、会話の断片、電子音が次々と現れては消え、音が勝手に動き出すようなコラージュ感が強い。Cageの思想とTudorの電子音響が交差した20世紀実験音楽の重要ドキュメント。

LAのハープ奏者Nailah Hunterと、テルミン奏者Aliaによる、Harold Buddの名作『The Pavilion of Dreams』の再解釈作品。2024年11月にロサンゼルスで行われた〈Leaving Records〉主催の野外コンサート「Listen to Music Outside in the Daylight Under a Tree」のために構想され、黄金色の自然光の中で生まれた音楽が、その空気まで一緒に封じ込められている。柔らかく波打つハープの余韻と、空中に線を描くようなテルミンの揺らぎが重なり、Harold Buddの透明なミニマリズムを受け継ぎつつ、より自然の呼吸に近い有機的な質感は、柔らかな光の中に溶けるアンビエント・ドリーム。片面に音源、もう片面にはフローラル・レーザーエッチングを施したアート性の高い仕様での登場。

ノルウェーの作曲家、ピアニストのChristian Wallumrødが率いるアンサンブルによる、北欧室内楽、ジャズ、現代音楽の境界に位置する独自の音世界『Non Sonett』。本作はWallumrødが近年取り組んできたダンス作品のための楽曲や、過去のプロジェクトで生まれた素材を再構築したもので、2024年にノルウェー国立オペラで上演されたダンス作品『Sonett Idiot』のための楽曲が複数収録されており、動きや余白といった舞台芸術的な感覚が音楽の中に息づいている。ピアノ、ハーモニウム、チェロ、トランペット、サックスなど少数の楽器が呼吸するように間合いを取りながら進む室内楽的アンサンブルで、音数は極端に少ないのに、空間の奥行きや温度が豊かに感じられ、まるで音が空気に触れて形を変えていくような繊細な感触がある。北欧の木の質感や空気の揺らぎを感じる温かい音色と現代音楽の抽象性が自然に共存した、静けさの中に豊かな表情が宿る、北欧室内楽ジャズの最前線。

8月下旬再入荷。スティーヴ・ライヒやグレン・ブランカ、シャルルマーニュ・パレスタイン、ローリー・シュピーゲルといった巨匠たちの名作を大胆にアップデートした『SOLO THREE』で一躍注目を集めた、現代ミニマル界の最重要アーティストErik Hall。Erik HallがMetropolis Ensemble、Sandbox Percussionと手を組み、オランダの作曲家Simeon ten Holtが生んだ、ミニマル音楽の中でも特に温かく、感情に寄り添う名曲「Canto Ostinato」を再解釈。反復するパターンが少しずつ形を変えながら進む原曲の魅力はそのままに、マレットの柔らかい粒立ち、ピアノの透明な推進力、アンサンブルの厚みが重なり、波紋が永遠に広がっていくようなミニマルの美しさがより立体的に浮かび上がる。静かに始まりながら、気づけば巨大な景色が広がっているような、ミニマル音楽ならではの時間の魔法が丁寧に描かれている。原曲の温かみ、現代的な音響とセンス、最高の演奏技術による精緻な演奏により実現した、Canto Ostinatoの新たな決定版とも言える1枚。

『Music for 18 Musicians』、シメオン・テン・ホルト『Canto Ostinato』などの再解釈アルバムでも知られるマルチ奏者兼プロデューサーErik Hallによる、現代音楽の巨匠たちの作品を再解釈したミニマル、アンビエント作『Solo Three』が〈Western Vinyl〉から登場。本作ではスティーヴ・ライヒやグレン・ブランカ、シャルルマーニュ・パレスタイン、ローリー・シュピーゲルといった複数の作曲家の名作を一枚に収めており、全楽器を自身で演奏・録音し、緻密な音響構築を行っている。ミニマル音楽の歴史的名曲を現代的な解釈で蘇らせる注目作!

