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Morton Feldman -  Two Pianos and other pieces, 1953-1969 (2CD)
Morton Feldman - Two Pianos and other pieces, 1953-1969 (2CD)Another Timbre
¥4,574

〈Another Timbre〉より、モートン・フェルドマンのもっとも実験的で興味深い時期の一つである1950〜60年代の重要作を包括的に収めたアルバム『Two Pianos and Other Pieces, 1953–1969』。中心となる「Two Pianos」(1957)は、フェルドマン解釈の第一人者John TilburyとPhilip Thomasによる2台ピアノ作品で、同じ素材をわずかに異なるタイミングで反復することで生まれる微細なズレと揺らぎが、フェルドマンの美学を純度高く体現している。他の収録曲には、ピアノ作品の他、室内楽曲が多数含まれ、弦・打楽器・金管が加わることで、静謐な音の層が淡く重なり合うフェルドマン独自の音響世界が立ち上がる。音は沈黙と等価に扱われ、空間に漂い続ける。浮かび上がる物語性を排した純粋な時間の流れ。

Nicolas Gombert & James Weeks - G O M B E R T (CD)
Nicolas Gombert & James Weeks - G O M B E R T (CD)Another Timbre
¥2,483

ルネサンス後期の作曲家ニコラ・ゴンベールの濃密なポリフォニーを、現代の耳で静かに照らし直した作品集『G O M B E R T』。ここで聴こえるのは、歴史的な作品の再現というよりはゴンベールの音楽が現代の空気の中でどのように響き直すかを探る、繊細で内省的な対話。〈Another Timbre〉主宰サイモン・レイネルの、癌の診断をきっかけとした「初期音楽を別の文脈で聴きたい」という個人的な願いから始まったこのアルバムは、古楽の神聖さや霊性を脱ぎ捨て、音楽を現実へと引き戻す。通常は声楽で歌われるモテットを、Apartment House がチェロ、ヴィオラ、バスクラリネット、バスフルート、そして意外にもトランペットという暗く低い器楽編成で演奏する。ビブラートも教会の残響も排したストレートな音は、ゴンベールの音楽を天上の響きから解放し、静寂の中にリアリティを伴ってポリフォニーを浮かび上がらせる。電子サイン波、ピアノ、微分音による静謐なテクスチャーがゴンベールの濃密さと好対照をなす作曲家ジェイムズ・ウィークスによる5つの間奏曲も挟まれ、古楽の残響と現代の静謐が共存する、稀有な音響世界を生み出している。

Morton Feldman -  Intermission 6 (CD)
Morton Feldman - Intermission 6 (CD)Another Timbre
¥2,483

フェルドマン初期の美学が最も純粋な形で現れたピアノ作品『Intermission 6』。音は流れず、語らず、ただ静かにそこに置かれる。ひとつひとつの音が空間に浮かび、消えていくまでが作品の中心となり、音と静寂の境界がゆっくりと溶けていく。テンポの感覚はほとんどなく、音は点描のように散らばり、そのあいだに広がる余白が、むしろ音以上の存在感を持つ。音がほとんど動かないのに、時間がどんどん深く沈んでいくような独特の感覚。抽象絵画のように、意味や物語を排した純粋な音の配置。後期の長大な作品へとつながる美学の原型が、この短いピアノ曲の中に凝縮されている。静寂の中に微細な色彩が立ち上がる、フェルドマンの核心を味わえる一枚。

Catherine Lamb - Curva Triangulus (CD)
Catherine Lamb - Curva Triangulus (CD)Another Timbre
¥2,483

アメリカ出身の現代音楽作曲家 Catherine Lamb が長年探求してきた音の関係性そのものを聴くという美学が、極めて純粋な形で展開される作品『Curva Triangulus』。長く持続する音、わずかにずれた音程、倍音が重なり合うことで生まれる微細な揺らぎ。そのどれもが、旋律やリズムといった音楽的な動きを超えて、音と音のあいだに生まれる現象そのものを聴かせる。音はほとんど変化しないように見えて、実際には空気の密度が少しずつ変わり、うなりや干渉が静かに脈動する。その変化はあまりに緩やかで、気づいたときにはまったく別の場所に立っているような感覚がある。静けさの中に複雑な色彩が潜み、音が空気と溶け合いながら形を変えていく、Lamb の音楽が持つ透明な濃密さが、極限まで研ぎ澄まされた一枚。

