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ニューヨーク拠点の音楽家 Arp こと Alexis Georgopoulos による現代音楽的な抽象性、研ぎ澄まされてた電子音響にアコースティックな響きが美しい作品『Drifts』。ピアノ、ハープ、チェロなどの有機的な響きと、モジュラー・シンセや電子処理を組み合わせた透明感ある音像で、即興的な揺らぎと、彫刻のように緻密な構成が共存。渡邊琢磨やPatrick Belagaも参加しており、静けさと余白の中に深い情緒を描く充実作。

カナダの音楽家ジョセフ・シャバソンとニコラス・クルゴヴィッチ、そして日本のテニスコーツによるコラボレーション・アルバム『Wao』。事前に完成曲を用意せず、ツアー中の滞在先でアイディアを持ち寄り即興的に録音。神戸の築100年を超える洋館「旧グッゲンハイム邸」で2日間にわたり収録された。シャバソンのサックス、クルゴヴィッチのメロウな歌声、テニスコーツのさや&植野隆司の繊細なヴォーカルが融合。アンビエント、フォーク、ジャズの要素を横断し、親密で柔らかな音響世界を生み出している。ゑでぃまぁこんのゑでゐ鼓雨磨もゲスト参加。
アメリカのミュージシャン、Sufjan Stevensが、The RootsやKendrick Lamar、Helado Negroといった面々も在籍している名門レーベルである〈Asthmatic Kitty〉から2015年に発表した7枚目のスタジオ・アルバムにして、USローファイ/インディ・フォークの傑作『Carrie & Lowell』。Dovemanトイしても知られるピアニスト/シンガーのThomas Bartlett、Bon Iverのサポートを務める〈Jagjaguwar〉在籍のミュージシャン、Sean Carey、Of MontrealやDeerhoofなどのツアーへの同行でも知られるミュージシャンのNedelle Torrisiを始めとした豪華ゲストをフィーチャーした意欲的なアルバムで、〈NME〉や〈Pitchfork〉といった主要メディアでも非常に高い評価を獲得しています。Josh Bonatiによるマスタリング&カッティング仕様と盤質も万全!
ジャンルにとらわれない新世代UKインディペンデント・レーベル<GondwanaRecords>の創設者であり、ワールドワイド・アワードを受賞し、MOBOにもノミネートされたトランペッター、作曲家、プロデューサー、DJであるMatthew Halsallの2009年作『Colour Yes』をオリジナル・テープに戻って自身でリミックスとリマスタリングを施し、アートワークの再構築をデザイナーズ・リパブリックのイアン・アンダーソンに依頼した2LPアニバーサリーエディションとして2019年にリイシューされていたものが再入荷!アリス・コルトレーンやファオラ・サンダースのスピリチュアル・ジャズ、コンテンポラリー・エレクトロニカ、ダンス・ミュージックに加え、日本への旅で得た伝統的な芸術や音楽からも影響を受けた印象深い豊かな音楽性。現代英国ジャズ・シーンを代表するサックス奏者ナット・バーチャルも参加しモーダルで心地よい演奏を披露した名作。

カナダ・モントリオール出身の作曲家/シンガー、Ambre Cielによるデビュー・アルバム『still, there is the sea』が〈Gondwana Records〉より登場!本作は、彼女の内面に広がる「もうひとつの世界」を具現化したかのような作風で、印象派やミニマル・ミュージック、現代クラシックからの影響を感じさせる、夢のように広がりのある音楽を展開している。幼少期にバイオリンを学び、後にエフェクトやループを使った実験を始めた彼女は、大学で作曲と録音を専門的に学び、そこで声とバイオリンを重ねる多層的な楽曲スタイルを確立。ピアノを学んだことによる奥深いハーモニーも魅力的。フランス語と英語の両方で歌い、弦楽器やアコースティックな響きをたっぷりと活かしたアレンジが瑞々しく、未完成さも含めてピュアな輝きに満ちた本作は、繊細で豊かな世界観を静かに描き出している。夢幻的で自分の内面に分け入っていくような、静けさの中に広がる、夢と記憶のための室内楽!