アメリカン・ミニマリストの正統を継ぐ作曲家、ジェフ・ブルーナーのキャリア初となる作品集。アンプリファイド・カリンバを多重録音した大作、リー・ペリーもヴァン・ダイク・パークスも驚く脱構築主義Sci-Fiポストパンク・カリプソレゲエ、メランコリックな美しさで彩られた器楽曲あわせて4作品を収録し、この知られざる作曲家の美しく風変わりな音楽を紹介します。
『Four Corners』は、米西海岸のミニマリスト作曲家ジェフ・ブルーナーの半世紀にわたる興味と様々な側面を紹介する初の単独作品集です。ここに選ばれた1970年代から2020年代までの楽曲は一貫した美的関心のもとに作曲され、伝統を礎に、独自の視点で変化を加えた奇妙で魅力的な音楽集になっています。ブルーナーは同郷の作曲家ハロルド・バッドやダニエル・レンツと親交があり、テリー・ライリーやジョン・アダムスといったミニマル/ポストミニマル作曲家の音楽との関連性も彼の諸作にはっきり伺えます。
そんな本コレクションの重要曲である「Magic Mbira(魔法のムビラ)」(1979年)は、ライリー風の要素を、レンツのカスケード・エコー・システムを彷彿とさせるテープディレイの音響処理で巧みに構築した傑作。このアンプリファイドされたムビラ(カリンバ)のための曲は、クラシックの伝統的なリサイタルホールを抜け出し、より開かれた場で演奏したいという願望においてローランド・P・ヤングの名作『Isophonic Boogie Woogie』とも親和性を持ちます。
ブルーナーの特異な側面は、SF映画『Foes』のプロモーション用に制作された脱構築主義カリプソレゲエ曲「Reggae Foes」(1978年)に現れており、このD.カニンガム/D.トゥープを濾過して歪ませたブラックアーク・サウンドのような世界感を、クラシック流儀の作編曲で達成していた驚くべき作品です。また、ガット弦のフレットレス・バンジョーでアメリカン・フォークソングを再構築した「Cold Rain and Snow」(2020年)、レンツに捧げられたピアノ曲「Remembrance in a Pale Room」(1995年)という、メランコリックな美しさで彩られた2つのソロ楽器のための曲も収録。ブルーナーによる曲解説と貴重写真、「Magic Mbira」の楽譜付き。

アメリカン・ミニマリストの正統を継ぐ作曲家、ジェフ・ブルーナーのキャリア初となる作品集。アンプリファイド・カリンバを多重録音した大作、リー・ペリーもヴァン・ダイク・パークスも驚く脱構築主義Sci-Fiポストパンク・カリプソレゲエ、メランコリックな美しさで彩られた器楽曲あわせて4作品を収録し、この知られざる作曲家の美しく風変わりな音楽を紹介します。
『Four Corners』は、米西海岸のミニマリスト作曲家ジェフ・ブルーナーの半世紀にわたる興味と様々な側面を紹介する初の単独作品集です。ここに選ばれた1970年代から2020年代までの楽曲は一貫した美的関心のもとに作曲され、伝統を礎に、独自の視点で変化を加えた奇妙で魅力的な音楽集になっています。ブルーナーは同郷の作曲家ハロルド・バッドやダニエル・レンツと親交があり、テリー・ライリーやジョン・アダムスといったミニマル/ポストミニマル作曲家の音楽との関連性も彼の諸作にはっきり伺えます。
そんな本コレクションの重要曲である「Magic Mbira(魔法のムビラ)」(1979年)は、ライリー風の要素を、レンツのカスケード・エコー・システムを彷彿とさせるテープディレイの音響処理で巧みに構築した傑作。このアンプリファイドされたムビラ(カリンバ)のための曲は、クラシックの伝統的なリサイタルホールを抜け出し、より開かれた場で演奏したいという願望においてローランド・P・ヤングの名作『Isophonic Boogie Woogie』とも親和性を持ちます。
ブルーナーの特異な側面は、SF映画『Foes』のプロモーション用に制作された脱構築主義カリプソレゲエ曲「Reggae Foes」(1978年)に現れており、このD.カニンガム/D.トゥープを濾過して歪ませたブラックアーク・サウンドのような世界感を、クラシック流儀の作編曲で達成していた驚くべき作品です。また、ガット弦のフレットレス・バンジョーでアメリカン・フォークソングを再構築した「Cold Rain and Snow」(2020年)、レンツに捧げられたピアノ曲「Remembrance in a Pale Room」(1995年)という、メランコリックな美しさで彩られた2つのソロ楽器のための曲も収録。ブルーナーによる曲解説と貴重写真、「Magic Mbira」の楽譜付き。

