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エイフェックス・ツインが愛した稀代の才能
『You’re Only Young Once But You Can Be Stupid Forever』(2024年)と、デジタルオンリー
作品『Slow Down Stupid』(2025年)を収録した
2枚組CDをリリース!
エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェームスとグラント・ウィルソン・クラリッジによって設立された伝説的レーベル〈Rephlex〉から1999年にデビューした奇才ボグダン・ラチンスキーが最新作を2CDで発売!
本作はタイトルが示す通り、延々とSNSをスクロールしてしまう時間にフィットするアイロニカルなサウンドトラックとして機能する作品で、2024年に高い評価を受けたアルバム『You’re Only Young Once But You Can Stupid Forever』と、2025年に制作され、これまでデジタル配信のみで公開されていた『Slow Down Stupid』を組み合わせた内容となっている。
『You’re Only Young Once But You Can Be Stupid Forever』は、温かくメロディアスなスケッチの数々で構成されており、ビートレスに漂うトラック、奇妙なシンセ・パッチ、ピコピコしたパーカッションなどがつなぎ合わされた全18曲。そのテーマは、後期資本主義の残虐性、過剰な消費者主義、インターネット社会の破滅、そしてアルゴリズムによる大災害だという。
ディスク2の『Slow Down Stupid』では、素材をさらに引き延ばし、より音響的な領域へと踏み込んでいる。そこには、「スロー&リヴァーブ」現象、そしてディストピア的なテック・プラットフォームから次々と発信される、終わりなきリラックス/ヨガ/瞑想系アプリやプレイリストの氾濫に対する、脱構築が施されている。
イギー・ポップが2012年に仏国内のみでひっそりと発表し、カルトな人気を集めてきた異色のカヴァー・アルバム『Apres』が待望のアナログ再発。セルジュ・ゲンスブールやエディット・ピアフらシャンソンの名曲から、シナトラやビートルズといったクラシック、さらにはヨーコ・オノにまで挑んだ選曲。パンクのアイコンとしての姿を脱ぎ捨て、低く深みを帯びたクルーナー・ヴォイスで人生と音楽の成熟を刻む、イギーのもうひとつの真髄が堪能できる逸品。

テルミン誕生100周年を祝うために制作された、Gaudiの異色のダブ作品『100 Years Of Theremin (The Dub Chapter)』。Mad Professor、Adrian Sherwood、Scientist、Dennis Bovell、Prince Fattyといったダブ界のレジェンドが集結し、それぞれが提供したリディムの上でGaudiがテルミンを自在に操る、豪華かつ自由すぎるコラボレーション。テルミン特有の揺らぐ音程や幽玄なビブラートが、深いエコーと重低音のダブ空間に吸い込まれるように溶け込み、まるでSFとルーツ・レゲエが出会ったような唯一無二の世界観を形成。プロデューサーごとに音の質感が大きく変わり、鋭い残響、跳ねるダブ操作、実験的な空間処理など、曲ごとにダブの教科書のように個性的でありながら、テルミンという一本の軸がアルバム全体を美しくつないでいる。浮遊感と重力が同居するサウンドは、電子音楽リスナーにもアピールできる、テルミンという古典楽器の新たな可能性を切り開いた重要作。

イタリア出身でロンドンを拠点に活動するプロデューサー GAUDI による最新アルバム『Jazz Gone Dub』。テルミンやシンセを交えた幻想的なサウンドによる即興的なジャズ演奏を、ディレイやリバーブを駆使したダブ処理で再構築。ジャズの自由さとグルーヴィーで瞑想的なダブワイズがとにかく心地よい。4年の歳月をかけて制作され、ジャマイカの伝説的ギタリストErnest Ranglin、名リズム隊Sly & Robbie、その他にもDavid Hinds、Roy Paci、Colin Edwin、Horseman、Mr Woodnote、Tim Hutton など豪華ゲスト陣を迎えたGAUDIの集大成的アルバム。
Ocora名盤再発!仏教伝来以前からといわれるチベットの古来の宗教、ボン教に伝わる儀礼のための音楽の実況録音盤。1983年初出アルバムの再発売。
