Electronic / Experimental
3579 products

幸せなべースミュージック名曲「Summer Jam」待望の2025年リプレス。盟友7FOとの伝説的ライブ・セッション・ヴァージョンにカップリング変更し、サマージャム感が増した新装丁にてフレッシュに再登場。<キラー>の定義は再び更新される!
名盤『No Broken Hearts on the Factory Floor』(2015年) 以後、Rezzettでの活動に専念していたTapesが紆余曲折をへて発表した「Summer Jam」(2020年)。近未来的ディストピア感が覆う世の中であえてメジャー・コードのみの作曲に挑戦したこの曲は異質ですらある幸福感を放つが、それは(イージーな)ダークムードに対する彼一流の批評態度だ。Rezzett作品のヨジれてヒネくれた電子的表現(<これも最高)に慣れた耳なら戸惑うような白玉コードを多用した曲だが、二度訪れるブレイクの瞬間、忘れかけていた音楽のミラクルに遭遇するだろう。メロディアスでポップながらイージーリスニングにならないのはベース ミュージックを追求してきた手腕による。エレクトロニック・ ミュージックが複雑なアートフォームに発展すればするほど置き去りにせざるを得ない<プライマルな何か>を問いかける、ほがらかでシリアスな問題作だ。 2025年版のカップリングは、盟友7FOとの伝説的な2019年のライブ・セッションを収録。日本人丸出しの7FOの最高のロウテく・ギターソロをフィーチャーし「Summer Jam」は喜びの中に完結する!

