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謎めいたメタルマスクの下に、アンダーグラウンドの伝説となる器量を隠し持つヒーロー。アンダーグラウンドラップの最も偉大な声MF DOOM。2004年に残した5枚目のアルバム『MM..FOOD』の20周年記念エディションが、Sam Rodriguezによる新しいアートワークとともに〈Rhymesayers Entertainment〉より登場!Count Bass D、Angelika、4ize、Mr.Fantastikといった面々がゲスト参加。「ピクニックで、あるいはピクニックテーブルで見つけたものについての」コンセプト・アルバム。革新的なプロダクション、卓越的と言うべき言葉遊び、そして、ユニークなテーマ性で高く評価されているヒップホップ・クラシックにして、ユーモア、機知、社会的風刺をシームレスに融合させた名作。今聴き返して新しく感じられるのは、コラージュ的とも言える上モノのセンスや、空間を必ずしも広げていないにも関わらず漂うアンビエンスでしょう。後のJPEGMAFIAにも繋がる重要作かと!

フランスのビートメイカーでありヴァイナル・ジャンキーであるOnraが、自身の祖父母の故郷であるベトナムへ旅した際、サイゴンの街をバイタクで巡った末に見つけた約30枚のボロボロのベトナム、アジアン・レコードを買い集めたことを起点に制作された、オリジナルは2007年にリリースされたインスト・ヒップホップのカルト名盤『Chinoiseries』。伝統的なアジアン楽器の独特な旋律や哀愁漂うボーカル・サンプルを、J. Dillaへの深いリスペクトを感じさせる太く跳ねるブームバップ・ビートへと大胆に昇華。エキゾチックな異国情緒と高度な編集センス、そして遊び心あふれる緻密な構成力が高次元で結実し、他にはない極上のオリエンタル・ビート・サウンドを構築している。単なる珍品の域を完全に凌駕したヴィンテージな質感と圧倒的な中毒性を誇る大名盤!
メンフィス出身の異才Wilbert Gavin MaysによるプロジェクトCities Avivが、自身のレーベルを離れ名門〈Black Truffleから〉アルバム『Even Colder Spring』をリリース。10年以上にわたりヒップホップの既成概念を解体してきた彼が、過激なループ処理と変幻自在の語り口、そしてダンテやアンリ・ベルクソンの思想までを散りばめたリリックを交錯させ、極めて個人的で不可解な音響世界を立ち上げた全16曲の意欲作。数秒で途切れるトラックや唐突なフィールド・レコーディング、歪んだノイズの層が予測不能な展開を描くなか、技巧的なラップと意図的にハーモニーから浮遊させた歌唱が不穏な美しさを醸し出す。従来の閉塞感に留まらず、プライベートプレス調のニューエイジなきらめきやClusterを彷彿とさせるクラウトロックの遊び心、ローファイIDMが混交し、ラストは、いくつものサンプリング・ループが幾重にも重なり合ってモヤのように漂う、恍惚とした歪みの雲の中へと消えていく。アンダーグラウンド・ヒップホップと前衛音響のはざま。

10月中旬再入荷。1996年の衝撃的な登場から30年の節目を迎え、音楽史にその名を刻むDJ Shadowの記念碑的デビュー作『Endtroducing…..』が30周年記念2LP仕様で登場!ギネス世界記録に「史上初の完全サンプリングによるアルバム」として認定された本作は、ヒップホップやエレクトロニック・ミュージックの概念を根底から塗り替えたタイムレスなマスターピース。AKAI MPC60と自身が掘り起こした膨大なレコードの断片のみを用い、精緻なコラージュ的手法で構築された重厚な音響世界。中古ヴァイナル特有の針ノイズや擦れ、忘れ去られたジャズやファンク、ロックの断片が美しく組み合わされ、哀愁を帯びたメロディと太く重厚なブレイクビーツが交錯するシネマティックな物語性を描き出している。過去の音に新しい命を宿した孤高の美学と、静寂のなかに宿るダークネスが深く胸を打つ史上最高峰のインストゥルメンタル・アルバム。スリーブデザインは、当時Honest jonsに勤務していたWilliam Bankhead(The Trilogy Tapes)によるもの。

