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Still LifeやIndian Summerなどと並ぶアメリカ西海岸エモの記録として愛されるインディ・エモ・ロック・バンドPot Valiantが1994年にリリースした唯一のフルアルバムで、90年代USインディの空気を色濃く伝える作品『Transaudio』。90年代前半のUSエモ特有の激情と叙情を併せ持つギター・サウンドに、短い曲と長めの展開のある曲が混在し、バンドの多面的なスタイルを示す荒削りながらも繊細な構成。当時のエモ・シーンの特徴を反映した内省的で感情の起伏を捉えた歌詞と、90年代USエモ/インディの空気を凝縮した一枚。

Delvon Lamarr Organ Trio の魅力をもっともダイレクトに味わえる、シアトルのラジオ局 KEXP に出演した際のスタジオ・ライブを収めた作品『Live at KEXP!』。Hammond B‑3 オルガンを操る Delvon Lamarr、ブルージーで切れ味鋭いギターを聴かせる Jimmy James、タイトなグルーヴを刻む David McGraw のトリオが、60〜70年代のソウル・ジャズやオルガン・ファンクの精神を現代に蘇らせるように、熱量の高い演奏を繰り広げていく。Curtis Mayfield「Move On Up」のカバーをはじめ、長尺のジャムや即興的な展開が次々と飛び出し、スタジオ録音とはまた違うライブならではの勢いと躍動感が全編を貫いている。オルガン・ソウルの醍醐味を凝縮したライブ盤。

凄いのが出ます!合成音、インスタレーション、パフォーマンスを通じて感覚知覚や聴衆の聴覚体験を探求するドイツの実験的サウンド・アーティストであり、Aphex TwinやRussell Haswell、Mark Leckey、刀根康尚といったアーティストともコラボレーションを行ってきたHeckerことFlorian Hecker。〈Mego / Editions Mego〉や〈Rephlex〉、〈PAN〉、〈Presto!?〉といった各地の先鋭レーベルに傑出した作品を残してきた同氏による、2017年の13チャンネル・インスタレーションでの高い達成を収めた10枚組CD BOXセット『Resynthese FAVN』が登場!版元は、Catherine Christer Hennix、鈴木昭男、小杉武久、高柳昌行、Graham Lambkin作品など、数々の前衛的作品を手掛けるブルックリンの〈Blank Forms Editions〉。元々は、オーストリアの首都ウィーンの美術センター〈クンストハレ・ウィーン〉での展覧会『Halluzination, Perspektive, Synthese』にて展示されたもので、本作には、2016年のプロジェクト『FAVN』で初めて発表されたアイデアを発展させた10作品が収録されています。名匠Rashad Beckerによるマスタリング仕様。

ジャパノイズ巨匠 Merzbow こと秋田昌美と、米国ノイズの中心人物 John Wiese による初のスタジオ共同作品『Akashaplexia』。3時間を超える新曲を収録した4CDボックスセットの大作で、Merzbow特有の金属的ジャンクノイズと、Wieseの構造的で緻密な音響デザインが交錯。4枚のCDはそれぞれアルバム長の作品として独立しつつ、全体で壮大な流れを形成している。John Wieseによるデザインの豪華装丁とともに、両者のノイズ美学を極限まで突き詰めた、25年以上にわたる交流の集大成的アルバム。
徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbow。1983年にFool's Mate傘下のChaosより発表されていた、水谷聖在籍時の名作が待望のCD化。

「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説Merzbow屈指の人気作96年Pulse Demonが、秋田昌美本人によるリマスターでCD復刻!
Pulse Demonは過去2回再発されているが、今回初めてリマスターを自分で行った。
元は1995年9月から11月にかけて録音された複数のDATテープである。トラック1から5までが1本目、トラック6と7が2本目、トラック8が3本目のDATに収録されている。それぞれのDATはPulse Demonで使用した音源以外のものも含んでいた。トラック6と7が一番後の録音である。Pulse DemonはRelapse Recordsからの2作目だが、1作目のVenereologyがDeathMetalを強く意識して作った作品であるのに比べ、Pulse DemonはよりMerzbowの自然体で作っている。私がEMSシンセサイザーを導入した初期の作品だという点もその理由の一つだと思う。
*** MASAMI AKITA (2022)

