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横田進のカタログの中で最も愛され、高く評価されているアンビエントの金字塔『Sakura (Skintone Edition)』。オリジナルは1999年に自身のレーベル〈Skintone〉から発表されたものが〈Lo Recordings〉よりめでたくリイシュー。本作は、日本の「喜怒哀楽」という四つの感情を音楽で表現することを意図しており、そのサウンドは深遠な静けさからためらい、憂鬱、そして純粋な喜びへと、人間の心の移ろいを桜の花びらが舞うさまに重ねて辿る。穏やかなギターのループがかすかなドローンへと溶け込み、断片的なヴォイス・サンプルが揺らめいては消え、静かな水面に波紋のように突如リズムの脈動が現れるなど、アンビエント、テクノ、そしてドリーム・ポップの要素を彼独自の方法で融合。特に、Steve ReichのミニマリズムやHarold Buddのテクスチャからインスピレーションを得たサンプルワークは、懐かしさと斬新さが同居する独特の世界観を作り上げている。ブライアン・イーノやフィリップ・グラスといった巨匠たちからも絶賛され、ヨコタを国際的な音楽家へと押し上げたこの作品は、その儚くも力強い美しさによって、20年以上経った今もなお、聴く者に静けさと不思議な感覚を与え続ける、時代を超越した傑作。

英国を拠点とする匿名的な電子音楽家SDEMによる2024年に英国リーズの廃墟クラブで匿名の観客1人に向けて一発録りされたライブ録音作品『At Quadrant Park』が、〈Frozen Reeds〉傘下の新レーベル〈Quadrant Park〉から限定500枚CDとしてリリース。音楽的にはIDM、ポスト・クラブ、初期ヒップホップの要素を融合し、AutechreやGescomに通じる断片的で歪んだ電子音響を展開。ディストピア的なアンビエンスと、Jim O'Rourkeによるマスタリングが施された生々しいパーカッシヴなドライブ感も印象的で、録音にはクラブの残響や環境音も取り込まれ、即興性と空間性が強調されている。また、各ジャケットが未公開のショートフィルムの一コマになっているというRobert Beattyによるアートワークも特徴的。曲名やトラックリストは記載されておらず、聴覚体験そのものに集中させる設計となっており、SDEMの匿名性と物理メディアへのこだわりが貫かれた、コンセプチュアルかつ挑戦的な電子音楽作品。

最終入荷。Musica Elettronica Vivaと並び、イタリアから世界を大きく先導していた伝説的前衛即興集団、Gruppo di Improvvisazione Nuova Consonanzaにも参加での活動も知られ、ドイツ最高峰のクラシック・レーベル〈Deutsche Grammophon〉にも作品を残した稀代の電子音楽家、Roland Kayn (1933-2011)。自身の音楽を「サイバネティック・ミュージック」と称される同氏の未発表音源を満載した豪華15枚組CD BOXが〈Frozen Reeds〉より堂々リリース!金箔仕様のボックスセットに収められた長編エレクトロアコースティックでその最高水準をさらに更新した画期的音源集。Jim O’Rourkeが彼特有の修復的なタッチを加え、名イラストレーターRobert Beattyが謎めいたアートワークを提供したあらゆる電子音楽ファン必携の超豪華盤となっています!

