MUSIC
6071 products
ラトビア/ロンドンを拠点にするmu tate、音響作家のNEXCYIA、そしてExzald S名義で活動するSarah Foulquiereらによる『Labège』が〈Good Morning Tapes〉からヴァイナルで登場。フランス・トゥールーズ郊外の街Labègeでレーベル主導のレジデンスを行い、南仏のゆったりとした時間の流れに身を委ねながら制作された。即興演奏や直感的なサンプリング、家庭的な空間での制作プロセスを通じて、儚くも穏やかな楽曲が綴られている。音響的には、フィールドレコーディングや抽象的なサウンド加工、断片的なリズムが組み合わさり、柔らかく触感的なサウンドスケープが展開。ふわりと漂うような空間の中に、深いサブベースとささやくような声が浮かび上がる。官能的とも言えるアンビエンスと90年代的な感覚が交差する、甘美でエモーショナルなサウンドトリップ。静謐ななかにも現代的なエッジがある一枚。
大名門〈Numero〉のEccentric Soulシリーズの記念すべき100作目として、オハイオにルーツを持つCapsoulレーベルから3枚の復刻7インチが登場。そのうちの一枚、ロン・ハリントンのローファイなファンク・グルーヴの「It Happened To Me Again」。B面には、Capsoulの創設者ビル・モスのために録音された、ホームメイドな質感が魅力的な未発表デモ「Because You're Mine」を収録。Eccentric Soulらしいディープで愛すべきオハイオ産ヴィンテージ・ソウル!
オリジナルは2000年にニューヨークの小さなインディーレーベル〈Socialist Records〉からCDで発表されたニューヨークのシンガー・ソングライターNina Nastasiaによるデビュー・アルバム『Dogs』。2004年にTouch and Go Recordsが初のアナログ盤で再発したものが、今回およそ20年ぶりに再プレス!本作は、後年の『The Blackened Air』や『Run to Ruin』のような暗く深い世界観に比べると素朴で若々しく、軽やかな印象のあるアルバムになっている。サウンドもシンプルなものだが、その分ナスタシアの素朴だが深みのある歌声、詩的な歌詞がストレートに響いてくる。エンジニアのSteve Albiniも、「ありのまま」を捉える録音スタイルで臨んでいて、古い楽器の音色や質感がよく伝わってくる。アパートのバスルームでひっそりと演奏しているかのような親密さが漂っていて、魅力的な一枚。
レバノン出身でベルリン在住、フリー・インプロヴィゼーションからアラブ・ポップ、サンプル・コラージュまでを自在に横断するアーティストRaed Yassinによる、15分超のトラック2曲から成る高密度なモジュラーシンセ・ミニマリズム作品『Eternal Ghost』が〈Fourth Sounds〉からリリース!かすかなアラビアの雰囲気と、Terry Rileyやノーウェイヴやシンセポップのエッセンスを取りこみつつ、ジワジワと積み上がる電子音が、極限まで削ぎ落とされたビートとともに展開される。鍵盤や木管の即興演奏が、木製ドラムや金属打音と絡みながら、14〜15分の枠を通じてゆっくりと姿を変える、反復と展開を通じて聴き手を深い瞑想へと誘う実験的なサウンド・エクスペリエンス。音楽と美術が交差するインスタレーションのような、Raed Yassinの多層的な創作世界を体感できる充実作!
〈Honest Jon's〉が60年代に南米エクアドル・キトで活動していた知られざるスイートスポット的レーベル〈Caife〉に残された魅力的なカタログを紐解いたシリーズから新たな発掘音源が登場!アフリカ先住民の伝統と豊かな音楽の伝統が融合した、エクアドル北端エスメラルダス州のユニークなアフリカ系エクアドル文化の素晴らしい記録を収めたアルバム『Juyungo』がアナログ・リリース。マリンバを中心に、コール&レスポンスのチャント、アンデスのギターのフィンガースタイル、パンパイプなどによる深い没入感に溢れる音楽作品を余すところなく収録。ゲートフォールド・スリーヴ仕様。洞察に満ちたメモと貴重写真が満載のブックレット(16ページ)が付属。
30年ぶりのライブ・パフォーマンスの節目に、Drop Nineteensの1992年に残したシューゲイザー傑作にして、デビュー・スタジオ・アルバムとなった『Delaware』が名門〈Wharf Cat Records〉からアナログ・リイシュー!2016年には〈Pitchfork〉によって史上最高のシューゲイザー・アルバム50枚にも選ばれた作品が、昨今のシューゲイザーの復権と変容/ポスト・シューゲイズの隆盛の中でタイムリーな再来!物憂げでサイケデリックな雰囲気、ローファイで騒々しくセンチメンタルなノイズ・ギター、孤独や幻想、切望と共に編み上げた、暖かでほの甘い珠玉のシューゲイズ/ノイズ・ポップ・アルバム。

