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オリジナルは1970年にリリースされたFunkadelicのセルフタイトル・デビュー作が、〈Org Music〉による〈Westbound Records〉再発シリーズの一環として、マスターテープからの丁寧なリマスタリングを経て音質も格段に向上してのリイシュー。本作は、ジャンルの境界を突き破るカオティックでスピリチュアルなグルーヴに満ちており、Motown的な洗練とは真逆をいく、荒削りで予測不能なブラック・サイケの金字塔。歪んだギター、即興性、スピリチュアルな曖昧さを武器に、黒人音楽の可能性を一気に拡張してみせた。Eddie Hazelのギターをはじめとする若きバンドメンバーの熱量と、George Clintonのストリート哲学が融合した、混沌と自由の音楽革命。
セカンドウェイヴ・エモの熱が冷めつつあった2003年、その余波に身を置きながらも、The Appleseed Castはまったく別の方角を選んだ。それまでのキャリアで築いてきたポストロック的な構造美と、エモ由来の感情表現を融合させながら、感情をむき出しにすることなく、それでも深く胸に届く広がりのある音を紡ぎ出した名盤『Two Conversations』。オリジナルは〈Tiger Style〉からリリースされ、今なお彼らの最高傑作とされている。アコースティック・ギターの細やかなアルペジオ、ドリーミーなキーボードとシンセ、そしてやわらかくも芯のあるヴォーカルが溶け合い、愛や喪失、その間に広がる空白を静かに描き出す。激情ではなく、内省。ドラマチックではなく、詩的な余白。全体を包むのは、映画的な空間性とテクスチャー。全体としては非常にメロディックでありながら、感情を過剰に押し付けることなく、あくまで静かに寄り添うような音楽となっている。90年代中盤のエモやスローコアの精神を継承しつつ、さらに洗練されたサウンドに昇華させたような一枚。
インディ・ロック・シーンに多大なる影響を及ぼしてきたカリフォルニア・ベイエリア・サンノゼ出身のスロウコア・バンド、Duster。半世紀にわたる自宅での4トラック録音から生まれた未発表音源の数々を収録したファン垂涎のコンピレーション・アルバム『Remote Echoes』が〈Numero Group〉からアナウンス。中古市場でも人気のデモ作品『Christmas Dust』と『On The Dodge』を録音していた時期に残した貴重楽曲の数々を全14曲収録。ファジーなギター、安物のシンセサイザー、かすれたパーカッション、ハスキーなヴォーカルが織り成すDuster独特のブレンドは、チルウェイヴ、マンブルコア、コアコアを先取りしており、スラッカーの悪癖であるタバコ、コーヒー、マリファナの三位一体をエレガントに表現した一枚としてこの上ない内容です。


限定カラーヴァイナル仕様。〈Favorite Recordings〉作品やジャパニーズ・シティポップ・リスナーにもレコメンドしたい大定番!自国のブルースやソウル、ゴスペルのみならず、世界各地のオブスキュア・グルーヴを掘り起こし、独自の視点でコンパイル&新たな価値を付与してきた名門〈Numero〉の手により編纂された極上の自主盤AOR/ヨット・ロック・コンピ!Ned Dohenyを筆頭に、寡作なサイケ/フォーク・バンドMajor Arcanaを率いたJim Spencer、ミネアポリスのSSW、Jeff Harringtonなどなど、豊穣なUSプライヴェート・ブルーアイド・ソウル/シティ・ソウルの数々を一挙収録した同レーベルでも大人気の一枚であり、全20組によるソフトネス&スムースネス溢れるサウンドが堪能できる傑作企画盤!オールド・スタイルなゲートフォールド・チップオン・スリーヴ仕様。


キャリア中最も広がりのある、楽しくて寛容なアルバム。ボン・イヴェールの痕跡は常にメインストリームを越えて広がる。米国のインディ・ミュージック・シーンを代表するフォーク・ロック・バンド、Bon Iverが2019年に大名門〈Jagjaguwar〉から発表した4枚目のアルバム『i,i』が待望のリプレス!Moses SumneyやBruce Hornsby、Wye OakのJenn Wasner、Brooklyn Youth Chorusまで幅広いゲストを迎え、その探究心を最大限に発揮したアートポップの一大金字塔的アルバム。