〽︎お前は極北の自由を...生きる事を...出来る事を...知った。
新発掘のデモ・テープから今蘇る、地下パンク・サイケデリア夭折の真実。ボーナス・トラックに中島らも、鈴木創士参加の貴重なセッションを収録。「今の曲は歌詞が間違って聞こえたので注意してくれ!」
『’87 KAD 3:4:5:6』~ 新たに発見された資料 森田潤
角谷美知夫(1959 - 1990)は、80年代の日本のアンダーグランド・シーンで活動をした伝説的なパンク/サイケデリック・ロックのミュージシャン。統合失調症を患っていたとされ、中島らもの小説にモデルとして登場をする。薬物の過剰摂取による膵臓炎で逝去したと見られ、没後にP.S.F.から発表されたアルバム『腐っていくテレパシーズ』が、これまで唯一の公式音源とされてきた。
以降、30数年来に目立った情報の更新は無かったのだが、今回、中島らもの遺品から新たに発見された音源群には、P.S.F.盤の制作時には無かったスタジオ録音の資料も含まれていた。アンソロジー的に音源を集めた前者の編集方針から、更に一歩踏み込んで角谷の実像に迫るために、我々は『’87 KAD 3:4:5:6』と題されたデモ・テープを完全復刻とする。残念ながら親族と連絡がつかない状況にあり、もし心当たりのある方がいたらお知らせをいただけると幸いである。また、一次資料として肉筆のアルバム・カバーの掲載をした。彼の筆跡と文体がそのまま楽曲に反映されていると思えるし、歌詞と曲順にこだわりを見せた、この完成度の高いテープに鋏を入れるのは野暮と思えたからだ。「今の曲は歌詞が間違って聞こえたので注意してくれ!」(6曲目「エスケイプ・ア・ウエイ TAKE1 」末尾を参照。カバーにも同様の注記がある。彼が声と意味の齟齬に人一倍に鋭敏だった証左だが、いずれの曲も歌詞の完全な聞き取りは不可能である)。
なお、8曲目「雨の・・・・(TAKE2)」は他に収録された、より完全なテープから差し替えを行った。また、ボーナス・トラックの9曲目は原資料にメンバーの表記が無く、鈴木創士に聞き取りをお願いした。演奏は鈴木の特色が前面に出ており、角谷と共同でセッションをリードしていた事が窺える。詳細は本作のエッセイを参照して頂きたい。角谷はバンド・マンとして集団演奏に協調性を発揮できる人物でもあった。これは後年に山口県で活動をした「S·P·Y」にも共通をする。彼のミュージシャンとしての耳の良さは疑い様が無い。
演奏は一人による多重録音だ。P.S.F.盤では目立たなかったが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドからの強い影響が出ている。そしてピストルズないしP.I.L.。この二つはキャリア初期から継続的な関心があった様だ。80年代中期は60年代のサイケデリックの再評価が世界的に進んだ時期で、日本での牙城がP.S.F.及びそれが運営するモダーン・ミュージックであった。こうした思潮が90年代に日本の地下バンドが世界に進出する下地を形成するのだが、角谷は時すでに亡くなっていた。
一部の曲はアナログのドラム・マシンが味を出している。87年当時はすでに時代遅れの機材であったが、今に聴くとむしろ新鮮である。また、彼は日を置いて曲の再録音を行っている。アルバム収録曲には2タイトル分のヴァージョン違いがあり、いずれも演奏内容はかなり異なる。7曲目「テレパシー」はP.S.F.盤収録曲「テレパシーなんかウンザリだ」の原型だろうか。派手なエフェクト処理はまだ抑制されている。4曲目「ソビエトへ遊びに行きたいな!!」はバンド演奏でも取り上げており、お気に入りの作品だったのかもしれない。
それにしても、凄い熱量に支えられた、幻視的なイメージ形成能力だ。アルバム全体のサウンド・プロデュースにも長けており、聞き直す度に細部の発見がある。生き煩わしさをそのまま音に表すことは、後戻りのできない絶対的な賭けだ。殆どの人間はそんな事をできやしない。角谷は言い訳を必要とせずに、ひとつの強力な現実を形作る事ができる、稀有な才覚の持ち主であった。