Mdou MoctarやLes Filles de Illighadadのバッキング・アーティストを務める、トゥアレグ・ギターの伝道師、ライターであり俳優のAhmoudou Madassaneが演奏を務めた、映画「Zerzura」のOST。静寂を伴うメランコリックなサウンドから、幻想的な怒りを体現したサイケデリックなディストーション・ギターまで、標準的なリズムの概念からかけ離れた、個性的なギターの即興演奏による、サハラ砂漠の神秘の瞑想とも言うべきサウンド。
盟友たちの再会。それは伝説のコンボ、フリーダム・ユニティの再集結となった。グルーヴの魔術師たちが躍動する姿を捉えた歴史的名盤。
モダン・ジャズからフリー・ジャズまでこなし「良い演奏をしたいならトロンボーンはあいつを押さえろ」とまで言われた鈴木弘。日本のジャズ界で八面六臂の活躍をするが、1971年にアメリカに移住する。約4年振りとなる一時帰国の折りに録音した本作では、渡米直前に在籍したグループ、フリーダム・ユニティのメンバーが再集結した。これぞまさに伝説の第2章。鈴木弘、石川晶、村岡建、鈴木宏昌、稲葉国光とグルーヴの魔術師たちが奔放に躍動する様は圧巻。シャープな「Shrimp Dance」、ダイナミックな「Kuro To Shiro」、ソウルフルな「Walk Tall」、ディープな「Cat」、メロウな「Romance」。全曲が鮮やかなグルーヴで彩られたモンスター・アルバムである。
text by 尾川雄介(UNIVERSOUNDS/DEEP JAZZ REALITY)

サウンド・アートのみならず、ニューエイジ/アンビエント・リスナーにもレコメンドしたい素晴らしい一枚!40分間にも渡り水滴が静かに滴る音が反響し続ける、国産フィルレコ・アンビエント金字塔!先駆的音響技術者であり、実用系フィルレコ・ニューエイジ傑作『爽 ~目覚めと眠りの音風景~』でも知られる高野雅昭氏が、霊峰で「天啓」を受けた際における純朴な音との出会いの感動を再現すべく作り上げた伝説的スタジオ作品『しずくたち』が栃木の名店〈Art into Life〉より待望の再発。
50年代前半よりフリーの音響プランナーとして主に舞台音響を担当、80年代中頃からは自作音具と収集した民族楽器による"音あそび”と題したパフォーマンスを開始、主宰の「音あそびの会」では参加者と共に活動に取り組んだ高野昌昭氏(1927-2007)。音響効果の専門家としての傍ら70年代以降は自然音の録音に熱中、その再現の一つとして自作音具"水琴竹”のシステムをスタジオに組み、上質な水滴の音のみを捉えた78年の録音《しずくたち》。新たに金子智太郎氏(日本美術サウンドアーカイヴ主宰)による詳細な解説ブックレットを付属させた復刻版。
リマスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。
CD版には48ページブックレット(日本語/英語)が付属。
1977年に自主レーベルから発表された、NYロフトジャズの最重要人物たちが集結した歴史的録音であり、Michael Gregory Jacksonのデビュー作『Clarity』。22歳の若きジャクソンが、Oliver Lake、David Murray、Wadada Leo Smithという錚々たるメンバーを迎え、アコースティックギターを中心に、フォーク、フリージャズ、室内楽的アンサンブルを大胆に融合。ジャクソンの繊細なアコースティックギターが中心にありながら、そこにLakeのフルート/サックス、Murrayの太く荒々しいテナー、Wadada Leo Smithの鋭いトランペットが交錯する。静けさと緊張が総挙する、室内楽的なフリージャズといった趣で、70年代ロフトシーンの自由な空気がそのまま刻まれている。本人公認の新規リマスターで、オリジナルの音像を丁寧に磨き上げた決定版。
フランス・フリージャズの重要人物François Tusquesが率いたIntercommunal Free Dance Music Orchestraの初期代表作であり、1971年に南仏Prades‑Le‑Lezの水車小屋で録音された 伝説的ライブ音源『Vol.1』と、続くセカンド・アルバム『Vol.2』が、セットでCD化!


