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Still LifeやIndian Summerなどと並ぶアメリカ西海岸エモの記録として愛されるインディ・エモ・ロック・バンドPot Valiantが1994年にリリースした唯一のフルアルバムで、90年代USインディの空気を色濃く伝える作品『Transaudio』。90年代前半のUSエモ特有の激情と叙情を併せ持つギター・サウンドに、短い曲と長めの展開のある曲が混在し、バンドの多面的なスタイルを示す荒削りながらも繊細な構成。当時のエモ・シーンの特徴を反映した内省的で感情の起伏を捉えた歌詞と、90年代USエモ/インディの空気を凝縮した一枚。
Iggy and The Stoogesが1974年にデトロイトのミシガン・パレスで行った、バンドの死に際とも言える混沌のライブを収録した伝説的なアルバム『Metallic K.O.』が、Spacemen 3のSterling Roswellによるリマスタリングを経て〈Death Is Not The End〉よりオフィシャル再発。観客との罵声の応酬、瓶や氷が飛び交う暴力的な空間、演奏は荒々しく、時に崩壊寸前。曲中でメンバーがタイミングを失い、Iggyが「ドラムだけくれ!」と叫ぶ場面も記録された、挑発的で破滅的なパフォーマンスがそのまま記録された、ロック史上最も危険で生々しいライブ盤。オリジナルは1976年にフランスの〈Skydog Records〉からリリースされており、セミ・ブートレグ的な扱いながらもアメリカで10万枚以上を売り上げ、The Stoogesの伝説を決定づけた、ロックの限界と狂気を記録した音のドキュメント。パンク以前のプロト・パンクの精神が凝縮された一枚として、今なお語り継がれる名盤。


フィンランドのディガー、DJとして知られるDJ Mitmittaによる、1970〜80年代のエチオピア、エリトリアのロックンロール音源のミックステープ。収録されているのは、警察楽団、革命歌、個人アーティストによるローカル・ロックの数々で、Harer Police Orchestra、Tewolde Redda、Getachew Kassa、Tamrat Molla、さらにはLed Zeppelin「A Whole Lotta Love」のアムハラ語カバーまで飛び出す、驚くほど多彩な選曲が並ぶ。乾いたファズギターの荒々しい歪み、ワウのうねり、ブラスの鋭いアタック、土着的な旋律が絡み合い、西洋ロックともアフロビートとも異なる独自のグルーヴが立ち上がる。録音の粗さが逆に魅力となり、当時の現場の空気がそのまま耳に飛び込んでくるような生々しさがある。エチオロック黄金期の熱量をそのまま閉じ込めたミックスは、辺境ロックの奥深さを示しつつ、最高にかっこいいギター音楽としても楽しめる充実の一本。
Peter Brötzmann、Sonny Sharrock、Bill Laswell、Ronald Shannon Jacksonによる、欧米のフリージャズ、インダストリアル、ノイズ・ロックシーンが文字通り衝突して生まれた伝説のドリーム・カルテットLast Exitが1988年に残した唯一のスタジオ録音作『Iron Path』。ライブでの爆発的な即興をそのまま密閉空間に封じ込めたような歴史的アルバム。Sharrockのギターは火花を散らし、Brötzmannのサックスは金属の悲鳴のように荒れ狂う。Laswellの重低音が混沌に重力を与え、Shannon Jacksonのポリリズムが全体を推進する。NY・BC StudioでMartin Bisiが録音したサウンドは、4人の暴力的なエネルギーを制御されたカオスとして結晶化させ、ライブとは異なる構築性と密度を生み出している。