あのVanity Records最初期リリース作であり、近年、再評価著しい日本産(プレ・)ニューエイジ傑作を全世界待望の単独LP再発。オリジナルマスターからハイレゾAD変換/最新マスタリングを施し、更に、長年の誤解を解く正しい曲名でお届けする決定版エディション。発掘レア写真も多数掲載!作品解説:柴崎祐二。
ポストパンク期の大阪を代表するインディー・レーベル、ヴァニティ・レコードの第二弾として1978年に発表された『クリスタリゼイション』は、SAB(サブ)と呼ばれた当時若干19歳の天才音楽家が思い描いた壮大な音楽の叙事詩を、電子音楽機材を用いて磁気テープ上に「結晶化」したアルバムで、「ニューエイジ」の呼称・風俗が日本に広まる前に出現したプレ・ニューエイジ・ミュージックの名盤です。録音では2人のミュージシャンのサポートを受けていますが、大半はSAB自身による多重録音で制作されたもの。SABの唯一のソロ・リリースである『クリスタリゼイション』には、Brian EnoとObscureレーベル勢やPopol Vuhからの影響を窺わせる編曲・楽器法が聴けますが、それらの影響からの回避も同時に試みられており、その結果、「どんなシンセ音楽の系譜にも属さない傑作」(※註)という地位を獲得。2020年代のオーディエンスにとっての新たな古典となっています。また、近年勃興したニューエイジ・リバイバルや日本の環境音楽の再発見といった動向の中で、時を経て一層輝かしい音楽価値を持つこととなりました。アートワークは思想家ロジェ・カイヨワの著作から着想を得ており、図版(土星)はまりのるうにい(松岡正剛夫人)が描いたもの。
※註)『レコード・コレクターズ』誌2023年11月号特集「日本の新名盤1970-89」掲載 田山三樹氏による『Crystallization』評。
=作品仕様=
+ オリジナルマスターよりハイレゾAD変換/最新リマスター
+ 4頁インサート、発掘貴重写真掲載
+ 解説:柴崎祐二/英訳掲載
5枚組CD「楽の道」は、従来の音楽概念を打ち破る壮大な実験。電子音楽とサウンドスケープが融合し、聴く者の意識を無限の宇宙へと誘う。作曲家・エロアは、この作品で「音の道」を追求し、聴覚体験の新たな地平を開い「楽の道」は、1977-781にNHK電子音楽スタジオで3度にわたり、合計1200時間以上かけて制作された。作曲家・エロアは、この作品で、西洋音楽の伝統と東洋の思想を融合させ、独自の音楽世界を構築。
「楽の道」は、単なる音楽作品ではなく、聴く者の意識を深淵へと誘う瞑想的な体験。時間の流れ、空間の広がり、そして自己との対話を促す。「楽の道」は、視覚的な要素を一切排除し、聴覚にのみ訴えかける。聴衆は、音の洪水の中に身を投じ、独自の物語を紡ぎ出す。
アルバムレビュー(小坂井雄三)
フランスの作曲家、ジャン・クロード・エロアが1977~78年にNHK電子スタジオで東京のサウンドスケープを元に制作した電子音楽「楽の道」の素材集CD5枚組!実は購入する前はフルヴァージョンにオマケで素材集が付いてくるのかと思ったいたのだが、来てみたらなんと全部素材。正直言って「あちゃー、これははしまった。」と後悔しました。エロアはこれらの素材を慎重にリアルタイムでミックスしながら仕上げたということで「そんじゃ、これをミックス、アレンジして自分なりの『楽の道』を作ってみるべか。」と半ば諦めの気持ちで聞き始めたのですが、聞くととんでもはっぷん。一つ一つの音の密度が高くて独立した作品として聞けることに気づいて驚愕です!特に梵鐘の音を再生速度を落として再生したと思しきテイクはその重厚さと繊細さに圧倒されました。またパチンコ屋のサウンドスケープがちょっとフィルタリングを施したりしてるだけなのに、とんでもない異世界に飛べるような音響になっていてこれも圧倒されました。流石に単独で聞くにはちょっと厳しいかな、というテイクもありましたが、迫力の電子音響の渦に溺れそうになります。「自分なりの『楽の道』」なんてこれを聞きこんだ後の遠い先の世界になりましたね。
電子音楽というとどうしても高価なモジュラーシンセや自作の発振器などの個性のある音源の使用を想起しがちですが、エロアはそうした音源に頼るのではなく(ストリングアンサンブルぽいシンセが使われていた。)、東京の街角のサウンドスケープ(右翼の街宣車や歩行者天国終了のナレーションは日本人以外では理解しにくいのでは?)にフィルタリングなどの編集を施すことで斬新な音響をクリエイトすることに主眼を置いているようだ。そうした姿勢は自分の制作のコンセプトにも共鳴するところが多い。(宇宙エンジンの2ndでもそんな音が聞けるよー。)
いやー、清水の舞台からダイブして全身骨折しながらゲットした甲斐があったってもんです。万人にお薦めとはちょっと言い難いですが、それだけの価値は十分あるものだと思います。

Tujiko Noriko (ツジコ・ノリコ)やJulianna Barwick参加!OPNも作品を残す〈NNA Tapes〉からの作品『Heaven Come Crashing』がPitchforkのBest New Music獲得、さらにはThe New York Times、Stereogum、Fader、GQといったメディアの年間ベストにも選出されて大きな話題を呼んだ作曲家/プロデューサー/マルチ・インストゥルメンタリストのRachika Nayarとチェロ、ピアノ、クラリネット、フルートなどを操る注目の逸材Nina Keithによるコラボレーション・プロジェクト、Disinibludがデビュー・アルバムを名門〈Domino〉傘下の〈Smugglers Way〉よりリリース!
Ninaはこの作品を、"自分とRachikaの若い頃の自分がかばんに荷物を詰め、手をつないで一緒に感傷と驚嘆の世界に逃げ込んで、ポスト・ロック、グリッチなインディー・エレクトロニカ、ネオ・クラシック、ポップといったジャンルを融合して、予期せぬ音楽を作り出したような感じだ"と話す。
また、本作には、Tujiko Noriko(ツジコノリコ)、Julianna Barwick、Cassandra Croft、ASPIDISTRAFLY、Katie Dey、June McDoom、Willy Siegel(Ponytail)らがゲスト参加している。
先行シングル「Blue Rags, Raging Wind (ft. Amigone)」はミニマルな鉄琴がユーフォリックに鳴り響く中、IDM/エレクトロニカ由来のビートや豊かなメロディと歌声がエモーショナルに展開していく必聴曲!

