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12月下旬入荷。カナダの音楽家ジョセフ・シャバソンとニコラス・クルゴヴィッチ、そして日本のテニスコーツによるコラボレーション・アルバム『Wao』。事前に完成曲を用意せず、ツアー中の滞在先でアイディアを持ち寄り即興的に録音。神戸の築100年を超える洋館「旧グッゲンハイム邸」で2日間にわたり収録された。シャバソンのサックス、クルゴヴィッチのメロウな歌声、テニスコーツのさや&植野隆司の繊細なヴォーカルが融合。アンビエント、フォーク、ジャズの要素を横断し、親密で柔らかな音響世界を生み出している。ゑでぃまぁこんのゑでゐ鼓雨磨もゲスト参加。

1月23日発売予定。CDにはアルバム全収録曲のインストヴァージョン10曲入りCDが付いた2枚組。
先日3度目のUSツアーとメキシコ公演を終えたばかりの坂本慎太郎。約3年半ぶりの新作『ヤッホー』では、ここ数年の海外でのライブ体験を反映させつつ、ブルース、ムード歌謡、60年代ソウル、サーフ・インスト、ファンクなどを取り入れた多彩なサウンドを展開。さらに今作も独自の視点で切り取った歌詞はまさに唯一無二。10月の配信シングル「おじいさんへ」、11月の配信シングル「あなたの場所はありますか?」を含む全10曲の新作アルバムが完成しました。
今回も前作同様、坂本慎太郎バンドのメンバーを中心にレコーディングされ、ドラムは菅沼雄太、ベース&コーラスはAYA、そしてサックス&フルートは西内徹。ゲストプレーヤーとして2曲にマリンバで角銅真実が参加。レコーディングエンジニア/マスタリングは中村宗一郎。アートワークは坂本慎太郎。

1月23日発売予定(お一人様までとさせていただきます。限定生産、ショートの可能性がございます。予めご了承くださいませ)。先日3度目のUSツアーとメキシコ公演を終えたばかりの坂本慎太郎。約3年半ぶりの新作『ヤッホー』では、ここ数年の海外でのライブ体験を反映させつつ、ブルース、ムード歌謡、60年代ソウル、サーフ・インスト、ファンクなどを取り入れた多彩なサウンドを展開。さらに今作も独自の視点で切り取った歌詞はまさに唯一無二。10月の配信シングル「おじいさんへ」、11月の配信シングル「あなたの場所はありますか?」を含む全10曲の新作アルバムが完成しました。
今回も前作同様、坂本慎太郎バンドのメンバーを中心にレコーディングされ、ドラムは菅沼雄太、ベース&コーラスはAYA、そしてサックス&フルートは西内徹。ゲストプレーヤーとして2曲にマリンバで角銅真実が参加。レコーディングエンジニア/マスタリングは中村宗一郎。アートワークは坂本慎太郎。
2月上旬入荷予定(変更となりました)。Florian Heckerによる、音響合成と知覚を探求する実験的電子音楽作品『Natural Selection』。旋律・リズム・ハーモニーといった伝統的要素は排除され、代わりにHecker特有の電子音響合成による、音の質感・空間性・変化に焦点を当てた内容で、9曲構成の各曲は独立した音響実験でありながら、音色や構造の共通性によって緩やかに連関。星座が個々の星が意味を持たずとも並びや関係性によって象徴的な形を成すように、物語やテーマではなく、音そのものの性質がつながりを生んでいく。聴く者が意味を見出すのではなく、音そのものが意味を生成する、音楽を聴くという行為そのものを問い直すような音響芸術の最前線!