ポルティコ・カルテットの創設メンバーであるベーシスト兼作曲家のミロ・フィッツパトリックによるチェンバー・ジャズ・プロジェクト、Vega Trailsのニュー・アルバム『Sierra Tracks』がマンチェスターの現代ジャズ大名門〈Gondwana Records〉よりリリース!サックス奏者、ジョーダン・スマートをフィーチャーしており、マドリードの北西に位置するシエラ・デ・グアダラマ山脈の麓にインスピレーションを得たという言葉通り、今作には映画のような雰囲気が漂っており、山々の広々とした空間を想起させられたり、また時にはチェロ、オーケストラの弦楽器、ヴィブラフォン、ピアノによる精巧なアレンジが自然の素晴らしさに似た印象を感じさせるなど映像的で物語性ある内容。

アメリカの作曲家・ピアニスト Ruth Maine によるデビュー・アルバム『Found Keys』。20年以上の演奏・作曲のキャリアを持つ彼女が、初めて自身の作品を録音・公開することを決意した非常にパーソナルなアルバムであり、静けさと親密さに満ちた16曲の短いピアノ作品が収録されている。ピアノの旋律はシンプルながらも反復を通じて微細に変化し、各曲は2〜3分ほどの長さでありながらも深みを持ち、自然に囲まれた環境で録音されたことによって環境音や空間の響きが自然に取り込まれていることも相まって、アンビエント、ネオクラシカルの要素が溶け合った音響世界が展開されている。時代を超越したような穏やかさと、古くからの友人のような温もりを感じさせる、音楽というよりも、記憶や感情の断片をそっと鍵盤に乗せたようなスケッチ集。静かな時間に寄り添う一枚として、深く心に響く作品。
Pitchforkでは9.0点のスコアを獲得。オリジナルは40万円超えでの取引履歴もある骨董物件であり、全てのフォーク作品において永遠の名盤。ブリティッシュ・フォーク神話の女神、Vashti Bunyanの1970年作品Just Another Diamond Dayが限定クリア・ヴァイナル仕様で再発!Joe Boydプロデュース、Fairport ConventionのDave SwarbrickやSimon Nicolらも演奏に参加、ジャケットに見られる片田舎で暮らしていた時に制作。唯一無二の儚く透き通った歌声、素朴で万人の心に響き渡る楽曲、言葉では良い表せない幻想的な感覚、もう再生した途端に魂が引っ張られる感覚を覚える程に、不思議な魔力を秘めています。この先も永遠に全音楽好き必聴!ゲイトフォールド・スリーブ仕様。

