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Juu - Old to the New and New to the Old (CD)
Juu - Old to the New and New to the Old (CD)Em Records
¥1,650
限定販売!タイのカリスマ・レジェンド・ラッパー、ジュウの人生初フィジカルMIX CD。激震のJuu & G. Jeeアルバム『ニュー・ルークトゥン』のサブ・テキストにもなる重要作でB-BOYもアジア音楽好きもクラブ・ミュージック好きも必聴!

Juu & G.Jeeを主役に、今年10(ジュウ)月に日韓共同で開催し大成功となった「OMK<ニュー・ルークトゥン>ツアー」のため制作した会場限定のスペシャルなMIX CDを、ご要望にお応えして限定流通します!ジュウさんが親しんできたタイ音楽、フォークソング、ルークトゥン、現在のスタイルに決定的な影響を及ぼしたタイのHIPHOP、そして自身のアルバムのトラックを混ぜ込んだ内容はまさに題名通り(<実にいいタイトルだ!)。新旧互いに影響しあった全く新しい作品を造り出したい、というジュウさんの哲学を反映した作品であり、『ニュー・ルークトゥン』のサブ・テキストとしても聴けます。また、過去から徐々にアップデートしていくタイ音楽の発展(パッタナー)も表現されているようで、ちょっとした歴史体験にも。マニアにとっては黎明期のタイHIPHOPが聴けることも重要!
Synth Sisters - Euphoria (CD)
Synth Sisters - Euphoria (CD)Em Records
¥2,200
降り注ぐ8編の電子音はEuphoria=多幸感。シンセ・シスターズNEWアルバム!!!

Crossbredでもおなじみ、クラブでもノイズでも隔てなく活動してしまう希有なデュオ、Rie LambdollとMAYUKoの電子音楽ユニット、シンセ・シスターズ待望の新作。自由度の高い電子音素描集といえる前作『Aube』(2014)から一転、この『Euphoria』は、特定のイメージ(Euphoria)を主題にシンセとヴォイスのみで造り出されたトータル・アルバムだ。と言っても、アンビエントでも癒しのニューエイジ音楽でもメディテーション音楽でもない。プログレでもなければヴェイパーウェイヴでもテクノでもない。これは2020年代を目前にした今、アンダーグラウンド発の、ニッポン・シンセミュージックの深化を証明し、未来を切り開くものだ。また、クラブ爆音再生、BGM、ホームリスニング等、再生音量の度合いでガラッと表情を変えてしまう作品でもあり、各状況に応対するこの品質の高さは、第三のメンバーと言って過言でないエンジニアのKabamixの手腕だ。装丁:木村銀次。

電子音楽の歴史に名高いアーティストは誰かと聞けば人はシュトックハウゼンだ、クラフトワークだと、男の名前ばかりが挙がるだろう。しかしそれもまたこの先変わっていくのだと最近思う。デリア・ダービシャー、ローリー・シュピーゲルやポーリン・オリヴェロス、ドーリス・ノートンにスザンヌ・チアーニと、電子音楽に関わって来た女性の歴史は本当は広く深い。加えて近年は、我らが日本のシンセ・シスターズ、ステラー・OM・ソースやマリア・ミネルヴァなど、シンセサイザーと女性の関係の深化は実に甚だしい。彼女たちはその歴史を確実に塗り替えていく。このアルバムを聴きながら思ったのは、きっとその先に広がる世界は差別と不平等の鎖から解き放たれた、今日よりも真実味のある世界に違いないということ。---カジワラトシオ(ヒト族レコード・Antibodies Collective)

もの凄い立体感の電子の粒に包まれる。上層のコズミックな粒の壮大な広がりと美しい流れ、心地よい音階とうねり、低いところから沸き起こる太くて力強い響きにもグッとくる。何層にも幾十にも重なって広がっていく未来の世界は、多幸感、多福感でいっぱいになっていく。この切り開かれ感はちょっと凄いかも。ず〜っと聴いていたいです。---YAMA (TUMULUS/PRHYTHM)
V.A. - スリン・パークシリの仕事:特選ルークトゥン集 1960s-80s (CD)
V.A. - スリン・パークシリの仕事:特選ルークトゥン集 1960s-80s (CD)Em Records
¥2,750
EM + Soi48のタイ音楽シリーズにタイ音楽界の生ける伝説、スリン・パークシリの<仕事集>が登場。コクソン・ドッド、服部良一、フィル・スペクター、テオ・マセロetcとも比肩すべき音楽人であるスリンは「キング・オブ・インターナショナル・ソング」という異名を持っていますが、それは今回紹介するタイの国民的音楽ルークトゥン(*1)で彼がプロデュースした作品群から付けられたもの。ルークトゥンは歌う題材=歌詞が重要なジャンルで、それさえ担保されていれば音楽はぶっちゃけなんでも良し。要は面白けりゃいいのだ!というどん欲なまでの雑食性があり、その前衛で<攻めた>のがスリン・パークシリです。

彼はタイ東北部イサーン出身、タイのポップス制作者の旗印となる最先端(変態)キラーを度々送り出した発明家的なプロデューサーであり、タイ音楽を一人でグイグイ発展させてきた偉人。売ることより変わったことをしたい生粋のレコード・マンであり、確かな批評眼でタイ音楽の隆盛を見てきた生ける音楽ライブラリーでもある。

今回はスリン先生が手掛けた沢山のルークトゥン曲からまことの<スリンらしさ>を主張する無節操ごちゃ混ぜ12曲を選抜。その結果、プレーン・プロムデーンやワイポット・ペットスパンらラオス系大物歌手を起用したこれぞ王道ルークトゥン!というラオス系賛歌から、Juu『New Luk Thung』でもサンプリングされたカワオ・シアントーンのガンジャ・チューンとカヴァー曲のオリジ版、ボリウッド・チューンや、「ソーラン節」続編や坂本九の曲(??)など和物ファンにはたまらない日本の民謡・歌謡のカヴァー、怪しげでやたらにエキゾなインディアン・ルークトゥン、盟友サマイ・オーンウォンと組んだタイ・ファンクのプロトタイプ、超DOPEなレー(*2)やラムウォン(*3)というルークトゥン娯楽総合カタログとなった。