西川文章の録音&ミキシング、Rashad Beckerのマスタリング&カッティング、五木田智央の装丁という布陣でおくるミラクル物体。
日野浩志郎(YPY)が率いるインストゥルメンタル・グループ、ゴート(goat)初のヴァイナルLPアルバムは、1st『New Games』と2nd『Rhythm & Sound』のベスト・パフォーマンスを再編成したLP版独自の選曲。ベルリンのDubplates & Mastering(Rashad Beckerがゴートのファン)でマスタリングして研ぎ澄まされたサウンドは再生音量が大きければ大きいほど本領を発揮する。
ゴートは楽器を発音させる際に生じるノイズ、ミュート音、パルス音から楽曲を制作し、全員が「人間ドラムマシーン」となった神経症手前テンションの身を削った演奏で世界中のオーディエンスを釘づけにする。一点集中で演奏に没頭する姿は、複数要素をかき集め広範なアピールを行う足し算手法が常態になっている現代ポップ音楽とは真逆。本作はゴートの名刺代わりとなる決定版だ。

星野源、突然段ボール、Ogre You Asshole、坂本慎太郎など、アンダーグラウンドやコンテンポラリーといった枠を超えて、名だたるアクトたちを支えてきた現代の日本が誇る名SSW=石橋英子と、シーンの枠組みを越えて多大なリスペクトを浴びてきた我らがジム・オルークとの5作目の共作が〈Drag City〉より登場!本作は、2023年のフランス、スイス、イタリア、アイルランドを回った欧州ツアーでの即興ライブ録音を素材にしたサウンド・コラージュ。各地の演奏から響きや音の関係性を拾い集め、コンピューター生成音、フルート、ハーモニカなどが交錯する動的な音世界を作り上げている。二人は事前に打ち合わせをせず、それぞれ準備した音素材を持ち寄って現場で即興的に対話し、日ごとに異なる演奏を展開。ライブ中に録音した素材もその場で再利用するなど、旅の途中で生まれる偶然や状況の変化がそのまま音楽に反映された。『Pareidolia』では、ツアーの様々な瞬間をリミックスし、たとえばパリのジム・オルークの音とダブリンの石橋英子の音を重ねるような形で、理想的な記憶を描いている。無作為に見える音の流れにも、どこか意味や構造を感じ取ってしまう──そんな「Pareidolia(錯視)」的な感覚をテーマに、聴く人それぞれが自由に解釈できるような、柔らかくも謎めいた電子音響作品。

