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1979年にアメリカでひっそりと制作された、USルーツ・レゲエの隠れた名盤がついに復刻。More Relationはニューヨークのジャマイカン・コミュニティで活動していたバンドで、MelodiansやLarry Marshallなど数多くのシンガーのバックを務めてきた実力派。ジャマイカ録音とは少し異なる、USルーツ特有の乾いたビートと、都会的なメロディセンスが絶妙に混ざり合い、スピリチュアルでメッセージ性の強い歌詞が静かに胸に響く。「Jahoviah’s Kingdom」「Solve Them」など、ラスタファリズムを軸にした曲が多く、穏やかなサウンドながらも深みのある内容。バックバンド出身ならではの緻密なアンサンブルも心地いい一枚。
ベルギーのジャズ・ピアニストMarc Moulin率いるPlaceboによる1971年発表のデビュー作で、ジャズ・ファンクの深淵とヨーロピアン・クールネスが交差するレアグルーヴの名盤『Ball Of Eyes』。Marc Moulinによるエレピとシンセの浮遊感あるプレイを中心として、ブラック・ミュージック由来のグルーヴとヨーロピアン・ジャズの洗練が融合。J DillaやMadlibなどのヒップホップ・プロデューサーがサンプリングしたことで再評価された本作は、ベルギー産ジャズの最高峰として、今なお新鮮な輝きを放っている。
クラウトロックの伝説CANが、BBC Radio 1「John Peel Session」で残した1973〜74年の貴重なライブ録音を収めた『Peel Sessions 1973–74』。John Peel Session は、英国BBCの伝説的DJ John Peel が行ったライブ録音企画で、最も実験性が高く、ライブでの即興演奏が評価されたCANの黄金期の生演奏を捉えた貴重な音源。特に「Up The Bakerloo Line With Anne」は約19分に及ぶ圧巻のジャムで、Damo Suzukiの即興的な声の使い方が、セッションの混沌と美しさを際立たせている。
80年代初頭、日本アンダーグラウンドの唯一無二の残像のような一枚、Daisuck & Prostituteによる『Dance Till You Die』。「踊り尽くせ」という命令と警告が同時に響く、妥協のないポストパンクのエネルギーが詰まったサウンドは、ニューヨークのNo Waveを思わせる尖ったギター、ノイジーで異物感のあるテクスチャー、ざらついたヴォーカルに支えられつつ、どこか儀式めいたグルーヴを持っているのが特徴的で、無秩序なようでいて、身体を突き動かす強烈なリズムがあり、ダンスフロアでも異様に機能してしまう。その一方で、聴き心地は決して容易ではなく、鋭利な音の断片が次々と突き刺さってくる。当時は商業的な動きとはまったく無縁で、伝説の地下音源というべきその異様な存在感や妥協のなさは、時代を超えてなお鮮烈に響く。日本のポストパンクが世界的な爆発の只中でどう独自の形をとったのかを物語る重要なドキュメント。
オリジナルは1969年リリースの、ベルギー・アントワープ産、カルト的人気を誇るサイケロック・シングルが待望の再発。A面には、湿り気を帯びたギターリフと荒々しいブルースロックの衝動がぶつかり合う、ベルギー産サイケ特有の暗さが際立つ一曲「The Sun」を収録。英国初期ハードロックの重さと、ヨーロッパ・サイケの陰影が同居する独特のムード。B面には、よりメランコリックなスロウ・サイケ「Wait Until Sunrise」を収録。A面の荒々しさとの対比が効いていて、短いシングルながら強い印象が残る。

ポートランドの作曲家Derek Hunter Wilsonによる、霧に包まれた岬や、波が静かに寄せる砂浜といった風景をテーマに、ハープのループを中心に構築されたアンビエント/ポストクラシカル作品『Sculptures』。ハープ奏者Joshua Wardとの長時間の即興で生まれた生の素材を、時間をかけて削り、磨き、形にしていくという独特の制作プロセス制作。そこにピアノ、ストリングス、ペダルスティールが柔らかく重なり、湿度を帯びた空気や、時間がゆっくりと流れる海辺の静けさが音として立ち上がる。派手さはないが、聴くほどに深く沈み込んでいくような、内省的で美しいアンビエント作品。

アメリカのミニマリスト詩人ロバート・ラックスによる詩の朗読を中心に構成されたサウンド・ポエトリー作品『Living in the Present』。1990年代にギリシャ・パトモス島で録音された音源をもとに、電子音響とフィールド録音、トランペットが繊細に絡み合いなだら、彼の静かな語りが展開され、静けさと言葉の余白を重視した詩の世界が音と共に穏やかに広がってゆく瞑想的な空間を生み出す。言葉と音が互いに干渉せず、静けさの中で共存する構成が印象的で、今この瞬間、というテーマが、音と語りを通じて穏やかに伝わってくる。音楽というよりも詩と環境音の対話ともいうべきもので、詩の余白と音の静けさが溶け合い、聴くという行為そのものに深い気づきをもたらす、稀有な音のドキュメント。

