Electronic / Experimental
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吉村弘や芦川聡など、日本の環境音楽やニューエイジ、アンビエントが好きな方にも激激レコメンドな大変素晴らしい内容の一枚です!ここ数年アンビエント・ジャズ/ニューエイジ方面などからその全盛期を更新している〈Moon Glyph〉からリリースされていた昨年度アンビエント/ニューエイジ傑作、漸く入って来ました!まさに”Shizen Oriented Ambient”な名作『Moss King』で、Loris S. Sarid『Music for Tomato Plants』やGreen-House『Six Songs for Invisible Gardens』と並んで一世を風靡。〈Moon Glyph〉創設者であり、〈Longform Editions〉の長編デジタル作品シリーズや〈Holodeck Records〉にも作品を残すSteve Rosboroughによる人気ユニット、Omni Gardensによる2023年の最新アルバム『Golden Pear』をストック!リラックスして自宅で聴くために作られたサウンドスケープ・ミュージック。『Moss King』でのぼんやりとした、温かみのある、軽快なモーグの音色を、より夢見心地で、より豊かにアップデートした、静謐なミニマリズム息衝くアンビエント作品。メロトロン、ビブラフォン、マリンバ、そして自分で録音したフィールドレコーディングなど、より幅広い音色を取り入れています。

吉村弘や芦川聡など、日本の環境音楽やニューエイジ、アンビエントが好きな方にも激激レコメンドな大変素晴らしい内容の一枚です!ここ数年アンビエント・ジャズ/ニューエイジ方面などからその全盛期を更新している〈Moon Glyph〉からリリースされていた昨年度アンビエント/ニューエイジ傑作、漸く入って来ました!まさに”Shizen Oriented Ambient”な名作『Moss King』で、Loris S. Sarid『Music for Tomato Plants』やGreen-House『Six Songs for Invisible Gardens』と並んで一世を風靡。〈Moon Glyph〉創設者であり、〈Longform Editions〉の長編デジタル作品シリーズや〈Holodeck Records〉にも作品を残すSteve Rosboroughによる人気ユニット、Omni Gardensによる2023年の最新アルバム『Golden Pear』をストック!リラックスして自宅で聴くために作られたサウンドスケープ・ミュージック。『Moss King』でのぼんやりとした、温かみのある、軽快なモーグの音色を、より夢見心地で、より豊かにアップデートした、静謐なミニマリズム息衝くアンビエント作品。メロトロン、ビブラフォン、マリンバ、そして自分で録音したフィールドレコーディングなど、より幅広い音色を取り入れています。

〈Jj funhouse〉からの前作も素晴らしかったベルギー・アントワープ拠点の実験的作家/ヴィジュアル・アーティストであり、アート・コレクティヴ〈Park Pardon〉の一員としても活動しているOval Angleによる4年ぶりのリリースとなる初LPが、ここ数年アンビエント・ジャズ/ニューエイジ方面などからその全盛期を更新している〈Moon Glyph〉より登場。メロウで遊び心のあるトーンをブレンドした、型破りなサウンドデザインと、ジャーマン・エレクトロニクス譲りの揺らめく傾斜したメロディが特徴的な、夢見心地の箱庭宇宙音楽/プログレッシヴ・エレクトロニックを展開したものとなっています。

昨年、エクスペリメンタル/アンビエント・ジャズ・グループ”Honestly Same”のメンバーとしても〈Moon Glyph〉から登場。〈American Dreams Records〉や〈Astral Spirits〉といった名門レーベルからも作品を送り出しているシカゴ出身のチェロ奏者Lia Kohlによる最新アルバム『Normal Sounds』を〈Moon Glyph〉よりストック。冷蔵庫の音、食料品店のビープ音、車のクラクションなど、人間が作り出した非音楽的な音のフィールドレコーディングを中心に構成される、親密で白昼夢的なモダン・クラシカル/アンビエント作品。〈RVNG〉作品も知られる管楽器奏者のKa Bairdと現行ノワール・ダーク・ジャズ名手Patrick Shiroishiもゲスト参加。Sean McCannによるマスタリング仕様。