謎めいたメタルマスクの下に、アンダーグラウンドの伝説となる器量を隠し持つヒーロー。アンダーグラウンドラップの最も偉大な声MF DOOM。2004年に残した5枚目のアルバム『MM..FOOD』の20周年記念エディションが、Sam Rodriguezによる新しいアートワークとともに〈Rhymesayers Entertainment〉より登場!Count Bass D、Angelika、4ize、Mr.Fantastikといった面々がゲスト参加。「ピクニックで、あるいはピクニックテーブルで見つけたものについての」コンセプト・アルバム。革新的なプロダクション、卓越的と言うべき言葉遊び、そして、ユニークなテーマ性で高く評価されているヒップホップ・クラシックにして、ユーモア、機知、社会的風刺をシームレスに融合させた名作。今聴き返して新しく感じられるのは、コラージュ的とも言える上モノのセンスや、空間を必ずしも広げていないにも関わらず漂うアンビエンスでしょう。後のJPEGMAFIAにも繋がる重要作かと!
1998年にリリースされ、LAアンダーグラウンドの重要作として語り継がれてきたAbstract Tribe Uniqueの名盤『South Central Thynk Taynk』が、2026年リマスターとして〈Rhymesayers Entertainment〉から再発。Fat Jackによる、温かいジャズ・サンプル、乾いたドラム、煙るようなベースラインが生む独特の浮遊感は、90年代後半のLAアンダーグラウンドの空気そのもの。Abstract Rude の深い声と祈りのようなフロウが重なり、精神性とストリートのリアリティが同居する。当時のLAでは、若いブラックアーティストたちがジャズ、スピリチュアル、ポエトリー、ストリートの現実を融合し、ヒップホップを再構築していた時期で、本作はその象徴的な一枚。スピリチュアルでジャズの香り漂う、LAアンダーグラウンドの精神を今に伝える決定的再発。

Miles Davisのエレクトリック期への参加やMizell兄弟との協働、そしてA Tribe Called Questらによる数々のヒップホップ・クラシックのネタ元として知られる伝説的アルトサックス奏者Gary Bartzが、〈Jazz Is Dead〉第6弾『Gary Bartz JID006』に登場!御年80歳を迎えてもなお衰えぬ探求心を放つ巨匠とプロデューサー陣が、完全アナログ・スタジオLinear Labsにてタッグを組んだ全8曲のオリジナル・アルバム。自身が築き上げてきた70年代スピリチュアル・ジャズやジャズ・ファンク、そしてサンプリング・ソースとしてのディープなカタログ群からインスピレーションを抽出。重厚でしなやかなボトムの上を、彼ならではの濃密なトーンと自由なフレーズを携えたサックスが縦横無尽に舞い、メロウなボーカル・コーラスや荘厳なモーダル・ジャズの質感が複雑に交錯する。サンプリング・カルチャーの源流たるブラック・ジャズのディープな佇まいと、現代のビート・プロダクションが見事に共鳴した、ブラック・ミュージックの未来へと向けてブロウし続ける巨匠の真骨頂を刻んだ一枚。

LAアンダーグラウンドを長年支えてきたラッパーOpen Mike Eagleと、billy woodsやR.A.P. Ferreira作品で知られるプロデューサーKenny Segal。20年来の盟友である二人が、ついに完成させた完全な共同フルアルバム『DOOMED!: Rap Songs About A Relationship That Ends In Every Possible Universe』。Mikeの私生活で起きた長期的関係の破局をきっかけに制作。ジャズの断片、ソウルのメロウな気配、壊れたシンセ、乾いたドラムが変幻自在に混ざり合う、曲ごとに別の世界線へ飛ばされるような、圧倒的にユニークSegalのビートに、一方のMike は、ぼそっとした語り口、鋭い観察、ユーモアと痛みの混ざったラインで、日記とスタンダップコメディの中間のようなラップを展開。重いテーマを扱いながらも、どこか軽やかで、笑えるのに刺さるという彼の真骨頂が詰まっている。ゲストにはHemlock Ernst、billy woods、Gothic Tropicらが参加。それぞれが異なる宇宙のキャラクターのように登場し、アルバムのマルチバース的世界観をさらに広げている。