2024年11月末、冥丁は、別府市制100周年記念事業の一環として、温泉文化をテーマにした滞在制作に招かれ、別府を訪れた。
「失日本」シリーズで知られる冥丁は、忘れ去られた日本の時代や風景を音として再構築する表現で注目を集める音楽家。今回の制作では、海辺に佇む築100年の旅館「山田別荘」の蔵に約1週間半滞在し、雨水が火山岩に染み込み、癒しの湯となって地上に戻る循環に耳を澄ませた。その結果生まれた作品『泉涌』は、温泉文化の内なる精神をたどるものである。
冥丁は竹瓦温泉、坊主地獄、へびん湯、そして山田別荘の内湯や貸切湯など別府の象徴的な温泉地を訪れ、泉源の音、泥の泡立ち、噴気孔の響き、竹林を渡る風、湯を楽しむ人々の会話などの環境音を丁寧に録音した。これらのフィールドレコーディングとその深い聴取体験を楽曲の音の土台とし、立ちのぼる湯気や体感した湯加減の塩梅までも音として描き出そうと試みている。
この作品は、一連の楽曲として展開し、硫黄と火山岩の風景の中を湯気のように漂っていく。坊主地獄に潜む狂気、山田別荘の内湯に響く幽玄な残響、苔むした竹瓦温泉の風情の中で交わされる日常の語らい。そうした断片が静かに織り込まれている。そこには水の静けさや土地に宿る記憶、そして代々ここで湯に親しんできた人々への深い敬意が込められている。
『泉涌』は、失われた日本の記憶を主題とする冥丁の探求を継承しつつ、新たな領域に踏み込んでいる。別府の風土や記憶を音 で巡礼するかのように、リスナーを深い没入体験へと誘う。マスタリングはStephan Mathieuが担当。また、本作は「失日本」 プロジェクトの新章『失日本百景』の幕開けを飾る作品。このシリーズでは、現代の生活の中でひっそりと息づく「憧憬の残る場」を探求していく。
精神を研ぎ澄まし、世界と調和し、固定概念より脱却し真の自己を発見せよ。「意識拡大の自由」を掲げ、LSD等の幻覚剤の使用による意識革命〜普及活動に生涯を捧げた教祖、作家、ハーバード大学教授を務めた心理学者でありサイケデリック革命の高僧と呼ばれ、ジョン・レノンやスティーブ・ジョブズにも多大な影響を与えたTimothy Leary(1920-1996)の1966年作。既存の体制に服従する生き方を否定し、意識、思想、個人の自由をその行動により促し、カウンターカルチャーのアイコン的存在であった稀有な人物による名盤。

