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スイス・ジュネーブ拠点のレゲエ・コレクティヴ The 18th Parallel と、スペインの名エンジニア Roberto Sánchez がタッグを組んだ「未来派ダブ実験シリーズ」の第1章『Dub Avalanche Vol. 1』。Fruits Recordsのアーカイヴから厳選された10曲のクラシック/未発表リディムを、The 18th Parallelの生演奏をベースに、Roberto Sánchezがエコーやリバーブを駆使してダブ化して再構築。The Viceroys、Lone Ranger、Cornell Campbell、Dennis Walksといったレジェンドの声の断片が点描のようにエコーの中に一瞬現れては消える。現代的かつ本格的なダブ作品。
南条麻人、Acid Mothers Templeの河端一、Ruinsの吉田達也という日本アンダーグラウンドを象徴する3名が1997年に残した幻のセッションが、ついに初の正式LPとして復活。Mainlinerの轟音ヘヴィ・サイケと、Musica Transonicの即興性/破壊的エネルギーが真正面からぶつかり合う記録で、さらなるサイケデリックの深淵へと突き進む姿を捉えている。河端のギターは暴れ、南条のベースは地鳴りのように唸り、吉田のドラムが空間を切り裂く。10分超の重量級トリップ「Solid Static」を筆頭に、ノイズ、サイケ、フリージャズが溶け合う、90年代ジャパニーズ・サイケ特有の濃さに満ちた内容でありながら、今の音としても聴ける鮮度を持つ、日本サイケ、ノイズ史の重要断片。
女性ディージェイのパイオニアとして知られるSister Nancyが、Channel Oneスタジオ録音、Winston Rileyプロデュースという黄金布陣のもとで生み出した、80年代初期ダンスホールの決定的クラシック『One, Two』。世界で最もサンプリングされるレゲエ曲のひとつ「Bam Bam」をはじめ、タイトル曲「One Two」、「Transport Connection”」など、今なおプレイされ続ける名曲を多数収録。Channel Oneの名手たちが多数参加し、跳ねるベース、ミニマルなビート、Nancyの軽やかで芯のあるトースティングが一体となった、ダンスホールの歴史を語るうえで欠かせない不朽の名盤。

2026年リプレスです!昨今の実験音楽界隈を大いに賑わせる、全盛期真っ最中のイタリア人パーカッション奏者であり、Holy TongueやTomagaでの活動も大人気のValentina Magalettiと、リスボンの名門〈Príncipe〉クルーとしても知られるアフリカ系ポルトガル人アーティストNídia による共作が、パリ拠点の先鋭レーベル〈Latency〉より到着。それぞれの特異なビートメイキング・センスを融合させ、現代のダンス・ミュージックに新たな風を吹き込むエキサイティングな一枚!シンコペーションされたドラム・パターン、脈打つマリンバのライン、メロディックなインタールードを通して、多様でありながら普遍的な音楽言語を探求し、ポスト・クラブ/アフロ・エクスペリメンタルの地平を鮮やかに更新するような、近年でも稀有な傑作。名匠Kassian Troyerの手により〈Dubplates & Mastering〉にてマスタリング。
Culvert Dub Sessions待望のヴァイナル第二弾!Napalm Deathの一員として知られ、のちにScornやLullでインダストリアル/ダブの深層を切り拓いてきた鬼才、Mick Harris。その最新アルバムが、米国インダストリアル/ロウ・テクノの一大拠点〈L.I.E.S.〉よりアナログ・リリース。ベースの重低域とざらついたテクスチャーが、深海へ潜航するような音響世界を描き出す全8曲を収録。ディレイとリヴァーブが彫刻のように反復され、ダブの減衰とノイズの質感が折り重なりながら、陰影に満ちた空間を構築。光なき領域を探るような本作は、まさにインダストリアル・ダブの極北を体現する重厚な一枚です。