ガムランと電子音楽のテクニックを融合させた瞑想的なトライバル・アンビエント/エクスペリメンタル秀逸作品!ベルギー版〈Music From Memory〉としてニューエイジ再興に多大な影響を及ぼしたことでも有名、昨今は自国のカルトで屈折的な地下音楽の発掘へ専心してきた同国の名門レーベル〈STROOM.tv〉より最新物件が登場。デンマーク・コペンハーゲンを拠点とするプロデューサー/電子音楽家であり、ウブドの名高いガムラン・シーンと連携しながら、バリのミュージシャンとの密接な協力のもと、独自の芸術的観点からガムラン音楽を探求しているAnton Friisgaardによるアルバム『Teratai Åkande』がアナログ・リリース。本作は、バリのガムランの音、メロディー、リズムを電子技術で変化させる試みにして、音響と電子表現の相互作用と統合であり、本来は別個の文化世界である、西洋と東洋、2つの世界の間にある想像上の領域を探求したものとなっています。


デジタル配信無し、フィジカル・オンリー。イタリアの〈Trax〉周辺のメールアート作家などに惹かれる方も必携!米国・ダラスを拠点に〈L.I.E.S. Records〉や〈Unknown Precept〉〈Primitive Languages〉といったインダストリアル〜ロウ・テクノの尖鋭レーベルからサグで実験的な作品群を送り出して来た、S. EnglishことShane Englishが、ロンドンのアンダーグラウンドの一大集積地〈The Trilogy Tapes〉から最新ミックステープを発表。1980年代から90年代初頭にかけて生まれた国際的な”メール・アート”やオーディオ・カセット・トレーディング・ネットワークの周辺で活動していた知られざる一匹狼やアウトサイダー・ユニットの点と点を結んだ画期的セレクション。世界各地の自宅録音スタジオで、限界まで押し上げられた初期のドラム・マシン、サンプリング・テクノロジー、ブラックボックス・エレクトロニクスを使用した、緊張感と催眠術的な恐怖を特徴とするトラックに焦点が当てられた、大変史料価値の高い一本!

Kali Maloneの盟友Maria W Hornや〈RVNG〉作品も知られるDialect、mu tateやChantal Michelleといったエクスペリメンタル・シーンの重要アクトが集うスロバキアの〈Warm Winters Ltd.〉から新着物件をストックいたしました!〈Ediciones Capablanca〉からの天上系ニューエイジ/ドローンな傑作10インチで2022年にデビューしていたストックホルム拠点のドイツ人作曲家、Luka Aronによる4部構成の組曲『XV XXVII III XXI IX: Variations & Coda』がアナログ・リリース。〈KMH Stockholm〉にて2022年から2023年にかけて録音。バス・クラリネット、コントラバス、ユーフォニアム、オルガン、ハープシコード、サーペント、笙、トランペットからなる、厳選されたアコースティック・アンサンブルによって織りなされるミニマル・ドローン長編4作が収められた卓越的な作品です。Stephan Mathieuの手により〈Schwebung Mastering〉にてマスタリング。限定200部。

版元完売。ニューエイジとゲーム音楽、ドラムンベース、Y2K文化の融合。〈Red Bull Music Academy〉の日本のビデオゲーム音楽作曲家ドキュメンタリー『Diggin' in the Carts』を監督したドキュメンタリー作家兼監督のNick Dwyerと、プロデューサー兼ミュージシャンのDevin Abrams (別名 Pacific Heights) による新しいプロジェクト、rush2theUnknownのデビューEPが、東京の先鋭的エレクトロニック・ミュージック・レーベル〈Diskotopia〉からカセット・リリース。同ユニットは、ニュージーランドの地方で誕生し、伊豆半島の丘陵地帯で発展したプロジェクトであり、90年代半ばにニュージーランドの都市中心部のダンスフロアで爆発的に広まったジャングルとドラムンベースのフューチャリスティックなサウンドに対する、10代の頃の強烈な記憶の炎の中で鍛え上げられてきたとの事。同国のこれらの音楽シーンの発展に重要な役割を果たした二人のアーティストが数十年に渡って蓄積してきた影響、特にアンビエント、環境音楽、ニューエイジ、ミニマリズム、日本のビデオゲーム音楽の歴史への情熱を織り交ぜ、ユーフォリックで瑞々しいアンビエント・ドラムンベース・サウンドを生み出しています。”EP1”との事なので続編にも期待です!!!

