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Karkossyn名義でのダークな音像で知られるUKの電子音響作家Tavis Hitchcockが、新たなプロジェクトGrandma Loveを始動、一転してノスタルジーや家族との夏の思い出をテーマに掲げたセルフタイトルのデビュー・アルバムが名門〈Constellation Tatsu〉からリリース。色あせたパッドシンセや繊細なパーカッション、フィールドレコーディングに加え、古いホームビデオのVHSから抽出したような音の断片を繊細に構築。夕暮れ時に家へと帰る道すがらや、どこか懐かしい部屋の陽だまりを思わせる、セピア色のチルアウトな音響を見事に描き出している。時間の彼方に消えかけた記憶が、静かに蘇るような、心解きほぐされる好内容な一作!

クラシックのヴァイオリニストとして20年近いキャリアを持ち、ポストパンクや即興演奏を経て独自の表現に到達したShaina Panのソロ・プロジェクトsachi's mirrorによる、静かな変容と旅路を描き出す待望のデビュー・フルアルバム『Talking in a Different Way』が名門〈Constellation Tatsu〉からリリース。長年の現代クラシックで培われた優美なヴァイオリンとストリングス・アレンジに、フィールドレコーディング、くすんだサンプルのテクスチャー、そしてフロントに据えられた自身の歌声が幻想的に交錯。アンビエントやドリームポップ、前衛室内楽がシームレスに溶け合い、薄霧の中で静かに渦を巻くような幽玄の音響空間を作り出している。実験精神とロマンティシズムが気品高く同居する一本。

クラシックのヴァイオリニストとして20年近いキャリアを持ち、ポストパンクや即興演奏を経て独自の表現に到達したShaina Panのソロ・プロジェクトsachi's mirrorによる、静かな変容と旅路を描き出す待望のデビュー・フルアルバム『Talking in a Different Way』が名門〈Constellation Tatsu〉からリリース。長年の現代クラシックで培われた優美なヴァイオリンとストリングス・アレンジに、フィールドレコーディング、くすんだサンプルのテクスチャー、そしてフロントに据えられた自身の歌声が幻想的に交錯。アンビエントやドリームポップ、前衛室内楽がシームレスに溶け合い、薄霧の中で静かに渦を巻くような幽玄の音響空間を作り出している。実験精神とロマンティシズムが気品高く同居する一本。

UNKNOWN MEのメンバーとしても知られる日本人アンビエント作家H. Takahashiが、2016年に名門〈Constellation Tatsu〉から発表した初期代表作『Body Trip』。現代国産アンビエントの金字塔として国内外で愛され続ける名盤が、最新リマスター音源に加えて新世代のアーティスト陣によるリミックスを追加した2枚組で復刻。繊細なシンセサイザーのトーンと静かな反復、そして控えめなメロディラインが織りなす瞑想的な音響空間。心地よく身体に染み渡るオリジナル音源の温もりに加え、ダブやアンビエント・テクノ、エレクトロニクスの要素を含んだ多彩なリミックス群が作品の新たな魅力を引き出している。静けさと深み、そして穏やかな安らぎに満ちた、好内容作。

UNKNOWN MEのメンバーとしても知られる日本人アンビエント作家H. Takahashiが、2016年に名門〈Constellation Tatsu〉から発表した初期代表作『Body Trip』。現代国産アンビエントの金字塔として国内外で愛され続ける名盤が、最新リマスター音源に加えて新世代のアーティスト陣によるリミックスを追加した2本組カセットで復刻。繊細なシンセサイザーのトーンと静かな反復、そして控えめなメロディラインが織りなす瞑想的な音響空間。心地よく身体に染み渡るオリジナル音源の温もりに加え、ダブやアンビエント・テクノ、エレクトロニクスの要素を含んだ多彩なリミックス群が作品の新たな魅力を引き出している。静けさと深み、そして穏やかな安らぎに満ちた、好内容作。

