MUSIC
7390 products

ニューヨーク生まれ、タミルナードゥ育ちのシンガーであり、マルチインストゥルメンタリストのGanavyaが、待望のアルバム『Nilam』を〈LEITER〉からリリース。2024年の『Daughter Of A Temple』に続く作品で、今回はNils Frahmとの共同プロデュースにより、ベルリンのFunkhausで録音された。長年のライブで育まれてきた楽曲たちを、親しい仲間であるベーシストMax RidleyとハーピストCharles Overtonとともにスタジオで形にしている。本作も南インド伝統音楽と現代音響/ジャズを豊かに融合し、声を通じて深い儀式的体験を届けるような内容で、楽曲は穏やかなグルーヴや繊細な構成で満たされ、彼女の声はまるで湖に広がる波紋のように心に沁みる。全体としてとても内省的でありながら、どこか温かい体温を感じさせるアルバムに仕上がっている。
Matthew Sage(M. Sage)が長いシカゴ生活を経て故郷コロラドに戻り、自然豊かな丘陵地帯や牧草地で制作した、彼が育った故郷の風景や、自分自身のアイデンティティに立ち返るようなアルバム『Tender / Wading』が〈Rvng Intl.〉より登場。ピアノとクラリネットを核に、ギターやモジュラーシンセ、パーカッション、さらには自宅周辺で録音した環境音が織り交ざり、まるで自然の中で過ごすような穏やかで深みのある音世界。自宅のDIY改装したスタジオで多彩な創作活動を続けてきたが、本作では特に1910年製のアップライトピアノとの出会いが曲作りに大きな影響を与えている。前作『Paradise Crick』のデジタルで幻想的な世界観から一転、『Tender / Wading』はより人間の経験に根ざした牧歌的でジャジーなエレクトロ・アコースティックな音像を描き出している。全9曲で構成され、自然の息吹や日常の細やかな気づきを大切にしながらも、M. Sage独特の実験精神と繊細なメロディ感覚が光る作品。彼自身は「庭仕事や家事の合間に聴きたい音楽」と言っており、肩の力を抜きつつも深みある音楽となっている。

ジュノー賞に2度ノミネートされ、ポラリス賞にも3度ノミネートされたカナダのソウル・スター、タニカ・チャールズが4枚目のスタジオ・アルバム『Reasons To Stay』をリリース。複雑な家庭から逃げて過ごした人生の深淵を掘り起こし、これまでで最も生々しく親密な本作は、彼女の家族、彼女自身、そしてリスナーに宛てた一連の手紙のようである。魂を剥き出しにした説得力、痛みを美に変え、忍耐を祝福に変えるような彼女のソウル・シンガーとしての生き様は、最高のソウル・ミュージックは、高度な錬金術であるという言葉を思い起こさせる。ブルース、ジャズ、ゴスペルに影響を受けたR&Bのエッセンスを取り込み、サイケデリアへと至るタニカ・チャールズの変わらぬ音楽性、モノフォニックスのフロントマン、ケリー・フィニガンによるタニカの艶やかさを際立たせるアナログの硬質さが活きたミックスも含めて完璧!

