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John Also Bennettによる、2019年の『Erg Herbe』以来となるソロ作『Ston Elaióna』が〈Shelter Press〉から登場!本作は、彼が現在拠点とするギリシャ・アテネで制作され、バスフルートと純正律によるYamaha DX7iiシンセを中心にしたエレクトロアコースティック作品で、早朝の静けさのなかで録音された音は、古代と現代が交錯するアテネの空気をそのまま封じ込めたような、詩的で内省的な響きを持っている。タイトル「Ston Elaióna(オリーブの木立にて)」が示す通り、土地の風景や歴史、都市の雑音、教会の鐘、嵐、家の中の出来事といった日常の体験と環境音が深く反映された、都市のアンビエンスやフィールド録音を織り交ぜた静謐な全9曲。ミニマルで感情豊かな音世界が展開される。現存する世界最古の楽曲「Seikilos Epitaph」のカバーをはじめ、宗教的な感情やギリシャ神話、土地の記憶が静かに反響するような雰囲気で、古代と現在、外界と内面を音で結ぶ。長年の漂泊と深いリスニングの実践が、ミニマルでスピリチュアルな音世界に結晶したような一枚。

ウィリアム・バシンスキの金字塔的作品『The Disintegration Loops』が、ローリー・アンダーソンのライナーノーツとジョシュ・ボナティによる最新リマスタリング、オリジナル・アートワークの修復版を収録した豪華仕様で再発。本作は、テープの物理的な劣化をそのまま録音したループ素材によって、音が徐々に崩れゆく過程を追った全4作構成の作品。もともとは1970年代から続けていたミニマル/テープ実験のアーカイブを再生中、磁性体が剥がれ落ちていくことに気づいたバシンスキーが、それをそのまま録音しながらリバーブを加えて仕上げたもの。偶然とはいえ、9.11の朝に完成し、その日バシンスキの自宅屋上で友人と一緒に最初の曲を再生しながら事件を目撃したという経緯もあり、リリース当時から喪失と記憶の音の碑として多くの人に深く受け止められた。2000年代以降のアンビエント/サウンドアートを語る上で避けて通れない傑作であり、時間が音になったかのような体験をもたらしてくれる作品。

ダブリン出身で、30年以上アメリカで職人として暮らしてきたhenry o henryが、兄から譲り受けた6ドルのギターで曲を書き始めたことから生まれた初アルバム。自身をミュージシャンではないと語るものの、映画監督Rick Alversonの後押しで制作が本格化し、Eamon O’Leary(ギター)と Ned Steves(ベース)がリハーサルなしで初めて共演するという、極めて素朴で直感的なセッションを軸に録音された。声とギターを中心にした素朴で静かなフォークで、余計な装飾を排した言葉のための空間が広がる。henryの歌は移民としての時間、土地に馴染みきれない感覚、過去の記憶と現在の生活が折り重なるような語り口で、Nick DrakeやLeonard Cohenの系譜に連なりながらも、もっと素朴で、もっと個人的な温度を持つ。静かで深いフォークの中に、移民としての人生の重みと、日々の労働の中で育まれた言語感覚が息づく、個人の物語を丁寧にすくい上げたアルバム。

10月下旬再入荷。トム・ウェイツ、アダム・ドライバー、ケイト・ブランシェットらも出演の、映画『Father Mother Sister Brother』へのサウンドトラック。本作は映画監督ジム・ジャームッシュと音楽家Anikaのコラボレーション作品で、もともと音楽への造詣が深く、自身もバンドSQÜRLのメンバーとして活動するジム・ジャームッシュも音楽制作に直接関与。Anikaとの共同名義でクレジットされており、作曲・演奏・プロデュースの面で両者が協働しており、 彼の詩的な感性とAnikaのミニマルな音響スタイルが融合し、映画の世界観を支える静謐で幻想的な音楽を生み出している。曲目には「Spooky」「Disorder」「The Lake」「Twins」「Emptiness」など、映画の情景を反映したタイトルが並び、Kaleidoskop弦楽四重奏団との共演によるジャクソン・ブラウンの「These Days」のカバーも収録。ジャームッシュ作品らしい静かな余韻と、アニカの音響的探求が交差する、映画と音楽の境界を越えた芸術的なサウンドトラックとなっている。

