Indie / Alternative
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ボーカルのZack Borzoneとプロデューサー/ドラマーのSam Pickardを中心にフィラデルフィアで結成され、のちにニューヨークに移ってからJack TobiasとSaguiv Rosenstockが加入した4人組バンドYHWH Nailgunのデビューアルバム『45 Pounds』がロンドンの大名門〈AD 93〉から登場。ポストパンク、ノイズロック、実験音楽を融合させたサウンドが特徴的で、バンド名はヘブライ語の「ヤハウェ」を意味するが、その音楽性はむしろ俗世的で、混沌とした暴力的なサウンドにこそ本質がある。宗教的というよりも、人間的な激情や混乱を表すために、聖書的なイメージや象徴を借用している。Pitchforkが「このデビュー作は、わずか21分で実験音楽とアヴァンギャルドの世界を再構築する」と評したように、圧倒的なテンションで、ギターは軋み、ドラムは暴れ回り、すべての音が過剰で、歪んでいて、それでいて妙に中毒性がある。ロックというフォーマットに内在する衝動や混乱を最大限に引き出した、ある種の"破壊と再構築"の儀式とも言えるとんでもない一枚!

ロンドンを拠点に活動するアーティスト、Alpha Maidによる、粒子物理学への関心と社会への苛立ちを背景として、エレクトロニック、ポストパンク、グライム、インディーロックなど多様なジャンルが交錯するオルタナティヴなサウンドが印象的なデビュー・アルバム『Is This a Queue』が〈AD93〉より登場。一見するとキャッチーなメロディラインを持ちながらも、グリッチやノイズ、非線形な音響処理が散りばめられており、予測不可能な展開を見せる。サウンドの構築においては、ドラマーのValentina Magalettiや、ロンドンのシーンで活躍するCoby Sey、Ben Vinceといった豪華なゲストが参加。彼らとのコラボレーションにより、豊かで複雑なテクスチャーが加わっている。DIY精神に満ちたAlpha Maidの感情的なボーカルと、洗練されたプロダクションが融合した、現代のロンドン・アンダーグラウンド・シーンを象徴する意欲作。
2024年3月に公開されたマヒトゥ・ザ・ピーポーの初監督作品『i ai』は、赤い色彩に彩られた異形の青春映画であった。
舞台は兵庫の明石と神戸。主人公となる新米バンドマンのコウ(富田健太郎)と、コウが憧れるヒー兄(森山未來)を中心に、生を死をめぐるストーリー
が展開される。それはマヒトの実体験を土台にしたものでもあり、現実とフィクションが二重写しになりながら、やがてその境界線はじわりじわりと融解し
ていく。共演はさとうほなみ、堀家一希、吹越満、永山瑛太、小泉今日子、K-BOMB、大宮イチなど個性的な面々。写真家の佐内正史による透明感あふれる
映像がこの作品に特別な情感を与えていたことも特筆すべきだろう。
映画のセオリーに囚われることのないその作品には、「壊れゆく社会のなかで他者と関わりながらどのように生きていくことができるのか」という、近年
のGEZANの作品やマヒトの文筆活動にも共通するテーマが投げかけられていた。私たちは決してひとりで生きていくことはできない。だが、他者と生きるこ
ともまた決して楽なことではない。世界の分断が極限まで進んだこの時代を私たちはどのように乗り越えることができるのだろうか?
監督のみならず、脚本や劇中音楽までマヒトが手がけたこの作品のなかで極めて強い印象を残していたのが、「i ai」と題されたメインテーマ曲だった。
GEZANの新曲でもあるこの曲は、ここ数年のGEZANの取り組みの延長上にあるもの。この12インチシングルはその「i ai」を収録しており、初のアナログ
リリースとなる。
柔らかなギターのアルペジオに導かれ、少しずつ熱を帯びていくその楽曲には、静けさと激しさを内包した映画のムードが凝縮されている。言葉にならな
い複数の声を束ねた合唱は、社会からこぼれ落ちた嘆きのようにも、歓喜の叫びのようにも聞こえる。GEZANは総勢15名のコーラス隊Milion Wish
Colectiveとの活動も展開してきたが、ここにはその活動で培われた感覚が活かされている。
また、この曲は9分8秒にわたるゆったりとしたダンストラックと捉えることもできるだろう。南米など各地で生み出されているオーガニックなダンスト
ラックと共通するものがあり、世界各地のグローカルミュージックを扱ってきたGLOCAL RECORDSから、それも12インチシングルというDJフレンドリー
な形でリリースされることにも意義がある。
B面にはGEZANとの縁も深いCOMPUMAによるリミックスを収録。アフリカ的なパーカッションで始まり、途中では親指ピアノなどを挟みつつ、ふたた
び印象的なあの合唱へと戻る。めまぐるしく起承転結が入れ替わる、18分18秒のショート・ムーヴィー。そんなドラマチックなリミックスである。
カッティング&マスタリングを手がけたのはDJとしても活動するTOREI。アートワークを手がけたのは東京在住のヴィジュアルアーティスト/グラフィッ
ク・デザイナー、jvnpey。彼らの愛情あふれる仕事ぶりもこの12インチを特別なものにしている。
「分断」という言葉の対義語をAIに問うてみると、「統合」「連結」「統一」「団結」「融和」という言葉が次々に表示された。どの言葉もどこか白々しく、
こそばゆいが、「i ai」という楽曲に鳴り響く蜃気楼のような合唱は、「分断」の対義語となる新しい言葉を探り当てようとしているようにも思える。映画
『i ai』では「エンドロールが終わった後も共に生きよう」というメッセージが投げかけられていたが、この12インチからは「音が止まったあとも共に生き
よう」というメッセージが浮かび上がってくるのである。
文・大石始(文筆家)