60年代からハモンドオルガンの名手としてUKのジャズ・ロックシーンを牽引し、70年代には自身のバンドOblivion Expressでファンクやフュージョンの領域を完全に切り開いた巨匠、Brian Auger。そのOblivion Expressによるの2作目『A Better Land』は、前作のハードなジャズ・ロック路線から一転、アコースティックで牧歌的、温かい空気感に満ちた作品。本作の鍵を握るのは、ギタリストJim Mullenで、英国的フォーク、カントリーの香りを持つメロディを導入。そこにAugerのオルガン、エレピが色彩を添え、ソウル・ジャズのグルーヴとメロディアスな歌心が共存する独自のサウンドが生まれている。「Dawn Of Another Day」「Women Of The Seasons」など、穏やかな曲調の中にサイケデリックな陰影が差し込むのも魅力。彼のディスコグラフィー全体を見渡しても極めて異質で、同時に時間が経っても色褪せない美しい輝きを放ち続ける名盤。

アメリカン・ミニマリストの正統を継ぐ作曲家、ジェフ・ブルーナーのキャリア初となる作品集。アンプリファイド・カリンバを多重録音した大作、リー・ペリーもヴァン・ダイク・パークスも驚く脱構築主義Sci-Fiポストパンク・カリプソレゲエ、メランコリックな美しさで彩られた器楽曲あわせて4作品を収録し、この知られざる作曲家の美しく風変わりな音楽を紹介します。
『Four Corners』は、米西海岸のミニマリスト作曲家ジェフ・ブルーナーの半世紀にわたる興味と様々な側面を紹介する初の単独作品集です。ここに選ばれた1970年代から2020年代までの楽曲は一貫した美的関心のもとに作曲され、伝統を礎に、独自の視点で変化を加えた奇妙で魅力的な音楽集になっています。ブルーナーは同郷の作曲家ハロルド・バッドやダニエル・レンツと親交があり、テリー・ライリーやジョン・アダムスといったミニマル/ポストミニマル作曲家の音楽との関連性も彼の諸作にはっきり伺えます。
そんな本コレクションの重要曲である「Magic Mbira(魔法のムビラ)」(1979年)は、ライリー風の要素を、レンツのカスケード・エコー・システムを彷彿とさせるテープディレイの音響処理で巧みに構築した傑作。このアンプリファイドされたムビラ(カリンバ)のための曲は、クラシックの伝統的なリサイタルホールを抜け出し、より開かれた場で演奏したいという願望においてローランド・P・ヤングの名作『Isophonic Boogie Woogie』とも親和性を持ちます。
ブルーナーの特異な側面は、SF映画『Foes』のプロモーション用に制作された脱構築主義カリプソレゲエ曲「Reggae Foes」(1978年)に現れており、このD.カニンガム/D.トゥープを濾過して歪ませたブラックアーク・サウンドのような世界感を、クラシック流儀の作編曲で達成していた驚くべき作品です。また、ガット弦のフレットレス・バンジョーでアメリカン・フォークソングを再構築した「Cold Rain and Snow」(2020年)、レンツに捧げられたピアノ曲「Remembrance in a Pale Room」(1995年)という、メランコリックな美しさで彩られた2つのソロ楽器のための曲も収録。ブルーナーによる曲解説と貴重写真、「Magic Mbira」の楽譜付き。
オーストラリアのダブ・パイオニア、シェリフ・リンドの2ndアルバム『Aftershock Dubs』(2014年)を、ご要望にお応えし12年ぶりアンコールプレス!リンド保安官のレゲエへの愛と知識とソウル・サイエンスが凝縮した、ダブの歴史における重要なピースとして国際的に評価された続『Ten Dubs』ダンスホールDUB傑作!
『Aftershock Dubs』は、ダブの伝説的名盤として世界中で愛される『Ten Dubs That Shook the World』(1988年)以来、約25年ぶりとなる南半球のダブマスターの「第2のアルバム」として注目され、エム・レコードにとっても初のダンスホール仕様のリリースとなった記念すべき一枚です。1stアルバム以降、ほとんどリリースの無かったリンド保安官ですが、地元のサウンドシステム現場のため音楽制作を続けていました。本作は、自身の《4/5 Studios》で1990年から2005年にかけて録音されたダブプレート集で、スタジオの技巧を凝らした遊び心あふれる内容であり、非常に深い重低音が特徴の秘密兵器アルバムです。ジャマイカからも英国からも遠い土地で、このような発展を遂げ、何処にも似ていないダンスホールを確立していたことは驚異というより他はありません。オリジナル世代のルーツ・ファンから、デジタル、ニュールーツ世代に至るまで、幅広い層の頑固なベースミュージック愛好家を唸らせるヘビー級の内容は、最初から最後まで非の打ち所がないクオリティであると絶賛されています。 選曲は、サウンドシステム「タッチ・ザ・スカイ」のHigh-Cとトラックメーカー/エンジニアのRuv Bytesこと倉谷拓人。
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一般にダブとはVo.入りの原曲があり、そのリズムをエフェクトなど施して強調させたものが主流だが、シェリフの場合は原曲など存在しない生粋のダブ・リズムに美点が置かれている。楽曲に登場する音はひとつひとつが厳選され、エフェクトが加わり、ほどよい「やり過ぎ」感には自然と首を振ってしまう。ジャマイカやUKのエンジニアに影響を受けたダブワイズは、オリジナリティーと十分な頑固さが加わり、今も実に耳新しい。この『アフターショック・ダブス』に刻まれた80-90年代のワン・ドロップ、初期デジタル・レゲエ、ステッパーなリズムなど、 その幅広さには彼のレゲエ/ダブへの惜しみない愛情を感じる。ロー・ボックスからどっしり押し出されるベースに加え、ホーン・ドライバーから発射される音の緻密さと奥行きは、彼ら一派によって豪州でサウンドシステムが稼働し始め、スペシャルをプレイして実験を重ねたことの大きな成果だと思う。長年かけて鍛えられた音源を聴くと、シェリフの「Me Deh Yah!」という声がはっきり聞こえる! (宗重敦志 aka High-C)

