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Lau Nau、Linda Fredriksson、Matti ByeによるKiri Ra!のデビュー作。北欧ジャズの静謐さと実験音楽の自由さが溶け合った、きわめて音響的な作品で、電子処理されたサウンドとアコースティック楽器が境界なく混ざり合い、音の粒子が漂いながら形を変えていくような独特の世界が広がる。サックスは旋律を奏でるというより、息づかいやキーのノイズまで含めて空気そのものを震わせるように響き、ピアノやシンセは淡い光のように立ち上がっては消えていく。Lau Nauの声や電子音は、音楽というより気配として配置され、曲という枠を超えて、音の微細な動きそのものを聴かせるアプローチが際立つ。揺らぎ・残響・余白が音楽の中心となった、北欧らしい透明感と、レーベルの実験性が見事に重なりあう一枚。

イギリス・ヨークシャーを拠点に活動する音楽家、Kirk Barleyの新作『Lux』が〈Odda Recordings〉より登場!本作は霧がかかるヨークシャーの風景とともに紡がれた、静かで瞑想的なサウンドスケープで、前作『Marionette』の延長線上にありながらも、より抽象的で夢のような響きを持っている。『Marionette』ではフィールド録音のリアルな音が空間を彩っていたが、『Lux』ではBarleyの楽器演奏とサウンドデザインが前面に出ており、短いサンプルや特殊な調律法を用いたトラック群が、どこか異世界的な調和感を生み出している。特に「Vita」「Sprite」「Descendent」といった楽曲では、聴き慣れない音階が浮かび上がり、不思議な感覚に包まれる。構造としてはミニマルだが、音の配置やタイミングのズレが微細に仕組まれていて、ゆるやかにうねるメロディと解決しないリズムが、時間と空間の感覚をじわりと歪めていく。音の粒子ひとつひとつが、光と影の間を漂いながら、聴き手の感覚をそっと撹乱するような作風。クラシカルな静けさと現代的な音響実験が交錯する、音のランドスケープ作品として、深く繊細な魅力を放っている。静かな雨の降る朝にどうぞ。
5万近い値で取引されたこともある鬼レアなオリジナルはほぼ幻・・・・The Pan-Afrikan Peoples ArkestraやNate Morganといった〈Nimbus〉関連の希少作品を始め、スピリチュアル・ジャズ〜ジャズ・ファンク〜インド・ジャズまで横断し意欲的な発掘リリースを繰り広げてきた名所〈Outernational Sounds〉からは、David MurrayやChet Bakerとの共演も知られるアメリカのジャズ・ピアニストKirk Lightsey (1937-)と〈Black Jazz〉に傑作を残すサクソフォニストRudolph Johnson (1940-2007)が南アフリカで録音した伝説のセッション音源が待望のヴァイナル・リイシュー!南アフリカ国外でリリースされることはなく、入手には困難を極めたモーダル・ジャズの傑出した作品が初の国外リリース。アパルトヘイトの圧政時代は海外の黒人ミュージシャンが同国を訪れることは大変困難であったものの、アフリカ南部とイギリスで成功を収めていたヴォーカリストのLovelace Watkinsに同行する形で渡航し、現地の最大手レーベル〈Gallo〉のスタジオでレコーディングした作品。コルトレーンの幻影が舞い降りるかのような20分にも及ぶモーダル/スピリチュアル・ジャズ大曲”Habiba”は圧巻です。