ジム・オルークもギターで参加!アカデミー賞受賞作『Drive My Car』の魂を揺さぶる音楽に続く、作曲家・石橋英子と濱口竜介監督による2度目のコラボレーション作品である『Evil Does Not Exist』が〈Drag City〉から登場。星野源、突然段ボール、Ogre You Asshole、坂本慎太郎、Jim O'Rourkeなどなど、もはやアンダーグラウンド/コンテンポラリーな音楽の枠を超え、名だたるアーティストをサポートしてきた日本が誇る名SSWによる待望の新作。石橋の崇高なコンポジションによりスコア化されたヴァイオリン、ギター、チェロ、鍵盤、ドラムといったセクションからなる孤高の一枚!
1998年にCDのみでリリースされたMitsuto Suzuki(鈴木光人)による幻のコンセプト作品『Electric Satie』が、〈ISC Hi-Fi Selects〉から初のアーカイブ再発。タイトル通り、エリック・サティのピアノ作品を電子音楽で再構築した一枚で、ボサノヴァ調のダウンテンポからチルアウト、IDM、アンビエントまで、ジャンルを横断しながらサティの旋律が現代的な響きで蘇る。「ジムノペディ」「サラバンド」「家具の音楽」などサティの代表曲が、デジタル処理と柔らかな電子リズムで大胆に再構成されながらも、原曲の甘美な旋律とモーダルな浮遊感をしっかりと継承。Music From Memoryの『Virtual Dreams』や、Warpの『Artificial Intelligence』系コンピに通じる空気感も漂わせる、隠れたエレクトロニック名品!
細野晴臣プロデュースのオキナワン・テクノ歌謡のキラー曲であり、名シリーズ『テクノ歌謡』コンピでも紹介された「テクテクマミー」はあまりにも有名。じゅん&ネネの一員としても活動した歌手、そして、政治家という肩書きも持つ早苗ネネ。浅香唯や柏原芳恵にも楽曲提供も行っている彼女とその夫であった高橋英介、鮫島秀樹らからなる日本のシンセ・ポップ・バンド、E.S. Islandが92年に人知れず残した、オリジナルはCDオンリーのアルバム『南風 from Hachijo』が、宝達奈巳を再発した注目の〈Forest Jams〉より初アナログ化!彼ら夫婦が八丈島で暮らしていた頃に、島での営みや体験、日常風景を描いた作品で、テクノ・ポップ時代の作品とは一線を画す和レアリック〜アンビエント・ポップを展開しています。オリジナルのライナーノーツによると、「島でのハイでハッピーな日常の波動を音に」落とし込んでいるとの事で、第四世界にも通じるイマジナリーで幽玄なテイストで仕上げられており素晴らしい!『Midnight in Tokyo Vol.4』にも選曲された憑依的ニューエイジ歌謡「夢風鈴〈土〉」を始め、文句無しでニューエイジ・ファンにレコメンドできる内容!

〈Shelter Press〉主宰の当店お馴染みの実験的アーティストFelicia Atkinson、ニュージーランドの地下シーンを代表する作家として現在注目が高まっているMaxine Funke、ロンドンを拠点に活動するデュオのTime Is Away、そして、Christina Petrieといった豪華面々が一堂に会した、一度限りの特大コラボレーション・プロジェクト、Annie Aによるアルバムが〈A Colourful Storm〉よりアナログ・リリース。フィルレコ素材や持続音、アンビエント・サウンドなど、それぞれの音が持つ感触や気配が静かに重なり合い、まるで風や光が溶け合うように、ひとつの繊細で透き通った音の風景へと融けていく様子がとても美しい作品。音は音のままにあることを手放し、祈りのように、儚く滲む憂いや記憶のように、やさしく都市の呼吸に滲み出していく、そんな一枚です。

Andrea Burelliによる、自身の人生や神話的なモチーフを重ね合わせながら、人生と死、再生の神秘を描くコンセプチュアルなセルフリリース・アルバム『Sonic Mystics for Poems (of Life and Death of a Phoenix)』。ベルリンの名門アンサンブル Solistenensemble Kaleidoskop の弦楽奏者たちによる深い響き、FMシンセやMoogベース、ミニマルなマシーンドラムといった電子音、地中海の民謡やクラシックの影響を感じさせる旋律やリズムが絡み合い、クラシック、電子音楽、地中海音楽の境界を越えていく。彼女の自由に変化する歌声は、時に神秘的に、時に素朴に、時間や空間を超えた世界を旅していく。「フェニックス」という架空の旅人を中心に据え、夢と現実、終わりと始まり、喪失と再生といったテーマをめぐる精神的な旅路を描いており、水を象徴として、地中海の文化的多様性、絵画や映像表現に通じる色彩感覚が詩や音楽に染み込んでいるよう。祈りのような気分に実験的な現代クラシックと地中海の伝統音楽、アンビエント電子音楽が交わる奥深い一枚。