Death Gripsの創設メンバーとして知られ、その高速ドラミングで唯一無二のサウンドを構築する鬼才、Zach Hillがオーストラリアのノイズ/エクスペリメンタル・シーンで異彩を放つLucas Abelaによるコラボレーション・プロジェクトが〈Warp〉よりアルバムをリリース!
作品に収録された音源は、楽曲というよりも、広大でテクスチャーに満ちた音響フィールドである。ノイズは研ぎ澄まされたエネルギーに満ちた音の空間を生み出し、その激しさにもかかわらず、不思議な静謐さを宿している。HillのリズムはAbelaの持続的で断片化した倍音に屈折し、聴く者を絡め取る迷宮のような構築物を形づくっている。

〈A Colourful Storm〉より、インディ・ポップ、フォーク、ドリームポップを中心に、DIY的な親密さと温かさを持つ楽曲を集めたコンピレーション『Going Back to Sleep...』が到着。Carla dal Forno「Veselka City Lights」やRat Columns「Fruit and Nuts」をはじめ、オーストラリアやヨーロッパのインディ・シーンで注目されるアーティストによる、自宅録音や小さなスペースでの制作を感じさせる、親密さにあふれた音楽たち。風に吹かれるような儚さや、夜更けに寄り添うような静けさが漂う、愛すべきコンピレーション。

カテゴライズ困難な夭逝のサイケデリック・ミュージック!各地のオブスキュアなソウルからゴスペル、ニューエイジまでも掘り起こす名門[Numero]からもシングルが発表されたシカゴのシンガーソングライターであり、2017年に26歳の若さでこの世を去っているTrey Gruber。初期のデモ音源やスタジオ・デモ、ライブ音源をコンパイルした編集盤が登場!! 何百ものデモ音源を遺しながらも、絶望の中に果ててしまった夭逝のシンガーソングライターの知られざる音源の数々を彼の家族と友人たちがコンパイルした唯一のアルバム。その類まれなる音楽性は、スロウコアやニュー・ウィアード・アメリカ、ネオ・サイケ、ドリーム・ポップ、そのどれとも分類困難。ダウナー&中毒な乾いたヴォーカル・ワーク、サイケにひずむ淡いギター・サウンドを土台に、まさにエヴァーグリーンとは真逆の世界観を形どった孤高のインディ・ミュージック。

日本人の母を持つ、ミシガン州アナーバー出身、ニューヨーク・ブルックリン拠点の女性ギタリスト/シンガーソングライターであり、ジャズやブラジル音楽、J-Popなど多様な影響源を独自の音楽世界に落とし込んできたMei Semonesによる感情豊かな2曲入りの7インチ・シングル『Kurayami / Get used to it』。ミシガンでの青春と喪失を描いた、変拍子と技巧的ギターが光るエモーショナルな楽曲「Kurayami」と、孤独の美しさをテーマにした、ジャズ・トリオ編成による繊細で温かなバラード「Get used to it」を収録。