ロンドン拠点のダブルベーシスト、作曲家のTom Wheatleyが手がけた、Giulio Bertelli監督の映画『AGON』のオリジナル・サウンドトラックが〈PAN〉より登場。映画『AGON』は、架空のオリンピック「LUDOJ 2024」を舞台に、柔道・フェンシング・射撃の3競技に挑む女性アスリートを描く作品で、観客のいないスタジオで競技が行われ、音と映像のすべての層を記録するという設定のもと、スポーツの政治性、身体性、テクノロジーとの関係が浮かび上がる。Wheatleyの付けた音楽は、スコアは、身体の動きそのものを音に変換するというコンセプトで制作された、極めて実験的なもので、各競技と楽器の身体性を対応させるという独自の手法で構築されている。柔道=パーカッション、フェンシング=チェロ、射撃=サックス。それぞれの楽器が競技の動きや緊張を表現し、音が動作の痕跡として立ち上がるような構造になっている。生演奏の信号をスタジオで極端に加工し、金属音、呼吸、擦過音、衝突音が抽象化されて、音楽と効果音の中間にある音響空間が広がる。静寂もまた重要な要素で、観客のいないスタジオの空気そのものが音楽の一部として機能するかのよう。映画音楽でありながら、実験音響・ミニマル・現代音楽の領域に踏み込んだ一枚。

Fela Kuti率いるAfrica 70のコンガ、バック・ヴォーカルを担当した元メンバーであり、アフロビート黄金期を支えたガーナ出身の重鎮Pax Nicholasが、パリの名門〈Comet Records〉からリリースする12インチ『Mind Your Business』。重厚なブラス・セクションと鋭利なギター・リフ、幾重にも交錯するパーカッションが炸裂する、ヘビー級アフロビート・ナンバー。圧倒的な熱量とダイナミズムを放つオリジナルに加え、カップリングにはパリのプロデューサーGabriel Belabbasによるリミックスを収録。アフロビートの骨格であるパーカッションやブラス、熱量を削ぎ落としてミニマルに再構築。MoodymanやRicardo Villalobosの系譜を感じさせるディープでスモーキーなダーク・グルーヴへと昇華させ、空間の余白と徐々にビルドアップするスローバーニングな仕上がり。アフロビートの伝説的生き証人Pax Nicholasが放つ、怒涛のオーセンティック・アフロビートと現代的なミニマル・ディープハウス/フレンチ・リミックスが融合した充実の一枚。

ロサンゼルスの作曲家、マルチ奏者 Brendan Eder が率いるアンサンブルによる、室内楽、アンビエント、ミニマル、フォークロアが柔らかく溶け合った作品。タイトルの通り、ニューイングランドの海辺にある小さなコテージを思わせる、静けさ、温かさ、ノスタルジーがアルバム全体を包んでいる。フルート、クラリネット、バスーンなど木管中心の室内楽編成、素朴で温かいフォークロア的な旋律による懐かしさに、現代的なミニマル感覚がふんわりと漂う。

ピアノ、チェロ、エレキギターというシンプルな編成から、驚くほど豊かな質感を引き出す、〈Posh Isolation〉作品も知られるデンマークのアーティスト、Cæcilie Trier (CTM)、Jakob Littauer、Mads Kristian Frøslevという面々による"TLF Trio"による2ndフルアルバム『Desire』。音数は決して多くないのに、ひとつひとつの音が空間に深く響き、静寂そのものが音楽の一部として機能しているようで、まるで室内楽を現代の視点で再構築したような、新しい視点で組み立て直したような、クラシックともジャズとも異なる独自の音像。サンプリングや反復のモチーフも織り込まれ、ミニマル・ミュージックの構造とレフトフィールドな電子音楽の感覚が自然に溶け合う。即興から生まれた柔らかさと、緻密に設計された構築性が同時に存在し、音楽が呼吸するようにゆっくりと展開していく。様々な音楽の影響がさりげなく交差しながらも、どれにも回収されない独自のバランスを保っている点が魅力的で、静けさの中に潜む微細な動きや、音の余白が生むドラマをじっくり味わえる一枚。