アストリッド・ソネによる2024年の傑作『Great Doubt』を、交流のある気鋭アーティストたちが大胆に再解釈したリミックス/エディット集『Great Doubts Edits』。Conrad Pack、ML Buch、Blood Orange、Valentina Magaletti、Lolina、Smerz、Slauson Malone、HVADといった多彩な顔ぶれが、原曲の室内楽的な繊細さ、アートポップの親密さ、R&B的な温かさを、それぞれの視点から引き出している。インダストリアル・ダブの荒々しい解釈や、Autechreを思わせる12分超えの電子音響、ブライトで艶やかなソウル・ポップ、煌めくアンビエント・ポップ、歪んだ実験的R&B、ミニマルなビート・ポップなど、アプローチは実に多様。原曲の持つ静かな内省や切実な歌詞世界を尊重しつつも、時に大胆に逸脱し、聴き手に新しい解釈の余地を与えている。静謐で詩的なオリジナルを愛するリスナーにとっても、ダンス・フロア向けの再発見を求めるリスナーにとっても魅力的な、ソネの音楽世界を広げる一枚。

マンチェスター地下シーンのキープレイヤー、Henzoがついに完成させた初のフルアルバム『The Poems We Write For Ourselves』が〈Sneaker Social Club〉から登場。ダンスフロアのラフな衝動と精密なサウンドデザインがせめぎ合っており、ダンスホールやデンボウ、UKガラージ、潰れたエレクトロ、ハーフステップ・ベースといった要素が入り混じり、湿気を帯びたネオン色のリズムに彩られたマンチェスター夜のエネルギーをそのまま詰め込んだ決定版的作品となっている。「Worm Grunting」では北アイルランドのMC・Embyが参加し、スモーキーなフロウを披露。そのほか、繊細なミニマリズムからヘビーな2ステップ、壊れたゲットーテック、エレクトロ・ダブまで、緻密に計算されたリズムと質感が交差していく。タフで無駄のないサウンドプロダクションと、ずらしたリズム・パターンのセンスは、Two Shell、Facta & K-Lone、Hesaitix、Paperclip Minimiserらとも共鳴しつつ、あくまで彼独自のもの。クラブミュージックの文脈にいながら、リスニング的な繊細さもあり、独自の実験精神でその枠を押し広げるような一枚になっている。Henzoがこれまでの道のりで磨き上げた、緻密かつ野心的なベース・ミュージック。静かな時間の積み重ねが花開いたような趣きがある。

Panda DubとAdi Shankaraによるエキゾチックな雰囲気をまとったフレンチ・ダブの現在形を描き出す最新12インチ『Essaouira EP』が〈Dubatriation Records〉より登場。本作はふたりの共同セッションで生まれた音源を、今回のリリースに向けて再構築したもの。Panda Dubらしいオリエンタルな旋律やエスニックなサンプル使い、そしてキャッチーなリズム感。それに対してAdi Shankaraは、ざらついた質感や催眠的なサウンドスケープで応答する。どちらも異なるアプローチながら、静謐で深淵なダブへのまなざしは共通している。霊性と没入感を持ち合わせたトラックたちは、単なるダンス・トラックでも、懐古趣味のダブでもなく、いまこの時代の内省的な旅路を描く音楽。夜にヘッドフォンで静かに耳を澄ませたくなる、遠くから響いてくるような、でもどこまでもパーソナルなダブ・サウンド。

Holy TongueやTruleの活動で知られるAl Woottonが、メルボルンのElectronic Sound Studioで掘り当てたヴィンテージ・ドラムマシンの宝庫。その貴重な音色たちをサンプリングして組み上げた、タイトル通りのアルバム『Rhythm Archives 』が登場!80年代ジャンク、ライブラリー・ミュージック、ダブの残響、そしてHoly Tongueで鍛えたリズム感覚。無駄を削ぎ落とした構成で、古びたマシンたちの素朴なビートが主役になる。『March』のビートは、湿った段ボールを叩いたようなチープさが逆にクセになるし、『Slow Rock』ではCR-78とねじれた声ネタが、映画『Liquid Sky』の退廃的な空気を思わせる。150bpmで走る『Shuffle』にはフットワークの影がちらつくけれど、そこにあるのは模倣ではなく、ずれたリズムの再発見と言える。ドラムマシンへの偏愛とダブの流儀が貫かれた、朽ちたリズムの向こうに新しい風景を描き出す一枚。
〈777Hz〉レーベルを運営し、アブストラクトで実験的なダブサウンドを送り出してきたフランスのミステリアス・アクト、Hiss Is Blissによる最新シングル作品『Nope / Abbadia』がレフトフィールドなダブの聖地としてお馴染みの〈ZamZam Sounds〉より7インチリリース。秘教にどっぷり浸かった、ルーツレゲエやテクノ、関連するエレクトロニック・ミュージックの流派を巧みに融合させた孤高の世界観。ヒプノティックで至福でありつつ削ぎ落とされたダブ・ハウス・サウンドが展開される秀逸作品となっています。

