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アンゴラ発祥のクドゥロを独自のゲットーハウス・サウンドの文脈でアップデートしてきたポルトガル・リスボンの名レーベル<Principe>より、リスボン育ちで現在はパリを拠点とする、レーベルのキーアクトであるTMPの一員として最も初期に加入しレーベルの黎明期からの看板アーティストであるDJ LYCOXの新作アルバムが登場!!ロマンチックなメロウ・ビートはそのままに、普遍的でありながらアンダーグラウンドを核とする今作は、パーカッシブなドラム、温かみのあるアコースティックな音色、中東音楽のエッセンスも加わり、フロアーだけではなく自宅でのリスニングにも耐える好内容!


ブラジルを代表する歌姫であるジョイスが、当時の夫であったネルソン・アンジェロと共に残した72年録音作『Nelson Angelo E Joyce』がアナログ・リイシュー!シンプルかつ洗練された仕上がりとなったこのアルバムでは、ジョイスの優しい声とアンジェロのメランコリックなマントラ風の旋律を探求していくような、親密で暖かな雰囲気に満ちた素晴らしい世界観を表現。特に2人の情熱的な掛け合いのようなヴォーカルと反復されるサンバのリズム、ブリージンなアコースティックギターの響きの三位一体が心地好いバレアリック・サンバ"Tiro cruzado"が大変キラーな仕上がりです。
ブラジルを代表するシンガーソングライターであり、ブラジリアン・ソウルの帝王でもあるJorge Benの73年リリース10枚目のアルバム『10 Anos Depois』が<FUTURE SHOCK>より再発。彼のキャリアにおける最初の10年間の人気曲をメドレーとして再録音したコレクション!多くのアーティストにカヴァーされている名曲「Chove Chuva」でアルバムは始まり、「MAS QUE NADA」「ZAZUEIRA」「TAJ MAHAL」「PAIS TROPICAL」「FIO MARAVILHA」などおなじみの曲が、アップデート・バージョンとして収録されている。これらの曲はJorge Benの手によって再録音され、メドレー仕立てで完璧に繋ぎ合わされておりナイスなブラジリアングルーヴにどっぷり浸れて最高!

ブエノスアイレスの地下パーティから生まれ、2008年に設立。10年以上にわたってラテンアメリカ音楽の最前線に立ち、古典的なリズムやフォークロアの伝統に未来的な(そして、しばしばエレクトリックな)スピンをかけるアーティストたちのための空間を切り拓いてきた要所〈ZZK Records〉から、エクアドルのグループCrvzlomaのデビューEP『Mitos & Ritos』(神話と儀式)が登場!インバブラ州のボンバ・デル・チョタとサン・ジュアニートを中心とする儀式音楽、ウジャジやアネツと呼ばれるシュアール民族の神聖な祈りやアヤワスカやツァン・ツァの儀式にエレクトロニカ、グローバル・ベース、デンボウをフィーチャーしたミックス。それは神秘主義、ジャングル、ダンスフロアが重なり合う領域であり、エクアドルの伝統音楽の過去、現在、未来との対話を通したコンテンポラリーかつフューチャリスティックな音楽的アイデンティティの探求ともいる内容!

ブエノスアイレスの地下パーティから生まれ、2008年に設立。10年以上にわたってラテンアメリカ音楽の最前線に立ち、古典的なリズムやフォークロアの伝統に未来的な(そして、しばしばエレクトリックな)スピンをかけるアーティストたちのための空間を切り拓いてきた要所〈ZZK Records〉から、ダンスフロアに特化した新しいシリーズTORNAの第一弾としてブエノスアイレスを拠点とするコロンビア人プロデューサー、HermeticsのEPがリリース!ヒプノティックなアンデスのフルートと強化されたデンボウのリズムは古代的な神秘主義や魔法を想起させる。フォルクローレとサイケデリックな雰囲気がハイブリッドしたような独特の内容!


