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トータスの一員としても名を馳せるギタリストのジェフ・パーカーを中心に、サックス奏者ジョシュ・ジョンソン、ベーシストのアンナ・バタース、ドラマーのジェイ・ベラローズで構成されるジェフ・パーカー・ETAカルテット。メンバーの3人、パーカー、バタース、ジョンソンはレッチリのフリーのソロ・デビュー作『Honora』(2026年)に参加したことでも注目を集めている。カルテットは2016年にロサンゼルス北東部の会場ETAでパーカーが始めた週替わりレジデンシーから生まれたバンドだ。彼らによる最新作となる『Happy Today』がこれまで2作と同様シカゴの名門〈International Anthem〉よりリリースされる。
本作は、2016年にロサンゼルスの会場ETAで始まったレジデンシーから発展したバンドの2025年時点のバンドの記録を刻む一枚だ。サックスのジョシュ・ジョンソン、ベースのアンナ・バタース、ドラムのジェイ・ベラローズとともに、ミニマルでジャンル横断的な即興演奏を展開する。本作は2025年8月20日、Lodge Roomでの演奏をその場で録音・ミックスしたもので、LP片面に相当する長尺2曲を収録。エンジニアのブライス・ゴンザレスが特注機材で捉えた音像は、困難な時期の中で生まれた束の間の高揚と連帯感を鮮やかに刻む。NPR Tiny Desk出演など近年も精力的なパーカーの歩みとともに、バンドの本質である“場”と“対話”の力を体現した重要作となっている。

リトアニアの実験ロック、電子音楽作家Brokenchordによる、クラウトロックのモータリックなグルーヴと、電子音楽出身らしい緻密な音響処理が交差するハイブリッドなロック作品 『Lima Echo Crack!』が〈South of North〉から登場。直進的な反復ビート、ざらついたギター、重心の低いドラムが推進力を生み、長尺トラックではサイケデリックな気配もじわりと広がる。ノイズや残響の質感と結びつく、少し不気味でダークなイメージと、電子音楽の精度を保ちながら、ロックの粗さや生々しさを前面に押し出した、クラウトロック、スペースロック、アンビエント、ポストロックの境界を横断しながら、独自への世界へと誘う充実の一枚。

ロンドンを拠点とするの名DJであり、キュレーター、レーベル主催者でもあるGilles Petersonによる、シカゴの革新的レーベルInternational Anthemへの深い愛とリスペクトを込めたコンピレーションが登場。スピリチュアル・ジャズ、エクスペリメンタル、ソウルフルで未来志向のビート・ミュージックなど、ジャンルを越えながらも一貫して「今の表現」であることを貫くInternational Anthemのサウンドから、Petersonは自身の番組(BBC 6 Music、Worldwide FMなど)でのオンエアを振り返り、特に印象的だった楽曲たちをセレクト。このアルバムは、International Anthemの設立11周年(IA11)企画の一環として制作されたもので、レーベルの過去10年の軌跡をたどりつつ、次の10年へのヴィジョンも込められている。Makaya McCraven、Angel Bat Dawid、Ben LaMar Gayといったレーベルを象徴するアーティストたちの代表曲に加え、未発表のライブ音源も収録。都市とスピリチュアリティ、混沌と希望が交差する、シカゴ・アンダーグラウンドの空気感がそのままパッケージされたような作品となっている。
実験音楽家 Galecstasy と、オルタナ界のレジェンド Mike Watt が組んだトリオによる、スリリングな即興演奏を収めたアルバム『Wattzotica』。太くうねるベースを軸に、ノイズ、アンビエント、ジャズが自由に交差し、トリオ編成ならではの広い空間と緊張感が生まれている。2018年、Galecstasy が Mike Watt のラジオ番組に出演したことがきっかけで始動した異色のコラボにも関わらず、ミニットメン以降の Watt の精神性と、Galecstasy のアート的アプローチが自然に溶け合い、ポストロックやシカゴ音響派にも通じる有機的なグルーヴが立ち上がる。限定のグリーン・ヴァイナルという希少性も相まって、音楽作品でありながらアートピースとしての存在感も強い一枚になっている。