「ニュー」な「ルークトゥン」を高らかに謳うJuu & G. Jee『New Luk Thung』をルークトゥン<最新型>とするなら、このスリン・パークシリの仕事集はルークトゥン<クラシック>の音源集。これをチェックすればルークトゥンが何なのか姿を現しついでに『New Luk Thung』が別の輝きを放つことでしょう。

今回も全て訳詞付き。解説はもちろんSoi48。

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*注釈
1)ルークトゥン:“田舎の子”、“田舎者の歌”の意を持つ音楽ジャンル。1960年代半ばに確立し、現在はタイのナショナル・ミュージックとして継承される歌謡音楽。歌詞を特に重視する。特定の音楽形式がないため雑食性が高い。

2)レー:仏教教典が僧侶の説法を経て歌謡化したタイ独自のジャンル。制限された音節で即興的に歌っていく話芸で高い技量を必要とするためレーができる歌手はリスペクトされる。

3)ラムウォン:国威掲揚のためタイ政府が1940年代に制定した創作民謡の性格の強い音楽。日本の盆踊りのような輪踊りが特徴で労働者階級で流行した。タイ民謡のメロディーを西洋音楽風に改編したものと、踊れる音楽ならジャンルを問わず何でもラムウォンと呼んで踊ったもの、2つの意味・用法がある。

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選曲・解説:Soi48
マスタリング:倉谷拓人(Ruv Bytes)
装丁デザイン:高木紳介(Soi48)

CD版:通常ジュエルケース/28頁ブックレット封入
日本語・英語ライナー/完全訳詩掲載

TRACKS:
01. ブッパー・サーイチョン「恋を風に乗せて届ける」
02. スミット・サッチャテープ「愛への飢え」
03. カワオ・シアントーン「新居のシミュレーション」
04. バンチョップ・チャローンポーン「これ以上しゃべらないで」
05. リアム・ダーラーノーイ「ドキドキする」
06. カワオ・シアントーン「大麻竹」
07. ブッパー・サーイチョン「歩いて見せる」
08. ダンチャーイ・ソンタヤー「死にたい」
09. ダム・ダーンスパン「熟した恋」
10. プルーン・プロムデーン「メコン川の子に口説く」
11. スマリー・セーンソット「桜があなたを待っている」
12. ワイポット・ペットスパン「田んぼ沿いのラム」
YPY - ズリレズム (CD)
YPY - ズリレズム (CD)Em Records
¥1,980
日野浩志郎=YPYの世界流通1stアルバム!

先日、作曲家としての大作「Virginal Variations」の東京初演を成功させ、内外からいよいよ注目を集める日野浩志郎。彼のソロ・ユニットYPYの世界流通アルバムが遂に発表される。誰もが認める2010sの才能、日野はクラブシーンから出現したトラックメイカー/音楽家だが、その腰の低さと反比例するような強力な作家性ゆえ、地下の箱に収まろうはずも無く、噴出する創造パワーを押さえ込んでいる状態。そんな日々ライブと録音に明け暮れるYPYだが実はリリースが少なく本作の価値は相当に高い。このアルバムでは彼が率いるバンド、goatのストイックな姿勢とは異なる、初期衝動的かつ多面的なリズム探求を聞かせる。今回は盟友、行松陽介が選曲アドバイスし、こうした日野の衝動をアルバムに定着させた。圧縮された質量感のある音をもち、様式は電子音楽だが、アフリカの土着音楽のような、生き物のような妙な有機感をもつのがYPYの特徴のひとつで、それは音作りにカセットテープを用いていることにも関係している。なお、表題曲「ズリレズム」は偶然起こった機材トラブルを逆手にとった摩訶不思議な作品でYPYの初録音作!

「goat、bonanzasのブレインとして、ではなく、1人のトラックメイカーとしての日野浩志郎=YPYの初期衝動からの軌跡。しかし軌跡とは言っても、それは何処かへ一直線に向かっているわけではなく、その道筋は絶えずZUREて行く。なぜか。それは彼が絶えず試し続けているからだ。なぜ試し続けるのか。それはそこに潜む可能性を探るためである。ここには日野浩志郎のこれまでの断片が散りばめられている。そしてこれからの断片もまたポリリズミックにZUREて行くだろう。耳は心臓の音を聴いているか。John Cageは聴く事の可能性を問い続けた。可能性が僕たちを待っている。」
―行松陽介
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「一聴して、「ライヴハウスの音だ!」と思いました。いわゆるコード感やメロディはないし、ノイズでもないし、「響き」だけで聴かせる音楽でもないし、ダンスミュージックでもないのに親しみやすい音。身体的な音楽ってことなのかな。遊び心あふれる作品です。何も考えずにまず聴いてみるといいですよー。」―Phew
岩本清顕 - SOUGI+ (CD)
岩本清顕 - SOUGI+ (CD)Em Records
¥2,200
元々ミニマルな構成の曲に、淡々と鳴り続けるリズムボックスと極限まで削ぎ落とされた歌詞が相まって、ぐるぐると脳内をリピート、遂には「俺の不幸を愛してくれ」と口ずさんでしまう始末。危険なまでに中毒性の高い音楽。取扱注意。ー moppy (Soi48)

愛は惜しみなく奪う、そしてまた愛は俺らを引き裂く……かつてポストパンクの彼方へと打ち上げられたあらゆる喪失の結晶が今再びギラつきを取り戻す!故岩本清顕による幻の音源集、約40年の時を経て遂に解禁!!! ー 持田保(工場労働者兼リアル・インダストリアル・ライター)

かつて自らの過去を葬り消息を絶ったミュージシャンがいた。その名は岩本清顕(いわもと きよあき)。その理由はわからない。わかっているのはミニマム極限のオリジナル曲とECDをも驚愕させたジョイ・ディヴィジョン「Love Will Tear Us Apart(愛が僕らを引き裂く)」の《超訳》カヴァーを残したことだ。

岩本はポスト東京ロッカーズ期のシーンに姿を現し、ポストパンク・バンド<美れい>としてあの『都市通信』に参加。美れい解散後、工藤冬里とガイズンドールを結成し工藤と連名で『Hard Rock Album』(1984)を発表。その後、消息を絶つ。