ニューオーリンズのビート職人Preservationと、ニューヨークのラッパーGabe ‘Nandezによる濃密かつ詩的なコラボレーション・アルバム『Sortilège』が登場。Billy Woodsとの傑作『Aethiopes』に収録された「Sauvage」をきっかけとして、時間をかけて遠隔でアイデアを練り合った本作は、あらゆる楽器を駆使しつつも、しっかり余白を残したビートに、‘Nandezの低くて太いバリトンが、語りかけというより呪詛のように響く。鋭くも濃密、抽象的で直感的な音像に、洗練された都市の詩学と、血と文化に根ざしたような呪術的な気配が共存しており、都市的でありながらも、一種のスピリチュアルな密室性を持っている。意識の流れのようなリリック、非定型なビート感、強い詩的世界観、また、フランス語圏・マリ系・アフリカン・ディアスポラの要素を取り入れたサンプリングの選び方や音の処理は、単なるビート構築以上の意味を持っており、ビートアルバムやラップアルバムにとどまらない、まるで一冊の暗い詩集のようなアルバム。

10月中旬再入荷。Shrapknelの一員としても知られるラッパーCurly Castroによる、1970年代前半のアメリカで生まれた、黒人キャストを中心に据えた低予算の娯楽映画群、ブラックスプロイテーション映画の美学を現代のアンダーグラウンド・ラップへと再構築した意欲作『Yaphet』。全編をLocustがプロデュースし、硬質なブーンバップの質感とざらついたサンプリングが同居するビートの上で、Castroの語りは映画のカット割りのように場面を切り替えながら進む。黒人文化史、映画的引用、社会的文脈、そして自身の喪失体験が重なり、言葉の密度が非常に高い。billy woods、PremRock、Fatboi Sharif、Brian Ennalsなど〈Backwoodz Studioz〉周辺のMCが多数参加し、それぞれの声質が作品に群像劇的な奥行きを与えている。荒々しさと知性が共存する、2020年代以降のアンダーグラウンド・ラップの到達点とも言える、映画的な世界観と個人的な痛みが交差する、強度の高い一枚。
Mos DefことYasiin Beyが、原点回帰と再生を掲げて放った2009年の代表作『The Ecstatic』。Madlib、Oh No、J Dilla、Georgia Anne Muldrowら錚々たるプロデューサー陣が参加し、多国籍なサンプルと鋭い視点が交差するオルタナティブ・ヒップホップの金字塔。MadlibやOh Noが〈Stones Throw〉で制作したビートを再利用しており、MF DOOMの影響も本人が言及。アフロビート、ラテン、ジャズ、中東音楽など、世界中の音楽が縦横無尽に飛び交うビートを核に、Mos Defのフロウは軽やかで、曲によっては声そのものがパーカッションのように機能し、ビートと一体化していく。短い曲が連続するスケッチ集のような構造で、軽いリバーブ処理や変則的な拍子が多用され、常に新しい景色へ移り変わる。Mos Def が世界を旅するように音を紡いだ、多彩で知的なヒップホップの到達点。
Aesop RockとBlockheadがパンデミック期に完成させた『Garbology』のインスト版。長年の協働関係を持つ2人の美学が、ラップを取り除いたことでより鮮明に立ち上がり、Blockheadの乾いたサンプル、タイトなドラム、荒涼とした音の質感がそのまま前面に現れる。サンプルの細かな表情や隙間の使い方が際立ち、都市の片隅の風景を切り取ったような独特のムードが全編を貫く。Aesop Rockが提示した社会が捨てたものから文化を読み解くというガーボロジーの概念とも響き合い、インストとして聴くことでその音響的テーマがより強く感じられる構造になっている。Blockheadの編集センスは、ざらついた質感と奇妙な温度感を同時に保ちながらゆっくり歩くようなBPMのグルーヴをつくり出し、日常のリズムに寄り添うような聴き心地を生む。長年のコラボレーションの蓄積が音の細部に宿り、ビート単体で聴くことで2人の関係性と制作哲学がより深く伝わる、ヒップホップ・インスト作品として非常に味わい深い2LP。