ドラマーDamon Cheの爆発的かつ変則的なドラミングでも知られる、アメリカ・ピッツバーグ出身のインストゥルメンタル・マスロックの代表的バンド Don Caballero の4作目にして、マスロック史に残る金字塔とされる名盤『American Don』。ギター2本+ドラムによる複雑なポリリズム、変拍子を多用した緻密な構造、それでいてメロディアスで開放感のあるサウンドは轟音よりも繊細な構築美が印象的で、前作までの荒々しいエネルギーから一転、より洗練されたポストロック的アプローチが際立つ作品となっている。オリジナルアルバムのリマスター音源2LPに加えセッション音源、未発表テイク、デモなどを追加収録した3LPで、ジャケットやインナーのアートワークもアップデートした作品の裏側まで丸ごと体験できる決定版。
イタリア産ローファイ・フォーク〜スロウコアの異種。ピエモンテを拠点に活動するStefano Murgiaのソロ・プロジェクト、Esse Pi Enneによる2ndアルバム。
英All Night Flightと共同で立ち上げた自主レーベルCentro Di Documentazione Metropolitano Torineseの第一弾としてリリース。
トリノの古びた建物の一室に、簡素な録音機材と拾い集めた写真、タイプライターなどを持ち込んで制作されたという本作。前作にあった内省的な親密さを引き継ぎながら、音の輪郭はよりざらつき、90年代スロウコアやHoodを思わせるギターや鍵盤のフレーズが印象的になっている。そこにポツポツと呟くような歌、断片的な音声、ほつれたドラムマシンのリズム、遠くを通り過ぎる車の音などが重なり、静かに編み上げられる。前作にも増して、ギターやドラム、声といった音楽そのものに存在感を与えているが、唐突に差し込まれる音声や、ターンテーブルのギミック、音の隙間や揺らぎをそのまま残しながら、ひとつひとつの音を丁寧に配置していく作家性によって繊細に紡がれる。生活のすぐそばにある空気と、そこから少し離れたところで鳴る音楽。そのあいだを漂うような感覚が、Esse Pi Enneの音楽には残されている。

シカゴ音響派の中心にいた5人が、録音スタジオを楽器として扱いながら作り上げた1994年の革新的デビュー作『Tortoise』。 ミニマル、ジャズ、ダブ、エレクトロニカを溶かし込み、後にポストロックと呼ばれるジャンルの基礎を形作った名盤。メンバー全員がマルチ奏者として楽器を持ち替えながら、リズムと質感を中心に据えたアンサンブルを構築。Tortoiseがもともとベース2名と打楽器3名という珍しい編成で結成されたことからも分かるように、複数のベースが重層的な低音の地形をつくり、3人のドラマーがミニマルな反復とダブ的な空間処理で立体的なグルーヴを生み出す。ヴィブラフォンやパーカッションも加わり、後に開花するアフロビート志向はもとより、ジャマイカン・ダブやエチオ・ジャズの影響が強く感じられ、ヴォーカルやギターソロが無いとは思えない豊かな音像が広がる。ポストロックの原点にして、Tortoiseの美学がすでに完成していたことを示す決定的デビュー作。

