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86 results
Thelonious Monk - Mønk (LP)Thelonious Monk - Mønk (LP)
Thelonious Monk - Mønk (LP)Gearbox Records
¥3,869

日本語ライナーノーツ付き。今もジャズ・ファンから愛される数多くのスタンダード・ナンバーを世に送りだし、その独創的なスタイルで注目を集め人々の心を鷲掴みにした鬼才ピアニスト、セロニアス・モンク。そんな彼がキャリア絶頂期の1963年に行なったコペンハーゲンで のコンサートの模様を収めた幻のライヴ音源。

1963年3月5日に行なった、デンマークの首都コペンハーゲンにあるオッド・フェ ロー・パレウでの公演は、欧州ツアーの一環だった。メンバーは前年に<コロンビア>から発表されブレイクのきっかけになったLP『モンクス・ドリーム』と同じで、モンクに加えフランキー・ダンロップ(ドラ ム)、ジョン・オーレ(ダブル・ベース)、チャーリー・ラウズ(テナー・サックス)から成るカルテット編成。

今作の元の音源はスコットランドの放送用テープで、デンマーク人プロデューサーが20年程前に文字通りゴミ箱から拾い上げたものを<Gearbox Records>が購入した宝物コレクションの一部である。そのテープからアナログ録音、アナログ・ミックス、そしてアナログ・マスターを施し完成させた、まさに特殊なオール・アナログ・レコーディングでの制作。これまでの中でも指折りと思われるモンクの奏法をレコードにするならこの方法しかないと感じたレーベルの意向で、その過程にデジタルを取り入れることはしなかった。そのおかげで蘇ったコペンハーゲンでのあの夜は、今後も語り継がれていくこと間違いないだろう。

Koki Nakano - Oceanic Feeling (LP+DL)Koki Nakano - Oceanic Feeling (LP+DL)
Koki Nakano - Oceanic Feeling (LP+DL)No Format!
¥3,794
自身のクラシック作品と電子音をミックスし、ダンスと音楽の関係を発展させた20年作『Pre-Choreographed』に続く形で、日本のピアニスト、Koki Nakanoが2022年に〈No Format〉から発表した最新アルバム『Oceanic Feeling』。フランスの作家であり音楽家でもあったRomain Rollandが1927年に残した語句からその名をとったアルバムであり、"Oceanic Feeling"とは、永遠の感覚、外界全体と一体になる感覚」と表現しています。静かな躍動と気品に満ち溢れたモダン・クラシカル/エレクトロニカの傑作!
muva of Earth - align with Nature's Intelligence (Pink Agate Vinyl LP)muva of Earth - align with Nature's Intelligence (Pink Agate Vinyl LP)
muva of Earth - align with Nature's Intelligence (Pink Agate Vinyl LP)Brownswood Recordings
¥3,300

ロンドンで生まれ育ち、アフリカ・ナイジェリア系ヨルバ族の血を引くオルタナティブ・ジャズ・アーティスト、muva of Earthがジャイルス・ピーターソン主催のレーベル<Brownswood Recordings>から待望のデビュー・アルバムをリリース!
スピリチュアルなマントラと気高いリリシズムを織り交ぜ、アフロ・フューチャリズム、ジャズ、クラシックなどをブレンドした彼女の音楽は、まさに変幻自在。muva本人が奏でるハープや、繊細にきらめくチャイム、そして遊び心あふれるピアノが美しい先行シングル「heaven hear me above」を筆頭に全8曲からなる本作は、脆弱性や癒し、前進的な考え方を中心とした瞑想的なプロジェクトであり、muvaはエンパワーメントと自己表現を呼びかけている。

この先行シングル「heaven hear me above」について、muvaはこう語っている:
「この曲は、自分らしさを誇りに思うことの意味について。また、天に理解を求める声明でもある。過去にあなたを傷つけたかもしれないけど、そんなつもりはなかった。私の意図は純粋であり、今も学びの途中であることを分かってほしい。愛を込めて。」

