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BLAWANことジェイミー・ロバーツは、長年にわたってエレクトロニック・ミュージック界で高い評価を受けてきた。独自のサウンドづくりに対して非常に几帳面な姿勢を貫いており、南ヨークシャーのポスト工業都市・バーンズリーで育つ中で、10代の頃に出会った音楽的影響を絶えず作品に取り入れている。14歳の頃からウジ虫農場で働き始め、そのとき耳にしていた業務用ミートグラインダーの金属音から、音楽的なインスピレーションを得たと言う。メタル・バンドでの演奏経験を経て、リーズの伝説的な会場・West Indian Centreを訪れる中で、エレクトロニック・ミュージックの多様なスペクトラムに触れ、音楽的な視野を広げていった。
2010年代初頭に〈Hinge Finger〉や〈Hessle Audio〉といったカルト的レーベルからのEPリリースをきっかけにBLAWANとしてのキャリアをスタートすると、批評家たちから高い評価を受け、その後もソロ活動では、常に実験を重ねながら音楽の境界線を押し広げてきた。一方で、イギリスのプロデューサー・Pariahとの共同作業も継続。ライヴ・テクノ・アクトのKarennや、メタルに影響を受けたバンド・Persher、さらにはレーベル〈Voam〉まで、数々のプロジェクトを共に展開。本作『SickElixir』は、そんな彼の唯一無二で革新的なアーティストとしての立ち位置を、さらに確固たるものにする。
ベルリン、リーズ、パリ、リスボンで制作された全14曲入りの本作は、彼にとって最も個人的な作品であり、音楽や自己に対するスタンスを示すマニフェストでもある。喪失に対する深い悲しみや、家族の問題、人生の激動を原動力に、近作EPのサウンドをさらに発展させ、混沌としつつも緻密に構築された音の世界へとリスナーを引き込んでいく。過去を見つめながらも、未来への大胆なビジョンを描き出す本作は、アルバム全体に通底する激しさと内省的な要素が感じ取れる。BLAWANは、他の誰とも交わらないスタイルで独自の道を突き進んでいる。

リー・スクラッチ・ペリーを筆頭に、プライマル・スクリーム、スリッツなど時代やジャンルを跨ぎ様々なアーティストたちの楽曲を手掛け、イギリスでもっとも先鋭的なレゲエ〜ダブを送り出してきたレーベル〈ON-U SOUND〉の総帥、エイドリアン・シャーウッド。
80’sから90’sにかけて確立したそのレフトフィールドなサウンドを通して後の音楽史に多大な影響を及ぼしたプロデューサーである彼が率いたプロジェクトTHE MISSING BRAZILIANSの唯一作にして、ファンからはカルト・クラシックとして愛聴されてきた『WARZONE』(1984年)がこの度クリア・ヴァイナルで待望のリプレス!
エイドリアンがプロデューサーを務めた本作には、Shara Nelson (Massive Attack)とAnnie Anxiety (Crass Records)がボーカルで参加している。
エイドリアンがこれまでに手がけたリリースの中でも最も過激なサウンドを展開した作品の一つで、ノイズ、ダブ、エレクトロニック、インダストリアルがリズミカルに交配されている。
本作においてAdrian Sherwoodはスタジオの可能性の限界に挑戦、80年代半ばの冷戦時代のディストピア的な空気を、錯乱したパーカッション、不穏なキーボード、切り裂くようなディストーションで表現している。
今回のリイシューに際しては、ベルリンのダブプレート&マスタリングでリカットが行われ、低域の音圧を上げることに成功。
更に特典として折りたたみ式ポスターと、アルバム全曲に加えて「Pay It All Back」シリーズの第1弾に収録されている「Ace Of Wands」の未発表エクステンデッド・ミックスがダウンロード可能なDLカードが付属するファン必携の一枚となっている。
<Tracklist>
01.Crocodile’s Court
02.Gentle Killers
03.Frequency Feast
04.Quicksand Beach Party
05.Savanna Prance
06.Meander
07.Igloo Inn
08.Missing Brazilians
<DL card bonus track>
Ace Of Wands (unreleased extended mix)

南米エクアドル出身の両親を持ち、スペイン語圏の現地音楽をルーツに、独自のサイケデリック・ポップを作りだすプロデューサー/シンガーソングライター、エラード・ネグロ(Helado Negro)が〈Big Dada〉より最新EPをリリース!