アメリカのヒップホップグループKMDが93年に録音し、00年になって漸く発表した2枚目のアルバムにして最終作『Black Bastards』がアナログ・リイシュー。当初、1994年5月に発表される予定だったものの、サンボがリンチされる姿を描いた物議を醸すカバーアートのため、Elektra Recordsがアルバムをキャンセルしたのではないかと噂される、曰く付きのハードコア・ヒップホップ傑作盤!
謎めいたメタルマスクの下に、アンダーグラウンドの伝説となる器量を隠し持つヒーロー。MF DOOMの正式なデビュー作にして、後にアンダーグラウンドラップの最も偉大な声となる謎の人物を再登場させた『Operation: Doomsday』がアナログ再発!DOOMの悲劇的な過去、個人的な興味、大胆な創造性を合一した歴史的傑作。巧みなライムや驚くべきスキームは、風景の中で際立ち、アニメのテーマソング、80年代のソウル、ラップのクラシックなど、彼が触れてきたあらゆるサウンドは、真新しくシュールなものに再解釈されています。どんな困難にも負けず、自分に賭す力を証明するカルト傑作。

Armand Hammer(with Elucid)の片翼として知られるbilly woodsが久々に放つソロ・アルバム『GOLLIWOG』。現代アメリカの黒人経験を、暗く歪んだ夢のような音像で描いた怪作で、プロデューサー陣にはEl-P(Run The Jewels / Company Flow)、Shabaka Hutchings(Sons of Kemet / The Comet Is Coming)、The Alchemist、Kenny Segal、DJ Haram、Ant(Atmosphere)、Conductor Williamsなど、ヒップホップとジャズ、アンダーグラウンドと実験音楽を横断する重鎮たちが勢ぞろい。その多彩な布陣が織りなすのは、不穏でサイケデリック、そして異様に鮮明な悪夢のような音世界。「英語そのものが暴力だ」と言い放つwoodsのリリックは相変わらず鋭く、皮肉と哲学が交差する。全体を通して現実という感覚そのものがぐらつく構成になっており、単なる社会批評ではなく、現代における意識そのものをテーマとしているよう。billy woods流のダーク・アメリカーナとも言うべき一枚。

ロサンゼルスのビートメイカーとして、〈Stones Throw〉〈Brainfeeder〉〈All City〉〈Hyperdub〉など数々の重要レーベルから作品を発表してきた Samiyamが、自身のもう一つの情熱であるデスメタルに捧げた異色の作品。SAMIYAMは過去5年間でデスメタルとホラー映画に傾倒しており、古典的なバンドを掘り下げる中で生まれたアイデアを、ドラムプログラミングやサンプリングに取り込み、メタル的な重厚感をヒップホップの感覚で再構築。収録された13のビートは、ラフで荒々しくも緻密に仕上げられ、彼の持ち味である硬質なグルーヴと異形のギター的質感に加工されたサンプルやノイズが融合することで、これまでにないダークでユニークな音世界を生み出している。ヒップホップ・ビートとメタルの質感が激しく交錯する実験的なアルバムでありながら、単なる実験にとどまらない深みを備えており、サンプルを歪ませ、反転させ、ノイズと絡めながら構築されたトラック群は、従来のSamiyam のイメージを裏切りつつも、その根底にある ビートへの執着 をより強調するものとなっている。そのサウンドは、デスメタルの攻撃性とホラー映画的な不穏さを抱えつつ、あくまでビート・アルバムとしての機能性を失わず、ヘヴィなリフの残響や、ノイジーな音響処理が織り込まれた中で、独特のグルーヴが絶えず脈打ち、新しい形のビート・アートを提示している。寡作ながら常に注目を集める彼のキャリアの中でも特に挑戦的で刺激的な一枚。