マルチ・アーティストのJermay Michael GabrielとプロデューサーのGiovanni Isgròによるデュオ、Plethor Xが半植民地主義抵抗をテーマに作り上げたデビューEP、そして、自己決定の実験である『What U Mean』が伊先鋭レーベル〈OOH-sounds〉よりアナログ・リリース。ジャーメイが子供時代に触れていたハベシャ音楽の伝統に突き動かされたという本作では、エチオピアとエリトリアの一弦楽器マシンコのサンプルを多用。リズム構造の土台となったこれらのサウンドを軸に、シカゴのフットワークやゲットーハウス、南アフリカのGqom、タンザニアのシンゲリといった多様なダンス・ミュージックの要素を遊び心たっぷりに取り入れつつ、アフロ・フューチャリズムの明確なメッセージを示した、実験的クラブ・サウンドが展開されたものとなっています。Giuseppe Ielasiによるマスタリング仕様。限定100部。

音響系大名門レーベル〈LINE〉の主宰者を務める人物であり、Pinkcourtesyphoneとしての活動も知られるサウンド・アーティスト/作曲家のRichard Chartier。四半世紀以上に渡り、静止、脈動、音色といったテーマを織り交ぜた、ミニマリスト・サウンドを深く探求してきた名手による英国の老舗〈Touch〉からの24年度CDアルバム『On Leaving』をストック。2020年から2022年にかけて制作された5部構成のアルバム。昨年9月に惜しくもこの世を去った彼の友人でありサウンド・アーティストの同胞である故Steve Rodenに捧げられた、揺るぎない集中力と忍耐力に満ちたミニマル・ドローン作品です。DVDサイズの特製ケース仕様。

ロシア・シベリアのノボシビルスク出身のEvgeny & Mikhail Gavrilov兄弟によるデュオ、Heranduによるデビュー・アルバムが、アウトナショナルな現代の音楽の新たな地平を切り拓いてきた名門レーベル〈Hive Mind Records〉からアナログ・リリース。幼い頃から一緒に音楽を演奏し、2000年代半ばにはバンドFPRFを結成。メンバーがロシア各地に散り散りになったため、最終的にグループは解散したものの、2人で音楽を作り続けてきた彼ら。それぞれ、DyadとMisha Sultanという名義でも活動し、後者は〈Hive Mind〉から素晴らしいカセット作品を送り出しています。本作は、2022年に2人がシベリアを訪れた際に行ったスタジオ・セッションから生まれたもので、友人のVladimir Luchanskyがサックス奏者として参加。70年代の刑事スリラーのテレビ番組の荒々しい都市風景と、21 世紀の都市主義の両方に影響を受けた「アーバン ミュージック」作品。限定500部。

〈577〉レーベルのボスにして自身もドラマーであるFederico Ughiが、The Mars VoltaでもプレイしていたキーボーディストのLeo Genoveseとコントラバス奏者Brandon Lopezという豪華ゲストを起用した5年ぶりとなる最新アルバム『Infinite Cosmos Calling You You You (Vol. 1)』をアナログ・リリース。Sun Raの音楽と哲学にインスパイアされた、境界を曖昧にさせるアコースティックとエレクトリックの即興アルバムであり、アヴァンギャルド・ジャズからオルタナティヴ・ロック、ノイズ・ロック、エクスペリメンタルまでが渾然一体となったアブストラクト極まりない逸品!シリーズ作との事で今後の展開もますます楽しみです。