名古屋を拠点に活動する音楽家、Shawn Seymourによるユニット、Lullatoneが届けるこのアルバムは、植物をテーマにしたアンビエント・コレクション。日常の中でひっそりと流れる空気のような楽曲群は、儚くも美しい旋律で構成されており、さながら音で綴るボタニカル日記のよう。ギターやトイピアノ、アナログ・シンセやカセット特有のノイズといった要素が、音の一粒一粒を大切に、繊細に編まれており、曲は短く、どれも1~2分程度だが、それがかえって一瞬の美しさを引き立てている。名古屋の花屋「Tumbleweed」で定期開催されているイベント「Flower Listening」のために作られた楽曲を基に構成されており、Shawnはこのイベントのために何曲も書き下ろし、それらが日常の他の場所や時間でもふと寄り添うような音楽へと育っていったという。音の質感はGigi Masinや吉村弘を思わせるが、Lullatoneならではのチャーミングなトーンが全体を包んでおり、シリアスすぎず、全体を通して穏やかな物語のような流れを感じさせる。日記風でもあり、ドリーミーでもある、植物と暮らす日々のための小さなサウンドトラック。

ジュネーヴを拠点に活動する多国籍バンドYalla Mikuによる、ポスト・クラウト、ミュータント・フォークロア、電子トランスが交錯する強烈なセカンド・アルバム『2』。エチオピア、エリトリアなどアフリカの角の伝統音楽と、ヨーロッパのアンダーグラウンド・シーンの感性がぶつかり合い、既存のジャンルに収まりきらない、異質で予測不可能なサウンドを生み出している。Samuel AdesTesfagergshによるエチオピアの伝統弦楽器クラールのリフ、バンド全体の雑多で多層的な音響の中で、骨格として浮かび上がってくるようなLouise Knobilのベースライン、Cyril Bondiのタイトなパーカッション、Emma Souharceの荒々しいエレクトロニクス、Cyril Yeterianの改造バンジョーが織りなす音響の布は、どこか祝祭的でありながらも不穏。アラビア語、フランス語、ティグリニャ語など多言語が飛び交うボーカルも、言語の壁を越えて身体に直接訴えかけてくるようで、さまざまな要素が滑らかに融合するのではなく、ざらつきや衝突をそのまま残した音の交差点として、各楽器が独自の質感を保ちながら共存している。ジャンルや国境を越えて、混沌の中にある美しさを掘り下げた、他者性を祝福するかのようなノイズとリズムの祝祭の音楽。
Oneness Of Jujuが約30年ぶりにリリースする新作『Made Through Ritual』が〈Strut〉から登場!アフロ・ジャズの伝説的グループが〈Black Fire Records〉創設50周年を祝う形で送り出すこのアルバムは、創設者プランキー・ブランチの息子ジャミアと、レーベル共同設立者ジミー・グレイの息子ジャマル・グレイの共同制作という世代を超えたプロジェクト。もとになるのは、ジャマルが制作したジャズ・サンプル主体のビートで、そこにプランキーが生演奏でアレンジを再構築し、サンプリングと即興、多重録音が融合した“儀式的”な制作手法が採られている。冒頭のソウル・チャント「Share This Love」から、タイトル曲「Made Through Ritual」や「In Due Time」、「Free Spirit」といったジャズの小品群、そして詩人ロスコー・バーナムの朗読をフィーチャーした黒人文化讃歌「Children Of The Drum」まで、多彩な楽曲が並ぶ。現代の象徴的アフリカン・アートを担うマキシム・マンガによるカバーアートとともに、Oneness Of Jujuの新章を刻む1枚となっている。

ギタリストのグレゴリー・ウルマン、サックス奏者のジョシュ・ジョンソン、ベーシストのサム・ウィルクスの豪華メンバーによるトリオのデビューアルバムがリリース!即興演奏家/作編曲家/プロデューサーであるこの3人の幅広い音楽的キャリアとスタイルが感じられるプログレッシブなエレクトロ・アコースティック・チェンバー・ミュージックにジャズを取り入れたとも言えるような広々として叙情的な好内容。ウールマンの指弾きエレクトリック・ギターの哀愁を帯びた美しさ、ウィルクスによるハイブリッドなリズム・リード、ジョンソンのアルト・サックスのテクスチャー豊かなハーモニーなどトリオの楽器による演奏に高度なエフェクトを駆使することで不思議な心地よさがある。また音楽的な要素だけではなく、共に学生時代からの友人であるトリオの友情や信頼も感じられる幸福なムードも素晴らしい!