「ホーム・ビフォア・ダーク」はエム・レコードの再発で知った大好きな曲。この曲を、大好きなバンドゑでぃまぁこんがカバーしたら最高だろうな、と思っていたらやはり最高!夢が叶いました。」(坂本慎太郎)
ゑでぃまぁこんが、ノラ・ガスリーの名曲を、坂本慎太郎とゑでゐ鼓雨磨の共作オリジナル日本語詞でカヴァーした、良き出会いの繋がりが生んだ二重三重の夢の結晶。トルソ(TORSO)によるドリーミー管弦楽リコンポジション版をカップリングした夢のWサイダー。(ポップスの神様はまだ日本にいらっしゃいました。)
ノラ・ガスリーのたった1枚のシングル「Emily’s Illness c/w Home BeforeDark」(1967年)は、2009年の復刻リリース以来、マニアの秘匿曲を越えて内外に拡がりました。当初は、19世紀アール・ヌーヴォー的耽美をビーチボーイズ『Pet Sounds』風のサウンドで綴った美しい奇曲「Emily’s Ilness」推しだったのですが(※1)、しだいにB面曲「ホーム・ビフォア・ダーク」がミュージシャン達を魅了しはじめ(※2)、伝えられるところではエゴラッピン、ティーンネイジ・ファンクラブ、テニスコーツ & yumboがライブで取り上げて流布していった模様。しかし、まさかこのような予想もしない素晴らしい録音に出会えるとは!!本作は、もともと坂本慎太郎の発案で、ゑでぃまぁこんバンドでプライヴェート録音したもの(同氏の「P」審美眼にリスペクト)。公開目的ではなかったこの隠密録音の噂がエムに届き、長きにわたる円(縁)のループが繋がったような作品をお届けすることになりました。装丁画はゑでゐ鼓雨磨。
=カップリング曲秘話=
カップリング曲の制作は元曲を知らないトルソに打診し、ゑでぃまぁこん版のヴォーカルと旋律楽器パートを抜いたベーシックトラックを渡して、ほとんど目隠し状態でのリコンポジションを依頼(制作中はググり禁止)。当初はシンプルにOrieとKenjiの演奏を被せた合奏で……という趣旨でしたが、この無茶な実験要求に応えたトルソは、最終的にベーシックトラックをも抜きとった叛逆的かつ優雅なリコンポジションを送りつけてきて、このオリジナル曲の出来栄えに一同平伏!
注釈:
1)「Emily’s Illness」は、19世紀アメリカの詩人、エミリー・ディキンソンへのトリビュートと思われる。
2)ガスリーと作者エリック・アイズナーは当時アストラッド・ジルベルトの大ファンだった。初期アストラッドのたどたどしいボサノヴァ歌唱とノラの歌う「Home Before Dark」を頭の中でダブらせて再生してみてほしい。
=作品仕様=
+ 3 面折り込みジャケット
+ 歌詞掲載
TRACKS:
Side A - ホーム・ビフォア・ダーク
Side B - ホーム・ビフォア・ダーク(Recomposed by TORSO)
![Takao - Stealth [2026 repress/original artwork] (LP)](http://meditations.jp/cdn/shop/files/a0453915452_10_{width}x.jpg?v=1775196337)
クラシック音楽の素地とゲーム音楽的感性をニューエイジ・リバイバル下で結びつけた、Takaoのデビュー作にしてタイムレスな名盤『ステルス』(2018)。内外からの要望にお応えしLP版を再プレスします。本エディションは、TakaoがBandcampでの自主リリース時に使用した本人デザインのオリジナル・アートワークを再現。Takaoによる作品解説も新たに掲載しています。
濱瀬元彦、武満徹、新津章夫、ヤン富田、Sean McCann等々に影響を受けたと語るタカオですが、これら先達に新旧有名無名の区別はなく、ただアクセスした特定の作品が作家の創作意欲を突き動かしたのみで、そこから得たインスピレーションを衒いなく定着させたのがこの『Stealth』です。極めて抽象性の高い『ステルス』の楽曲群は、静かな美しさと深さを備えるいっぽう、圧倒的な存在感を放っています。1年半かけて仕上げたという本作は、13曲で33分という、この種のアルバム作品では異端的な短さであり、かつ、ひとつとして同じ体裁の曲がないにもかかわらず、シームレスな音響体験ができます。それらは装丁にあるような晴れた日の海の表情を映し出しているかのようです(写真はTakaoが湘南で撮影したもの)。