かつて坂本龍一のリミックスも手がけ、宇多田ヒカル、ビョーク、
ザ・ウィークエンド、フランク・オーシャン、ロザリアなど
数多くの著名アーティストとコラボを重ね、
ここ日本においても絶大な支持を得るアルカ
象徴的なミックステープが、初のアナログ盤としてリリース決定!!!
アルバム『KICK』シリーズの幕開けに先立ち、まるで大地を焼き尽くすかのように発表された本作は、62分にわたり移ろい続ける多層的な音の世界を描き出す、彼女の最も繊細で驚異的な作品のひとつ。ハードでありソフト、エモーショナルであり苛烈、誠実であり遊び心に満ちた音世界。2枚組アナログ仕様で、D面は楽曲の代わりにアートワークを刻んだエッチング仕様。

2023年にリリースした空間現代のアルバム『Tracks』のリミックス盤をリリースします。
ジューク/フットワークのDJ「D.J.Fulltono」、WIREのベストにも選出された日本の新鋭DUBプロデューサー「Element」、ヒップホップグループMoe and ghostsのトラックメイカー友人カ仏、コンピューターミュージックの巨匠「Carl Stone」、Honest Jon'sやDDS、Sahkoなどから作品を発表するNYの鬼才「MADTEO」のリミックスをそれぞれ収録しています。レコードに付属のダウンロードコードからダウンロードいただくと、更に2曲ボーナス・リミックスをお聴きいただけます。
1. D.J.Fulltono - Burst Policy (remix)
2. Element - Look at Right Hand (remix)
3. 友人カ仏 from Moe and ghosts - Beacons (remix)
4. Carl Stone - Fever was Good (remix)
5. Madteo - Hatsuentou (remix)
Digital Mastered by Tatsuki Masuko
Vinal Mastering and Cutting by Atsushi Yamane

Jesse Sykes & The Sweet Hereafter による2011年の『Marble Son』以来となる実に14年ぶりの新作『Forever, I’ve Been Being Born』。前作発表後にリズム隊を失った喪失感や、音楽から距離を置かざるを得なかった状況を背景として、10年の歳月をかけて制作された本作は、フォークを基盤にブルースやサイケデリック、オーケストラルな響きが溶け合う、深い陰影を持った作品になっている。ハスキーでありながら透明感を保ち、年齢を重ねた分だけ一層親密で深い響きを帯びたジェシー・サイクスの声を中心にして、ギタリストのフィル・ワンドシャーはその声を縁取るように、時にクラシックな、時にざらついたトーンで対話を重ねる。タイトルが示すとおり生命の循環と向き合っており、ジェシー自身が「弔辞のように感じる」と語るように、全体が静かな受容と祈りのトーンに貫かれている。哀愁を帯びたメロディーと、深く感情的な歌詞、暗くも透明な歌声が時に鎮魂歌のように響く、聴き手を深く包み込む作品。

Jesse Sykes & The Sweet Hereafter による2011年の『Marble Son』以来となる実に14年ぶりの新作『Forever, I’ve Been Being Born』。前作発表後にリズム隊を失った喪失感や、音楽から距離を置かざるを得なかった状況を背景として、10年の歳月をかけて制作された本作は、フォークを基盤にブルースやサイケデリック、オーケストラルな響きが溶け合う、深い陰影を持った作品になっている。ハスキーでありながら透明感を保ち、年齢を重ねた分だけ一層親密で深い響きを帯びたジェシー・サイクスの声を中心にして、ギタリストのフィル・ワンドシャーはその声を縁取るように、時にクラシックな、時にざらついたトーンで対話を重ねる。タイトルが示すとおり生命の循環と向き合っており、ジェシー自身が「弔辞のように感じる」と語るように、全体が静かな受容と祈りのトーンに貫かれている。哀愁を帯びたメロディーと、深く感情的な歌詞、暗くも透明な歌声が時に鎮魂歌のように響く、聴き手を深く包み込む作品。
1982年に発表された、ワシントンD.C.の伝説的ハードコア・バンド Bad Brains の衝撃的デビュー・アルバム。シーン全体を揺さぶった金字塔。目も眩むほど速いテンポと鋭いリフで突っ走るハードコア・チューンと、突然テンションを落としてじっくり聴かせるルーツ・レゲエ・ナンバーが共存するのが最大の特徴で、この極端さこそBad Brainsのオリジナリティで、当時のどのパンク・バンドとも違う個性を打ち出している。演奏力の高さも群を抜いていて、HRのソウルフルでアジテーティブなヴォーカル、Dr. Knowの爆発的なギターリフ、Darryl Jeniferのタイトなベース、Earl Hudsonのジャズ畑出身らしい柔軟なドラムが合わさって、とにかく生々しい迫力に溢れている。ハードコア・パンクはもちろん、スラッシュ・メタル、オルタナティヴ、さらにはレゲエやクロスオーバーの領域にまで影響を与えている、まさにハードコアの教科書であり、ブラック・ロックの歴史を変えた一枚。