Herbie Hancock - Piano (Blue Vinyl LP)
Herbie Hancock - Piano (Blue Vinyl LP)Klimt Records
¥2,968
1978年の来日時に日本で録音され、当初は日本でのみ発売された全曲ピアノ・ソロによるアルバムで、日本ではハンコックにとって最も成功したアルバムのひとつ。「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」、「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」、「サム・デイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」といったジャズ・スタンダードに取り組む一方、4曲のオリジナル曲を収録した人気作。
Emahoy Tsege Mariam Gebru - Jerusalem (CD)Emahoy Tsege Mariam Gebru - Jerusalem (CD)
Emahoy Tsege Mariam Gebru - Jerusalem (CD)Mississippi Records
¥1,810
Meditationsでもベストセラーな1960年代から活動するエチオピアの女性ピアニスト、Tsege Mariam Gebruのナンと秘蔵初出音源がリリース!
Erik Satie, Debussyなどの西洋音楽のエッセンスとエチオピア教会音楽の悠久の歴史が物語る神聖美が邂逅し、アフリカの約束の大地の上にて魂の脈打つ鼓動と瞑想の響きが混ざり合った孤高の音楽であり、女性版Dollar Brandとも言える感動的なモダン・クラシカル。ピアノのみの純粋な音楽性とレトロな音質がたまりません。スピリチュアルな音源がお好きな方は当然マストですが、幅広い音楽ファンへとお薦めしたい果てなき霊性漂うマスターピース。
Alvin Curran - Fiori Chiari, Fiori Oscuri (LP)Alvin Curran - Fiori Chiari, Fiori Oscuri (LP)
Alvin Curran - Fiori Chiari, Fiori Oscuri (LP)Black Truffle
¥3,966
オリジナルは$300以上の値を付ける激レア盤!AMMやGruppo di Improvvisazione Nuova Consonanzaと並び、世界初の実験音楽家コレクティヴのひとつであるMEVことMusica Elettronica Vivaをフレドリック・ジェフスキー達とともに66年結成、半世紀以上にも及ぶキャリアを誇る、現代の実験音楽界において最も重要な作曲家であるAlvin Curranが、Roberto LaneriやGiacinto Scelsiらとともに運営していた短命なレーベル〈Ananda〉から78年にリリースしていた名作が初となるアナログ・リイシュー!『Songs and Views from the Magnetic Garden』(1975年)、『The Works』(1980年)、『Canti Illuminati』(1982年)といったタイトルに続く、1970年代から1980年代初頭にかけてアルヴィン・カランが発表した4つのソロ・レコーディング・シリーズの第2弾に当たる作品で、ミラノの交差点をイメージし、75年の4月に〈RCA Italiana Studios〉に録音されたアルバム。フィールド・レコーディングと、シンセサイザー、様々なアコースティック楽器、声による演奏を組み合わせ、ゆったりとしたテンポで夢の様なシークエンスへとアレンジした傑作。リマスター・オーディオ仕様。Alvin CurranとFrancis Plagneによる新規ライナーノーツが付属。
Bokani Dyer - Radio Sechaba (LP)
Bokani Dyer - Radio Sechaba (LP)Brownswood Recordings
¥4,275
様々な音楽が交わる南アフリカの国際都市、ヨハネスブルグは今新たなる文化が生み出される場所として最も世界的な注目を集めていると言っても過言ではない。
南アフリカのジャズシーンを切り取ったコンピレーション作品、『Indaba is』への参加で注目を集めたピアニスト/ソングライター/プロデューサーのBokani Dyerが最新作『Radio Sechaba』をトレンド・セッターGilles Peterson率いる〈Brownswood〉より発売!
本作は自身が影響を受けたものをすべて1つのものにまとめたアルバムで、曲ごとに異なるタイプの音や音楽、異なるアプローチで取り組んだと本人は語る。
アルバム制作時にインスピレーションを遮断することはなく、アフリカの音楽、アメリカの音楽など全ての音楽からの影響を昇華し、”ジャズ"を更新する作品を完成させた。トロンボーン奏者/歌手のSiya MakuzeniやピアニストのNduduzo Makhathiniに続く南アフリカからの新たな才能として見逃せない一枚!
Alva Noto + Ryuichi Sakamoto - Summvs (2LP)
Alva Noto + Ryuichi Sakamoto - Summvs (2LP)NOTON
¥5,497
深遠な美を醸す天上突破なコンテンポラリー・ミニマル/エレクトロニック作品!Alva Notoと坂本龍一によるコラボレーション・アルバムであり、〈Raster-Noton〉の〈V.I.R.U.S.〉シリーズ(全5枚)から2011年にCDリリースされた作品『Summvs』がリマスタリング仕様で〈NOTON〉より22年度アナログ・リイシュー。坂本教授とアルヴァ・ノトという二大巨星によるコラボ作品の第5弾。アナログ化が行われるのは今回が初となります。鎮静的にして瞑想的なミニマル・エレクトロニック傑作。
Okonski - Magnolia (CD)
Okonski - Magnolia (CD)Colemine Records
¥1,846