アンナ・バターズ(ベース)、ジェレマイア・チウ(シンセサイザー)、ジョシュ・ジョンソン(サックス)、ブッカー・スタードラム(ドラム)、グレゴリー・ユールマン(ギター)によるロサンゼルス拠点のクインテット、SMLが最新作『Spontaneous Music Live』をリリース!
本作は、編集されていない即興演奏による長尺の2曲で構成されており、2025年12月にロサンゼルスの会場Zebulonで行われたバンドの3夜にわたるレジデンシー公演中にライブ録音されたものである。これは、バンドのセカンドアルバム『HOW YOU BEEN』のリリースからわずか数週間後のセッションだった。録音とミックスは、ジェフ・パーカー・ETAカルテットの美しいライブ記録でも知られるエンジニア/“魔術師”ブライス・ゴンザレスによって、ステレオ・アナログテープにライブで収められている。
『HOW YOU BEEN』と2024年のデビュー作『SMALL MEDIUM LARGE』(いずれも大幅にエディットされ、ポストプロダクションが施されている)を通じて、SMLは緻密に構築されたサウンドで評価を確立してきた。そこではメディアとしての“編集”そのものが前面に出ており、最も美味しい断片が選び抜かれ、編集されることで作品が構築されている。
しかし、これら2枚のアルバムの元となった素材はすべてライブ録音であり、長く、荒々しいグルーヴを持ってうねりながら展開する即興演奏だった。さらに重要なのは、バンドのこれまでのすべての公演が、その精神に基づいた完全な即興で行われているという点である。
この二重性は、彼らの思想的な近親者とも言えるアーティストたちにも見られる。たとえば、カンの『Live in Paris 1973』における長大で奔放な演奏と、同年のよりコンパクトな『Future Days』。あるいはマイルス・デイヴィスの『Dark Magus』におけるスピード感あるファンクの混沌と、『On The Corner』や『Big Fun』に見られる徹底的に解体された構築性などがその例である。
『Spontaneous Music Live』は、こうしたキュレーション的な視点を取り払い、編集プロセスの幕を引き剥がす作品である。そこに残るのは、ロサンゼルスという土地において、その瞬間に存在し、集合的に即興演奏を行うバンドのサイケデリックなリアリズムである。完全にその場にいる状態で、発見の瞬間を掘り出していく音楽だ。そこでは音の一つ一つが、将来のSMLの楽曲になりうる断片として、集合的な混沌と統制のあいだに星のように散りばめられている。
アンナ・バターズ(ベース)、ジェレマイア・チウ(シンセサイザー)、ジョシュ・ジョンソン(サックス)、ブッカー・スタードラム(ドラム)、グレゴリー・ユールマン(ギター)によるロサンゼルス拠点のクインテット、SMLが最新作『Spontaneous Music Live』をリリース!
本作は、編集されていない即興演奏による長尺の2曲で構成されており、2025年12月にロサンゼルスの会場Zebulonで行われたバンドの3夜にわたるレジデンシー公演中にライブ録音されたものである。これは、バンドのセカンドアルバム『HOW YOU BEEN』のリリースからわずか数週間後のセッションだった。録音とミックスは、ジェフ・パーカー・ETAカルテットの美しいライブ記録でも知られるエンジニア/“魔術師”ブライス・ゴンザレスによって、ステレオ・アナログテープにライブで収められている。
『HOW YOU BEEN』と2024年のデビュー作『SMALL MEDIUM LARGE』(いずれも大幅にエディットされ、ポストプロダクションが施されている)を通じて、SMLは緻密に構築されたサウンドで評価を確立してきた。そこではメディアとしての“編集”そのものが前面に出ており、最も美味しい断片が選び抜かれ、編集されることで作品が構築されている。
しかし、これら2枚のアルバムの元となった素材はすべてライブ録音であり、長く、荒々しいグルーヴを持ってうねりながら展開する即興演奏だった。さらに重要なのは、バンドのこれまでのすべての公演が、その精神に基づいた完全な即興で行われているという点である。
この二重性は、彼らの思想的な近親者とも言えるアーティストたちにも見られる。たとえば、カンの『Live in Paris 1973』における長大で奔放な演奏と、同年のよりコンパクトな『Future Days』。あるいはマイルス・デイヴィスの『Dark Magus』におけるスピード感あるファンクの混沌と、『On The Corner』や『Big Fun』に見られる徹底的に解体された構築性などがその例である。
『Spontaneous Music Live』は、こうしたキュレーション的な視点を取り払い、編集プロセスの幕を引き剥がす作品である。そこに残るのは、ロサンゼルスという土地において、その瞬間に存在し、集合的に即興演奏を行うバンドのサイケデリックなリアリズムである。完全にその場にいる状態で、発見の瞬間を掘り出していく音楽だ。そこでは音の一つ一つが、将来のSMLの楽曲になりうる断片として、集合的な混沌と統制のあいだに星のように散りばめられている。