Jeremiah ChiuとMarta Sofia Honerによるセカンド・アルバム『Different Rooms』が〈INTERNATIONAL ANTHEM〉から登場!本作は、前作の風景的な音像から一転して、日常の都市的なテクスチャーに焦点を当てた作品。舞台はロサンゼルスで、モジュラーシンセと生/加工された室内楽ストリングス、そして街中や家の中、駅の雨音といったフィールド録音が溶け合い、構築と偶然が共存するサウンドコラージュが展開される。制作は隣接する2つのスタジオで行われ、ある部屋でビオラを録音している横で、もう一方ではテーマがアレンジされるなど、プロセス自体がアルバムタイトル「異なる部屋たち」を体現している。この制作過程には、偶然性を積極的に取り込む姿勢が貫かれており、テープ操作やグラニュラーシンセによって、素材は予想外のかたちで変質し、感情の陰影を帯びて立ち上がってくる。その結果生まれた音楽は、きっちりと設計されつつも、どこか夢の中で聞こえてくるような、曖昧で親密な揺らぎを持っている。曲順にも対称的な構成が仕込まれており、あるモチーフが別のかたちで再登場するなど、時間と空間を行き来するような感覚を誘う。聴き手が今まさにいる場所と、作品世界との境界線を曖昧にするような仕掛けが随所に施されているのも印象的。都市の空気感と親密な質感、そして音響的なミステリーが同居した、深くて静かな一枚。

アフロビートへの共通の愛で結ばれたミュージシャンと作曲家の集団であり、サイケデリック・ロック、ハード・ファンク、ソウル、ジャズ、東アフリカ音楽などを取り入れた作品をリリースしている、2012年にテルアビブで結成された12人のメンバーからなるHoodna Orchestraと、ジャズ、ラテン、ファンク、ソウルを伝統的なエチオピアの音階とリズムに融合させたエチオ・ジャズの生みの親Mulatu Astatkeのコラボアルバムが<Batov Records>よりリリース!Hoodna Orchestraによるムラトゥへのラブコールによって実現し、2023年3月にレコーディングされた本作は、ムラトゥのヴィブラフォンによる特徴的なサウンドを、現代的な新しいリズムの激しい方向へと導く、いわばターボチャージャー付きのエチオ・ジャズとでも言うべき音楽性!硬質でありながら荘厳、ソウルフルで高揚感のある作品に仕上がっている。

水晶の舟が2024年8月に北京のUFO Spaceで深夜に録音したライブ音源をもとにしたアルバム『夜想歌(Yasoka)』。 幻想的なギターと即興的な歌が織りなす、夜にまつわる情景と感情を描いた5曲を収録。 静寂と深遠さが共鳴する、サイケデリックかつスピリチュアルな音世界が広がる一枚。限定10部。

水晶の舟がドラマー志村浩二を迎えて2025年5月に東京・Silver Elephantで行ったライブ録音作品『UNDERGROUND SPIRIT 20 – 遠雷(Faraway Thunder)』。 サイケデリック・ロックと即興演奏が融合した深遠なサウンドが展開され、故Matt Zaunへの追悼の意も込められている。 幽玄なギターと浮遊感のあるヴォーカルが、遠くの記憶と情感を呼び起こすような一枚。限定10部。

サイバーオカルト音楽の神髄、ヘンリー川原アーカイブ・リリース後編・総力特集。今回は音楽家以上にメディアアーティストといえる彼の真骨頂、マルチメディアのための音楽、そしてアノニマス的な録音や共同制作音源もコンパイルし、川原の異形さを多面的に検証し終結に突入する。前作コンピの秘密を暴露するオカルティックなボーナスディスク付きCD3枚組。「サイバーオカルト音楽」とは何なのか・何だったのかという論考と川原作品の分析を掲載。テキスト面にも力を入れている。
※数量限定製造。
90年代の本邦サイバーオカルトとメディアアートの地下水脈で暗躍したエンジニア的サウンド・アーティスト、ヘンリー川原は何をなし何を残し音楽界から去ったのか――その謎を探るべくお届けするアーカイブ第二集かつ集結編。