超人ルイス・コールが3年連続となる〈Brainfeeder〉から
最新アルバムをリリース!!今作は世界有数のポップ&ジャズオーケストラである、メトロポール・オーケストラとの共演作!!グラミー賞にノミネートした「Let It Happen」のオーケストラ・バージョンも収録!
ルイス・コールの勢いが止まらない!ロサンゼルスの超人ルイス・コールが3年連続で〈Brainfeeder〉からリリースするアルバムの最新作『nothing』は、世界有数のポップ&ジャズオーケストラである、メトロポール・オーケストラとの共演作。
レッチリ、サンダーキャット、クインシー・ジョーンズ、フライング・ロータスなどから絶賛されていたルイス・コールは、2018年に〈Brainfeeder〉から『Time』をリリースしたことで、一気に注目を集める。超絶タイトなスーパードラマーというだけでなく、複数の楽器を操り自宅でレコーディング&撮影を行い、ミックスやビデオ編集も自分ひとりで完結させるDIY精神は世界的にも高く評価された。2022年の『Quality Over Opinion』からは「Let It Happen」が第65グラミー賞にノミネート、翌年にはアルバムも第66回グラミー賞でノミネートを果たしている。さらにここ数年は自身のビッグバンドやノウワーで来日しただけでなく、サンダーキャットのバンドでの来日、フジロック’23のホワイトステージで2日目のトリ、NHK Eテレ「天才てれびくん」へのまさかの出演など、話題を振りまき続ける最注目のアーティストという立ち位置で今作のリリースとなっている。
今作で奏でられる音楽は、彼がこれまでに手掛けたどの作品よりも大きく、大胆で、広がりがある。これはジャズである。クラシック音楽でもある。ファンクでもある。シンセやループも聴ける。バンド演奏や、もちろん生ドラムも聴ける。フルオーケストラの演奏もある。非常に簡潔な曲もある。10分をはるかに超える曲もある。ルイスにとって、ジャズとは常にあらゆる期待から解き放たれる場所であり、メトロポール・オーケストラとジュールズ・バックリーと共演した『nothing』において、彼はそれを音楽で体現している。
メトロポール・オーケストラは、ジャズのビッグバンドとクラシックの交響楽団が融合した、オランダの超有名オーケストラだ。参加作がグラミー賞に24回ノミネート、そのうち見事4回受賞している。1945年創設、エラ・フィッツジェラルド、ディジー・ガレスピー、パット・メセニー、ハービー・ハンコック、エルヴィス・コステロ、イヴァン・リンスなどのレジェンド達と共演。近年は首席指揮者ジュールズ・バックリーの指揮で、スナーキー・パピー、ジェイコブ・コリアーとの共演作がグラミー賞を受賞。さらにロバート・グラスパー、グレゴリー・ポーター、コーリー・ウォンなどの新世代のスターとも積極的に共演してきた。
ルイス・コールとは2021年から、ジュールズ・バックリーの指揮で何度となく共演。ライブではルイスに倣って皆がガイコツ・スーツを着るのが定番となっており、今作のジャケットでもその写真が使われている。
今作のリリースは驚くべきことだ。なぜならほぼ最後の最後まで、『nothing』は実のところアルバムではなかったからである。それはコラボレーションであり、一連のコンサートであり、ふたつの世界のクロスオーバーだった。ルイスはこうした機会を長年にわたって待ち望んでいた。父親がクラシック音楽の大ファンだったため、彼は子どもの頃、そうした音楽をたくさん吸収していた。
オーケストラとのプロジェクトに取り組むとすぐに、彼は作曲に“熱中”した。完成した録音は17トラック、1時間以上に及んだ。ルイスが探し求めていたものは非常に明確だった。その課題とは、深く感情を揺さぶる音楽を作ることであり、同時にシンプルでまっすぐなものにすることだった。
完成した17トラックは、ほとんどが新曲。すべての作曲・アレンジ・ミックス・マスタリングはルイス本人が行っている。オーケストレーションもすべてに携わり、内8曲は自分ひとりでオーケストレーションを完結させた。
外部のアレンジャーと仕事をするという選択肢は決してなかった。「結果に満足するためにはそれしかなかった。これは僕の純粋なヴィジョンなんだ。それは他の誰のものとも混ざることがない」
ジュールズ・バックリー指揮のメトロポール・オーケストラは、このプロジェクトの理想的なパートナーであった。このアンサンブルは、50人編成のオーケストラ、ルイスのバンド、そして彼の長年のクリエイティブ・パートナーであるジェネヴィーヴ・アルターディなどのゲスト・スターが参加するツアーを行い、ヨーロッパ各地で全日程が満員となった。いくつかのヴォーカルの再録音と楽器の重ね録りを除き、『nothing』で聴けるのはこの恍惚的なライブからの抜粋である。
今作に収録されるテイクには、2021年のスタジオセッション、2022年のノースシージャズフェスティバル、2023年のドイツとアムステルダムでのライブ録音などが使われている。ルイスによれば、これらの録音から一番良いテイクを自分で選んでミックスするために、60人以上いるオーケストラとバンドの音を全て聴いて確認したとのことだ。
ルイスにとってはミキシングの段階が仕事のハイライトだった。彼はまるまる9か月かけて最良のテイクを選び、オーケストラのパートが本当に輝くまで音響のバランスとフリーケンシーを調整した。「ミキシングが終わったときは悲しかったよ」と彼は笑う。「自分のソロ曲をミキシングしていると、曲に魔法の粉が必要だと感じることがある。 でも、オーケストラ全体と自分のリズムセクションをミキシングしていると、人間的なエネルギーが溢れてくる! 魔法を加える必要はない。魔法はずっとそこにあるんだ」。
そのリズムセクションとヴォーカルで、いつもの仲間が参加している。ノウワーなどでも一緒に演奏しているジェネヴィーヴ・アルターディ、サム・ウィルクス、ジェイコブ・マン、ライ・シスルスウェイティー、ペドロ・マーティン、フェンサンタなどだ。
彼らが参加する「Life」「High Five」などはノウワーの曲のようでもあり、さらにルイスの既存曲「Let It Happen」「Shallow Laughter」「Bitches」もオーケストラ・バージョンとして新しく生まれ変わっている。またライブで演奏していた「Who Cares」も初めてアルバムに収録された。
アルバム全体としてはこれまでのルイスの音楽世界をメトロポール・オーケストラがさらに拡張させた内容であり、いつも以上に美しく、いつも以上にカオスになっていると言えるだろう。アルバムの開幕を告げる「Ludovici Cole Est Frigus」では、ルイスはドイツのヴッパータール・シュタットハレで、大ホールにある巨大なオルガンを自ら弾いて荘厳な世界を創り出し——すぐに「Things Will Fall Apart」でタイト・ポップ・ファンクへ漕ぎ出していく。ルイスの過去作でシンセなどで表現されていたカオスなハーモニーが、メトロポール・オーケストラによって表現される瞬間は圧巻の一言。まさに、これぞルイスが語る「魔法」そのものだろう!
アウトサイダー・ディスコからアンビエント〜即興フォークまでレフトフィールドを縦横無尽に駆け回った巨人Arthur Russellの名盤『Calling Out of Context』期の未発表/別テイク音源集が〈Rough Trade〉版としてアナログ盤リイシュー!
2015年にリリースされた本作は1982年と1983年に録音、翌1985年に『El Dinosaur』『Indian Ocean』『Untitled』というテスト・プレス盤として制作された音源のオリジナル1/4インチ・テープ・マスターからArthur RussellのパートナーであるTom Leeと〈Audika〉のSteve Knutsonが9曲をコンパイル。
エコーとリズムマシーンが強調された未発表/別テイク音源に加え、ディスコグラフィの中でも最も美しい曲の一つに数えられるインスト曲「Ocean
Movie」を収録したファン必携盤!!

