Ambient / Minimal / Drone
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栗原ペダル、荒木優光、DISTESTによる、2009年結成のトリオ音楽グループ「NEW MANUKE」初のアルバム。
サウンドは主にサンプリングとコラージュ、シーケンスされたビートとループされたミキサーフィードバック、それらの上で極少量のポップスと共に破壊と脱構築を繰り返す。
ライブはまったく踊れないビートによる逆トランスの誘発。それらはライブハウスやクラブ、アンダーグラウンドと場所を変えては日夜、爆音で鳴らされる。
2009年にアニメーション作家の故・相原信洋氏とのコラボレーション。相原氏より大量のアニメーションデータを預かりNEW MANUKEのライブ時にVJとして使用。この時には未発表のプリミティブな新作アニメーションもプロジェクションされた。コラボレーション時の相原氏の名義は『サイケ相原』。
2011年、自主カセットテープ「nannomondaimonainiwa」をリリース。収録曲の『Junkroad Bandass』がライブペイント集団Whole9の360°Gopro動画に使用される。
2017年、goat率いるKoshiro Hino主催レーベルbirdFriendより東京のKuknackeとのスプリットカセット『Kuknacke/NEWMANUKE』をリリース。
2018年、カセットテープ『 iPad,lick finger and swipe,grandson gets angry 』をリリース。original mix、M/D/G remix、KAZUMICHI KOMATSU remixが収録。
2025年、初のアルバム『SOUR VALLEY』をリリース。
Pedal Kurihara(sampler、guitar、drum effect)
Masamitsu Araki(sampler、voice、mixer feedback)
Distest(sampler)

5月29日再入荷(変更となりました)。ロサンゼルスを拠点に活動する作曲家、ギタリストのGregory Uhlmannが〈International Anthem〉から発表する、静けさと温度を併せ持つ独自の音世界を描き出したソロ作品『Extra Stars』。これまでのUhlmannは、Small Dayの静謐なアンビエント、Meg DuffyとのDoubles、Dustin WongとのWater Map、Josh JohnsonやSam Wilkesとのチェンバー・ジャズ、SML名義でのトランス・ジャズなど、多彩なプロジェクトを横断してきたが、本作はその探求がひとつの形として結晶した作品と言える。全14曲から成るサウンドは、ギター、シンセ、室内楽的アンサンブル、柔らかな電子処理が重なり合い、星座のように点在するメロディが静かに輝く。打楽器はほとんど使われないのにリズムが前に出ており、また、電子的処理を多用しながらもハーモニーの深さがある。確かな構造性、複雑な音響処理とともに、アンビエントの広がり、ジャズの自由さ、フォークの素朴さ、室内楽の繊細さがひとつの流れとして結びつき、Uhlmannの音楽的アイデンティティを深く美しく映し出している。静かでありながら豊かな色彩を持つ、現代的なアンビエント・ジャズの重要作。

最終入荷です。Huerco S主宰のもと、現行ダブ/アンビエントの傑作の数々を産んだ新世代のカルト的名所〈West Mineral〉在籍でも知られる米国・フィラデルフィアのアンビエント作家、もはや現代アンビエントの重要角と言っても過言ではないUllaの『Hometown Girl』が到着!木管楽器、鍵盤楽器、弦楽器、ドラム、ヴォイスが幾重にも重なり、エレクトロニクスがまばらに散りばめられ、オープン・ウィンドウのフィールド・レコーディングの香りが漂う静かな室内学的作品。まるで手書きのメモの日記をめくりながら、さまざまな感情を振り返っているような気分になる切なくメランコリックで朧げなアンビエント・フォーク12曲を収録。マスタリングはRashad Beckerが担当しており、一音一音の質感がすばらしい!
Pitchforkでは「8.1」点の高スコアを獲得していた、Grouperの通算7枚目となる2011年発表の傑作。Pitchforkのベスト・アンビエント・アルバムの21位にも選出されている不朽の名作で、朧げに揺らめく空間的に広がるギターやピアノ、リズ・ハリスの天上な歌声が、白昼堂々と神秘の音世界を建立するディープで果無く美しい世界観が打ち出された一枚。
待望の再プレス!ドローンマスター、チベットと電子音楽を合一させたグルEliane Radigue(1932-)の1987年名作(オリジナルはカセット)が2CDで目出たく再発!ディープ過ぎる雲のようなドローンにチベタンベルが薄らと響く、彼女の他のどの作品よりも存在感のある音の雲が展開するチベット密教下最高のドローン。この直後にリリースされた「Mila’s Journey Inspired By A Dream」と同様にチベット仏教の聖者ミラレパの人生にインスパイアされた作品で、倍音を多く含んだアープ・シンセサイザーの密教持続音が全面に出された瞑想的ドローンの極地。二枚目は薄らと僧侶達の読経がドローンと交じる、深淵なる東洋精神世界へ誘う霊的持続音の嵐。チベット仏教や瞑想に興味がある方にも、是非体験していただきたい歴史的傑作です。

