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アメリカ実験音楽の重鎮Carl Stoneと、100台以上のオモチャ楽器を操る日本の音響作家ASUNAによる初のコラボレーション作『Imu Plastos』。2024年、ASUNAの地元・金沢での国際実験音楽フェスティバルでの共演をきっかけに生まれた作品で、ライブで展開された循環型サンプリングの手法をさらに発展させた内容となっている。ASUNAが鳴らすオモチャ楽器や小型シンセ、サンプラーの音をStoneがリアルタイムで取り込み加工し、さらにその加工音をASUNAが再びサンプラーに取り込んで送り返す、という、音が往復しながら変質していく独特のプロセス。オモチャ楽器の素朴な響きが電子処理によって奇妙な質感へと変換され、まるで異国の祭りの断片が電子音の霧の中で漂うような、文化的なレイヤーが折り重なる音像。ランダム性と構築性が同時に存在し、音が自律的に動き続けるようなテクスチャーがアルバム全体を貫く、実験精神に満ちた一枚。
オーストラリアの現代音楽シーンを牽引してきたピアニスト、作曲家Gabriella Smartによる最新作『Parasymbiosis』が〈Room40〉から登場。25年以上にわたり即興、作曲、キュレーションを横断して活動してきた彼女が、本作ではエレクトロ・アコースティック作品を深く探究している。中心となる楽器は、ガラス棒とアルミの共鳴構造を持つマイクロトーナルな特殊楽器Electric Cristal。ガラスが震えるような倍音、金属的なきらめき、微細な揺らぎが重なり、音が光の粒子のように空間を漂う。電子処理によってその響きはさらに拡張され、アコースティックとエレクトロニクスの境界が曖昧になっていく。深い低音のうねりと繊細な高域のきらめきが同時に存在し、宇宙的な広がりと地表の微細な振動が共存するかのような音像が自律的に呼吸するように変化していく、深度のあるエレクトロ・アコースティック作品。
オーストラリアのマルチ奏者Aviva Endeanとニック・アシュウッドによるデュオ、Driftwoodによる、アンビエント/ドローンを軸に、風景の広がりや地形の変化を思わせる音響を丁寧に描き出した一枚『Maps』がオーストラリアの実験音響レーベル〈Room40〉より登場。微分音に調律された2台のリードオルガンを中心に、クラリネットやモジュラーシンセが交錯。微細な揺らぎを持つ持続音、淡い倍音、ゆっくりと重なるレイヤーが中心となり、静けさの中にわずかな動きを感じさせる。特に14分を超える最終曲「You Are Here」は、音が少しずつ変化しながら広がっていく没入型の構成で、聴くほどに深く意識が沈んでいくような瞑想的な時間を生み出す。全編を通して、自然の風景や地図の線がゆっくりと浮かび上がるような感覚があり、レーベルらしい空間性と質感へのこだわりが光るアンビエント作品。

日本の伝説的アーティスト、Susumu Yokotaの音楽的探求の軌跡を年代を超えて記録した、極めて個人的な作品集『Image 1983-1998』。本作は、彼の音楽キャリアにおける二つの異なる時期に制作された短い楽曲で構成されており、前半のトラックは1983年から84年にかけての、ギターやオルガンを用いたローファイなテープ実験の時代のものが収録、ポストパンクやゴーストリー・ポップの断片が垣間見える。続く後半のトラックは、これらの初期作品に触発され1997年から98年に作曲されたもので、後のアンビエントの傑作『Sakura』へと繋がる、より洗練された電子音響とメロディと抽象性が両立する作品が収録されている。音楽的自伝ともいうべき内容で、初期の脆いギターの音色と、後年の穏やかなシンセサイザーのモチーフが、アルバム全体を通して「記憶と予感」という共通のムードで結びついており、両時代が並行して存在するような不思議な感覚を覚える。彼がテクノの制作で多忙を極める中で、初期の実験への回帰と感情的なミニマリズムを追求した、音のスクラップブックあるいはデザインボードとも呼べる、アーティストの核心に迫る貴重なドキュメント。

日本の伝説的な電子音楽家、Susumu Yokotaが自身のレーベル「Skintone」を立ち上げて最初にリリースした、1998年発表の繊細かつ深遠なアルバム『Magic Thread』。ミニマル・テクノの構造を利用しながらも、ビートを推進力としてではなく、雰囲気のための足場として使用しているのが特徴的で、ゴーストリーなドラムループが漂う「Circular」は、深夜の都会の静寂に響く幽玄なハウス・ミュージックを思わせ、また「Reflux」の工場ベルトのようなビートは、音響的なテクスチャと混ざり合い、都市の広大さや静けさを感じさせる。音響設計は一見シンプルでありながら、フィールド・レコーディングやタムタムやプリペアードピアノなどアコースティックな音色が抽象的なリズムパターンに繊細に織り込まれており、本作は、彼がそれまで追求していたディープ・ハウスやテクノの躍動感と、後に確立する内省的なアンビエントの世界観とを繋ぐ「Magic Thread(魔法の糸)」というべき作品となっている。