数々の画期的なコンピ編纂でも知られる名門発掘レーベル〈Strut〉より、コズミック・ジャズ・グランドマスターSun Raの1952年から1991年までの地球時代に自身のレーベルSaturnからリリースした7インチシングルを全65曲収録した決定版決定版コレクションが登場!これらの録音はSun Raの多産な宇宙の旅から生まれた一度きりの隕石と言えるもので、先鋭的な 「スペース・バップ 」の発展や、ジャズとブルースの伝統を取り入れたユニークなサウンドは、この時代の他の誰にも真似できないものだった。全トラック、リマスタリング済。
1991年にリリースされたオリジナル・アルバム3タイトル(『’67-’69 STUDIO et LIVE』『MIZUTANI / Les Rallizes Dénudés』『’77 LIVE』)の制作時、水谷孝は並行してもう1つのアルバムのための作業を進めていた。
ユーマチック、オープンリール、DATなど、様々な媒体で準備された素材には、いずれも『Disque 4』や『Record No.4』といった表記を含め「4」という数字が書き込まれ、それらが「4番目のアルバム」のためのものであることを示している。さらには、そういった素材をアナログ盤の形(A・B面に分けて20数分程度ずつの長さ)にまとめようとしていた痕跡も確認できた。
複数のソースからスタジオでの演奏をメインに集められた各曲は、1976年の録音で統一されているらしいことも判明。これは、かつて水谷自身が「リリースされた3枚のアルバムの他にもう1枚、『’77 LIVE』と同じメンバーで録音したスタジオ音源から成るアルバムが存在する」事実を仄めかしていた、という証言と一致する。
しかし、90年代初頭、アナログ・レコードからコンパクト・ディスクへと体制が切り換わったばかりの状況下では、アナログ盤による発売が極めて実現困難であったことは想像に難くない。そのまま「第4のアルバム」は、幻の作品となってしまった。
本作は、水谷が4番目のアルバムのために選りすぐった素材から、「イビスキュスの花 或いは 満ち足りた死」(※『拾得 Jittoku ’76』に収録)を除いた楽曲を再構成。水谷の残したマスターを基に、オリジナルに近いテープも発掘して使用し、再び久保田麻琴のプロダクション作業とマスタリングによって作り上げられた。
ライヴでは音量・演奏時間ともに膨大なヴォリュームで知られる裸のラリーズの音楽だが、この作品はスタジオ・レコーディング音源を中心に1枚のアナログ・レコードというサイズにまとめられたことで、アグレッシヴなノイズの洪水というイメージを超え、その芯にある「抒情性」が鮮明に浮かび上がっている。そして、それもまた現在、世界中のファンを惹きつけているラリーズの魅力であることは、あらためて言うまでもないだろう。
[参加メンバー]
水谷孝:ヴォーカル/ギター
中村武志:サイド・ギター
楢崎裕史:ベース
三巻敏朗:ドラムス
⚫︎湯浅学によるライナーノーツ付き

滅多にコンサート録音を残さなかった同国ルーマニア出身の指揮者セルジュ・チェリビダッケに師事、氏から学んだ現象学と指揮法を自身の作風に取り入れ、スペクトル音楽の潮流を牽引する一人と称されながらも、一般のスペクトル楽派とは明らかに一線を画す爆音および摩擦が木霊する強靭な楽曲を残してきた作曲家・指揮者・音楽学者イアンク・ドゥミトレスク。1976年に創設したハイペリオン・アンサンブルを率い国内外で多くのコンサートを展開、90年にはアナ=マリア・アヴラムと共に自主レーベルEdition Modernを立ち上げ、長年に渡り30タイトル以上もの録音を発表してきたが、昨今の音源出版はほぼ停止状態にあった。
本作は、2016年にロンドンで披露された3部構成からなる”Libelocus”のコンサートを音源化した久々の出版物であり、異彩のスペクトラリストによる爆音アンサンブルから電子音楽まで、一連の作風をライブの流れありのままに纏めたものである。また個人名義による新録を収録したLP音源としては実に37年振りの作品となる。
マスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。

民族音楽学や人類学、宗教、歴史を専門に研究、人間の文化的な多様性、またその重要性を記録し独自の発信を行なってきたオランダの出版社Sound Reporters。ここより1988年にカセットフォーマットにてリリースされた、エーゲ海キクラデス諸島の一つであるギリシャ領”アモルゴス島"のフィールドレコーディング。数年間現地に居住していた画家Harry Van Essenがサウンドスケープを収集、Sound Reportersの創設者であり民族音楽学者のFred Galesがミックスを担当した共同作品。島の北東部に位置する港”エギアリ”近辺のサウンドをスケッチ的に結合、前半部では海の音と大衆音楽が交互に流れ、詩の朗読、漁船の音、ボードゲームを楽しむ人々、祝宴の会場と、人々の生活に根差した音風景が展開。村を通り抜け山へ登る後半部では人々の日常風景に加え、コオロギの鳴き声、ミツバチの羽音、放牧された大量のヤギが奏でるカウベルなど、島本来の素朴な環境が現れる。
リマスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。