Steve Okonski率いるノース・カロライナ州アシュビルの新鋭ジャズ・トリオOkonskiによるデビュー・アルバム『Magnolia』が、良質なジャズ/ファンクの数々を送り出してきたオハイオの名門レーベル〈Colemine Records〉より待望のアナログ・リリース。真夜中の月明かりの下を歩くときの静けさ、一瞬または一生を共にする人とのつながり、新しい未知の旅に出るときに感じる緊張とカタルシスまでもが一手に繋がる、内省的にして瞑想的、そして、スピリチュアルなピアノ主体のジャズ・アルバム!
Loren Rush - Omaggio a Giuseppe Ungaretti (CD)Loren Rush - Omaggio a Giuseppe Ungaretti (CD)
Loren Rush - Omaggio a Giuseppe Ungaretti (CD)Recital
¥2,454
2022年度確実に最も見落とされた傑作であり、全力でレコメンドします!是非お見逃しなく!1950年代後半からベイエリアの前衛音楽シーンでTerry Riley、Robert Erickson、Pauline Oliverosらと共に活躍し、1975年にはスタンフォード大学のコンピューター音楽音響技術研究施設を共同設立した人物でもある不世出の作曲家Loren Rush。ほとんど世に知られてこなかった不世出の作曲家である彼がSean McCann主宰の名門〈Recital〉からのセカンド・アルバムとなる『Omaggio a Giuseppe Ungaretti』を発表!その作品はボストン交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団、サンフランシスコ交響楽団などでも演奏されている現代音楽界の重要な人物でありながら、作品の多くがほとんど出版されて来なかった幻のレジェンド的作曲家。イタリアの詩人・ジュゼッペ・ウンガレッティ(1888-1970)が第一次世界大戦の塹壕の中で書いた詩集『L'allegria(喜び、1914-1919)』」の詩から直接インスピレーションを受けた、孤高の静寂が息づくコンテンポラリー・ミニマル/ピアノ・アルバムに仕上がっています。限定200部。
Bheki Mseleku - Beyond The Stars (2LP)
Bheki Mseleku - Beyond The Stars (2LP)Tapestry Works
¥4,845
現在、タウンシップで生まれたジャズやバブルガム・ブギー、クワイトといった現地の音楽が世界的に再評価され、ロンドンに続く形で熱を帯びた現代ジャズ、GQOM、アマピアーノといった新たなジャンルまでもが興隆、国単位でその音楽が注目されている南アフリカで伝統的に盛んであり、西洋にも劣らず豊穣な同国ジャズ・シーンの鬼才、Bheki Mseleku (1955-2008)が03年に残した未発表録音が新レーベル〈Tapestry Works〉よりアナログ・リリース!03年11月28日にロンドンの〈Gateway Studios〉にてレコーディングされていたソロ・セッションを収録。まさにジャズ・アーカイブの歴史に於いて「発見」と言って差し支えのない、全ジャズ・ファン垂涎のアルバム。ユニークなジャズの命脈が息づきながらも、アパルトヘイトの「部族化」政策による弾圧を受けてきた同国産ジャズの失われた歴史的アーカイブへと捧げられた、知られざるスピリチュアル/アヴァンギャルド・ジャズの大傑作盤。本当に素晴らしいです。公式ライセンス。ライナーノーツ掲載/180G重量盤仕様。限定500部。この機会を絶対にお見逃し無く!
Nico Georis - Cloud Suites (LP)
Nico Georis - Cloud Suites (LP)Leaving Records
¥3,023
幻想的アンビエント/ニューエイジ・ミュージック、これは一生モノの美しさです。版元は、Matthewdavid主宰のもと、ビート・ミュージックからリバイバル・ニューエイジ、現代ジャズまでも横断してきたLAの名門レーベル〈Leaving Records〉から最新タイトル。テリー・ライリーの代表作『A Rainbow In Curved Air』から着想を得た天上系モダン・クラシカル傑作『Desert Mirror』を送り出していたカリフォルニアのピアニスト/作曲家のNico Georisによるニュー・アルバム『Cloud Suites』がカセットとアナログでそれぞれ登場。ライム病を患い、5年間孤独に闘病した後に制作された実験的なアンビエント・キーボード作品。曲の「組曲」は雲、むしろ雲の反映であり、それぞれの曲は特定の地層にちなんで名付けられているとのこと。
Nico Georis - Cloud Suites (CS+DL)Nico Georis - Cloud Suites (CS+DL)
Nico Georis - Cloud Suites (CS+DL)Leaving Records
¥1,984
幻想的アンビエント/ニューエイジ・ミュージック、これは一生モノの美しさです。版元は、Matthewdavid主宰のもと、ビート・ミュージックからリバイバル・ニューエイジ、現代ジャズまでも横断してきたLAの名門レーベル〈Leaving Records〉から最新タイトル。テリー・ライリーの代表作『A Rainbow In Curved Air』から着想を得た天上系モダン・クラシカル傑作『Desert Mirror』を送り出していたカリフォルニアのピアニスト/作曲家のNico Georisによるニュー・アルバム『Cloud Suites』がカセットとアナログでそれぞれ登場。ライム病を患い、5年間孤独に闘病した後に制作された実験的なアンビエント・キーボード作品。曲の「組曲」は雲、むしろ雲の反映であり、それぞれの曲は特定の地層にちなんで名付けられているとのこと。
Penguin Cafe - Rain Before Seven... (Clear Vinyl LP+DL)Penguin Cafe - Rain Before Seven... (Clear Vinyl LP+DL)
Penguin Cafe - Rain Before Seven... (Clear Vinyl LP+DL)Erased Tapes
¥5,280
ペンギン・カフェの4年振りとなる新作が完成。 英国独特の楽観主義とウクレレ、クアトロ、メロディカ、バラフォンなど異なる地域のテクスチャーが融合した彼らの理想郷。

