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アウトサイダー風味抜群のボコーダーによるプロト・ハウス・サウンド。エレクトロニック・ミュージックの先駆者と言うべき偉人、Bruce Haack!未発表音源の数々を含む、ブルース・ハークの貴重な音源をコンパイル。本作は、彼のビジネスパートナー、Ted Pandelによって発見された213ものリール・テープに収録されていた未発表音源の編集盤で、1960年代から1970年代にかけて活躍した氏の素朴でポップなシンセ・サウンドやボコーダーなどによる時代を越えたミステリアスさを届ける奇妙で愛らしいトラックの数々を収録したユニークな一枚。電子サイケからモンド、ライブラリー・ミュージック辺りのキーワードに引っかかる方も必携ですよ!
忘れた頃にやってくるオメガポイントとエム・レコードのお騒がせ合同リリース。今回は、人間の脳波を用いた最初の音楽作品として知られるアルヴィン・ルシエの「一人の演奏家のための音楽」を、あろうことか60年代のジョン・ケージ一派が実演した壮絶な意味不明爆音塊。もう一つは、初期オメガポイントのリリースで現音マニアを震撼させた一柳慧の傑作「アピアランス」のマスターテープ音源という強烈二本立て。単なる希少価値を超えた、プロト・インダストリアルといえるこれら実験音楽の精髄をアンビエント流行の今爆音で浴び歴史的弁証法に問う!!
2月27日発売。今回の音源は一柳慧が自宅で発掘したテープから発見されたもので、1967年にミシガン州ホープ大学で行われたケージ、デイヴィッド・チュードア、一柳慧らによるコンサートの生録音である。
60年代中盤は、ケージとチュードアが電気的に増幅したパフォーマンスサウンドを開発していた只中であり、このホープ大学コンサートでも容赦のないアンプリファイド・パフォーマンス技法による爆音が放たれていた。ルシエの「一人の演奏家のための音楽」(1965年)は、現在、耳にできる中で最も作曲年に近い録音で、今回、世界初公開となる。この1967年版は、1982年にルシエとポーリン・オリヴェロスがLovely Musicから発表したものとは全く趣の異なる、ケージ一派の電気的リアリゼーション技術が施された内容で、事情を知らなければ近隣の道路工事にしか聞こえない形而下意味不明音塊。脳波の実演奏は名手チュードアが担当している。
一柳慧の「アピアランス」(1967年)は、かの『Source Magazine』誌上の巻頭で発表された当時の最新曲で、生演奏のエレクトロニクスとアコースティック楽器を混合した爆裂演奏にはケージも参加。この演奏自体は、2006年にオメガポイントからリリースされたものと同一内容だが、本作で使用したソーステープはマスターテープと考えられ、明らかにリニアリティが高く、音質が大幅に向上している。また、2006年版にはない聴衆の反応も収録された長尺版となる。
本作には、オメガポイントによる序文(テープ発見の経緯を解説)、一柳慧の「アピアランス」2006年解説の再掲、ルシエ作品の研究家で生前より作家と交流のあったサウンドアーティスト佐藤実による解説を収録。(※ジャケット図版は「一人の演奏家のための音楽」のセット図)