本作は岩本がコジマ録音で自主制作した唯一のソロ作『SOUGI』(1983)に、千紗子と純太による「Love Will Tear Us Apart」のリワーク、工藤冬里・礼子のNOISE『天皇』をどこか彷彿とさせる美れいの未発表曲をプラスしたものだ。美れい時代の曲「悲しい町で」を含めた岩本のオリジナル4曲は、リズムボックスが鳴り、ギターとベースで数個のコードが演奏され、切り詰めたような短い詩が放たれる。苛立つ感情を自己内面にぶつけるのは日本のパンク/ニューウェーブの特徴だが、岩本のふてぶてしいヴォーカルはいっそう苛つきを増幅させるようで、ジョイ・ディヴィジョンの《超訳》に喪失のニヒルなクライマックスが訪れる。

『SOUGI』とは「葬儀」だったのか!?角谷美知夫なら一体なんて応えただろう。80s自主制作盤のアンタッチャブルが今なおわたし達を揺さぶり続け、<愛されたい>者どもに噛み付く!
関根真理 - Beginning c/w Lena Willikens Remix (CD)
関根真理 - Beginning c/w Lena Willikens Remix (CD)Em Records
¥1,595
ナナ・ヴァスコンセロス meets 高田みどり!?!多重録音楽団ひとりの人外魔境探検から生まれたアンビエント密室エキゾ幻想のダンスミュージック、静と動が繊細かつ大胆に交錯する脅威の作品「Beginning」。カップリングはあのLena WillikensのREMIX!

バンドに舞台に活躍するパーカッショニスト、関根真理の世界デビュー作をエム・レコードよりお届けします!カリンバ、マリンバ、ウドゥ・ドラム、ダラブッカ、ジェンベ、トーキングドラム、カホン、ビリンバウ等々、優に15種以上の打楽器をひとり多重録音で操り、テープ逆回転やヴォイスと組み合わせ出現させた10分超の大作であるこの「Beginning」は、驚くことなかれ、なんと関根の初の「ソロ」レコーディング曲なのだ。そして関根のミュージシャンシップが昨日今日で培われたものでないことはこの曲を一聴すれば明らか。近年最大の隠れた才能の開花といえそうな、高田みどりのファンも驚きを持って迎えてくれるだろう大注目作だ。マルチ・パーカッション奏者の多重録音作は現代音楽にもあるが、ここまで圧倒的なパワー、しかもホームリスニングからフロアにまで対応する作品はかつてあっただろうか。制作中の1stアルバムにも期待大!

カップリングは大人気DJ、レーナ・ヴィリケンスによるREMIXで「Beginning」のトライバル成分を抽出した怒濤のファンキー・アッパー・カット!

※なお「Beginning」は彼女の1stシングル「midori」(Tongs International)として発表した曲を録音当初の原題に戻し、およそ3倍近くエクステンドしてレゲエのディスコ12インチ的な構成にリワークしたもの。

関根真理プロフィール:
大学で打楽器に触れ、卒業後活動を開始。JAZZ FUNKバンド等の活動を経て、2000年よりビックバンド「渋さ知らズ」に参加。現在は、西川郷子(ex.上々颱風)『星ノ飛ブ夜』、遠藤ミチロウ(ex.THE STALIN)『THE END』、打楽器集団『Orquesta Nudge! Nudge!』その他セッションなどで活動中。演劇作品での活動も多く、串田和美演出『コーカサスの白墨の輪』『天日坊』『三人吉三』『切られの与三』、ヤン・ジョンウン演出『ペール・ギュント』、演劇集団「風煉ダンス」の『まつろわぬ民』『泥リア』等に参加。
Angkanang Kunchai With Ubon-Pattana Band - Isan Lam Plearn (CD)
Angkanang Kunchai With Ubon-Pattana Band - Isan Lam Plearn (CD)Em Records
¥2,750
イサーン(タイ東北部)のウボンラーチャタニー県に生まれたアンカナーン・クンチャイは、モーラム界に現れた天才少女で、“歌える”モーラム歌手(注3)の第一世代にあたる。国を代表するモーラム歌手、チャウィーワン・ダムヌーンに幼少から弟子入りし、10代半ばで名門楽団、ウボン・パタナー・バンドの主役歌手になった。

本アルバムのタイトル曲である「イサーン・ラム・プルーン」(1972年)は彼女が16歳で吹き込んだもので、現在人気絶頂のターイオラタイにまで歌い継 がれる不朽の名作である。同曲はウボンの名プロデューサー、スリン・パクシリを代表する仕事でもあるのだが、理由はこの曲がモーラムをはじめとするイサーンの音楽と、バンコク主導のルークトゥンを融合させた新音楽“ルークトゥン・イサーン”(注4)の幕を開けた曲だからだ。天才的なレコー ド・マン、パクシリが“発明”したルークトゥン・イサーンは、モーラム楽団がロックバンド化し、ルークトゥンのノリで演奏し生まれたもので、モーラムの伝統のタブーも破ってしまった実は相当に奇抜な音楽。しかし「イサーン~」が映画『ブアランプー』の主題歌として大ヒットし、この禁断のカッコ良さに皆が感 化され、次々とルークトゥン・イサーンが演奏されていくことに。後にこれが伏線となってイサーン音楽が全国を浸食、90年代にはタイでモーラム・ブームが 起こり、ルークトゥン歌手もモーラムを歌わないと興行出来ない状態になった歴史的背景もある。

パクシリ制作の本作は、アルバムといえばシングル曲の寄せ集めというタイで、コンセプチュアルな統一感をもっている点が極めて重要。ウボン・パタナー・バンドの過激なまでにジャンル越境した演奏に、少女の可憐な声が乗る不思議な世界……その後登場するルークトゥン・イサーン諸作と隔絶した存在感をもつ問答 無用の名盤だ。ボーナスとして数多ある「イサーン~」のカバーから、コンペッチ・ケーナコーンによるヴァージョンを収録。英語・日本語解説&歌詞説明付き (必読!)。
Takuji Naka / Tim Olive - The New Attractive (CD)
Takuji Naka / Tim Olive - The New Attractive (CD)Em Records
¥1,980
ほのかに甘くてほのかに淡い。京都在住の音楽家、中琢爾(なか・たくじ)と、神戸在住の音楽家ティム・オリーヴが、磁力を芯にローファイな実験の扉を開いたデュオ演奏集!