BOREDOMSのYoshimiO率いる日本のエクスペリメンタル・ロックバンドOOIOOと、米ロードアイランドのノイズロック・デュオLightning Boltという、どちらも唯一無二の音楽性を持つバンドによるスプリットLP。OOIOOは、ガムラン、ポリリズム、アクロバティックなヴォーカルを駆使し、儀式音楽とサイケデリック・ロックが渦を巻くようなトランス空間を形成。Lightning Boltは、爆走ドラムと巨大なファズが暴れまわりつつ、先行公開曲CLOUD COREに象徴されるように、混沌の中から奇妙なメロディが立ち上がる。両者に共通するのは、無邪気な解放感と蒸気機関のような推進力。OOIOOの螺旋的リズムとLightning Boltの暴走ノイズが、対照的でありながら同じ精神性で響き合い、スプリットでありながら一つの大きな作品として成立している。
中東のサイケ、ファンク、ディスコのグルーヴを融合させる革新的なアプローチで知られるロンドンの要注目ジャズ・ファンク・バンド、Sababa 5と、日本の歌手でベリーダンサーの花島ユリカによるコラボレーション・デビュー・アルバム『こころ』が〈Batov Records〉から登場。Sababa 5の特徴的なワールドビート・サウンドと日本のフォーク&ポップが文化の境界を超えて融合した画期的作品!地中海沿岸と砂漠のロマンスが弾ける、アルバムの音楽的探求の真髄を体現したサイケデリック・ソウルなタイトルトラック”Kokoro”、アラビアンで遊び心溢れるサイケ&サーフ・ナンバー”Halilim Halilim”、ダンスフロアを圧倒するアップテンポのサイケデリック・ファンク・リッパー”東京ミッドナイト”、そして、地中海と日本のソウルが出会う不朽の名曲"愛の交差点"など、Sababa 5の伝染性のあるグルーヴに乗せて、ユリカの魅惑的なボーカルが炸裂した珠玉のナンバーが満載の今年度重要作品!

Funkadelicの2ndアルバムで、デビュー作からわずか数か月後に発表された、ロック、ファンク、サイケデリアを融合し始めた初期の重要作。10分超の表題曲を筆頭に、フィードバック・ギター、エフェクトまみれのヴォーカル、空間を歪ませるオルガンが渦巻く、サイケデリック・ファンクの極北と呼べる内。LSDを用いたマラソン・セッションで制作されたという逸話が有名で、混沌と恍惚が同居するそのサウンドは、Eddie Hazelのロック的なギターと、ファンクのグルーヴがせめぎ合う、初期P-Funkならではの衝撃的なもの。サイケデリック・ロック、ファンク、P-Funkのルーツを辿るうえで欠かせない、歴史的マスターピース。

1994年2月22日にローマの Palaghiaccio で行われたライブを収録したアルバムで、カート・コバーンが亡くなるわずか数週間前のツアーということもあり、バンドの緊張感と荒々しさ、そしてどこか不安定な空気がそのまま刻み込まれている。音源はFM放送由来の高音質ソースを元にしていると言われ、非常に聴きやすい仕上がり。「Smells Like Teen Spirit」「Come As You Are」「Heart-Shaped Box」などの代表曲に加え、「The Man Who Sold The World」など後期ツアーならではの選曲も含まれ、当時のバンドの姿をほぼ完全な形で捉えている。現場の空気が強く残っており、ニルヴァーナ最晩年のリアルな姿を感じられる貴重な記録。
Tangerine Dreamの1970年デビュー作。後年のシンセサイザー主体のアンビエント路線とはまったく異なり、ここで聴けるのはクラウト、実験ロックの混沌とした原点。録音は1969年にベルリンの工場を借りて行われ、使用したのは 2トラックのRevoxテープレコーダーのみという極めてプリミティブな環境。Edgar Froese、Klaus Schulze、Conrad Schnitzlerの三者が揃った唯一の作品であり、ギター、オルガン、ドラム、チェロに加え、割れたガラス、焼いた羊皮紙、乾燥した豆といったファウンド・サウンドが大胆に取り入れられている。「Journey Through A Burning Brain」の長尺ノイズ展開は、後のドイツ実験音楽へと直結する破壊的エネルギーを放ち、全体は偶然の産物ではなく混沌を設計するかのように緻密な計算のもと成立している。アルバムタイトルにElectronicとあるが、実際にはシンセサイザーは使用されておらず、内容はむしろアナログ実験音楽そのもの。Tangerine Dreamのキャリアを語るうえで欠かせない、原始的でアヴァンギャルドな出発点。
Kevin Parkerが全曲の作詞作曲・演奏・プロデュースを手がけたTame Impalaの2ndアルバム。前作『Innerspeaker』のギター主体のサイケデリアを引き継ぎつつ、シンセサイザーを大幅に導入し、よりメロディアスでポップな方向へと進化。パースの自宅スタジオだけでなく、パリのプライベート・アパートメントや、ツアー中の移動中、ホテルの部屋などで録音された音は、ベッドルーム制作の親密さと、世界を旅しながら作られた開放感が同時に漂う。Dave Fridmann のミックスが加わることで、音像はよりカラフルで立体的になり、現代的なサイケデリック・ポップの基準点とも言える仕上がり。タイトルが示す通り、自分自身の内面をどこまでも深く掘り下げた先にしか見つからない、普遍的な輝き。
1969年リリースのThe Stoogesのデビュー作。Iggy Popの野性味あふれるボーカルと、Ron Ashetonの反復的で荒削りなギターリフがぶつかり合い、後のパンクを決定づけるプロトパンクの原型を提示した一枚。どれも単純な構造ながら、反復の中に暴力的な推進力が宿り、John Caleのプロデュースは音を磨き上げるのではなく、未完成のままの粗さをそのまま封じ込め、当時のロックとは異なる冷たくミニマルな緊張感を生み出している。衝動、反復、ノイズ、そのすべてがむき出しになった決定的デビューアルバム。