知られざる奇跡的邂逅が蘇る−−今から遡ること四半世紀前の1998年8月27日、ブライアン・イーノ、CANのホルガー・シューカイ、J・ペーター・シュヴァルムが繰り広げたインプロヴィゼーション・ライヴがこのたび、発掘音源『Sushi. Roti. Reibekuchen』としてリリースされる運びとなった。
1990年代といえばブライアン・イーノが「歓迎されないジャズ(Unwelcome Jazz)」と呼んだ「新種の音楽」としての独自のジャズにアプローチしていた時期でもある。その成果は名称を変えて1997年のアルバム『The Drop』にまとめられることになるのだが、翌1998年に彼はまさに自身がアプローチしていたジャズに近しい音楽と運命的な出会いを果たすことになる。それがJ・ペーター・シュヴァルムによるバンド・プロジェクト、スロップ・ショップのデビュー・アルバム『Makrodelia』(1998年)だった。意気投合した両者はコラボレーションを開始し、2000年に伶楽舎とディスクを分担した2枚組『music for 陰陽師』を、2001年にはCANのホルガー・シューカイを含む多数のミュージシャンを交えた『Drawn from Life』を完成させる−−のだが実はそこには前日譚があった。
イーノがシュヴァルムと知り合って間もない頃、3回目に会ったのがこのたびの発掘音源のリハーサルだそうである。そしてそこにはスロップ・ショップのベーシストであるラウル・ウォルトンおよびドラマーであるイェルン・アタイのほか、シュヴァルムが初めて対面する、カンの創設メンバーでありベーシストとしても知られるホルガー・シューカイがいた。イーノとシューカイはすでに『Cluster and Eno』(1977年)および『After The Heat』(1978年)で共同作業していたが、いずれもシューカイが参加したのは1曲のみ、かつベーシストとしての客演だった。しかし発掘音源に収められたイーノおよびシュヴァルムとのセッションでは、シューカイが「ラジオ・ペインティング」と呼ぶような、短波ラジオとテープを用いたサンプリング/コラージュを行っている。ともかく、三者が揃ってライヴを披露するのは初めてのことだった。しかもウォルトン、アタイを含む5人のメンバーが揃って演奏を行う機会はその後ついに訪れなかった。奇跡的な邂逅と言っていいだろう。
ブライアン・イーノが当時ライヴを行うこと自体も珍しかった。だがこの発掘音源の元となった「Sushi! Roti! Reibekuchen!」なるイベントはやや特殊なものだった。食べ物をタイトルに掲げているように、主役は料理人なのである。というのも、ドイツ・ボンの美術展示館で開催されたイーノによるインスタレーション展のオープニング・パーティーとして野外で行われたイベントだったのだが、字義通りパーティーであり、会場では大勢の来場者に料理人たちが食べ物を振る舞っていた。そうした中、用意されたステージでドローンが鳴り始め、そして5人のミュージシャンが即興で演奏を行った。イーノによればこのイベントにおけるパフォーマーは料理人たちであり、自分たちが作っているのはバックグラウンド・ミュージック。つまり音楽のパフォーマンスではなく、バックグラウンド・ミュージック付きの料理のパフォーマンスなのだという。イーノらしいコンセプトだと思うが、しかし、ステージで魅せる音楽は少なくない観衆の耳を釘付けにした。イーノとシュヴァルムが作り出すミニマルでアンビエント/ドローンなサウンドに、ホルガー・シューカイのサンプリング/コラージュが色を添え、そしてラウル・ウォルトンとイェルン・アタイは時に人力ドラムンベースのごとく怒涛のグルーヴを生み出していく。演奏は2セット、計3時間にもおよび、最後は警察に電源を切られて強制終了させられたという逸話さえ残っている。
発掘音源『Sushi. Roti. Reibekuchen』に収められているのは、そのような計3時間のライヴから抜粋された5つのトラックである。「料理のパフォーマンス」に付随するバックグラウンド・ミュージックとして構想されたライヴは、こうして音源化されることで新たに主役の座に躍り出る。そこから聴こえてくるサウンドは、ブライアン・イーノ、ホルガー・シューカイ、J・ペーター・シュヴァルムという三者の一期一会の本格的なインプロヴィゼーションであるとともに、ただ貴重な記録というだけに留まらず、アンビエント経由の「歓迎されないジャズ」に類する音楽が生演奏で収められた作品として、四半世紀経った2024年現在も実に興味深く思えるのである。
Text by 細田成嗣
ライブ・アルバムの比喩を弄びながら、これまでにないほどカルテットの活気に満ちたエネルギーを捉えたレコーディングのコレクション。〈Ehse Records〉や〈Northern Spy〉といった各地の名門レーベルから秀逸な作品を送り出す実験的バンドHorse Lords。現行エクスペリメンタル・シーンを牽引するブルックリンの名門〈Rvng Intl.〉から最新ライブ・アルバムを発表。過去6年間に行われた様々なライブ・パフォーマンスを再編曲したものとなっており、2020年の地元ボルチモアでのライブや、2018年の〈Moers Festival〉でのパフォーマンスなどから構成される、ライブ・ショーの熱狂と激しさを備えた挑発的で完全なジャムを堪能できる一枚となっています。