Say She Sheによる、ブルックリン発のディスコデリック・ソウルをさらに進化させた力作『Cut & Rewind』。前作『Silver』に続き、70〜80年代のソウルやファンク、ポストパンクの影響を吸収しながら、コズミックなシンセや残響の深いギター、うねるベースラインを加えた、ちょっと幻覚的で浮遊感のある空気、重なりやズレをあえて残したような三声ハーモニー、ファンクやディスコ特有の反復に乗りながら、意外なコード進行や即興的な展開を挟み、延々とリフに身を委ねる感覚など、現代的なアップデートを施したサウンドを展開している。Minnie RipertonやRotary ConnectionからESGやLiquid Liquidまで、多彩な系譜を背景に持ちながら、今回はLonnie Liston SmithやLijadu Sistersといったスピリチュアル/グローバルな要素も取り込み、より広がりのあるサイケデリックな音像を描き出している。煌めくディスコの熱気と、ブラックやクィア文化に対する抑圧への抵抗、ジェンダー的な視点など、鋭い社会的視点を併せ持った、今のニューヨークの空気をそのまま封じ込めた作品。身体を揺らしながら意識を拡張させる、踊れるプロテスト・ミュージックとも言うべき、Say She Sheの決定的な一枚。
1月中旬再入荷。フィラデルフィア拠点のマルチ楽器奏者/ソングライター、Greg Mendez による3枚目のフルアルバムとなる24年度最新セルフタイトル作品が、USインディ名門〈Dead Oceans〉より到着。記憶という不安定なカメラへとフォーカスした生々しいその歌詞には、時間の重みや恐らく時間を喪失してしまう、ということへの不安などが親密に織り込まれているだけでなく、それらの最も厳しい真実でさえ、ユーモアを称えることが出来ると力強く強調する、崇高なナラティヴが秘められています。そこに規律正しい現実は無くとも、真実を指し示すコラージュを作り上げようと力強く祈りを込めた、珠玉で美しいインディ・ポップ・ソング集。

11月下旬再入荷。オーストラリアが世界に誇るシネマティック・ソウル・グループ、Surprise Chefのニューアルバム『Superb』が前作に引き続き、El Michels Affair、Brainstory、Holy Hive、Bobby Orozaなど、現行ビンテージソウル最重要レーベルであることが明らかな<Bic Crown>よりリリース!!このアルバムでは、ハイレベルな音楽性は相変わらず前面に出ているものの、綿密なライティングとレコーディング・テクニックというよりは、よりルーズで自然発生的なアプローチで制作に取り組んでおり、よりエネルギッシュで楽しいサウンドが聞かれる。甘いソウル・トラックのように始まったかと思うと、一転してダークで呪術的なサウンドになり、そのうちには美しく幽玄なトラックによるバラードに浸らせられる。アンダーグラウンドで最も愛されているバンドから有名なバンドへと変貌を遂げる瞬間を目にするかのような一枚!

アフリカの秘境音楽を発信する謎ブログにして発掘レーベルのAwesome Tapes From Africaからエチオピアのアコーディオンマエストロにしてカルトキーボーディスト、Hailu Mergiaによるカセットオンリーだった1978年発表作品がカセット再発。アフリカ有数の大都市アディスアベバのムーディな大喧騒の中、ファンキーなエチオピアン・グルーヴが営まれる至高のエチオ・ジャズ・ファンク作品。 溢れかえる土臭さと煙たさ、サイケデリックなヴァイヴに是非今作も溺れてみてください。