ブルックリン発のインディロック・バンドDIIVが2012年にリリースした、2010年代インディの金字塔『Oshin』。深いリバーブに沈むギターのレイヤー、水中で揺れるようなコーラスの質感、そしてZachary Cole Smithの声が歌というより音のテクスチャーとしてミックスに溶け込む独特のスタイル。「Doused」「How Long Have You Known?」などの代表曲では、タイトなリズムと浮遊感が同居し、疾走するポストパンクと夢見心地のドリームポップという当時としても新鮮なサウンドを提示した。NEU!、The Cure、シューゲイザーの要素が混然一体となった、今なお色褪せない魅力を放つ、現代ドリームポップの基準点となった名盤。
ハードコア・パンクというジャンルにおいて初のアフリカ系アメリカ人バンドとして知られ、音楽的にも文化的にも非常に重要な存在でもある、ワシントンD.C.の伝説的ハードコア・バンドBad Brainsの代表作で、ハードコア・パンクにレゲエやメタル、ファンクを融合させた革新的な1986年作『I Against I』。特筆すべきは、真の意味でジャンルを横断する多様性で、ギターはメタル的なリフとファンクのカッティングを行き来し、ベースラインは跳ねるようなファンクの要素を持ちつつ、ドラムはジャズ的なフィルやレゲエの裏打ちを織り交ぜる。ヴォーカルのH.R.は、怒りとスピリチュアリティを同時に表現するような独特のスタイルで、シャウト、メロディ、語りを自在に使い分けている。アルバム全体を通して、ジャンルの境界を越える実験精神が貫かれており、音楽的価値だけではなく「パンクとは何か」「黒人アーティストがロックをどう再定義するか」といった文化的問いにも応える、思想性の面でも後世に大きな影響を与える重要作。
ロングアイランドの地下シーンで巨大なスピーカーホーンを使い、ハードロックよりハード、大音量よりさらに大音量の轟音バンドとして語り継がれてきたPunchの未発表アーカイブ。人気発掘コンピ『BROWN ACID』でも紹介された彼らの音源が、初めてまとまった形で公式リリース。ヴォーカルのデイヴ・スタイン、ギターのレイ・クズニエ、ベースのトニー・ジュストラ、ドラムのピート・タッダによる編成で、ブルース基調のリフに、荒れ狂うフィードバック、そしてシャウトに近いボーカルが重なるサウンドは、ヘヴィサイケとプロトメタルの境界線そのもの。勢いと衝動がそのままテープに焼き付いたローカル・クラブの空気が生々しく残る。磨かれていないからこそ、当時の熱気がダイレクトに伝わるタイプの発掘音源で、発掘ヘヴィサイケの醍醐味が詰まった一枚。8ページのカラーブックレット付属。

Funkadelicの2ndアルバムで、デビュー作からわずか数か月後に発表された、ロック、ファンク、サイケデリアを融合し始めた初期の重要作。10分超の表題曲を筆頭に、フィードバック・ギター、エフェクトまみれのヴォーカル、空間を歪ませるオルガンが渦巻く、サイケデリック・ファンクの極北と呼べる内。LSDを用いたマラソン・セッションで制作されたという逸話が有名で、混沌と恍惚が同居するそのサウンドは、Eddie Hazelのロック的なギターと、ファンクのグルーヴがせめぎ合う、初期P-Funkならではの衝撃的なもの。サイケデリック・ロック、ファンク、P-Funkのルーツを辿るうえで欠かせない、歴史的マスターピース。45回転盤高音質仕様。
テキサスが生んだスロウ・クラウトの旗手The American Analog Setの第2章にあたる時期のスタジオ録音を完全収録した〈Numero Group〉渾身の6枚組ボックスセット。『Know By Heart』『Promise Of Love』『Set Free』の名作3タイトルに加え、EP『Everything Ends In Spring』、さらにシングル、B面曲、別テイク、アウトテイクを収めた2枚の追加ディスクを含む完全版。付属の36ページ・ブックレットには、ポストY2K期の写真や手書きメモがあふれんばかりに掲載され、当時の空気感をそのまま封じ込めている。淡いギターのアルペジオ、囁くようなボーカル、ミニマルな反復が生む静謐なサウンドは、スロウコア/ドリームポップの美学を凝縮したThe American Analog Setの真骨頂。