ベルリンを拠点にダブに特化した良好なリリースを展開する〈Mole Audio〉からは、〈ON-U Sound〉のAdrian Sherwoodらとの来日公演でも大いに沸いたレジェンドHorace Andyを起用した同地のデュオDaktariによるシングル盤が登場。Horace Andyによる力強い語りと共にヒプノティックで至福なダブテクノ・サウンドが炸裂した秀曲”Rasta Forever”を収録。Rhauder、Zion Trainといった面々によるリミックス・ヴァージョンも搭載。

ベース・ミュージック最大級の問題作!〈Peak Oil〉や〈Sneaker Social Club〉、自身の〈Low End Activism〉などから傑出した作品群を送り出しているダビーUKハードコア・レイヴ/ミュータント・グライムの魔人、Low End Activistこと英国出身のプロデューサー、Patrick Conwayによる最新フルレングス盤『Municipal Dreams』が、12インチ・ダブルパックとカセットでそれぞれアナウンス!ウェイトレス・グライムとサスペンデッドなハードコアのミニチュアへと方向転換し、非常に半自伝的なストーリーを綴った最新アルバム。不平等とそれが労働者階級のコミュニティに及ぼす波及効果をテーマとした作品であり、音の色彩パレットを使用してムードを設定し、ストーリーを詳しく説明するために鋭いサンプルが全体に散りばめられています。盗難されたスバル・インプレッサの排気ガスをサンプリングすることで、彼のコミュニティの子供たちの一般的な娯楽と化していた自動車盗難を振り返える"TWOC"、崩壊した少年院制度をほのめかす"Just A Number (Institutionalised)"、「尊敬する人はみんな麻薬常用者か犯罪者だ」という痛烈なサンプリングを仕込んだ"Broke"など、壊滅的な緊縮財政の余波で英国の社会的分断が明らかになってきた今、より一層意味深いものに感じられる正直なメッセージが詰め込まれた波紋に満ちた一作!20pブックレット、PVCスリーブ付属。
この世を去った今もその支持者を増やし続ける偉大な作曲家、プロデューサー、DJである横田進が、Mark Beazley 率いるロンドンのアンビエントグループ、Rothkoと共に作り上げた2002年の傑作『Waters Edge EP』が〈Lo Recordings〉からアナログ・リイシュー。アンビエント界を代表する巨匠2組が残した隠れたバレアリック/アンビエント名盤!背筋が凍るような美しい瞬間、繊細なリズム、心を落ち着かせる音色に満ちた素晴らしいEPであり、ライ・クーダーやエリック・サティを想起させる柔らかな響きが、ファウンド・サウンドと温かみのあるエレクトロニクスと溶け合うことで、アンビエント・エキゾチカの金字塔を描きます。※リリース当初のデッドストック品となりますので、スリーブに経年劣化がある場合がございます。予めご了承くださいませ。

待望のVol.3!先日はSeekersinternationalとも意外なコラボレーションを実現、レイヴ・サウンドからドラムンベース、ダブステップ、フットワーク、ジャングルまでも横断してきたブリストルの名DJ/プロデューサー、Om Unit。〈Planet Mu〉でのMachinedrumとの仕事やD&Bの御大レーベル〈Metalheadz〉、dBridgeの〈xit Records〉など各所から独特の作品をリリースし評価を得た彼の最新作が限定自主リリース。貫禄の出来といった仕上がりで独自の宇宙観を大発揮。ダブとアシッド、アンビエントを軸に据え、ドップリな303ベースラインを聴かせてくれる傑作盤。