BOREDOMSのYoshimiO率いる日本のエクスペリメンタル・ロックバンドOOIOOと、米ロードアイランドのノイズロック・デュオLightning Boltという、どちらも唯一無二の音楽性を持つバンドによるスプリットLP。OOIOOは、ガムラン、ポリリズム、アクロバティックなヴォーカルを駆使し、儀式音楽とサイケデリック・ロックが渦を巻くようなトランス空間を形成。Lightning Boltは、爆走ドラムと巨大なファズが暴れまわりつつ、先行公開曲CLOUD COREに象徴されるように、混沌の中から奇妙なメロディが立ち上がる。両者に共通するのは、無邪気な解放感と蒸気機関のような推進力。OOIOOの螺旋的リズムとLightning Boltの暴走ノイズが、対照的でありながら同じ精神性で響き合い、スプリットでありながら一つの大きな作品として成立している。

Fuubutsushiのコア・メンバーとしても絶大な支持を集める、アメリカの音楽家Chaz PrymekとM. Sageによるデュオが、6年ぶりに届けた最新作『Shelter』。コロラド州の山間にあるM. Sageの新スタジオで録音された本作は、ギターとピアノのファーストテイクの即興を中心に据えた、親密で穏やかなアンビエント作品。エレキギターの柔らかな残響と、ピアノの静かなタッチが寄り添うように重なり、そこへスライドギター、アコーディオン、クラリネット、リコーダー、控えめなシンセが淡く色を添える。アメリカーナの牧歌性と室内楽の静謐さが溶け合い、山の風景をそのまま録音したようなパストラルな音世界が広がる。即興性の高さと音の余白はアンビエント・ジャズや ECM 系の静けさにも通じ、時間がゆっくりと流れていくような、心地よくも成熟した対話。
アイルランドの伝統音楽の常識を覆すダーク・フォーク・バンド、Lankumのフロントマンであり、その卓越した音楽的探求心とアイルランドの呪われた歴史、伝承を受け継ぐIan Lynchによるソロ・プロジェクトOne Leg One Eyeによる、前作『…And Take The Black Worm With Me』で提示した、アイルランド神話の深層を掘り起こすドローン・フォークを、さらに強烈な形で押し広げた2ndアルバム『CRONE』。本作は、アイルランド神話に登場する主権の女神をテーマに制作され、怒り、狂気、美しさが同居する儀式的で呪術的な音世界が展開。重く濁ったドローンの層に、語り・祈り・呪文のような声が絡みつき、伝統的なフォークの枠を完全に逸脱した、神話の深層へ潜る音楽として成立している。ゲストにはアイルランド演劇界の重鎮Olwen Fouéréが参加。老いた女神の化身のような圧倒的な声が、作品全体に霊的な緊張感を与えている。
日本人プロデューサーのShin Watanabeによる、「Ethos Mama Trax」と「Red Zone Trax」の2シリーズをまとめた、全13曲入りのロウ・ハウス、ガラージ・ハウス集の2LP作品『Red Zone / Ethos Mama Trax』がNYアンダーグラウンドの最重要レーベル〈L.I.E.S.〉から登場。TR系ドラムの乾いたアタック、TB-303のアシッドなうねり、テープに焼き付けたようなローファイ感。90年代シカゴ〜NYの地下クラブを思わせる倉庫系ハウスの空気が全編に漂う。「Ethos Mama Trax」はよりディープでサイケデリック、「Red Zone Trax」はストレートにフロアに映える。2つのキャラクターが交互に現れることで、ロウ・ハウスの多面性を一気に体験できる構成になっている。