Stan Hubbsが1982年に自主制作した唯一のアルバムで、ローファイ・サイケデリアのカルト的傑作『Crystal』が大名門〈Numero〉よりリマスター再発。カリフォルニアの森の中のキャビンで録音された個人的な幻覚世界で、完全に自分の世界に没入したアウトサイダー・アート的作品。歌詞は死や孤独、ドラッグなどをテーマにしたものが多く、男女ヴォーカルが交錯し、メロウで孤独、そして陶酔的。夜の森で誰かが淡々と自分の夢や死について語っているような雰囲気に満ちている。一度きりの録音で永遠のカルト的存在となった孤高のサイケデリック詩人による音の私小説とも言える作品。
2月上旬入荷予定(変更となりました)。〈Shimmy-Disc〉の創設者としても知られるBonner Kramer(Kramer名義)による5年ぶりのソロ・アルバム『…and the crimson moon whispers goodbye』。本作は、「生者と死者のための4部構成のドローン詩」で、Kramerが1970年代後半のNYダウンタウン実験音楽シーンで傾倒していたミニマリズムとドローンへと原点回帰した作品となっている。言葉や歌詞を排し、純粋な音響詩として構成されており、死と再生、祝福と呪詛、生と死の境界を音で描く。静寂と持続音のあいだにある気配を捉えるような音響構成はTerry Riley、La Monte Young、Gavin Bryarsといったミニマル音楽の巨匠たちを想起させるもので、Kramerの音楽的・精神的探求の充実ぶりが伺える。聴く者を深淵へと誘う静かな儀式。
1月9日発売。Basic Channel傘下のChain Reactionから2001年にデビュー以来、10年以上の沈黙を経て、2014年以降、UK・マンチェスターのレーベルDDSよりコンスタントにリリースを重ね、ダブテクノ/ミニマル等のクラブオーディエンスのみならず、全世界の熱心な音楽ファンを魅了する電子音楽家【Shinichi Atobe】。
本年7月突如始動させたプライベート・レーベル【Plastic & Sounds】より、第二弾となるリリース「A1.SynthScale A2.Disappear | AA.Between Thoughts」が12INCH(45RPM/Limited Press)レコードとデジタルでリリースされる。
昇降しながら展開するシンセと疾走感のあるリズムが絡み合いプログレッシブ・ロックの片鱗をも感じさせるエレベーション・シンセ・ダブ・テック「SynthScale」、続く「Disappear」は、浮遊する上音に突如出現するピアノ、突き進むリズムの合間に差し込まれるドラムの固め打ちがうねりをあげる。10分を超える大作「Between Thoughts」は、野太いベースラインを主体にボイスサンプルが浸透し、柔らかくジェントルに展開するShinichi Atobe流の長編ミニマル・ハウス。
マスタリング/レコード・カッティングには、Shinichi Atobeの作品を多数手がけてきたベルリンのRashad Beckerが担当。

11月下旬入荷予定。フリー・ジャズの先駆者であり、1970年代以降は世界各地の民族音楽を取り入れたコスモポリタン・ジャズを展開したDon Cherryが、タブラの名手であり、複雑なポリリズムとシンコペーションを駆使する演奏スタイルで知られるLatif Ahmed Khanによるジャズとインド古典音楽が融合した1978年録音の幻のセッション『Music / Sangam』が、最新リマスターで再発。即興的でありながら緻密なリズムと旋律が交錯するタブラとトランペットの対話、Don Cherryの多楽器奏者としての側面も反映したアーシーなキーボードやフルート、1970年代パリのスピリチュアルな雰囲気が漂う、プリミティヴかつ瞑想的な録音の空気感が際立つ、Don Cherryのワールド・ジャズ探求の中でも最も過小評価されていた作品のひとつであり、ジャズとインド音楽の融合の歴史的記録としても貴重な一枚。