電子音楽の異端児Bruce Haackによる、68年から69年にかけて制作、1970年リリースのカルト名盤『The Electric Lucifer』。Moogシンセ、自作電子楽器、初期ヴォコーダーを駆使し、天国と地獄の戦いを描きつつ、愛の力が人類とルシファーさえも救うという奇妙で美しいテーマを掲げる、電子音楽とサイケデリックを融合させた唯一無二の世界観。鋭いMoogの電子音、手作り楽器のノイズ、ロック的ドラムが万華鏡のように混ざり合い、曲によってはナレーションやヴォコーダー声が入り乱れる 電気オペラ的世界観が展開。攻撃的な電子音と優しいメロディが同居するサウンドは、50年以上前の作品とは思えないほどの未来感を放っている。60年代末のシンセサイザー・ミュージック黄金期に生み落とされた重要作にして、今なお新鮮な異形のポップ・アルバム。
1972年、シアトルのローカル・シーンから突如現れた一発屋バンドGrand Theftが残した唯一のアルバムが、〈Ancient Grease Records〉から待望の正規リイシュー。オリジナルは自主制作1000枚のみという超レア盤で、当時の若者たちの勢いと混沌をそのまま封じ込めた、ヘヴィ・サイケの秘宝。Led Zeppelin直系の荒々しいリフと、 ガレージ・サイケの粗暴さが混ざり合った原始的なエネルギーにあふれ、録音も一度きりの混沌としたセッションで行われ、整えられることのない生々しいテンションがそのまま刻まれている。ローカル・バンドの悪ふざけから始まったがゆえの、無濾過無調整の唯一無二のヘヴィ・サイケ名盤。
EYE名義でも知られるLaurène Expositoと、Parasite Jazzなどで活動するThéo Delaunayによるフランス・ブレストを拠点とするデュオDiagonale des Yeuxが、アムステルダムは〈Knekelhuis〉からリリースするデビュー作『Madeleine』。1980年代フランスのアンダーグラウンド・ポップから現代のローファイ感覚までを横断する、DIY精神あふれるアヴァン・ポップ。歌詞はフランス語・ドイツ語・英語・スペイン語が入り混じる多言語構成で、トイミュージック風のメロディ、猫の鳴き声、奇妙に揺れるシンセ、ポストパンクのざらつきが同居し、The ResidentsやCindy Leeを思わせる周縁のポップが生まれている。
2026年リプレス!初の海外レーベルからのリリースとの事!〈Stones Throw〉ファンにも間違い無しなネオ・シティポップ/ドリーム・ポップの金字塔的な大傑作。今年度の日本のインディ・ミュージックの中でも最高峰の地位を獲得するであろう作品としてレコメンドします!
ダブやネオ・サイケデリア、アーバンなコンテンポラリーR&B等の多彩な要素を巧みにブレンドした東京拠点のインディ・ロック・バンド、その名も"TAMTAM"による最新EP『Ramble In The Rainbow』が〈PPU〉こと〈Peoples Potential Unlimited〉より堂々アナログで登場!
2024年、TAMTAMは新作EP『Ramble In The Rainbow』を米レーベルPeoples Potential Unlimitedよりリリースする。初の海外リリースとなった本作は、かつてないほど幻想的な浮遊感に包まれ、またもジャンルのボーダーを超える存在感を放っている。
歌詞は極めてプライベートな出来事をきっかけに魂や死、自然といった大きく抽象的な概念を介した寓話のように綴られる。サウンド面ではSun Ra、Lee “Scratch” Perry、清水靖晃や鈴木良雄などが影響元に挙げられており、バンドの要となるグルーヴはそのままに更にドープになった演奏が印象的。以前からの持ち味であるレゲエやソウル、ジャズ的な要素に加えニューエイジ音楽的な発想が巧みに掛け合わされた、バンドの成熟を感じさせる怪作となっている。