ベルギーのベーシスト、作曲家のSimon Beeckaertが、4年の制作期間を経て完成させた初のソロ・アルバム『Schönen Abend』。〈Souvenirs From Imaginary Cities〉の、架空の都市からの土産というテーマを、エレクトロニック、クラウトロック、ライブラリー音楽、ジャズを自由に横断するサウンドで体現した一枚。ミニマルなビートと曖昧に揺れるシンセの上を、Adia Vanheerentalsのサックスが柔らかく漂い、Nina-Joy Thielemansのヴォーカルが幽玄な陰影を添える。Patrick Cowley『School Daze』や細野晴臣の初期電子音楽、Crammed Discs周辺のストレンジ・エレクトロニック・ジャズを思わせる質感が随所に現れる。港町アントワープの空気を閉じ込めた、夜の散歩のように静かで、どこか夢の外側にいるような音楽。

7月下旬再入荷。ロシアはサンクトペテルブルグ出身、アルメニアを拠点に活動するSergey Dmitrievによるプロジェクト、Purpurniy Dyadyaの最新作『La Ho』が、ベルギーの〈Souvenirs From Imaginary Cities〉から登場。Susumu Yokotaの『Sakura』やHuerco S.を思わせる、第四世界、ローファイ・アンビエント、ダブが有機的に溶け合う非常に独自性の高い音像。子供の頃の古いカセットテープやロシアのアンダーグラウンド・ヒップホップをサンプルソースにMPCでジャムアウトされた本作は、鳥の声や環境音が心地よいシンセの中に浮かぶ「Taiga」、フォークの断片と霊的なパッドが交差する「Chara」、そしてダブの底流へと深く沈み込んでいくような終盤のトラックまで、異世界の風景を次々と渡り歩くような浮遊感が全編を貫く。哀愁を帯びたアコースティックの響きと粗削りな電子音が、卓越した感性によって詩的に編み上げられた、現行ローファイ・アンビエントの極上盤。

Suzanne Kraftらが関わる新レーベル〈Soft Rock For Hard Times〉より、軽やかでメロウ、そして少しサイケなバレアリック・ロックをおさめたBrochureの7インチ『Joking』が登場。A面「Joking」は、柔らかいギターと淡いシンセが揺れる、心地よく軽いバレアリック・グルーヴ。ケベックのポップ、ディスコ・シンガーであるCeline Lomezが1970年代に発表した哀愁あるミディアム・ナンバーのカバーで、70〜80年代の甘さを、現代的なローファイ質感で包んだような、ゆるくトランスするソフトロックといったムード。B面にはUniversal CaveのコアメンバーOsprey2によるリミックスを収録。ディレイやエフェクトを深く効かせながらも、ファンキーで推進力のあるクラウトロック的な魅力も感じさせる、奇妙でサイケデリックな仕上がり。