Morton Feldman - String Quartet and Piano (CD)
Morton Feldman - String Quartet and Piano (CD)Another Timbre
¥2,483

Morton Feldmanの晩年作「Piano and String Quartet」を、Apartment Houseが極限まで繊細な集中力で描き出した名演。2021年、ロンドンの Wigmore Hall で行われたFeldman 1日3公演の最終ステージで披露された演奏が大きな反響を呼び、その流れから正式録音が実現。80分近い長尺にもかかわらず、音楽はほとんど囁きのように静かで、ピアノの柔らかな反復と、弦楽器の薄いヴェールのような持続音が、触れそうで触れない距離感を保ちながら進んでいく。旋律や展開を追うというより、音の質感や配置がわずかに変化していくのに浸るもので、時間が伸びたり縮んだりするような感覚が生まれ、聴き手は音の中に静かに沈み込んでいく。Feldman晩年の静謐な美の核心を捉えた一枚。

Morton Feldman - Piano Violin Viola Cello (CD)
Morton Feldman - Piano Violin Viola Cello (CD)Another Timbre
¥2,483

フェルドマン晩年の美学が極限まで研ぎ澄まされた室内楽作品『Piano, Violin, Viola, Cello』。ピアノと弦楽三重奏というシンプルな編成にもかかわらず、音はほとんど動かず、語らず、ただ静かに置かれる。わずかな配置の変化が、時間の流れをゆっくりと歪め、聴くという行為そのものに意識が沈んでいく。音と音のあいだには大きな余白があり、その静寂こそが作品の中心で、反復するようで決して同じには戻らないパターンが、微細な揺らぎを伴って現れては消え、抽象絵画のような静かな迷宮を形づくる。長大でありながら、密度は限りなく薄い。しかしその薄さの中に、フェルドマンが追い求めた無時間性が息づいているよう。何も起きないようでいて、深く吸い込まれる、フェルドマン後期の核心。

土取利行+坂本龍一 - Disappointment-Hateruma (CD)土取利行+坂本龍一 - Disappointment-Hateruma (CD)
土取利行+坂本龍一 - Disappointment-Hateruma (CD)Wewantsounds
¥3,100

坂本龍一が残した幻のファーストレコーディング作品『Disappointment–Hateruma』が、新たなライナーノーツを収録してCD化。
『Disappointment–Hateruma』は、東京藝術大学大学院に在籍中だった坂本龍一と、ピーター・ブルック・カンパニーの音楽監督として世界的に活躍したことでも有名なフリー・ジャズ系ドラマー土取利行とのデュオ作。当時アナログ限定500枚プレスの入手困難な激レア音源が、今回はHeba KadryによるリマスタリングとAndy Betaの新ライナーノーツ付きで待望の再発です!

Mark Fell and WIll Guthrie - Infoldings / Diffractions (CD)
Mark Fell and WIll Guthrie - Infoldings / Diffractions (CD)Nakid
¥2,897

2026年リプレス!名カセット・レーベル〈birdFrind〉主宰、人力エクスペリメンタル・テクノ・バンドgoatやYPY、Kakuhanなどでの活動も知られる日野浩志郎が創設、コンテンポラリー、電子音楽にフォーカスした好リリースを展開する新レーベル〈NAKID〉より最新物件!グリッチ・ミニマル~ガレージ・レイヴ・テクノにプリミティヴな実験像まで、エクスペリメンタルの地平を拡大してきた稀代の音楽家Mark Fellと、Oren Ambarchiや非常階段のJunkoとも共作している仏在住のパーカッショニストWill Guthrieのコラボ・アルバム2枚がセットになってCD化!インドネシアのガムランや南インドのカルナータカ音楽、ポリリズムなどからのインスピレーションを存分に湛えた異生物的エクスペリメンタル・サウンドを収録した『Infoldings』。前作で追求したガムランや南インド音楽からの影響をさらに深化させ、鋭く複雑なリズムと非常に奇妙なテクスチャーで織りなすミュータントなパーカッション・サウンドを展開した『Diffractions』サイド共に秀逸です。Mark Fellによるフォトグラフィーをフィーチャー。Vladislav DelayことSasu Ripattiがミックス、Rashad Beckerによるマスタリングという夢の布陣!