10月15日再入荷予定。現代アート・ポップの傑作『Suntub』のML Buchによる、同作の深層を解き明かす10インチEP『Suntub Extras』。ポピュラリティを支えていた歌唱の要素を削ぎ落とし、彼女の緻密なプロダクションの核を成すスケッチ群やルーツをむき出しにしたもので、Kate Bushを思わせる温かみのあるフレットレス・ベースや音響設計、Oneohtrix Point Never的なコラージュ感覚、そしてCocteau Twinsを想起させるドリーミーなギター・エコーが交錯。反復される繊細なギター・フレーズはミニマリズムやニューエイジの領域へと接続され、スローモーな余韻とともに神秘的で透明感あふれる音響世界を描き出している。親しみやすいレイヤーを取り払うことで却って際立つ本質的な魅力に溢れた重要な一枚。

オリジナルは2012年リリースの、OMの5作目となるアルバム『Advaitic Songs』。ミニマルかつ儀式的なドゥーム/ドローンを基盤にしながら、今作はチェロやヴァイオリンなどのストリングス、女性ヴォーカル、中東・南アジア的要素を含む旋律など、より多層的で荘厳な音響が全編にわたって注ぎ込まれている。スティーヴ・アルビニをはじめとするエンジニア陣の手によって生々しく記録された音像は、深いリヴァーブと空間的広がりを持ち、まるで聖堂の中で演奏されているかのような響きを持つ。スピリチュアル・ジャズや中東音楽、グレゴリオ聖歌やヨーロッパー中世音楽、神秘主義的ドローンなどに通じる要素を取り入れながら、ドゥームの骨格を保ち続けている点も驚異的で、宗教的・哲学的なミニマル音楽と東洋的エッセンスをも融合させた、スピリチュアル・ドゥーム/メディテーショナル・ドローンとでも言うべき、極めてユニークな充実作!

オリジナルは2012年リリースの、OMの5作目となるアルバム『Advaitic Songs』。ミニマルかつ儀式的なドゥーム/ドローンを基盤にしながら、今作はチェロやヴァイオリンなどのストリングス、女性ヴォーカル、中東・南アジア的要素を含む旋律など、より多層的で荘厳な音響が全編にわたって注ぎ込まれている。スティーヴ・アルビニをはじめとするエンジニア陣の手によって生々しく記録された音像は、深いリヴァーブと空間的広がりを持ち、まるで聖堂の中で演奏されているかのような響きを持つ。スピリチュアル・ジャズや中東音楽、グレゴリオ聖歌やヨーロッパー中世音楽、神秘主義的ドローンなどに通じる要素を取り入れながら、ドゥームの骨格を保ち続けている点も驚異的で、宗教的・哲学的なミニマル音楽と東洋的エッセンスをも融合させた、スピリチュアル・ドゥーム/メディテーショナル・ドローンとでも言うべき、極めてユニークな充実作!
サン・セバスティアン出身で現在はニューヨークを拠点に活動するバスク人マルチ奏者Iker Munduateによる注目のセカンドアルバム『Sinkronia』。ノイズ、パンクからフリー・ジャズ、インプロ・シーンを経て、リンカーン・センターでのGlenn Branca作品への参加など異彩を放つ彼が、ファイン・アートの美学と高度なコンポジションを融合させて生み出した現代ミニマル・ミュージックの逸品。シロフォンやハンドドラムなどの多彩なパーカッション、エレクトリック・ギター、シンセサイザーを用い、Steve ReichやSuso Saiz、高田みどりらに通じる東洋・西洋のミニマリズムを独自に展開。Steve Reich調のミニマリズムからDetroit Escalator Companyのような静謐なフューチャリスティック感、さらには竹村延和を思わせる繊細な内省性までを感じさせる音響空間を構築。イタリアのアヴァンギャルドや日本のニューエイジが洗練された構造美のもとで交差する充実の一枚。

