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「現代音楽で最も魅力的なボーカリストの一人」と称される南アジアのヴォーカリスト、マルチ奏者、作曲家のGanavyaがShabaka Hutchings主宰の〈Native Rebel Recordings〉から最新スタジオ・アルバム『Like the sky I've been too quiet』をアナログ・リリース。Kofi Flexxx、Floating Points、Carlos Niño、Leafcutter John、そして、マーキュリー賞にノミネートされたベーシストのTom Herbertといった豪華ゲストが集結した一枚。Quincy JonesやWayne Shorter、Esperanza Spaldingなど、ビッグネームと仕事を共にしてきた要注目アーティストによる全13曲は、幽玄な声と溢れんばかりの魅力的なエネルギーに溢れたものとなっています。

Tortoiseによる1998年にリリースのあまりにも有名な3rdアルバム『TNT』がリプレス!Pro Toolsを駆使した緻密な音響構築が特徴で、ジャズ、ダブ、クラウトロック、ミニマリズムなど多様なジャンルを横断しながら、流麗で繊細なインストゥルメンタルを展開。ジェフ・パーカー加入後初の作品であり、ジャズ的な即興性と繊細なフレージングが加わったことで、バンドの音楽性が大きく広がっている。各楽曲はメロディよりも質感や空間性を重視したサウンドで、録音と編集のプロセスが創作の中心にあり、スタジオを楽器として扱う姿勢が明確に表れている。リズムの変化や音の配置が緻密で、聴くたびに新たな発見があるような構造を持つ、ポストロックの金字塔として今なお高く評価される名作。

claire rousayによる、アンビエントとインディー・ロックの感性が融合した、詩的かつ親密な音響作品『a little death』。本作は『a heavenly touch』『a softer focus』に続く三部作の最終章で、フィールド録音、ピアノ、ラップ・スティール、アコースティック・ギター、ストリングス、木管楽器などを用いた音と生活の境界を探るclaire自身のソロ活動の本質を示している。また、メロディやコード進行に、親密で内省的なソングライティングの感覚が垣間見えるのも印象的。m sage、Andrew Weathers、Mari Mauriceなど多彩なゲストも迎えた、claire rousayが築いてきた音と感情の詩学の集大成であり、静けさの中に宿る深い情感と想像力を呼び起こす傑作。

〈Sublime Frequencies〉より、マダガスカル南西部トゥリアラ周辺で生まれたツァピキ音楽の現在地を描き出す屈指のコンピレーションが登場。70年代から進化し続けるマダガスカル南西部の祝祭音楽を、ぶっ壊れ気味のシンセ入りダンス仕様から、現場そのままのアコースティック・ジャムまで縦横無尽に並べている。歪んだエレキギター、弾丸のようなベース、止まることのない高速ビートに乗って、陶酔感に満ちたヴォーカルが叫ぶ。ツァピキは、葬式、結婚式、割礼といった通過儀礼の場で数日に(!)わたって演奏される音楽で、たばこや自家製のラム酒が回され、牛と人が入り混じる赤土の広場で、電化バンドが夜を徹して演奏し続ける。機材は手作り同然、つぎはぎのアンプや木に吊るしたホーンスピーカーを通じて、音楽は何キロも先まで響き渡る。本作が捉えているのは、都市と地方、電気とアコースティック、海辺と内陸の交流から生まれる混沌とした創造の渦。どんなグローバル音楽市場とも無縁のまま、ただ現場の欲求に突き動かされて生まれる音楽は、激烈で、奔放で、そして唯一無二。まさに生と死を祝うために鳴り響く、マダガスカルの現代的祝祭音楽と呼ぶにふさわしい、土の匂いがするロックと東部アフリカならではのナチュラルなトランスが交差したような音世界!ジャケットも最高でたまりません!!
Pitchforkでは9.0点のスコアを獲得。オリジナルは40万円超えでの取引履歴もある骨董物件であり、全てのフォーク作品において永遠の名盤。ブリティッシュ・フォーク神話の女神、Vashti Bunyanの1970年作品Just Another Diamond Dayが限定クリア・ヴァイナル仕様で再発!Joe Boydプロデュース、Fairport ConventionのDave SwarbrickやSimon Nicolらも演奏に参加、ジャケットに見られる片田舎で暮らしていた時に制作。唯一無二の儚く透き通った歌声、素朴で万人の心に響き渡る楽曲、言葉では良い表せない幻想的な感覚、もう再生した途端に魂が引っ張られる感覚を覚える程に、不思議な魔力を秘めています。この先も永遠に全音楽好き必聴!ゲイトフォールド・スリーブ仕様。