kishun が描き出す、古い世界の残響をテーマにした実験音響作品『古界|Kokai』。カセットテープ特有のざらつきや揺れを積極的に取り込みながら、環境音、ドローン、ミニマルな旋律、ノイズの粒子がゆっくりと重なり合い、まるで朽ちかけた神殿や、忘れられた土地を歩いているような感覚を生む。雅楽のような空気もあり、現代の音楽というより、どこかでずっと鳴り続けていた祈りのような響きを帯びており、大きな展開はなく、微細な変化がゆっくりと浮かび上がる構造で、耳を澄ませるほど奥行きが広がっていく。アンビエント、ドローン、実験音響の境界を漂いながら、静かでありながら濃密な世界観を持つ一本。
Hyotan Namazによる解説
kishunは雅楽の笙奏者石川高(*1)と、楽琵琶奏者の中村かほる(*2)によるユニット。笙と琵琶のみというミニマルな編成で、「旋律のない雅楽」に潜む響きを引き出すコンセプトで2015年から活動している。
雅楽は千数百年の歴史をもつ日本の伝統音楽で、もともと日本で古来より伝えられてきた歌や舞、5世紀から9世紀にかけて朝鮮半島や中国大陸から渡来した舞や器楽などを、平安時代の貴族がまとめ直したものが現代に伝わっている。大陸由来のものも、日本に定着する過程で、アレンジ・再編成されており、現在伝わる雅楽はどこの国のものとも異なる日本固有のものである。平安時代にはほぼ現在に近い形が整っていたと見られる。宮中で保護・演奏されてきた宮廷音楽としての顔に加え、寺社での法要・祭礼などでも演奏される宗教音楽としての顔も有する。そのような経緯から、貴族や楽人と呼ばれるプロの音楽家などの間で庶民の感性・嗜好から離れた形で伝承されてきており、楽器も舞も、日本の他の伝統音楽とは異なった特徴を多く有する。
雅楽の種目は、大陸から渡来した舞を含む「舞楽」、器楽の合奏である「管絃」、日本古来の歌や舞である「国風歌舞(くにぶりのうたまい)」、平安時代の声楽である「歌物」の四つに大別されるが、この中で、「管絃」は、日本の伝統音楽のなかで楽器のみのオーケストラとして体系化されているきわめてまれな形態といってよく、声楽が中心で、器楽合奏は、小規模編成か、演劇・舞踏の伴奏に用いられることが一般的な日本において異色の存在といえる。
「管絃」で使われる楽器は、三管両絃三鼓といわれ、管楽器(三管)では、笙、篳篥、龍笛、絃楽器(両絃)では琵琶、箏、打楽器(三鼓)では鞨鼓(かっこ)、太鼓、鉦鼓(しょうこ)となっている。旋律を担当するのは篳篥(ひちりき)、龍笛で笙は和音でそれらを包み込むのが主な役割、絃楽器はリズムに縁取りを与えるのが役割である。kishunはこの中の笙、琵琶のみで古典曲の演奏や即興を行っている。
笙は17本の長さ・音高の異なる竹管を束ね、下部に金属製のリードをつけたフリーリード楽器である。伝統的奏法ではタンギングは持ちいられず、息遣いによりフレーズを形成する。各管の音は大きくはなく、合奏における役割は、合竹(あいたけ)と呼ばれる持続和音を演奏することで、旋律を色付けし、モードの重心を示すことである。
一方、楽琵琶はリュート属の楽器で、現在使われているものは4絃4柱(4つのフレット)で、撥を使って弾く。背面は平坦で胴体は浅い。音の特徴として、弾いた瞬間は力強いが音の減衰が早く残響がほとんどない。その為、琵琶の役割は和音的というよりはリズム的である。
kishunは雅楽の管絃のなかで旋律を担当する楽器を含めず、合竹による音の場を作る笙と、リズムの縁取りを行う琵琶に絞ることで、旋律の奥に潜んでいた響きを引き出そうとするところに実験性がある。熟練の2名の技巧により、その狙いは十分に果たされ、伝統的な編成の雅楽では無意識のうちに覆い隠されていた響きは、前景に立ち現れ、斬新な姿で聴くものに語りかけてくるのである。
(*1)石川高 宮田まゆみ、豊英秋、芝祐靖に師事。雅楽の笙と歌謡を学ぶ。1990年より演奏活動を開始。雅楽団体「伶楽舎」に所属し、雅楽古典曲や現代曲の演奏を行うかたわら、独奏者としても活動。坂本龍一、Evan Parkerなど多くのアーティストのプロジェクトにも参加してきた。即興演奏にも積極的。
(*2)中村かほる 大学在学中、世界最古の琵琶譜「番假崇」(芝祐靖氏復曲)の演奏に出会い雅楽を学ぶ。龍笛を芝祐靖、楽琵琶・右舞を山田清彦に師事。「伶楽舎」所属。1990年より演奏活動を行い、国内外の音楽祭やソロでも活躍。廃絶された古典曲の復元にも取り組む。
オリジナルは1999年にドイツの音響ミニマル名門〈~scape〉からリリースの、Kit Claytonのデビュー・アルバムにして、ミニマル・ダブ/クリック&カッツの金字塔的作品『Nek Sanalet』。カリフォルニアの電子音楽家Joshua Kit Claytonが、当時のベルリン音響シーンとUS西海岸のエクスペリメンタル感覚を接続した重要作で、深く沈み込むような低音、湿度を帯びたダブ処理、微細なクリックノイズが立体的に配置された音響空間。ビートは控えめで、音の粒がゆっくりと漂いながら沈んでいく深海アンビエントのような質感があり、メロディを排した霧のようなシンセが揺らぎを生み、音に包まれて「今」へとゆっくりと溶解していく。冷たい音響の中に微かな温度が差し込む、アナログ的な揺れやノイズの人間味も魅力。音の配置、空間の扱い、低音の質感が極めて精緻で、タイムレスな魅力を放つ最良のダブ・ミニマルの一つ。