2026年1月発送予定。美術家として知られる大竹伸朗稀代の音楽作品、ダブ平&ニュー・シャネルの決定版の登場です。大竹伸朗は現在は美術家として知られていましが、そのキャリアのスタートは音楽でした。日本でいち早くNO WAVEに反応し作品化させていたJUKE/19.は1980年という時代にはあまりに早すぎた存在でしたが、その作品は密かにのちのアーティストに多くの影響を与えていました。特にボアダムスのヤマタカEYEはその絶大な絵鏡を公言しており、90年代には当の大竹とのデュオ、PUZZLE PUNKSも始動させています(現在もユニットは継続中)。
ダブ平&ニュー・シャネルはそんな大竹の音楽作品としては究極のもので、ギター、ベース、ドラムス、キーボード、ターン・テーブルという編成のバンドは全てリモート・コントロールされ、そのステージごと作品となったとててつもないシステムです。かつてはこのシステムにヤマタカEYEがフィーチャリングされデストロイ・オール・モンスターズと共演、内橋和久との共演はCD作品としても発表されました。
今回の作品は、2022年国立近代美術館から始まった「大竹伸朗展」巡回最終日、富山県美術館館TAD内で行われたダブ平&ニュー・シャネルの演奏をアナログ3枚、CD2枚に収めたものです。
今回の演奏では、80年代初頭より大竹とJUKE/19.をやっていた盟友・遠山俊明が自作の改造楽器群を持ち込み、ダブ平&ニューシャネルの演奏に乱入、その演奏はそれまでのダブ平&ニューシャネルだけではありえない、全てを飲み込むブラックホールのような音世界に突入し、JUKE/19.から始まる大竹音楽の歴史が一気に凝縮されたような強烈なものになりました。インダストリアルの極みと言える音塊に大竹の生演奏も加わり、フィジカルな混沌が生まれています。
装丁も内容もアナログとCDでは異なったものになっています。
アナログの装丁は前代未聞、B倍版シルク刷りのポスターを3つに裁断、3枚のレコードをそれぞれ収納し、それをさらにシルク刷りしたクリア・ケースに収納するというものになります。すべてをつなげるとB倍版のシルク・ポスターになります。カッティング時には「軽いプレイヤーだと針が吹き飛ばされていいから低音爆音ぶっ込んでください」と依頼。
ジャケットは完成イメージですので、最終ヴィジュアルと多少異なることもありますのでご了承ください。

2月6日発売予定。〈Planet Mu〉や〈The Trilogy Tapes〉といったアンダーグラウンドの名門からリリースを重ねるイラン系カナダ人兄弟Saint Abdullahと〈International Anthem〉、 〈4AD〉などからの作品への参加で知られる人気ジャズ・ドラマーJason Nazaryによるコラボアルバムの第2弾が〈Disciples〉よりリリース!
2023年作『Evicted In The Morning』の続編となる本作は、サイケデリック、ドリーミーに消えては現れる実験的なサンプリングコラージュの中に規則的なリズムが時折顔を出しながらフリージャズのような展開をしていく、聴くたびに新たな発見のある作品となっている。「Here to Body Ratio」は情感溢れるサックスとギターに性急なドラミング、ストレンジに心地よい電子音が独自のバランスを生み出す作品のハイライト。
本作は、反戦デモや国家抑圧が続く新たな時代に向けた"Freedom Now Suite(自由のための組曲)”とも言うべき作品だ。ゲストにはロサンゼルスを拠点とする日系アメリカ人のマルチ奏者Patrick Shiroishi と Ryan Easter が参加している。
兄弟が「‘tellectual condition(知的病)」と呼ぶような表層的な知識が支配する時代において、アルバムはあえて遅く、複雑に、時間に逆らうことを選ぶ。ここでのサンプリングのコラージュは、ポストモダン的な遊戯ではなく、“感情の構造”なのだ。
『Wiretaps for Oral』を聴いていると、語りかけてくるのはサンプルそのものではなく、そのあいだの“隙間”だと気づかされる。信号が途切れる亀裂、ビートが抜け落ちる瞬間、その隙間に意識が宿る。意味を「与える」のではなく、それを「抱える」こと、強引に形を与えず、ただ触れること。
このデュオは、私たちに“盗聴線に耳をあて、囁きを聴け”と誘う。そうして彼らは思い出させてくれる、近くにいるということは、距離よりも「聴くこと」に関わっているのだと。