LAのプロデューサーSuzanne Kraftが、Universal Caveと共に立ち上げた新レーベル〈Soft Rock For Hard Times〉の第1弾としてリリースの7インチ『What You Do To Me』。本作は、ピッツバーグのローカルバンドSugar Caneが、1980年に残した45枚限定の激レア7インチ曲のカバーで、原曲の私家盤ソウル、ソフトロックの甘いムードを丁寧に残しつつ、Suzanne Kraftらしい柔らかいシンセとメロウな空気感をまとわせて、現代的なバレアリックやAOR的な感覚へとアップデートしている。A面には、Jordan GCZがシンセソロで参加し、メロディの切なさと浮遊感を引き上げている。B面にはSecret Circuitによるヘヴィーで深いダブ・ミックスを収録。幻のローカル・ソウルを現代の耳で蘇らせたSuzanne Kraftのセンスが光る秀逸な7インチ。

弊店でもベストセラー作家であるイタリアの音楽家Roberto Musciを、アンビエント/ニューエイジ/バレアリック新時代に歴史的遺産を提示する名レーベル〈Music From Memory〉が編集し、多数の未発表曲も収録した名盤が2026年リプレスです!
音楽を学習する為に1974年から1985年の間にインド~アフリカ~アジア諸国を放浪。その間多くの現地録音を行い、帰国後にシンセサイザーや当時の電子機器を用い、フィールドレコーディング素材から生まれる霊魂を瑞々しく昇華させた異国新世界アンビエンスを展開。どことも言えない透き通った異国の風景は匂いも色も無く、ただ頭の中で霧のように広がって異人が生活を築くような..."アンビエント"や"ワールド"を超えて移り変わる景色にただただ虜にさせられます。未発表も多数含み、これは絶対に見逃せません。
1965年5月1日、NYタウンホールでのライブを収めた、フリージャズ史の象徴的作品。わずか20分の演奏ながら、Donald Ayler (tp)、Charles Tyler (as)、Lewis Worrell (b)、Sonny Murray (ds)と共に、Albert Aylerの音楽の核心がむき出しになった圧倒的な記録で、特有の単純明快なマーチングやフォークソング的なメロディが、瞬時にフリーな咆哮へと解体されるカタルシスに溢れている。洗練された芸術としての音楽ではなく、その存在を懸けて発する生々しい振動。