「ホーム・ビフォア・ダーク」はエム・レコードの再発で知った大好きな曲。この曲を、大好きなバンドゑでぃまぁこんがカバーしたら最高だろうな、と思っていたらやはり最高!夢が叶いました。」(坂本慎太郎)
ゑでぃまぁこんが、ノラ・ガスリーの名曲を、坂本慎太郎とゑでゐ鼓雨磨の共作オリジナル日本語詞でカヴァーした、良き出会いの繋がりが生んだ二重三重の夢の結晶。トルソ(TORSO)によるドリーミー管弦楽リコンポジション版をカップリングした夢のWサイダー。(ポップスの神様はまだ日本にいらっしゃいました。)
ノラ・ガスリーのたった1枚のシングル「Emily’s Illness c/w Home BeforeDark」(1967年)は、2009年の復刻リリース以来、マニアの秘匿曲を越えて内外に拡がりました。当初は、19世紀アール・ヌーヴォー的耽美をビーチボーイズ『Pet Sounds』風のサウンドで綴った美しい奇曲「Emily’s Ilness」推しだったのですが(※1)、しだいにB面曲「ホーム・ビフォア・ダーク」がミュージシャン達を魅了しはじめ(※2)、伝えられるところではエゴラッピン、ティーンネイジ・ファンクラブ、テニスコーツ & yumboがライブで取り上げて流布していった模様。しかし、まさかこのような予想もしない素晴らしい録音に出会えるとは!!本作は、もともと坂本慎太郎の発案で、ゑでぃまぁこんバンドでプライヴェート録音したもの(同氏の「P」審美眼にリスペクト)。公開目的ではなかったこの隠密録音の噂がエムに届き、長きにわたる円(縁)のループが繋がったような作品をお届けすることになりました。装丁画はゑでゐ鼓雨磨。
=カップリング曲秘話=
カップリング曲の制作は元曲を知らないトルソに打診し、ゑでぃまぁこん版のヴォーカルと旋律楽器パートを抜いたベーシックトラックを渡して、ほとんど目隠し状態でのリコンポジションを依頼(制作中はググり禁止)。当初はシンプルにOrieとKenjiの演奏を被せた合奏で……という趣旨でしたが、この無茶な実験要求に応えたトルソは、最終的にベーシックトラックをも抜きとった叛逆的かつ優雅なリコンポジションを送りつけてきて、このオリジナル曲の出来栄えに一同平伏!
注釈:
1)「Emily’s Illness」は、19世紀アメリカの詩人、エミリー・ディキンソンへのトリビュートと思われる。
2)ガスリーと作者エリック・アイズナーは当時アストラッド・ジルベルトの大ファンだった。初期アストラッドのたどたどしいボサノヴァ歌唱とノラの歌う「Home Before Dark」を頭の中でダブらせて再生してみてほしい。
=作品仕様=
+ 3 面折り込みジャケット
+ 歌詞掲載
TRACKS:
Side A - ホーム・ビフォア・ダーク
Side B - ホーム・ビフォア・ダーク(Recomposed by TORSO)
![Takao - Stealth [2026 repress/original artwork] (LP)](http://meditations.jp/cdn/shop/files/a0453915452_10_{width}x.jpg?v=1775196337)
クラシック音楽の素地とゲーム音楽的感性をニューエイジ・リバイバル下で結びつけた、Takaoのデビュー作にしてタイムレスな名盤『ステルス』(2018)。内外からの要望にお応えしLP版を再プレスします。本エディションは、TakaoがBandcampでの自主リリース時に使用した本人デザインのオリジナル・アートワークを再現。Takaoによる作品解説も新たに掲載しています。
濱瀬元彦、武満徹、新津章夫、ヤン富田、Sean McCann等々に影響を受けたと語るタカオですが、これら先達に新旧有名無名の区別はなく、ただアクセスした特定の作品が作家の創作意欲を突き動かしたのみで、そこから得たインスピレーションを衒いなく定着させたのがこの『Stealth』です。極めて抽象性の高い『ステルス』の楽曲群は、静かな美しさと深さを備えるいっぽう、圧倒的な存在感を放っています。1年半かけて仕上げたという本作は、13曲で33分という、この種のアルバム作品では異端的な短さであり、かつ、ひとつとして同じ体裁の曲がないにもかかわらず、シームレスな音響体験ができます。それらは装丁にあるような晴れた日の海の表情を映し出しているかのようです(写真はTakaoが湘南で撮影したもの)。

Dennis Taylorによる、1983年に300枚のみ自主制作された幻のソロギター作品『Dayspring』。60〜70年代にガレージロックやジャズ、フォーク・フュージョンで活動していたTaylorが、Leo Kottkeとの出会いをきっかけに10年以上かけて書き溜めた楽曲を、全曲ワンテイクで録音したというストイックな一枚。John Fahey、Leo Kottkeの流れを汲みつつも、より柔らかく、朝の光のように澄んだ音像が印象的で、フィンガーピッキングの美しさと間の感覚が際立ち、それぞれの楽曲は風景を見るようにイメージが広がる。フォークロアな実験精神とニューエイジ的な透明感が自然に溶け合い、アメリカン・プリミティヴとアンビエントの境界を漂う独自の世界観を形成している。

