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11月下旬再入荷。1980年代後半、ルワンダの歌手 ビジムング・ディウドネが妻の アグネス・ウンビビジ、家族や友人からなるバンドとともに発表した自主制作カセット『Inzovu Y'Imirindi』が〈Mississippi Records〉よりヴァイナル・リイシュー!エレクトリック・ギターを用いて、細やかなリフ、うねるようなベースライン、コール&レスポンスのヴォーカルを基盤に、伝統的なルワンダの賛歌を再構築した催眠的でトランシーな音楽性は、当時の東アフリカ音楽シーンにおいて孤高の存在感を放っていたという。歌詞は自然の美しさや古代の神々を称えるものから、分断された国の統合を訴えるものまで幅広く、後者は1994年のルワンダ虐殺を不気味に予兆するかのようで、悲劇的にも、ディウドネとアグネスを含むグループのメンバーはその虐殺で命を落とし、その音楽は長らく忘れ去られてしまう。2018年、音楽研究者 マシュー・ラヴォワ によって再び注目され、調査が進められた結果、2022年に、当時8歳で両親を失った娘 ノエラ をキガリで発見。奇跡的に彼女が所蔵していたマスター音源のCDから、本作が復活することに。今回のリイシューでは、丁寧なリマスタリングと高品質なヴァイナル・プレスによって、失われかけたルワンダ音楽史の一章を蘇らせるとともに、家族と国の悲劇を乗り越え、新たな世代へと届ける貴重な証言とも言うべき一枚となっている。

聖なるミニマリズム の先駆者、エストニアの作曲家アルヴォ・ペルトのアルバムが〈Mississippi Records〉よりリリース!このアルバムには、ペルトの最も有名な協奏曲『タブラ・ラサ』の第2楽章である「サレンティウム」の未発表演奏を中心に4つの作品が収録されており、ボストンを拠点とする室内オーケストラ、ア・ファー・クライが演奏している。「サレンティウム」は1984年にECMからリリースされた最もよく知られたバージョンのほぼ半分の速度で、死にゆく人を癒す効果があることで知られ、緩和ケア施設でもよく使われるこの曲は(ある患者はこの曲を「天使の音楽」と呼んだことで有名)、半分の速度では息をのむほど美しく、まるで時間そのものが静止しているかのよう。他の収録作である「Vater Unser (Arr. for trombone & string ensemble)」、「アリヌシュカのための変奏曲」、「弦楽と打楽器のためのフラトレス」も美しく、充実した内容!

Meditationsでもベストセラーな1960年代から活動するエチオピアの女性ピアニスト、Tsege Mariam Gebruのナンと秘蔵初出音源がリリース!
Erik Satie, Debussyなどの西洋音楽のエッセンスとエチオピア教会音楽の悠久の歴史が物語る神聖美が邂逅し、アフリカの約束の大地の上にて魂の脈打つ鼓動と瞑想の響きが混ざり合った孤高の音楽であり、女性版Dollar Brandとも言える感動的なモダン・クラシカル。ピアノのみの純粋な音楽性とレトロな音質がたまりません。スピリチュアルな音源がお好きな方は当然マストですが、幅広い音楽ファンへとお薦めしたい果てなき霊性漂うマスターピース。

限定100部のCD版。前作『All Is Sound』は弊店でも大ヒット!ポートランドの「偉大なブラックミュージック」の最高の実践者、The Cosmic Tones Research Trioによる2作目のアルバムが登場!前作で打ち出された静けさ、空間性、ロングトーンの美学を引き継ぎつつ、さらにリズム的な力強さと肉体性が加わっており、表面的には癒しやメディテーショナルな穏やかな音楽に聴こえるが、じっくり耳を澄ませると、ルーツ音楽やスピリチュアル・ジャズの語法が下地にしっかり息づいているのがわかる。編成は、チェロ、サックス、ピアノ、フルートというアコースティックな楽器群で、即興を中心に据えながらも、それぞれの音は丁寧に間を取り、余白や沈黙までも音楽として活かすようなアンサンブルになっている。祈りや対話の気配がありつつ、ときにはゴスペル的な魂のこもったメロディが立ち現れ、またある瞬間にはブルースの深みを思わせるしみじみとしたトーンも顔を出す。精神性と有機的なグルーヴやうねりを両立する、心の静寂を求める人にも、深い音楽的な探究を求める人にも響く傑作。