各地の骨董的な音楽を掘り起こしてきた名門レーベル〈Sublime Frequencies〉からは、Kink GongことLaurent Jeanneauが2011年に録音した、中国雲南省のハニ族のポリフォニー歌唱を収めた珠玉の1枚がアナログで登場。神秘的で別世界的な合唱の美しさが、はるか遠く外宇宙へ広がっていくような、卓越した伝統音楽アンサンブルによる、現代的な響きの、前衛的なボーカル・フュージョンと奇妙な楽器の伴奏を組み合わせた恐るべきパフォーマンスが満載。ハニ族は言語的にはチベット・ビルマ語族のイ語派に由来し、中国雲南省南部のラオスとベトナムの上流に150万人が暮らしています。この地域の他の多くの民族集団と同様に、独自の伝統的な歌唱パターンが用いられており、各歌手は文脈に合わせて歌詞を調整。物憂げでありながらも、力強く超越的な音楽のカスケードによる、これまでに聴いた事のないような、感情を揺さぶる珠玉の録音。
Lee Perryの最高の作品の一つと言われている、全てがオリジナリティに溢れた1977年発表のダブ金字塔。
〈Clocktower〉による、伝説的メロディカ奏者Augustus Pabloの1970年代のメロディカを中心としたインストゥルメンタル・ダブ/ルーツ・レゲエ音源を集めた2LP仕様コンピレーション・アルバム『Yard Style Melodica Songs』。「Java」や「East of the River Nile」など、Pabloの代表曲をはじめ、7インチのみでリリースされた貴重な音源、King Tubbyとの共演による名演、そしてAston “Family Man” BarrettやEarl “Chinna” Smithら名演奏家の演奏が収録されている。浮遊感のあるメロディカの旋律と深みのある音響空間が全編にわたって展開され、Pabloの霊的で内省的な音楽世界が堪能できる一枚となっている。BIOVINYL&未発表写真やポスターも付属する豪華仕様。彼の音楽的遺産を再発見するうえで、文化的にも音楽的にも価値の高いセレクション。
時間の流れが倍遅くなったかのような緑のムード、King Tubbyによる控えめなダブ処理により、Augustus Pablo卓越したメロディカの魅力を更に引き出し、ストイックでエキゾチズム漂うファー・イースト・サウンドを堪能できる75年発表の名盤。
音楽史に残るであろう技法ダブの創始者、ジャマイカのサウンドシステム機材を修理していた職人でもあったKing "The Dub Master" Tubbyの、ダブ古典「The Roots Of Dub」と並ぶ1975年発表の傑作オリジナル・ダブ・アルバム。

日本を代表するアンビエント/ドローン·ミュージック・シーンを牽引する存在となったChihei Hatakeyamaこと畠山地平が、この度ジャズ・ドラマーの石若駿とのコラボレーションを発表した。
ラジオ番組の収録で出会って以来、ライヴ活動などでステージを共にすることはあった2人だが、作品を発表するのは今回が初めて。『Magnificent Little Dudes』と名付けられた今作は、2部作となっており、2024年5月にヴォリューム1が、同夏にヴォリューム2がリリース予定となっている。
「その場、その日、季節、天気などからインスピレーションを得て演奏すること」をコンセプトに、あえて事前に準備することはせず、あくまでも即興演奏を収録。ファースト・シングル「M4」には日本人ヴォーカリストHatis Noitをゲストに迎えた。ギター・ドローンの演奏をしているとその音色が女性ヴォーカルのように聞こえる瞬間があることから、いつか女性ヴォーカルとのコラボレーションをしたいと思っていた畠山。「今回の石若駿との録音でその時が来たように感じたので、即興レコーディングの演奏中、いつもは使っている音域やスペースを空けてギターを演奏しました。ちょうどこのレコーディングの3週間くらい前に彼女のライヴ観ていたので、Hatis Noitさんの声をイメージしてギターを演奏しました」と話す。
世界を股にかけて活動する日本人アーティスト3組のコラボレーションが実現した『Magnificent Little Dudes Vol.1』は、日本国内外で話題となること間違い無いだろう。
![Nora Guthrie - Emily’s Illness / Home Before Dark [2025 edition] (7")](http://meditations.jp/cdn/shop/files/177653192_5bb667dd-0b0b-4d98-bdaf-b17f858c5532_{width}x.jpg?v=1706774655)
アメリカのフォーク・ミュージシャン、ウディ・ガスリーの娘で、SSWのアーロ・ガスリーの妹、また、著名なイディッシュ語詩人アリーザ・グリーンブラットの孫であるノラ・ガスリーが、1967年、17歳で発表した唯一の、そして宝物のようなシングル。「Emily’s Illness」はビーチボーイズ『 Pet Sounds』のような音像と、耽美的サイケデリア/アシッドフォーク感覚が併存した奇跡のような曲として60年代音楽マニア界隈を越えてきき継がれる美しき傑作だ。
「 Emily’s Illness」の題名と歌詞内容は19世紀の詩人エミリー・ディキンソンへあてたオマージュといわれ、装丁に使ったノラの当時の写真もディキンソンの時代世界を思わせる。この曲を書いた当時18歳のエリック・アイズナーは彼女のボーイフレンドで、フィフス・アヴェニュー・バンドの前身となるストレンジャーズというバンドでピーター・ゴールウェイと一緒に活動していた。エリックとノラは当時ジョアン・ジルベルト(とその歌い手のアストラッド)に夢中で「Emily’s Illness」にも「Home Before Dark」にもその影響を聞き取ることができるが、何よりも歌手として全く素人のノラを歌わせたことで別のミラクルが発生。録音面では職業音楽家のアーティー・シュロックが印象的なハープシコードや弦楽器を入れてメランコリックな世界を演出した。(なお、その後エリック・アイズナーがハウディームーンに提供した「Nora Lee」とはノラ・ガスリーのこと。)