『Rain Before Seven...』には楽観主義が息づいています。それは自慢げで自信過剰なものではなく、イギリスの国民性を表した軽薄で自虐的な楽観主義です。彼らはたとえあらゆる予兆が無かったとしても物事はうまくいくという確信のもとに動いているのです。
タイトルは韻を踏んだ予言とも言える古い天気予報のことわざに由来しています。ー11時前には晴れるー それは科学とは関係なくハッピーエンドを意味する言葉。アーサー・ジェフス曰く「それまで聞いたことが無かったけどある本でその言葉を見つけたんだ。かすかに楽観的なニュアンスがあってとても好きな言葉だよ。最近は使われなくなったけど大西洋から入ってくるイギリスの気象パターンを表現しているんだ。」

モリコーネを意識したオープニング"Welcome to London”から始まり"Goldfinch Yodel"まで映画を見ているような余韻に浸れます。そして常にエキゾチックなリズムの高揚感を感じながらもそこには悲壮感が漂っているのです。2011年の省略記号で締めくくられたアルバムタイトル「A Matter of Life...」にちなんだタイトル名には遊び心を感じます。そのペンギン・カフェとしてのデビューは父であるサイモン・ジェフスが率いた伝説のペンギン・カフェ・オーケストラとアーサーが率いる愛すべき子孫との架け橋となっているのです。

「スタイル的には遊び心のあるリズムや楽器使いに戻ることができてとても満足している」と語る若きジェフスは12年前のデビュー作を念頭に置いて新作を制作しました。「当初あったテクスチャーを今は使わなくなっていることに気付いたんだ。それらの要素は父の初期の作品に沢山あったんです。だからウクレレ、クアトロ、メロディカなどの音楽的にも地理的にもまったく異なる地域のテクスチャーやバラフォンが多く入っているんだ。」

『Rain Before Seven...』を聴けばそのテーマが単なる天気予報では無いことが分かるだろう。ある意味この作品は危険が去って行くのを橋の下で待ちながら書き留めた音楽の日記と言えるでしょう。彼は私たちと同じように2020年に自分が監禁されていることに気づきました。COVID-19の最中、最初のヨーロッパの目的地はイタリア。彼と家族は当時トスカーナの修道院を改造した建物に滞在していました。この修道院は彼の母親で有名な石像彫刻家であるエミリー・ヤングと12年ほど前に購入した建物です。オリーブの木に囲まれた丘陵地に検疫で足止めを食らうには最高の場所でしたが、一家は世界の多くの人々と同じように切実な不安と不確実性に直面していたのです。

そのため今作にはこの時期の個人的な体験に関する楽曲が多く収録されています。”Galahad"は16歳で亡くなったアーサーの愛犬を讃えた楽曲で15/8拍子で書かれています。”Lamborghini 754"は彼が母親のために買った40年前のトラクターがスタジオからオリーブ畑を横断しているのが見えたことから名付けられました。自身で操縦出来る広大なスペースがあったことは、都市や町に住む何百万人もの人々が経験することの出来ない贅沢であり幸運でした。さらに都会で暮らす人々の苦悩は、アーサーの父親が描いたペンギン・カフェ・オーケストラが誕生するきっかけとなったビジョンと不気味に重なり合ったのです。

1972年父であるサイモン・ジェフズは南フランスで休暇を過ごしているときに不味い魚を食べた事が原因で幻覚を見るようになりました。 「ベッドに横たわると奇妙な幻覚が繰り返された」と彼は後に語っています。「目の前にはホテルか公団住宅のようなコンクリートの建物があり、それぞれの部屋は遠隔で絶えずチェックされていた。部屋には人が居るけどみんなが"うわのそら"なんだ……」「しかも全くの沈黙だった。まるでその場にいる全員が無力化され色も無く匿名にされたように。その光景は私にとって秩序ある荒廃を想像させた」こんな未来の予感を払拭してくれたのが"無意識になれる場所"自由気ままなペンギン・カフェだったのです。

アーサーによれば父であるサイモン・ジェフズのイメージは"少し風変わりな古美術的アプローチ"で音楽を組み立てて耳に優しい音を再構築する人”でした。これは戦後の文筆家たちによる真剣な反応があったミニマリズムの台頭と同時期だったのかもしれません。「しかし父はブーレーズもジョン・ケージも大好きでした」とアーサーは付け加えます。クラシック音楽がポップスや東アフリカのリズムと融合することはインターネット時代(そしてPCOが決して嫌がらなかった広告においても)にはそれほど特別な事ではありませんが、1970年代の当時彼らはブライアン・イーノのレーベルObscureに所属して自分達がやっていることの難解さを実感していたのです。ペンギン・カフェ・オーケストラは長い間ルシェルシュ(フランス語で精選された物の意味)のままではいられなかったのです。

「父の斬新なアプローチは面白くて奇妙なアイデアを取り入れて奇妙なことをすることだったと思います。しかし常に美しく感情移入できるサウンドにすることを意識していました」とアーサーは語ります。その精神はペンギン・カフェにも受け継がれています。「父の音楽を演奏する一方で、同じ世界で新しい音楽を演奏するのです。つまり原点に立ち返りスラッシュ・メタルの領域に踏み込まないように気を配るのが私の役目です」