いまだかつて、これほどまでにスリリングで美しいサウンドトラックがあっただろうか。名匠・前田憲男が手掛けた、シネジャズの最高峰。
1971年に公開された映画『3000キロの罠』。田宮二郎製作/主演、福田純監督による本作は、「鹿児島から北海道へ、日本を縦に裂いて突っ走るスポーツカー」のキャッチフレーズ通り、全編で三菱ギャランGTOが駆けるサスペンス・アクション。アメリカン・ニューシネマの傑作『バニシング・ポイント』と比較されることも多いロードムービーである。音楽を手掛けたのは名匠・前田憲男。華麗にコーナリングするピアノ、颯爽と駆け抜けるヴィブラフォン、力強く疾駆するベース、ギアを上げてゆくドラム。躍動と静寂、執念と欲望、歓喜と悲哀。スリリングな演奏と美しい旋律が、映画の魅力を最大限に引き出す。サウンドトラックとしてはもちろん、1971年当時の“日本のジャズ”としても尋常ならざるクオリティである。これほどの演奏。正確なパーソネルが判明していないのが残念だが、かねてから猪俣猛率いるサウンド・リミテッド(もしくはザ・サード)の関連が囁かれている。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
トラックリスト:
Side A
1. ハイウェイの影~第一の疑惑
2. 待っていた女~第一の罠
3. ハイウェイの影~メイン・テーマ
4. 謎の女~罠!?
5. 待っていた女~メイン・テーマ
6. ハイウェイの影~罠への挑戦
Side B
1. 幸薄の女~奈美子の追憶
2. 謎の女~メイン・テーマ
3. ハイウェイの影~敵を求めて
4. 幸薄の女~メイン・テーマ
5. 待っていた女~ヴァリエーション
6. ハイウェイの影~悲しい結末
作曲・編曲・指揮:前田憲男
サンフランシスコのカリスマ・スケーターにしてマルチ奏者、トミー・ゲレロによる名盤『Soul Food Taqueria』が、〈Be With Records〉による再発プロジェクトの一環として、もともと1枚に収められていた音源を本人協力のもと高音質でリマスタリングし、180g重量盤2LP仕様・見開きジャケット仕様で再発。オリジナルは2003年リリースの3rdアルバムで、ジャズ、ファンク、ラテン、ヒップホップが融合したチルアウトな傑作。西海岸の陽光を感じさせるメロウなグルーヴと、内省的なムードが絶妙に溶け合っていて、どの曲もとにかく心地よい。アルバム全体が一つの流れのようにまとまっていて、どこから聴いても気持ちが上がる。まるでソウルフードのように滋味深く、聴く者の心を満たす名作。
アメリカのミュージシャンであり、プロスケートボーダーとしても知られるTommy Guerreroが1997年に発表した崇高なデビュー作『Loose Grooves & Bastard Blues』が信頼の〈Be With Records〉よりアナログ再発。レイドバックするギターやパーカッションのアコースティックな演奏による、涼しげでゆったりとしたダウンテンポ・ボッサの名曲の数々を収録。クラシカルなファンキー・ブレイクスの名盤としてもレコメンドします!

オリジナルは1984年発表の、和製ジャズ・フュージョンの中でも特にAORの要素を強く含んだ隠れた名盤として知られる、Toshiyuki DaitokuとGregg LeeによるプロジェクトSafariのセルフ・タイトル・アルバムが〈WRWTFWW〉によって公式リイシュー。フュージョン特有の洗練された演奏技術と、メロウでスムーズなグルーヴを核として、楽曲の随所に聴かれるみずみずしいヴォーカル・ハーモニーが特徴的で、単なるインストゥルメンタルなフュージョンに留まらず、歌心のあるシティ・ポップ的な魅力も持ち合わせている。ジャズ・フュージョンとAOR、そしてシティ・ポップと言う幅広い層から長年にわたり評価され続けている、非常に質の高い一枚。



まさにUS地下シーンの器量!ギタリスト/インプロヴァイザーのWendy Eisenbergと、BastroやRed Krayola、Gastr del Solなどへの参加も知られる名作家David Grubbs、そして、Daniel Johnstonを手掛けた事も知られる伝説のプロデューサー/マルチ奏者にして〈Shimmy-Disc〉の創設者Kramerによる新結成のスーパーグループ、Squanderersがデビュー作『If a Body Meet a Body』に続く新作『Skantagio』をリリース。バンドは初作をわずか半日で録音していて、今回はその「昼休憩後」に録ったセッションをまとめたもの。「無駄遣い(Squanderers)」を名乗るだけあって、スタジオでは思いつきのまま即興演奏を一気に収録、作り込むことなくそのまま放出している。アヴァン・ロック、フリーインプロ、ローファイ・サイケ、ノイズ、即興ジャズのエネルギーがごった煮になったような雑多で自由なサウンドで、ギターの歪みや脱力したベース、奇妙な音響処理、気まぐれなテンション――何が飛び出すかわからない、90年代オルタナティヴの精神を引き継ぐ無防備な実験性。無計画な衝動とスタジオの空気ごとパッケージされた、風変わりでクセになる味わい。澄んだインプロヴィゼーションが冴え渡る一枚。