(高音質UHQCD仕様)音楽史に残るアンビエントの大名盤『Selected Ambient Works Volume II』30周年記念新装盤がスタンダード・パッケージ・エディション3CDで登場!
エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスが、1994年に若干22歳で発表した音楽史に残るアンビエントの大名盤『Selected Ambient Works Volume II』。エイフェックス・ツインにとっては〈WARP〉移籍後第一弾アルバムでもあるこの記念碑的作品は、2025年リリースから30周年を迎え、新装エクスパンデッド・エディションでリリースされた。
初回生産限定の3枚組CDボックスセットが間もなく完売することを受け、今回はより手に取りやすいスタンダード・パッケージ・エディションCDがリリース。このスタンダード・パッケージ・エディションでも、「#19」「th1 [evnslower]」「Rhubarb Orc. 19.53 Rev」が追加音源として収録される。
※UHQCD(Ultimate High Quality CD) = CD規格に準拠しており、既存のプレーヤーで再生可能です。
CD01 - 2. #2
CD01 - 3. #3
CD01 - 4. #4
CD01 - 5. #5
CD01 - 6. #6
CD01 - 7. #7
CD01 - 8. #8
CD01 - 9. #9
CD02 - 1. #10
CD02 - 2. #11
CD02 - 3. #12
CD02 - 4. Blue Calx
CD02 - 5. #14
CD02 - 6. #15
CD02 - 7. #16
CD02 - 8. #17
CD02 - 9. #18
CD02 - 10. #19
CD03 - 1. #20
CD03 - 2. #21
CD03 - 3. #22
CD03 - 4. #23
CD03 - 5. #24
CD03 - 6. #25
CD03 - 7. th1 [evnslower]
CD03 - 8. Rhubarb Orc. 19.53 Rev

8月下旬再入荷。スティーヴ・ライヒやグレン・ブランカ、シャルルマーニュ・パレスタイン、ローリー・シュピーゲルといった巨匠たちの名作を大胆にアップデートした『SOLO THREE』で一躍注目を集めた、現代ミニマル界の最重要アーティストErik Hall。Erik HallがMetropolis Ensemble、Sandbox Percussionと手を組み、オランダの作曲家Simeon ten Holtが生んだ、ミニマル音楽の中でも特に温かく、感情に寄り添う名曲「Canto Ostinato」を再解釈。反復するパターンが少しずつ形を変えながら進む原曲の魅力はそのままに、マレットの柔らかい粒立ち、ピアノの透明な推進力、アンサンブルの厚みが重なり、波紋が永遠に広がっていくようなミニマルの美しさがより立体的に浮かび上がる。静かに始まりながら、気づけば巨大な景色が広がっているような、ミニマル音楽ならではの時間の魔法が丁寧に描かれている。原曲の温かみ、現代的な音響とセンス、最高の演奏技術による精緻な演奏により実現した、Canto Ostinatoの新たな決定版とも言える1枚。

カナダの作曲家Matthew PattonによるプロジェクトThose Who Walk Away による、亡き友人 Jóhann Jóhannsson への深い哀悼を込めたポスト・クラシカル作品『Afterlife Requiem』。ポストクラシカルの巨匠Jóhann Jóhannssonのハードドライブに残されていた未完成の録音断片を素材として使用、その残響を中心に、アイスランドの Ghost Orchestra とウィニペグの Possible Orchestra、2つの弦楽五重奏団も参加し、新たな構造を編み上げている。ドローン、エレクトロアコースティック、フィールド録音、沈黙に近い音が重層的に配置され、音が現れては消え、弦の残響が霧のように漂う。深い静寂と低域のうねりが共存する幽玄な音世界は、レクイエムでありながら、どこか祈りのような温度を持っている。