Eliane Radigueの最高傑作と称される三時間におよぶ電子音響の大作『Trilogie de la Mort(死の三部作)』。本作は、ドローン、ミニマル・ミュージックの金字塔ともいえる作品であり、チベットの死生観に基づき、生と死、そして死後の再生までを主題にした深い瞑想のような音の旅。三部構成で、第一部「Kyema」は『チベット死者の書』の六つの中間状態を音で描写。第二部「Kailasha」はヒマラヤの聖山カイラス山を巡る想像上の巡礼を描き、第三部「Koumé」では死の最も深い地点へと潜り込み、そこで再び生の火花が灯る──死は誕生へと転じる、という循環的な世界観を静かに提示している。ラディーグはこの作品を8年かけてアナログ機器のみで丁寧に制作。最初はただのハム音にしか聴こえなくても、深く耳を傾けると、そこには豊かな倍音、音の揺らぎ、感情の移ろいがあり、まるでオーケストラやバグパイプが幽かな哀歌を奏でているようにも感じられる。ゆっくりとしか変化しない音の流れは、日常のスピードを緩め、聴く者の時間感覚そのものを変容させる。耳で聴くのではなく、時間とともに存在する音楽であり、精神的・哲学的な深みと芸術的な緻密さを兼ね備えた唯一無二の音響体験となっている。
ドローンマスター、チベットと電子音楽を合一させたグルEliane Radigueによる、11世紀のチベット仏教の聖者であり詩人であるミラレパに捧げた、魂の奥底に語りかけてくるような響きの涅槃を示した霊的チベット・ドローン大名作『Songs Of Milarepa』。ARPシンセによる極めて緩やかな周波数変調と音色の変化を特徴とする持続音と、この瞑想的な持続音をバックに、ラマ僧クンガ・リンポチェによるチベット語の朗読と、米国の実験音楽家ロバート・アシュリーによる英訳詩の朗読が絡み合い、電子音響と精神世界が融合した稀有な世界を描き出す。1983年と1987年の録音を収めた本作はRadigue自身の精神的探求が色濃く反映されており、ドローン/ミニマル音楽の文脈にありながら、宗教的・哲学的な深みを持ち、聴く者の意識を内面深くへと導く霊的ドローンの金字塔!

HTRKが20年以上にわたり築いてきた楽曲群を、現代を代表する重要アーティストたちが再解釈したカバー/リワーク集『String of Hearts (Songs of HTRK)』。HTRK がこれまでほとんど行ってこなかった公式リワーク集で、Loraine James、NWAQ、Perila、Coby Sey、Liars、Kali Malone & Stephen O’Malley、Sharon Van Etten など、ジャンルも背景も異なるアーティストが集まり、原曲の繊細な陰影を尊重しながらも、時に微妙にずらし、時に大胆に解体。アンビエント、エレクトロニック、ドリームポップ、アメリカーナ、ノイズが自然に交差し、原曲の冷たさと温かさが、別の角度から照らされる。全体として、深夜の部屋でひっそりと聴きたくなるような、静かな没入感に満ちた一本。
ロンドンを拠点に活動するイラン出身のプロデューサー Leila Arab によるデビュー作で、当時の潮流の中でも異彩を放ち、今なおカルト的に愛され続けている名盤『Like Weather』。トリップホップの退廃的なムードと、IDM の緻密な構造、そしてアンビエントの柔らかな揺らぎが溶け合った、唯一無二の夜の音楽。ざらついたビート、夢の中のように儚いボーカル、深く沈むベースライン。それらが曖昧に混ざり合い、どこにも属さない幽玄なポップスを形づくっている。孤独、憂鬱、優しさ、夢見心地、聴くたびに違う表情を見せてくれる、暗く、美しく、儚く、深い、長く心に残り続ける孤高の一枚。