Chicago Underground Duoの実に11年ぶりとなる新作『Hyperglyph』が〈International Anthem〉より登場。ロブ・マズレク(トランペット、電子音)とチャド・テイラー(ドラム、親指ピアノ)の長年の友情と創造的な対話から生まれており、アヴァン・ジャズと電子音響、アフリカン・リズム、実験的ポストロックが交差。今作は、マイルス・デイヴィス&テオ・マセロのカット&エディット手法、AACMの精神、さらに電子音楽やダブ、IDMなどからの影響も織り込み、徹底したスタジオ編集と即興演奏のダイナミズムを融合。重層的なホーンと対話する打楽器、繰り返しが陶酔的な鍵盤、荒ぶるトランペットの叫び、静寂と轟音の対比。すべてが複雑に絡み合い、独自の音響宇宙を形成している。録音・編集はInternational Anthemのデイヴ・ヴェトレイノで、長年の信頼関係が生んだ、自由で直感的な制作環境も作品の強度に貢献している。一見複雑でとっつきにくい構造も、繰り返し耳を傾けることで新たな視点が開かれる——そんな知的でスピリチュアルな音楽体験を提示する、二人の現在地点。シカゴ実験音楽の深層から生まれた、緊張感と遊び心に満ちた現代ジャズの最新形。


スウェーデンのマルチ奏者Gustav Horneijによるソロ・プロジェクトOrganic Pulse Ensembleによる、すべての演奏・録音・ミックスを本人一人で手がけた、瞑想的かつ民族的なスピリチュアル・ジャズ作品『Zither Suite』。タイトルにもなっている「チター」は、地元のチャリティショップで偶然見つけた楽器で、アルバム全体の雰囲気を決定づける象徴的な存在となっている。録音はヨーテボリ郊外の自宅アパートで行われ、宅録ならではのDIY精神に満ちた親密な音像が印象的。Pharoah SandersやDon Cherryを彷彿とさせる自由な即興性と、スウェーデンの民謡に基づく旋律が交錯し、特に「Jämtland」ではスウェーデンの地方に伝わる古い民謡や伝統音楽が現代のジャズと融合している。全6曲はそれぞれ異なる精神性とリズムを持ち、全体を通して、祈りのような静けさと、内面への深い問いかけを感じさせる。現行の宅録シーンから生まれた、至福感のあるスピリチュアル・ジャズ傑作。

フィンランドのスピリチュアル・ジャズ・プロジェクトOiro Penaによる『Live』。2022年春、パンデミックの余波が残る中、かつての編み物工場を改装してできたタンペレの文化スペースOnkiniemi Ateljeeで録音されたこの作品は、音楽が人々を再びつなぎ直す場として機能した瞬間を捉えた、熱量と即興性に満ちたライブ・セッションを収録している。中心人物Pentti Oironen(Antti Vauhkonen)を軸に、サックス、フルート、エレピ、ダブルベース、ドラムによる有機的なアンサンブルが展開され、ローファイな質感とスピリチュアル・ジャズの深みが交錯する。録音空間の響きを活かしたモノラル録音も相まって、音楽が生まれる瞬間の空気感をそのまま閉じ込めており、フィンランドのジャズの現在地を示している。〈Ultraääni Records〉と〈Helmi Levyt〉による共同リリースで、リサイクル素材のジャケットにシルクスクリーン手刷り・手書きナンバリングが施された限定盤として届けられる、物理的にもその場の空気を封じ込めたアートピース仕様。
デンマーク・コペンハーゲンを拠点に活動するインストゥルメンタル・ユニットJiyuによるセカンド・アルバム『Totem of Quiet Mystic』。ギタリストEmil JonathanとドラマーThomas Dietlを中心に、Karl Bille(パーカッション)やRune Harder Olesen(コンガ)らによる手触りのあるリズムが、アナログ・シンセやブラス・アレンジと絡み合いながら、静謐でありながらも濃密でオーガニックな音楽世界を描いている。デビュー作『Caught in the Rain at the Tea Shop』で提示された、ジャズ、アンビエント、ダブ、ソウル、ラテン、ヒップホップなどが融合したメロウで夢見心地な音楽性がさらに深化し、サイケデリックな質感とソロ演奏の躍動が加わることで、深みのあるより立体的なものとなっている。Ken Linh Dokyによるウーリッツァー、Bo & Lukas Randeによるフリューゲルホーンとサックス、Gustav Rasmussenによるトロンボーンなど、多彩なミュージシャンが参加するコレクティヴ的な構造も、Jiyuの音楽に豊かな広がりと深みを与えており、真の意味でジャンルの境界を越えた、都市の静けさと北欧の自然の神秘が交錯するかのような穏やかな没入へと誘う一枚となっている。