しかし、共同プロデューサーのRobert Rathsに後押しされ『Rain Before Seven…』のリズム要素はかつてないほど前面に押し出され、エレクトロニカを彷彿とさせる楽曲もあります。例えば"Find Your Feet”は単純にパルス音だけで構築された楽曲ではありません。Tom Chichester-Clarkがミックスしたこの曲は、アーサーが「エレクトロニックに近い感覚」と表現するように彼らの音楽に新たな融合をもたらしています。そして彼は興奮気味にこう付け加えます、「過去3枚のレコードではあまりやらなかったような楽しい要素がここにあるんだ。」アンビエントのゴッドファーザーであるハロルド・バッドに捧げた"In Re Budd”はこの曲を書いた日に彼が亡くなっていたことに気づき、シンコペーションが巧妙なアレンジを加える事で追悼したのです。アップライトピアノで演奏し音の跳ねを強調するために”プリペアド"フェルトを使用しました。アフロ・キューバン・カフェのような雰囲気があるこの楽曲はバッドの異質さをアピール出来たと彼は感じています。

そして"Welcome to London"は世界が再び動き始め人々が飛行機に乗れるようになった事からその名が付きました。久しぶりに故郷に降り立った彼はヒースロー空港からタクシーで西ロンドンに向かい、控えめな薄明かりの背景をバックに007の映画を想起させる雰囲気に心を打たれたのです。楽観主義がそこにあり少し辛辣な皮肉もあるのかもしれません。「ロバート・ラス(Erased Tapesのオーナー)は今作に興味深いニュアンスを加えてくれました。多くのロンドン市民はもともとロンドン出身ではないのです。ロンドンにはよそ者としてやって来て、まだ自分の仲間を見つけられないうちに強盗に襲われる…そうなると"Welcome to London"はより皮肉な響きを帯びてくるんだ。」
John Carroll Kirby - Conflict (LP)
John Carroll Kirby - Conflict (LP)Stones Throw
¥3,437
2018年のデビュー以来、コンスタントに傑作を送り出してきたLAの要注意人物にして、これまでもBlood OrangeやSolange、The Avalanchesといった超大物たちと共作してきたキーボーディスト、John Carroll Kirby。2020年にデジタル配信限定で発表していたアルバムがめでたくアナログ化!2018年作のニューエイジ/アンビエント・カセット作品『Meditations in Music』で描いたスピリチュアルな音世界をパンデミックの世界的危機以後の空気とリンクさせたかの様な、ピースフルなモダン・クラシカル/アンビエント作品に!痛みと内省を通過した深遠なサウンドスケープを描き出した傑作アルバム。
近藤伸子 Nobuko Kondo - J.S.バッハ:フーガの技法 BWV 1080 Die Kunst der Fuge (2CD)
近藤伸子 Nobuko Kondo - J.S.バッハ:フーガの技法 BWV 1080 Die Kunst der Fuge (2CD)ALM RECORDS
¥3,740

現代のピアノによってのみ到達し得るバッハ演奏の美―それを体現する近藤伸子が晩年の最高傑作《フーガの技法》を録音。声部の動きを明晰に多層化する研ぎ澄まされた知性と身体が、対位法の極北に位置する音楽的実存に迫る。冒頭の一音から、突如として訪れる最後の静寂まで、透徹した意思と静けさに満ちた緊張が持続する珠玉の演奏。


「フーガの技法」はバッハ最晩年の傑作である.楽器の指定がなく,器楽合奏曲として捉える説もあるが,鍵盤作品と見る説が優勢である.対位法の様々な技法を体系的に示そうと意図して作曲された野心的な試みで,その構成および曲の配列には歴史的諸説ある.鍵盤楽器のソロでは,18曲演奏する形が一般的である.1740年代前半から書かれ,いずれも共通する主題に基づくフーガ形式で,これはその第1曲でもっとも単純な4声のフーガである.
この曲集に含まれるフーガの多くは,J. S. Bachの鍵盤作品中,「音楽の捧げもの」の6声のリチェルカーレと並び,極めて演奏難度の高いものである.この演奏困難さと配列の不確定性などから,「ゴルトベルク変奏曲」「平均律クラヴィーア集」などと比べると耳にする機会が少ない.また,これを「学問的」な作品と見なす向きもあるが,実際の音として聴かれ,演奏されてこそ,この作品は生きてくると私は考える.(Youtube説明欄より)

J.S.バッハ: フーガの技法  BWV 1080
[1] コントラプンクトゥスI
[2] コントラプンクトゥスII
[3] コントラプンクトゥスIII
[4] コントラプンクトゥスIV
[5] コントラプンクトゥスV
[6] コントラプンクトゥスVI フランス様式による4声
[7] コントラプンクトゥスVII 拡大と縮小による4声
[8] コントラプンクトゥスVIII 3声
[9] コントラプンクトゥスIX 12度の転回対位法による4声
[10] コントラプンクトゥスX 10度の転回対位法による4声
[11] コントラプンクトゥスXI 4声

[1] コントラプンクトゥスXII 4声 基本形
[2] コントラプンクトゥスXII 4声 転回形
[3] コントラプンクトゥス XIII 3声 基本形
[4] コントラプンクトゥス XIII 3声 転回形
[5] 8度のカノン
[6] 3度の転回対位法による10度のカノン
[7] 5度の転回対位法による12度のカノン
[8] 反行形による拡大カノン
[9] 3つの主題によるフーガ(未完)