タイトルは16 世紀の磁力に関する研究から着想した。磁力こそがこのCD―中琢爾のカセットデッキとTim Olive のマグネティック・ピックアップから生み出された音楽―の芯だからである。5 つの無題のトラックは、夢のなかの不条理な論理で綴られた物語的な流れに誘う。そこでは“時代遅れ”のローテク音源により、中とオリーヴ二人の先進的な音楽性が表現されている。しなやかに変形する金属、アナログエレクトロニクス、年季の入ったスプリング・リバーブが、カセット独特の不安定さとあいまって、じわじわと感じる不安や先の読めないミステリアスな雰囲気、艶のあるメランコリックな美しさが生み出されている。京都の庭師である中、そして最近映画に関わるようになったオリーブのキャリアを、この二人が作り出す音楽の飾り気のないオーガニックな感じや不気味な映画っぽさと結びつけるのは強引だろうか。だが実際、彼らの音楽はそのように聞こえてくる。2013 年、京都の山の麓で録音された本作には、その場所らしさが強く表れている。しかし、それは両極を有する磁力のように、移り変わり、明滅する。そこで、時は潮のように寄せては返し、そして光は陰っていく。

+ 解説:若尾 裕(音楽学者・作家・作曲家)、英訳付き
+ デジパック、ライナー封入
Clan Caiman - Clan Caiman (CD)
Clan Caiman - Clan Caiman (CD)Em Records
¥2,200
ハイラマズ、VIDEOTAPEMUSIC、トータス、トミー・ゲレロ、マーティン・デニー、密林バレアリック系、どれかのファンなら絶対的にスイセン! アルゼンチンの才能、エミリオ・アロの新作はバンド名義での幻想的かつメローでミニマルなエキゾ・トライバル・ミュージック。エム・レコードから世界発売。

アルゼンチン音楽ファンには説明不要のマルチ・インストゥルメンタリスト作家、エミリオ・アロがこの10年で発表したソロ作『Panorámico』(2007)と『Estrambótico』(2012)は、音響派以降の新世代がフォルクローレ・リバイバルの影響下に制作した完全なスタジオ作品だった。しかし、ここにきてシーンのキーマンがあえてバンドを結成したのは極めて重要。南米のワニの名をもじったこの怪しいバンド名<カイマン族>のデビュー・アルバムとなる本作は、架空の部族の奏でる音楽を空想した、あるはずの無い秘境に流れる音楽というコンセプト。カリンバを改造したカリンバフォン(名前も最高!)というアロの自作楽器を中核に据え、ゆったりした波動でメローかつ幻想的に、徹底してミニマルに演奏されるバンド・グルーヴにはかなりの催眠性と中毒性がある。アルゼンチン音楽ファンだけに独占されるのはもったいない、ハイラマズやVIDEOTAPEMUSICのファンも絶対にハマること間違いなしのユル~いエキゾ幻想音楽!
No Right Turn (CD)
No Right Turn (CD)Em Records
¥2,530
イングランド中部ダービーシャーで活動していたフォーク・トリオが、華麗な美声を備えたヴォーカリスト、ジェイン・マースデンと出逢い、これを機に6人組のエレクトリック・フォークロック・バンド、ノー・ライト・ターンが誕生。彼らは英中部で人気を博し、1983年、フェアポート・コンヴェンションの核であったウッドウォーム・スタジオで、1stアルバムである本作『ノー・ライト・ターン』を自主制作。(フェアポートをリスペクトしたカヴァー曲「Lady of Pleasure」をアルバムに加えている)NRTのユニークな点は、ライブ演奏にはあまり関わらないものの、フィル・ハリソンとティム・ドーソンという二人のソングライターがメンバーとしてバックについていたことで、主なボーカル曲のレパートリーは彼らのペンになるオリジナルだった。リンダ・パーハクスを彷彿とさせるジェインの多重録音/ダブルトラック・ヴォーカルはバンドの華であり、英国の風ごとき爽やかさと憂いを帯びた声はハリソン/ドーソンのオリジナル曲に最高にマッチした。ネオアコ風アコースティックギターが疾走する「Roller Coaster」、郷愁を誘う名唱「Lawlands Away」、心地よいハーモニーの「What Do You Do?」など、時代を超えてアピールする歌曲が揃う一方で、「Drowsy Maggie/Ash Plant」や「Waves」といったトラッド曲を、ピンクフロイドのようにヘヴィーなプログレッシヴ・インストにリアレンジしてみせる。この絶妙なバランス感覚もバンドの魅力だ。一介のローカル・インディーの自主盤だが、これぞまさしく名盤というにふさわしい、愛すべき奇跡の作品!
Don't DJ - Hyperspace is The Place / Hyperspace is No Place (CD)
Don't DJ - Hyperspace is The Place / Hyperspace is No Place (CD)Em Records
¥1,760
独の奇才コンポーザー/プロデューサー、Don't DJ最新作。テクノ・サンラー?アングラYMO?超空間世界をテーマにした実験エスニック・エレクトロニクス・テクノ・エキゾ・ミュージック。

YPYと国内ツアーし、The Durian BrothersやInstitut Für Feinmotorikのメンバーというよりも、今やソロ名義Don't DJとして異質な才能を爆発させるFlorian Meyer。彼曰く今作は「自分の中では割と聞きやすい部類になった」という。サン・ラーの名盤『Space Is the Place』(1973)にちなんだと思われる題名が示す、超空間世界をテーマにした両A面のミニ・アルバムで、あの『Authentic Exoticism』(2016)の進化版といえそうな作品。タイトルは伊達でなく、サン・ラの世界をデジタルで憑依表現したようなA面、うってかわってAA面はエチオピアかインドネシアのような音階が耳をとらえ、こちらも不可思議で妖しい異空間世界を表現したエスニック・エキゾ・テクノ音。相変わらず実験性の高い試みだが、ポップな仕上がりなっている点は彼の才能だ。A-2はデレック・ピョートルとの共作でマニアは要注目!
Alexandra Atnif - Rhythmic Brutalism Vol. 1 & 2 (2CD)
Alexandra Atnif - Rhythmic Brutalism Vol. 1 & 2 (2CD)Em Records
¥2,420
ポスト・プルリアント? EG?? ムスリムガーゼの再来??? 現役最強のリズミック・ノイズ/ドラムンノイズ・テクノ女子、衝撃のアレキサンドラ・アトニフ!