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)1990年から1994年の間に制作され楽曲をまとめ、1995年にリリースされた移籍後2枚目となるアルバム。初期のアンビエントやIDM、ハードコア・テクノを踏襲しながら、アシッドやノイズ、“ドリルンベース”とも形容される破綻したビートを搭載するなどエイフェックス・ツイン二面性や多様性を網羅する一枚。強烈なインダストリアル・ダウンテンポが炸裂したシングル「Ventolin」や、「Xtal」と並べて語られる名曲「Alberto Balsalm」を含む全12曲を収録。180g重量盤。
12月中旬入荷予定。オリジナルは1998年リリースの、USインディーシーンの大御所Yo La TengoとJad Fairによる異色のコラボレーション・アルバム『Strange But True』。本作の最大の特徴は、言葉のテーマ設定にあり、アルバムのすべての曲名は、「奇妙だが真実」というタイトルが示す通り、突飛で信じがたいような新聞の見出しから取られており、Jad Fairが歌詞を担当し、ユーモアとシュールさに満ちた独自の物語世界が展開される。Jad Fairは、ナイーヴで即興的なローファイ・アートロックの先駆者で歌というより語りに近い、ユニークなボーカルスタイルは本作でもその魅力を存分に発揮している。一方、Yo La Tengoは各曲に異なる音楽スタイルでアレンジを加え、ローファイからサイケ、ドリームポップまで幅広い音像を展開。Jad Fairの突飛なアイデアを、Yo La Tengoが音楽的に包み込んでいるような、他に類を見ない奇妙だけど、クセになる一枚。
〈Unseen Worlds〉やKara-Lis Coverdale、Visible Cloaks、Joseph Shabasonから第四世界/ニューエイジ/アンビエント系リスナーにもレコメンドしたい一枚です!星野源、突然段ボール、Ogre You Asshole、坂本慎太郎、Jim O'Rourkeなどなど、もはやアンダーグラウンド/コンテンポラリーな音楽の枠を超え、名だたるアーティストをサポートしてきた日本が誇る名SSWこと石橋英子。アメリカの刑事/法廷ドラマ『ロー&オーダー』のキャラクターであるJack McCoy(演じたのは俳優Sam Waterston)へと捧げる最新アルバムが、オーレン・アンバーチ主将率いる豪州の実験/前衛音楽の聖地こと〈Black Truffle〉から登場!!!!!! ミュージック・コンクレートのテクニックから〈ECM〉を感じさせるコンテンポラリーかつ静謐なジャズの美学、滋養豊かなシンセサイザーのレイヤー、そして、ポップスから得たヒントまでもが彼女の自宅スタジオで混ぜ合わされた没入度MAXの天上なモダン・クラシカル・アンビエント/インプロヴィゼーション作!ジム・オルーク氏がミックスを担当。


1958年以来のサン・ラー・アーケストラのメンバーであり、1995年からはバンドのリーダーを務めるマーシャル・アレンは今年で御歳100歳を迎え、ナンと初のソロ・デビュー・アルバム『New Dawn』をリリース!!伝説のジャズ・ミュージシャン、ドン・チェリーの継娘である比類なきネネ・チェリー、80年代からサン・ラーの研究所でアレンとも共同生活を送っていたアーケストラのサックス奏者ノエル・スコットをはじめアーケストラを支えてきたベテランたち、フィラデルフィアの綺羅星のようなジャズ・スターたちに支えられて制作された本作は、ジャズの伝統を横断し、スピリチュアリティを深く掘り下げるというサン・ラーの哲学と彼の土星の教えから大きな影響を受けながらも、アレンが彼自身の声として、スウィングし、未来に向かって反射し、止まる気配を見せないことを告げている。彼の伝説的なキャリアに終止符を打つのではなく、新たな始まりを告げるかのよう。全体を通してリラックスしながら仲間との演奏を楽しんでいるような、豊かで温かなハートウォーミングな雰囲気が心地いいですね。