クラシック音楽から音楽を学び始めた氏が、非西洋音楽や即興ジャズ、世界中の民族音楽やポップスへと惹かれていったそのリサーチの過程を存分に味わえる一枚!Seth GrahamやKara-Lis Coverdaleといった現行のアーティストの感性にも連なる幻想ニューエイジ大曲"Banteay Srey"、"Sonali"、ジョン・ハッセルの第四世界の目覚めを感じる霊性トライバル・アンビエント"Woo Lae Oak"、一種のグリッチ的なミニマル・ループが独特の余韻を残していく"Mae Yao"といった、アンビエント~ニューエイジ・リスナーにも大推薦の長曲四篇を収録。肩肘張らずにゆったり聴ける味わい深い一作ですよ。

活動26年目を迎えるロサンゼルスを拠点に活動する変幻自在のエクスペリメンタル・プロジェクト、Sissy Spacekの新作『Entrance』が大名門〈Shelter Press〉より登場!1990年代のアメリカン・ノイズとグラインドコアの結びついた文脈から生まれたSissy Spacekは幾多の変遷を経てノイズの極限にフリー・インプロヴィゼーションやミュジーク・コンクレートへの繊細で洗練された探求を是としている。本作では中核メンバーであるJohn WieseとCharlie Mummaが、Tim Barnes、Marco Fusinato、Aaron Hemphill、Brad Laner、Katsura Mouri、C Spencer Yehに加え、ドイツの代表的なエレクトロニック・ノイズ集団P16.D4のRalf Wehowskyから提供された生の素材を加工し4つのテープ作品として再構築している。これらのテープ・コンポジションは、没入感のある崇高で、抽象化された、奇妙で先鋭的なサウンドスケープで、現代におけるミュージック・コンクレートをディープに掘り下げた内容!


8月中旬再入荷。Pitaの死後、〈Editions Mego〉から運営を引き継いだ〈Shelter Press〉がキュレーションする、〈INA-GRM〉の遺産とその後に焦点を当てた〈Portraits GRM〉シリーズからの最新タイトル!それぞれカナダの実験的作家であるMichelle Helene Mackenzieと、Olivia Blockによる作品を収録したスプリット・アルバム。Stefan Maierらによる共作は、建設中に事故が相次ぎ廃墟となった台湾の有名なスポット・三芝ポッド シティからインスピレーションを得た神秘的な作品。Olivia Blockサイドのエレクトロアコースティック作品は、メキシコの都市、サン・イグナシオ・ラグーン(バハカリフォルニア)でのフィールド・レコーディングと合成音を駆使し、太平洋のコククジラやその他の種の生存に対する人類の脅威について考えさせる内容となっています。

Pitaの生前に〈Editions Mego〉が〈INA-GRM〉と共に立ち上げた先鋭レーベルであり、現在は〈Shelter Press〉がその運営を引き継いでいる〈Portraits GRM〉より最新スプリット・アルバムが登場。実験的レーベル〈Archaic Vaults〉主催者で、〈PAN〉の傑作アンビエント・コンピ『MONO NO AWARE』への参加や〈Modern Love〉からの傑作ソロ・アルバムでも知られるロンドン出身の中国系マレーシア人プロデューサー、Flora Yin-Wongと、〈IRCAM〉で音楽アシスタントを務め、MAX / MSPのプログラムを開発しただけでなく、〈Room40〉や〈12k〉からも作品をリリースしているパリ在住のサウンド・デザイナーSebastien Rouxによる作品をそれぞれ収録。