「ホーム・ビフォア・ダーク」はエム・レコードの再発で知った大好きな曲。この曲を、大好きなバンドゑでぃまぁこんがカバーしたら最高だろうな、と思っていたらやはり最高!夢が叶いました。」(坂本慎太郎)
ゑでぃまぁこんが、ノラ・ガスリーの名曲を、坂本慎太郎とゑでゐ鼓雨磨の共作オリジナル日本語詞でカヴァーした、良き出会いの繋がりが生んだ二重三重の夢の結晶。トルソ(TORSO)によるドリーミー管弦楽リコンポジション版をカップリングした夢のWサイダー。(ポップスの神様はまだ日本にいらっしゃいました。)
ノラ・ガスリーのたった1枚のシングル「Emily’s Illness c/w Home BeforeDark」(1967年)は、2009年の復刻リリース以来、マニアの秘匿曲を越えて内外に拡がりました。当初は、19世紀アール・ヌーヴォー的耽美をビーチボーイズ『Pet Sounds』風のサウンドで綴った美しい奇曲「Emily’s Ilness」推しだったのですが(※1)、しだいにB面曲「ホーム・ビフォア・ダーク」がミュージシャン達を魅了しはじめ(※2)、伝えられるところではエゴラッピン、ティーンネイジ・ファンクラブ、テニスコーツ & yumboがライブで取り上げて流布していった模様。しかし、まさかこのような予想もしない素晴らしい録音に出会えるとは!!本作は、もともと坂本慎太郎の発案で、ゑでぃまぁこんバンドでプライヴェート録音したもの(同氏の「P」審美眼にリスペクト)。公開目的ではなかったこの隠密録音の噂がエムに届き、長きにわたる円(縁)のループが繋がったような作品をお届けすることになりました。装丁画はゑでゐ鼓雨磨。
=カップリング曲秘話=
カップリング曲の制作は元曲を知らないトルソに打診し、ゑでぃまぁこん版のヴォーカルと旋律楽器パートを抜いたベーシックトラックを渡して、ほとんど目隠し状態でのリコンポジションを依頼(制作中はググり禁止)。当初はシンプルにOrieとKenjiの演奏を被せた合奏で……という趣旨でしたが、この無茶な実験要求に応えたトルソは、最終的にベーシックトラックをも抜きとった叛逆的かつ優雅なリコンポジションを送りつけてきて、このオリジナル曲の出来栄えに一同平伏!
注釈:
1)「Emily’s Illness」は、19世紀アメリカの詩人、エミリー・ディキンソンへのトリビュートと思われる。
2)ガスリーと作者エリック・アイズナーは当時アストラッド・ジルベルトの大ファンだった。初期アストラッドのたどたどしいボサノヴァ歌唱とノラの歌う「Home Before Dark」を頭の中でダブらせて再生してみてほしい。
=作品仕様=
+ 3 面折り込みジャケット
+ 歌詞掲載
TRACKS:
Side A - ホーム・ビフォア・ダーク
Side B - ホーム・ビフォア・ダーク(Recomposed by TORSO)
フランスはノルマンディー出身のトラディショナル・フォーク歌手Véronique Chalotによる1982年のセカンド・アルバムで、中世音楽とフレンチ・トラッドを融合させた幻想的な作品『A L'Entrée Du Temps Clair』。ギター、ダルシマー、ハーディ・ガーディ、エピネット・デ・ヴォージュなどの古楽器にバグパイプ、クルムホルン、ホイッスルなどの管楽器も加わり、幻想的で郷愁感あるアンサンブルを形作っている。くぐもったヴォーカルと浮遊感あるアレンジが、アシッド・フォーク的な魅力を放っており、オリジナル曲と伝承曲が違和感なく融合。中世と現代、伝承と創作が交差する、ひっそりと輝く宝石。

版元完売。室内楽的アプローチを中心に、静謐で詩的な作品をリリースするベルギーを拠点とするインディペンデント・レーベル〈Aspen Edities〉より、スウェーデンの4人の音楽家による即興的なアンサンブル作品『words were coming out our ears』が登場。ピアニストGraden、ドラマーAgnas、そして2人のダブルベース奏者LandinとBromanderというユニークな編成で、ピアノとドラムが繊細なリズムと空間を描き、2本のベースが低音域で豊かな対話を繰り広げる。即興演奏でありながら、構築的な美しさと自由な歌心が共存しており、ジャズ、室内楽、アンビエントの要素が溶け合って音の間や沈黙をいかした瞑想的かつ心地よい現代の音楽になっている。録音はストックホルムの名門アトランティス・スタジオで行われ、音響的にも深みのある仕上がりも魅力的。静かでありながら力強く、詩的に即興的で上質な音楽性がスウェーデンの現代音楽シーンの深さと成熟を感じさせる一枚。限定150部。

ニューヨークを拠点に活動するシンガー/マルチ・インストゥルメンタリスト、ピアニストのエリアナ・グラスのファースト・アルバム『E』が〈Shelter Press〉より登場!本作は、ヴォーカリストとしてクラシックの訓練を受ける前に、両親のピアノの下に座って耳で弾くことを覚えたという、グラスの幼少期の思い出を呼び起こす作品であり、カーラ・ブレイやアネット・ピーコックといったレフトフィールド・ジャズやフリー・インプロヴィゼーションの巨匠たちへの尊敬の念、シビル・ベイヤーのような儚い美しさを感じさせつつも、特有の瑞々しく自然体のサウンドによってフィルターされている。オフビートで探し求めるような質感と、詩的で畏敬の念を抱かせる音域を交互に奏でていくような、彼女自身が「日常生活の凝縮」と表現する、ほろ苦く、はかなく、まばらで瞑想的な音楽!エマホイ・ツェゲ=マリアム・ゲーブルーと彼女の2006年のコンピレーション『Éthiopiques』への物憂げなオマージュである"Emahoy"も収録!