プレフューズ73ことスコット・ヘレンとのサヴァス&サヴァラスやビートメイカー名義エプスタインとしての活動、スフィアン・スティーヴンスやデヴェンドラ・バンハート、ジュリアナ・バーウィックとのコラボレーションを経て、2019年にリリースされたアルバム『This Is How You Smile』で世界的評価を獲得、アトモスフェリックかつ実験的なポップ・ミュージックを生み出し続けてきたエラード。
最新作のきっかけとなったのは「死ぬ前に最後に聞く音は何だろう?」という問いである。EPは、不吉さや時に狂乱的なエネルギーを帯びた楽曲群として展開していく。この不安感は、ランゲが多用するエレクトロニクス、エコー、ディストーションによって増幅され、彼の言葉に茫然自失とした衝撃の質感を与えている。それは、惑星が危機に瀕するなかで抱く恐怖と不確かさという激しい感情を強調し、深い思索を映し出している。
リード・シングルであり冒頭を飾る「More」は、ハイパーコネクテッドな世界にあって感じる、圧し潰されるような重圧と孤独を捉えている。かつてないほど繋がっているはずなのに、私たちはこれまで以上に孤独を感じるのだ。「これは日々のせめぎ合いについて歌っていて、それが“何もかもが増えすぎる”圧倒的な状態につながるんです」とランゲは語る。
『The Last Sound On Earth』の中でランゲは、システム的な権力構造についても考察している。「Sender Receiver」では技術的な用語に組み込まれた暴力性と不均衡を見つめ、「Protector」ではクラシックなジャングル・ブレイクを基盤に、権力者が本当に私たちの利益と保護のために行動しているのかという、壊れた観念に対するシニカルな視線を投げかける。
重いテーマを扱いながらも、音楽自体はアップテンポな領域にあり、クロージングを飾る「Zenith」(奈落の対極、何かと無の均衡)や「Don’t Give It Up Now」(踏みとどまり、変化のために闘うことを歌った楽曲)では、ランゲの感情をポジティブで前向きなものへと変換しようと試みている。
複雑な感情のレイヤーに常に満ちあふれた『The Last Sound On Earth』は、変わりゆく世界に向き合いながら、その先へ進む道を模索するアーティストの響きである。そして彼は最終的に、自らの問いに答えを見出す。
「“地球最後の音”とは何か? その最後の音は“愛”です…それこそが私が聞きたいと願う音なのです。」

Adrian Sherwood 主宰〈On-U Sound〉の看板バンド! Bonjo-I率いるAfrican Head Charge ! 入手困難となっていた初期4作品(1981~1986)同時リイシュー決定!ベースを最大限に増幅しリマスター! DLコード付き!
1981年にリリースされた衝撃的なデビュー・アルバム!
Adrian Sherwoodが、自身プロデュースのトラックにBonjo Iyabinghi Noahのハンド・パーカッションのパターンとブレイクスを乗せ、エフェクトやSun Ra流のホーン使いで音に厚みを加えている。その結果伝統的なアフリカン・リズム、ダブ、そしてフリージャズのユニークな融合が実現した。David Lynchの映画『Wild At Heart』では陰鬱なエフェクトを施し使用され、DJにも人気の「Stebeni's Theme」「Far Away Chant」をフィーチャー。ベルリンのダブプレート&マスタリングでベースを最大限に増幅しリマスター。Steve Barker (On The Wire)によるスリーヴノートとDLコード付き。

日本のノイズ、実験音楽家、水谷聖による、1989年録音、1990年にMerzbow主宰の〈ZSF Produkt〉からリリースされた初期ソロ作のひとつ『The Same Thing Makes Always Her Laugh』。環境音や電子音、ギターなどを素材に、数学的構造と即興性を融合させた鋭利かつ詩的な音響作品で、Merzbowによるミックスが音の密度と鋭さを際立たせ、特に長尺トラックの「Character Assassination」ではドローン的展開とノイズの対比が深い没入感を生んでいる。〈Kontakt Audio〉のartefAKTシリーズの一環として再評価された、ジャパノイズの文脈における重要作。
本田Qの2ndソロアルバム「ことほぎ(言祝ぎ/呪言)」。AB面の2部構成で、A面では音を楽しむ音楽讃歌が、B面では「イデオロギスト」の流れを汲むコンシャスな内容がうたわれている。盟友NaBTokに加え京都から猿吉、Livingdead、ジャッキーゲンが、洛外からはDJ KENSEI、alled、COBA5000、Earth Paletteが参加。さらにSOFTのSIMIZ、Kobeta PianoのShoichi Murakamiといった様々なセッショニスト達がその独自のサウンドを寄せている。
チルアウトとトランスが融合したGuy ContactとSolar Suiteによるダウンテンポ・トラック集『Perfect Harmony EP』。バレアリックな鍵盤とアンビエント・シンセが織りなす、幻想的でテクスチャー豊かな音響空間が魅力的。〈Wax’o Paradiso Recordings〉からのリリースで、メルボルン発の新世代エレクトロニック・サウンド!
