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『Light Wave』に続くエムのJ-Indie popは、時代の空気と関係のないHYPEなポップスを追求する5人組、バンクのNEWアルバム。ミックス/マスタリングはあの神田朋樹!
バンクは、90年代初頭のアングラ・シーン:東京ネオアコ~初期クラブ・ミュージック~Crue-L(瀧見憲司主宰)周辺で活動してきた正に「渋谷系」の当事者、ブリッジ、ラブ・タンバリンズ、アーチという伝説的バンドを経たミュージシャン等によって2006年に結成。中核は中村大(gtr, voc)と鈴木望(drums)。奇をてらうことなく「良い音楽を良い演奏で」をモットーにしているが、彼らの消し去れない素地であるニューウェーブ~ポストパンク~ネオアコ、フェイク・ジャズ~ファンカラティーナと、中村のどうしようもない80s好きが自然に出てしまい、新旧区別の付かない音になってしまっている(何故か全員デュランデュラン好き)。
無機的な中村のソングライティングを支えるのは、AORをバックグラウンドに持つリズムの柱であるベースの平見文生(ex. ラブ・タンバリンズ)とノン・グルーヴのYMO的ドラミングが持ち味の鈴木であり、このミスマッチで生まれる奇妙に心地よい都市的グルーヴ感も魅力だ。ミックス/マスタリングは90年代からの盟友である神田朋樹(天才!)。今回はバンク初のヴァイナル版もリリースします!
YPYと国内ツアーし、The Durian BrothersやInstitut Für Feinmotorikのメンバーというよりも、今やソロ名義Don't DJとして異質な才能を爆発させるFlorian Meyer。彼曰く今作は「自分の中では割と聞きやすい部類になった」という。サン・ラーの名盤『Space Is the Place』(1973)にちなんだと思われる題名が示す、超空間世界をテーマにした両A面のミニ・アルバムで、あの『Authentic Exoticism』(2016)の進化版といえそうな作品。タイトルは伊達でなく、サン・ラの世界をデジタルで憑依表現したようなA面、うってかわってAA面はエチオピアかインドネシアのような音階が耳をとらえ、こちらも不可思議で妖しい異空間世界を表現したエスニック・エキゾ・テクノ音。相変わらず実験性の高い試みだが、ポップな仕上がりなっている点は彼の才能だ。A-2はデレック・ピョートルとの共作でマニアは要注目!
日本全土に無数にある「盆踊り」、俚謡山脈 x エム・レコードが考えるその最深部且つ理想形のひとつがコレだ。ジャーマン・ロックを思わせる跳ねない太鼓と鉦のハンマー・ビート、圧倒的な音量で一斉に吹き鳴らされる笛、それらが徹底して反復するミニマル・ダンス・ミュージックの極地!そのあまりにもストイックで鋭角的な音像は、電気を使わずに奏でられる「農村のインダストリアル・ミュージック」「畑の中のリッチー・ホウティン」とでも呼びたくなる。これが埼玉県北部に今も残る「境石投げ踊り」だ。当地ではこの古い形を残す唄と踊りを観光化することなく、盆の営みとして現在に至るまで続けている。
今回我々は昭和58年に埼玉県民俗文化センターが制作したレコード『埼玉の盆踊り』に収められた同曲をリマスターし、更に平成29年現在の保存会による最新ヴァージョンをSUGAI KENのレコーディング/ミキシングで収録した。石仏も思わず踊り出す、日本のダンス・クラシックを皆さまの耳でお確かめください。装丁は『弓神楽』に引き続き高木紳介(Soi48)。
な、な、な、なんじゃこりゃーーーー!今度は東京!これぞ、江戸っ子の粋!「木崎音頭」や「かじゃでぃ風節」の衝撃も覚めやらぬ中、またしてもEMが日本のオブスキュアな民謡の再評価へと一石を投じる強烈なリリースをドロップ!俚謡山脈監修の民謡シリーズ第四弾は芸能「おしゃらく」のレジェンド録音が堂々のリリースですよっ!
“まるでロック・バンドというものを全く知らない国の人間が、初めて手にしたエレキ・ギターとドラム・セットでその土地の民謡を完璧に演奏してしまっているようなサウンド。それが我々がここに紹介する「おしゃらく」である。”、”東京にも民謡ってあるの?と問われたら答えたい「東京こそ唄の宝庫だ!」と”
今回、日本一根性のあるレーベルであり、世界各地に熱狂的なファンを持つEM Recordsからは、東京の江戸川区および隣接する千葉の浦安に残されていた「おしゃらく」という芸能のレジェンド級の録音が登場!東京オリンピック以降、急速に失われた古き良き「東京」、はっぴいえんどが見立てた「風街」とは別の、農漁村や船頭たちが生きていた時代の東京を呼び起こす強烈な録音。おしゃらくとは、”念仏講で歌い踊られていた念仏踊りを起源とし、そこに遊芸人である瞽女や飴屋の唄、江戸のはやり唄などを取り込みつつ高度に発展を遂げた「民謡と民俗芸能のハイブリッド」とでも言うべきもの”。レーベルインフォによると、この芸能は、茨城から千葉、埼玉、神奈川まで分布しており、「万作踊り」や「小念仏」などの名称でも知られているそうです。おしゃらくはその中でも最も複雑かつ洗練された芸能。深い伝統の息衝いた、威容とも言うべき達者な三味線と、タイのモーラムにも引けを取らない節回しを聴かせる唄、踊り手を鼓舞するように快調なビートを刻む鉦と太鼓。芸達者中の芸達者による、言葉による形容では追いつかない猛烈極まりない土着民謡の数々へと酔いしれてください!弊店でもおなじみ、SUGAI KENによるデジタル変換。大・大・大推薦!!!