ブリュッセルを拠点に活動し、自身のレーベル〈Maloca Records〉も率いるプロデューサー、フィールドレコーディング作家Le Motelの最新作『Pozo de Agua』は、ベトナム現地録音を用いた前作『Odd Numbers / Số Lẻ』に続き、環境音とコラージュ、エレクトロニクスをシームレスに織り交ぜて作り上げた、どこか遠い場所へと誘うような良質な音響作品。収録曲の多くは移動中の列車内や屋外で制作され、旅先での情景やふとした記憶、情感を素直にサウンドへと落とし込んでいる。水滴の跳ねる音や風の揺らぎといった自然界の音のかけらを楽器と同等に扱い、柔らかな電子音やポリリズム、バレアリック、ニューエイジ的なダウンテンポの質感と精緻に重ね合わせている。繊細なテクスチャーがたゆたう、深みと静寂を湛えたオーガニック・エレクトロニクス秀作!

Nailah HunterとCadmar Fitzhughによるデュオhelllhoundのデビュー作『Here In The Valley』。妊娠から出産へと向かう時期に制作された、きわめてパーソナルで静謐なアンビエント・フォーク作品で、ロサンゼルスからシエラ・ナショナル・フォレストの山間部へ移住した生活環境の変化も重なり、自然の気配、身体の変容、内面の揺らぎがそのまま音として刻まれている。ハープやアコースティックギターの透明な響き、柔らかく重なる歌声、控えめなエレクトロニクスが、森の空気や水の流れを思わせる穏やかな音像をつくり出す。楽曲はどれもミニマルで、祈りのような静けさを湛えながら、母性・再生・自己回帰といったテーマをゆっくりと浮かび上がらせる。アンビエントの広がりとフォークの親密さが自然に溶け合い、まるで谷間に宿る小さな神話を聴いているかのような印象の一作。

Nailah HunterとCadmar Fitzhughによるデュオhelllhoundのデビュー作『Here In The Valley』。妊娠から出産へと向かう時期に制作された、きわめてパーソナルで静謐なアンビエント・フォーク作品で、ロサンゼルスからシエラ・ナショナル・フォレストの山間部へ移住した生活環境の変化も重なり、自然の気配、身体の変容、内面の揺らぎがそのまま音として刻まれている。ハープやアコースティックギターの透明な響き、柔らかく重なる歌声、控えめなエレクトロニクスが、森の空気や水の流れを思わせる穏やかな音像をつくり出す。楽曲はどれもミニマルで、祈りのような静けさを湛えながら、母性・再生・自己回帰といったテーマをゆっくりと浮かび上がらせる。アンビエントの広がりとフォークの親密さが自然に溶け合い、まるで谷間に宿る小さな神話を聴いているかのような印象の一作。

日本のサウンドアーティスト、Chihei Hatakeyamaによる2026年作。ギターを中心にした柔らかなドローンがゆっくりと重なり、時間の輪郭が淡くなっていくような音の世界を描いている。全6曲・約43分、どのトラックも大きな起伏を持たず、微細な揺らぎと質感の変化が少しずつ広がっていく構成。深い霧の中で光がにじむようなサウンドスケープは、彼の作品に通底する静けさの美学をより純度高く示しており、特に11分を超える最終曲では、ほとんど動かないようでいて、耳を澄ますほどに細やかな変化が浮かび上がる。ギターの残響が空間に溶け、耳を澄ますことで、日常の風景が一篇の詩へと変わるような、音の余白と質感を丁寧に扱った作品。

日本のサウンドアーティスト、Chihei Hatakeyamaによる2026年作。ギターを中心にした柔らかなドローンがゆっくりと重なり、時間の輪郭が淡くなっていくような音の世界を描いている。全6曲・約43分、どのトラックも大きな起伏を持たず、微細な揺らぎと質感の変化が少しずつ広がっていく構成。深い霧の中で光がにじむようなサウンドスケープは、彼の作品に通底する静けさの美学をより純度高く示しており、特に11分を超える最終曲では、ほとんど動かないようでいて、耳を澄ますほどに細やかな変化が浮かび上がる。ギターの残響が空間に溶け、耳を澄ますことで、日常の風景が一篇の詩へと変わるような、音の余白と質感を丁寧に扱った作品。