本作では川原が栽培したサイバーオカルト・サウンドの真骨頂であるニューメディアのための音源、また、野心を垣間見る変名・共同制作もあわせてコンパイル。当時の市場では怪しいキワモノとして扱うよりほかなかった、メディアアートと“ニューエッジ”と日本的霊性がデジタル信号化した川原の音楽の公正な評価を試みる。また、解説には精神世界とテクノロジーが怪しく交錯したサイバーオカルトおよびその音楽についての総論と作品解説を掲載し、80年代後半から90年代初頭の四次元エアポケット的ミッシングリンクを解明する。
=作品仕様=
+ CD 3枚組(マルチケース/ブックレット封入)
+ 日本語・英語掲載
+ 解説・論考:江村幸紀
TRACKS:
DISC-1
01. みょうな気持ちになる
02. ハルマゲドンを越えて(1999年7月15日)
03. 69 with B-Dog
04. 愛のムーンライト
05. ゴア・ガジャの森の老人
06. バレンタイン(250年2月14日)
07. 愛のダンス
08. 水星の力
DISC-2
01. enDOLPHIN (Water Sonic Version)
02. 獣の傍らで眠る
03. 南風 #4
04. スタート・オン・ア・ジャーニー
05. Sim Sex
06. モーニング
07. ニューロ・ダンサー
08. 甜美的夢
09. 静止した時間
10. シネスセシア
11. Dolphin Dreams (Deep Relax Mix)
12. Dolphinic Meditation

Visible Cloaksのスペンサー・ドーランによる「不確定性室内楽」プロジェクト、コンポニウム・アンサンブルの初リリース。紀元前に始まる自動生成音楽の概念をバーチャルスタジオ上で発展させ、未来の音楽構想と美的基準を先取りするかのような驚くべきサイバーヒューマンミュージック作品集です。
本プロジェクトは、古代ギリシャのアルキメデスに始まり、9世紀バグダッドのバヌー・ムーサー兄弟によって発展した自動演奏楽器の長い歴史から着想を得ています。後者は水圧を利用し機械的に制御されたフルートと先見性のあるプロト MIDI 構造を持つパンチカード機構という、プログラム可能な自動演奏のコンセプトを初めて完成させていますが、この機械的な音楽制作は、千年後、筐体それ自体で自動作曲できる「コンポニウム」という機械音楽システムを発明したディートリッヒ・ニコラス・ウィンケルによって偶然性の原理を用いて拡張されました。ドーランは《コンポニウム・アンサンブル》でこの系譜をさらに発展させ、デジタル技術で膨大な数の仮想楽器を自動化し不確定性の要素を導入する機能を活用することで、人間の衝動や恣意の限界を超えた仮想演奏者という「新たな形態の出現」に扉を開いています。このサイバーヒューマン・ミュージックともいえる形態の先駆者であるノア・クレシェフスキーに捧げられた『八つの自動作曲作品集』は、プリペアドピアノ、ハープシコード、チェレスタ、バスクラリネット、フルート、チェロ、バリ島のティンクリックなど、多岐にわたる楽器を複数の仮想アンサンブルで演奏しています。一見難解にみえる理論的基盤にもかかわらず、その音楽は聴きやすくかつ魅力的で、想像を超える広がりと新鮮さを持っています。軽やかなタッチと洗練された旋律感覚は、ポップスファンとクラシック/コンテンポラリー音楽のリスナーの双方に響くことでしょう。音源はドーランの長年のコラボレーターであるジョー・ウィリアムズ(Motion Graphics、Lifted)がミキシングを行い、音楽を視覚面から解説するハイパーリアリスティック・アートは日本のビジュアルアーティスト/グラフィックデザイナ ー、吉澤風生(Kai Yoshizawa)が担当。10インチ・レコード/CD/デジタルのリリースで、CDエディションにはカール・ストーンによるリミックスがボーナストラックとして収録されます。
=作品仕様=
+ 通常ジュエルケース、帯
+ 8頁ブックレット
+ 解説:スペンサー・ドーラン、英語・日本語併記
TRACKS:
01. ブロック(三台のプリペアド・ピアノと室内アンサンブルのための)
02. エフロレッセンス(三台のボウ・チェンバロ、二本のバス・クラリネット、フルートとチェロのための)
03. オートマタ(チェレスタ、グロッケンシュピールとスプリングタンク・ギターのための)