「ホーム・ビフォア・ダーク」はエム・レコードの再発で知った大好きな曲。この曲を、大好きなバンドゑでぃまぁこんがカバーしたら最高だろうな、と思っていたらやはり最高!夢が叶いました。」(坂本慎太郎)
ゑでぃまぁこんが、ノラ・ガスリーの名曲を、坂本慎太郎とゑでゐ鼓雨磨の共作オリジナル日本語詞でカヴァーした、良き出会いの繋がりが生んだ二重三重の夢の結晶。トルソ(TORSO)によるドリーミー管弦楽リコンポジション版をカップリングした夢のWサイダー。(ポップスの神様はまだ日本にいらっしゃいました。)
ノラ・ガスリーのたった1枚のシングル「Emily’s Illness c/w Home BeforeDark」(1967年)は、2009年の復刻リリース以来、マニアの秘匿曲を越えて内外に拡がりました。当初は、19世紀アール・ヌーヴォー的耽美をビーチボーイズ『Pet Sounds』風のサウンドで綴った美しい奇曲「Emily’s Ilness」推しだったのですが(※1)、しだいにB面曲「ホーム・ビフォア・ダーク」がミュージシャン達を魅了しはじめ(※2)、伝えられるところではエゴラッピン、ティーンネイジ・ファンクラブ、テニスコーツ & yumboがライブで取り上げて流布していった模様。しかし、まさかこのような予想もしない素晴らしい録音に出会えるとは!!本作は、もともと坂本慎太郎の発案で、ゑでぃまぁこんバンドでプライヴェート録音したもの(同氏の「P」審美眼にリスペクト)。公開目的ではなかったこの隠密録音の噂がエムに届き、長きにわたる円(縁)のループが繋がったような作品をお届けすることになりました。装丁画はゑでゐ鼓雨磨。
=カップリング曲秘話=
カップリング曲の制作は元曲を知らないトルソに打診し、ゑでぃまぁこん版のヴォーカルと旋律楽器パートを抜いたベーシックトラックを渡して、ほとんど目隠し状態でのリコンポジションを依頼(制作中はググり禁止)。当初はシンプルにOrieとKenjiの演奏を被せた合奏で……という趣旨でしたが、この無茶な実験要求に応えたトルソは、最終的にベーシックトラックをも抜きとった叛逆的かつ優雅なリコンポジションを送りつけてきて、このオリジナル曲の出来栄えに一同平伏!
注釈:
1)「Emily’s Illness」は、19世紀アメリカの詩人、エミリー・ディキンソンへのトリビュートと思われる。
2)ガスリーと作者エリック・アイズナーは当時アストラッド・ジルベルトの大ファンだった。初期アストラッドのたどたどしいボサノヴァ歌唱とノラの歌う「Home Before Dark」を頭の中でダブらせて再生してみてほしい。
=作品仕様=
+ 3 面折り込みジャケット
+ 歌詞掲載
TRACKS:
Side A - ホーム・ビフォア・ダーク
Side B - ホーム・ビフォア・ダーク(Recomposed by TORSO)