録音:彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール 2019年5月30-31日

近藤伸子
東京藝術大学器楽科大学院博士課程修了。シュトックハウゼンのピアノ曲に関する論文と演奏で博士号取得。文化放送音楽賞受賞。1986〜88年ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生としてベルリン芸術大学へ留学、最優秀の成績で卒業。A. シュナーベルコンクールで1位なしの第2位、受賞コンサートでの演奏は「ターゲス・シュピーゲル」紙で絶賛される。ブゾーニ国際コンクール入賞。1990年ウィリアム・カペル国際ピアノコンクールでナンシー・ミラー記念賞を受賞。ベルリン交響楽団、シンフォニーオーケストラ・ベルリン、ハイドン・オーケストラ(イタリア)、東京交響楽団、東京藝大オーケストラ他多数のオーケストラと共演。 現代曲や新作初演にも意欲的に取り組み、「サントリー芸術財団サマーフェスティバル」「東京の夏音楽祭」他に出演。1993年にはリサイタルシリーズ「20世紀のピアノ曲」を開始。また、 近年はJ. S. バッハの作品も集中的に取りあげ、 特に2000年および2005年の「平均律クラヴィーア曲集第I・II巻」全曲によるリサイタルは高い評価を得た。またCD「J.S.バッハ トッカータ 全曲」「新ウィーン楽派 ピアノ作品集」「近藤伸子 プレイズ J.S.バッハ」(『レコード芸術』特選盤)をリリース、好評を博している。2014年、第69回文化庁芸術祭優秀賞受賞。2017年4月より1年間、国立音楽大学長期国外研修員としてベルリンに滞在、ベートーヴェンのピアノ作品を中心に研究を行なう。現在、国立音楽大学教授。

Lisa Lerkenfeldt - With Water Up To Her Knees (CS+DL)Lisa Lerkenfeldt - With Water Up To Her Knees (CS+DL)
Lisa Lerkenfeldt - With Water Up To Her Knees (CS+DL)Shelter Press
¥1,584
版元完売最終入荷です。〈Vienna Press〉や〈Aught Void〉といったカルト・レーベル作品も知られるオーストラリアの女性実験作家にして、ミニマリストのストラクチャーを静寂と強度で探求し続けてきた要注意人物、Lisa Lerkenfeldt。〈Shelter Press〉からのタイトルとしては実に2年ぶりとなる最新カセット・シングル作品『With Water Up To Her Knees』が登場。「ピアノとテープのための」最新作!Charlemagne PalestineやElodie Lautenのファンにもレコメンドしたい天上系ポスト・ミニマル2曲を収録。ただただシンプルであることを美徳とし、胸を締め付けるようなエレガンスを表現した神々しいピアノ・ソロ・ヴィネットを収めた極上の一本に仕上がっています。Joe Taliaによるマスタリング仕様。限定100部。
Dominique Lawalrée - First Meeting (Clear Vinyl LP)Dominique Lawalrée - First Meeting (Clear Vinyl LP)
Dominique Lawalrée - First Meeting (Clear Vinyl LP)Catch Wave / Ergot
¥4,236
ブリュッセル出身の宅録ミニマル~アンビエント・アーティストであるDominique Lawalree(1954-)が、自身が運営するレーベルEditions Walrusより人知れず1978-1982年に発表していた音源をヴァイナル・コンパイル!元々はあのBrian Enoが主催するObscure Recordsより発表される予定だったというお墨付きなアーカイヴで、サティの影響も垣間みれる物憂げ美しくミニマルに反復するエレクトリックピアノを中心に、誰へ向けた音楽でもないこじんまりとした礼拝堂のようなアンビエンスを展開。この小さな佇まいが良いですね。RVNGやMusic from Memoryファンや、往年のアンビエント・ファンへも大推薦な一枚。Rashad Beckerに新リマスタリング仕様、インサート付属。限定500部。
Carlos Aguirre - Caminos (LP)
Carlos Aguirre - Caminos (LP)Shagrada Medra
¥4,950
カルロス・アギーレが2006年に発表した、定番曲・人気曲を数多く収録したソロ・ピアノ作品が、完全限定盤として待望のアナログ・レコード化。
鍵盤から広がる豊潤な心象風景が、美しい旋律と深い余韻で描かれる全13曲を収録。今まさに音楽家としての円熟期を迎えたカルロス・アギーレのキャリアを語る上でも欠かせない重要作!