04. ロージン(四本のギター、五本のチェロ、クラリネット、オーボエとボウ・ピアノのための)
05. ダイニーマ(フルート・アンサンブル、ピアノとティンクリックのための)
06. インスタニテイション (三台のプリペアド・ピアノ、弦楽四重奏と金管アンサンブルのための)
07. エア(三本のバスクラリネット、一本のトランペットとスティールドラムのための)
08. カイト(弦楽四重奏とティンクリックのための)
=CDボーナストラック=
09. ブロック(カール・ストーン Remix)
90年代前半におびただしい数の作品を発表した後、表舞台から姿を消したこのアウトサイダー作家を、メディアアートで活動を共にした沖啓介の寄稿と、その作品を果敢に送り出した八幡書店の社主かつ本邦オカルト界のフィクサー、武田崇元のインタビューを交えて検証する(作品解説は江村幸紀)。今のアート文脈から無きものとして存在を抹消されるのなら、われわれがその記録を残すのみだ。
生前、ヘンリー川原が選んでいた収録曲は、挑発的で実験色強いものから、東南アジア音楽を用いたもの、サイバー感が充満したアンビエント、スピリチュアルなピアノ曲など多岐にわたるが、そこには精神世界とテクノロジーが怪しく交錯したカウンターとしてのオカルト精神が見え隠れする。本コンピレーション収録ほぼ全曲が既発版とヴァージョンが仔細に異なる作家のフェイバリット版および未発表曲で、VINYL版はLP2枚組、CD版はCDのみボーナスディスク2枚を付けた3枚組となる。これまで知る由もなかった、本邦サイバー・オカルトと初期デジタル・メディアアートをミクストしたヘンリー川原の真相(深層)に迫る!
=作品仕様=
+ CD 3枚組(マルチケース/36P ブック封入/特殊アルミ紙使用)
+ 解説:沖啓介(寄稿)、武田崇元(インタビュー)、江村幸紀
+ 日本語・英語掲載
+ 装丁デザイン: 2yang
「まるで2021年のコロナ禍の世に放たれるべく秘蔵されていたかのような、ポストパンデミックな”音泉"が世紀を跨ぎ遂に御開帳!!!!!!! いま、人類にとって必要不可欠なのは、変異株にも効くワクチンの接種と、故・ヘンリー川原の源泉を両耳から魂に直接かけ流す行為だ!!!!!!!」 — 宇川直宏(DOMMUNE)
![Sheriff Lindo And The Hammer - Ten Dubs That Shook The World [2025 Edition] (CD)](http://meditations.jp/cdn/shop/files/a2800642370_10-1_{width}x.jpg?v=1754728985)
キング・タビーにエクスペリメンタル/インダストリアル成分を注入し発展させたDUBのためのDUBミュージック元祖、リンド保安官1988年名盤『世界を震撼させた十のダブ』2025年エディション。今回は新たに発掘されたPCM録音βカム・オリジナルマスターを用いた最新リマスター、CD版には 2005年初日本盤リリース時に好評だったボーナストラックを再び収録(※2013年版ボーナスとは異なります)。
オーストラリアの実験音楽アンサンブル、ループ・オーケストラの一員、アンソニー・メイハーがシェリフ・リンド(リンド保安官)の名で、セヴァードヘッズらの助けを借りて250枚制作した伝説的1stアルバム。レゲエ・マニアの度が過ぎたそのポストパンク実験精神はキング・タビーを飛び越え、デヴィッド・カニングガム、デヴィッド・トゥープらの英実験アヴァン勢、果てはインダストリアル・ミュージックの域をも侵蝕。1981年から1988年にかけ宅録された機材とテープの実験をまとめた『テン・ダブス...』は非ジャマイカン・ルーツ・ダブの金字塔であり、ジャマイカ由来の手法「DUB」が音楽ジャンルとして自律した以降のDUB作品の原型となる歴史的重要作です。『テン・ダブス...』を制作指揮したループ・オーケストラ主宰でオーストラリア・インディー要人ジョン・ ブレイズ(2011年逝去)、セヴァードヘッズ創設メンバーでループ・オーケストラ一員、リチャード・フィールディングス、そしてリンド保安官によるクロス解説は資料としても重要!