イングランド生まれのオーストラリア人弦楽奏者であり、70年代から音楽活動を展開。自身の〈Fringe Benefit Records〉やノイズ/アヴァン系名門〈RRRecords〉〈ReR Megacorp〉などから作品を発表しているJon Roseの最新アルバムが豪州の〈Room 40〉より到着。オーストラリア中部で経験する風の強弱の変化に対応することに重点を置いて制作された2つの自作楽器、Monolith 2021とTube 2022に捧げられたコンセプチュアルかつディープリスニングなドローン/アンビエント作品。Lawrence Englishによるマスタリング仕様。

ドイツのミュージシャン/作曲家のDaniel Rosenfeldが変名C418にて製作した傑作!物理世界とピクセル化された世界の両方で響くサウンドを描き上げた『マインクラフト』のオリジナルサウンドトラック盤『Minecraft Volume Beta』が〈Ghostly International〉からアナログ・リプレス。前作『Alpha』には未収録の楽曲だけでなく、ゲーム内では使用されたなかった楽曲も収録したC418自身のオリジナル・アルバム的一枚!牧歌的で穏やかなサウンドスケープに仕立てられた前作と比してよりダークで内省的な側面もクローズアップされた魅惑のアンビエント/エレクトロニック・ミュージックが収められています。