フィンランドを拠点にブックデザイナーとして活動するジョン・ハバードが、1989年に自主レーベルStrength Through Joyより限定50部で発表した伝説的プロジェクトVogelscheiß Und Seine Verrückten Krötenの唯一音源を初復刻。1988年のヨーロッパ旅行でスティーヴン・ステイプルトンに会い、その後アーヘンを訪れクリストフ・ヒーマン、アンドレアス・マーティン兄弟と共に行なった謎多きセッションの記録がここに解禁。
小杉武久やPierre Henry、Come Organisationのタイトル等も手掛けてきたJos Smoldersがリマスタリングを担当。
LP版はDLコード、インサート付。限定300部。
尺八とコンピュータで呼応する、新潟の親子が交わした「時間と音」の記録を巡る福島家の電子音響ダイアリー。
1990年代に佐渡での村松流尺八との出会いをきっかけに尺八奏者として演奏・即興を始めた福島麗秋。その彼の息子であり、リアルタイムなコンピュータ処理によって奏者との対話的かつ未知なる電子音響の可能性を探求する福島諭。今作は新潟の父と子からなる親子ユニットの記録として綴られた初の<アルバム>作品。深い息遣いをみせる身体的な尺八の演奏をコンピュータで分解・加工処理で即時応答し、現在に過去を進行形で重ね、未だ見ぬ新たなる音像を多層的に創出していく。過去と現在、身体と機械、分解と構築、間と動作、作曲と即興。相反するふたつの事象/現象を行き交い、やがてその境界線で根を張り、まるで艶やかで柔らかな花びらが開花するように、電子音響レイヤードは凛と美しく、未来へと眩しい輝きを放っているかのようである。
+ 初版限定300部
+ ライナーノーツ:三輪眞弘
+ コメント:長嶋りかこ
+ カバー写真:吉原悠博(吉原写真館)

佐渡島の住環境に暮らす作家10組によって紡がれていくオブスキュアなサウンド・ドキュメンタリー。
現在も数多くの能舞台が各集落に残り、海山に囲まれた豊かな自然とともに能楽や鬼太鼓が今も生活に息付く佐渡島。今作は島の文化や風土を暮らしの背景に持ちながらも新たな創造の息吹を感じさせる、2025年に現存する佐渡島の音楽と人々を記録するために制作されたコンピレーション・アルバム。伝統を超え新たな地平を切り拓く太鼓芸能集団・鼓童の重要人物である「住吉佑太」と「前田順康」によるそれぞれのソロ、佐渡に自生する孟宗竹から竹太鼓を自作し独自のグルーヴを創出するグループ「サドラム」、ポップスから前衛まで多才な作曲センスを魅せる音楽家・佐藤望による「プランタール」、佐渡でレストラン<ラ・パゴッド>を営み食とアートの融合を試みるシェフ/美術家「ジル・スタッサール」、世界中の試し書きをアート作品へと昇華させる美術家であり能を題材としたアンビエント・ミックスを制作する「シャルル・ムンカ」、さどの島銀河芸術祭を先導しつつ自らも先鋭的な現代美術家として活動する「吉田盛之」、独創的な視点と美学を持った絵画や実験音楽の制作を行う「青木孝太」、90年代より音楽活動を開始し近年はラップトップを用いた新たな作曲の可能性を拡げる「福西みゆき」、ウクレレ奏者のユカとジョン・ゾーン主宰のTzadikからのリリースでも知られるベース奏者シャニール・エズラ・ブルーメンクランツによるユニット「ザ・フグ・プラン?」と総勢10組がここに大集結。更にジャケット写真には佐渡在住の写真家/僧侶である「梶井照陰」が撮影した踊る佐渡の海波を捉えた「NAMI」を起用し、ライナーノーツには美術批評家でありさどの島銀河芸術祭アドバイザーを務めている「椹木野衣」が執筆するなど、作品を構成するもの全てが佐渡ならではの人々によって制作された、佐渡の<現在>をも示す渾身の1枚。
+ 初版限定300部
+ ライナーノーツ:椹木野衣
+ カバー写真:梶井照陰
【トラックリスト】
A1 Sadrum - Kagero
A2 Yuta Sumiyoshi - Singing
A3 plantar - Subtle Whisper
A4 Gilles Stassart & La Pagode - Golden Galette
A5 Charles Munka - Holloways
B1 Morito Yoshida - Denpa
B2 Kota Aoki - Kyou
B3 Miyuki Fukunishi - From The Northwest
B4 the fugu plan? - YOSHITAYA
B5 Masayasu Maeda - 37.813, 138.270