カナダ出身の実験音楽家、作曲家、サウンドアーティストKara-Lis Coverdaleが、静かな森に囲まれたカナダはヴァレンズのスタジオで、冬の深い静寂の中、ひとりでピアノに向かいあい生まれたソロ・アルバム『A Series of Actions in a Sphere of Forever』が〈Smalltown Supersound〉より登場。本作は「抵抗」「共鳴」「空間」をテーマに、ピアノの音が静かに、でも鮮やかに空間に広がっていく様子を丹念に描いた作品集で、音が永遠に続く球体のように、ゆっくりと、たゆまず変化し続けるような感覚に包まれる。ピアノの弦や共鳴の仕方、一つ一つの音が空間にどう広がっていくか、消えゆく響きの揺らぎに深く耳を澄まし、旋律やリズムではなく、音そのものの質感や余韻、倍音の重なりを丁寧に捉えていくアプローチで、聴き手は音楽を聴くというよりも、むしろその中に身を置くようにして味わうことになる。夜のピアノ、透明な空気、音と沈黙が対等に存在する空間を描いた、孤高の溶々たる音楽体験!

カナダ・モントリオール出身の作曲家/シンガー、Ambre Cielによるデビュー・アルバム『still, there is the sea』が〈Gondwana Records〉より登場!本作は、彼女の内面に広がる「もうひとつの世界」を具現化したかのような作風で、印象派やミニマル・ミュージック、現代クラシックからの影響を感じさせる、夢のように広がりのある音楽を展開している。幼少期にバイオリンを学び、後にエフェクトやループを使った実験を始めた彼女は、大学で作曲と録音を専門的に学び、そこで声とバイオリンを重ねる多層的な楽曲スタイルを確立。ピアノを学んだことによる奥深いハーモニーも魅力的。フランス語と英語の両方で歌い、弦楽器やアコースティックな響きをたっぷりと活かしたアレンジが瑞々しく、未完成さも含めてピュアな輝きに満ちた本作は、繊細で豊かな世界観を静かに描き出している。夢幻的で自分の内面に分け入っていくような、静けさの中に広がる、夢と記憶のための室内楽!

ベルギーのギタリストRuben Machtelinckxを中心に、Toma Gouband(パーカッション)、Frederik Leroux(ギター)、Fredrik Rasten(ギター)が参加したアコースティック即興作品『porous structures II』。本作では、3本のスティール弦ギターと繊細なパーカッションが織りなす静謐で詩的な音響の中で、音の間(ま)や残響が丁寧に扱われており、ジャンルを超えた音の対話が、瞑想的な空間を生み出している。ギターはメロディよりも質感や空間性を重視し、打楽器は自然音のようなニュアンスを加える。フォーク、室内楽、アンビエント、即興音楽の要素が溶け合い、抽象的でありながら温かみのある響きが印象的。録音はベルギーの静かな空間で行われ、音の質感にもその空気が反映されているかのよう。静かに語りかけるような音楽が、聴く者の内面に深く響く一枚。限定200部。
これは一度浴びましょう。Behold!! ブラジル音楽が誇る大巨匠、カエターノ・ヴェローゾ。69年にオリジナル・リリースされた通称「ホワイト・アルバム」こと「イレーネ」、ソロ名義では2枚目となるスタジオ・アルバム。軍事政権の政権批判を行なったとして理由も明らかにされないままに逮捕・拘置されてしまったヴェローゾと盟友のジルベルト・ジル。イギリス・ロンドンへと亡命する直前に残し、自身のメッセージとして世界へと発信することとなった記念碑的アルバム。異様に陰鬱なムードの中で孤高のトロピカリア&サイケデリアを余すところなく炸裂させたマスターピース!限定500部クリア・ヴァイナル仕様。

現代音楽のアイコニックな面々とのコラボレーションを通じて知られるギタリスト、バンジョリスト、ピアニスト、シンガーであり、インディーフォークの世界で素晴らしい才能を持つアーティスト、フィル・クックの2024年最新作がPsychic Hotlineより再び登場!2022年秋、ノースカロライナ州ピードモントの野原と森の端にある小さな家に一人で住んでいた時の鳥たちの夜明けのコーラスをきき、そのさえずりを録音し、徐々に鳥のさえずりに加わっていった体験から生まれていったこのアルバムは深く心に響く、個人的な11のピアノ瞑想曲で、これらの曲は、クックにとって不安定な時期の混乱と悲しみだけでなく、希望、光、そして向こう側を探す喜びをも反映している。この曲の多くにインスピレーションを与えてくれた鳥の声や時間を、今でも耳にすることができると言えるだろう。たとえ彼らが耳に届かないところにいても、そのエッセンスが残っているようだ。おすすめ!