=作品仕様=
+ 最新リマスター
+ CDボーナストラック
+ 16頁ブックレット、帯付き
+ 英語・日本語解説掲載(2005年版・2013年度版と同内容)
+ シュリンク封入+ステッカー
TRACKS:
1. Dub House Of Horrors
2. ! (Dub)
3. Grossly Overweight Dub>
4. Fatal Dub
5. Dub Express
6. Dread-ging The River
7. And On The Seventh Day...Dub
8. Eastern Bloc
CD BONUS TRACKS
9. Sky Dubbing
10. New Roots
11. Delicate Dub
12. Rolla
13. Bush Chant

最初期ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのドラマー、ラ・モンテ・ヤングのシアター・オブ・エターナル・ミュージックの一員でもあったアンガス・マクリーズ。オリジナルは2015年にニューヨークの出版社Pleasure Editionsより限定100セットでリリースされた3本組カセット[Tapes]を3CDボックスで初復刻。現在はコロンビア大学の図書館に所蔵されている100時間に及ぶオープンリール・アーカイヴから抜粋した音源であり、60年代末から70年代後期までの様々なスタイルのソロ及びセッションをラフに紡いだ異様な編集を特徴とする作品。盟友トニー・コンラッドや、後にコイル、カレント93のメンバーとなるウィリアム・ブリーズと行なった数種のセッション、アイラ・コーエンのフィルム“The Invasion of Thunderbolt Pagoda” の撮影中に録音された秘蔵テイク、アンガス本人がレコーディングを行なったチベット僧侶のパフォーマンスまで、彼とコラボレーター達による過激でミステリアスな記録をノンストップで纏め上げた全3時間に及ぶ集成。ジム・オルークによる2023年リマスタリング版を収録(カセット版とは異なる正確なトラック分割を行いました)。
オリジナルアートワークを使用したディスクスリーヴ、貼箱仕様、ポスター、トラックリスト付き。
仏〈Ocora〉にも比肩しうる広範かつディープな世界各地の伝統音楽のカタログを持つスイスのローザンヌ近郊に拠点を置く、長い歴史を持つレーベル〈VDE/Gallo〉より、マリの牧畜民・プル族の伝統的なフルート演奏を収録したフィールド録音作品。1993年に現地で録音された音源には、牧童たちの踊りや儀礼に伴うフルートの即興演奏が収められている。風のような音色のフルートによる即興は、反復的で呪術的な旋律構造、複数のフルートによる幽玄な絡み合いを伴って聴く者をトランス状態へと誘う。サバンナの風景や遊牧民の暮らしと深く結びついていて、耳を傾けていると、自然との一体したかのような静かな喜びと深い余韻が残る。今は失われてしまった世界の貴重な記録。