10月中旬再入荷(9月下旬分は完売しました)。言わずと知れたスロウコアの大名盤!これは是非聞いておくがいい。自国のソウル、ゴスペル、ファンクにとどまらず、ニューエイジ・ミュージック始祖ヤソスや日本からは原マスミまで、世界各地のオブスキュアなサウンドを掘り起こしてきた米国の大名門〈Numero〉からは、1998年に〈Up Records〉からリリースされたDusterのデビュー・スタジオ・アルバム『Stratosphere』が25周年を記念してアニヴァーサリー・リイシュー。スロウコアの第一波の頂点にたつ一枚であり、子宮の中で聞くべき!暗い空間と閉じた瞼のための音楽にして、パンクの鋸歯状のエッジを持つアンビエント・ミュージック。
蓮沼執太、石塚周太、itoken、尾嶋優、斉藤亮輔から成る蓮沼執太チームが、結成17年を経てリリースした初めてのスタジオアルバムをクリアヴァイナルでリリース!
ツインギター、ツインドラムのベースレス編成による蓮沼執太チームは、これまでライブパフォーマンスを主軸に不定期ながら継続的な演奏を重ねてきました。『TEAM』は、そうした時間の蓄積の中で得た手応えを一過性の体験に留めず、音楽として記録することを目的に制作されたものとなっています。ポストロックバンドTortoiseの楽曲"Seneca"のカバーや、蓮沼執太フィルの代表曲"ZERO CONCERTO"を再構築したセルフカバーなど全7曲を収録。録音は葛西敏彦、ミックスはTortoiseのJohn McEntire、マスタリングはDave Cooley、アート・ディレクションは前田晃伸が担当。蓮沼執太チームの現在地を確かに刻む一枚となっています。
Artwork 00740 by SERRAGLIA, courtesy of the Artist and Galleria Heino (Helsinki)
■収録曲目:
SIDE A
1. TEAMWORK
2. United Tee
3. Seneca
4. Gakona
5. Triooo - VOL
SIDE B
1. ZERO CONCERTO
2. BLACKOUT

モンゴル出身の音楽家Ts Bayandalaiが、遊牧民として育った原風景と現代のポストロック、実験音楽を結びつけたフルアルバム『Wind of Oirat』。馬頭琴、ホーミー、オックスホーンといった伝統的な音色に、ギターの長い残響や控えめなドラム、環境音のレイヤーが重なり、自然の気配と構築的なサウンドデザインが重なり合っていく。草原の風、川の流れ、動物の気配といったモチーフが、電子音やミニマルなリズムと結びつくことで、独特の音像を形成。サックスや馬頭琴の倍音が空間を震わせ、どこまでも開けた自然の中に音が広がっていくような開放感と、儀式的な厳粛さ、ポストロック的なクールな構築感が自然に共存している。風景としての音楽を鮮明に体現した、アジアの伝統と現代を繋ぐ、注目すべき一枚。

シカゴのポスト・ロック、スロウコアの伝統を現代に繋ぐ新鋭、Cancer Houseのデビュー作『The Moth』。静かな緊張感と構築美を土台に、Carolineやdeathcrashと共有する冷たさと切なさが重なり、ローファイ録音のざらつきとともに独自の陰影を描き出す。乾いたギターのアルペジオと鈍いドラムがゆっくり重なり、ストリングの影が淡く揺れることで、スロウコア特有の静かな重力が立ち上がる。声の輪郭がぼんやりと滲むヴォーカルは90年代のポスト・ロックを思わせる哀愁が漂う。セッションを重ねながら練り上げられたという楽曲群は、どれも隙がなく、細部のアレンジに確かなリスペクトが宿る。シカゴの伝統を継ぎながら、2020年代の感性で更新したポスト・ロック、スロウコアの新たな指標となる一枚。
ドラマー Damon Cheの爆発的かつ変則的なドラミングでも知られる、アメリカ・ピッツバーグ出身のインストゥルメンタル・マスロックの代表的バンド Don Caballero の4作目にして、マスロック史に残る金字塔とされる名盤『American Don』。ギター2本+ドラムによる複雑なポリリズム、変拍子を多用した緻密な構造、それでいてメロディアスで開放感のあるサウンドは轟音よりも繊細な構築美が印象的で、前作までの荒々しいエネルギーから一転、より洗練されたポストロック的アプローチが際立つ作品となっている。