ベルリンを拠点に活動するサウンドアーティスト Jasmine Guffond による、商業空間で流れる作業効率を上げる音楽、ミューザックを逆手に取り、生産性を下げるための音楽として再構築した実験的アンビエント作品『Muzak for the Encouragement of Unproductivity』。電子音の揺らぎ、低周波のドローン、ざらついたノイズ、そして微細なリズムの断片がゆっくりと浮かんでは消え、何かが起きそうで起きない時間が伸び縮みする。あえて集中を妨げるような、曖昧で揺らぐ音の構造で聴くほどに思考がほどけていくような感覚を覚える。深夜の作業中にふと流れてきた謎の音楽のような一枚。

神戸の音楽家TSUDIO STUDIOによるアンビエント・プロジェクト微風ゾーンによる作品『The West』。大阪の西側に広がる建築物や風景から着想を得て制作、各曲は特定の建築空間をイメージして構成されており、静かなシンセのレイヤーや淡いメロディが、街の中に潜む静寂や空気を丁寧に描き出している。実在の地名を思わせるタイトルが並び、都市を歩きながら感じる光や影、空間の質感がそのまま音に変換されたような、場所性の強い作品となっている。ポスト・ニューエイジ的な柔らかい音の広がりと現代アンビエントらしい透明感のある響きが心地よい、音による地理的・情緒的な旅。
マレウレウ1st Album『もっといて、ひっそりね。』が、新たなミックス、マスタリングにより蘇る。アイヌの伝統歌を今に伝える名盤が、ジャケットも一新して初レコード化。
2010年、初作「MAREWREW」の発表を皮切りに、本格始動したマレウレウ。近年はドイツのレーベル「Pingipung」からベスト盤とリミックス盤がリリースされるなど、世界からも熱い視線を注がれる中、2012年発表のファーストアルバム『もっといて、ひっそりね。』がレコード化。全20曲のCD盤から、新たなミックス8曲を含む17曲が収録されている。ジャケットの表紙に採用されているのは、かつてMayunkikiの祖母が手がけたというアイヌの刺繍。そこにRekpoが新たにタイトル、アーティスト名を刺繍したものを組み合わせ、先人との絆が体現された仕上がりだ。インナースリーブでは、OKIとRekpoの愛娘で、2025年にマレウレウに加入したUtowaがイラストを担当するなど、アートワークにも注目すべき1枚。
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4つの声がアイヌの昔と今、未来をつなぐ。時空を越えて響くマレウレウ(蝶)の歌声。
アイヌの伝統歌「ウポポ」を現代に歌い継ぐ女性ヴォーカル・グループ、マレウレウ。アイヌは、楽譜を残さず、主に口伝で受け継ぐため、彼女たちが歌う歌は、かつて年長者から伝え聞いた歌や、資料館で自ら掘り起こし、探し当てた古い保存音源が基盤となっている。そうした先人たちのウポポに憧憬を抱きながらも、ただ真似するのではなく、「今の自分たちにしか歌えない歌」=現在進行形のウポポを追求していく。そして、それを積み重ねることで、やがて先人たちの歌に自然と近づいていくことがマレウレウのテーマだ。プロデューサーのOKIも「アイヌ文化で重要なのは“個々のスタイル”。伝統を引用しつつ、マレウレウのスタイルを入れることで伝統が様変わりして活性化していくことが大切」と語る。「みんなで一緒に歌った方が楽しい」とライブでウコウク(輪唱)を観客と合唱してみたり、「私たちのルーツ・ミュージックはこんなに素敵なのよ!」と天真爛漫にシェアしてくれる彼女たちの姿勢もまた、伝統の門戸を開く大きな魅力となっている。
このたびレコード化される2012年発表のアルバム『もっといて、ひっそりね。』は、そんなマレウレウの初期衝動が詰まったフレッシュな作品だ。メンバーのRekpoは、14年前に録音した本作の自らの歌を「同じ曲でも今と節回しが全然違う」と振り返る。アイヌのウポポは自分流の節回しが大事。昔の歌、今の歌、将来の歌。その瞬間の歌を録音物で残し続け、変化を楽しむことに意義があると言う。本作は、2020年にRim Rimが脱退する以前の録音という意味でも、この時にしか生まれ得なかった4人の声のグルーヴを堪能できる貴重な作品だ。
何百年先まで歴史に残る作品にしたい。その思いから、本盤ではOKIが新たに8曲をミックス、リマスタリングを手がけている。CD盤と聞き比べてみると、重層感、臨場感が増し、とりわけ螺旋状に追い掛け合うウコウクのパートなどは、立体感のある声の渦が恐ろしいまでに迫ってくる。CD盤発表当時から何度も聞き込んだつもりでいたが、こうして改めて聞くと、独創的なリズム、パズルのような歌の旋律構成など、もともとのアイヌの伝統歌が持つ豊かな音楽性に驚かされる。エッジーなベースのフレーズと流麗なトンコリが効いた「KAPIW UPOPO」、打ち込みのビートとキャッチーなメロディーで高揚していくダンス・チューン「KANE REN REN」など、「よけいなことをやり散らかすのが自分の役割」と言うOKIの遊び心が冴え渡るアレンジにも感服。14年の時を経ても色褪せない、むしろ輝きが増したこの音楽を讃えたい。
先人の歌と共鳴し、自身のスタイルで未来を切り拓くマレウレウの伝統の形。アナログ独自の奥行きのある音が、その真髄を浮き彫りにし、さらなる深遠なウポポの世界を見せてくれるはずだ。
文/岡部徳枝