80sノイズ/インダストリアル・ミュージック黄金期のリスナーから昨今のエクスペリメンタル・テクノ・フリークまで魅了すること間違いナシ!! ルーマニア出身で現在はLAを拠点とする女性音楽家アレキサンドラ・アトニフは、東西冷戦時代に一世を風靡した建築様式「ブルータリズム」にインスパイアされた音楽「リズミック・ブルータリズム」を提唱。

彼女はヴィンテージなシンセサイザーや高額な機材を一切使わず、フリーウェアを駆使して正に剥き出しのコンクリートのごときビートを放出。その装飾を削ぎ落としたトラック群はエスプレンドー・ジオメトリコら偉大なる先人たちを彷彿とさせる凄みを既に漂わせる。ミニマル・テクノの機能性を保ちつつ、クラブ・ミュージック通過後のノイズ/インダストリアル・ミュージックが失ったヴァイブス、凶暴性を感じさせる唯一無二のサウンドは、既存のインダストリアル・テクノとは一線を画している。

今回、自主盤アルバムをA.A自身がリワークし、EM Records Editionとした新編集の『リズミック・ブルータリズム 第1集』と、その続編となる新作『同 第2集』を同時リリースする。ミニマル・テクノ寄りの『第1集』、より抽象的で電子音楽寄りの『第2集』と印象は異なるが、全編に作家のブルータリズムがみなぎる激烈内容。ブリン・ジョーンズも草葉の陰で頷いてくれるに違いない!※CD版は『Vol.1』と『Vol.2』の2枚組セットとなります(LP版と同内容です)。
Tapes + 7FO - Live 電気爆発 (CD)
Tapes + 7FO - Live 電気爆発 (CD)Em Records
¥2,200
噂が噂を呼ぶあのTapesと7FOの二大天才バクハツ共演ライブ!!! ダンスホールレゲエとエクスペリメンタル/ニューエイジ/サイケデリックが接合した奇跡のハイパーエレクトロニックDUBセッション!!!

ナードも絶賛のミアクスマ・フェスティバルでTapesと7FO( ななえふおー)が今夏行った衝撃のDUBセッションは、Resident Advisorでも「Meakusma Festival 2019: Five key performances」に選出され話題になったが、その衝撃の余韻さめやらぬ中、大注目のライブ・アルバムが登場!! お互いの音楽をリスペクトしあうTapesと7FOは2017年の日本ツアーでパフォーマンス相性の良さを確信。Rezzettのメンバーとしても大活躍するTapesのイギリス的エッジーな切れ味と、DOPINGを疑うほどユルい7FOのニッポン的侘び寂びDUBセンスがダンスホールレゲエという共通ファクターを通じて電気的に爆発。しかしただのエレクトロニックではなく、アナログ機材を幾つも通した独特な音加工はキラキラ・サウンドが溢れるエレクトリック・ミュージック界にあってはまさに異色。Tapesのデジタル・レゲエ・クラシックに新アレンジを施したトラック、ゲーム音楽をDUB化した「Tetris Dub」他新展開をみせるキラー構成で、更にラストに登場するイージーリスニングDUB(?)新曲「Summer Jam」の爽やかに病んだ音楽マジックには昇天必至!こうしたジャンルでライブ音源がリリースされること自体が稀であり、本作はCDフォーマットこそが最適!

+装丁デザイン:The Tapes Design(題字考案:7FO)
+見開き紙ジャケット
V.A. - S.D.S =零= (Subscription Double Suicide =Zero=) (CD)
V.A. - S.D.S =零= (Subscription Double Suicide =Zero=) (CD)Em Records
¥2,750
今、本当は何が起こっているのか?
デジタル・リリースがデフォルトの世代を核に、あえて<パッケージ版>を主眼にした2020s新世代コンピレーション。シティーポップもテクノもアンビエントもない、JAPANESE INDIE LEFTFIELD最前線12曲が放つクリエイティヴィティが、現在のカオスの先にあるポスト・パンデミックの未来を照らす!

いつか名付けられるかもしれない日本の2020s音楽シーンの<今>。『S.D.S』はハイプの通用しないプロデュース現場に流れる<空気>のパッケージを試みる。17人のクリエイターと3人の裏方達の手になるセルフ・プロデュース作品12曲を収録し、うち8組がフィジカル・リリース経験なし、VINYL版は12人が未経験という、サブスク/DL/Youtubeで音楽体験をしてきた世代の作品集となる。

『S.D.S』全作品はベッドルーム・ポップというタームを与える必要もないD.I.Y宅録が当たり前のベースで、エレクトロニック・ミュージック、トラップ、インディーポップ、ベースミュージック、EDM/ADMといった音楽言語が交錯。ヒップホップ的表現だが現行ヒップホップのメインストリームから立ち位置がズレたむしろエレクトロニック・ミュージック寄りのチューン、またはその反対、更に説明困難な異形作もあり、評論家を煩わせるような作品だらけだが、このアマルガムこそがリアリティの核心だ。この現象は『S.D.S』のクリエイター達に共通しており、だからこそ誰が今どんな音楽をやっているか個々に耳を傾けることが重要となる。センスとアイデアと心意気に賭ける、日本の現行アンダーグラウンド・シーンにあるクリエイティヴィティの空気、キレたひたむきさ、ふてぶてしい大胆さの裏に音楽を作っている情熱が潜む。