10月中旬再入荷。スコットランドのバンド、Tacoma Radarが2002年に残した唯一のアルバム『No One Waved Goodbye』が未発表音源を加え、大名門〈Numero〉より再発。Tacoma Radarは、静かで内省的なポストロックとメランコリックなスロウコアの中間を漂うようなサウンドが特徴的で、繊細なギターのアルペジオ、ゆったりとしたテンポ、囁くようなヴォーカルが織りなす音の景色は、激情や派手さとは無縁。その代わりに、感情の余白や沈黙の美しさを大切にした音作りがなされていて、どこまでも控えめで、だからこそ深く沁みてくるようなものがある。音数少なく、空気の振動や残響まで音楽にしてしまうようなセンスがあり、スコットランドの灰色の空と雨の気配がそのまま音になったような印象。今回の初リイシューでは、オリジナル・アルバムに加え、2枚の7インチ・シングルと未発表ライヴ音源『Live From the 13th Note』を収録した豪華2LP仕様。繊細で哀愁を帯びたメロディと曇り空のような静かさが同居する、ひそやかな名盤。
スコットランドのバンド、Tacoma Radarが2002年に残した唯一のアルバム『No One Waved Goodbye』が未発表音源を加え、大名門〈Numero〉より再発。Tacoma Radarは、静かで内省的なポストロックとメランコリックなスロウコアの中間を漂うようなサウンドが特徴的で、繊細なギターのアルペジオ、ゆったりとしたテンポ、囁くようなヴォーカルが織りなす音の景色は、激情や派手さとは無縁。その代わりに、感情の余白や沈黙の美しさを大切にした音作りがなされていて、どこまでも控えめで、だからこそ深く沁みてくるようなものがある。音数少なく、空気の振動や残響まで音楽にしてしまうようなセンスがあり、スコットランドの灰色の空と雨の気配がそのまま音になったような印象。今回の初リイシューでは、オリジナル・アルバムに加え、2枚の7インチ・シングルと未発表ライヴ音源『Live From the 13th Note』を収録。繊細で哀愁を帯びたメロディと曇り空のような静かさが同居する、ひそやかな名盤。

アナーコ・パンクの精神をそのまま表明したタイトル作は、約4年ぶりとなる新作。混乱する世界のこのタイミングに登場する彼らの新作は、ノイズに包まれたオーケストレーション/ドローンをフィールドレコーディングスと半分インプロヴィゼーションのパートを織り交ぜる事で完成させた大作。哀愁のあるフレーズから焼け付くようなノイズサウンドへ高揚し、歪んだクラリオン・サウンドが重なり合っていく。デビューから25年、このバンドの愛すべき側面をすべて抱きかかえ叙情的なサウンドが走り続けます。2020年10月にモントリオールのスタジオThee Mighty Hotel2TangoでJace Lasek(The Besnard Lakes)によってレコーディング/ミックス。Slow Riot For New Zero Kanada」や「Lift Your Skinny Fists Like Antennas To Heaven」などの初期の名盤を彷彿とさせるアートワークが施され、William Schmiechenによるイラストレーションが使用されています。

タイ東北部イサーンの伝統音楽モーラムを軸に、ファンク、ロック、ポストパンク、アジアからインド洋圏のリズムを大胆に取り込んだ、バンドの進化形を示すサード・アルバム『Araya Lam』。イサーンの伝統楽器、ポーンラン(木琴)、ピ(笛)、ソー(弦楽器) などを積極的に導入、伝統旋律の魅力を保ちながら、現代的なアンサンブルへと再構築している。生演奏ブレイクビーツ的なグルーヴや、ドラッギーなファンク感も随所に登場し、伝統音楽の素朴さと、クラブミュージック的な反復グルーヴが共存している。モーラムの土の匂いと、都会的なビートが同時に漂う、サイケデリックでトランシー、だけど温かいアルバム。モーラムの根源性と現代的なグルーヴ、サイケデリックな実験精神が結晶した、The Paradise Bangkok Molam International Band の到達点とも言える作品。