奇才Michael Masleyが、1985年に自主制作で発表した異色作『Cymbalom Solos』。東欧の伝統的打弦楽器ツィンバロムを、自作の指装着型ハンマーと弓デバイスを用いて、叩く・弾く・擦るを同時に行う独自の奏法で操り、オーバーダブなしのソロ演奏とは思えない多層的な音世界を構築。音階やフレーズには東欧の民族音楽の影響がありつつ、反復構造はミニマル・ミュージック的。倍音がきらめき、ケルト音楽の旋律感や、ニューエイジ、コズミッシェ的な浮遊感までが自然に溶け合う。ストリート・パフォーマーとしての素朴さと、音響探求者としての超越性が同時に息づく、路上で生まれた音がそのまま宇宙へ飛び立つような独特のスケール感に満ちた人力瞑想音楽。

磯田健一郎とausことYasuhiko Fukuzonoによる、世代とスタイルを超えたコラボレーションから生まれた静けさ、余白、音の呼吸を徹底的に追求した、静謐で深い作品『Interwoven』。磯田健一郎の伝説的作品「Oscilation Circuit – Série Réflexion 1」に通じる精神性と aus の繊細なメロディと電子処理が溶け合い、日本アンビエントの系譜を継ぐ、深い静寂と透明感を醸し出す。余白を活かしたピアノ、霞のようなシンセ、風景の断片のようなフィールドレコーディングにより構成されるミニマリズムを極限まで蒸留したサウンドで、八丈島と東京で録音された自然音と都市の静けさが混ざり合う、独特の空気感が魅力的。心が整う環境音楽の到達点。
バイーア出身の伝説的デュオ Antonio Carlos & Jocafi が、Adrian Younge と Ali Shaheed Muhammad(A Tribe Called Quest)と共に制作した最新作『JID026』。バイーア特有のリズム感とメロディと、〈Jazz Is Dead〉特有のアナログでソウルフルな質感が自然に溶け合い、サンバ、MPB、ファンク、ジャズが呼吸するように行き来する。ロサンゼルスでの直感的なセッションを軸にした録音は、生演奏の揺らぎや余白をそのまま封じ込め、50年以上のキャリアを持つ二人のメロディセンスと、Adrian Younge のシネマティックなアレンジ、Ali Shaheed Muhammad のヒップホップ的グルーヴが有機的に絡み合う。70年代ブラジル音楽の温度感と、現代LAのブラックミュージック美学が共存する一枚。