Klaus Wiese - Uranus (CD)Klaus Wiese - Uranus (CD)
Klaus Wiese - Uranus (CD)Black Sweat Records
¥3,196

Popol Vuhでの活動後、チベット文化やスピリチュアルな音響に深く傾倒したKlaus Wiese。彼の代表的なスピリチュアル・アンビエント作品のひとつで、1980年代末のカセット文化から生まれた希少な音源『Uranus』が〈Black Sweat Records〉から再発。チベタン・シンギングボウルを中心に構成され、深遠なドローンと倍音が幾重にも重なり合う霊的音響世界。倍音の蓄積がプリズムのように広がり、精神的光の流れに包みこまれる、厳格で純度の高い作品。

Antonio Infantino e i Tarantolati di Tricarico -  Follie Del Divino Spirito Santo (CD)
Antonio Infantino e i Tarantolati di Tricarico - Follie Del Divino Spirito Santo (CD)Black Sweat Records
¥3,196

Antonio Infantino e i Tarantolati di Tricarico による、南イタリア・バジリカータ地方に根づく伝統儀礼や民間信仰を、現代へと蘇らせたアルバム『Follie Del Divino Spirito Santo』。Infantino は詩人・音楽家・文化研究者として知られ、本作では古い農村文化に残るトランス的な儀礼音楽を掘り起こし、ロックや実験音楽の感覚と結びつけて独自の民俗アヴァンギャルドを築いた。タランテラの反復するビート、素朴で力強いパーカッション、呪術的な集団の掛け声、祈りにも似た詠唱が渦を巻き、祝祭と陶酔のあいだを行き来するような音世界が広がる。電気的な加工や派手なアレンジはほとんどなく、むしろ土の匂いがするような生々しい音の質感が前面に出ているのが印象的。伝統音楽の再現ではなく、土地の精神性そのものを汲み取り、再構成するようなアプローチで、宗教的な熱気、共同体のエネルギー、そして「神聖な狂気」というタイトルが示すテーマが一貫して流れている。民俗音楽・実験音楽・スピリチュアルなリズム文化の交点に立つ作品。

John McGuire - Double String Trios (CD)John McGuire - Double String Trios (CD)
John McGuire - Double String Trios (CD)Unseen Worlds
¥1,976

アメリカ出身の作曲家 John McGuire が晩年に取り組んだ二つのストリング・トリオのための作品をまとめたアルバム『Double String Trios』。二組の弦楽三重奏が精密に重なり合い、ミニマル・ミュージックの反復性とヨーロッパ前衛の構築性が滑らかに融合していく。電子音楽の研究で培われた精密な時間感覚がアコースティック楽器に応用され、透明で結晶のような響きが持続しながら、絶えず微細な変化が生まれている。緻密でありながら温度を感じる独特の音世界は、時間・響き・構造が多層的に折り重なる、現代音楽の中でも特に静謐で美しい結晶のような音楽!