1月中旬再入荷。オリジナルは1973年リリースの、修道女Sister Irene O'Connorによる自主制作作品として長らくカルト的評価を得てきた伝説的アルバム『Fire of God’s Love』。オコナーはフランシスカン・ミッショナリーズ・オブ・メアリー修道会に所属するカトリック修道女で、教育や奉仕の傍ら音楽活動に携わってきた。1960年代にはシンガポールでギターを手にし、子どもたちと歌う中で作曲を始め、70年代に入り、同じ修道女で録音技師でもあったシスター・マリミル・ロブレガットとともにシドニーのカトリック放送局のスタジオでこのアルバムを制作。オルガン、ピアノ、アコースティックギターを主体に、チープなリズムボックスやベースペダル、そして大量のリヴァーブを駆使し、オコナーはソプラノで英語・ラテン語・マレー語の詞を歌い、同時にオルガンの全パートを演奏している。マリミルの技術と感性による録音・ミキシングは、清らかでありながら異世界的。霊的で恍惚感のある響きとなっている。歌詞のテーマは「慈悲」「光」「救済」といった聖書的題材に根差していながらも、音楽的には形式的な讃美歌ではなく、フォークや当時のサイケデリック、さらには早すぎたシンセポップを思わせる響きを含んでいるようで、モンド、電子音楽、カルト・アンビエント、フィメール・フォークなど多様な文脈で語られる稀有な作品となっている。修道院という閉ざされた環境から生まれながらも、時代もジャンルも超えてリスナーを魅了し続ける奇跡の一枚であり、無二のスピリチュアル・ポップ/サイケデリック・フォークの古典。長らく入手困難だったが、〈Freedom To Spend〉によってリマスターが施され、公式に復刻。詳細なライナーノーツと歌詞を収めたブックレットも付属した価値ある再発。

ヴァージニア州、メヘリン川沿いに残る18世紀の酪農農場。2023年9月、この場所にノースカロライナ周辺の音楽仲間9人が集まり、家の居間と食堂を即席スタジオに仕立てて録音したアルバム『Diamond Grove』。Weirsは固定したメンバーを持たず、オールドタイム音楽とDIYノイズを自由に横断する共同体的な集団で、ここではSluiceやMagic Tuber Stringbandの面々を含む編成で、夜が更けるまで古い歌や旋律に取り組んでいる。彼らは、忘れ去られそうな古い楽曲を収集し、Guided by VoicesのようなインディーロックからJean Ritchieのようなフォークまで、幅広い影響を融合させており、その音楽は伝統を保存するのではなく、伝統をどう生かすかを問い直すもので、古い賛美歌をMIDI化してiPhoneスピーカー越しに鳴らし直したり、ゴスペルを納屋の残響ごと封じ込めたりと、音の場そのものを演奏と同等の要素として扱っている。その結果、古い旋律は再現されると言うよりも、今この瞬間にふっと立ち上がって、リスナーの前に姿を現すのように響く。本作は、農場の古い建物、土地の記憶、夜の虫の声までが音楽の一部になっており、トラッド/フォークの純粋性を疑いながら、それでも歌の命脈をつなぎ、今日の耳にどう届きうるかを模索している。その本質はフォーク・リヴァイヴァルよりもむしろミュジーク・コンクレートやローファイ実験音楽の感覚に近いもので、アウトサイダー・フォークの系譜にありつつ、地域性と現代感覚を交差させたユニークな一枚。