モロッコの「グナワ」音楽の巨匠Maalem Mahmoud Ganiaの息子Maalem Houssam Guiniaによる素晴らしい最新ソロアルバム『Dead of Night』が〈Hive Mind Records〉よりリリース。2022年1月3日の夜にTascamフィールド・レコーダーと2 本のマイクを使用して、カサブランカにある自宅での深夜のセッションで翌朝まで費やして録音した瑞々しい楽曲を収録。モロッコの生々しく奥深くスピリチュアルなグナワ音楽が、あなたを夜通し連れて行ってくれます...
アフリカのマニアックな音源を紹介しているブログ、Awesome Tapes from Africaが運営するレーベル第4弾。
エチオピアのワンマン・アコーディオン/キーボーディスト奏者Hailu Mergiaが、1985年にカセットテープのみでリリースしていた作品。アナログシンセ、ムーグ、アコーディオン、ローズ等を使用して、飛び出すそのサウンドはエチオピアの伝統音楽の旋律を基に、何とも言えないナマ緩いフニャフニャとしたムーグの音が攻め立てる、ユルユルなエチオピアン源泉掛け流し音源。何処となく日本的なアコーディオンのメロディも混ざって、なんとも形容し難い独特の聴き味です。黒人音楽や辺境音楽マニアは勿論、この珍味的ユルさは是非多くの人に聴いて頂きたい逸品です。Awesome Tapes From Africaの一連のリリースの中でもマストな内容。リマスターされており音質も完璧。
弊店でもお馴染み、アフリカ音楽復刻の名門<Soundway>から2016年にリリースされていた3LP+7"超特大版史上最高のナイジェリアン・ディスコ/ブギー・コンピレーション!!1970年代が生み出したアフロ・ビート、アフロ・ロック、アフロセントリックといった音楽における自分たちの文化的ルーツに留まらず、アメリカやヨーロッパで勃興しつつあった1980年代の新しい洗練された世界を視野に入れたディープ・ディスコ・サウンドからブギー&ポップへと移行していくまさにナイジェリアはラゴスの黄金期を捉えたあまりに素晴らしいコンピレーション!収録曲の質・量・レアリティーともに完璧の一言!
久保田麻琴プロデュースによる大城美佐子の未発表音源が7インチ・アナログ盤としてリリース!
2007年に沖縄・嘉手納のスタジオKadena Studio Oneにてレコーディングされた音源2曲が15年の時を経て、7インチ・アナログ盤として蘇る!
このレコーディングは久保田麻琴のプロデュースによって行われた奇跡的なセッションであり、国内では初披露となる貴重なもの。「ヤッチャー小(ぐゎ)」と続けてセットで唄われることが多い「泊高橋」が、単独の楽曲として演奏されておりとてもめずらしい録音となっている。
また、カップリングには大城美佐子の師匠である知名定繁の名曲「親(うや)ぬ心(くくる)」を収録。一番弟子の堀内加奈子との息の合った共演で、リラックスした艶のある唄声を聴かせている。
スリナム人ミュージシャンのアメリコ・ブリトーと、日本でも人気のオランダのマルチ・アーティスト、アープ・フリークのアフリカン・ディスコ発掘のエキスパートふたりによるアフリカの島国・カーボ・ヴェルデの未知なるファンクをまとめたコンピレーションが待望のリプレス!一部70年代音源も含む、ほとんどが80年代の録音。跳ねるリズムとサイケなギターと、一聴してそれとわかるデジタル黎明期の特徴的なシンセの音色と。ブギー・リバイバルを通過した、いかにも今の時代ならではと言えそうなエレクトリックなアフロ・ブギーの知られざる逸品など好内容がLP2枚に渡って収録!アフリカ音楽ガイドの定本『ポップ・アフリカ800』でも紹介されていたゼカ&ゼゼの楽曲も収録!