2020年発表の人気作!新たなるアンビエント/ニューエイジ大名盤。〈Rotifer〉や〈Inner Islands〉〈Leaving Records〉などと並び、世界的なムーブメントとなったニューエイジ・リバイバルを地下カセット・シーンから押し広げたカリフォルニア・オークランドの名レーベル〈Constellation Tatsu〉からは、イタリア・ローマ出身、現在スコットランド・グラスゴーに拠点を置くミュージシャン/サウンド・デザイナー、Loris S. Saridのデビュー・アルバム! これは良すぎるーーー!吉村弘、H.Takahashi、Joseph Shabasonまでも一手に繋ぎ留め、その先さえも見据えた新鋭作家が到来。今年の冬に、アパートの窓辺で育てた小さなトマトの世話をしていたことをきっかけに、トマト農園へと捧げる音楽として制作された、まさに「植物のための環境音楽」とも言える一枚。〈Leaving Records〉がリリースしたGreen-HouseのデビューEPにして、「植物の生命とそれらを育てる人々のコミュケーション」というコンセプトの基に製作された「Six Songs for Invisible Gardens」と対になる一作!「シンプルさの中にある何気ない勇気と、何気ないものの美しさと軽さへのオマージュ」とされており、日本の環境音楽にも通じる、引きの美しさや静けさを愛でる世界観やミニマリズムが透徹された一大傑作なオーガニック・アンビエント/ニューエイジ。

神戸の音楽家TSUDIO STUDIOによるアンビエント・プロジェクト微風ゾーンによる作品『The West』。大阪の西側に広がる建築物や風景から着想を得て制作、各曲は特定の建築空間をイメージして構成されており、静かなシンセのレイヤーや淡いメロディが、街の中に潜む静寂や空気を丁寧に描き出している。実在の地名を思わせるタイトルが並び、都市を歩きながら感じる光や影、空間の質感がそのまま音に変換されたような、場所性の強い作品となっている。ポスト・ニューエイジ的な柔らかい音の広がりと現代アンビエントらしい透明感のある響きが心地よい、音による地理的・情緒的な旅。

神戸の音楽家TSUDIO STUDIOによるアンビエント・プロジェクト微風ゾーンによる作品『The West』。大阪の西側に広がる建築物や風景から着想を得て制作、各曲は特定の建築空間をイメージして構成されており、静かなシンセのレイヤーや淡いメロディが、街の中に潜む静寂や空気を丁寧に描き出している。実在の地名を思わせるタイトルが並び、都市を歩きながら感じる光や影、空間の質感がそのまま音に変換されたような、場所性の強い作品となっている。ポスト・ニューエイジ的な柔らかい音の広がりと現代アンビエントらしい透明感のある響きが心地よい、音による地理的・情緒的な旅。
NTS Radioでの長年の活動を通じカルト的な支持を集めるロンドン拠点のデュオTime is Awayによるミックステープ『Ballads』が、名門〈A Colourful Storm〉の「Fleetway Tapes」シリーズから登場。徹底したディグと詩的なストーリーテリングを美学に、バラッドという普遍的な歌構造に着目し、時代や国境を越えた希少音源群を精緻に紡ぎ上げている。ジャズの繊細なロマンティシズムやトラッド・フォークの記憶、異国の言葉で紡がれる儚い歌声、さらには13分におよぶ現代クラシックのドローンまでがシームレスに交錯。トラックリストの全体像を容易には掴ませない神秘性を保ちながら、時代や国境を越えたひとつの物語として編み上げている。詩の朗読や余白の静寂をアクセントに、白昼夢のような幻想的空間を描き出す、ロマンとディープな叙情性に満ちた好内容!