ジャズの巨人たちがカバーした楽曲を多数収録し、レアグルーヴ・シーンでも人気のキラー曲、「Homey」が収録された1972年リリースの記念すべきデビュー・アルバム!
ニーナ・シモンの専属ツアー・ピアニストとして活躍するなどNYCのジャズ・シーンで頭角を表すも、ソロとしては開花せず一念発起で踏み出して自主制作でできたのがこの「Liberated Brother」。信頼するミュージシャンを集め、わずか2日間のリハと5時間のレコーディングで完成させたという本作は彼のコンポーザーとしての知名度を一気に押し上げた重要作品!
冒頭を飾るタイトル曲、「Liberated Brother」はウェルドンの師匠的存在であったホレス・シルヴァーがカバーしたラテン・テイストなインストゥルメンタル。複雑なメロディながらも記憶に残るフレーズが印象的な「Mr. Clean」は、フレディ・ハバード、J.J.ジョンソン、ピーター・ヘルボルツァイマーらがカバー。シンセ・フレーズがコミカルなジャズファンク「Sister Sanctified」はスタンリー・タレンタインがカバーし、そのヴァージョンがブギー・ダウン・プロダクションズ「My Philosophy」のサンプリングで再評価。ウェルドンの没後にStones Throwから2004年にリリースされたアルバム「A Tribute to Brother Weldon」ではブレイケストラもカバーしています。そしてブルース・テイストが強いジャズファンク、「Homey」は90年代のダンスフロアでもヘヴィー・プレイされた超定番。音数少ないシンプルでグルーヴィーなドラムにウェルドンの演奏する哀愁漂うメロディカがクールな非常に洗練された楽曲で、レアグルーヴ・シーンで重宝されたのも肯けます。
そんな数多くの名曲達が収録された、作曲家としての才能が認知されるきっかけとなった作品をこの機会に是非!
★初回完全限定生産
★帯付き
★最新デジタルリマスタリング
これまでにジャイルス・ピーターソン主宰のWe Out Here FestivalやSXSW、EFG London Jazz Festivalなどにも出演を果たし、〈Soul Jazz Records〉や〈Majestic Casual〉のコンピレーションにも名を連ねるUKジャズのアウトサイダー、エビ・ソーダが最新アルバム『frank dean and andrew』を〈Tru Thoughts〉よりリリース。
街から離れた南イングランドにある田舎の借家に篭って行われた即興セッションから生まれた本作は、ジャズの枠を超え、エレクトロニクス、ポストパンク、グライム、ダブといったあらゆるジャンルの要素を大胆に取り入れた、まるで“音楽の実験場”のような世界を築き上げている。
バンドはアルバム制作を振り返り「このアルバムは、激しい浮き沈みのあった1年の終わりに録音された。音楽にはその緊張感が奇妙な形で表れている… 楽曲の持つ感覚はとても特殊で風変わり。UKジャズの多くはアレンジが整いすぎていたり、全体的に楽観的なムードになりがちだけど、このアルバムはあらゆる面でその逆を行っている。」と語る。
今作では、ブリアルやゾンビー、ジョー・アーモン・ジョーンズらの影響を受けたアンビエンスや、アスレチック・プログレッション、ヤミィ・オンライン、プレイボーイ・カルティのような現代的なラフさを取り入れた、“UKジャズの未来形”とも呼べるサウンドを構築。全体を通してノスタルジックでありながら、どこか現代的な倦怠感やユーモアが交差する、唯一無二の世界観が広がっている。
「Ebi Sodaは気まぐれなビート・ジャズを生み出している」 The Vinyl Factory
「新しいバンドの中でトップ5に入る」 BBC 6 Music
「これは本当に最高!」 BBC Radio 2
「完全にノらせてくれるやつ」? Rinse FM
「エコーとディレイを駆使して広大な空間を創出」 BBC Radio 3
アルバムの中心となる楽曲「red in tokyo」では、中国系・ベトナム系イギリス人ラッパー、ジアンボーが参加。唸るギターと鋭角的なドラムの上に、グライム風の歪んだフロウが切り込んでくる。ジアンボーが「東京での緊迫した瞬間」を語ったこの曲は、「グライム的な怒りにノーウェーブやポストパンクの要素を混ぜたような感じ」とバンドは語っている。
また「horticulturalists nightmare (birds)」では、ダビーなベースラインと動物的なノイズが交錯し、奇妙で不穏な音世界を描き出す。
「grilly」はダンス・チューン的なテンポと雰囲気を持ちながらも、Burialのような陰鬱なサウンドとエフェクトが絡み合う。
タイトル曲「frank dean and andrew」では、現代的な無関心さや、“家にこもっている感じ”の空気感を体現。チルでエモーショナルなコード進行、朧げなトロンボーンがローファイな質感で響く。後半にはフリューゲルホルンも加わり、じわじわと情緒が深まっていく。
ラストを飾る「insectoid creatures are infesting the land」は、混沌としたノイズと即興演奏から始まり、最終的に希望を感じさせるメロディへと昇華するシネマティックな一曲となっている。