抜群の瞑想的ドローン/アンビエント作品!フランス・パリのファゴット奏者Dafne Vicente-Sandovalとノルウェーの作曲家Lars Petter Hagenによるコラボレーション作品『Minos Circuit / Transfiguration 4』が、現在〈Shelter Press〉との提携下で活動を続ける〈Portraits GRM〉からアナログ・リリース。崇高でミニマルな電子音響の緊張感とリヒャルト・シュトラウスの壮大かつシンフォニックな瞑想観が溶け合い、鋭いコントラストを描き出した作品。限定500部。
Leila Bordreuil(チェロ)と Kali Malone(オルガン)による、静謐で緊張感に満ちたコラボレーション作品『Music for Intersecting Planes』。タイトルの通り、複数の音の平面がゆっくりと交差し、重なり、ずれていくという構造を核としており、身体性のあるチェロのノイズ、テクスチャと、純度の高い倍音と持続音で空間を満たすオルガンが、対立するのではなく、平行に進みながら微細なずれや重なりを生み出し、静かだが鮮烈な音の建築物を立ち上げていく。この作品では、音そのものよりも、音が空間でどう響き、どう交差するかに焦点が置かれており、空間そのものが楽器とするかのように、残響、共鳴、干渉といった空間的な要素も音楽の一部として扱われている。音楽はほとんど動かないように見えて、実際には絶えず変化し、倍音が揺れ、空気の圧力が変わり、音の干渉が幻聴のようなハーモニーを生む。それらは劇的な変化ではなく、耳を澄ませるほどに現れる微細な現象として存在し、ドローンの没入感と現代音楽の構築性が同時に息づいている。ふたりの作曲家の美学が驚くほど自然に融合した作品。

Indies only CLEAR Vinyl。聖なるミニマリズム の先駆者、エストニアの作曲家アルヴォ・ペルトのアルバムが〈Mississippi Records〉よりリリース!このアルバムには、ペルトの最も有名な協奏曲『タブラ・ラサ』の第2楽章である「サレンティウム」の未発表演奏を中心に4つの作品が収録されており、ボストンを拠点とする室内オーケストラ、ア・ファー・クライが演奏している。「サレンティウム」は1984年にECMからリリースされた最もよく知られたバージョンのほぼ半分の速度で、死にゆく人を癒す効果があることで知られ、緩和ケア施設でもよく使われるこの曲は(ある患者はこの曲を「天使の音楽」と呼んだことで有名)、半分の速度では息をのむほど美しく、まるで時間そのものが静止しているかのよう。他の収録作である「Vater Unser (Arr. for trombone & string ensemble)」、「アリヌシュカのための変奏曲」、「弦楽と打楽器のためのフラトレス」も美しく、充実した内容!

ブルックリンを拠点に活動するピアニスト、作曲家のEva Novoaが、初のソロ・ピアノ作品『Solo (I)』を〈577 Records〉からリリース。2024年10月、NYの名門Sear Sound Studiosにて録音された本作は、すべてオリジナル曲で、ピアノを中心にしながら、フェンダーローズ、エレクトリック・ハープシコード、チャイニーズ・ゴング、パーカッション、声、口笛など多彩な音具を用い、ひとりでアンサンブルを構築するような立体的な音響が特徴。静謐な内省から、突発的なエネルギーの爆発まで、自由即興と作曲的構造が交差するダイナミックなソロ表現が展開される。音の余白や残響が空間を描き、映像が浮かぶような音像は、Eva Novoaが自身の音楽の核心をさらけ出した、深く個人的なソロ作品。

イランのテヘランを拠点とする作曲家Siavash Aminiが2014年に発表した代表作『Till Human Voices Wake Us』が、〈Umor Rex〉によるリマスターを経て限定150枚の初アナログ化。T.S.エリオットの詩を核に据え、アルバム全体がこの詩の持つ内省、孤独、現実への目覚めというテーマを音像化したもので、ギターの残響、冷たいシンセ、深いドローンが重なり合う詩的なダーク・アンビエンスの名品。静寂と緊張がゆっくりと入れ替わる10の楽章は、Aminiが単なるアンビエント・アーティストではなく、音で叙事詩を書く作家であることを示している。テヘランの憂鬱と、エリオットが描いた『人間の声が私たちを目覚めさせるまで』という時間の止まったような終わりなき内省の風景。

メルボルンの作曲家であり即興演奏家のAbby Sundbornによる、チェロと声だけで構成された2025年にベルギーでのパフォーマンスを収録したライブ・カセット。クラシック教育を受けながら、DIYアンダーグラウンドで磨かれた直感的なアプローチが特徴の彼女。本作では、チェロの弓のノイズ、息づかい、空間の揺れといった微細な要素がそのまま音楽として立ち上がる。特にハイライトとなる「Shed」では、声とチェロが反復しながら少しずつ変化し、祈りのような、儀式のような没入に至る。感情は抑制されているのに、どこか切実で人間的。The NecksのTony BuckやHTRKのJonnineらとの共演歴を持つ彼女の、最もパーソナルな側面が刻まれた作品は、音が生まれる瞬間そのものを聴かせるような、現代実験音楽の小さな傑作。