2月上旬入荷予定。菅谷昌弘が1987年に制作した舞台音楽作品で、前衛舞踏団「パパ・タラフマラ」の公演『ALEJO』のために書き下ろされたサウンドトラック『Music From Alejo』が〈Ambient Sans〉より、初のヴァイナル・リイシュー!反復と間を活かした構成で、舞台の動きと呼応するようなミニマルで静謐な電子音響に、アンビエント的な広がりと、日本的な情緒を感じさせる旋律が共存。舞台芸術との融合を前提としながら、音楽単体でも成立する完成度を持つ、1980年代日本の実験音楽と舞台芸術の交差点を象徴する重要作であり、Sugayaの音楽家としての詩的感性と構造美が凝縮された一枚。今回の再発では、日本の自宅訪問時の写真と菅谷昌弘への独占インタビューを収録したインサートも付属。
2月上旬入荷予定。菅谷昌弘が1987年に制作した舞台音楽作品で、前衛舞踏団「パパ・タラフマラ」の公演『ALEJO』のために書き下ろされたサウンドトラック『Music From Alejo』が〈Ambient Sans〉より、初のヴァイナル・リイシュー!反復と間を活かした構成で、舞台の動きと呼応するようなミニマルで静謐な電子音響に、アンビエント的な広がりと、日本的な情緒を感じさせる旋律が共存。舞台芸術との融合を前提としながら、音楽単体でも成立する完成度を持つ、1980年代日本の実験音楽と舞台芸術の交差点を象徴する重要作であり、Sugayaの音楽家としての詩的感性と構造美が凝縮された一枚。今回の再発では、日本の自宅訪問時の写真と菅谷昌弘への独占インタビューを収録したインサートも付属。

1月16日発売予定。(数量限定/ネオングリーン・マーブル・ヴァイナル/Indie Exclusive)社会に対する不満や怒りを、DIYなパンク・サウンドとメッセージ性の強い歌詞と共に表現するスリーフォード・モッズが、アルバム『The Demise of Planet X』を〈Rough Trade Records〉よりリリース。
アンドリュー・フェーンとジェイソン・ウィリアムソンによるこれまでで最もスケールが大きく野心的な作品である本作には、俳優グウェンドリン・クリスティー(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『ゲーム・オブ・スローンズ』)が初となる音楽作品への参加及び出演を果たし、さらにはライフ・ウィズアウト・ビルディングスの元フロント・ウーマン、スー・トンプキンスという稀少なゲスト参加に加え、〈4AD〉に所属するオルダス・ハーディング、ソウル・シンガーのリアム・ベイリー、そしてグライムMCのスノーウィーとのコラボレーションを収録。後者2人はどちらもバンドの地元ノッティンガム出身である。
「The Good Life」は、社会的な崩壊と個人的な崩壊が入り混じった感覚を描いている。アンドリュー・フェーンよる切迫感のあるビートと魅惑的なメロディに乗せて、ウィリアムソンがマシンガンのような語り口で、音楽シーンに波紋を呼んだ自身の発言の影響を描き出している。ビッグ・スペシャルとグウェンドリン・クリスティーは、その発言によって生まれた混乱の中で揺れる、彼の内なる葛藤と苦悩の声を代弁している。「“The Good Life”は、他のバンドをけなすこと、そしてそれが自分にもたらす喜びと苦しみについて歌っている。自分自身に問いかけているんだ−−なぜ自分はバンドをけなすのか?なぜそんなことをずっと続けているのか?グウェンドリンとビッグ・スペシャルは、俺の心の声を具現化してくれていて、“良い人生(=Good Life)”を楽しむべきなのか、それとも混沌に身を委ねるのかという、内なる葛藤をめぐって議論しているんだ」とウィリアムソンは語る。
『The Demise of Planet X』は、未来を予測することが非常に困難な状態の中で生きる人生、そして集団的トラウマによって形づくられた人生を表している。前作を書いたときは、停滞−−まるで死体のように息をしていない国−−についての作品だった。あれから3年、その死体は戦争とジェノサイド、そしてコロナ禍の長引く心理的影響によって切り裂かれ、SNSはグロテスクで歪んだデジタル操作の場へと変貌した。まるで廃墟の中で生きているような感覚。それは俺たちの集団的な精神に刻み込まれた、多層的でおぞましい異形のようなものだ。世界がクソみたいな状況に落ちていく中で自分を褒めるのもどうかと思うけど、『The Demise of Planet X』には本当に満足している。ただ突きつけるだけの作品じゃなくて、ちゃんとメガネをかけて中身を覗き込むように、じっくり味わう必要があるんだ。