仏〈Ocora〉にも比肩しうる広範かつディープな世界各地の伝統音楽のカタログを持つスイスのローザンヌ近郊に拠点を置く、長い歴史を持つレーベル〈VDE/Gallo〉より、コンゴ民主共和国(旧ザイール)に暮らすナンデ族の伝統音楽を収録した1986年のフィールド録音作品。婚礼や誕生などの儀礼に根ざした歌と演奏は、共同体の営みと精神性を生々しく伝え、口弓、フルート、フィドル、ハープ、ラメロフォンなど多彩な民族楽器が登場。旋律は反復的で呪術的な響きを持ち、歌声は語りに近く、生活と密接に結びついたリズムと抑揚が聴く者をアフリカ中央部の村の風景へと誘う。楽器の音色は素朴で力強く、自然との一体化しているかのようで、録音から感じ取れる演奏者の存在が消えてしまったかのような静寂さとリアリティは圧倒的。今は失われてしまった世界の貴重な記録。
1941〜42年頃、国際文化振興会が制作したSP盤シリーズの一部で、戦前の日本で録音された伝統音楽の記録。当時制作された78回転盤は60枚に及ぶ大規模なセットだったが、戦争やその後の散逸で現存するものはごくわずかとなっており、本シリーズは、その失われかけた記録を修復する試みの第一歩であり、日本の伝統音楽の真髄を伝える重要な歴史資料でもある。本作では雅楽と仏教声明に焦点を当てている。World Arbiterのアラン・エヴァンスは「今聴ける雅楽は繊細で壊れやすい印象だが、1941年の演奏には不滅の帝国を背負ったような確かな重みがあった」と語っているが、いまや失われてしまった日本古来の生きた音楽が記録されている。
1941〜42年頃、国際文化振興会が制作したSP盤シリーズの一部で、戦前の日本で録音された伝統音楽の記録。当時制作された78回転盤は60枚に及ぶ大規模なセットだったが、戦争やその後の散逸で現存するものはごくわずかとなっており、本シリーズは、その失われかけた記録を修復する試みであり、日本の伝統音楽の真髄を伝える重要な歴史資料でもある。本作では江戸時代から伝わる琴曲や三味線の大曲、歌舞伎舞踊や人形浄瑠璃に由来する楽曲などが収録されていて、当時生きていた名人たちの演奏を直に聴ける。間といい、流れといい、後世の演奏ではうかがい知れない、当時ならではの本物の空気がここに残されている。
1993年公開の北野武監督作品『Sonatine』の久石譲によるオリジナル・サウンドトラックが〈WRWTFWW〉より再発。久石譲が得意とするミニマル・ネオクラシカルな手法が光る、内省的で静謐なアンビエント調のサウンドトラックで、ピアノ主体で極端な装飾を避け、余白のある構成が緊張と静けさを織り交ぜながら感情を引き立てる。マリンバ、各種打楽器、シタール、逆再生のパーカッション、タブラ的ハモンド演奏など多様な音色を導入しており、特に“Into A Trance”のミニマル・エレクトロ、“Eye Witness”ではシタールによるドローンや尺八風に加工したシンセなどが展開される。久石自身が愛するスコアの一つであり、非常に完成度が高い作品となっている。

フランス・ブルターニュ地方のケルト・ハープ奏者クリステン・ノゲと英国のサックス奏者ジョン・サーマンによる1998年録音のデュオ・アルバムが〈Souffle Continu Records〉より登場。ブルターニュの伝統音楽と現代音楽を結びつける活動をしていたノゲと、ECMレーベルで知られるような、ジャズとアンビエントの境界を漂うような音楽を作っていたサーマンによる音楽は、伝統音楽、即興、モーダルな“ブルターニュの夜の祭りの音楽”、静けさと実験が交錯する音楽で、まさに唯一無二の響き。伝統曲の断片を引用しつつ、二人のオリジナル曲を中心に構成されており、全体を通して、伝統音楽をキャンバスにしながら、二人が描き出す風景は多彩で詩的。ケルトを超えた自由なインスピレーションに満ちた作品となっている。