アメリカ中西部のカジノを舞台に、スロットマシンの音響を生々しく捉えたAdrian Rewによるカルト的名作フィールドレコーディング集『Slot Machine Music, Vol. 1 & 2: Field Recordings from Middle American Casinos』。厳重な警備の目を盗み、コートのポケットに潜ませたレコーダーで2013年から現地に通い詰めて密かに録音されたもので、ゲームデザイナーがハーモニーの調和を図るためにハ長調にチューニングしたという無数のスロットのチャイムや電子音が、意図せずしてニューエイジやJoe Jonesによる瞑想音楽を思わせる優美なドローンとして立ち現れる。警備員とのやり取りや利用者の生々しい歓声、深夜の屋外の虫の鳴き声や貨物列車の轟音までがそのまま収められ、美しさと背中合わせにある狂気と寂寥感を浮き彫りにする極上のサウンドスケープ!

OrganumのDavid JackmanやNew Blockaders、Giancarlo Toniuttiといったノイズ・レジェンドたちとのコラボレーションや、Christoph Heemannとの伝説的プロジェクトMirror(1999-2004)の活動でも知られ、英国にて40年以上に静かに影響を与え続ける音楽を生み続けてきたAndrew Chalk。最初期のインダストリアルな作風から、近年の繊細なギターやキーボード、コラージュを用いた楽曲にまで及ぶ長いキャリアを、凝縮した形で提示するような作品『Mystical Obscurant』。近年制作した音源をまとめたもので、ギターの微細な倍音、霞んだ鍵盤、環境音の粒子がゆっくりと重なり、光と影がゆっくり移ろう風景のような音響が広がる。淡い光を放つギターが宗教的な静けさを帯び、ミニマルな反復が穏やかな流れをつくる。環境音やループが絵の具の層のように重なり、コラージュ的な構造が静かに展開する。彼が築き上げた様々な音楽言語を映し出した楽曲群でありながら、どれも一貫して控えめな美しさがあり、抑制と余白の美学に貫かれた静謐な音響作品。

Jan JelinekがGramm名義でクリック〜マイクロハウスを制作していた90年代末に、リスニングにフォーカスした作品として制作された『Personal Rock』が、本人主宰レーベルFaiticheよりオリジナル・アートワーク仕様で20年の時を経て、ついにヴァイナル復刻。クリック音や微細なノイズ、細かく刻まれたサンプルが緻密にレイヤーされ、静けさの中で絶えず揺れ動く粒子の音楽が展開される。メロディを前面に押し出すのではなく、音の質感そのものが表情をつくり、反復の中で少しずつ変化していく構造は、Jelinekが、より抽象的で内省的な方向へ踏み込んだ作品であり、後の代表作「Loop-Finding Jazz Records」に通じる美学の原点ともいえる。深夜の静けさや都市の空気を思わせる繊細な緊張感が全編に漂い、20年以上経った今でも色褪せない魅力を放つ大名盤。

人気作が待望のリプレスです!Harold BuddやJürgen Müller、Jan Jelinekが好きな方にもオススメ!〈Faitiche〉や〈Sferic〉からも傑出した作品を発表しているフランス人ライフガード/実験音楽家Roméo Poirierによるデビュー作『Plage Arrière』が待望の再プレス!〈Kit Records〉から16年に発表したオリジナルのカセットも、20年のLP再発盤も共にプレミア化している貴重な一枚にして、3つの島にまたがるギリシャのビーチ群を舞台としたコンセプチュアルな作品!微分音のサンプル、クリック音、きらめくピアノによる、チルアウトした雰囲気で満たされた、深海系アンビエントの一大傑作!限定500部。
現代の音楽における形式からは大きく逸脱したループの作用にも注力したという本作。安らぎと悲愴のヒスノイズの絶妙な隙間にあって、冷涼なサウンドが幾重にも連なっては過ぎ去り、アンビエントともクラシックとも取れない屈折した何かが出来上がる、不可解な音楽です。彼のアルバムの中で最も象徴的な作品の一つではないでしょうか。