これまでにジャイルス・ピーターソン主宰のWe Out Here FestivalやSXSW、EFG London Jazz Festivalなどにも出演を果たし、〈Soul Jazz Records〉や〈Majestic Casual〉のコンピレーションにも名を連ねるUKジャズのアウトサイダー、エビ・ソーダが最新アルバム『frank dean and andrew』を〈Tru Thoughts〉よりリリース。
街から離れた南イングランドにある田舎の借家に篭って行われた即興セッションから生まれた本作は、ジャズの枠を超え、エレクトロニクス、ポストパンク、グライム、ダブといったあらゆるジャンルの要素を大胆に取り入れた、まるで“音楽の実験場”のような世界を築き上げている。
バンドはアルバム制作を振り返り「このアルバムは、激しい浮き沈みのあった1年の終わりに録音された。音楽にはその緊張感が奇妙な形で表れている… 楽曲の持つ感覚はとても特殊で風変わり。UKジャズの多くはアレンジが整いすぎていたり、全体的に楽観的なムードになりがちだけど、このアルバムはあらゆる面でその逆を行っている。」と語る。
今作では、ブリアルやゾンビー、ジョー・アーモン・ジョーンズらの影響を受けたアンビエンスや、アスレチック・プログレッション、ヤミィ・オンライン、プレイボーイ・カルティのような現代的なラフさを取り入れた、“UKジャズの未来形”とも呼べるサウンドを構築。全体を通してノスタルジックでありながら、どこか現代的な倦怠感やユーモアが交差する、唯一無二の世界観が広がっている。
「Ebi Sodaは気まぐれなビート・ジャズを生み出している」 The Vinyl Factory
「新しいバンドの中でトップ5に入る」 BBC 6 Music
「これは本当に最高!」 BBC Radio 2
「完全にノらせてくれるやつ」? Rinse FM
「エコーとディレイを駆使して広大な空間を創出」 BBC Radio 3
アルバムの中心となる楽曲「red in tokyo」では、中国系・ベトナム系イギリス人ラッパー、ジアンボーが参加。唸るギターと鋭角的なドラムの上に、グライム風の歪んだフロウが切り込んでくる。ジアンボーが「東京での緊迫した瞬間」を語ったこの曲は、「グライム的な怒りにノーウェーブやポストパンクの要素を混ぜたような感じ」とバンドは語っている。
また「horticulturalists nightmare (birds)」では、ダビーなベースラインと動物的なノイズが交錯し、奇妙で不穏な音世界を描き出す。
「grilly」はダンス・チューン的なテンポと雰囲気を持ちながらも、Burialのような陰鬱なサウンドとエフェクトが絡み合う。
タイトル曲「frank dean and andrew」では、現代的な無関心さや、“家にこもっている感じ”の空気感を体現。チルでエモーショナルなコード進行、朧げなトロンボーンがローファイな質感で響く。後半にはフリューゲルホルンも加わり、じわじわと情緒が深まっていく。
ラストを飾る「insectoid creatures are infesting the land」は、混沌としたノイズと即興演奏から始まり、最終的に希望を感じさせるメロディへと昇華するシネマティックな一曲となっている。