1月中旬再入荷。ヘヴィ・インストゥルメンタル・ミュージックの世界で最もエキサイティングであり期待されるプロジェクトの1つと言えるフレッシュなオルガン・トリオ、Parlor Greensが〈Colemine Records〉からデビューLP『In Green We Dream』を発表!ソウル・リバイバル・シーンのベテランであり、〈Daptone Records〉の初期から数多くのレコーディング・セッションに参加しているAdam Scone (Scone Cash Players、The Sugarman 3)、インストゥルメンタル・グループのThe True LovesやDelvon Lamarr Organ Trioとともに世界中で演奏しているJimmy James、ブルース グループ GA-20 で世界ツアーを行っているTim Carmanという3人のマエストロからなる要注目バンドによる美しくソウルフルな交響曲。

エレクトロニック・ミュージックのトップ・レーベルとして世界に君臨する名門レーベル〈Warp〉の最初期から参加し、30年以上にわたるキャリアを誇る、ナイトメアズ・オン・ワックスことジョージ・エヴリンが新曲13曲を収録した最新ミックステープをリリース!
リーズのサウンドシステム文化に根差す彼の旅は、母親から託されたたった5ポンドの古びたスピーカーボックスを「Echo45」と名付けたことから始まった。この出会いが彼の人生を変えることとなる。そして彼は今回、その系譜をさらに推し進める──『Echo45 Sound System』という名のミックステープは、祝祭であり宣言でもある。いや、それ以上だ。ソウル、ルーツ・レゲエ、ヒップホップ、ダブ、エレクトロニックのテクスチャーを大胆に融合させた、まさに生きたサウンドシステム体験なのである。また、今作にはヤシーン・ベイ (ex. モス・デフ)、オスカー・ジェローム(Oscar Jerome)、グリーンティ・ペン(Greentea Peng)、セイディー・ウォーカー(Sadie Walker)、リアム・ベイリー(Liam Bailey)他、多彩なコラボレーター陣が参加している。
『Echo45 Sound System』にはナイトメアズ・オン・ワックスによる新曲13曲が収録されており、さらにサウンドデザインやトースティングを織り込み、海賊ラジオの放送を思わせる特別なミックスも収録されている。先行シングル「Bang Bien」は、ヤシーン・ベイ (ex. モス・デフ)を迎えた注目のコラボレーションであり、未来的なビートワークと社会的メッセージを融合させている。
本作はオスカー・ジェロームをフィーチャーし、力強くも高揚感溢れる「Echo45, We Are!」で幕をあける。その後に続くのは、深いグルーヴ、コンシャスなリリック、そして幻想的なプロダクションが入り混じるジャンルを越境した旅だ。Louis VIとの「Dive Into」はジャジーな心地よさを湛え、リアム・ベイリーとハイレ・シュプリーム(Haile Supreme)を迎えた「Desire」では、タイムレスかつノスタルジックなソウルが展開されている。
『Echo45 Sound System』全体を通して、UKシーンの重鎮やキーパーソンの声をサンプリングが編み込まれており、ジャイルス・ピーターソン、ゴールディー、Daddy G、ナターシャ・ディグス(Natasha Diggs)、モキシー(Moxie)、コリーン 'コスモ' マーフィー(Colleen “Cosmo” Murphy)ら多数が声で参加している。これらはサウンドシステム文化の文化的重みと歴史に敬意を示すものだ。また、ロンドン拠点のメンズウェアデザイナー、ニコラス・デイリーが本作のクリエイティブ・ディレクション、スタイリング、写真監修、さらにマーチャンダイズのデザインを手掛けている。こうした要素やコラボレーションはUKの系譜に深く根ざしながらも、その未来的な解釈への扉を開くものとなっている。だが、いかに多くのコラボが加わろうとも、『Echo45 Sound System』は間違いなくナイトメアズ・オン・ワックスそのものだ。


Brian Enoの『Vision of A Psychedelic Africa』にインスパイアされ、1980年代初頭からジャマイカン・パーカッショニストBonjo Iyabinghi NoahとAdrian Sherwoodがコラボしスタートさせたスタジオにおける実験プロジェクト。呪術的なアフリカン・チャントに、ナイヤビンギのリズムが美しく狂気的に絡み合う最高傑作が30年ぶりにLPリイシュー!オリジナルLPに9曲を追加収録し初2LP化!