Henri Chopin、Pan Sonic、Achim Wollscheidによる2005年のコンピレーションCD『Composition い』。冷たい音の粒子とノイズの美学が融合し、抽象的かつ詩的な音響空間を構築。 ジャケットは池田龍雄によるアートワークを採用。
1966年に録音されたArchie Sheppの代表的アルバムのひとつ『Mama Too Tight』が〈Endless Happiness〉より登場。マーチングバンド風のアレンジとユーモラスな音色が特徴的で、即興演奏の緊張感と洗練された構成が融合している。特にタイトル曲「Mama Too Tight」は、都会的なリズムとソウルフルなグルーヴが際立つ名演。Grachan Moncur III(トロンボーン)、Charlie Haden(ベース)、Howard Johnson(チューバ)など、前衛ジャズの精鋭たちも集結。
Fred Wesley & The J.B.'sによる1974年のファンク名盤で、James Brownのプロデュースのもと、政治的メッセージと強烈なグルーヴが融合したレア・グルーヴの金字塔『Damn Right I Am Somebody』。James BrownのバックバンドJ.B.'sのリーダーであるトロンボーン奏者Fred Wesleyを中心に、重厚なホーンセクションとタイトなリズム隊が織りなすサウンドは、ブラック・プライドを高らかに宣言するタイトル曲「Damn Right I'm Somebody」や、Moogシンセの強烈なリフが印象的な「Blow Your Head」など、後のヒップホップにも多大な影響を与えた。税金と社会構造への疑問を投げかける「I'm Payin' Taxes, What Am I Buyin'?」など、社会批判的な視点も含まれ、James Brownが掲げたファンク=メッセージという哲学が色濃く反映された作品。
Natural Information SocietyとEvan Parkerによる2019年ロンドンCafe Otoでのライブを収めたアルバム『descension (Out of Our Constrictions)』。Natural Information Societyが北アフリカの伝統楽器ゲンブリを中心に、ドローンとグルーヴを融合した瞑想的な音楽を展開する中、Evan Parkerによる循環呼吸による持続的なサックス演奏が響く。Lisa Alvaradoのハーモニウムとエフェクト、Jason Steinのバスクラリネット、Mikel Patrick Averyのドラムが、有機的かつ多層的な音空間を構築し、反復するリズムと即興の爆発が交錯する、トランス状態を誘発するような音響となっている。
ディープ・テクノ、アンビエントの最重要人物の一人として知られ、その音響的探求心と職人技が際立つDonato Dozzyがヴィンテージ・シンセEMS Synthi AKSのみを用いて制作した『One Instrument Sessions 05』。本作は、1つの楽器のみで制作するというレーベルのコンセプトに基づいたシリーズ第5弾で、EMS Synthi AKSは、Brian EnoやPink Floydも使用した実験音楽の象徴的シンセ。Donato Dozzyはこのシンセを用いて、ベルリン・スクールやミニマル・アンビエントの影響を感じさせる、催眠的で深遠な音響世界を構築。彼の音の瞑想としての側面が強く出ており、1台のシンセでどこまで深く潜れるかという探究により、音の純度と精神性を極限まで高めた作品。

フランス・リヨンのレフトフィールド作家Warzouと、ジャマイカのダンスホール・コレクティブDUPPY GUNによるコラボレーション作品で、90年代の名リディム「Corduroy Riddim」を再解釈した最先端ダンスホール2枚組7インチ『AM026』。Warzouがジャマイカ・ポートモアにてDUPPY GUNのMC陣と現地制作、アップテンポで腰を揺らすグルーヴ感と、オートチューンを駆使した甘美な旋律が融合しており、デジタル・ダンスホールとベース・ミュージックの融合による、近未来感あふれるクラブ仕様ダンスホールに仕上がっている。Buddy Don、G Sudden、I Jahbar、RDL Shellahらがそれぞれ1曲ずつ参加し、渋くユニークな声が楽しめる。DUPPY GUNのカルト的エネルギーとWarzouのレフトフィールドの最前線の音楽的交差点。