Radwan Ghazi MoumnehとFrédéric D. Oberlandによるデュオ名義での初アルバムで、二人が共有してきた音の言語を、より直接的で感情の振幅が大きい形で結晶させた作品『Eternal Life No End』。アルバムは2023年、モントリオールで始まった即興デュオ・セッションを起点に、2年をかけて発展。暴力的な政治状況への怒りと深い悲しみを背景に、ブズーク、ラバーバ、クラリノー、サックス、そして震える電子音が交差し、Moumnehのアラビア語の歌声がその中心を貫く。アラビア語の副題「ليلة ظلماء ملعونة، كحياة طالبيها(求める者たちのように、暗く呪われた夜)」が示すように、この作品は抗議であり、同時に哀歌でもある。トランスめいたパーカッション、加工された弦、低く唸るベースが深い陰影を生み、Oberlandのサックスやシンセが、Moumnehの声とブズークを包み込みながら、音楽にうねりと広がりを与えている。電子音と伝統楽器、声が交差し、いまを生きる痛みと抵抗の感情を鋭く刻みつける作品。
話題の民謡レゲエ遂にアナログ・リリース!
デビュー50周年を迎える民謡界を代表するシンガー金沢明子の民謡とレゲエを融合したキラーチューンが遂に正規リリース。
現在海外から再評価を受けている国産ダンスミュージックの草分けFAR EAST RECORDINGSの設立者である寺田創一が手掛け大ヒットしたアルバム「HOUSE MIX1」(1991年リリース)に収録のナンバー(「秋田音頭~秋田大黒舞」メドレー)。
リリース当時、アルバムをアレンジした寺田創一の発案により、プロモーション用に非売品7inchレコードが作成されていたが、このほど当時同様にオリジナル・アレンジャー寺田創一のエディットによる7インチ・シングルの正規発売が決定。配信もスタート。
トラックリスト:
Side A
1. 秋田大黒舞
Side B
1. 秋田音頭
![ジャックス Jacks - ジャックスの世界 Vacant World [EMIレッド・ヴァイナル] (LP)](http://meditations.jp/cdn/shop/files/4988031802946_{width}x.jpg?v=1767949601)
日本のロック黎明期に生み出されたジャックスによる比類なきデビュー作を、1968年9月10日発売の東芝音楽工業オリジナル赤盤を模したカラーレコードにて再発。心の奥底を抉り出したかのようなダークでフリーキーな歌詞とサウンドが、後のシーンに大きな影響を与えたアルバム本編全10曲に、同時期にリリースされたアルバム未収録のシングルA面曲「この道」を追加収録。
トラックリスト:
Side A
1. マリアンヌ
2. 時計をとめて
3. からっぽの世界
4. われた鏡の中から
5. 裏切りの季節
Side B
1. ラブ・ジェネレーション
2. 薔薇卍
3. どこへ
4. 遠い海へ旅に出た私の恋人
5. つめたい空から500マイル
6. この道*
*ボーナス・トラック

シカゴ音響派の中心にいた5人が、録音スタジオを楽器として扱いながら作り上げた1994年の革新的デビュー作『Tortoise』。 ミニマル、ジャズ、ダブ、エレクトロニカを溶かし込み、後にポストロックと呼ばれるジャンルの基礎を形作った名盤。メンバー全員がマルチ奏者として楽器を持ち替えながら、リズムと質感を中心に据えたアンサンブルを構築。Tortoiseがもともとベース2名と打楽器3名という珍しい編成で結成されたことからも分かるように、複数のベースが重層的な低音の地形をつくり、3人のドラマーがミニマルな反復とダブ的な空間処理で立体的なグルーヴを生み出す。ヴィブラフォンやパーカッションも加わり、後に開花するアフロビート志向はもとより、ジャマイカン・ダブやエチオ・ジャズの影響が強く感じられ、ヴォーカルやギターソロが無いとは思えない豊かな音像が広がる。ポストロックの原点にして、Tortoiseの美学がすでに完成していたことを示す決定的デビュー作。

2026年リプレス!シカゴのポストロックを象徴するバンドTortoiseが1996年に発表した2ndアルバムで、ポストロックというジャンルを世界的に定着させた決定的作品。冒頭を飾る20分超の大作「Djed」 は、ミニマル、ダブ、ジャズ、エレクトロニカ、クラウトロックの要素が有機的に連なり、ロックの枠を越えた構造的な音響作品として高く評価されている。新加入した元SlintのDavid Pajoを含む当時のメンバーによる緻密なアンサンブルと、John McEntireの透明感あるプロダクションが、画期的なサウンドを生み出した。静と動を往復する構築美に満ちた楽曲群は、ジャズ的な柔軟性とロックのダイナミズムを併せ持ち、今なお多くのアーティストに影響を与え続ける名盤。