横田進が2001年に自身のレーベル〈Skintone〉から発表したアルバム『Will』が〈Lo Recordings〉より再発。横田進の作品群の中でも特にダンサブルで、クラブ志向の強いファンキーな作風で、Herbert的な実験性と遊び心を感じさせるサンプリングワークが特徴的。軽快で洗練されたハウスビートに、独自の音響処理や幻想的なメロディが重なる、アンビエントや実験的作品が多い横田進の中で、よりストレートなハウスに振り切った〈Skintone〉カタログの異色作。
横田進の代表作のひとつである2002年作『The Boy And The Tree』が、〈Lo Recordings〉より新装リマスターで再登場。自然や生命の神秘をテーマにした本作は、アンビエント/エレクトロニカ期の魅力が美しく結晶しており、透明感のあるメロディと柔らかな音のレイヤーが幻想的な世界を描き出す。本人が語っている通り、本作は屋久島の原生林を歩いた経験や、宮崎駿の映画『もののけ姫』の生態学的メッセージにインスパイアされており、柔らかなシンセの揺らぎ、アコースティックな質感、そして森の奥で響くようなパーカッションが重なり、自然の世界がそのまま音になったような神秘性を帯びている。彼のアンビエント作品の中でも特にメロディが際立ち、夢の中を歩くような浮遊感と、静かな感情の動きが同時に流れ込んでくる、永遠の名盤。

2003年に自身のレーベル〈Skintone〉からひっそりとリリースされ、過去に海外に向けライセンスリリースされることもなかったことから、長らく幻のアルバムとして語られてきた横田進の『Laputa』が、ついにSkintone Editionとして登場。『The Boy And The Tree』と『Symbol』の間に位置する本作は、キャリアの中でも最も実験性が強く、神秘的で、不穏さと美しさが同居する特異点のような作品。ドローン、断片的なサンプル、ストリングス、ノイズ、囁き声、ブルースギターなど、多様な素材がコラージュのように重なり合い、ガリバー旅行記の幻想的な浮島の名にふさわしい異世界的なサウンド。複数の映画が同時に流れているような多層的な音像は、横田のサンプラー/セレクターとしての才能を鮮烈に示しており、メロディアスな瞬間と抽象的な音響が交互に現れ揺れ動く独特の世界観は、今聴いても圧倒的な個性を放っている。
かなり凄い内容です。デンマークの作曲家、ML Buchが自身のレーベルと思われる〈15 love〉より2023年にデジタル・リリースしていた2枚目のアルバムにして、昨年各所で話題を呼んだ大変素晴らしい作品が、今年度遂にアナログ化されました!明らかに逸していると言えるほどに鮮やかなギター。エレキギターとレイヤーされたヴォーカルの領域にさらに踏み込む事で、新しい楽器表現を模索した、これぞ、20年代標準と言いたい破格のネオ・サイケデリア/ドリーム・ポップ名作!