01 Chant dedicated to the protective divinity Midü 守護神ミドゥのための聖詠
02 - 13 Nag-zhig’s propitiatory ceremony (nag-zhig bskang-ba) ナグ=ジグ鎮魂(贖罪)祭
14 Tea Offerings (ja-mchod)
供茶
15 Drum-beating in Praise of Shenrab (gshen-rab mchod-rgna) シェンラブを讃える太鼓
録音:1981年3月、1983年4月 チベットでの儀礼の実況録音

イタリアの作曲家、ヴァイオリニスト Silvia Tarozzi が、詩・民謡・室内楽・即興・歌をひとつの流れに溶かし込んだ、繊細で温かいパーソナルなアルバム。メロディやリズムにイタリアの伝統音楽の影がさりげなく差し込み、ヴァイオリンの旋律は時に祈りのように、時に語りかけるように響く。Tarozzi の声は歌と語りのあいだを揺れ動き、言葉が音楽の中に自然に溶け込んでいく。そこには、現代音楽の厳密さと、フォークミュージックの温かさが同時に息づいている。アンサンブルは小さく、親密で、どこか家庭的。弦、ギター、パーカッション、声が寄り添いながら、小さなフレーズが反復し、ゆっくりと変化していくミニマルな構造で、電子音の加工は控えめで、生音の温度感がそのまま作品の核になっている。抽象的でありながらとても人間的で、身体の奥に触れるような温かさと込められた感動が印象的。Silvia Tarozzi が自身のルーツを丁寧に紡ぎ上げた、静かで光に満ちた音楽の旅。
フランスの民族音楽名門レーベルOCORAからタントラ(悟りを実現させるための実践)の場であったギュト寺院の聲明の録音が待望の再プレス!!
何十万というチベット人が亡命を余儀なくされた出来事が起こる前の1970年代初頭、ギュト寺院の僧侶約100名がインドに亡命しました。本来、外の世界に出すものではないと思われる聲明ですが、その伝統が消されるのではないかという危機感からか、彼らはその後、外国での客演、録音を数多く行うようになりました。この録音はその最初期である1975年のパリで行われたライブ録音です。
鐘の音や禁欲的なチベットホルンの音、打鳴らされる太鼓、人間とは思えない野太い低音と宇宙的なものを感じさせる倍音が重層的に響くさまは、一聴するとあまりにも厳しい音世界ですが、深く瞑想するように聴き入っていくと、次第にあらゆる余分なものが消失してゆき、やがてそれは一つの調和として立ち現われ、一種のトランス状態に至るとんでもない内容!没入の強度と深度が違います!!
各地の伝統録音をきく方や、音楽を探求するかたにはもちろん聴いていただきたいですが、ダーク・アンビント/ドローン、インダストリアルなどがお好きなかたにも、ぜひ一度きいてみていただきたいと思います。日本語解説付
Disc 1
「秘密集会」ないし「秘密の単一」タントラ/ 文殊菩薩の忿怒の現れたるヤマーンタカの儀式における灌頂の抜粋/ 奉献の儀式、ラプネーの抜粋
Disc 2
大黒天/黄金の献酒/吉祥の祈り
70〜90年代にイタリアで放送された日本アニメの主題歌を集めた公式コンピレーション『Goldrake Generation』シリーズ第1弾。『UFOロボ グレンダイザー(Goldrake)』を中心に、『グレートマジンガー』『トライダーG7』『ヤッターマン』など、当時の子どもたちを熱狂させたイタリア語版アニメ主題歌を13曲収録。70〜80年代のイタリアでは、日本のアニメが爆発的な人気を誇り、現地のミュージシャンが独自の解釈でファンキーでプログレッシブな主題歌を数多く制作。本作はその黄金期を象徴するイタリア版アニソンのオリジナル音源を最新リマスターで蘇らせたもので、シンセやギターの派手な音作り、厚みのあるコーラス、ヒロイックなメロディが当時の空気を鮮やかに呼び戻す。ロボットアニメ特有の高揚感と、イタリアン・ポップのドラマ性が融合したサウンドが楽しい一枚。