アナトリアン・サイケデリア、ブラジリアン・トロピカリア、60年代ヨーロピアン・ポップ、アメリカン・ジャズなどを融合させた見事な現代音楽で聴衆を魅了してきた、ロンドンを拠点に活動する男女デュオ、Kit Sebastian(Kit MartinとMerve Erdem)。彼らのユニークなサウンドは、世界各地の影響が織り込まれたタペストリーであり、ヴィンテージのシンセから流れる熱情を帯びた哀愁は、バイーアのビーチからイスタンブール、そしてパリの街角まで、サイケデリックに広がっていく。そんな彼らの最新アルバム『New Internationale』が、Flying Lotusのレーベル〈Brainfeeder〉からリリースされる!『New Internationale』の10曲は、彼らが旅先で見つけては集めて行った様々な楽器の音を元に書き上げられたもの。サンプルは一切使わず、トルコのクラリネットを始め、サントゥール、ウード、ガンサ、バラライカ、チターなどなど、多彩な楽器を活用し、過去と現在の交わりを想起させるボーダーレスな世界を遊び心たっぷりに表現している。Khruangbin、Altin Gun、Broadcast、Goat、Os Mutantes、Cortex、Serge Gainsbourgなどが好きな方にお勧めしたい一枚!


ノルウェーが誇る映像音響作家の巨匠Kjell Bjørgeengenと、ノイズ、エクスペリメンタルの旗手Lasse Marhaugによる共作で、映像信号を音に変換する特殊デバイス「Flood Coil」を用いた純粋ジェネラティブ作品。制作方法は極めてユニーク。Bjørgeengenが生成するオシレーター駆動の映像信号を、Marhaugのエフェクトペダルに通し、再びFlood Coilに戻すことで、映像と音が互いを変形し続ける自律システムを構築。アーティストは一切手を加えず、2分間ずつ放置して録音された膨大なテイクから18曲を選び出している。音像は、Merzbow級のハーシュノイズから、Pan Sonicを思わせるミニマルなリズム断片、PITA風のクリック音響、深いドローンまで縦横無尽。各トラックは短く、2分ごとにまったく異なる世界へ飛ばされるような、音の万華鏡的構造。人間の意図を超えた機械の暴走美がそのまま刻まれている。


今は亡きPitaが運営した電子音響の大名門レーベル〈Editions Mego〉より2枚の傑出したアルバムを発表した大人気な女性電子音楽家にして、Peder Mannerfeltとも仕事を共にするKlara Lewisと、ロンドンと日本をルーツに持つストックホルム拠点のギタリストであり、Bo Ningenのメンバーとして灰野敬二やFaust、Lydia LunchともコラボレーションしてきたYuki Tsujiの初タッグによるデビュー・コラボ・アルバム『Salt Water』が、ロンドンのレフトフィールド・シーンを牽引する大名門レーベル〈The Trilogy Tapes〉よりカセット・リリース。Tsujiの独特なギター演奏とLewisが果敢に探求するサウンドスケープが溶け合った、屈折的でカテゴライズ困難なサウンドが満載!