アメリカン・ミニマリストの正統を継ぐ作曲家、ジェフ・ブルーナーのキャリア初となる作品集。アンプリファイド・カリンバを多重録音した大作、リー・ペリーもヴァン・ダイク・パークスも驚く脱構築主義Sci-Fiポストパンク・カリプソレゲエ、メランコリックな美しさで彩られた器楽曲あわせて4作品を収録し、この知られざる作曲家の美しく風変わりな音楽を紹介します。
『Four Corners』は、米西海岸のミニマリスト作曲家ジェフ・ブルーナーの半世紀にわたる興味と様々な側面を紹介する初の単独作品集です。ここに選ばれた1970年代から2020年代までの楽曲は一貫した美的関心のもとに作曲され、伝統を礎に、独自の視点で変化を加えた奇妙で魅力的な音楽集になっています。ブルーナーは同郷の作曲家ハロルド・バッドやダニエル・レンツと親交があり、テリー・ライリーやジョン・アダムスといったミニマル/ポストミニマル作曲家の音楽との関連性も彼の諸作にはっきり伺えます。
そんな本コレクションの重要曲である「Magic Mbira(魔法のムビラ)」(1979年)は、ライリー風の要素を、レンツのカスケード・エコー・システムを彷彿とさせるテープディレイの音響処理で巧みに構築した傑作。このアンプリファイドされたムビラ(カリンバ)のための曲は、クラシックの伝統的なリサイタルホールを抜け出し、より開かれた場で演奏したいという願望においてローランド・P・ヤングの名作『Isophonic Boogie Woogie』とも親和性を持ちます。
ブルーナーの特異な側面は、SF映画『Foes』のプロモーション用に制作された脱構築主義カリプソレゲエ曲「Reggae Foes」(1978年)に現れており、このD.カニンガム/D.トゥープを濾過して歪ませたブラックアーク・サウンドのような世界感を、クラシック流儀の作編曲で達成していた驚くべき作品です。また、ガット弦のフレットレス・バンジョーでアメリカン・フォークソングを再構築した「Cold Rain and Snow」(2020年)、レンツに捧げられたピアノ曲「Remembrance in a Pale Room」(1995年)という、メランコリックな美しさで彩られた2つのソロ楽器のための曲も収録。ブルーナーによる曲解説と貴重写真、「Magic Mbira」の楽譜付き。
Celerの初期代表作として長く愛されてきた2009年作『Engaged Touches』が、未発表素材を大幅に追加したExpanded & Remastered仕様で〈Two Acorns〉から再登場。今回のExpanded版では当時の録音素材を細分化・再編集し、全20曲、約2時間40分に及ぶ完全版として再構築。淡い光に包まれたドローンがゆっくりと重なり合い、時間が止まるようで、静かに流れ続ける、Celer特有の感覚を生み出す。フィールド録音のざらつきや、テープの質感がほのかに滲むことで、記憶の奥に沈む風景を覗き込むようなアンビエンスが広がる。名匠Stephan Mathieuによるリマスターが施された今回のエディションでは各パートの表情がより鮮明になり、静寂の中に潜む変化が立体的に浮かび上がる。Celerの初期美学を最も純度高く体験できる決定版。
Matthew Herbertとの共作も大人気なロンドンを拠点に活動するプロデューサー、ソングライター、マルチインストゥルメンタリストであるMomoko Gillの待望のデビュー・ソロ・アルバム『Momoko』。ジャズ、ソウル、エレクトロニカ、実験音楽が交差するサウンドで、 Matthew Herbertとの共同制作や、Shabaka Hutchingsらを迎えた50人規模の壮大な合唱を取り入れるなど、多彩なコラボレーションが光る。自らドラム、キーボード、ボーカルを手掛ける彼女の音楽は、既存の枠に囚われないブロークン・ビート/ニュー・ジャズ的なスタイルを持ち、また、彼女の声は語りと歌の間を漂いながら、母との関係やアイデンティティの探求といった個人的な感情やテーマを、自身の日本・アメリカ・イギリスにまたがる経験を反映した音楽的言語で、内省的でありながら普遍的な物語へと昇華している。フィールドレコーディングや環境音も取り入れた、ジャンルを超えた表現と、詩的で繊細な構成が特徴の、妥協のないデビュー作品。
Meditationsでもベストセラーだった『Long Trax』や、Celer名義での多数のアンビエント作品も大いに知られる、東京在住のWill Longによる、シカゴ・アシッド・ハウス黄金期の珠玉のトラック群を想起させる最新2枚組アルバム『Acid Trax』が、Terre Thaemlitz主宰の〈Comatonse Recordings〉より登場。近年、イギリスやヨーロッパで復権するアシッド・ハウス。そのほとんどが誇張され、過剰にプロデュースされたテクノ・レイヴ・スタイルのものであるのに対して、Will Longは、テンポを落とし、クラシックなハウスの雰囲気を齎しつつ、リズム・コンポーザーのパーカッションと303ベースラインのシンプルなセットアップで基本に立ち返ることで応答。DJ Sprinklesもゲスト・コラボレーターとして参加し、"Acid Trax S"のパーカッション・エディットと、"Acid Trax N"及び"Acid Trax B"のリミックスを手掛け、この作品をより奥深いものとしています。ポスター付属の2枚組CD仕様。
視聴-Acid Trax N (All Alkalis are Bases but All Bases are not Alkalis) remix by DJ Sprinkles
視聴-Acid Trax B (Acid Dog) remix by DJ Sprinkles
視聴-Acid Trax A
視聴-Acid Trax H
視聴-Acid Trax S (w/DJ Sprinkles)