Khruangbinの名曲“Maria También”のカヴァーも収録!世界中でカルト的なファンを集めるドイツ・ハンブルク出身のミステリアスなスティールパン・バンド、Bacao Rhythm & Steel Band。トリニダード・トバゴの伝統的なスティールパンへの独自のアプローチで独自の音楽を作り上げてきた彼らの最新アルバムが〈Big Crown Records〉から登場!2008年から2023年にかけて制作された卓越的なトラックの数々を網羅した内容となっている本作では、バカオのレンズを通してヒップホップからジャズ、ソウル、ポップスまで様々なジャンルを横断します。

1月23日発売予定(お一人様までとさせていただきます。限定生産、ショートの可能性がございます。予めご了承くださいませ)。先日3度目のUSツアーとメキシコ公演を終えたばかりの坂本慎太郎。約3年半ぶりの新作『ヤッホー』では、ここ数年の海外でのライブ体験を反映させつつ、ブルース、ムード歌謡、60年代ソウル、サーフ・インスト、ファンクなどを取り入れた多彩なサウンドを展開。さらに今作も独自の視点で切り取った歌詞はまさに唯一無二。10月の配信シングル「おじいさんへ」、11月の配信シングル「あなたの場所はありますか?」を含む全10曲の新作アルバムが完成しました。
今回も前作同様、坂本慎太郎バンドのメンバーを中心にレコーディングされ、ドラムは菅沼雄太、ベース&コーラスはAYA、そしてサックス&フルートは西内徹。ゲストプレーヤーとして2曲にマリンバで角銅真実が参加。レコーディングエンジニア/マスタリングは中村宗一郎。アートワークは坂本慎太郎。

(数量限定/Indie Exclusive/ブルー・ヴァイナル)“Megaton, No War No Death!” ー 本来なら僕たちは互いに連帯すべきなのに、ソーシャルメディアによって分断されている。ジェノサイド…スワイプ…ジム通いの写真…スワイプ…食べ物の写真…スワイプ…飢餓。恐ろしい情報の洪水のあとに猫のミームが現れ、加工で原型を失った顔が続く。そんな現実の重みによって、社会は連帯を失い、静かに崩壊している。
ー Jason Williamson
労働者階級の代弁者 Sleaford Mods が、2023年のアルバム『UK GRIM』以来となる新曲「Megaton」を〈Rough Trade〉よりリリース。本曲は重厚なビートとアトモスフェリックな電子音に、社会の凡庸さを切り刻むような鋭いリリックを乗せ、グルーヴと知性を兼ね備えたSleaford Modsならではの楽曲となっている。
今回も継続的にタッグを組んでいるチャリティ団体 War Child とのパートナーシップのもと、シングルの収益はすべて戦争の影響を受けた子どもたちを支援する活動に寄付される。
同曲の世界観にインスパイアされ、アーティスト/写真家の Nick Waplington が監督を務めた MVも公開。
ロンドン・ハイドパークのスピーカーズ・コーナーで撮影され、19世紀から演説や議論の場として知られる同地で、楽曲「Megaton」が群衆の中に響き渡る映像作品となっている。
War Childのライブ音楽企画を統括・運営している Clare Sanders-Wright は次のようにコメントをしている。「Sleaford Modsの継続的な支援と寛大さに心から感謝しています。この特別な限定シングルは、ただの新曲ではなく、戦争によって苦しむ子どもたちに直接的な支援を届けるものです。」

ロサンゼルスを拠点に活動する大人気ベーシストSam Wilkesが新たな一歩踏み出した7インチ『104.3』が登場。本作はベースを封印し、友人Brian Robert Jonesから借りたストラトキャスターを手に、思いつくままに音を重ねていったセッションから生まれた作品で、A面には最初の夜に一発録りしたのはトム・ペティ「Learning to Fly」のループ演奏。その後にベースとコーラスを加えたという。数週間後、ギターを返す前の最後の夜にはフリートウッド・マックの「I Know I’m Not Wrong」を再構築。どちらも作り込むというより、楽器との出会いをそのまま封じ込めたような即興性に満ちている。本人の「ベースでは半分くらいベースじゃない音を探している。だから違う楽器を弾くことがすごく解放的だった」という言葉通り、気負いのない自然体の演奏が心地良い。