2021年初回プレスが即プレミア化した待望の再プレス。ヒプノティックで官能的なエスノ・ニューエイジを収録したガブリエル・ロスと彼女のバンド、ザ・ミラーズによる30年の軌跡。
2025年版新プレスでは、新たなラッカーカットによる高音質化を実現し、全4ページの新ライナーノーツを追加収録。ガブリエル・ロスの背景物語、5Rhythmsの思想、そしてロスのパートナーでミラーズのプロデューサーだった故Robert Ansellへの追悼を含むより深い文脈で再構築された決定版。
ババトゥンデ・オラトゥンジ、マイルス・デイヴィス、ファラオ・サンダース、パティ・スミス等のバックを務めた凄腕ミュージシャン達が多数参加し、合計数千枚以上のCDを売り上げているにも関わらず、ガブリエル・ロス&ザ・ミラーズの音楽は彼等のネットワークの外にはあまり知られていない。ダンス・ワークショップのサウンド・トラックとしてライヴの即興演奏から産まれた彼等の音楽はそもそも音楽業界からの賞賛を求める性質では無かったのだ。
実験的心理学からサイケデリック・カウンター・カルチャーを通じてガブエル・ロスは70年代後半に彼女独自で「ファイヴ・リズム」というムーヴメント瞑想の理論を確立。古代シャーマンやギリシア神話の時代から伝わる「エクスタティック・ダンス」の概念とその方法論を現代に蘇らせ、現在は世界50カ国、400人以上の公認講師を持つ国際的なワークショップへと成長させた。ここで使われる音楽はババトゥンデ・オラトゥンジのバンドで長年メンバーを務めたドラマー数名による即興演奏が主体となり、ネイティヴ・アメリカンのシャーマン音楽からアフロ・ブラジリアンのカンドンブレ、ヨルバ信仰に至るまで幅広いルーツ音楽のリズムを下地に、その場で雇われたNYが誇る数々の凄腕音楽家達彼女のダンスからインスピレーションを受けた即興演奏をレコーディングして行った。
「私達のレコーディングではプロデューサーであるガブリエルや私からはそれぞれのミュージシャンに対してこういう風に演奏してくれと指示した事は一度も無かった。」ガブリエル・ロスの夫で元凄腕弁護士だったロバート・アンセルは30年以上の歴史を振り返りこう語る。「たまにガブリエルが”山の上に立ってる時に風が吹いてくる感じ!”と言った抽象的なアイデアを提案する事はあっても実質的な演奏に関して口出しをする事は無かった。だから結果的に私達の音楽は私やガブリエルの音楽的ヴィジョンでは無く参加した全てのミュージシャンによる集合的ヴィジョンなんだ」ダンスという根本的なテーマを元に繰り広げられたレコーディングは出所不明のフュージョンとなり、中東を思わせるメロディがあったり、ディジュリドゥからトーキング・ドラムなどの西アフリカの楽器まで世界中の様々な民族楽器がフィーチャーされ、スピリチュアル・ジャズ、クラウト・ロック、エレクトロニック・アンビエント等、様々なジャンルが万華鏡の様にオーガニックなリズムの上に繰り広げられる。80年代半ば、まだニュー・エイジ音楽がシンセサイザーや自然の環境音だけで成り立っていた当時、彼等のドラムを主体としたアンビエント音楽はどこからも敬遠され、最終的にロバートは自らのレーベルを発足し作品を発表。ガブリエル・ロスのカリスマ性やファイヴ・リズムの普及もあり、民族楽器や打楽器を多様するエスノ・ニューエイジ音楽の先駆けとなった。
彼等の合計66曲に及ぶ広大なカタログの中からコンパイラーであるポル・ヴァルズは「出来る限り彼等の色んな音楽的側面や感情を集めた」という。感情的なものからエソテリック、スピリチュアル、メランコリック、ヒプノティック、ダーク、またはそれらの要素が複雑に絡み合った楽曲群を収録。アートワークはロンドン在住人気女性DJのドナ・リークによる力作。

大成功を収めた前作から更に日本のレゲエポップの歴史を掘り下げるコンピレーション第2弾。ラバーズやニュー・ウェーヴを昇華させ、それまでの日本やジャマイカのどちらにも無かった多彩で実験的なサウンドを探求した入手困難な激レア音源を数多く収録した傑作集!
坂本龍一が生まれて初めて日本を離れたのは1978年。彼が向かった先はアメリカでもヨーロッパでもなく、なんとジャマイカだった。Y.M.O.はデビューアルバムのリリースを目前に控えていたが、坂本はキングストンにあるダイナミック・サウンド・スタジオで日本のアイドル歌手、テレサ野田の曲でシンセサイザーを演奏するために招かれていた。バンドにはジャマイカが誇る精鋭ミュージシャンが集い、あのリタ・マーリーも参加。あまり知られていないエピソードだが、この時から坂本はダブに目覚め、同時に日本全体におけるレゲエへの情熱的な愛の始まりを告げる事になる。
日本が誇る先駆的音楽家の加藤和彦がプロデュースし、坂本が参加したそのテレサ野田の2楽曲「トロピカル・ラブ(A1)」と「イエロー・ムーン(B4)」はフィラデルフィア・ソウルばりの豪華なストリングスやホーンがフィーチャーされ、奇しくも同じ年にイギリスで産まれたラバーズロックよりも更に洗練されたポップ感を誇るレゲエとして本作の冒頭と最後を飾る。他に収録された楽曲の多くも、80年代のグローバル化する音楽的傾向を助長するような形で当時のシティ・ポップ・サウンドに爽快な異国情緒が加わり全く新しい音楽を生み出している。
京都のポスト・パンク・バンド、EP4のキーボーディスト、川島”Banana”裕二がサウンドプロデュースを務めた井上陽水の「あなたを理解(A2)」はニューウェーヴ以降のレゲエ・リドゥムの上にASMRを先取りしたような謎の音が随所に散りばめられ、実験的で遊び心の効いたダブ処理が施されており、陽水のシュールな歌詞と相まり独特の世界感を演出。さらに、石黒ケイはJレゲエの草分け的存在であるペッカーを迎え入れ、スティービー・ワンダーを彷彿させる大胆な楽曲『レッド・ドリップ(B2)』を生み出した。
グレイス・ジョーンズに代表されるスライ&ロビーやワリー・バダロウのスタジオ・ワークの代名詞とも言えるコンパス・ポイント・スタジオの影響が色濃く現れているのがジューシィ・フルーツによる「オ・シ・エ・テ・ア・ゲ・ル(A3)」や、なかやまて由希による「3/Trois - トロワ(A4)」。南理沙の「蒼いジャマイカ(B1)」の歌詞には説得力が欠けるものの、ドラムマシンを用いた非常に独特なリドゥムはジャマイカの影響よりも様々な意味で当時の日本社会をより反映した作品になっている。
前作がシティ・ポップ系のサウンドを中心とした選曲に対して本作ではより幅広く実験的な作品が並ぶが、その最たる例が亜蘭知子と清水靖晃、そしてマライアとのコラボレーションによるハイブリッド・ダブ・ポップの「悲しきボードビリアン(B3)」で、レゲエがここまで遠く旅をしてまったく新しい形に再構築されているのが分かる。このようにして日本のレゲエは西洋の文化的支配権とは異なる音楽言語を築き、当時の資本と創造性によって形作られた非常に独特な世界観に到達していた事に気づく。