ピンク・フロイド、KLFへの至高のアンサー…
ジ・オーブのキャリア史上最もアンビエントな傑作!
キャリア通算16作目となる2016年の名作が、2025年リプレス。
Yui Onoderaによる〈Field Records〉からの『Waterworks』三部作、日本とオランダの水工学の関係をテーマにしたシリーズの最終章が登場。今回は、岐阜の木曽・長良・揖斐の三川がテーマで、かつて名古屋を悩ませた洪水を防ぐため、19世紀末にオランダの技師ヨハネス・デ・リイケが河川の分離工事を行った歴史に着想を得て制作された。ASMR的なフィールド録音、浮遊感のあるシンセ、伝統楽器の響きが織りまざる、湿度を帯びたサウンドスケープを構築。緻密な空間設計により、「水」と「土地」の歴史を、音の余白と静寂の中で感じさせる。A面は精密な音の風景、B面は持続と沈潜を伴う瞑想的構成が特長的で、環境音と電子音楽が交差する、美しい“水の音楽”ドキュメント。

東京拠点のアメリカ人アーティストWill LongによるアンビエントプロジェクトCelerの膨大なカタログの中から『Perfectly Beneath Us』が〈Field Records〉より再発。元々2012年にCD-Rでリリースされていた本作は、Stephan Mathieuがリマスターを担当し、今回初めてのアナログ盤として登場!Celerは2005年にカリフォルニアでWill LongとDanielle Baquetの共同プロジェクトとしてスタート。Baquetが2009年に亡くなるまで、二人で数多くの作品を自主リリースしていたが、その後もLongはCelerを続け、純粋なアンビエント音楽の探求を深めていった。『Perfectly Beneath Us』は、その中期の作品として、ゆったりとした動きと繊細な表現が特徴的な4つのピースを収めており、Celerの世界に触れるための理想的な入口となる。じっくりと聴くことで深く響く一方、ただ流し聴きするだけでも心地よく響く一枚。
オーストラリア出身の名パーカッショニストWill Guthrieによって2019年に結成。フランスのナントを拠点に活動する極めて実験的な打楽器グループであり、ヨーロッパ各地のツアーを通じて高い評価を得ているEnsemble Nist-Nahによるセカンドアルバム『Spilla』が〈Black Truffle〉から登場!欧州版ガムラン・アンサンブルを意図したものではなく、ジャワのガムランの楽器と様々な他の打楽器を組み合わせて、東南アジア各地の音楽からフリージャズ、現代のヒップホップまで、あらゆるものから影響を受けた独自の音楽を演奏するハイブリッドなパーカッション・アンサンブル。本作では、ガムラン、ドラムキット、木/金属製の打楽器、撥弦楽器に捧げられたエキサイティングな48分間の音楽を収録し、彼らが志向してきた独自の音楽性がさらに深化したものとなっています。
これはお見逃しなく!まさに、音楽が国や文化の境界を越えることができるということを示す感動的な証言ともいうべき一枚。Oren Ambarchi主催のもと数々の前衛的な作品群を送り出してきた豪州の大聖地である〈Black Truffle〉から要注目物件!ミラノ出身であり長年ベルリンに在住、10年以上インドへと滞在し、北インドの古典的な声楽スタイルであるドゥルパドの巨匠たちに師事してきた名手であり、現代のドゥルパドの偉大なる解釈者ことAmelia Cuniによる、合計一時間半以上に渡る3つの魅力的な長編ラーガを収めたアルバム「Mumbai 04.02.1996」が登場。ムンバイのヴィシュヴェーシュヴァライヤ・ホールでのコンサートを記録した作品であり、オーストラリアのファッション写真家のRobyn Beecheが撮影したクーニの素晴らしい豪華フォトをフィーチャーした筆舌に尽くし難い美しさを秘めた歴史的ドキュメント!
まさにDeathprod meets Tod Dockstader!大人気ディープ・テクノ・ユニット、Primal Codeの1/2としても知られるイタリア人エレクトロニック・ミュージック・プロデューサー、Davide Perroneによるプロジェクト”Pianeti Sintetici”(「合成惑星」) が、現代のダブ・テクノ/アンビエントの頂点に佇む聖地〈Astral Industries〉から『Space Opera』と題したアルバムをアナログ・リリース。音を通して語られる未来の合成世界の創造をテーマとした2部構成の作品となった本作は、果てのない宇宙探査の旅の様子を物語る、銀河間の雰囲気を織り込んだ壮大な音のタペストリー的な内容のスペース/ダーク・アンビエント盤に仕上げられています。