ジョージ・フロイドの殺害事件を受けた世界的な反レイシスト抗議運動に刺激され、イギリスの人種差別に対する資金調達を目的として2020年に発表したミックステープ作品『hybtwibt?』が、PitchforkやBandcampでも「2020年のベスト・アンビエント・アルバム」の一つとしても取り上げられていた名ユニットの2021年人気作!!〈Where To Now?〉や〈Alter〉〈Sferic〉といった各地の尖鋭的なレーベルにも顔を出してきた英国・マンチェスター拠点の要注目エクスペリメンタル・デュオであり、Joshua Inyang & Joshua Tarelleからなる"Space Afrika"が名門〈Dais〉からニュー・アルバムをアナログ・リリース!ガラージ、ジャングル、グライム、ドリーム・ポップまでもパルスやパッドのきらびやかな軌跡の中へと液化させ、Dean Blunt、DJ Spooky、Cocteau Twins、Kleinの音楽までをも蝋燭のような物語へと煮詰めたような大作!!!

1月中旬再入荷。Psychic TVやThrobbing Gristleでの活動も知られるPeter 'Sleazy' ChristophersonとJohn Balanceが率いたカルト・インダストリアル/エレクトロニック・ユニット、Coil。そのメンバーDrew McDowallが単独で録音した粗いデモ・テープを、バンドメイトのJohn BalanceとPeter Christophersonが完成させた、最小限のポスト・プロダクションで録音された4編のドローンを収めた傑作『Time Machines』が〈Dais Records〉よりアナログ再発。チベットやその他の宗教の儀式音楽からインスピレーションされ、音楽に没入して瞑想したり、トランス状態になることを目的とした、まさに時間を溶かすような深遠で幻覚的な長編ドローンの史上に残る傑作アルバム。


1月中旬再入荷。ニューウェイヴ/ディスコ/世界音楽な80年代ドイツの伝説的な女性デュオ、Saada Bonaire。Dennis BovellプロデュースのYou Could Be More As You Areを始め、フュージョン、アフリカ的民族風味、ニューウェイヴの軽いシンセ、ダブなど当時の込み入ったポップ手法を駆使しつつも、影の重鎮DJ Ralf Behrendtによるプロデュース、アイコン的女性2人の気怠く妖艶なイメージが、見事に独自の空気を作り出してます。なにより随所に散りばめられた音響具合がいちいち格好良い。EMIからの2曲のシングル+10曲を加えた編集盤仕様。Captured Tracksの名仕事ですね。

レバノン出身のバンドSANAMによる2ndアルバム『Sametou Sawtan』。タイトルはアラビア語で「私は声を聞いた」という意味で、霊的でも不気味でもあるこの言葉が象徴するように、その音楽は音と言葉が心を揺さぶり、聴く者を今この瞬間へと引き戻す。ロックやジャズの自由な枠組みとアラブ音楽の深い伝統がぶつかり合い、情熱的なバラードと荒々しい即興演奏が交錯。詞作は前作同様、古今東西の詩や歌から引用し、現代的な意味を与え直すもの。エジプト民謡を再構築した「Hamam」、レバノンの現代詩人ポール・シャウルの詩をハードロックで爆発させる「Hadikat Al Ams」、12世紀の詩人オマル・ハイヤームの詩を用いた「Sayl Damei」やタイトル曲などが収録されている。過去の遺産を借りながら、燃えるようなライブ感と深い感情表現で、現代アラブ圏の新しいサウンドを切り拓く一枚!

1月中旬再入荷。world's end girlfriendの昨年作に惹かれた方にも!!!戦争犯罪、見て見ないふり、深い愛と嘆き。イスラエルとパレスチナの紛争を明確に示唆した、今年度最重要クラスの大傑作!ケベック・モントリオールで結成されたポスト・ロック・シーンを代表する屈指のバンド、Godspeed You Black Emperor!による8枚目となる”タイトル無し”の最新スタジオ・アルバムが〈Constellation〉から重量盤2枚組LPで登場!