- ジェイソン・ウィリアムソン(Sleaford Mods)

2月中旬入荷予定。Matthew Herbertとの共作も大人気なロンドンを拠点に活動するプロデューサー、ソングライター、マルチインストゥルメンタリストであるMomoko Gillの待望のデビュー・ソロ・アルバム『Momoko』。ジャズ、ソウル、エレクトロニカ、実験音楽が交差するサウンドで、 Matthew Herbertとの共同制作や、Shabaka Hutchingsらを迎えた50人規模の壮大な合唱を取り入れるなど、多彩なコラボレーションが光る。自らドラム、キーボード、ボーカルを手掛ける彼女の音楽は、既存の枠に囚われないブロークン・ビート/ニュー・ジャズ的なスタイルを持ち、また、彼女の声は語りと歌の間を漂いながら、母との関係やアイデンティティの探求といった個人的な感情やテーマを、自身の日本・アメリカ・イギリスにまたがる経験を反映した音楽的言語で、内省的でありながら普遍的な物語へと昇華している。フィールドレコーディングや環境音も取り入れた、ジャンルを超えた表現と、詩的で繊細な構成が特徴の、妥協のないデビュー作品。
12月中旬発売予定。
2024年3月に公開されたマヒトゥ・ザ・ピーポーの初監督作品『i ai』は、赤い色彩に彩られた異形の青春映画であった。
舞台は兵庫の明石と神戸。主人公となる新米バンドマンのコウ(富田健太郎)と、コウが憧れるヒー兄(森山未來)を中心に、生を死をめぐるストーリー
が展開される。それはマヒトの実体験を土台にしたものでもあり、現実とフィクションが二重写しになりながら、やがてその境界線はじわりじわりと融解し
ていく。共演はさとうほなみ、堀家一希、吹越満、永山瑛太、小泉今日子、K-BOMB、大宮イチなど個性的な面々。写真家の佐内正史による透明感あふれる
映像がこの作品に特別な情感を与えていたことも特筆すべきだろう。
映画のセオリーに囚われることのないその作品には、「壊れゆく社会のなかで他者と関わりながらどのように生きていくことができるのか」という、近年
のGEZANの作品やマヒトの文筆活動にも共通するテーマが投げかけられていた。私たちは決してひとりで生きていくことはできない。だが、他者と生きるこ
ともまた決して楽なことではない。世界の分断が極限まで進んだこの時代を私たちはどのように乗り越えることができるのだろうか?
監督のみならず、脚本や劇中音楽までマヒトが手がけたこの作品のなかで極めて強い印象を残していたのが、「i ai」と題されたメインテーマ曲だった。
GEZANの新曲でもあるこの曲は、ここ数年のGEZANの取り組みの延長上にあるもの。この12インチシングルはその「i ai」を収録しており、初のアナログ
リリースとなる。
柔らかなギターのアルペジオに導かれ、少しずつ熱を帯びていくその楽曲には、静けさと激しさを内包した映画のムードが凝縮されている。言葉にならな
い複数の声を束ねた合唱は、社会からこぼれ落ちた嘆きのようにも、歓喜の叫びのようにも聞こえる。GEZANは総勢15名のコーラス隊Milion Wish
Colectiveとの活動も展開してきたが、ここにはその活動で培われた感覚が活かされている。
また、この曲は9分8秒にわたるゆったりとしたダンストラックと捉えることもできるだろう。南米など各地で生み出されているオーガニックなダンスト
ラックと共通するものがあり、世界各地のグローカルミュージックを扱ってきたGLOCAL RECORDSから、それも12インチシングルというDJフレンドリー
な形でリリースされることにも意義がある。
B面にはGEZANとの縁も深いCOMPUMAによるリミックスを収録。アフリカ的なパーカッションで始まり、途中では親指ピアノなどを挟みつつ、ふたた
び印象的なあの合唱へと戻る。めまぐるしく起承転結が入れ替わる、18分18秒のショート・ムーヴィー。そんなドラマチックなリミックスである。