Giovanni Marco Citivengaによるプロジェクト、Detraex Corpによる、ダブ、ベース・ミュージック、トライバル・エレクトロニクスが交錯する幻覚的サウンドスケープ『Live at Pompeii』が〈Sagome〉より登場。本作は、ポンペイという歴史的・神秘的な場所を舞台にした音響による幻想で、土着的で呪術的なグルーヴを感じさせるベースライン、酩酊的で夢幻的に加工されたウードの音色、重く粘着質なビートが90年代Wordsoundの幻影を未来的に再構築したような印象を残す。クラブ的なグルーヴと古代的で幻覚的な儀式を思わせる音響が融合し、朽ちた祝祭のような雰囲気となっている。ダブと実験音楽の境界を押し広げながら、聴覚の深層へと誘う音響考古学とも言うべき一枚。
〈Another Timbre〉からリリースの、16世紀イタリアの作曲家の作品を再構成した作品『Vesperi』でも知られる現代音楽作曲家フィレンツェ出身の作曲家Marco Baldiniによる、彼自身の音楽的ルーツと美学を反映したミックステープ形式のコンセプチュアル・アルバム『Untitled』が〈The Trilogy Tapes〉より登場。本作は自身の作曲ではなく、影響を受けた音源を再構成したパーソナルな音響ジャーニーで、ジャンルを越えた音源が選ばれており、ドローン的な持続音、抽象的なテクスチャ、クラシカルな断片が交錯。静寂と音の間にある気配を捉えるような繊細な編集が印象的で、作曲活動とは異なり、Marco Baldiniの音楽的思考と感性を凝縮した聴くことの美学を提示する作品。
Bitchin Bajasとの共演でも知られるJoshua Abrams率いるシカゴの異能集団、Natural Information SocietyNatural Information Societyによる、ジャズ、モード音楽、伝統音楽の要素が融合した35分間にわたるミニマルな音の瞑想空間。一つのテーマを35分間にわたり反復・変奏し続けることで、音の持続と変化の微細さを探求。北アフリカの弦楽器ギンブリによる反復リフがが一定のグルーヴを保ちつつ、微細に変化する中、ハルモニウムやバスクラリネットが浮遊するように絡み合い、空間的な広がりが生まれてゆく。リズムは明確な拍子を持たず、緩やかでありながらも内的な緊張感が持続しており、今ここにいるようで、どこか遠くへ漂っているような、揺らぎのある音楽空間となっている。さらに深く、音と時間の哲学的探求を進めた作品。
Bitchin Bajasとの共演でも知られるJoshua Abrams率いるシカゴの異能集団、Natural Information Societyによる、ジャズ、モード音楽、伝統音楽の要素が融合した35分間にわたるミニマルな音の瞑想空間。一つのテーマを35分間にわたり反復・変奏し続けることで、音の持続と変化の微細さを探求。北アフリカの弦楽器ギンブリによる反復リフがが一定のグルーヴを保ちつつ、微細に変化する中、ハルモニウムやバスクラリネットが浮遊するように絡み合い、空間的な広がりが生まれてゆく。リズムは明確な拍子を持たず、緩やかでありながらも内的な緊張感が持続しており、今ここにいるようで、どこか遠くへ漂っているような、揺らぎのある音楽空間となっている。さらに深く、音と時間の哲学的探求を進めた作品。
スペイン出身の音楽家DídacことDiego Ocejo Muñozによる、民族音楽学アーカイブを再構築した儀式的アンビエント作品『DÍDAC』がスウェーデンの〈Fasaan Recordings〉から登場。本作は、ジュネーブ民族学博物館の音楽アーカイブに基づいて制作されており、蝋管、テープ、儀式歌、民謡などの録音資料を再構築し、ポストモダンなアンビエント・ナラティブへと昇華。民族楽器のサンプルと電子音響が交錯し、過去と現在、記録と創造が共鳴、儀式的なリズムとニューエイジ的な浮遊感が、精神的な浄化と再生のプロセスを描く。カトリック的な背景とカタルーニャ/カスティーリャのルーツを持つ彼の個人的な信仰が反映されており、古い民族音楽のアーカイブが生きた対話相手として現れてくるよう。フォークロアと現代音響芸術が交錯する深遠な作品。