日本の現代環境音楽の牙城〈Kankyo Records〉にもモダン・アンビエントの結晶的作品を残す実験音響作家──Yama Yuki主宰のもと、Marginal ConsortやEast Bionic Symphoniaでの活動も知られる前衛音楽家、多田正美や前衛劇団〈パパ・タラフマラ〉で音楽を指揮した環境音楽の名手・菅谷昌弘といった作家の貴重なカセットフォーマットの新譜まで手掛けてきた、現行国内最高峰の音響系カセット・レーベル〈ato.archives〉のタイトルが一挙到着! 今回はなんと、Sun Arawの〈Sun Ark Records〉や前衛/実験音楽老舗〈Important Records〉のカセット部門〈Cassauna〉、Taylor Deupree主宰の音響系聖地〈12k〉を始め、世界各地の名レーベルを練り歩き、ニューエイジ・リバイバル以降の国産モダン・アンビエントの名品の数々を残す東京の電子音楽家/ペインターのAkhira Sanoによる最新カセット作品! 電子音の粒子や微細なノイズ、淡いメロディの断片がゆっくりと浮かんでは消えていく、静謐で内省的なアンビエント作品で、デジタルの冷たさと有機的な温度が同居する音のレイヤーは、深夜の静けさや記憶の残響を思わせ、聴くほどに細部の美しさが立ち上がる逸品。
ナンと2000万ストリーミング再生されたというしー辰屈指の人気作がリプレス&LP化!Meditationsでも大大大ベストセラーだった、Will Long名義での良好アンビエント x ハウス作品も知られる東京在住のCelerとシカゴのForest Managementという2人のアンビエント作家が、2018年にオークランドのニューエイジ/アンビエントの聖地〈Constellation Tatsu〉から発表した作品『Landmarks』が待望のカセット/アナログ再発!Paul Therouxの小説『The Mosquito Coast』と、Peter Weirによる 1986 年の同作品の映画化にインスピレーションを得た珠玉のアンビエント/ドローンを全14曲収録。

アメリカ出身でドイツ在住のマルチ奏者・作曲家 Weston Olenckiによる、バンジョーを中心としたエクスペリメンタル・フォーク作『Broadsides』。2023年にOlenckiが故郷サウスカロライナからウェストバージニア、ミシシッピ川流域へと南部を巡った旅のフィールド録音、収集した楽器や工芸品、そして各地に根づく伝統音楽との出会いを素材にして生まれたもので、水の音、虫の羽音、列車の轟音、コミュニティに息づく古い歌などが、バンジョー、ハーモニカ、オートハープ、カセットプレイヤー、振動モーターといった楽器・装置と組み合わされ、多層的な音響へと再構成されている。バンジョーの持つ鋭いアタックや倍音が長いドローンへと変質し、フィールド録音のざらつきや環境音が層を成して漂う、アメリカ南部の風景を抽象化したようなサウンド。伝統音楽の旋律が時折浮かび上がる一方で、機械的なモーター音やノイズがそれを侵食し、郷愁と前衛性が同時に存在する独特の世界。