Rod Modell - Grotto of The Sun (CD)
Rod Modell - Grotto of The Sun (CD)13 (SILENTES)
¥2,462

DeepChord、Echospaceの中心人物たるRod Modellによる洞窟の奥深くを進むようなディープ・アンビエント作品『Grotto of the Sun』。Pt.1 と Pt.2 の2曲構成で、水が滴る音やせせらぎのような揺らぎ、低く深い脈動、ざわめき・きしみ・風のようなノイズに突然差し込む光のような明るい音の層が折り重なり、抽象的でありながら強い情緒とドラマ性を帯びたサウンドスケープが展開する。音は一見静かで瞑想的だが、実際には細部まで緻密に作り込まれており、Rod Modellらしい深海的アンビエントが、洞窟というモチーフを得てさらに濃密になったような一枚。

Rod Modell - Frequencies In The Fog (CD)
Rod Modell - Frequencies In The Fog (CD)13 (SILENTES)
¥2,462

DeepChord、Echospaceの中心人物たるRod Modellによる最新アンビエント作品『Frequencies In The Fog』。Pt.1 と Pt.2 の2曲構成で、パッドを中心としたミニマルな音の軌跡、控えめに配置された電子音の粒子、ゆっくりと深く包み込む低音が持続的に重なり合う。逆再生処理された判別しにくい声の残響や、停滞する静寂と円環的な動きが交互に現れ、厚い霧の層の奥から現実の風景が断片的に浮かび上がっては消えていくよう。Rod Modellらしい深海のような音響と環境音の抽象化が研ぎ澄まされた一枚。

Florian Hecker - Natural Selection (CD)Florian Hecker - Natural Selection (CD)
Florian Hecker - Natural Selection (CD)PAN
¥2,964

Florian Heckerによる、音響合成と知覚を探求する実験的電子音楽作品『Natural Selection』。旋律・リズム・ハーモニーといった伝統的要素は排除され、代わりにHecker特有の電子音響合成による、音の質感・空間性・変化に焦点を当てた内容で、9曲構成の各曲は独立した音響実験でありながら、音色や構造の共通性によって緩やかに連関。星座が個々の星が意味を持たずとも並びや関係性によって象徴的な形を成すように、物語やテーマではなく、音そのものの性質がつながりを生んでいく。聴く者が意味を見出すのではなく、音そのものが意味を生成する、音楽を聴くという行為そのものを問い直すような音響芸術の最前線!

Okonski - Magnolia (CD)
Okonski - Magnolia (CD)Colemine Records
¥1,898
Steve Okonski率いるノース・カロライナ州アシュビルの新鋭ジャズ・トリオOkonskiによるデビュー・アルバム『Magnolia』が、良質なジャズ/ファンクの数々を送り出してきたオハイオの名門レーベル〈Colemine Records〉より待望のアナログ・リリース。真夜中の月明かりの下を歩くときの静けさ、一瞬または一生を共にする人とのつながり、新しい未知の旅に出るときに感じる緊張とカタルシスまでもが一手に繋がる、内省的にして瞑想的、そして、スピリチュアルなピアノ主体のジャズ・アルバム!
吉村弘 Hiroshi Yoshimura - Flora 1987 (CD)吉村弘 Hiroshi Yoshimura - Flora 1987 (CD)
吉村弘 Hiroshi Yoshimura - Flora 1987 (CD)Temporal Drift
¥1,849

「GREEN」「SURROUND」の続編として制作されながら、20年近く正式にリリースされなかった知られざる作品をTemporal Drift が世界初再発!! オリジナル盤はCDのみとなり、アナログ・レコード化は本邦初となる。

環境音楽の代表的な作品として知られ、近年再発された名盤である「GREEN」「SURROUND」。この2作に続く形で制作、1987年に完成したが当時発表されることはなかった。2003年に吉村が逝去、3年後の2006年にCDフォーマットで未発表音源としてリリースされた「FLORA 1987」。

植物を連想される楽曲タイトル、「GREEN」「SURROUND」と比較する限り色彩感覚が刺激される旋律が、受け手の想像力を柔和に包み込む。

『Flora』というアルバムが聴きつづけられている、聴きつがれている、
そこには、吉村弘という音・音楽を愛でるひとのかわいらしさが、
それとなく漂ってくるからかもしれません。
ちいさな花のかおりのように。
小沼純一

初の公式再発、吉村弘遺産管理団体の全面協力、小沼純一によるライナーノーツ付属、John Baldwinのリマスタリング
CD:デジパック

L'Orchestre National de Mauritanie (CD)L'Orchestre National de Mauritanie (CD)
L'Orchestre National de Mauritanie (CD)Sahel Sounds
¥1,756