南アフリカのズールー・ギターの伝説的存在Madala Kuneneと、Kuneneを師とするギタリストであり、歌うというよりも夢の語りや祖先との交信のような詠唱に近いヴォーカルスタイルを持ちながら、現代的な作曲家でもあSibusile Xabaによる、師弟関係から生まれた二世代の精神的対話『kwaNTU』。全編ライブ録音で一発録りによる緊張感と親密さがあり、アコースティック・ギターの対話、霊的なヴォーカル、フルート、打楽器、フィールドレコーディングが交錯。Maskandiと呼ばれるズールー・フォークとブルース、ジャズの要素が自然に溶け合う内容で、祖先との対話、土地とのつながり、そして人間性の探求が音楽を通じて表現されている。南アフリカ音楽の深層と現代的な即興性が融合した稀有な事例であり、魂と魂が交差する瞬間を捉えた静かで力強い祈りのような作品。
デトロイトの新世代ハードコア・ジッターことHi Techが、地元直系のジット/ゲットーテックを現代に問う自主リリース第2弾『Honeypaqq Vol.1』が登場。全14曲を30分未満で駆け抜ける本作は、160BPMのスカッド・ビートにサンプラーでのカットアップを炸裂させる、ラフでファンキーな一撃!Omar-Sの〈FXHE〉からのLPや、ライブパフォーマンスで評価を得た後、デトロイト新世代ゲットーテックの顔役として台頭。シカゴのフットワークとも共振しながら、よりジャジーでデトロイトらしい「ミュータント・バウンス」を体現するゲットー育ちのHi Techの未来派ビート、そしてジャズとエレクトロの幽霊がさまよう摩訶不思議な音響世界。ジットやデトロイト・テクノの文脈に惹かれる人はもちろん、シカゴ派フットワークやUKのベースミュージック、あるいは最近のR&B実験派までアピールするであろう重要作。これは踊るだけではなく、生活圏と幻想のあいだをスキップで渡るためのサウンドトラックと言うべき一枚!
Low Jackことフランスの電子音楽家 Philippe Hallaisによる、喪失と救済をめぐる精神的・音響的なレクイエムとも言うべき作品『Lacrimosa』。本作はAlice Coltraneの1976年作『Eternity』の霊性と死者のためのミサの構造に触発された、8つの楽章からなる深遠なアンビエント作品で、作曲者自身の人生と深く結びついた喪失の物語。特に「Dies Irae(怒りの日)」と「Lacrimosa(涙の満ちる者)」の章を再解釈し、魂の救済を求める音楽的祈りとして展開。機械が悲しみの味を学ぶという詩的なモチーフが、金属的なフィルター、グリッチ、詩的なノイズが交錯する爆撃された後の静寂のような音響として表現されている。ヴォーカル・アンサンブルやゲスト参加による宗教的・儀式的な深みも加わって、「沈黙が血を流す」ような音の余白と緊張感が、聴く者の内面に静かに語りかける内容となっている。
![Noah Creshevsky - Hyperrealist Music, 2011-2015 [10th Anniversary Edition] (LP+DL)](http://meditations.jp/cdn/shop/products/EM1140CD_{width}x.jpg?v=1619853727)
発売10周年記念そして故人となった作家に捧ぐ初のLPエディション。「ハイパーリアル・ミュージック」提唱者で創始者、ノア・クレシェフスキー後期傑作作品集。
クレシェフスキーはブーランジェとベリオに学んだクラシック作曲家で、活動初期70年代から80年代は電子音楽/テープ音楽をやっていましたが、ファインアートで勃興した「ハイパーリアリズム(*注)」に感化され、その概念を音楽に取り込んだ「ハイパーリアル・ミュージック」を提唱。その第一人者となりました。彼のハイパーリアル・ミュージックは、一聴した限りでは器楽の生演奏に聞こえますが、実際は人工的な操作と配置で創作されたものです。彼のサウンドパレット上では人間によるアコースティック楽器の実演奏やヴォイスが素材となる一方、シンセサイザー等の電気的な合成音は用いられません。