ソウルフルで華やか、そして自己肯定感に満ちたLady Wrayのサード・アルバム『Cover Girl』が〈Big Crown Records〉より登場。プロデューサーのLeon Michelsとの長年の信頼関係のもとで制作され、60〜70年代のソウルやディスコ、90年代のR&Bやヒップホップ、さらに彼女のルーツであるゴスペルがブレンドされた、祝祭感あふれる一枚になっている。リード曲「You’re Gonna Win」は、ゴスペル・ディスコの熱気と自信に満ちたメッセージが炸裂するフロア向けの一曲。その他にも、プリンスに通じるようなファンキーなミッドテンポ「Be a Witness」、自己回復と再生をテーマにしたタイトル曲「Cover Girl」など、パーソナルな物語と豊かな音楽性が交錯する。Lady WrayことNicole Wrayは、90年代後半から活動を続けるシンガーで、長いキャリアと幾多の試練を経て今なお進化を続けている。『Cover Girl』はその歩みの集大成とも言える内容で、音楽的にも精神的にも「いまが一番いい」と本人が語る通り、力強くて美しい自己表現が詰まったアルバムになっている。
ジョージアの新鋭 Anushka Chkheidze と、ドイツ実験音楽のベテラン Robert Lippok が共作した、思考が静かに流れ、形を変え、また沈んでいく、その内側の動きを電子音で描いた作品『Uncontrollable Thoughts』。Chkheidze の透明感あるシンセや淡いメロディの影が、感情の粒子のように浮かび上がり、Lippok のミニマルなパルスや緻密な音響処理が、構造を精密に刻む。音は決して大きく語らず、むしろ内側へ沈む方向へと導かれ、静けさの中に微かな緊張が走る独特の空気が全編を包む。アンビエントの柔らかさと、エレクトロニカの構造美が自然に溶け合い、音の粒子がゆっくりと漂いながら、聴く者の内面に静かに触れてくる。
忘れた頃にやってくるオメガポイントとエム・レコードのお騒がせ合同リリース。今回は、人間の脳波を用いた最初の音楽作品として知られるアルヴィン・ルシエの「一人の演奏家のための音楽」を、あろうことか60年代のジョン・ケージ一派が実演した壮絶な意味不明爆音塊。もう一つは、初期オメガポイントのリリースで現音マニアを震撼させた一柳慧の傑作「アピアランス」のマスターテープ音源という強烈二本立て。単なる希少価値を超えた、プロト・インダストリアルといえるこれら実験音楽の精髄をアンビエント流行の今爆音で浴び歴史的弁証法に問う!!
2月27日発売。今回の音源は一柳慧が自宅で発掘したテープから発見されたもので、1967年にミシガン州ホープ大学で行われたケージ、デイヴィッド・チュードア、一柳慧らによるコンサートの生録音である。
60年代中盤は、ケージとチュードアが電気的に増幅したパフォーマンスサウンドを開発していた只中であり、このホープ大学コンサートでも容赦のないアンプリファイド・パフォーマンス技法による爆音が放たれていた。ルシエの「一人の演奏家のための音楽」(1965年)は、現在、耳にできる中で最も作曲年に近い録音で、今回、世界初公開となる。この1967年版は、1982年にルシエとポーリン・オリヴェロスがLovely Musicから発表したものとは全く趣の異なる、ケージ一派の電気的リアリゼーション技術が施された内容で、事情を知らなければ近隣の道路工事にしか聞こえない形而下意味不明音塊。脳波の実演奏は名手チュードアが担当している。
一柳慧の「アピアランス」(1967年)は、かの『Source Magazine』誌上の巻頭で発表された当時の最新曲で、生演奏のエレクトロニクスとアコースティック楽器を混合した爆裂演奏にはケージも参加。この演奏自体は、2006年にオメガポイントからリリースされたものと同一内容だが、本作で使用したソーステープはマスターテープと考えられ、明らかにリニアリティが高く、音質が大幅に向上している。また、2006年版にはない聴衆の反応も収録された長尺版となる。
本作には、オメガポイントによる序文(テープ発見の経緯を解説)、一柳慧の「アピアランス」2006年解説の再掲、ルシエ作品の研究家で生前より作家と交流のあったサウンドアーティスト佐藤実による解説を収録。(※ジャケット図版は「一人の演奏家のための音楽」のセット図)

ボリウッドに影響を受けたナイジェリア映画 (ノリウッド) 音楽がテーマの見知らぬ楽曲満載のコンピレーション。ここの主催者Christopher Kirkleyのカセット・レーベル、Autotune The Worldから出版されていた作品が、サハラ砂漠以南の未知の音楽へと切り込む名所〈Sahel Sounds〉より再発。