「レコード・オブ・ザ・イヤー:
Martin O'Cuthbert: 'B.E.M.S' (Esoteric Records)
マジで、このレコードをかけたとき、壁にあった物がいきなりビリビリ震え出した。証人もいる。マーティン・オカスバートって奴は超邪悪な人間か(レコード聴いてみろ)とんでもない大馬鹿だ(レコード聴いてみろ)。たぶん日本でビッグになるな。全部ヤマハのオルガンのせいと思うけど、どうやったらシンセでこんなヒドイ音だせるんだー?」
(ジョン・ライドン『ニュー・ミュージカル・エクスプレス』 1978年7月22日)
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『INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE!!!【雑音だらけのディスクガイド 511選】』著者、持田保先生の選曲・解説でおごそかにお送りする病理的異星人シンセ音楽集!!
マートック(初期はマーティン・オカスバートの名で活動)はポストパンク期に地球にあらわれ現在も活動する英の作家/電子・電器音楽家。ジョン・フォックス、ファッド・ガジェット、クラフトワーク、イーノらに影響を受け(たらしい)、同国人のJ.G.バラードやイアン・バンクスをはじめとするSF・幻想文学に深く傾倒。その合成が自作に展開した‥‥‥のかは定かでないが、彼の暗黒フォースの強大な威力はジョン・ライドンを痺れさせたことで証明された(しかもデビュー作で)。
彼はメジャーの誘いを全て拒否し「使い捨て商品に沿ったものの見方をしない、永続的な音楽の創造」(!!!)という崇高な目的のため、全てを自主制作で発表。その数シングル11枚、アルバム13枚。録音では異星人に向け発信したと思われるビリビリなシンセ音とグルーヴ感の崩壊したドラム・マシーンを多用。全くもってイルな(=地球人には理解しがたい)偉大なる作品群を、持田先生が身を挺して受け止め選んだ全10曲ザ・ベスト・オブ・マートック!!!!(ボアダムズ山塚先生のフェイバリットでもちょと有名!?!)
「地球の反対側のシド・バレット」ともいわれた豪のアウトサイダー・ポエット、ピップ・プラウドの音楽作品を、彼のバイオグラファーであるデヴィッド・ニコルズ教授の監修で編纂したアンソロジー。全曲本邦初登場!
彼は舌がもつれ気味の静かな声をもち、声域はオクターヴの半分にも満たない。(中略)これらの曲で示される幼年期の感性の完全な理解こそ、彼の作品の最も非凡な特徴である」(解説より)……と記述されるプラウドは、豪において誰の前例もなく、当時の業界は扱いあぐね、フォロワーすら成立しなかった点で「先駆者」とも評せられず、前後に隔絶した存在のまさしく「アウトサイダー」。一度耳にすれば脳裏を離れなくなる強烈な個性は、シド・バレットやダニエル・ジョンストンに並ぶものだ。
本作は、60年代に制作された幻の私家版1stアルバム、メジャーで発表したアルバム2作、そして70年代初頭の秘蔵録音から選んだアンソロジーで、マスターテープから起こした音源ソースを元に最新リマスターを施した。また、ニコルズ教授の協力で、作家手書きの草稿をもとに「ピップ語」というべき英詩を世界で初めてテキスト化し掲載(→この英詩だけでも価値大!)。CD版はボーナス3曲追加。
アルゼンチン音楽ファンには説明不要のマルチ・インストゥルメンタリスト作家、エミリオ・アロがこの10年で発表したソロ作『Panorámico』(2007)と『Estrambótico』(2012)は、音響派以降の新世代がフォルクローレ・リバイバルの影響下に制作した完全なスタジオ作品だった。しかし、ここにきてシーンのキーマンがあえてバンドを結成したのは極めて重要。南米のワニの名をもじったこの怪しいバンド名<カイマン族>のデビュー・アルバムとなる本作は、架空の部族の奏でる音楽を空想した、あるはずの無い秘境に流れる音楽というコンセプト。カリンバを改造したカリンバフォン(名前も最高!)というアロの自作楽器を中核に据え、ゆったりした波動でメローかつ幻想的に、徹底してミニマルに演奏されるバンド・グルーヴにはかなりの催眠性と中毒性がある。アルゼンチン音楽ファンだけに独占されるのはもったいない、ハイラマズやVIDEOTAPEMUSICのファンも絶対にハマること間違いなしのユル~いエキゾ幻想音楽!