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)アコースティック楽器をコンピューター制御で演奏するという実験的コンセプトを持つ、2015年にリリースされたEP。ミニマルかつ断片的な楽曲は、ピアノやドラムの物理的な響きを残しながらも人間の手では実現不可能なリズムやフレーズを描き出す。まるでロボットが奏でる即興演奏のような奇妙な音世界は、現代音楽やサウンドアートにも通じる前衛性を備えている。エイフェックス・ツインの「実験精神」の象徴として評価される重要作。
パンクの衝動を文学の鋭さで昇華させた90年代日本ロックの隠れた金字塔!邦楽史を代表するパンクの枠を超えた伝説、現在は町田康として武蔵野大学文学部教授でもあり小説家として著名な町田町蔵が1992年にリリースした『Harafuri』。INU解散から11年後に生まれたこの作品は、80年代初頭のパンク直撃の勢いとはまた違い、文学的な成熟と毒気を帯びた歌詞を、北澤組の重厚かつモダンなバンドサウンドに乗せたもの。INU『メシ喰うな!』の頃から町田はすでに「詩人がロックをやっている」ような存在だったが、『Harafuri』ではその言葉の鋭さや比喩の豊かさがさらに深まり、社会風刺や日常の不条理をえぐるような表現が際立っている。北澤組のサウンドはハードでタイト、当時のオルタナティヴ・ロックやポストパンクの感触もあり、町田の言葉を受け止める強度を持っていた。今回は初の公式リイシューで、音源のリマスターはもちろん、歌詞の英訳も丁寧にやり直されており、町田のユーモアと皮肉を含んだ言葉遊びを国際的なリスナーにも開く試みになっている。
NEU!解散後にKlaus Dingerが結成したLa Dusseldorfによる、クラウトロックの実験性をポップに昇華させたデビュー作。収録曲「La Düsseldorf」「Silver Cloud」「Time」は、反復するモータリック・ビートとシンセの煌めきによって、催眠的かつ祝祭的な空気を生み出しており、Klaus Dingerのエネルギッシュなヴォーカルとミニマルな構成の中に広がる開放感が印象的。ジャーマン・ロックの枠を越えたジャンル横断的な魅力を放ち、アートロック的な視点とDIY精神が融合したこのアルバムは、後のニューウェーブやテクノにも影響を与えた本作は、クラウトロックの進化を象徴する一枚として、今なお新鮮な輝きを放ち続けている。

2024年11月末、冥丁は、別府市制100周年記念事業の一環として、温泉文化をテーマにした滞在制作に招かれ、別府を訪れた。
「失日本」シリーズで知られる冥丁は、忘れ去られた日本の時代や風景を音として再構築する表現で注目を集める音楽家。今回の制作では、海辺に佇む築100年の旅館「山田別荘」の蔵に約1週間半滞在し、雨水が火山岩に染み込み、癒しの湯となって地上に戻る循環に耳を澄ませた。その結果生まれた作品『泉涌』は、温泉文化の内なる精神をたどるものである。
冥丁は竹瓦温泉、坊主地獄、へびん湯、そして山田別荘の内湯や貸切湯など別府の象徴的な温泉地を訪れ、泉源の音、泥の泡立ち、噴気孔の響き、竹林を渡る風、湯を楽しむ人々の会話などの環境音を丁寧に録音した。これらのフィールドレコーディングとその深い聴取体験を楽曲の音の土台とし、立ちのぼる湯気や体感した湯加減の塩梅までも音として描き出そうと試みている。
この作品は、一連の楽曲として展開し、硫黄と火山岩の風景の中を湯気のように漂っていく。坊主地獄に潜む狂気、山田別荘の内湯に響く幽玄な残響、苔むした竹瓦温泉の風情の中で交わされる日常の語らい。そうした断片が静かに織り込まれている。そこには水の静けさや土地に宿る記憶、そして代々ここで湯に親しんできた人々への深い敬意が込められている。
『泉涌』は、失われた日本の記憶を主題とする冥丁の探求を継承しつつ、新たな領域に踏み込んでいる。別府の風土や記憶を音 で巡礼するかのように、リスナーを深い没入体験へと誘う。マスタリングはStephan Mathieuが担当。また、本作は「失日本」 プロジェクトの新章『失日本百景』の幕開けを飾る作品。このシリーズでは、現代の生活の中でひっそりと息づく「憧憬の残る場」を探求していく。