カルロス・アギーレ・グルーポ名義での3枚の名作『クレーマ』(00年)、『ロホ』(04年)、『ヴィオレータ』(08年)、ソロ名義の『オリジャニア』(12年)、『ラ・ムシカ・デル・アグア〜水の音楽』(18年)、トリオ名義の『カルマ』(17年)、さらに5人編成のギター・キンテートでの『バ・シエンド・ティエンポ』(22年)まで、アルバムごとに新たな境地を切り拓き、音楽家として円熟期を迎えているカルロス・アギーレ。そんな彼が、作曲を始めた17歳の時からずっと作りたいと願い続けてきた、子供の頃から親しんできた楽器であるピアノの独奏によるアルバムが、2006年に発表されたこの『カミーノス』です。

収められているのは、生命の躍動、雄大な自然の風景、子供の頃の記憶などを投影した名曲の数々。2011年の初来日ツアーで必ず1曲目に演奏していた(つまり、カルロスが日本で最初に演奏した)曲として多くの人々の記憶に残る「Pampa」①で幕を開け、静寂に包まれた「Um pueblo de paso」②では素朴なメロディーが郷愁を誘い、「Romanza」③は生命力に溢れたタッチとロマンティックなフレージングが胸を打ちます。モダンなハーモニーとフォルクローレのリズムの融合をピアノで表現した、カルロスならではの佳曲が並ぶ中盤を経て、素朴で感動的な小品「Mai」⑨、アルゼンチンのサンバ(Zamba)の名曲をアギーレ流に解釈した「Zamba para no morir」⑪、そして来日公演での圧倒的な演奏が大きな喝采を浴びた「Milonga gris」⑫は、数多くのアーティストにカヴァーされる名曲。そしてアルバムは、雄大なパラナー河の水面に映る夕焼けの揺らめきのような、心安らぐ子守唄「Canción de cuna costera」⑬で、まるで映画のエンドロールのように感動の余韻を残します。
Koki Nakano -  Pre-choreographed (LP+DL)Koki Nakano -  Pre-choreographed (LP+DL)
Koki Nakano - Pre-choreographed (LP+DL)No Format!
¥3,794
パリを拠点とする若き奇才ピアニスト/作曲家:中野公揮。音楽とダンスが密接だった時代へのサウダーヂを込めた4年ぶりのセカンド・アルバムは、ソロ・ピアノを基調とした美しくイマジナティヴな大傑作!
世界的チェロ奏者:ヴァンサン・セガールとのデュオによる1stアルバム『Lift』で鮮烈なデビューを飾ったパリの若き日本人ピアニスト/作曲家:中野公揮が、4年ぶりとなる2ndアルバムを完成。前作同様、ゴンザレス『Solo Piano』(’05) やアラ・ニ『ユー&アイ ~四季の歌』(’16) など、一貫した美意識で絶大な支持を得るフランスのレーベル<NO FORMAT!>からのリリースとなる。『Pre-Choreographed(振り付けされる前の)』と題された本作は、音楽とダンスが社会的にとても近い状態にあった時代へのサウダーヂを込め、2020年の中野公揮のスタイルで、より自由にこれら2つのアートの融合を試みたという作品。人の肉体のしなやかさや優美さ、躍動感などを見事に感じさせるコンポジション、そして、ソロ・ピアノを基調としながらもエレクトロニカのような ”ノイズ”が不意に空間を揺さぶるなど、端正なだけに留まらない刺激を孕んだ音世界は、聴く者のイマジネーションを掻き立ててやまない。ダミアン・ジャレなど、中野が影響を受けたダンサー・振付家とのコラボレーションによる素晴らしいビデオクリップの数々も必見だ。
Melaine Dalibert - Magic Square (Clear Vinyl LP)Melaine Dalibert - Magic Square (Clear Vinyl LP)
Melaine Dalibert - Magic Square (Clear Vinyl LP)FLAU
¥4,180

現代音楽シーンで注目を浴び、David SylvianやSylvain Cheauveauともコラボレーションを果たす気鋭のピアニストがFLAUよりニューアルバムをリリース。
夢想から生まれ、夢想のために設計された叙情的ピアノ組曲。

フランスのピアニスト、作曲家メレーヌ・ダリベールの新しいピアノ組曲 Magic Square の中心は「動き」。この場合、動き=移動とは必ずしも物理的なものではありません。実際、ここ数年の世界の歴史を振り返ると、多くの人にとって移動と旅行は遠い夢のようなものでした。窓から屋根や電線を眺め、遠くに見える雲に覆われた青空を眺めながら漂う想像力。私たちが現実に目を向けず、手の届かないものへの憧れを抱いているとき、この音楽は夢想から生まれ、夢想のために作られました。
5分間に渡ってゆったりとした和音がペーソスを豊かに響かせる「Choral」の大胆な優しさから、「Prélude」のシンプルでうねるようなモチーフまで、Magic Square には穏やかで心地よい音楽がちりばめられています。しかし、躍動感あふれる「Perpetuum Mobile」や、ポップな構成の「Five」など、キネティックな動きを伴う曲もあり、Magic Square の中で最もメロディックな「A Song」は、ノスタルジックな雰囲気に包まれてさえします。アルバムのタイトルそのものが、同名の数学的ゲームにちなんでおり、数学的概念を用いて音楽を創作してきたダリベールの出自が露わになります。例えば、7拍子の「Ritornello」は、落ち着かない子守唄のような響きです。