現在、世界で最も人気のドラマーの1人であり、Clairo、Solange、Adele、Bruno Marsなどの共演も知られるHomer Steinweiss(ex-Holy Hive)によるソロデビュー作であり、ミュージシャンとしてもプロデューサーとしても最前線に立っている事を示す『Ensatina』が〈Big Crown Records〉からアナログ・リリース。現代的なラブソング"Deep Sea"、インスピレーションとメランコリーが並置された"Start Select"、そしてB面のソウルバラードを驚くほど現代的に解釈した”Forever and Ever and Ever and Ever”など珠玉のソウル・ナンバーの数々を収録しています。

Khruangbinの名曲“Maria También”のカヴァーも収録!世界中でカルト的なファンを集めるドイツ・ハンブルク出身のミステリアスなスティールパン・バンド、Bacao Rhythm & Steel Band。トリニダード・トバゴの伝統的なスティールパンへの独自のアプローチで独自の音楽を作り上げてきた彼らの最新アルバムが〈Big Crown Records〉から登場!2008年から2023年にかけて制作された卓越的なトラックの数々を網羅した内容となっている本作では、バカオのレンズを通してヒップホップからジャズ、ソウル、ポップスまで様々なジャンルを横断します。

「シネマティック・ソウル」とも評される独自ブランドなサウンドでも知られてきたNYC拠点のインストゥルメンタル・ファンク/ソウル・バンドであり、〈Big Crown Records〉の代表的な存在ことEl Michels Affair。名ヒップホップ・グループThe RootsのBlack Thoughtとの23年度最新コラボレーション・アルバム『Glorious Game』の2024年インストゥルメンタル・ヴァージョン!
弊店でもお馴染みHailu Mergia And The Walias Bandの1975年にカセットオンリーでリリースていたTezetaが、アフリカのマニアックな音源を紹介しているブログ&レーベル〈Awesome Tapes From Africa〉よりリマスター&リイシュー!バンドの初めてのフルレングスアルバムで、アディスアベバ・ヒルトンのナイトクラブで録音され、プロモーションはメンバー自身による街頭での手渡しという、リリースから45年以上にわたりその存在が知られることすらあまりなかった大変貴重な音源で、初めての復刻となります。とにかくゆるゆるに縦横無尽にグニャグニャに曲がりまくったベースやキーボード、シンセ、ギターがお互いに絡み合うような摩訶不思議な音世界は最初期から健在、どころか、よりシンプルにそれのみを提示してくるようなとんでもない内容!エチオピアの音楽世界は計り知れません‥‥。後年に発表されるHailu Mergiaのソロ作品の珍味的なユルさをバンドでやってしまっているような本作はぜひ多くの人に聴いていただきたい内容です。
同国産のジャズやブギー、アフロ・ハウス、クワイトなどが急速にリバイバルされる南アフリカで生まれた最新ムーブメント「アマピアーノ」の重要格として挙げたい21歳の若手ミュージシャン、Lutendo Raduvhaが率いる注目プロジェクトTeno Afrikaの1stアルバムがアフリカのマニアックな音源を紹介しているブログ&レーベル〈Awesome Tapes From Africa〉から登場!南アフリカのハウテン州のタウンシップ(アパルトヘイト時代に黒人居住区として指定された地域)で生まれ、この5年間で急速に勢いを増し、全国的なメインストリームへと進化を遂げた、クワイトの影響も受ける新ジャンル「アマピアーノ」の雄。人生の大半をヨハネスブルグとハウテン州プレトリア郊外の様々なタウンシップを行き来して過ごしてきた彼がこれらの地域から受けてきた影響を存分に取り込んだ、大変エキサイティングで新感覚なアフロ・ダンス・トラック集!

イタリアの音楽家で洞穴学者でもあるMariolina Zittaによる、洞窟内で録音された神秘的なリチュアル・サウンドスケープ作品『Concert For Bats, Voices And Natural Sounds』。コウモリの鳴き声を特殊センサーで収録し、自然音と融合。使用楽器は石、鍾乳石、丸太、骨笛、チベタンベル、マウスボウ、ディジュリドゥなど、原始的かつ儀式的なものばかり。洞窟内の水滴音、足音、川のせせらぎなども取り入れ、自然環境そのものを楽器化。声のオーバートーンや洞窟の儀式的な響きが加わり、神秘的で没入感のあるサウンドスケープを形作っている。洞窟と、夜の神秘を象徴するコウモリを讃える儀式的作品。