この上なく美しくワールドにひろがる音響派/コズミックな西アフリカ・セネガルの要注目な音楽集団、Wau Wau Collectif。国境や音楽シーンを超え、西アフリカ各地の伝統、スーフィーの賛美歌、スピリチュアル・ジャズ、ダブのリズムからインスパイアされた、挑戦的かつハイブリッドな空想民俗音楽。今作の中心には「教育」というテーマがあるそうで、現代のセネガルが直面している社会問題や移民問題などを直接取り上げた楽曲を収録。しかしながら、穏やかで実に牧歌的な音楽で、コール&レスポンスするチャントや子供の声、催眠的なパーカッション、コズミックなパッド・シンセ、第四世界風味の異界なサックスまで、どうかしちゃうくらい潤けたサウンドが満載。
音楽家・大野慎矢によるソロ・プロジェクト KiMiMi が、東京・三田に位置する建築家・岡啓輔による20年のセルフビルド建築「蟻鱒鳶ル」に宿る時間の層と人々の気配を音として掬い上げ、音楽として再構築した作品『ИМА(イマ)』。
ブルガリアで学んだガイダ(バグパイプの祖先楽器)を軸に、多彩な楽器を自在に操るマルチ奏者のKiMiMiは、これまで旅先で録りためた生活の痕跡や民俗的な旋律を宅録というスケールに持ち帰り、カセットテープ作品や舞台音楽などを通して幻想的なフォークロア音響を紡いできました。
その音楽活動の傍ら、「蟻鱒鳶ル」の建築作業にも参加し、現場で響くハンマーや鉄骨の音、昼休みの雑談、誰かが奏でた楽器の旋律、通りを走る車の音などを記録してきました。 2022年末からは、この建築を題材にしたZINE『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』が始動。KiMiMiは毎号寄せる音楽作品にこれらの録音を取り入れ、ガイダをはじめ、アコーディオン、ギター、笛、ウクレレ、ピアノ、足踏みオルガン、鍵盤ハーモニカ、シロフォンなどの生楽器、そしてシンセサイザーの音を重ね合わせながら、現場の湿度や呼吸が刻まれたサウンドスケープを形にしています。
KiMiMiの創作は、計画的な構築よりも、偶然や直感、そして時間の流れに委ねる姿勢に貫かれています。断片的な録音を重ね、時間を置き、再び掘り起こす。その繰り返しの中で、音楽が自然と形を成していきます。それはまさに、あらかじめ図面を用意せず即興的に層を重ねあわせ、つくりあげられていった蟻鱒鳶ルのプロセスと共鳴します。
『ИМА(イマ)』は、KiMiMiの音の旅の現在地であり、建築と音楽、記録と創作、個と共同体の境界を軽やかに越えていく試みです。都市の喧騒、手作業の静けさ、笑い声、蟻鱒鳶ルの現場に響くあらゆる音たちが、KiMiMiの音楽と溶け合い、人が生きる時間そのものを映し出しています。

後年、職業音楽家として名を成すある若者が1984年に自費出版した幻の異端シンセLP、ここに遂に公式復刻!! 80年代初期ニューヨークのアヴァンギャルド・ムーブメントの熱気にくらったいち日本人のアウトサイダーDIY精神爆発の刻印。シンセ一台とヴォイスのみで表現されたこのウルトラローファイな初期衝動的探求は、シニシズムが蔓延する時代、内なる「人間」DNAを揺り起こす。これは現代の神話である。
『Music in DNA』は、1980年代初頭のニューヨークに滞在し、故郷のしがらみから解放された日本人青年、Yasuhito Ohnoが自主制作したLPで、音楽、絵画、パフォーマンスといった当時の様々な前衛的ムーブメントと80年代ニューヨークの地産地消エネルギーにインスパイアされた、「外部」としてのDIY精神が溢れ出る情熱の結晶体。Ohnoはポリフォニック・シンセサイザーの傑作、Roland Juno-60と4トラックマルチレコーダーのたった2台の機材と自身のヴォイスを用いて、若々しい「エッジ」を開放的なローファイ音楽の探求へと注ぎ込みました。全体が奔放な魅力に満ちており、それは、新しい世界に飛び込んで戯れる生々しくフレッシュな人間の精神の開放。Ohnoは、DNA研究、パーソナルコンピューティング、初期のコンピュータグラフィックスといった当時の技術開発全般がもたらす人間的な可能性にも触発されており、収録曲の一部は初期CGのデモ映像のバックグラウンド音楽に使われ、また、本作のジャケットは初期のCGアートです。その後、彼は日本で職業音楽家となりますが、『Music in DNA』は、表現技術を磨く以前の、ひとりのアーティストの作家性の始原を記録したドキュメントであり、極限状態にある剥き出しの無垢が、啓蒙以前の先史神話のように我々に迫ります。シニシズムが蔓延する時代、『Music in DNA』は、寛大な無邪気さとありのままの自分を蘇らせる唯一無比の作品です。ライナーに掲載したYasuhito Ohnoの寄稿は、我々が失っているものを肩の力を抜いて鋭く問いかける名文!
徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbow。スウェーデンの実験音楽レーベル〈iDEAL Recordings〉が展開する限定シリーズiDEAL Secret Circleの第3作として発表されたMerzbowのCD作品『Gareki No Niwa』。本作は、Jim O’RourkeやJohn Duncanらと並んでシリーズに選ばれた11タイトルのひとつで、各タイトル80部のみ制作される特別仕様。過激でサイケデリック、そして聴くほどに発見がある、メルツバウのカタログの中でも不可欠な一作。

ラッパー、プロデューサーのIDKことJason Millsによる最新ミックスLP『Even The Devil Smiles』。自身の過去の収監経験や、早期釈放という人生の転機を背景に、生存・変容・裏切り・精神的葛藤・回復を描くもので、ハードなビートと内省的なリリックを融合。MadlibやNo I.D.といった大物プロデューサーとのコラボで、クラシックなヒップホップの質感と現代的なサウンドを併せ持っている。IDKが自身の過去と精神的葛藤を真正面から描いた個人的で内省的なヒップホップ作品。
独学でチェロを学び、関西を中心に活動しながら即興演奏から舞台音楽、現代美術家への音源提供などなど多岐に亘る活動を行い、近年は日野浩志郎(goat、YPY)とのDUOプロジェクト「KAKUHAN」や、オーストラリアのユニット「CS+Kreme」のアルバム「The Butterfly Drinks The Tears Of The Tortoise」にも参加するチェリスト「中川裕貴」による、チェロと自身で製作した弓(通称:バッハ弓)によるアコースティック演奏を収録したCD+テキスト集がリリース。
2024年12月にロームシアター京都で開催されたコンサート「中川裕貴 - 弭」に向けて録音された、自作の弓を使用した完全アコースティック演奏の録音CDとコンサートに至るまでに書かれた自身の演奏に関するエッセイや、自作のチェロ弓(バッハ弓)の解説など、近年の思考/試行が垣間見えるテキスト集も付属。
なおテキスト集には詩人・小笠原鳥類が「中川裕貴のチェロを聴いて書いた(独学の)俳句」を特別に寄稿し、中川のチェロに独自の詩を沿えている。
人間の「声」に最も近いと言われる「チェロ」という楽器を、独自の弓を使用し演奏することで、この楽器に内在する多様な「声」を現実化する試みが15曲に亘り繰り広げられています。

2023年9月、10月にMARK FELL/RIAN TREANOR/KAKUHANの3組によって実施した日本ツアーを記念したスプリットCDがリリース!300枚限定です。
90年代以降の電子音楽、或いは実験的なテクノ音楽の巨頭として知られ、Mille Plateaux、Line、Mego、Raster Noton等のレーベルから多数の作品をリリース。そして近年はその「テクノ」の枠さえも飛び越え本当の意味での「現代的」なサウンドを提供するMark Fell。
2023年にはNYEGE NYEGE TAPESからウガンダ / アチョリ族のフィドル奏者 Ocen Jamesとのコラボレーションを収めた音源「Saccades」をリリースするなど、クラブ・カルチャー、実験芸術、コンピューター・ミュージックの交差点から、新たな解体と連動を伴う音楽を創出するRIAN TREANOR。
様々なコラボレーションを経た上で2022年に活動をスタートし、そのユニットに備わる音楽性=「電子音楽/弦楽」、「現代音楽/クラブミュージック」、「作曲/即興」など、様々な音楽が持っている極/曲を、その名の通り「攪拌」するKAKUHAN(日野浩志郎×中川裕貴)。
この3者による完全新曲が収録された全9曲のスプリットCDは、単なる「スプリット(寄せ集め)」ではなく、テクノミュージック以降の音楽の周縁にある「フィジカル/メタフィジカル」の境界を超越、融解するようなアプローチがそれぞれの楽曲の中に現れています。三者の音楽に対する現在進行形の態度が如実に、かつカジュアルに現れた、ジャンルを越えて聴くべき作品になっています。お見逃しなく!