ダリベール自身が「ファンタジーの旅」と呼ぶように、「魔法の広場」の風景はメランコリーを帯びています。「More or Less」は、遠い未来への希望にしがみつき、その飾り気のない旋律の間の空間は、考えるための時間を提供してくれます。この組曲の最後を飾るタイトル曲は、あまりにも短い間、別世界への入り口であった窓を雨が流れ落ちるように、リスナーを現実の世界に連れ戻すのです。

Melaine Dalibertは現代音楽の作曲家として、オリジナルのピアノ作品の他、ジェラール・ペソン、ジュリアーノ・ダンジョリーニ、トム・ジョンソン、ピーター・ガーランドなど多くの作品の斬新な解釈で、注目を集めるフランスの作曲家/ピアニスト。レンヌでピアニストとしての教育を受けた後、パリ音楽院で現代作曲家の作品のレパートリーを多く学ぶ。幼い頃から実験音楽にも親しみ、数学的な概念を通して作曲する方法を見出したという。ハンガリー生まれのフランス人メディア・アーティスト Véra Molnarの作品に影響を受け、モートン・フェルドマンを思わせる引き伸ばされた時間の概念を含む独自のアルゴリズムによる作曲方法を開発し、フラクタル・シリーズという概念を取り入れたミニマルで内向的な作品を発表している。彼のピアノ曲はこれまでに7枚のCDに収録されている:2015年に自主制作された「Quatre pièces pour piano」、2017年にAnother Timbreから発売された「Ressac」。2018年からはErstwhile RecordsやGravity Waveを運営するYuko Zama主宰のelsewhereから立て続けに4作品をリリースし、その全てのアートワークをデヴィッド・シルヴィアンが手がけ、「Night Blossoms」ではサウンド面でも協働を果たしている。最新作はIci d’Ailleurs からリリースされた「Shimmering」。

その他、FLAUからリリースされたSylvain Chauveau「Life Without Machines」や、近年再評価の著しいJulius EastmanのEnsemble 0による録音、ギリシャ人作曲家Anastassis Philippakopoulosなどのアルバムにもピアニストとして参加。フランス国内外の多くのフェスティバル、美術館、現代アートセンターでの演奏も活発に行っている。

Glenn Gould - Bach: The Goldberg Variations (1955) (Clear Vinyl LP)Glenn Gould - Bach: The Goldberg Variations (1955) (Clear Vinyl LP)
Glenn Gould - Bach: The Goldberg Variations (1955) (Clear Vinyl LP)WAXTIME IN COLOR
¥3,300
グールド永遠の名盤・55年ゴルトベルクが、クリアカラー&180g重量盤で登場!

主にジャズの名盤を180gカラー盤で復刻しているレーベル「WAX TIME IN COLOR」から、グールドのゴルトベルク、55年録音盤が登場。クラシックのリリースはまったくもって稀有。
グールドのSONYデビュー盤となった本作は「ピアノによるバッハ」のあり方を根本から覆した衝撃の演奏。疾走感にあふれたタッチ、快感を伴うほどの対位法処理、独特な内声の歌いこみなどの特徴は、後の世に無視することの出来ない決定的な影響を与えました。
ジャンルを超えてあまねく知られるグールドの名盤。クラシック・ファンはもちろん、ジャズ・ファンにもおすすめの注目リリースです。
V.A. - Thorn Valley (2LP)V.A. - Thorn Valley (2LP)
V.A. - Thorn Valley (2LP)World of Echo
¥4,784

DIY精神に満ちた自主レーベルを運営しながらロンドン市内でレコード店も営む〈World of Echo〉4周年を記念して制作された、2枚組LPで500枚限定の20曲入りの贅沢なコンピレーションアルバム。午睡を誘うような”Blackwater - Overload”までの流れから、”Komare - Blanco y Verde”から始まる寝耳に水のような、点滅するヴォイスとノイズのコントラスト、終盤の”Tara Clerkin & Sunny Joe Paradisos - Castelfields”でまた幸福で長い気怠さが戻ってくる。始まりと終曲をPat Benjaminの鎮静作用のあるピアノ曲で纏めた、とりとめがないようで巧みな楽曲構成、そして繰り返し繰り返し聴きたくなるのは、中毒性のある微量の毒素が含まれているからなのかも。

Andrei Vieru - J.S. Bach: Das Wohltemperierte Clavie Vol.2 (3CD)
Andrei Vieru - J.S. Bach: Das Wohltemperierte Clavie Vol.2 (3CD)Alpha Productions
¥2,581
Meditations大推薦盤。ルーマニア人ピアニスト、Andrei Vieruによる平均律クラフィーア曲集です。父親は作曲家であり、本人もピアノを弾くだけではなく絵を描いたり、文章を書いたりと、とても知的な人のようです。演奏も、ピアニストとして本能的で快楽的なものではなく、知的な抑制と真理を探求する求道者のような気配があります。流れに乗って音楽を転がすのではなく、精神の働きによって音が音楽となっていき、表出される音世界を漂っていると、いつのまにか自分の内側に浸透してくるようで癖になる魅力があります。また、クラシック特有の古典の表現ではなく、同時代感があり、その点も非常に意味のあることかと思います。クラシックが好きな方以外の方にもぜひ聴いていただきたい内容です。

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