ストックホルムの名門〈XKatedral〉が10周年を記念して編んだ、レーベルに関わる作曲家たちが2014〜2025年に制作したゆっくりと進行する和声と音色の音楽を集めたコンピレーション『XKatedral Anthology Series III』。収録作は Kali Maloneによる純正律のオルガンと弦楽器が下降旋律を描く「My Falling Sinks」、Maria W. Hornによる、アルヴォ・ペルトのティンティナブリ技法を厚みのあるシンセの揺らぎに適用した「Empyrean Flare」、Zia Mohiuddin DagarやPendereckiからの影響を示すStephen O’Malleyの「Smoking Mother」など、アコースティックと電子音、倍音と残響、生成と偶然が交差する作品が並ぶ。全体として、長い持続音と倍音の揺らぎ、静寂と残響の間が核心となり、宗教音楽的な荘厳さと電子音響の冷たさが同居する、深く精神的な世界が展開される。シリーズ I・II と並び、レーベルの美学を最も純度高く体験できる決定的アーカイヴ。

アンビエント・ポストロックの名盤として語り継がれる、TristezaのギタリストJimmy LaValleのソロ・プロジェクトThe Album Leafの2001年作2ndアルバムが、〈Numero Group〉より25周年記念盤としてリマスター再発。オリジナルはTristezaのツアーの合間に制作され、繊細なギター、淡いピアノ、柔らかなシンセ、フィールドレコーディング、控えめなパーカッションが溶け合う、内省的な作品。ギターのアルペジオやピアノのモチーフがゆっくりと重なり、環境音がさりげなく混ざり込む、穏やかな高揚を感じさせるアンビエントとポストロックの間を漂うような質感。25周年盤はオリジナルの構成を忠実に再現しつつ、Adam Gnadeによる新規ライナーノーツと未公開写真を追加したアーカイヴ仕様。