6月上旬再入荷。ノイズとメロディが奇跡的に交差した1985年、その眩しさをライブの熱量とともに閉じ込めた4LPに及ぶ決定的ドキュメント。『1985: The Miracle Year』は、Hüsker Dü の1985年のライブ・アーカイブ集で、目玉は、彼らのホームであるミネアポリスの名門ヴェニュー First Avenue での1985年1月30日のステージを完全収録した音源。エンジニアのBeau Sorensonによって音質も新たに蘇り、当時の熱気や演奏の鋭さが克明に浮かび上がっている。そのほかにも、同年のツアーから20曲に及ぶライブ・テイクを追加収録。SST時代のハードコア・スピリットと、ポップの感覚を内包した独自のサウンドがどう育っていったかが一望できる内容となっている。ブックレットには、バンドにとって転機となったこの一年を振り返る資料や証言がまとまっており、Hüsker Dü の歴史をたどるうえでも貴重な記録集といえるリリース。

1970年代NYロフト・ジャズの重要人物で、息の長い活動の末、2020年代に入り再び注目を集めるアルトサックス奏者Alan Braufmanの完全新作スタジオアルバム。本作は2025年秋にわずか1日で録音されたという緊張感と即興性に満ちた作品で、Braufmanが70年代から追求してきたスピリチュアル・ジャズの精神と、現代のアンサンブルの精度が見事に結びついた内容。参加メンバーは、前作から引き続き、Patricia Brennan(vib)、Chad Taylor(dr)、Luke Stewart(b)で、スピリチュアル・ジャズ、ポスト・バップ、モーダルな東洋的テーマが有機的に絡み合い、歴史と現在がひとつの線でつながるような現在進行形のロフト・ジャズを体現している。
ニューエイジに音の輝きがみちて、アンビエントに心やすらぐ、正真正銘のヒーリングミュージック。Robert AshleyやTerry Rileyのもとで学んだという電子音楽史の知られざる女性作家、Joanna Broukのコンピレーション盤が初登場!
自身を作曲家というよりも周波数であると考え、自然の環境から精神の世界を深め、Maggi Payne (Root Strata, Lovely Music) やBill Maraldoといった名うての演奏家たちの協力をえつつ、今日でいう"アンビエント"な音楽をつくっていったそう。その音はイルカが泳げば花々が咲き乱れ、沈みゆく夕陽にいつのまにか心うばわれ、しかし宇宙や自然の険しさもあわせ持ったような、素敵におどろく時間ばかり...
最初にカセットを発表したのは81年の事で、今作はそのレアになってしまった作品の数々からの抜粋や、未発表曲をふんだんに盛り込んだという構成です。この作家の音楽観を知るだけでなく、電子音楽に入りこんだ1人の女性がなにを想い、どのような道筋で自分の頭のなかを音楽に託していったのか、電子音楽史のほかになくユニークな試みとその結果が記録されたという点でもおもしろい1枚です。

フィラデルフィアのインディ・ポップ・トリオ Market East による、日常の風景にそっと寄り添うような、温かく穏やかなアコースティック・ポップアルバム『French Street』。柔らかなギターとピアノ、控えめなリズム、そして彼らの代名詞である美しい多声コーラスが重なり、60〜70年代のソフトロックやハーモニー・ポップを思わせるノスタルジックな空気をまとっている。派手さはないけれど、聴くほどにじんわりと心に染み込むメロディと現代的な透明感が、街角の素朴な暮らしのような親密さを感じさせる。あくまでも自然体で、日常の風景やささやかな感情を丁寧にすくい上げた、聴き終えたあとにふっと心が軽くなるような一枚。