〈Chain Reaction〉のカタログの中でも異彩を放った、オリジナルは1999年発表のHallucinatorの『Landlocked』が、2LP仕様で再登場。Trevor Mathison、Anna Piva、Edward Georgeの3名によるプロジェクトで、ロンドンの実験音響とベルリン後にダブ・テクノと呼ばれる潮流が交差した、深く響くアルバムで、低域、ざらついた質感、霧のようなアンビエンスが折り重なり、音が引かれたり戻ったりするサブトラクティブな構造が全編を貫く。一定のグルーヴを保ちながら、空間の揺れや残響の変化がじわじわと立ち上がることで、音響の奥行きが強烈に感じられる。質感と空間処理が主役で、音の層が地層のように積み重なっていく感触。Rashad Beckerによるリマスターは、オリジナルの荒さと深度を損なわず、現代的な精度で再構築。歴史的文脈と現在の音響感覚が自然に接続された再発盤。

2026年リプレス!10年代の再来以降、絶大な人気を誇り続けるディープ・ハウス/ダブ・テクノ国宝級プロデューサーShinichi Atobeが、〈Basic Channel〉のサブレーベル〈Chain Reaction〉から2001年に発表したダブ・テクノの重要作が〈DDS〉より復刻!Demdike Stareも長年その魅力を高く評価してきた一枚で、〈Chain Reaction〉特有の深く沈み込むダブ・テクノの構造を備えながらもドリーミーでロマンティックな雰囲気が特徴的で、深く甘美なシューゲイザーにも接近した、淡く滲むような幽幻的音響による〈Chain Reaction〉屈指の傑作。

2026年リプレス!10年代の再来以降、絶大な人気を誇り続ける日本のテクノの宝にして、〈Chain Reaction〉からのリリースも知られる偉才がまたしてもカムバック。陶酔感溢れるヒプノティックなミニマル/テック・ハウス・サウンドを展開したベテランの風格溢れる渋い一枚!〈Modern Love〉からの傑作群も知られる名デュオ、Demdike Stare主宰の大名門〈DDS〉からは、大大大人気作『HEAT』(当店ベストセラー!!!!!)の爆発的なヒットでもおなじみのShinichi Atobeによる同レーベルからとしては初めてとなる12"シングル作品をドロップ。ヘヴィなベースによるアシッドなファンクネスと揺らめくコズミックなウワモノ、瞑想的なアンビエンス・パッドが珠玉なA面、都心部的な夜景を思い起こさせるユーフォリックでチルアウト感に溢れたアンビエント・ダンスで締めくくるB面共に大変秀逸です!

フィールド録音とアンビエント、ミニマルの文脈で知られるSa Paが、新レーベル〈Dub Techno For Life〉を立ち上げ、その第1弾として発表した12インチEP『Girls On Tour EP』。これまでの内省的な音響作品とは異なり、クラブ向けの Sa Paを明確に打ち出した内容。10分に及ぶ「Mokira Ultra Dub」は、Mokira「Manipulation Musik」をSa Paが再構築したロング・ダブ。深海のような低域がゆっくり脈打ち、巨大な空間を往復するエコーが、Sa Paの音響処理をグルーヴィーに拡張している。「Waiting For You」は未発表曲で、柔らかいコードと軽やかなステップが心地よい、Sa Pa作品では珍しい開けた明るさを持つハウス・トラック。台北の雨夜に録音された「Modular System」は、モジュラー特有の揺れと湿度を含んだミニマル・ダブが魅力で、その場で生まれては消える音の粒子が生々しい。ダブ・テクノ、ミニマル、IDM、ハウスがSa Paの音響美学の中で再構築された、充実作。