Pan Sonicの片翼として電子音響の極限を切り開いてきたMika Vainioが、Ø名義で残した中でも特に個人的な感触を持つ作品『Kantamoinen』。1999年から2004年にかけて、バルセロナ、ウィーン、ベルリンで録音された断片を静かに編み上げた16曲で、祖母Laina Vainioへの献呈作として知られている。Pan Sonicの硬質なミニマリズムとは異なり、ここでは柔らかいメロディの線がゆっくりと立ち上がる。薄い音の層が重なりながら、空間は大きく広がり、フィンランドの風景や幼少期の記憶が、具体的ではないのに確かにそこにある気配として漂う。曲名が示す自然のイメージが、音の揺らぎとして淡く現れては消えていく。シンセの旋律は美しいが、感情を直接押し付けるものではなく、冷たい空気の中にふっと差し込む光のような距離感を保ち、フィールド録音や声の断片が一瞬だけ差し込み、抽象的な音響の中に人の気配が微かに浮かぶ。静けさの中に個人的な記憶が滲む、情緒と構造のバランス、その独自の情緒が美しい一枚。
Ullaが主宰するレーベル〈28912〉より、J and the Woolen Starsによる、アンビエント、フォークトロニカ、エレクトロアコースティックが静かに溶け合う、きわめて親密な音響作品『Puff』。アコースティックギターはざらついた質感で、古い録音機材で記録されたような不完全さが残る。その不完全さが、忘れかけたメロディがふと蘇るような儚い感触を生む。電子音と生音は曖昧に溶け合い、部屋の空気や生活音がそのまま音に混ざり込んだようなローファイの魔法が漂う。高尚さと素朴さの境界を揺らす、壊れかけのフォークソングを拾い集めたような一枚。TenniscoatsやVincent Galloを思わせる、歌のないフォークのようであり、音響作品のような音像が、ひとつの静かな夢のように流れていく。

ノルウェーのデュオDeaf Centerによる、時間の流れをテーマにした音響の旅『Through Time』。前半はTotlandのピアノが少ない音数で置かれ、その余白にSkodvinの暗いテクスチャが静かに広がっていく。霧の中をゆっくり歩くような、影と光が交互に現れる音の風景が続く。中盤以降は、ドローン、微細な電子音、ストリングスが重なり、空間がゆっくりと変化していくような感触が強まる。特に後半では、ストリングスが深い音響の中に柔らかな光を差し込み、静けさの中に高揚が立ち上がる瞬間が印象的。静かな音のレイヤーが少しずつ形を変えながら進む、Deaf Centerの成熟を感じるアンビエント/エレクトロアコースティック作品。 夜の読書や深夜の作業に寄り添う、静かで奥行きのある一枚。

アメリカの作曲家・ピアニスト Ruth Maine によるデビュー・アルバム『Found Keys』。20年以上の演奏・作曲のキャリアを持つ彼女が、初めて自身の作品を録音・公開することを決意した非常にパーソナルなアルバムであり、静けさと親密さに満ちた16曲の短いピアノ作品が収録されている。ピアノの旋律はシンプルながらも反復を通じて微細に変化し、各曲は2〜3分ほどの長さでありながらも深みを持ち、自然に囲まれた環境で録音されたことによって環境音や空間の響きが自然に取り込まれていることも相まって、アンビエント、ネオクラシカルの要素が溶け合った音響世界が展開されている。時代を超越したような穏やかさと、古くからの友人のような温もりを感じさせる、音楽というよりも、記憶や感情の断片をそっと鍵盤に乗せたようなスケッチ集。静かな時間に寄り添う一枚として、深く心に響く作品。

ノルウェーの音響デュオDeaf Centerのピアニストとして知られるOtto A Totlandが2014年に発表した初のフル・ソロアルバム『Pinô』が待望のリプレス。収録された18曲はすべて短いピアノ小品で構成され、1〜3分ほどの音のスケッチが静かに連なっていく。メロディは控えめで、冬の光のように淡く、影のニュアンスを含んだ情緒が漂う。ピアノの響き、鍵盤のノイズ、ペダルの残響まで丁寧に捉えた極めて親密な音像で、物理的なノイズまでが音楽の一部となり、音楽にリアリティを与えている。静けさの中にある感情を丁寧に描いた、現代ピアノ作品の名作。