サクソフォン奏者、作曲家であり詩人でもある JJJJJerome Ellis が、即興と自身が持つ吃音を音楽の中心に据えて作り上げたセカンド・アルバムが〈Shelter Press〉より登場。黒人の宗教的伝統や祖先からの継承をテーマにしつつ、時間や声のあり方を探るような内容になっている。音楽的にはサックスやオルガン、ハンマーダルシマー、電子音、そして声を織り交ぜたアンビエント、ポスト・クラシカル的なサウンドスケープが基盤。そこにポップスやインディ・ロックからの影響を感じさせる音響処理や、カリブ、ブラック・アメリカン・ミュージックに通じるサンプリングやリズム感覚も混ざり、静謐な祈りや儀式に近いムードを持ちながら、同時にポップな親しみやすさもかすかに漂っている。

ノイズとメロディが奇跡的に交差した1985年、その眩しさをライブの熱量とともに閉じ込めた4LPに及ぶ決定的ドキュメント。『1985: The Miracle Year』は、Hüsker Dü の1985年のライブ・アーカイブ集で、目玉は、彼らのホームであるミネアポリスの名門ヴェニュー First Avenue での1985年1月30日のステージを完全収録した音源。エンジニアのBeau Sorensonによって音質も新たに蘇り、当時の熱気や演奏の鋭さが克明に浮かび上がっている。そのほかにも、同年のツアーから20曲に及ぶライブ・テイクを追加収録。SST時代のハードコア・スピリットと、ポップの感覚を内包した独自のサウンドがどう育っていったかが一望できる内容となっている。ブックレットには、バンドにとって転機となったこの一年を振り返る資料や証言がまとまっており、Hüsker Dü の歴史をたどるうえでも貴重な記録集といえるリリース。

ハードコア・パンクというジャンルにおいて初のアフリカ系アメリカ人バンドとして知られ、音楽的にも文化的にも非常に重要な存在でもある、ワシントンD.C.の伝説的ハードコア・バンドBad Brainsの代表作で、ハードコア・パンクにレゲエやメタル、ファンクを融合させた革新的な1986年作『I Against I』。特筆すべきは、真の意味でジャンルを横断する多様性で、ギターはメタル的なリフとファンクのカッティングを行き来し、ベースラインは跳ねるようなファンクの要素を持ちつつ、ドラムはジャズ的なフィルやレゲエの裏打ちを織り交ぜる。ヴォーカルのH.R.は、怒りとスピリチュアリティを同時に表現するような独特のスタイルで、シャウト、メロディ、語りを自在に使い分けている。アルバム全体を通して、ジャンルの境界を越える実験精神が貫かれており、音楽的価値だけではなく「パンクとは何か」「黒人アーティストがロックをどう再定義するか」といった文化的問いにも応える、思想性の面でも後世に大きな影響を与える重要作。
オリジナルは1983年に発表の、Bad Brainsによるセカンド・アルバム『Rock for Light』。「Sailin’ On」「Banned in D.C.」といったデビュー作の代表曲を再録したものから、新曲の「Coptic Times」「At the Movies」などまで幅広く収録されているが、やはり目玉は猛烈なスピードのハードコア曲と、深いグルーヴを持つルーツ・レゲエ曲がシームレスに共存している点。テンポ感の極端なコントラストがバンドの個性をさらに際立たせている。プロデュースを手がけたRic Ocasek(The Cars)の手腕もあって、前作より音の輪郭がはっきりしていて、ラフで爆発的だったデビュー盤に比べると少し整理された印象がある。前作以上に、演奏力の高さと切れ味が際立っていて、Dr. Knowのギターはより鋭く、リズム隊はさらにタイトに進化。HRのヴォーカルもシャウトとメロディを自在に行き来しながら、バンドのエネルギーを前面に押し出している。1stの衝動を受け止めつつ、より洗練された形で提示したBad Brainsのもう一つの代表作。

オルガン奏者ブライアン・オーガー率いるBrian Auger & The Trinityによる1968年発表のジャズ・ロックの名盤『Definitely What!』。ジャズ、ロック、サイケデリックが融合したサウンドに加え、ビートルズ「A Day In The Life」の大胆なカバーも収録。 荒々しくもグルーヴィーな演奏が光る、英国ジャズ・ロック黎明期を代表する一枚。
" dean blunt & Elias Rønnenfelt - lucre LP. Single-sided, 180g vinyl "