伝説的ポスト・パンク・バンド、WireのメンバーであるGraham Lewisの娘であり、自身もその父に負けず劣らず、傑出した電子音楽作品の数々で現代のアンダーグラウンド・シーンを震撼させ続けてきたスウェーデンの鬼才Klara Lewis。先日〈The Trilogy Tapes〉からリリースしたYuki Tsujiiとのコラボカセットに続く最新作が早くも自身が長年の拠点としてきた〈Editions Mego〉から登場。長年の友人でありメンターであった〈Mego〉旧レーベルボスの故Peter Rehbergへの追悼とオマージュという主題を持った作品。アブストラクトなノイズが全編を覆いつつ、コラージュされるクワイアとダンス・ミュージック的なビート、鎮静のアンビエンスがどこまでも美しく響き渡る、鎮魂のノイズ/エレクトロニクス大傑作!マスタリングはStephan Mathieuが担当&Andreas Kauffeltの手による〈Schnittstelle〉でのカッティング仕様と盤質も万全。限定500部。


Peter Michael Hamel、Florian Fricke、Stephan Micusのファンにも!Popol Vuhによるクラウト/ニューエイジ聖典『Hosianna Mantra』などの傑作に参加した後、1980年代初頭にアンビエント・ドローンとヒーリング音楽の分野で一連の重要な作品を制作したKlaus Wiese (1942 – 2009)。ドイツのベテランの電子音楽家でありミニマリスト、マルチ奏者、そして、チベットのシンギングボウルの達人としても知られる彼が1981年に〈Acquamarin〉からカセット・リリースしたアルバム『Baraka』が〈Black Sweat〉からアナログ再発。音の神秘主義に関する、彼が長きに渡って追究していく壮大なテーマの全ての側面がデビュー作の時点で既に落とし込まれていたという事を確認できる深淵なる瞑想音楽。

Popol Vuhでの活動後、チベット文化やスピリチュアルな音響に深く傾倒したKlaus Wiese。彼の代表的なスピリチュアル・アンビエント作品のひとつで、1980年代末のカセット文化から生まれた希少な音源『Uranus』が〈Black Sweat Records〉から再発。チベタン・シンギングボウルを中心に構成され、深遠なドローンと倍音が幾重にも重なり合う霊的音響世界。倍音の蓄積がプリズムのように広がり、精神的光の流れに包みこまれる、厳格で純度の高い作品。

Popol Vuhでの活動後、チベット文化やスピリチュアルな音響に深く傾倒したKlaus Wiese。彼の代表的なスピリチュアル・アンビエント作品のひとつで、1980年代末のカセット文化から生まれた希少な音源『Uranus』が〈Black Sweat Records〉から再発。チベタン・シンギングボウルを中心に構成され、深遠なドローンと倍音が幾重にも重なり合う霊的音響世界。倍音の蓄積がプリズムのように広がり、精神的光の流れに包みこまれる、厳格で純度の高い作品。

フランスのレフトフィールド名門〈Antinote〉から届いた、Klein Volk の7年ぶりとなるセカンド・アルバム。Marie Baeke、Timo Bonneure、Wesley Buysseの3名によるユニットで、前作『Gulden Onversneden』から続く素朴さと遊び心を軸にしながら、今作ではより深く日常の余白に耳を澄ませている。柔らかいシンセと軽やかなアンサンブルが織りなす牧歌的な電子音楽は、ミニマルでありながら感情豊かで、小さなフレーズが反復し、ふとした瞬間にメロディが光を差し込ませる。アンビエント、ニューエイジ、レフトフィールド、ジャズ、シンセ・ポップが自然に混ざり合い、春先の光や夕暮れのような移ろいを感じさせる。深刻さに覆われた時代の中で見落とされがちな、ささやかな瞬間の美しさをそっとすくい上げるような静かで温かいエレクトロニック作品。



Fennesz参加!ケニア・ナイロビ出身でベルリンを拠点に活動するサウンドアーティストJoseph KamaruことKMRUによる最新作『Kin』が2020年の代表作『Peel』に引き続き〈Editions Mego〉から登場!フィールドレコーディングと電子音響を融合させた独自のスタイルをさらに深化させたもので、故ピーター・レーバーグとの「『Peel』の続編はどんな音になるのか」というディスカッションから始まり、2021年初頭にナイロビで制作が開始。若き日にギターで奏でた音を想起させるディストーションをテーマに、従来よりもノイジーで荒々しいアプローチを追求した本作は、レーバーグの死により一時中断を余儀なくされながらも2022年に再開され、完成へと至った。Fenneszを迎えた「Blurred」は、MEGO/Editions Megoの系譜に連なる現代エレクトロニック・ミュージックの最前線を体現し、さらに「We Are」ではAphex Twinを彷彿とさせるサウンドを展開。KMRUの進化を鮮烈に刻み込んだ作品。
