MUSIC
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完成された音はまた美しいの1言に尽きるもので、暖かさが立ち上る"Talk To The Church"、ひと時の黄昏に酔いしれる"Dewdrops"、深い年輪が安堵を与える"Ride"、ミニマルに有機の森が育まれる"Broken Clouds"ら、どれもが1つ1つの物語を感じさせる豊かさです。またMasinによる味わい深いピアノも聴きもの。至福とはこのことです。全音楽ファンに...

〈Music From Memory〉のアンビエント・テクノ&ハウスをニューエイジ・リバイバル以降の視点でコンパイルした超画期的編集盤『Virtual Dreams』の冒頭を飾った、イギリスのエレクトロニック・パイオニアであるMLOことPeter SmithとJon Tyeの初のコンピレーション作品が同レーベルからリリース。『Oumuamua』と題されたこのコンピレーションは、Virtual Dreamsシリーズの第2弾で、アーティストに焦点を当てた詳細なリリースとなっており、2人のディスコグラフィーからのハイライトに加え、1993年から1995年の間に録音された未発表曲、スケッチ、長時間のジャムなどの膨大なアーカイブから新たに発掘された音源を含む全12曲を収録。アナログシンセの名機KORG PS 3300とE-mu systems社のサンプラーEmulator 2に魅了された2人は、その最新の機材から放たれる宇宙的な未知なる音を追求し、ClusterやBrian Enoといった先人たちの作品群も参照しつつ自身らの発想を最大限に拡張し、まだ見ぬ音の景色を創造した!これは厳密なアンビエントではなく、ドラムンベース、ライブラリミュージック、サウンドトラック、テクノの境界線の中に一時的に存在する音楽であり、「別の場所で、別の時間に、別の人々によって作られた音楽のように感じる」とこの作品についてJon Tye自身が述べていることも深く納得できる!



ハイチの作編曲家、Alix Pascalを中心とするジャズグループ、Ayizanが1984年に自主制作で残した傑作。やや電化の進んだジャズを基調に、ラテン、ファンクからソウルフルな質感までをミックスした独特のグルーヴィーサウンドを聴かせてくれます。軽快なラテン風のリズムに乗せて走る「A1. Deblozay」、繰り返すフレーズが耳に残る「B1. Dilijans」など、添えられるヴォーカルも抑制が効いていて良いですが、極め付けは極上のスピリチュアルジャズ「B2. Tribilasyon」。渋いです。



今年の夏に宮沢賢治先生の童話(絵・茂田井武先生)、「セロひきのゴーシュ」(1934年 / 絵 1956年)を読みました。ちょうどこの録音をした数日前にぼくはステージに立っていました。結果的に物語最初のゴーシュのような心境にならざるを得ないことになってしまいました。とても良い感情ではないけれど、それにしても手元に置かれているこの本は偶然ではないと思いながら又何回もこの本を読み茂田井先生のたぬきの子の絵を何度も見て夜明け前の公園に向かいました。使った楽器はハピドラムひとつでスティックはそのたぬきの子が持っているものとそっくりなマレットです…
(山之内純太郎氏)


「The True Story Of Abner Jay」も最高だったジョージア出身のアメリカのマルチ奏者であり、孤高のワンマン・バンド、アウトサイダー・ブルーズマンであるAbner Jay (1921 - 1993)の編集盤続編がまたまたMississippi Recordsよりリリース!!!今回は1964年から1973年の間にLPと7インチでリリースされた録音からコンパイルされており、アメリカーナで最も特異で楽しい人物の一人である彼の全盛期を知ることができる素晴らしいものです。フォークソングあり、R&Bあり、美しいゴスペルあり、ポップソングまで入った最高に楽しい一枚!エレクトリック・バンジョー、ハーモニカ、ドラムを1人で演奏しながら、色々なスタイルの音楽を演奏しても、なんだか分からないけど物凄い説得力なのは相変わらずです。オススメ!
160G盤、厚手のジャケットとアブネルのカラー写真と、彼が自分で書いたプロモーション・パンフレットも同封!