ジャズとポップスの革命の目撃者であり、ソングライターの殿堂にその地位を築きながらも何十年もの間知られてこなかった米国のシンガーソングライター、ミュージシャン、作詞家のMargo Guryan (1937-2021)。1968年に発表した唯一とされるアルバム『Take a Picture』が〈Numero Group〉からアナログ再発。The Velvet Undergroundの”Sunday Morning”カヴァーや”Spanky and Our Gang”と題したトリビュート・シングル曲も収録したバロックポップ/ソフトロックの永遠の金字塔!
ジャンル問わず素晴らしいコンピレーションをリリースし続けるNumeroから今度はアコースティックのソロ・ギターを取り上げたコンピレーション。いつもの事ですがマニアにはたまらないレア音源の数々ながら選曲が素晴らし過ぎで、ただ単にレア音源集で終わっていないのは流石の一言。フォーク/サイケリスナーにはお馴染みのTree PeopleとEM Recordsからも再発されたWilliam Eatonが同時にセレクトされている時点で着眼点の鋭さと豊富な音楽知識の違いは一目瞭然。60年代~70年代の音源が中心に収録されており、インストゥルメンタルものながらサイケリスナーをも巻き込む内容。全体的な統一感まで考え抜いて選曲されたようでアルバムのどの部分を聴いても最高です。この手のコンピレーションにありがちな冗長さを微塵も感じさせない良い内容ですので、ジャンル問わず全ての音楽好きにお薦めです。

元The Mint Chicksのシンガーソングライター、マルチインストゥルメンタリスト、プロデューサーの Ruban Nielsonを中心に2010年に結成されたオレゴン州ポートランド発のネオサイケデリック/インディ・ポップ・バンドUnknown Mortal OrchestraのICシリーズの最新作『IC-02 Bogotá』が<Jagjaguwar>よりリリース!ICシリーズはバンドのヴォーカル・アルバムとは違い、ある特定の都市での即興演奏やインストゥルメンタル・ミュージックの演奏の記録で、2018年発表の第一弾のベトナムのハノイに続く今作は、コロンビアに滞在し、新しいキーボード奏者クリスチャン・リーを迎えて音楽を制作した際に生まれたセッションであり、首都ボゴタのエキサイティングな街で過ごした時間の音楽的ドキュメントと呼べる作品!
大名門〈Jagjaguwar〉のカタログ300番目を飾った世紀の傑作!ラブレターでもあり、宗教のように自己理解を探求してきた20年間の終焉の地。そして、おそらくその理解を決して見つけることができないという内なる決意。米国のインディ・ミュージック・シーンを代表するフォーク・ロック・バンド、Bon Iverが2016年に〈Jagjaguwar〉から発表した3枚目のスタジオ・アルバムにして世紀のヒット作『22, A Million』がリプレス!ウィスコンシン州オークレアにあるリードメンバーのJustin Vernonのスタジオ〈April Base〉で録音されたアルバムである本作は、カニエ・ウェストと共にした以前の仕事からインスパイアされ、電子音楽とヒップホップの楽曲制作の要素を組み込んだ、より実験的な内容となっています。2011年の『Bon Iver, Bon Iver』が物理的空間に根ざした生息地を築いたとすれば、『22, A Million』は場所への執着を手放すことを目指したと言えるでしょう。

1月中旬再入荷。ケベック・モントリオールで結成されたカナダのポスト・ロックを代表する屈指のバンド、Godspeed You Black Emperor!による2015年名作『Asunder, Sweet And Other Distress』のアナログ・リイシュー盤が〈Constellation〉から登場。轟音なユニゾン・リフ、ノイズ/ドローン、揺れ動く倍音、ギターとストリングスの対位法による、インストゥルメンタル・ポスト・ロックの大名作!180g重量盤