未聴の方はこの機会にぜひご入門ください!解散から実に25年近くを経て、米国を代表する伝説的ポスト・ロック・バンドことGastr del Solが彼らのアーカイヴを紐解き、1993年から1998年にかけてのジャンルを超えた活動へのオルタナティブな見解を網羅したベスト盤的3LP BOX『We Have Dozens Of Titles』が大名門インディ・レーベル〈Drag City〉よりアナログで登場。これまで未収録だったスタジオ・レコーディングと、美しく捉えられた未発表ライヴ・パフォーマンスが、彼らの持ち味であった流動性への広々とした頌歌を形成したものとなっています。


Gastr Del Solというユニットが、その独自の音楽美学と価値をはっきりと打ち出したオリジナルは1994年発表の転機の作品『Mirror Repair』がリイシュー!5曲という短い構成ながら、ギターの絡み合いに加えて、ピアノやドラム、木管楽器などが鋭く差し込まれ、強い衝動に突き動かされたような音像が広がる。音と同じくらい沈黙も重要な要素として扱われ、聴き手に深い集中を強いる。静と動、構築と解体が緊張感を保ちつつ共存していて、短い時間の中に濃密な世界が詰め込まれている。Gastr Del Solにとって小品ながら決定的な一歩であり、以後の彼らの展開にもつながる重要作。長い時間を経て再発された今こそ、改めて聴き直す価値のある一枚。

Tortoiseによる1998年にリリースのあまりにも有名な3rdアルバム『TNT』がリプレス!Pro Toolsを駆使した緻密な音響構築が特徴で、ジャズ、ダブ、クラウトロック、ミニマリズムなど多様なジャンルを横断しながら、流麗で繊細なインストゥルメンタルを展開。ジェフ・パーカー加入後初の作品であり、ジャズ的な即興性と繊細なフレージングが加わったことで、バンドの音楽性が大きく広がっている。各楽曲はメロディよりも質感や空間性を重視したサウンドで、録音と編集のプロセスが創作の中心にあり、スタジオを楽器として扱う姿勢が明確に表れている。リズムの変化や音の配置が緻密で、聴くたびに新たな発見があるような構造を持つ、ポストロックの金字塔として今なお高く評価される名作。

エイフェックス・ツインも惚れ込む逸材
エレクトロニック・ミュージックと実験的ギター・ミュージックの
交差点に位置する存在として唯一無二の存在感を放つSeefeel
15年ぶりとなる最新作をリリース!
1990年代初頭に登場し、シューゲイズ、ダブ、テクノ、アンビエントを横断する独自のサウンドで注目を集めた英国のバンド、シーフィール。デビュー作『Quique』で高い評価を獲得し、その後〈Warp Records〉と契約、同レーベルにおいて初めて“ギターを用いるアーティスト”として迎えられた存在でもある。ダンス・レーベルの文脈にありながら、サンプラーやエフェクトを駆使してギターの質感を再構築し、エレクトロニック・ミュージックと実験的ギター・ミュージックの境界を曖昧にする表現を確立した彼らが、15年ぶりとなる最新アルバムをリリース!
15年ぶりのフルレングス・アルバム『Sol.Hz』は、これまでの歩みの延長線上に位置する重要作である。霞がかったテクスチャー、断片化されたメロディ、深くうねる低音が幾層にも重なり合い、小音量ではアンビエントに近接しながら、大音量ではダブ的な音響構造が立体的に立ち現れる。Mark Cliffordによる緻密な音像設計は、時間感覚や定位感を揺さぶりつつも、冷たい実験性へと傾きすぎることはない。Sarah Peacockの加工されたヴォーカルが確かな人間的気配を宿し、処理されたギター・ループの残響の中から旋律の断片が浮かび上がる。実体と空間、形と溶解のあわいを往還するその音響体験は、Seefeelというバンドの本質をあらためて提示するものであり、彼らの現在地を鮮明に示す一作となっている。