南條麻人が最も長く続けたプロジェクトのひとつで、High Rise、Musica Transonic、Toho Sara とは異なる、もう一つのサイケデリック宇宙を示す存在とされる、1990年代東京アンダーグラウンドの深淵、狼の時間。1992年に録音されながら、当時は南條麻人自身のレーベルである〈La Musica〉の限定ハンドメイド・カセットやCD-Rとしてのみ流通した作品が初のヴァイナル化!収録されているのは、当時「Black Tape」用に録られながら未使用だったテイクや初期スタジオデモで、アシッド感の強いギター、重心の低いベース、暴発寸前のドラムが渦を巻き、粗削りで幻覚的なサウンドが生々しく立ち上がる。ローファイな録音質がむしろ魅力となり、地下深くでうごめくようなサイケデリアと即興性がそのまま封じ込められた一枚。南條麻人の音楽世界の未踏領域を照らす重要作!
ブラジル出身でLAを拠点に活動するギタリストFabiano do NascimentoによるブラジルのルーツとLAの実験的な音楽文化を融合させた、静かで深いアコースティック作品。本作は、ブラジル南東部ミナス州でのセッションと、日本での録音を組み合わせた作品で、ブラジルの伝説的グループUaktiのPaulo Santosや、インド古典音楽のタブラ奏者U-zhaanなど、多国籍の演奏家が参加。7弦ギターの柔らかなアルペジオを中心に、タブラや自作楽器による多国籍なパーカッション、環境音、エレクトロニクスが立体的な空間を作り、アンビエント、ブラジリアン・ジャズ、フォークの境界を漂うサウンドが生まれている。ブラジルの伝統音楽、ミナスの空気、LAの実験性がひとつに溶け合う、有機的な音世界。

20世紀アラブ音楽を語るうえで欠かせない巨匠Farid El Atrache。シリア生まれ、レバノンで活動し、歌手・作曲家・俳優、そしてウードの名手として数百曲を残した彼の1930〜40年代の初期録音をまとめたコンピレーション『The Early Years』。「Eel Youm Dah Youm Eltekana」「Gamil Gamal」「Wayak Wayak」など全8曲はいずれも黄金期アラブ歌謡の原型ともいえる名演で、深く伸びる歌声としなやかなウードの旋律が、シンプルな編成の中で鮮烈に響く。初期録音ならではの親密な空気感があり、旋律の美しさと声のニュアンスがそのまま立ち上がる。アラブ古典歌謡、ウード音楽、ヴィンテージ録音の魅力を凝縮したような一枚で、Farid El Atracheの原点に触れられる貴重なアルバム。