南インド古典音楽、カルナータカ音楽の現代最高峰声楽家が2000年に残したスピリチュアル大作『聴覚(Shravanam)』が高音質重視な逆向き再生仕様で初アナログ化。
イタリア電子音楽のパイオニア、イル・グアディアノ・デル・ファロによる1979年アルバム『Oasis』。日本のフュージョン・ギタリスト、鳥山雄司による80年代前半の実験的なイン スト楽曲を集めたコンピレーション『Choice Works 1982-1985』。大御所ビル・ラズウェルが手掛けたエチオピア人シンガー、ジジのデビュー作をラズウェル氏自ら2003年 にダブ・リミックスしたアルバム『Illuminated Audio』の初アナログ化と、国境とジャンルを超越したリリースを続ける東ロンドンを拠点にした再発盤専門レーベル、Time Capsuleの4作目は南インドの古典音楽に焦点を当てる。
2011年頃にこのアルバムを聞いて以来虜になったのが、レーベルプロデュースを務めるKay Suzuki。
「何と言ってもインド古典音楽の古いレコードにありがちな音質とは一 線を画した00年のスタジオ録音の匠が冴えるこの高クオリティなプロダクションにまずヤられた。毎回聴く度にこんな小さなアンサンブルがこんなに宇宙的で広大な音景色を作り上げている事に驚かされる程、各音が精密に作り込まれている。難解な拍子のパーカッションの音は全てがクリアに聴こえていて、それぞれがどんぴしゃの位置空間とタイミングのポケットに収まっている。このグルーヴを追いかけるだけでも意識は時間を超越した空間に持って行かれるが、更にこのゴージャスなドローンの上に乗る彼女のゴスペル・シンガーにも通じるヴィブラートを聞いていると、まるで万華鏡の様にメロディの中に更に細かいメロディが聴こえて来るんです」
Beauty & The BeatsのDJの一人であり、社会学の大学教授でインド古典音楽にも造詣が深いJeremy Gilbert氏がライナーノーツでも述べている通り、彼女の卓越した技術に裏付けられた深い精神世界の表現力は、古典インド伝統音楽全てに共通する目的、すなわち神への献身により、全ての創造の瞬間に内包する美と、宇宙そのものが一体 化するインド哲学の”梵我一如”の次元に、聴く者全てを導く力を秘めているのである。
■ 逆向き再生仕様 (レコードの内側から外側へ向かって再生) 。
■ ベルリン在住アーティスト、ペトラ・ピータファイによるオリジナルアートワーク。
■ 東ロンドン大学教授ジェレミー・ギルバートによるライナーノーツ。
■ リマスター:クラウディオ・パサヴァンティ(Sunlightsquare / Doctor Mix)
カイロ在住の作曲家、編曲家、マルチインストゥルメンタリストのナンシー・ムニールのデビュー作『Nozhet El Nofous』が<HOLIDAYS RECORDS>からリリース!アラビア語で「魂のプロムナード」を意味するタイトルを持つこのアルバムは20世紀初頭のエジプトの女性歌手たちのアーカイブ録音に、彼女自身が演奏したピアノやストリングスなどの伴奏をオーバーダビングした内容で、1930年代初頭にアラビア語のマッカム(モーダル・システム)やその他の音楽的基盤が標準化される以前の微分音、非計量リズムなどアラブ音楽のより自由奔放な時代の技法と視点を探求されている。情熱と欲望に取り憑かれた歌声に独自のアンビエント・アレンジを加えることで、温かく親しみやすい、しかしまったく新しいサウンドが素晴らしい!