イタリアはローマを拠点とするLuca Quartaroneのデビュー作『mathematical model 0010』が〈Objects & Sounds〉より登場。本作は、日本を旅した際に録音した環境音をもとに作られた、静謐なアンビエント作品。日常の音の断片を素材にしつつ、そこから抽象的で広がりのある音響世界を描き出している。アルバムタイトルは、神奈川・小田原の江之浦測候所で見た杉本博司のランドアート作品に由来しており、この作品にある「無限に収束し続けるけれど決して交わらない超曲率の金属面」のイメージと同様に、音楽もまた、日常のささやかな瞬間から無限の広がりを感じさせる。アンビエント、エレクトロアコースティックとサウンドアート的なフィールドレコーディングが交わり、静けさや余白を重視しつつ、内面の感情や記憶の風景にそっと触れるような音響構築になっている。

『Clube da Mariposa Mórbida』は、サンパウロ拠点のDIYアーティストAkira Umedaと、ウガンダはカンパラを拠点とするレーベル〈Nyege Nyege Tapes〉 周辺で活動するMetal Preyersがコラージュ的に作り上げた、異文化横断型のエレクトロ・アコースティック作品。南米のファンク、ノイズ、実験的なシンセ、民族楽器などが錯綜し、現実と仮想、過去と未来、デジタルとアナログの境界が曖昧に。収録曲では、倒錯したブラジル・ファンクや壊れた寺院の鐘、電子的なミュージックボックスなど、さまざまなサウンドが交錯する。二人のコラボは、Metal Preyers側が送った音の断片やコンセプトを、UmedaがGoogle翻訳を駆使しながら解釈し、自らの直感に基づいて印象を音にしていった。Umeda はそれを「粘土細工のような幽霊の成形作業」と語っている。従来の「第4世界音楽(Fourth World)」よりもさらに異次元的な夢幻世界。

ブラジル・ベロオリゾンテのファンク・シーンに革新をもたらしたプロデューサー、Anderson do Paraísoのアルバム『Queridão』が、ウガンダの首都カンパラを拠点とする〈nyege nyege tapes〉より登場!彼は、ダウナーでミニマルな「ベロオリゾンテファンク」の中核的存在で、2010年代半ば、ベロオリゾンテの路上パーティ「Baile do Serrão」に通うようになったことで作風が大きく変化し、リオのファンクをベースにしながらも、スローでリバーブが効いたビートや不穏な空気感を取り入れた独自のサウンドを確立した。本作の楽曲ではクラシカルな要素(ピアノ、バイオリン、ソプラノコーラス、ティンパニなど)と電子音(トラップのハイハットやロボット音)を融合しており、特に「Blogueira Que Virou Puta」や「Chama as Sua Colegas」では、静けさや緊張感を使って官能と恐怖が交錯するようなムードを演出している。この幽玄で実験的なファンクはTikTokやストリーミングでも注目され、ジャンルの新たな可能性を切り開いている。
ウガンダ・カンパラのアーティスト、Catu Diosisによるデビュー作『Anyim』が〈Nyege Nyege Tapes〉のサブレーベルであり東アフリカやコンゴのアンダーグラウンド・エレクトロニック・ミュージックを世界に紹介する〈Hakuna Kulala〉から登場!アフロハウス、Batida、Kuduroといったアフリカン・ダンスミュージックの要素をベースにしつつも、そこから大胆に逸脱していく異形クラブ・ミュージック集。振付師やMCとしての経歴、さらにRian Treanorとの共演などを経て完成させた本作は、東アフリカのクラブ・サウンドを軸にしながら、変則ビートと声のミニマリズム、そして身体性を融合させた強烈な一作。踊り手としての鋭いタイミング感覚と、プロデューサーとしての自在な逸脱が随所に見られ、Kuduroの推進力を土台にしつつ、グルーヴは常に崩れ、再構築され、定型に落ち着くことはない。生々しく、それでいて極めて洗練されたサウンド。前衛的ダンスミュージック!