※CD/LP版ライナーには全アーティストのプロフィール/写真/ディスコグラフィー/歌詞を完全掲載。アーティスト名鑑としてもご活用頂けます。

キュレーション/解説:CVN
選曲:CVN + 江村幸紀
装丁:Daiki Miyama

+ CD用マスタリング
+ 36頁ブックレット封入、ワイドケース使用
+ アーティスト・プロフィール&写真/ディスコグラフィー/歌詞(訳詞)掲載
+ 日本語・英語表記

Tracks:
A1. Dove「Irrational」
A2. Lil Soft Tennis「Feelin’ Love」
A3. 玉名ラーメン「angelnumber」
A4. Karavi Roushi and Aquadab「Tokyoite - Val Kilmer (Love Her)」=新曲=
A5. valknee + ANTIC「人生最高のSSS (2020 Mix)」
A6. NTsKi「Labyrinth of Summer (KM Remix)」

B1. seaketa「よい」
B2. Menace無「Lucky Guess」
B3. lIlI「悪夢」
B4. CVN「withoutu feat. Itaq」=新曲=
B5. S亜TOH「MLC”
B6. Le Makeup「Ray」=新曲=
Mustapha Skandrani - Istikhbars And Improvisations イスティクバルと即興 (CD)
Mustapha Skandrani - Istikhbars And Improvisations イスティクバルと即興 (CD)Em Records
¥2,530
アルジェリアの大音楽家、ムスタファ・スカンドラニによるアンダルシア古典音楽のピアノ独奏の名盤『イスティクバルと即興』 (1965年) である!!
なんでまたエムで古典ピアノ作品??と訝しむなかれ。耳障りはいいが、これが実は相当な孤高・異端作品なのである!!なぜ孤高かといえば、そもそもアンダルシア古典音楽でピアノは末席中の末席、スカンドラニが現代に開拓したも同然の演奏法であること。なぜ異端かといえばこの人以前のアンダルシア音楽のコンサートでピアノ独奏はありえず、また、題名にもなっている「イスティクバル」(アンダルシア宮廷音楽の様式のひとつ)をピアノでやるなど誰も考えつかなかった(当時も物議をかもした)。

■マメ知識■
アルジェリアの古典音楽はスペインのアラブ・イスラム王朝が起源のアンダルシア宮廷音楽とトルコの古典音楽が混同し、西洋/アフリカ先住民/ユダヤ系の影響も受け、東西文化が統合した混血度の高さが特徴。「イスティクバル」は宮廷音楽の組曲様式「ナウバ(またはヌーヴァ)」の重要な前奏曲であり、幾つかの型(モード)がある。(※詳しくは解説を参照の事)‥‥と、そんな小難しいことも理解には必要ではあるが、それよりも先に、ここで展開されるオリエント/西洋/アフリカが鍵盤上で優雅に交差するさま、その不思議な世界が最大の魅力。和声に依らず単一の声部で構成されるアラビア音楽の特徴により、ピアノからつむぎ出される和声は一本の繊細な線のようで、それが優雅に、まるで東西世界を行き来するかにように動き回るのを聴くのは快感。バッハの「ゴルトベルク変奏曲」もそう遠いものには感じられない(実際、アラビア版「ゴルトベルク変奏曲」と評される事も)。混血度の高いアンダルシア音楽のなかでも『イスティクバルと即興』は折衷された様式の境界を更に曖昧にとけ込ませるようだ。

・2面見開き紙製ジャケット(エンボス加工)
・ ライナー封入(解説/プロフィール)
・ 日本語・英語掲載
Roland P. Young - Confluences (CD)
Roland P. Young - Confluences (CD)Em Records
¥2,420
ジャズ~アンビエント~電子音楽に世界俯瞰な広い感性...数々の名演奏名風景を生み出したここEM Recordsの秘宝、Roland P. Youngの2015年新アルバム!! アメリカからイスラエルへと移住したYoungの、肌で感じる中近東の香りもまとった開眼と拡張、新境地がここに!

何かに怒って抗議しているかのごときヒリヒリした攻撃感のあったNY(ブルックリン)録音の『ミスティフォニック(Mystiphonic)』[EM1110CD/LP]の後、ヤングはアメリカを去りイスラエルに移住。創作環境をはじめとして、前作と明らかに異なるモチベーションで臨んだ新作であるこの『コンフルエンシズ(※人、思想、川などが合流する場所の意)』は、1st ソロ『アイソフォニック・ブギウギ』(1980)[EM1045CD/LP] の原点世界に立ち返ったような雰囲気も感じさせ、そこに『イステット・セレナーデ』(2007)[EM1087CD/LP] で確立した多重録音のテクニックを結びつけた新世界だ。

中近東系のスケールを用いたモード・ジャズのような謎めいた雰囲気の「Clutch」から始まり、パーカッション&キーボードの入り組んだミニマルなフレーズ、独特のリズム感、彼のトレードマークであるカリンバと管楽器を様々に混じり合わせ、今回はターンテーブル使用のスクラッチ音?も入れて、ヤング流の現在最新形エレクトロ・ミュージックを展開。彼の強固な「アイソフォニック」哲学をコアにした揺るぎない独自のエスニックさを聞かせ、相変わらずいつの時代の録音かよくわからない独特の音を提示する。ひとたび演奏が始まると一気に作品に引き込み耳を傾けさせてしまう説得力は本物だ。また、この数年で再復活しているNEW AGE ミュージック勢(*注)にも訴えかけるような作品になっている。

* 注:80 年代NEW AGE シーンを体現していない世代によるNEW AGE ミュージックを引用した作品群。

CD版:
+通常ジュエルケース
+日本語・英語両表記
陰猟腐厭 - 初期作品集 1980-82 (CD)
陰猟腐厭 - 初期作品集 1980-82 (CD)Em Records
¥2,750
驚きと興奮で滅茶苦茶内容良いです。Faust~This Heatのクラウト/ポストパンク、SmegmaやZ'evといったフリーロック/インダストリアルに通じ、虚無の響きが暴力情熱と化す日本が生んだ名バンド、陰猟腐厭の80年代音源編集盤!! 大推薦。

日本インディー最高注目作!!
いよいよお待ちかね初期作品集の登場!!