カッティング&マスタリングを手がけたのはDJとしても活動するTOREI。アートワークを手がけたのは東京在住のヴィジュアルアーティスト/グラフィッ
ク・デザイナー、jvnpey。彼らの愛情あふれる仕事ぶりもこの12インチを特別なものにしている。
「分断」という言葉の対義語をAIに問うてみると、「統合」「連結」「統一」「団結」「融和」という言葉が次々に表示された。どの言葉もどこか白々しく、
こそばゆいが、「i ai」という楽曲に鳴り響く蜃気楼のような合唱は、「分断」の対義語となる新しい言葉を探り当てようとしているようにも思える。映画
『i ai』では「エンドロールが終わった後も共に生きよう」というメッセージが投げかけられていたが、この12インチからは「音が止まったあとも共に生き
よう」というメッセージが浮かび上がってくるのである。
文・大石始(文筆家)

2月上旬入荷予定(変更となりました)。Kara-Lis Coverdaleによる、オスロのフローティング・サウナ「Skarven」のインスタレーション用に書かれた作品をもとに、木、水、太陽、ガラス、金属といった自然素材から着想を得て制作された5部構成のコンポジション『Changes in Air』。本作は、彼女のキャリアを形成してきた電子音響のアプローチと、弦、管、鍵盤、モジュラーシンセ、そして彼女自身の声といった多様な音源が交錯し、緻密に構成されており、楽曲は、単なるアンビエントの枠を超え、アニミズム的な感覚や生命の根源的な美しさを音で表現する、幻想的な音響叙事詩となっている。電子的な処理と生楽器のオーガニックな響きが絶妙なバランスで溶け合い、リスナーを内省的ながらも浮遊感のある深いムードへと誘う。録音はカナダ・モントリオールのThe Pinesで行われ、アナログ録音による柔らかな質感も魅力。

2月上旬入荷予定(変更となりました)。Kara-Lis Coverdaleによる、オスロのフローティング・サウナ「Skarven」のインスタレーション用に書かれた作品をもとに、木、水、太陽、ガラス、金属といった自然素材から着想を得て制作された5部構成のコンポジション『Changes in Air』。本作は、彼女のキャリアを形成してきた電子音響のアプローチと、弦、管、鍵盤、モジュラーシンセ、そして彼女自身の声といった多様な音源が交錯し、緻密に構成されており、楽曲は、単なるアンビエントの枠を超え、アニミズム的な感覚や生命の根源的な美しさを音で表現する、幻想的な音響叙事詩となっている。電子的な処理と生楽器のオーガニックな響きが絶妙なバランスで溶け合い、リスナーを内省的ながらも浮遊感のある深いムードへと誘う。録音はカナダ・モントリオールのThe Pinesで行われ、アナログ録音による柔らかな質感も魅力。

12月上旬入荷予定。オーストリアのバンドRadianの中心人物である打楽器奏者、音楽家Martin Brandlmayrによるソロアルバム『Interstitial Spaces』。本作では彼の特徴である緻密で非定型なリズム、グリッチ・ノイズ、そして静謐な音響デザインが融合。自身の演奏に加え、フィールド録音やテレビ広告、演奏準備のざわめきなど、何気ない音を精密に編集し、聴覚の感度を研ぎ澄ます。その音響構成は、音楽と非音楽の境界を曖昧にしながら、聴く者に聴くことそのものへの意識を促し、何も起きていないように見える瞬間に潜むドラマを、音の配置と沈黙の間で巧みに描き出している。打楽器奏者としての精密なタイム感と、サウンドアーティストとしての空間的な感性が交錯することで、聴覚的な映画ともいうべきリスニング体験をもたらしている。現代音楽、サウンドアート、映画音響の要素が交錯する、静けさの中に深いドラマを秘めた作品。

1月30日発売予定。クラシカルなピアノに、現代的・実験的なアプローチで挑み、現代音楽の旗手として不動の地位を築いてきたKelly Moran。2018年にはOneohtrix Point Neverのツアー・アンサンブルに参加し、FKA Twigsのライブでも活躍。クラシックの領域ではMargaret Leng Tanの作曲を手掛ける一方、Kelsey LuやYves Tumorといったアーティストとも共演してきた彼女が、最新作を〈Warp Records〉より発売!