もうひとつの目玉は、松竹谷清/トマトス版で有名な70s ディスコヒット「ロック・ユア・ベイビー」のイメージを一掃する、mmm(ミーマイモー)をヴォーカルにフィーチャーしたキラーなほんわか夢心地ヴァージョン。そして嬉しいもう1曲はアンカナーン・クンチャイの1stアルバム収録曲をベース・ミュージックに解釈し再構成したDOPEなインスト・チューン、その名も「ラムプルーン サラッブ・コーンサワン Bassline」で、タイ音楽マニア、テクノ、ダブステップ、トラップ・ファンにもプッシュのPUREダンス・カット。こういうのを待っていた最強に楽しい4曲入り12インチ!(装丁:高木紳介/ Soi48)
映画『サウダーヂ』から空族映画に深く携わっている盟友・スタッフであり、日本のヒップホップに新風を吹き込み、幅広い層から熱い支持を受けるラップグループ、stillichimiya(スティルイチミヤ)は、イサーンの生んだ大スター、ダオ・バンドンの一世一代の名曲「水牛に乗る人」というルークトゥン・イサーンの<大ネタ>使い。ラップでのカヴァー・ヴァージョンともとれそうな、日本音楽が最もイサーンに近づいた記念すべき曲だ。真っ向からイサーン音楽と組み合ったこのチューンをCOMPUMA(松永耕一)がリミックスし、一体どこの何の音楽なのかよくわからない新音楽に仕立て直した。日本のクラブミュージック/電子音楽リスナーも目が離せない。
即興を用いた作曲法「comprovisation(コンプロヴィゼイション)」で一貫して作品を生み出しているローランドは、エレクトロニクスとアコースティックのミックス・センスが超一流で、ファラオ・サンダース、テクノ、電子音楽、クラシック音楽のセンスを併せ持った、スピリチュアルさとアンビエントさ、地に足がついた(<重要)演奏が魅力だ。常にメッセージを含ませているローランドの「今」の音は、バレアリック/テクノ/アンビエント・ジャズのリスナーにもど真ん中の必聴作!
電子音楽の歴史に名高いアーティストは誰かと聞けば人はシュトックハウゼンだ、クラフトワークだと、男の名前ばかりが挙がるだろう。しかしそれもまたこの先変わっていくのだと最近思う。デリア・ダービシャー、ローリー・シュピーゲルやポーリン・オリヴェロス、ドーリス・ノートンにスザンヌ・チアーニと、電子音楽に関わって来た女性の歴史は本当は広く深い。加えて近年は、我らが日本のシンセ・シスターズ、ステラー・OM・ソースやマリア・ミネルヴァなど、シンセサイザーと女性の関係の深化は実に甚だしい。彼女たちはその歴史を確実に塗り替えていく。このアルバムを聴きながら思ったのは、きっとその先に広がる世界は差別と不平等の鎖から解き放たれた、今日よりも真実味のある世界に違いないということ。---カジワラトシオ(ヒト族レコード・Antibodies Collective)
もの凄い立体感の電子の粒に包まれる。上層のコズミックな粒の壮大な広がりと美しい流れ、心地よい音階とうねり、低いところから沸き起こる太くて力強い響きにもグッとくる。何層にも幾十にも重なって広がっていく未来の世界は、多幸感、多福感でいっぱいになっていく。この切り開かれ感はちょっと凄いかも。ず〜っと聴いていたいです。---YAMA (TUMULUS/PRHYTHM)
フロム・スクラッチは、極左音楽家コーネリアス・カーデューに学んだフィル・ダドソンが、スクラッチ・オーケストラのニュージーランド支部として70年代に組織した演奏集団が発展したものだ。彼らは戦闘的な風貌のカスタム楽器で世界的に知られ、坂本龍一も一目おいた打楽器ユニットとなり、2度の来日も果たした。
彼らの真骨頂といえる作品がこの難曲『ガン・ホー1,2,3D』で、演奏者が個別に異なる拍子を叩くホケティングを特徴とし、正確な反復リズムでの究極のポリリズムは圧巻。文字面では機械的で無機質な響きだが、塩化ビニル製チューブから発生する倍音まみれの俗物的な音と人力演奏による僅かな誤差が有機成分となって不思議な恍惚感を生む。
今作では『ガン・ホー1,2,3D』で最も複雑な8,9,10拍子と9,10,11拍子で演奏された1981年のオリジナル録音を筆頭に、国内外の現行3アーティスト:YPY 日野浩志郎率いるゴート(M2)/独の奇才Don't DJ(M3)/鬼の右腕を経て現在D.A.N、トクマル・シューゴ等で活躍する小林うてな(M4)が解釈に挑んだカヴァーの計4作品を収録。全て楽譜を元に演奏しているが4者の解釈はまるで異なり、相当に高度な演奏にもかかわらず反復リズムゆえポップな様相を呈している。
Media Condition: VG+ Sleeve Condition: No Cover