時代の評価軸を静かにすり抜けながら、現在進行形で更新を続ける孤高の電子音楽家【Shinichi Atobe】。セルフ・レーベルPlastic & Soundsから初となるアルバム「Silent Way」。
本年7月突如始動させたセルフ・レーベル【Plastic & Sounds】より、二枚の12インチ・シングルを経て、現時点での集大成となる全10曲を収録したアルバム「Silent Way」がCOLORED VINYL 2LP(Gatefold Sleeve/33RPM/Limited Press)レコードとデジタルで3月27日にリリース。
マスタリング/レコード・カッティングは、ベルリンのRashad Becker。アートワークは、写真家、山谷佑介の作品を核に、P&Sの全作品を手がける鈴木聖がその世界観を構築。
昨年、10月、Resident Advisorの人気シリーズ「RA Podcast」に登場し2023年4月に行われた世界初ライブの音源が公開、渋谷WWWにて、Plastic & Soundsローンチ公演「"Plastic & Sounds" label launch party」を開催。2026年1月には、同会場のニューイヤーパーティーで名盤「Haet」のライブセットを披露。
また、前作「Discipline」がPitchforkの「The 30 Best Electronic Albums of 2025」に、そして代表曲のひとつである「Butterfly Effect」がRA(Resident Advisor)の「The Best Electronic Tracks of 2000-25」に選出されるなど国内外で注目の高まる中のリリースとなる。

10代の頃にTerry Rileyの『Shri Camel』を聴いて以来、純正律、マイクロチューニングから強い影響を受け続けている、イングランド北部ヨークシャー出身の音響作家、Kirk Barleyによる最新作『Arc』純正律やオフグリッド・シーケンス、代替チューニングを全編で採用しており、ガムランのような金属的な響き、ガラス質のパッド、クラリネットやギターの柔らかなレイヤーが、Matt Daviesによる繊細なパーカッションと交差しながら、電子音とアコースティックの境界を自然にたゆませていく。ミニマル、第四世界、アンビエント、ダブ・テクノの要素が静かに共存し、風景がゆっくり変化していくような広がりを持つ作品。細部の質感や音の揺れを丁寧に追いかけるリスナーに向けた、〈Marionette〉らしい高精度なサウンド。
ダブ・テクノのパイオニアにして、Basic Channel、Rhythm & SoundのMark Ernestusが、セネガルでの長年の現地リサーチとミュージシャンたちとの協働を経て構築してきたプロジェクトNdagga Rhythm Force。西アフリカ・ンバラの精緻なポリリズムとベルリン流ミニマリズム/ダブの深層が交差する、9年ぶりのアルバム『Khadim』が〈Ndagga〉より登場。もともとErnestusは、ジャマイカのリディム感やサウンドシステム・カルチャーの源流をたどる中でセネガルに辿り着き、作品ごとに深化を続けてきたが、今回の『Khadim』ではさらに構成を大胆に削ぎ落とし、ギターを完全に排除し、パーカッション× Prophet-5シンセ×ヴォーカルというミニマルな編成となっている。中心にあるのは、Ernestusが長年愛用してきたProphet-5によるドローン的シンセ、Mbene Diatta Seckによるソウルフルかつスピリチュアルな歌声、そして打楽器奏者Bada Seck&Serigne Mamoune Seckによるしなやかで予測不能なサバール・パーカッション。これらが有機的に絡み合い、リズムで語るストーリーテリングの極致とも言うべき音のタペストリーを織り上げていル。ポスト・レゲエ、アフロ・ミニマル、スーフィー的精神性が一点で交差する、現代アフリカ音楽の極北とも言える内容で、空間性と肉体性、即興と構築の間で、精神と身体を丸ごと包み込む。肉体的なリズムの奥に静かな霊性が宿っていて、聴きながら内と外が同時に揺れるような感覚が素晴らしい!Ernestusの徹底して削ぎ落とすセンスと、セネガルのリズム/声/信仰の力が美しく交差した、ダンス・ミュージックの文脈でも、アフリカ音楽としても、どちら側から見ても誠実で、深い傑作。