1978年結成、先日29年ぶりの新作『抱握』[EM1125CD]を発表した横浜の即興トリオ、陰猟腐厭(いんりょうふえん)は、日本の地下音楽シーンですら極左・異端の存在であるが、その由縁が本コレクションで徹底的に開示される。こんなバンド、当時そして今も他にいるだろうか?

「シュールレアリスムの”自動記述”の音への転換」という発想が出発点である彼らは、東京/横浜アンダーグラウンド・シーンで活動し、1980年~82年にかけ精力的に録音を行い、3作品を発表した。この『初期作品集』はそれら諸作全てをマスターテープから起こし直し、編集カットされた未収録部分も拡大収録し、高音質でリマスターした決定版である。また、今回の発売にあたり、『妥協せず』以外の5作品に初めて“曲名”を付けた(理由は作品解説参照)。

=作品説明=
●冒頭を飾る『妥協せず』は陰猟腐厭を知らしめた怪作で、知る人ぞ知るインディーズ名門、クラゲール・レコードの第一段リリースでもあった。彼らによると「トニー・コンラッド&ファウストのカバー」ということなのだが、こともあろうにこの演奏録音中に学生活動家がステージへ乱入しアジ演説を開始。黙々と演奏を続けるバンド、煽る活動家、演説を阻止しようとするPA、果たしてその三つ巴の結末は!?! 本版はこの「伝説」の模様を全て収録した完全版である。

●狂躁的電子打楽器パルスが繰り出される「ハンマー・クロック」と「狙いネコ」(CD版のみ収録)は、ジャケットにある四角が三つ連なった記号から強引に『品品(しなじな)』と通称されている7インチEPの収録作品。

●バンドの真骨頂である自動記述的演奏23分の大作「グランド・ロック」、質量感をもった重いパーカッションが空間を震わせ切り裂く傑作「空より降りて来しもの」、もそもそと怪しい「森の記録」(CD版のみ)は、真っ白ジャケットでバンド名も曲名もカタ番も何も記されず、取り次ぎ会社から流通不可を宣告された1stアルバム収録作。


CD版:
+CD ボーナス2曲
+通常ジュエルケース/ライナー封入
+解説:原田淳(陰猟腐厭)
+日本語・英語両表記/貴重写真掲載
Noah Creshevsky - Hyperrealist Music, 2011-2015 (CD)
Noah Creshevsky - Hyperrealist Music, 2011-2015 (CD)Em Records
¥2,200
ロングセラー『The Tape Music of Noah Creshevsky』(EM1042CD 解説:佐々木敦)からひと回りしてエム再登場。御年70歳を祝した最新“ハイパーリアル・ミュージック”自選作品集!!

クレシェフスキーはナディア・ブーランジェとルチアーノ・ベリオに学んだ作曲家で、初期は電子音楽/テープ音楽をやっていたが、徐々に「ハイパーリアリズム(*注)」に接近し、その概念を取り込んだ音楽である「ハイパーリアル・ミュージック」の第一人者となった(一般にはこの音楽スタイルの創始者とされる)。日本では竹村延和氏のフェイバリット作家としても一部に知られる。

彼のハイパーリアル・ミュージックは、実際の生演奏に聞こえるが全て人工的な操作・配置で創作されたものである。そこでは人間による生楽器や肉声の演奏が素材となり、シンセサイザー(合成音)は用いられない。録音年、ジャンルを異にする楽音がいち作品中で任意に結合され、あるものは人間技では不可能な演奏に変容され、ある音は過剰に強弱・長短のアクセントがつけられる等々、彼の意匠をこらしたドラマ性とユーモアが加味されている。

本アルバムは近年の作品を作家が自選したコレクションで、鋭敏なリスナーならば、聞き進めるにつれて姿を現す、狐につままれたような世界に惑わされること必至!

*注:写真等を用いて対象を克明に描写する美術の潮流。「超現実主義」と和訳されるシュルレアリスムとは区別される。スーパーリアリズムともいう。

+ 解説:George Grella, Jr.(和訳付)
+ 通常ジュエルケース、ライナー封入

V.A. - Bird Cage: Birdfriend Archives (2CD)
V.A. - Bird Cage: Birdfriend Archives (2CD)Em Records
¥2,750
スモール・レーベルがセンスと心意気で作ったビッグ・サウンドの集大成!
これは2020年日本の『No New York』か?『Pillows & Prayers』か?いや、そんなもんじゃないだろ。YPY / goatの日野浩志郎が運営する崇高(無謀)D.I.Y.チャレンジング・レーベル、《Birdfriend》初のレーベル・コンピレーション見参。これを聞けば貴方は無性に創造したくなる!

「実験的、挑戦的すぎてリリースするのが難しいがそれでも素晴らしいものはたくさんある」(日野浩志郎談)

名ではなく音で選ぶ徹底した作家基準で、エレクトロニクスや自作改造楽器クリエイター達のD.I.Y.音楽をリリースし続ける日野浩志郎(YPY/goat)のレーベル、Birdfriend(バードフレンド)。2013年の始動からボンノウノムクロ、UNBE、森山ふとし、湿った犬、NEW MANUKE、OPQ、井上調、JMT Synth、H. Takahashi、Sofhesoなどの特殊な個性を、熱意と根気と真心のD.I.Y.ハンドメイド・カセットに落とし込み、現在まで38のオリジナル作品を発表。いろんな問題を乗り越えて作った数は5000本!

このBirdfriendの仲間達を主催である日野の職権乱用で一ヶ所に収める<実験>を試みたのが、Birdfriend初のレーベル・コンピとなる本作『Bird Cage(鳥かご)』だ。そもそもおとなしく編集されるなどありえない連中を無理矢理コンパイルしたとき、そこに現れたのは思いもよらないフレッシュな物語だった!今こそ得体の知れないバードフレンド達の偉業(異形)を高らかに世に問う。これを聞けば貴方はなんだかよく分からない気持ち(感動?)に包まれ、そしてたぶん無性に創造したくなる!