1986年に発売された幻の名盤が、ハイパーソニック・エフェクト音響処理 × ハーフスピード・マスタリングによる高精度ハイテク・アナログ盤として蘇る。
芸能山城組の創設・指揮を務める山城祥二(本名:大橋力)は、東京大学大学院で文化人類学を修め、東京藝術大学で教鞭をとった研究者。文明と音文化の関係を、学術と芸術の両面から探求してきた。学者としては大橋力名義で研究を、作曲家としては山城祥二名義で創作を続けている。
1974年に結成された芸能山城組は、医師、教育者、ジャーナリスト、エンジニア、学生など、多様なバックグラウンドを持つ人々によって構成され、「職業音楽家を原則として迎えない」という理念を貫いている。生命科学、脳科学、数理科学、心理学、情報工学などの分野で博士号をもつメンバーも十名を超え、科学と芸能を同じ地平で実践するその姿勢は、まさに彼等の掲げる“行動する文明批判”の体現である。
『輪廻交響楽(Ecophony Rinne)』は、それまで彼等が実践を積み重ねてきたブルガリアの合唱、ジャワ島のガムラン、アフリカの環境音、電子音、仏教声明など、多様な音が交わり、生と死、再生の循環を描く壮大な四部構成の“エコロジカル・シンフォニー”。古代と未来、自然とテクノロジーが同時に息づく、唯一無二の音響宇宙が広がる。
山城が後に提唱した「ハイパーソニック・エフェクト」は、人間の可聴域(20kHz)を超える高周波が脳や身体に直接影響を与えるという理論。その発想の源は、『輪廻交響楽』の発売当時のアナログ盤とCDを比較した際に感じた“音の生命感の違い”にあった。彼はその後、科学的にそれを検証し、可聴域を超えた音を扱う録音・再生システムを設計し、その効果を音楽表現に実装することに成功。
今回の再発では、その理論をアナログ盤で実践するという前例のない試みが行われた。英名門アビーロード・スタジオにて、ハーフスピード・マスタリングの世界的第一人者マイルズ・ショーウェルがカッティングを担当。通常の倍の精度でラッカーを刻み、カッティング工程で一般的に使われる高周波フィルターをバイパスすることで、耳では聴こえない超高域までも刻み込むことに成功した。
日本のオーディオ文化においても山城氏は長年大きな影響力を持ち、『輪廻交響楽』のオリジナル盤は入手困難な幻の名盤として語り継がれ、オーディオ愛好家の間では音響装置を測る“リファレンス・レコード”として親しまれている。
この音楽は決してBGMではない。深く耳を澄ませ、意識を委ねたとき、音が空間を満たし、身体を通り抜ける。それは「聴く」という行為を超えた、感覚と意識の旅そのもの。
この作品を聴いて衝撃を受けた漫画家・大友克洋は、アニメ映画『AKIRA』のサウンドトラック制作を山城に依頼。『輪廻交響楽』で築かれた音響思想は、『AKIRA』のサウンドデザインと音世界の基礎となり、あの唯一無二の世界観を生み出した。
そして今、時代を超えて刻まれたその音が、再び人々の感覚を揺さぶる。
伝説のサックスプレーヤー、セドリック・イム・ブルックスによる大傑作が待望のリマスター再発!アフリカ音楽、ファンク、ナイヤビンギ、ジャズなどを取り入れ、レゲエの枠を超越、後のライト・オブ・サバに繋がるジャマイカ音楽の大名盤!!
貴重で上質なレゲエ/ダブ音源のアーカイヴァルなリイシューで知られる名門《Pressure Sounds》から再発されるCedric 'Im' Brooksによる7曲入りアルバム『United Africa』は、レゲエ・ファンを超えてワールド・ミュージックやジャズ・ファンの間でもカルト的な地位を築いている。まさにその評価にふさわしい作品であり、70年代レゲエ、アフリカ音楽、ファンク、ジャズが見事に融合した崇高な一枚だ。Brooksはジャマイカ・キングストンの名門音楽学校アルファ・ボーイズ・スクールの出身で、初期の録音はThe VagabondsやThe Granville Williams Bandで行われた。初のソロ音源はトランペッターのDavid Maddenとともに〈Studio One〉で制作され、『Im and David』としてリリースされている。
1970年にはCount Ossieと出会い、The Mystic Revelation of Rastafariに参加。サックスとフルートを担当し、ホーン・セクションのアレンジも手がけた。アメリカとアフリカを行き来しながら音楽的影響を広げ、エチオピアのアディスアベバでも演奏を行っている。そうした多様な音楽的背景が本作に色濃く反映されており、豊かな音楽性とバラエティに富んだ内容を備えた本作は、後のLight of Sabaへと繋がる核心的作品といえる。
作品にはジャマイカ屈指のミュージシャンたちが参加し、ドラマーのTony Allen、も名を連ねている。全7曲ながらエクステンデッド・ミックスを収録し、リマスターが施されている。Cedricは2013年にニューヨークで逝去したが、その音楽的遺産はいまなお生き続けている。