自動演奏を取り入れた前作『Moves in the Field』に続く二部作を締めくくる本作は歪みや反射、そして自分自身を少しずつ取り戻していく緩やかな営みを探求する作品である。レーベルメイトであるBibioを迎えた本作の全10曲は、音のテクスチャーが屈折しながらきらめきを放ち、自己との再接続と集中へと向かう没入的な旅路を描き出している。
え

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)3月13日発売予定(変更となりました)。即興と瞑想を融合させた新時代のアンビエント・ジャズ・アーティスト、ナラ・シネフロがベニー・サフディ監督によるA24の新作映画、『The Smashing Machine』の音楽を担当!自身初となるサウンドトラック・アルバムのリリース!!
ジャズの感性、ハープとモジュラー・シンセが奏でる瞑想的なサウンド、そしてフォーク音楽やフィールドレコーディングを融合させた独特の世界観で、広く賞賛を集める作曲家ナラ・シネフロが、自身の初となるサウンドトラック作品『The Smashing Machine OST』を〈Warp〉よりリリース。
映画『The Smashing Machine』は、ベニー・サフディが監督を務め、“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンが主演。伝説的な総合格闘技 & UFCファイター、マーク・ケアーの生涯を描いたA24の最新作だ。
『The Smashing Machine OST』は、作曲・プロデュース・編曲・ミックス・マスタリングに至るまで、すべてをナラ・シネフロ自身が担当。ロンドンで行われたレコーディングには監督のベニー・サフディも立ち会い、ジェイムス・モリソン (sax)、ヌバイア・ガルシア (sax/fl)、モーガン・シンプソン (ds)、シーラ・モーリス・グレイ (hr)、ライル・バートン (syn)、マーク・モリソン (g)、ドウェイン・キルヴィントン (syn-bs)、そして『Endlessness』でも弦楽を提供したロンドンの若手音楽家からなるオーケストレイトなど、彼女の常連コラボレーターたちが参加。
瞑想的で空間的、そして広大なナラの音楽は、一見レスラーの物語には矛盾して映るかもしれない。だが彼女はその物語に深く共鳴し、内に潜む柔らかさや感情を掬い取っている。ペダル・ハルモニウムはレスラーたちの重量感を映し出し、上昇するシンセ・スライドは恐怖や痛み、依存の緊張感を描き出す。中でも「KO」では、シンセが超自然的な悲鳴を呼び起こし、不安を極限まで高めている。サウンドトラック全体はナラらしい広がりと温もり、美しいストリングス、抑制されたテーマ、悠然としたハープを湛えつつも、敗北の恐怖、依存、脆さ、痛み、火山のような人間関係、プレッシャー、そして恍惚といった映画のテーマに合わせて一層研ぎ澄まされている。
ナラ・シネフロの瞑想的で空気のように漂う音楽は、一見レスラーの物語には矛盾して映るかもしれない。だが彼女はマーク・ケアーの物語に深く共鳴し、彼女はその中に隠された柔らかさや感情を敏感に掬い取っていった。作品全体はナラ・シネフロらしい広がりと温もり、美しいストリングス、抑制されたテーマ、悠然としたハープを湛えつつも、敗北の恐怖、依存、脆さ、痛み、火山のような人間関係、プレッシャー、そして恍惚といった映画のテーマに合わせて一層研ぎ澄まされている。その一例として、タイトル曲では、モーガン・シンプソンとナトシェット・ワキリという二人の凄腕ドラマーが、実際の格闘シーンに合わせて演奏し、まるで自らが戦っているかのように鋭く俊敏で攻撃的なプレイを披露。スネアは打撃、地鳴りのようなキックは高鳴る心臓を思わせる演奏を繰り広げている。
A24製作による映画『The Smashing Machine』は、格闘家マーク・ケアーの実話を描いた作品で、主演はドウェイン・ジョンソンとアカデミー賞ノミネート俳優のエミリー・ブラント。第82回ヴェネツィア国際映画祭でワールドプレミア上映され、15分間に及ぶスタンディングオベーションを受け、ベニー・サフディ監督が銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した。
…エクスペリメンタル・ジャズの作曲家ナラ・シネフロによるサウンドトラックは、渦を巻くようなハープと息づかいを感じさせるサックスで構成されており、殴打の衝撃から最もかけ離れた響きを持つ音楽と言えるだろう。だが、リングの内外でのカーの闘いに寄り添う音楽として、不思議なほど完璧で、この荒々しい物語に意外にも甘美で、さらにはスピリチュアルな側面を与えている。『Smashing Machine』は、これまでになく“smashing”な仕上がりだ。
- The Daily Telegraph

12月12日発売予定。かつて坂本龍一のリミックスも手がけ、宇多田ヒカル、ビョーク、
ザ・ウィークエンド、フランク・オーシャン、ロザリアなど
数多くの著名アーティストとコラボを重ね、
ここ日本においても絶大な支持を得るアルカ
象徴的なミックステープが、初のアナログ盤としてリリース決定!!!