Stones Throw Recordsが新たに立ち上げるインプリント〈Listening Position〉の第1弾リリースとして、Kelan Phil Cohran & Legacyによるスピリチュアル・ジャズの名作『African Skies』が待望のリイシュー。
2010年に限定1,000枚のみでアナログ・リリースされた本作は、長年にわたり廃盤状態が続き、ジャズ・コレクターの間では“聖杯(ホーリー・グレイル)”と称される幻の一枚。中古市場では500ドル以上で取引され、Discogsでは数千人が「Want」登録するなど、再発が強く望まれてきた作品だ。今回のリイシューは、この深遠な録音作品の決定版とも言える内容となっている。
Kelan Phil Cohranは、アフロ・フューチャリズムを切り拓いた伝説的集団Sun Ra Arkestraのメンバーとして活動し、数々の名盤に参加。さらに1960年代には、自身のバンドThe Artistic Heritage Ensembleを率いてオリジナル作品を発表し、マルコムXへのトリビュート作品など、現在も高い評価を受けるコレクターズ・アイテムを残している。
また彼は、Earth, Wind &Fire、Chaka Khanらに影響を与えた教育者・メンターとしても知られ、8人の息子たちが在籍したシカゴのブラス・バンドThe Hypnotic Brass Ensembleの精神的支柱でもあった。
壮大な宇宙観と繊細なディティールを兼ね備えた情熱的スペース・ロック/コスミッシェ・インプロヴィゼーション作!James RushfordやJudith Hamannといった豪華面々も参加。Ricardo Villalobosや灰野敬二、ジム・オルーク、AMM、Charlemagne Palestine、Alvin Curranなどを始めとして凄まじい面々による作品を手掛けてきた豪州拠点の実験/前衛音楽の世界的な聖地〈Black Truffle〉。その主将こと同国屈指の実験音楽家であるOren Ambarchiが2012年に今は亡き偉才Pitaが率いた大名門〈Editions Mego〉から発表し、現在レア化していた傑作『Sagittarian Domain』がCD/アナログ復刻。ギターとベースが延々と脈打つ中に、電子パーカッションや灰野さんとの仕事でもよく登場する轟音モーター系ドラムが織り交ぜられた破格のグルーヴを発揮。まるで、Faustが70年代の刑事番組のテーマをカバーしたかの如し、ブードゥーのグルーヴと催眠的な反復にロックされた一枚!
ヴァイオリンの即興演奏と電子音響による金沢在住の島田英明によるソロ・プロジェクト、Agencement。そして徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbowによるコラボレーション作品。
Agencement名義にて、Merzbowとのコラボレーションアルバムをリリースしました。永らく連絡を取っていなかった秋田昌美さんと、数年前から検討していたコラボレーションアルバムのレコーディングを昨年秋に完了し、ようやくCDをリリースしました。本アルバムはデジタルのみのリリースではありません。ぜひ、CDをお手に取って聴いてください。
Merzbowこと秋田昌美が1996年に録音した、彼の広大なディスコグラフィの中でもあまり知られていない一作『The Prosperity Of Vice, The Misfortune Of Virtue』。マルキ・ド・サドの小説に着想を得た演劇『悪徳の栄え/美徳の不幸』のためのサウンドトラックとして制作され、彼が映画や舞台の音楽に取り組んでいた1990年代の一端を示す作品でもある。ノイズの壁のような音から、空間的でリズミカルな構成まで、彼の音響世界を粒子レベルで解体し、普段は全体に飲み込まれてしまうような細部の表現に焦点を当てたような内容で、もともとは限定流通で出されたレア音源が、リマスター&未発表トラック1曲を追加してこの度めでたくリイシュー!彼のもう一つの顔が垣間見える貴重な記録。

Russell Haswellが〈Mego〉に登場してから25年の節目に放つ最新作『LET IT GO』。ノルウェーのBergen Centre for Electronic Artsでのレジデンスを経て制作された本作は、GRM Toolsを駆使した鋭利な電子処理と、モジュラー・シンセの生々しい物質感が交錯する、ハスウェルのキャリアを総括するような一枚。急速に変動するピッチ、崩壊寸前のリズム、情報過多の現代社会を反射するような緊張感。デトロイト・テクノの反復性から電子音響の精密さ、金属的インダストリアルまで、彼がこれまで探求してきた要素が一つの流れとして結晶している。「Science Fiction is now!」と語るハスウェルの世界観をそのまま音にした、2020年代以降の電子音楽を象徴する作品。

2009年にCDrでひっそりと発表され、長らく入手困難となっていたCelerの初期代表作『Poulaine』が、〈Room40〉によってついに再発。14世紀写本展のために制作されたという特異な背景を持ち、13点の写本に対応する13のアンビエント小品で構成されるコンセプチュアルな作品。制作は2007〜2009年、Will LongとDanielle Baquetがバックパックに機材を詰め込み、移動しながら録音したフィールド録音、チェロ、ヴァイオリン、ピアノ、テープループ、油絵へのコンタクトマイク録音など、多彩な素材が重ねられている。左右チャンネルの反転やリバース処理など、Celerらしいアナログ的な揺らぎの操作が施され、柔らかなドローンが生まれている。音はどれも淡く、儚く、繊細。Celer特有の夢と現実のあいだにある音響詩。
スウェーデンの電子音楽家 Mokira こと Andreas Tilliander が2000年に〈Raster-Noton〉から発表したデビュー・アルバム『Cliphop』が〈iDEAL Recordings〉からリマスター再発。2000年代初頭のクリック音やデジタルノイズを素材にした実験的電子音楽Click & Cutsの潮流を象徴、デジタルの断片、ビットクラッシュ、ノイズをリズムやテクスチャとして活用している。反復的で削ぎ落とされた構成の中に、微細な変化や空間的広がりを感じさせる一枚。今回の再発では、音質をブラッシュアップし、現代的な解像度で再提示している。