韓国出身のチェリスト/作曲家Okkyung Leeが、ロンドンの現代音楽アンサンブルとともに制作した最新作。複数都市でのライブ演奏を録音し、その素材にスタジオで電子音響のレイヤーを重ねて再構成した作品で、生演奏と電子処理が溶け合う。チェロの荒々しいノイズ、微細な息づかい、アンサンブルの緊密な書法が交差し、ひとつの有機体のように結びつき、呼吸する。収録曲はアンサンブルのメンバー名を冠した構成で、まるで個々の演奏家の肖像を音で描くよう。電子音響・即興・現代アンサンブルをひとつの生命体のように融合させた大作。

ディープ・リスニングの巨匠ポーリン・オリヴェロス、21弦箏奏者でサウンドアーティストの正岡みや、日本の無形文化財に指定された、清虚洞一絃琴の宗家四代目、峯岸一水。異なる文化圏と音楽観を持つ3名が、ニューヨークのドリームランド・スタジオで2日間にわたり行った即興セッションを収めた2枚組作品。オリヴェロスのアコーディオンが空間を柔らかく満たし、箏と一絃琴が細い糸のように音を紡ぎ、3者の呼吸が一つの場を形成する。旋律というより響きの気配そのもので、日本の古楽器と西洋の電子アコーディオンという、本来なら出会うはずのない響きがディープ・リスニングという哲学の下でいかに一つに溶け合ったかを示す、静謐な記録。

打楽器の旋律的な可能性にフォーカスした、Sarathy Korwarのパーソナルで内面的な作品『There Is Beauty, There Already』が、新たに立ち上げた自身のレーベル〈Otherland〉から登場。本作は、Peter GabrielのReal World Studiosでわずか4日間で録音され、ドラムを中心とした40分の組曲として構成されている。繰り返しに繰り返しを重ねるミニマルな構造は、インド民俗音楽の円環的なリズム、Max Roachのようなジャズ・パーカッション・アンサンブル、そしてTerry RileyやSteve Reichの現代音楽的ミニマリズムを思わせる音楽性で、タブラ、ガタム、バラフォン、マリンバなど様々な打楽器に加え、電子音が微かに重なり、常に流動し続ける川のようなリズムの旅が展開される。Floating PointsやShabaka Hutchings、Anoushka Shankarらとのコラボを経たKorwarが、キャリア10年の節目に放つ極めて純度の高い打楽器表現であり、ジャンルを越えて鳴り響く、反復と変化を讃える音による曼荼羅。

Radwan Ghazi MoumnehとFrédéric D. Oberlandによるデュオ名義での初アルバムで、二人が共有してきた音の言語を、より直接的で感情の振幅が大きい形で結晶させた作品『Eternal Life No End』。アルバムは2023年、モントリオールで始まった即興デュオ・セッションを起点に、2年をかけて発展。暴力的な政治状況への怒りと深い悲しみを背景に、ブズーク、ラバーバ、クラリノー、サックス、そして震える電子音が交差し、Moumnehのアラビア語の歌声がその中心を貫く。アラビア語の副題「ليلة ظلماء ملعونة، كحياة طالبيها(求める者たちのように、暗く呪われた夜)」が示すように、この作品は抗議であり、同時に哀歌でもある。トランスめいたパーカッション、加工された弦、低く唸るベースが深い陰影を生み、Oberlandのサックスやシンセが、Moumnehの声とブズークを包み込みながら、音楽にうねりと広がりを与えている。電子音と伝統楽器、声が交差し、いまを生きる痛みと抵抗の感情を鋭く刻みつける作品。

Jon Hopkinsとアイスランドの映画音楽作曲家Biggi Hilmarsによるオリジナル・サウンドトラックとしてリリースされる本作は、2024年に公開され話題を呼んだドキュメンタリー映画『Wilding』のために書き下ろされた作品である。
映画の舞台はイングランド南東部にある400年の歴史を持つクネップ・エステート。農場経営者イザベラ・トゥリーとチャーリー・バレル夫妻が、人の管理を手放し、土地を自然に委ねる"リワイルディング"に挑んだ実験の軌跡を描いている。
本作で2人の作曲家は、ストリングス、ピアノ、声、オーガニックなテクスチャーを用い、自然界のリズムをそのまま音楽へと昇華。生命が再生していく過程を、静かで息づくようなサウンドスケープとして表現している。ホプキンス自身の声を加工した「Wilding Theme”」をはじめ、音楽は風景や時間と溶け合い、土地に宿る記憶を呼び覚ますように響く。
環境再生というテーマと深く共鳴した本作は、アンビエントや現代音楽、映画音楽の枠を越えた、自然と共生するための音の記録である。