学生時代に参加した"グループ音楽”での先鋭的な音楽活動、また1964年からはフルクサスへ参加した事でも知られる塩見允枝子氏。1990年に招聘されたヴェネチアのフルクサス・フェスティバルは、その後の氏の活動に大きな変化を与える出来事となり、同年に創始者であるジョージ・マチューナスへの追悼を込め鎮魂曲をカセットフォーマットにて自主出版。
シンセサイザーのチェンバロとオルガンの音色で演奏した自作曲、逆再生した自身の声をテープに記録、その音源を業者に持ち込みヴェネチアの会場で録音した環境音と合成/編集を行ったテープ音楽作品。ラ・モンテ・ヤング、マリアン・ザジーラ、エリック・アンダーセン、ウィレム・ドゥ・リダー、ケン・フリードマンらフルクサスの重要作家らの声も使用、テープの特性を利用しユニークなアイデアと構造を盛り込んだ、氏の音源の中でも特殊な位置付けとなる作品。
塩見氏が本再発版の為に書き下ろした新たな解説文、会場で撮影された当時の写真資料やスコアを掲載した、A4サイズの全8ページブックレット付き(日本語/英語)。
マスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。
※CDフォーマットは作家の意向により、オリジナルカセットのA、Bサイドを繋げ1つの楽曲としている。
ベネズエラ出身でニューヨークを拠点に活動し、ノイズ、電子音響シーンで長年存在感を放ってきたCarlos Giffoniによる、Greg Kelley、Mabe Fratti、Zola Jesus、Ben Chasny、Lea Bertucci、Iggor Cavaleraら豪華アーティストをコラボレーターに迎えた最新作『Pendulum』。Giffoniはこれまでノイズ寄りの作風で知られてきたが、本作では 柔らかな音色や女性ボーカルを積極的に導入し、アコースティック楽器のの響きも活かしながらより開かれた音響表現へと踏み出している。オープニングの「Pendulum」では、Greg Kelleyの管楽器が豊かな倍音を描き、電子音の揺らぎと重なり合う。「Dermis」ではMabe Frattiのチェロが深い陰影を与え、「Beam」ではZola Jesusの声に幽玄な光が差し込む。「Dos」ではLea Bertucciのサックス、クラリネットの響きが点描のように配置される。それぞれのゲストの個性がGiffoni の電子処理と自然に溶け合い、ノイズ、アンビエント、ポストクラシカルにまたがる多層的な音像をつくり上げている。

サウンドアートの先駆者として60年以上にわたり活動を続ける鈴木昭男。その初期代表作であり、1990年にオランダ・アイントホーフェンの〈Het Apollohuis〉から出版された1stCD『Soundsphere』が、〈Room40〉によってついに復刻。鈴木が1970年代に考案した独自楽器 アナラポスとDe Koolmeesを中心に構成された、彼の音の哲学を象徴する作品。ガラス管を擦り、叩き、触れることで生まれるDe Koolmeesの透明な倍音は、光が空間に広がるように微細な変化を続ける。一方、アナラポスはバネの巻き線を伝って音が上下に反響し、揺れ続けるドローンを生み出す。音数は決して多くないが、響きの余白が空間の奥行きをつくり、水平だけでなく垂直方向にも音が存在するような立体的な音場が広がる。鈴木の作品の特徴は、音を探すという行為そのものが作品になっていることで、楽器に触れ、空間と対話し、予期せぬ響きを受け取る。そのプロセスがそのまま録音に刻まれており、音が生まれる瞬間の対峙と柔らかさが共存している。唯一無二の自作楽器を通して、鈴木昭男が音の存在そのものを探求した記録であり、サウンドアート史における重要な作品。ポスター付属。