静寂の奥に潜む、もうひとつの世界へと導く崇高な音の儀式。ギリシャ系アメリカ人の音楽家、映像作家であり、Meditationsでも静かで深い支持を集める John Also Bennettと長年の深い芸術的パートナーシップを持つChristina Vantzouが、〈INA-GRM〉の委嘱を受け、2023〜2025年にかけて丹念に紡いだ、霊的エレクトロアコースティックの大作『The Reintegration of the Ear』。フルートやチェロ、ダブルベース、声。John Also Bennett、Oliver Coates、Roman Hiele、Irene Kurkaらが呼吸と共鳴に導かれながら織り上げる音は、形式を超え、再統合されていく意識に寄り添うように、直観と微細な気配が流れを決め、有機的に移ろい続ける。時間は直線ではなく、折れ曲がり、漂いながら、電子音、フィールドレコーディング、アコースティックの残響が溶け合い、言葉の手前にある領域へと聴き手を静かに誘う。その響きは静かで、深く、意識の底に沈む水脈のような、内なる世界の神秘をたたえている。旅先でふと出会う、どこか異なる世界へと繋がる現実の裂け目のような、神秘を受け入れた繊細かつ霊的な音世界。Eva L’Hoestによる、ギリシャ的象徴が漂う超現実的なイメージをあしらったアートワークも、Vantzouの音の霊性と共鳴し、作品の神秘性を際立たせている。300部限定。

1970年代からカルト・レジェンドとして前衛芸術の最前線を走り続けるJohn M. Bennett。1994年にカセットで発表されたサウンド・ポエトリーの代表作『BLANKSMANSHIP』を、息子であるJohn Also Bennettが運営する〈Editions Basilic〉が初めてヴァイナル化。作品にはM. Bennett自身の声、テキスト、尺八、ベルなどが用いられ、言語の意味を解体し、声そのものを音の素材として扱う彼のスタイルが極限まで押し広げられている。収録曲には「Blanksmanship I」「Leaky Toilet」「Notion’s Nulled」など、日常の断片が奇妙に歪んだタイトルが並び、声の破裂音、息遣い、ささやきがリズムや構造を生み出すことで、語りと音響のあわいを漂う。一人の声が、やがて無数の自己へと増殖していくかのように、ポリフォニックに重なり合う声が万華鏡のような音像を作り出す唯一無二の世界。
Meditationsでもお馴染み、ギリシャ・アテネを拠点に活動する音楽家John Also Bennettによる、ゲームにおけるセーブルームという独特の空間をテーマに作られた『Music for Save Rooms 1 & 2』。サンフランシスコ北部の元軍用納屋に1週間滞在し、孤独な環境で延々とループを作り続けた体験が作曲の核になっており、フルートやシンセサイザーを中心とした無限にループしながら微細に変化し続ける音楽には、静止しているようで常に揺らぎ続ける独特の時間感覚が漂う。音の密度は薄いが、空間の奥行きは深く、収録曲であるゼルダの伝説の再構成曲やシンセサイザーによるArvo Pärtの「Spiegel im Spiegel」が示すように、ゲーム音楽と現代音楽の静謐なミニマリズムが自然に溶け合っている。孤独な静けさと柔らかな光が同居する心のセーブルームのような音空間。