イタリアの作曲家、ヴァイオリニスト Silvia Tarozzi が、詩・民謡・室内楽・即興・歌をひとつの流れに溶かし込んだ、繊細で温かいパーソナルなアルバム。メロディやリズムにイタリアの伝統音楽の影がさりげなく差し込み、ヴァイオリンの旋律は時に祈りのように、時に語りかけるように響く。Tarozzi の声は歌と語りのあいだを揺れ動き、言葉が音楽の中に自然に溶け込んでいく。そこには、現代音楽の厳密さと、フォークミュージックの温かさが同時に息づいている。アンサンブルは小さく、親密で、どこか家庭的。弦、ギター、パーカッション、声が寄り添いながら、小さなフレーズが反復し、ゆっくりと変化していくミニマルな構造で、電子音の加工は控えめで、生音の温度感がそのまま作品の核になっている。抽象的でありながらとても人間的で、身体の奥に触れるような温かさと込められた感動が印象的。Silvia Tarozzi が自身のルーツを丁寧に紡ぎ上げた、静かで光に満ちた音楽の旅。

イタリアの作曲家、ヴァイオリニスト Silvia Tarozzi が、詩・民謡・室内楽・即興・歌をひとつの流れに溶かし込んだ、繊細で温かいパーソナルなアルバム。メロディやリズムにイタリアの伝統音楽の影がさりげなく差し込み、ヴァイオリンの旋律は時に祈りのように、時に語りかけるように響く。Tarozzi の声は歌と語りのあいだを揺れ動き、言葉が音楽の中に自然に溶け込んでいく。そこには、現代音楽の厳密さと、フォークミュージックの温かさが同時に息づいている。アンサンブルは小さく、親密で、どこか家庭的。弦、ギター、パーカッション、声が寄り添いながら、小さなフレーズが反復し、ゆっくりと変化していくミニマルな構造で、電子音の加工は控えめで、生音の温度感がそのまま作品の核になっている。抽象的でありながらとても人間的で、身体の奥に触れるような温かさと込められた感動が印象的。Silvia Tarozzi が自身のルーツを丁寧に紡ぎ上げた、静かで光に満ちた音楽の旅。
NYブルックリンのコンポーザー、パペッティア Tristan Allen が、4年をかけて制作した神話三部作の第二章となるアルバム『Osni the Flare』。前作『Tin Iso and the Dawn』に続く物語で、火の発見を通じて人間が神へと変容していくというテーマが全4幕構成で展開される。言葉を持たないボーカル、オルガン、オカリナ、トイ楽器、フィールド録音など、非常に多様な音素材が使われ、ファンタジックでシンフォニックな音世界を構築している。トイ楽器や素朴なメロディが童話のような質感を生んでおり、神話的なテーマと結びつき、フォークの原初的な雰囲気も感じさせる。自宅で録音された手触りのある音像は、聴く者を静かに包み込み、まるで一冊の神話絵本を音だけで読んでいるかのよう。物語の持つ力と共鳴して、Tristan Allen の創造性がさらに豊かに開花した作品。
ポーランドのギタリスト、Raphael Rogińskiと、セルビアの伝統歌唱を軸に活動するRužičnjak Tajniが共作した、バルカンの深い伝承を思わせる響きと現代音響が交わるエクスペリメンタル・フォーク作品。強靭でストレートなバルカン歌唱が中心にあり、その倍音や揺れが音楽全体の芯をつくる。対照的にロギンスキのギターは、旋律を前に出すのではなく、ドローンや打弦、鋭い単音を組み合わせながら、独自の質感で周囲を支えている。民謡の旋律や宗教歌、オスマン帝国由来の古い歌など、バルカン半島の多層的な音文化を素材にしながら、和声や音の配置は現代音楽的で、伝統と実験が自然に呼応する独自の音響世界を形成。リズムは明確に刻まれず、呼吸や語りの間合いが時間の流れをつくり、聴き手を歌の奥にある風景へと引き込む。