ハイエイタス・カイヨーテのリミックスや、トロ・イ・モワの『Mahal』への参加など、マルチな才能を発揮するサラミ・ローズ・ジョー・ルイスことリンジー・オルセン。
フライング・ロータス主宰の〈Brainfeeder〉からリリースされた本作『Lorings』は前作に引き続き、愛用する “Roland MV8800” を使用し、制作のほぼ全てが彼女自身の手によって行われ、多彩なアーティストとのコラボレーションによって肉付けされている。
2024年の共作アルバム『Sarah』でタッグを組んだ、フィラデルフィアの伝説的アーティスト、フラナフィをはじめ、オマリ・ジャズ、ルーク・タイタスらが参加。
初期フライングロータスを感じるシンセリフのM1「Inside」、コズミックに舞うキーボード、浮遊する高速グルーヴとサラミの持ち味である夢見心地な歌声が堪能できるM3「That must be hard for you」、アンビエントからプログレッシブな展開をしていくM7「Crow, friendship」など、様々なタイプの楽曲が収められていながらも全体のムードとしては一聴してサラミの作家性が伝わる全17曲を収録。マルチな才能で新たなる桃源郷を描き出す〈Brainfeeder〉らしいコズミック・ドリーミー・ジャジーな世界観が詰め込まれた必聴作品!

あまりに独特な音楽性で知られるジャワ島バンドン出身のマルチ奏者テスラ・マナフと打楽器奏者リオ・アブロールによるデュオKUNTARIによるアルバム『MUTU BETON』が登場。本作は、伝統音楽、スラッジメタル、ノイズ、ジャズ、ミニマル、ダークアンビエントなどを大胆に掛け合わせ、動物の鳴き声や民族打楽器、微分音による響きを取り入れた、野生的で大地に根ざした音楽。現地楽器を用いたゾウやオランウータンの鳴き声のような音、ポリリズムと動物的なうめき声、インダストリアル・ノイズ、地元のトランス儀式を再現するような呪術的雰囲気とグラインドコア風のギターとの交錯など、歴史・土地・民族・動物・宗教・テクノロジーといった要素をひとつの身体的かつ精神的なサウンド体験として統合した異形の傑作。


アヴァンギャルド・ジャズとフューチャー・ソウルで知られるコルネット奏者、Ben LaMar Gayの事実上のデビュー・アルバムである2018年作『Downtown Castles Can Never Block The Sun』が〈International Anthem〉創立11周年記念リイシュー・シリーズとして、新しい帯と、ミュージシャンであり長年のBen LaMar Gayの友人、コラボレーターであるGira Dahneeによる写真と新しいライナーノーツが掲載された4ページのインサート・ブックレットが新装されてめでたくもリイシューされました!本作は、この伝説的なシカゴの作曲家/即興演奏家/ルネッサンス・マンを世界に紹介するための試みとして、彼が7年かけて制作した(ものの、まだ実際にリリースする努力はしていなかった)7枚のアルバムからの楽曲をコンパイルしたもので、スティーブ・ライヒ風のサウンドスケープから、ドン・チェリー風のポリリズム、ベン・ホルヘ風のヴォーカルと弦楽器の調べまで、ジャンルを飛び越えるゲイの才能が発揮されている。

レバノン出身のバンドSANAMによる2ndアルバム『Sametou Sawtan』。タイトルはアラビア語で「私は声を聞いた」という意味で、霊的でも不気味でもあるこの言葉が象徴するように、その音楽は音と言葉が心を揺さぶり、聴く者を今この瞬間へと引き戻す。ロックやジャズの自由な枠組みとアラブ音楽の深い伝統がぶつかり合い、情熱的なバラードと荒々しい即興演奏が交錯。詞作は前作同様、古今東西の詩や歌から引用し、現代的な意味を与え直すもの。エジプト民謡を再構築した「Hamam」、レバノンの現代詩人ポール・シャウルの詩をハードロックで爆発させる「Hadikat Al Ams」、12世紀の詩人オマル・ハイヤームの詩を用いた「Sayl Damei」やタイトル曲などが収録されている。過去の遺産を借りながら、燃えるようなライブ感と深い感情表現で、現代アラブ圏の新しいサウンドを切り拓く一枚!