1940年タブリーズ(イラン北西部)に生まれ、シャンソンタイプの歌曲の作曲から始まりその後映画界に進出し、数々の人気テーマの作曲家として名声を博したアルメニア人作曲家ハムレット・ミナシアンの1979年作『Armenian Pop Music』が〈Numero Group〉よりリリース!アルメニア民謡のオリジナル声楽曲やオーケストラ編曲も手がけ、ロマンスやバレエの作曲も数多く手がけているハムレット・ミナシアンのソロ作は、ユーロのアティテュードとアルメニアの伝統的な歌をハイブリッドさせ、異次元を思わせる長く催眠的なプロト・ハウスで、中東の忘れ去られたダンス・ミュージック文化の証と言える傑作!
ファンクでエリートと戦ったナイジェリアの双子による、ソウルフルでサイケデリック、フェミニストで革命的な音楽!ナイジェリアの国家独立と文化的黄金時代の始まりに音楽活動を行い、1970年代に五枚の重要なアルバムをリリースした数少ない女性主導のグループであり、一卵性双生児の姉妹であるYeye Taiwo LijaduとKehinde LijaduからなるThe Lijadu Sistersの画期的な1979年のアルバム『Horizon Unlimited』が、US名門〈Numero Group〉からリマスタリング仕様でアナログ再発。不滅のヒット曲"Come On Home"を生み出した伝説的な作品にして、彼女たちのハーモニーに満ちた歌声、先駆的なサウンド、先駆的なヴィジョンによる独特のパワフルなエネルギーが詰め込まれた、ソウルフルで影響力のある大傑作アフロビート・アルバム!



アフリカのマニアックな音源を紹介しているブログ、Awesome Tapes from Africaが放つ新作は、モーリタニアとの国境の近くに位置するマリのPeulhという僻地の現行女性音楽家による音源が登場!! 遊牧民が多く占める地域柄か、全編牧歌的で、フルートやひょうたん型の打楽器、ギター等現地に有ったであろうと推測される楽器を用いて伝統的音楽性も交えながら演奏された、まるで現地の工芸品を見るかのような美しい内容です。現地で女性の音楽家は稀であるそうですが、コンテストでAwesome Tapes from Africaにしては、かなり落ち着いた音楽性で幅広い音楽リスナーにお薦めです!!!


琉球民謡歌手、そしてネーネーズをはじめ数々の名プロデューサーとして言わずと知れた知名定男の13歳の時の伝説的なデビュー曲「スーキカンナー」 。
沖縄レコードコレクターの間でも入手困難な一枚をオリジナルマルタカレコード仕様で66年の歳月を経て、7inch Vinylでリイシュー。
B面はHARIKUYAMAKUの協力のもと、Nu-doh流にオリジナルを崩さず、現代の音楽とクロスオーバーさせ完成したNu-doh dub mixを収録。
数量限定生産でリリース。
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1958年に発表された知名定男の伝説的なデビュー曲「惣慶漢那(スーキカンナー)」が、この2024年ついに蘇る。
沖縄大衆文化のレジェンドである知名が「惣慶漢那(スーキカンナー)」を発表したのは13歳のとき。
その天才少年ぶりは滑らかで艶やかな歌声から一聴瞭然だ。「惣慶(スーキ)」と「漢那(カンナー)」とはどちらも沖縄の地名で、
歌詞には同地から箕ザルを売りにやってきた物売りの口上が盛り込まれている。その後、本部やコザ、勝連など各地の物売りたちの売り文句が続く楽しい1曲だ。
注目はB面。沖縄民謡や民俗芸能を現代ベースミュージック解釈で蘇らせるユニット、Churashima Navigatorでも活躍してきたプロデューサー/DJ、Nu-dohによる「惣慶漢那(スーキカンナー)」のダブステップ・リミックスが収められているのだ。
ずっしりとしたビートに三線が絡みついたのち、知名の歌とヘヴィーなベースラインが同時に鳴り響く興奮を何と言葉にすればいいだろうか。
この1曲のリミックスを作る前にNu-dohは知名のもとを訪れ、自分の思いを伝えるとともにリミックス制作の許しを得たのだという。
彼らしい「筋の通し方」が気迫のこもった音にしっかりと表れている。
マルタカレコードから発売された「惣慶漢那(スーキカンナー)」のオリジナル盤は現在高値で取引されているが、
今回はイギリスの名門スタジオ「Curve Pusher」がマスタリングとカッティングを手掛け、高音質でのリイシューとなった。
沖縄民謡のレガシーをどのように受け継ぎ、次の世代に伝えていくことができるのか。
この音盤に込められているのは音だけではない。スピリットもまたひとつひとつの溝に刻み込まれているのだ。
大石始(文筆家)