後年、職業音楽家として名を成すある若者が1984年に自費出版した幻の異端シンセLP、ここに遂に公式復刻!! 80年代初期ニューヨークのアヴァンギャルド・ムーブメントの熱気にくらったいち日本人のアウトサイダーDIY精神爆発の刻印。シンセ一台とヴォイスのみで表現されたこのウルトラローファイな初期衝動的探求は、シニシズムが蔓延する時代、内なる「人間」DNAを揺り起こす。これは現代の神話である。
『Music in DNA』は、1980年代初頭のニューヨークに滞在し、故郷のしがらみから解放された日本人青年、Yasuhito Ohnoが自主制作したLPで、音楽、絵画、パフォーマンスといった当時の様々な前衛的ムーブメントと80年代ニューヨークの地産地消エネルギーにインスパイアされた、「外部」としてのDIY精神が溢れ出る情熱の結晶体。Ohnoはポリフォニック・シンセサイザーの傑作、Roland Juno-60と4トラックマルチレコーダーのたった2台の機材と自身のヴォイスを用いて、若々しい「エッジ」を開放的なローファイ音楽の探求へと注ぎ込みました。全体が奔放な魅力に満ちており、それは、新しい世界に飛び込んで戯れる生々しくフレッシュな人間の精神の開放。Ohnoは、DNA研究、パーソナルコンピューティング、初期のコンピュータグラフィックスといった当時の技術開発全般がもたらす人間的な可能性にも触発されており、収録曲の一部は初期CGのデモ映像のバックグラウンド音楽に使われ、また、本作のジャケットは初期のCGアートです。その後、彼は日本で職業音楽家となりますが、『Music in DNA』は、表現技術を磨く以前の、ひとりのアーティストの作家性の始原を記録したドキュメントであり、極限状態にある剥き出しの無垢が、啓蒙以前の先史神話のように我々に迫ります。シニシズムが蔓延する時代、『Music in DNA』は、寛大な無邪気さとありのままの自分を蘇らせる唯一無比の作品です。ライナーに掲載したYasuhito Ohnoの寄稿は、我々が失っているものを肩の力を抜いて鋭く問いかける名文!
限定100部カラーヴァイナル仕様。Gigi Masinが特別プレゼンターとして紹介する、イタリアのアンビエント・ユニットUp To 23の2ndアルバム。Marco BuffettiとFrancesco Fincatoに加え、本作からEnrico Coniglioが正式加入し、3名体制へと拡張。80年代SF映画のサウンドトラックから強く影響を受けたという本作は、アンビエント/エレクトロニックを軸に、ドゥーム的な暗さとロマンティックな光が同居する独特の世界を構築。シンセの揺らぎと深いリバーブ、霧のように漂うギターが重なり、過去に想像された未来の風景を思わせる。Gigi Masinの美学を受け継ぎながら、Up To 23ならではのメランコリックな質感が際立つ1枚。
限定100部カラーヴァイナル仕様。イタリアのアンビエント作家Fabio Orsiの最新作は、静かで柔らかく、薄明かりのようなアンビエンスから始まり、曲が進むにつれて天上へ昇るように広がっていく構成が印象的。穏やかさと上昇感が同居するサウンドは、Orsi の近年の電子音楽的アプローチをさらに洗練させたもので、静謐な冷たい空気の中で、隠されたものが少しずつ声を持ち始めるような、詩的でエモーショナルなアンビエント作品。
DeepChord、Echospaceの中心人物たるRod Modellによる最新アンビエント作品『Frequencies In The Fog』。Pt.1 と Pt.2 の2曲構成で、パッドを中心としたミニマルな音の軌跡、控えめに配置された電子音の粒子、ゆっくりと深く包み込む低音が持続的に重なり合う。逆再生処理された判別しにくい声の残響や、停滞する静寂と円環的な動きが交互に現れ、厚い霧の層の奥から現実の風景が断片的に浮かび上がっては消えていくよう。Rod Modellらしい深海のような音響と環境音の抽象化が研ぎ澄まされた一枚。
DeepChord、Echospaceの中心人物たるRod Modellによる洞窟の奥深くを進むようなディープ・アンビエント作品『Grotto of the Sun』。Pt.1 と Pt.2 の2曲構成で、水が滴る音やせせらぎのような揺らぎ、低く深い脈動、ざわめき・きしみ・風のようなノイズに突然差し込む光のような明るい音の層が折り重なり、抽象的でありながら強い情緒とドラマ性を帯びたサウンドスケープが展開する。音は一見静かで瞑想的だが、実際には細部まで緻密に作り込まれており、Rod Modellらしい深海的アンビエントが、洞窟というモチーフを得てさらに濃密になったような一枚。

スイスの大名門〈WRWTFWW Records〉が手がける、アンビエント、ミニマル、実験音楽のコンピレーション・シリーズ第2弾『Art Form 2』。日本アンビエント、ニューエイジ、ミニマル、実験音楽、バレアリックなど、レーベルが大切にする静けさと質感を軸にした選曲で、80年代〜90年代の環境音楽の精神を現代的にアップデートしたような内容。シンセの柔らかなレイヤー、透明感のあるピアノ、風景の断片のようなフィールド録音、穏やかなドローンなど、参加アーティストそれぞれが独自のアプローチで音の空間を描き出している。曲ごとに異なる質感を持ちながら、アルバム全体としては深い静寂と統一感が漂っており、生活に寄り添いながらも静けさの中に豊かな色彩があり、耳を澄ませば深い音響世界が広がる。

スイスの大名門〈WRWTFWW Records〉が手がける、アンビエント、ミニマル、実験音楽のコンピレーション・シリーズ第1弾『Art Form I』。日本アンビエント、ニューエイジ、ミニマル、実験音楽、バレアリックなど、レーベルが大切にする静けさと質感を軸にした選曲で、ピアノ、シンセ、フィールドレコーディング、ドローン、アコースティック楽器など、それぞれのアーティストが独自の音響空間を構築。曲ごとに風景が変わるような、コンピレーションならではの楽しさと、全体として漂う深い静寂と統一感が魅力的。第2弾と比べて、オーガニックな透明感と余白の美しさが際立っており、静かで、深く、心を整える一枚。