2016年に〈Editions Mego〉から発表された、Oren Ambarchiの代表作として語り継がれる『Hubris』が、10周年を記念して〈Black Truffle〉より最新リマスターで再登場。Joe Taliaによる精密なリマスターにより、ギターの倍音、電子音の粒立ち、パーカッションの空気感まで、オリジナル以上に立体的でクリアな音像が生まれている。本作は、Ambarchiが『Sagittarian Domain』『Quixotism』で追求した独自のリズムの延長線上にあり、ディスコ/ニューウェイヴの影響を強く感じさせる異形のミニマリズム。20分程の長尺トラックのPart 1では、パームミュートのギターが脈動し続け、その上に電子パーカッションやギターシンセが層を成し、止まらない推進力がトランス感を生む。Jim O’Rourke、Ricardo Villalobos、Arto Lindsayら豪華ゲスト陣が参加し、音が渦を巻くように増殖していくダイナミックな構造も魅力。10年を経てなお新鮮さを失わない、現代エクスペリメンタルの名品。

アンビエント、エレクトロニカ界の重鎮、Arovaneと名門〈12k〉の主宰者Taylor Deupreeによるコラボレーション第2弾『Enth』。2022年の名作『Skal_Ghost』に続き、長年の親交と音楽テクノロジーへの飽くなき探求心によって結実した、現代電子音響作品で、ギターの柔らかな残響や電子音、フィールド・レコーディングの素材が、エフェクトやDSP処理を通じて幾重にも加工・再加工され、有機的なループと精緻なレイヤーとして静かに重ね合わせられていく。Deupreeの真骨頂である温かみあふれるアコースティックのテクスチャーと、Arovaneの細密なミクロ・グリッチ、電子音響手法が見事に溶け合い、刻一刻と表情を変える静謐で美しい音像を描き出している。年輪を感じるディープで細やかな音響美学が凝縮された一枚。

アンビエント、エレクトロニカ界の重鎮、Arovaneと名門〈12k〉の主宰者Taylor Deupreeによるコラボレーション第2弾『Enth』。2022年の名作『Skal_Ghost』に続き、長年の親交と音楽テクノロジーへの飽くなき探求心によって結実した、現代電子音響作品で、ギターの柔らかな残響や電子音、フィールド・レコーディングの素材が、エフェクトやDSP処理を通じて幾重にも加工・再加工され、有機的なループと精緻なレイヤーとして静かに重ね合わせられていく。Deupreeの真骨頂である温かみあふれるアコースティックのテクスチャーと、Arovaneの細密なミクロ・グリッチ、電子音響手法が見事に溶け合い、刻一刻と表情を変える静謐で美しい音像を描き出している。年輪を感じるディープで細やかな音響美学が凝縮された一枚。
OpitopeやILLUHAのメンバーであり東洋医学の領域でも活動するTomoyoshi Dateと、ベルギーの音響作家Stijn Hüwelsによるコラボレーション第3弾『Tatemono (建物)』。Dateが紡ぐ温かみあるアコースティック音響とわずかなデジタル処理の微細な響きに、Hüwelsのトレードマークである幾層にも重なるギターの残響と透明度の高いフィールド・レコーディングが優しく調和。アルバム名『建物』が示すように、建造物の中を巡る光のうつろいや静かな空気の揺らぎそのものを音として捉えたかのような、透き通ったミニマル・ドローン空間を作り上げている。東洋的な間の美学と洗練された欧州ミニマリズムが見事に融合した、凛とした抒情性を湛えるアコースティック・アンビエント。二人の親密な音響対話が結実した、静寂美。