モーリタニア独立後の国家公式バンドとして結成、若きリーダーHadrami Ould Meidahを中心に、ギニアのBembeya Jazzの指導を受けて育成されたL'Orchestre National de Mauritanie1960〜65年の7インチ音源をまとめた編集盤。複雑なモード体系を持つ伝統的なモーリタニア古典音楽に、エレキギター、ブラス、現代的アレンジを大胆に導入した革新的な音楽で、砂漠の広がりと都市の熱気が同時に立ち上がるような独特のグルーヴを生み出している。反復するリフがじわじわと高揚を生み、ブラスのアクセントやギターのカッティングが音像に鮮烈な色彩を加える。ヴィンテージ録音ならではの質感も魅力で、ノスタルジックでありながら、古典音楽の反復構造がそのままファンクのグルーヴと結びつく様はむしろ現代的で、他のどのバンドとも似ていない不思議な魅力がある。

Les Filles de Illighadad - At Pioneer Works (CD)
Les Filles de Illighadad - At Pioneer Works (CD)Sahel Sounds
¥1,745

〈Matador〉から世界デビューを果たしたMdou Moctarの女性バンド版?? サハラ以南の知られざる音楽文化を掘り起こす大聖地〈Sahel Sounds〉お抱えの名アクト、ニジェールのトゥアレグ族女性バンド、Les Filles de Illighadadの最新作が堂々リリース!!サヘルの端に位置している荒れ野の砂漠Illighadad村から現れ、今や世界へとその名を轟かせているこの人達。電気も水道もインフラが殆どない地域で育まれてきた「デンデ」と呼ばれる音楽(モルタルと乳棒に張られた山羊の皮から作られたドラムに由来する)の求道者であり、「砂漠のブルース」とはまた違う道を歩む、トゥアレグのフォーク・ミュージックの新たな方向性を確認できるかもしれない重要作品!

Catherine Lamb - point/wave (CD)
Catherine Lamb - point/wave (CD)Another Timbre
¥2,482

チリのギタリストCristián Alvearの依頼により作曲された、Catherine Lamb初のギター作品『Point/Wave』。環境音をマイクロトーナルな和音へ変換するSecondary Rainbow Synthesizerを用いた電子ドローンと、極めて静謐で均質なタッチのギターによる点描的フレーズが、長い時間軸の中でゆっくりと干渉し合う構造を持ち、音が前へ進むというより空間に滞留し続けるような独特の静けさと緊張感を保ち、倍音同士の微細な揺らぎが耳の奥で共鳴しながら、聴き手そのものを調律するかのように、知覚を変容させる。その音像は、幾何学的でありながらどこか有機的な、静かで強度のある現代音楽作品。

Hanakiv -  Interlude (CD)Hanakiv -  Interlude (CD)
Hanakiv - Interlude (CD)Gondwana Records
¥2,989

エストニア出身、ロンドンを拠点に活動するピアニスト、作曲家Hanakivの最新作『Interlude』が〈Gondwana Records〉から登場。前作の深く美しい瞑想的なピアノ・アルバム『Goodbyes』などの作風から一歩踏み込み、本作ではソングライティングと声の表現を取り入れている。自身のヴォーカルをフィーチャーした楽曲が収録され、ピアノの余白に溶け込むような囁き声が、作品全体に暖かみを与えている。静謐でありながらどこか生命力を帯びた、柔らかく光を放つピアノ、繊細なストリングス、控えめな電子処理が重なり、時間が止まったような瞬間を丁寧にすくい取る。エストニアの自然や聖歌の記憶と、ロンドンの先鋭的な音楽環境が交差した、懐かしくもあり、新しくもある一枚。

Don Cherry, Latif Ahmed Khan - Music / Sangam (CD)
Don Cherry, Latif Ahmed Khan - Music / Sangam (CD)HEAVENLY SWEETNESS
¥3,087