エチオピアの伝説的な作曲家エマホイ・ツェゲ・マリアム・ゲブルの作品を、初めてピアノと弦楽アンサンブルで演奏した『Emahoy Tsege Mariam Gebru
played by Maya Dunietz & String Ensemble, Live in Paris』が〈LATENCY〉より登場!本作は、彼女の「ピアノだけでなく、もっと広い解釈で自分の音楽が演奏されてほしい」という願いを叶えるかたちで実現したもので、企画を主導したのは、エマホイと親交のあったイスラエルの音楽家マヤ・ドゥニエッツ。2005年にロンドンのレコード店で『Éthiopiques』シリーズの一枚を偶然手に取り、興味を持ったことがきっかけで、彼女と指揮者イラン・ヴォルコフはエマホイを探し出し、エルサレムの修道院で対面。その後エマホイ本人から、何百もの楽譜を託され、世界に広めてほしいと頼まれるようになる。このプロジェクトは、楽譜集の出版(2013年)や国際的な演奏活動として広がり、エマホイが生前に語った「自分の曲をオーケストラで聴いてみたい」という夢も受け継がれる。今回のアルバムはその夢の延長線上にあり、2024年4月、パリのブルス・ド・コメルスで行われた2公演の追悼コンサートで録音された。元々エマホイの音楽は、静かでミニマル、それでいて感情の深みを湛えた独特の響きを持っているが、今回のアレンジではより広がりのある音の空間として再構築されている。あくまでエマホイの音楽の核心──孤独、信仰、そして遠い記憶のような郷愁──を崩さないように細心の注意が払われており、沈黙や余白を大切にした祈りや瞑想に似た時間感覚をそのままに保った静かな再解釈。彼女の音楽に新たな光を当てながらも、決して眩しすぎず、ただそこにそっと在るような響きが素晴らしい。限定300部

ニューヨーク生まれ、タミルナードゥ育ちのシンガーであり、マルチインストゥルメンタリストのGanavyaが、待望のアルバム『Nilam』を〈LEITER〉からリリース。2024年の『Daughter Of A Temple』に続く作品で、今回はNils Frahmとの共同プロデュースにより、ベルリンのFunkhausで録音された。長年のライブで育まれてきた楽曲たちを、親しい仲間であるベーシストMax RidleyとハーピストCharles Overtonとともにスタジオで形にしている。本作も南インド伝統音楽と現代音響/ジャズを豊かに融合し、声を通じて深い儀式的体験を届けるような内容で、楽曲は穏やかなグルーヴや繊細な構成で満たされ、彼女の声はまるで湖に広がる波紋のように心に沁みる。全体としてとても内省的でありながら、どこか温かい体温を感じさせるアルバムに仕上がっている。
11月下旬再入荷。Matthew Sage(M. Sage)が長いシカゴ生活を経て故郷コロラドに戻り、自然豊かな丘陵地帯や牧草地で制作した、彼が育った故郷の風景や、自分自身のアイデンティティに立ち返るようなアルバム『Tender / Wading』が〈Rvng Intl.〉より登場。ピアノとクラリネットを核に、ギターやモジュラーシンセ、パーカッション、さらには自宅周辺で録音した環境音が織り交ざり、まるで自然の中で過ごすような穏やかで深みのある音世界。自宅のDIY改装したスタジオで多彩な創作活動を続けてきたが、本作では特に1910年製のアップライトピアノとの出会いが曲作りに大きな影響を与えている。前作『Paradise Crick』のデジタルで幻想的な世界観から一転、『Tender / Wading』はより人間の経験に根ざした牧歌的でジャジーなエレクトロ・アコースティックな音像を描き出している。全9曲で構成され、自然の息吹や日常の細やかな気づきを大切にしながらも、M. Sage独特の実験精神と繊細なメロディ感覚が光る作品。彼自身は「庭仕事や家事の合間に聴きたい音楽」と言っており、肩の力を抜きつつも深みある音楽となっている。