アルバム『KICK』シリーズの幕開けに先立ち、まるで大地を焼き尽くすかのように発表された本作は、62分にわたり移ろい続ける多層的な音の世界を描き出す、彼女の最も繊細で驚異的な作品のひとつ。ハードでありソフト、エモーショナルであり苛烈、誠実であり遊び心に満ちた音世界。2枚組アナログ仕様で、D面は楽曲の代わりにアートワークを刻んだエッチング仕様。

12月中旬入荷予定(変更となりました)。ネブラスカ州オマハ出身のドラマー兼作曲家であるAmbonisye Lord Shepherdが1981年に自主制作した、ソウルとジャズが深く融合したスピリチュアルなアルバム『Evidence For Real』。長らく幻とされてきた名盤が、〈Frederiksberg Records〉により40年以上の時を経て初の公式リイシュー!母の死をきっかけに始まった精神的な旅路を音楽に昇華した、深いパーソナルな物語性を持つアルバムで、ネブラスカ州オマハの黒人コミュニティ24th & Lake地区で育った彼は、音楽を通じて癒しと高次の意識への到達を目指し、ハリウッドやハーモサビーチのスタジオで親しい仲間たちと深夜のセッションを重ねた。ベースのEssiet Essiet、キーボードのRené Van Helsdingen、サックスのReginald Alexanderら実力派ミュージシャンが参加し、ジャズ・ファンクやソウル・ジャズ、語りかけるようなヴォーカルと即興演奏が交錯する豊かな音楽世界が展開されている。個人の物語と普遍的な探求が交差する音楽的ドキュメントであり、静かな輝きを放つ、スピリチュアル・ジャズの隠れた名作。

1月下旬入荷予定(遅延発生しております)。Mohammad Reza Mortazaviが長年取り組んできたトンバクやダフなど、ペルシャ打楽器への探究をさらに進めた一作『Nexus』。これまでも驚異的な指使いや独自のリズム構築法で打楽器そのものを再発明したとも評されてきたが、本作では初めて声やエフェクト、電子的処理を取り入れている。電子音は決して表層的な装飾ではなく、楽器の響きやリズムを拡張する役割を果たし、彼の音楽観をより深く掘り下げる方向に作用しており、打楽器ソロのダイナミズムとアンビエント的な没入感、そして声や電子音による精神性がひとつに重なったサウンドとなっている。アメリカの映像作家ジョーダン・ベルソンによるカバーアートとも共鳴する、ミニマル・アンビエント、クラブ的な文脈から出発しながらも、その枠を超え、打楽器の未来形を提示しようとする作品。
2026年2月上旬予定。『腹ふり』に続く、1994年発売の大傑作2ndアルバムが遂に待望の初アナログ化!
ビクター移籍後第一弾となる、北澤組との2作目『駐車場のヨハネ』がLPリリース! 1979年にパンク・ロックバンドINUを結成し、1981年『メシ喰うな!』でメジャーデビュー。俳優としても活躍する中、作家としては2000年に「きれぎれ」で芥川賞を受賞。町田町蔵(康)の文学的で独自の世界観溢れる歌詞と鬼気迫る歌声、北澤組の凄みある演奏により完成した全10曲を収録した必聴盤です。