フリー・ジャズの先駆者であり、1970年代以降は世界各地の民族音楽を取り入れたコスモポリタン・ジャズを展開したDon Cherryが、タブラの名手であり、複雑なポリリズムとシンコペーションを駆使する演奏スタイルで知られるLatif Ahmed Khanによるジャズとインド古典音楽が融合した1978年録音の幻のセッション『Music / Sangam』が、最新リマスターで再発。即興的でありながら緻密なリズムと旋律が交錯するタブラとトランペットの対話、Don Cherryの多楽器奏者としての側面も反映したアーシーなキーボードやフルート、1970年代パリのスピリチュアルな雰囲気が漂う、プリミティヴかつ瞑想的な録音の空気感が際立つ、Don Cherryのワールド・ジャズ探求の中でも最も過小評価されていた作品のひとつであり、ジャズとインド音楽の融合の歴史的記録としても貴重な一枚。

J.P.A. Falzone & Morgan Evans-Weiler - Chordioid (2CD)
J.P.A. Falzone & Morgan Evans-Weiler - Chordioid (2CD)Another Timbre
¥4,397

ヴァインデルヴァイザー楽派の名アンサンブルである”Ordinary Affects”にて16年から共に活動してきたJ.P.A. FalzoneとMorgan Evans-Weiler。それぞれが個別に作曲した長編を収録した2枚組CDが名所〈Another Timbre〉からリリース!19年1月にコネチカット州ミドルタウンのリベラル・アーツ系大学のウェズリアン大学の記念礼拝堂にて、ヴァンデルヴァイザー周りの作品のエンジニアリング、そして、Alan SondheimやJosé Jamesとの共作も知られるLuke Damroschによって録音された一作。虚空のなかで淡々とアイソレーションを加速させる弦楽ドローン・ミニマルなMorgan Evans-Weiler側、哀愁が匂うピアノとヴァイオリン、ヴィブラフォンによる点描的なサウンドが枯淡とした美しさを放ったJ.P.A. Falzone側と、ともに音数は抑えながら、日本的な侘び寂びの風趣さえも感じさせる、大変エニグマティックな室内楽作品。途轍もなく素晴らしいです!

Catherine Lamb / Johnny Chang - Viola Torros (2CD)
Catherine Lamb / Johnny Chang - Viola Torros (2CD)Another Timbre
¥4,397

Catherine LambとJohnny Changが長い時間をかけて作り上げた、架空の作曲家Viola Torrosをめぐる創造的音世界。失われた中世音楽の再発見を装い、架空の断片的資料を研究・編曲・解釈するという形でふたりが自らの音楽的系譜と方法論を探る。音楽は、アラビア、ビザンツ、インドの旋法的伝統を通過した失われた古楽のような気配を漂わせつつも、直接的な模倣ではなく、あくまで現代の耳で再構築されたもの。ヴィオラを中心にした長い持続音、微細な音程のずれ、共鳴によって生まれる倍音の揺らぎ。LambとChangの音楽に特徴的な、静かだが生きている音響が全編を貫いている。歴史の影と現代音楽の透明さが交差する、架空の古楽のような多層的な美しさを持つ作品集。

Marc Sabat / Johann Sebastian Bach -  Bach Tunings (CD)
Marc Sabat / Johann Sebastian Bach - Bach Tunings (CD)Another Timbre
¥2,483

現代作曲家、音律研究者である Marc Sabat が、バッハの作品を純正律や歴史的調律法で再構築し、まったく新しい響きを引き出す、非常にユニークで知的な音響実験アルバム。純正律で響く和音は驚くほど澄み渡り、別の調では緊張を帯びて不安定に揺れる。その変化が、バッハの対位法や和声の構造を新しい角度から照らし出し、音楽そのものの骨格が立体的に浮かび上がる。古楽の復元でも現代音楽の再解釈でもなく、調律という音の根本を作曲素材として扱うような、知的で静謐な探求。バッハを別の角度から照らし、音と音の関係性にじっくりと耳を澄ませる。その響きは透明で、ミニマルで、どこか瞑想的。音が正しく響くとはどういうことなのかを問いかける一枚。

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