トータスの一員としても名を馳せるギタリストのジェフ・パーカーを中心に、サックス奏者ジョシュ・ジョンソン、ベーシストのアンナ・バタース、ドラマーのジェイ・ベラローズで構成されるジェフ・パーカー・ETAカルテット。メンバーの3人、パーカー、バタース、ジョンソンはレッチリのフリーのソロ・デビュー作『Honora』(2026年)に参加したことでも注目を集めている。カルテットは2016年にロサンゼルス北東部の会場ETAでパーカーが始めた週替わりレジデンシーから生まれたバンドだ。彼らによる最新作となる『Happy Today』がこれまで2作と同様シカゴの名門〈International Anthem〉よりリリースされる。
本作は、2016年にロサンゼルスの会場ETAで始まったレジデンシーから発展したバンドの2025年時点のバンドの記録を刻む一枚だ。サックスのジョシュ・ジョンソン、ベースのアンナ・バタース、ドラムのジェイ・ベラローズとともに、ミニマルでジャンル横断的な即興演奏を展開する。本作は2025年8月20日、Lodge Roomでの演奏をその場で録音・ミックスしたもので、LP片面に相当する長尺2曲を収録。エンジニアのブライス・ゴンザレスが特注機材で捉えた音像は、困難な時期の中で生まれた束の間の高揚と連帯感を鮮やかに刻む。NPR Tiny Desk出演など近年も精力的なパーカーの歩みとともに、バンドの本質である“場”と“対話”の力を体現した重要作となっている。

レーベル設立11周年を記念して〈INTERNATIONAL ANTHEM RECORDING COMPANY〉の初期カタログから重要な作品を新たな装丁で再リリースする特別な再発シリーズ「IA11 Edition」として大傑作盤が再登場。Mark GuilianaやRobert Glasper、Mary Halvorsonを始めとした数々の才覚がひしめき、想像を絶するほどにクリエイティヴな広がりを見せる「現代ジャズ」シーンの代表格として知られるシカゴ出身のジャズ・ドラマー、Makaya McCravenによる傑作と名高い2015年発表の名作!ジャイルス・ピーターソンがアルバム・オブ・ザ・ウィークに選び、ロサンゼルス・タイムズ、ニューヨーク・オブザーバー、シカゴ・リーダーズといったメディアが2015年のベスト・アルバムに選出したキャリア重要作で、トライバル〜ビート・ミュージック〜スピリチュアル・ジャズまでも奇跡的なバランスで配合しながら、決して枠にはまらない多様なスタイルへと昇華。90sアンダーグラウンド・ヒップホップへの憧憬を感じさせるラフなビート、どこまでも自由でフリーキーなドラミング、ファラオ・サンダース〜ジョン・コルトレーンの幻影をも吞み込みながらどこまでも絶好調です。これは素晴らしい!
HyperdubからのIceboy Violet作品プロデュースや、〈Balmat〉等からのリリースで知られるNueenことNacho Pezzatiによる、DawunaやSpace Afrika、Loraine James、Xzavier Stone、RenzNiroら実験的ポピュラー・ミュージックの最前線を走る豪華ゲストが集結したレフトフィールド・ヒップホップ作『Swerved』。UKドリルの特徴的なスライディング・ベースや808系重低音を、浮遊感あふれるシンセや霞のように覆いかぶさる音響空間で包み込む独自のサウンドデザインを結実。浮遊感あるメロウなソウル・ニュアンス、囁くようなアヴァン・ポップ、タイトなラップが緻密に交差する音響世界は、ポストP2P世代の記憶の残滓を音響化したような独特の質感。現代のストリート・ミュージックと実験音響の境界線を鮮やかに更新する充実作。