プロデューサー/作曲家/アーティストとして、これまでにデーモン・アルバーン、ソランジュ・ノウルズ、ロイル・カーナー、ヌビア・ガルシア、ブラック・コーヒー、サンファ、ティルザー、セラ・スーなど、数多くのアーティストとコラボレーションを行ってきたサウス・ロンドン育ちのクウェズ。8年ぶりに〈Warp〉へ帰還しリリースされた本作『Kinds』は、娘の誕生をきっかけに書かれた、広がりと直感性を備えた作品であり、音と色が持つ回復の力を探求している。
『Kinds』は、クウェズにとって新たな転換点となる作品であり、再び音楽という太陽系の最果てを探し求める試みでもある。燃え尽きの時期を経てリセットした後に制作された本作は、アンビエントとクラシック音楽の作曲法を融合させつつ、シューゲイズの荒々しい質感とも交錯する。短く、緻密に構築された『Kinds』はミニマリズムを受け入れている。外の世界がますます騒がしくなるなかで、本作は静けさと安らぎを生み出しつつ、音楽の新たな地平に旗を立てる作品である。

〈Planet Mu〉や〈The Trilogy Tapes〉といったアンダーグラウンドの名門からリリースを重ねるイラン系カナダ人兄弟Saint Abdullahと〈International Anthem〉、 〈4AD〉などからの作品への参加で知られる人気ジャズ・ドラマーJason Nazaryによるコラボアルバムの第2弾が〈Disciples〉よりリリース!
2023年作『Evicted In The Morning』の続編となる本作は、サイケデリック、ドリーミーに消えては現れる実験的なサンプリングコラージュの中に規則的なリズムが時折顔を出しながらフリージャズのような展開をしていく、聴くたびに新たな発見のある作品となっている。「Here to Body Ratio」は情感溢れるサックスとギターに性急なドラミング、ストレンジに心地よい電子音が独自のバランスを生み出す作品のハイライト。
本作は、反戦デモや国家抑圧が続く新たな時代に向けた"Freedom Now Suite(自由のための組曲)”とも言うべき作品だ。ゲストにはロサンゼルスを拠点とする日系アメリカ人のマルチ奏者Patrick Shiroishi と Ryan Easter が参加している。
兄弟が「‘tellectual condition(知的病)」と呼ぶような表層的な知識が支配する時代において、アルバムはあえて遅く、複雑に、時間に逆らうことを選ぶ。ここでのサンプリングのコラージュは、ポストモダン的な遊戯ではなく、“感情の構造”なのだ。
『Wiretaps for Oral』を聴いていると、語りかけてくるのはサンプルそのものではなく、そのあいだの“隙間”だと気づかされる。信号が途切れる亀裂、ビートが抜け落ちる瞬間、その隙間に意識が宿る。意味を「与える」のではなく、それを「抱える」こと、強引に形を与えず、ただ触れること。
このデュオは、私たちに“盗聴線に耳をあて、囁きを聴け”と誘う。そうして彼らは思い出させてくれる、近くにいるということは、距離よりも「聴くこと」に関わっているのだと。

極上アンビエント美盤が登場、お見逃しなく!ジム・オルークや坂田明、山本達久、石橋英子といった強力な面々ともコラボレーションを行ってきたイタリアの実験作家Giovanni Di Domenicoに、その盟友として幾度もコラボレーションを重ねてきたベルギーのアーティスト、Pak Yan Lau、〈RVNG〉や〈Freedom To Spend〉といったレーベルの運営にも携わる作曲家、サウンド・デザイナー、JABことJohn Also Bennettによるトリオ作品が、Bennett主宰の〈Editions Basilic〉よりアナウンス。ベルギーの首都ブリュッセルで録音された4部構成の作品となっており、加工されたローズピアノ、陶器の焼けるような音色、液化したバスフルートが織りなす、波打つ錬金術の如しモダン・クラシカル・アンビエント作品に仕上がっています。限定300部。

Bitchin Bajasとの共演でも知られるJoshua Abrams率いるシカゴの異能集団、Natural Information Societyによる、ジャズ、モード音楽、伝統音楽の要素が融合した35分間にわたるミニマルな音の瞑想空間。一つのテーマを35分間にわたり反復・変奏し続けることで、音の持続と変化の微細さを探求。北アフリカの弦楽器ギンブリによる反復リフがが一定のグルーヴを保ちつつ、微細に変化する中、ハルモニウムやバスクラリネットが浮遊するように絡み合い、空間的な広がりが生まれてゆく。リズムは明確な拍子を持たず、緩やかでありながらも内的な緊張感が持続しており、今ここにいるようで、どこか遠くへ漂っているような、揺らぎのある音楽空間となっている。さらに深く、音と時間の哲学的探求を進めた作品。