・CD2枚組/ジュエルケース
・ブックレット封入
・日本語・英語表記
・アーティスト・プロフィールと写真掲載

Compiled and the cover art design by Kōshirō Hino
Cover drawings by Yūko Kureyama and Kōshirō Hino
All tracks originally mastered by Bunsho Nishikawa
2nd mastering by Takuto Kuratani
(c) 2013, 2014, 2015, 2016, 2017 Birdfriend

TRACKS:

=Disc 1=
1. Sofheso - M.N.L
2. 湿った犬 - Bird Peck at Dead Dog
3. NEW MANUKE - Fastest Motor
4. YPY - BFMIX B-3
5. JMT Synth Pinosaku - Tansun
6. 湿った犬 - Dog is Surrounded by Birds
7. UNBE - Vector Milk
8. YPY - The Damo UFO
9. マイクロふとし - Reforest 1
10. Inoue Shirabe - Sleep Talk

=Disc 2=
1. 森山ふとし - タイムリミット
2. OPQ - ENT
3. 森山ふとし - にこエレクトロ
4. H. Takahashi - 4
5. マイクロふとし - Reforest 2
6. UNBE - 5立米
7. Bonnounomukuro - Enter the Exit
8. 森山ふとし - Piano and Sampler
Angkanang Kunchai - みんな、忘れないでね (CD)
Angkanang Kunchai - みんな、忘れないでね (CD)Em Records
¥2,530
ポコラ本掲載(五つ星)でサイケ・コレクターにも知られる本アルバムは、「イサーン・ラム・プルーン」(1972) 大ヒット後、人気絶頂となったアンカナーンが、自ら組織した楽団で興行した時代の重要作品である。自身の楽団でアルバムを作れる歌手は少なく、その点でも 大変珍しい。内容は様々なモーラム型をやった1st アルバムを踏襲しつつ、当時最新のルークトゥンを歌ってよりポップス化しているのが特徴で、惚れ惚れする抜群の歌唱力は1st以上だ。録音は 1977-79年頃。

スリン・パクシリ制作のモーラムとルークトゥンが<結婚した>革命的な新音楽「イサーン~」で若くしてモーラム歌手 のトップに躍り出たアンカナーンだが、その後「イサーン~」ほどのビッグヒットに恵まれなかった。しかし、楽曲クオリティーとヒットが常に比例するわけで はないのは周知のことで、これだけキラー曲が集まってヒットしなかったのは正に事故。ご多分に漏れずシングル曲を集めた本アルバムの流通枚数は少なく、某 有名DJ達が拍車をかけ、今やとんでもないプレミアが付いてしまった。今回はファンの間で何かと物議をかもす(?)オリジナル・ジャケットをそのまま使 い、元々収録されていた別歌手の2曲を削除し、アンカナーンのみの10 曲で構成した。新マスタリングで劇的に生まれ変わった音も注目!解説はもちろんSoi48。

※注「モーラム」:モーは達人、ラムは声調に抑揚をつけながら語る芸能。つまり“語りの達人”で、その歌手と芸能の両方をさす名称。モーラムは“歌”ではない。イサーン(タイ東北部)が本場。

・選曲・解説・装丁:Soi48
・日本語・英語解説/日・英訳詩/貴重写真多数

CD版:通常ジュエルケース/24頁ブックレット
V.A. - ドイ・インタノンの仕事:イサーン・ポップス名作選 (CD)
V.A. - ドイ・インタノンの仕事:イサーン・ポップス名作選 (CD)Em Records
¥2,530
エムとSoi48のタイ音楽シリーズ初のコンピレーションは、70年代よりタイ・ポップスを変革してきた大物プロデューサー、ドイ・インタノンの仕事集!ボガ~ン!

本コンピには空族の『バンコクナイツ』出演のアンカナーン・クンチャイ、映画『Y/OUR MUSIC』に登場したポー・チャラートノーイという二人の人間国宝モーラムが登場!タイ東北地方イサーン出身で長年活躍してきた大御所だけに仕事リストにはイサーンのスターのきらびやかな名前が並ぶわけですが、今回はPVやTVメディア露出なしで音楽そのもので勝負していた時代、インタノン・プロダクションがギラギラしていた70s~80sのモーラム/ルークトゥン/タイファンク・ナムバーをヒット曲レア曲交ぜて選抜。これが自動的に現代タイ・ポップスをイサーン側からひも解く教科書にもなります。彼が作って流行らせたモーラム型「ラム・ペーン」の記念すべき第一作も初お目見え!ドイ・インタノン仕事をみるとき「イサーンから中央(バンコク)に攻め入った」という表現がはまるわけですが、常識破りの鬼の商売人ドイ先生がどれだけ暴れ回ったのか実地見聞しましょう!(先生、無茶しよる~)

*「モーラム」モーは達人、ラムは声調に抑揚をつけながら語る芸能。つまり“語りの達人”で、その歌手と芸能の両方をさす名称。モーラムは“歌”ではない。イサーン(タイ東北部)が本場。

*「 ルークトゥン」:タイの地方の音楽とロック、ラテン、インド、中国、日本、ハワイ等々の音楽を吸収して形成されたタイ独自の歌謡ジャンル。通称「田舎者の歌」。60 年代前半
にその名ができた。

+ 選曲・解説・装丁:Soi48(英訳付き)
+ 日本語・英語訳詩
+ CD 版:通常ジュエルケース,28頁ブックレット
+ LP 版:ライナー封入

TRACKS:
1. モン・ムアンヌア「バンコクなんて嫌いさ」
2. チャバープライ・ナームワイ「チャバープライのラム・プルーン」
3. アンカナーン・クンチャイ「空っぽのココナッツ」
4. オーンウマー・シンシリ「哀しみのモーラム娘」
5. ヌッチャナート・ナンタナー「あなたのソーは恋の音」
6. ホントーン・ダーオウドン「ホントーンの恋人を探して」
7. トンタイ・ティンイーサーン「世にもおかしなラム・プルーン Part 1」
8. ソーパー・チャントラーティップ「モーターサイの男の子」
9. ポー・チャラートノーイ・ソンスーム「君にアタック」
10. トーンマイ・マーリー「ラム・ペーン 4ハイの男」
11. クワンター・ファーサワーン「ラム・ペーン 4ハイの女」
12. ポー・チャラートノーイ & クワンター・ファーサワーン「フアドーンターン村にて」

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