ポーランドのギタリスト、Raphael Rogińskiと、セルビアの伝統歌唱を軸に活動するRužičnjak Tajniが共作した、バルカンの深い伝承を思わせる響きと現代音響が交わるエクスペリメンタル・フォーク作品。強靭でストレートなバルカン歌唱が中心にあり、その倍音や揺れが音楽全体の芯をつくる。対照的にロギンスキのギターは、旋律を前に出すのではなく、ドローンや打弦、鋭い単音を組み合わせながら、独自の質感で周囲を支えている。民謡の旋律や宗教歌、オスマン帝国由来の古い歌など、バルカン半島の多層的な音文化を素材にしながら、和声や音の配置は現代音楽的で、伝統と実験が自然に呼応する独自の音響世界を形成。リズムは明確に刻まれず、呼吸や語りの間合いが時間の流れをつくり、聴き手を歌の奥にある風景へと引き込む。
長大なMorton Feldman のピアノ作品をほぼ網羅!Philip Thomas による25年以上の研究と演奏経験が結実した、決定版とも言える 5 枚組ボックスセット。John Tilbury の4CD旧全集では未収録だった作品も多数収録しており、うち3曲は世界初録音。極めて柔らかいタッチと精密なコントロールが印象的なPhilip Thomas の深い理解と静謐な演奏が、Feldman の音楽の本質である、音の消え際、時間の伸縮、静寂の美を鮮やかに浮かび上がらせている。52ページに及ぶPhilip Thomas による詳細な解説も付属。Feldman の作曲思想、演奏解釈、作品背景が丁寧に記されており、研究資料としても価値が高い一作。
Morton Feldman後期の三つの大作「Why Patterns?」「Crippled Symmetry」「For Philip Guston」を収めたCD6枚組ボックスセットが〈Another Timbre〉より登場。演奏はGeorge BartonとSiwan RhysによるGBSR Duoに、フルート奏者Taylor MacLennanを加えた編成で、Feldmanが晩年に好んだフルート、ピアノ(またはチェレスタ)、打楽器という独自のトリオ編成による作品を網羅している。収録の後期三大作は、1970年代後半〜80年代のFeldmanが確立した、静けさの中で微細に変化し続ける音を極限まで追求した作品群で、静けさの中で音がわずかに揺らぎ、時間が伸び縮みするような独特の世界。GBSR Duo+Taylor MacLennanによる演奏も、透明度が高く、緊張感と静けさが共存する精緻なもの。音が消えゆく瞬間に重心が置かれた、極限まで繊細な時間の芸術。
Eden Lonsdale による、夜明け前の薄明かりのように、静かな音が少しずつ形を変えながら広がっていく作品『Dawnings』。長く伸びる持続音が重なり、その内部でわずかな揺らぎや色の変化が生まれる。大きな動きはほとんどないにも関わらず、聴いていると空気の密度が少しずつ変わっていくような感覚がある。音が動くというより、
空間そのものがゆっくりと明るくなっていくような印象の Lonsdale の音楽は、微細な音の重なりだけで豊かな表情が生み出されている。静けさが主役となり、その中で生まれる小さな変化が、まるで光が差し込む瞬間のように繊細に響く。何も起きていないようでいて、実は絶えず変化しているという静かなドラマを描いた、内省的で美しい一枚。
Morton Feldman晩年の代表作「Violin and String Quartet」を、Apartment Houseが鋭敏な感性で捉え直した新録音。「Violin and String Quartet」は、Steve Reichが「Feldmanの作品で最も美しい」と語った、同じ1985年に書かれた「Piano and String Quartet」をさらに推し進めたような作品で、2時間20分にわたって、ほとんど動かないようでいて、微細な変化が絶えず揺れ続ける。Apartment Houseの解釈は、これまでの録音とは明確に異なっており、各楽器を近接で収録し、弓の圧力の変化や、わずかな音程の揺れ、響きの微動までを拡大して聴かせる。Feldmanがこだわった自然な残響や音の減衰が、余白の中で前景に浮かび上がり、音と音のあいだの沈黙までもが作品の一部として息づくかのよう。旋律らしい旋律はほとんどなく、雲のように漂う和音の層がゆっくりと形を変え、同じようでいて違う音の渦が何度も現れては消える。その反復は、聴き手に絶えず小さなデジャヴを与え、現実感覚を曖昧にする。注意深く耳を澄ませるほどに世界は広がり、時間から解き放たれ、ただ音の中に漂うMorton Feldmanの到達点。