ミニマリズム、ジャズ、クラシック、音響アートを融合させた独自のスタイルが特徴的なスウェーデン出身の作曲家、演奏家、インスタレーションアーティストEllen Arkbroの4枚目のアルバム『Nightclouds』が、ニューヨークを拠点とする〈Blank Forms Editions〉から登場!本作には2023〜2024年に中央ヨーロッパで録音されたソロオルガンによる5つの即興演奏が収められており、これまでの作品よりも一層ロマンティックで内省的な雰囲気を持っている。シンプルでありながら深く響く和音と、彼女ならではの緻密な音の構造を使って、冷徹な美しさの中に感情の幅を見事に表現している。彼女の音楽的進化を象徴する重要な作品であり、聴くものを深い内面の探求へと導く一枚!
2017年にデビューを果たしたドイツ発のアナトリアン・サイケ・ポップ歌謡集団、Derya Yıldırım & Grup Şimşekの最新アルバムが〈Big Crown〉からアナウンス!トルコの民謡をベースにした音楽「ハルク」(Halk)の弦楽器バーラマの女性奏者Derya Yıldırımと、それぞれドイツ、フランス、イタリア、イギリス出身の男女4人のクインテットGrup Şimşekによる新機軸となる一作!日本語では「明日がなければ」と訳される本作は、「喪失や憧憬、変化への希望」という主題を軸に、深く個人的な苦悩と集団的な抵抗を掘り下げた作品。持ち前の中東サイケな味わいとここのレーベルカラーのモダン・ソウル/ファンク・サウンドが絶妙にマッチした、"アウターインターナショナル"な魅力を放つサイケデリック・ソウル・ミュージック傑作です!
John Coltraneの妻であり、Flying Lotusの叔母、そして、インド音楽からヒンドゥー哲学まで実践し、真理の探求者であったAlice Coltrane(1937–2007)。亡き夫の残した大きな遺産を乗り越えるべく録音したデビュー・アルバム『A Monastic Trio』へと続き、デビューから1年後、夫の死から2年後にあたる1969年半ばにレコーディングした2枚目のリーダー作『Huntington Ashram Monastery』がアナログ復刻。本作では、アリス・コルトレーンがピアノとハープを演奏し、ベースではロン・カーター、パーカッションではラシッド・アリという豪華面々がバックを担当。音楽的には、以前よりも少しリラックスした雰囲気となり、演奏は程よい密度で緩やかなものへと変化しています。冒頭のタイトル曲はその良い例で、カーターが深いグルーヴを作り、アリがすべてをフレームに収め、コルトレーンはハープで驚くほど軽快に演奏。スピリチュアルかつ東洋思想かつ大変素晴らしいトリオ作!
ジョン・コルトレーンの命脈へと連なるスピリチュアル・ジャズの生ける伝説Pharaoh Sandersが69年に〈Impulse!〉から発表した傑作『Jewels Of Thought』がヴァイナル再発。スピリチュアル・ジャズファンのみならず、ニューエイジ~アンビエント系のリスナーにも大推薦。
オリジナルは1974年に仏〈Le Chant Du Monde〉からリリースされたHal Singer と Jef Gilson によるアフロ・パリジャン・ジャズの代表作のひとつ『Soul of Africa』が〈Endless Happiness〉から登場。アメリカのレジェンド Hal Singer による熱量の高いテナーサックスと、フランスの鬼才 Gilson の霊的なピアノ、そして重厚でしなやかなリズム隊が渾然一体となり、冒頭からラストまで息を呑むような高揚感が続く。モーダルなコード進行の上でアフリカン・パーカッションが躍動し、スピリチュアルでダンサブル、かつどこか幻想的な雰囲気を纏った傑作。アフリカ的なリズム感覚とヨーロッパのジャズシーンの洗練が交わることで、独自の重層的な音世界が生まれている。45回転盤仕様での登場!