ホノルルの進歩的ドラマーDae Hanが、ワシントンD.C.、ニューヨーク、ホノルルを巡る自身の旅路を音で綴った、ヒップホップ、ジャズ、ハウスを横断する現行ハワイ音楽の重要作『BLUE』。都市での移動のようなスピード感があり、タイトなビートと滑らかなメロディが軽快に流れる「Dc2nyc」、柔らかいビートと内省的なメロディが重なる、夕暮れの街を歩くときの静かな高揚感が漂うタイトル曲「Blue」、ローカルの湿度とジャズの軽やかさが自然に混ざり、ハワイの夜の空気をそのまま閉じ込めたような音像が広がる「Honolulu Jazz」などを収録。多様な音楽性ながら、どの曲もドラムが曲の骨格をつくっており、パーソナルな空気感漂う、音の日記。
Dilated Peoplesの中心人物として世界を巡り、Kanye WestやBeastie Boysへのビート提供でも知られるEvidence。そしてSnoop Dogg、Nas、Eminemらを手がけ、ラッパー、DJとしても活動するThe Alchemist。長年の協働関係を持つ2人がStep Brothers名義で完成させた『Lord Steppington』。乾いた質感のサンプル、タイトなドラム、Alchemistらしいストイックなビートが全編を貫き、Evidenceの落ち着いた語り口と緻密なパンチラインがビートの硬さと絶妙に噛み合う。Action Bronson、Roc Marciano、Styles P、Bluなど個性の強いゲスト陣が曲ごとに鮮やかな色を添え、東海岸クラシックの質感を継承しながら現代的なミックスでアップデートされた音像が魅力的。肩の力が抜けたユーモアと、緻密に組み立てられた職人芸が同居する、2人のキャリアと美学が自然に融合した一枚。

2021年作『Haram』から4年、billy woodsとELUCIDによるArmand Hammer とThe Alchemist が再び手を組んだ新作『Mercy』がbilly woods 主宰のレーベル〈Backwoodz Studioz/Rhymesayers Entertainment〉より登場!前作同様、The Alchemist が従来のソウルやジャズをサンプリングして太いビートを組み立てるビートスタイルから外れても、Armand Hammer の複雑で比喩的・断片的なラップの響き方に寄り添った音作りは今作も健在で、その延長上に、現実と寓話、日常と未来予測が入り混じったような抽象的で鋭いテーマ性がうかがえる作品となっている。今作もEarl Sweatshirt、Quelle Chris、Cleo Reed、Pink Siifu、Kapwani、Silkaなど、多彩な顔ぶれがゲスト参加しており、Armand Hammer の言語による実験と Alchemist のプロダクションと交わって、重層的で寓話的なヒップホップ宇宙が広がっている。
10月中旬再入荷。billy woodsとELUCIDによるArmand Hammer とThe Alchemist が手を組んだ2021年作『Haram』。本作は、発表当時は名プロデューサーとの初タッグという話題性に注目が集まったが、振り返るとむしろThe Alchemist が従来のソウルやジャズをサンプリングして太いビートを組み立てるビートスタイルから外れ、Armand Hammer の複雑で比喩的・断片的なラップの響き方に寄り添ったことが要点となっていて、ドローンや歪んだリズム、言葉が漂う余地を残したプロダクション、くぐもった音や断片的なフレーズのコラージュなど、Armand Hammerの不可解さをそのまま響かせる音作りとなっている。また、同時に、メロウで陽光を感じるビートやソウルフルなフックも散りばめられており、ある意味でポップで聴きやすい瞬間が共存しているのも興味深い。ゲスト陣も強力で、Curly Castro、Quelle Chris、Amaniらの参加、Earl Sweatshirt の「Falling Out the Sky」や、KAYANAの「Black Sunlight」、Fieldedの「Aubergine」など、実験的な声の使い方も印象的。ハードボイルドな言葉遊びと実験的なビートが奇跡的に融合した、唯一無二のアンダーグラウンド・ヒップホップの到達点。