録音年もジャンルも異にする演奏・楽音がいち作品内で任意に結合され、ある音は過剰に強弱・長短のアクセントがつけられ、意匠をこらしたドラマ性とユーモアが加味されています。特筆すべきは、AIが登場する前の時期において、彼が「スーパーパフォーマー」と命名した、人間の限界を超えたサイバーヒューマン・ミュージックという新たな形態を生み出したことにあります。本アルバム『ハイパーリアリスト・ミュージック、2011-2015』は発売時2015年の最新作と自らのフェイバリット「ハイパーリアル・ミュージック」作品を作家が自選したコレクションです。ここでは聴き進めるにつれて姿を現す、狐につままれたような「ハイパーリアルな」世界に惑わされることでしょう。また、クレシェフスキーは、Visible Cloaksのスペンサー・ドーランによる不確定性サイバー室内楽プロジェクト、コンポニウム・アンサンブルの大きな影響源であり、その初リリース『八つの自動作曲作品集』は彼に捧げられています。
*注:写真等を用いて対象を克明に描写する美術の潮流。「超現実主義」と和訳されるシュルレアリスムとは区別される。スーパーリアリズムともいう。
+ 解説:George Grella, Jr.(和訳付)
+ シュリンク封入、DLカード付き。

英国シアトリカル儀式アンビエントフォーク突然変異体。夢のような田園世界へのタイムトリップでありながら、明確な現実感を持つ、驚くべきフォーク・ファンタジア、ザ・ワーム『パンティルデ』。
コーンウォール出身のアヴァンフォーク・パフォーマンス・アーティスト、ザ・ワームによるこの魔法のようなアルバム『パンティルデ』は、幽玄な新世界、この世のものとは思えないような、それでいてどこか現実にも根ざしている、ケルトの異郷の村の日常を描いた想像上の口承と音楽の物語です。このトータルアルバムの音楽は、奇妙でありながら親しみやすく、幻想的で魅惑的でありながら、同時に大地に繋がっています。ザ・ワームを名乗る音楽家エイミー・ローレンスは、チェロ、ハープ、リコーダー、パーカッションといったアコースティック楽器を儀式的な雰囲気で演奏して歌い、その豊かな歌声は時にオーバーダビングされ、美しく素朴なヴォーカルアンサンブルへと昇華されます。ローレンスはそのヴォイスを用いて、神話的で神秘的な村の生活と風景、そして人間と自然界の関係を描いた歌物語を紡ぎます。
ザ・ワームは、ドロシー・カーター、インクレディブル・ストリング・バンド、ヴァシュティ・バニヤン、ショベル・ダンス・コレクティブ、ブリジット・セント・ジョン、ジェシカ・プラット、キャスリン・ハウ、メアリー・ラティモア、トリストフ・イ・フェニウッドらを含む音楽の系譜に出現した突然変異体のような才能です。『パンティルデ』は、夢のような田園世界へのタイムトリップでありながら、明確な現実感を持つ、驚くべきアヴァンギャルド・フォーク・ファンタジアです。地底に住むというケルト伝説の小人をイメージさせる装丁アートワークはローレンスの手によるもので、「パンティルデ」とは写真のロバの名前のこと。ザ・ワーム自身による英語と日本語の古文書のようなライナーノーツと歌詞を掲載します。CD 版のみ Yama Warashi によるリミックスをボーナス収録。
=作品仕様=
+ CD(通常ジュエルケース/12Pブック封入)
+ CDのみのボーナストラック
+ 解説・歌詞:エイミー・ローレンス
+ 日本語・英語訳掲載

英国シアトリカル儀式アンビエントフォーク突然変異体。夢のような田園世界へのタイムトリップでありながら、明確な現実感を持つ、驚くべきフォーク・ファンタジア、ザ・ワーム『パンティルデ』。
コーンウォール出身のアヴァンフォーク・パフォーマンス・アーティスト、ザ・ワームによるこの魔法のようなアルバム『パンティルデ』は、幽玄な新世界、この世のものとは思えないような、それでいてどこか現実にも根ざしている、ケルトの異郷の村の日常を描いた想像上の口承と音楽の物語です。このトータルアルバムの音楽は、奇妙でありながら親しみやすく、幻想的で魅惑的でありながら、同時に大地に繋がっています。ザ・ワームを名乗る音楽家エイミー・ローレンスは、チェロ、ハープ、リコーダー、パーカッションといったアコースティック楽器を儀式的な雰囲気で演奏して歌い、その豊かな歌声は時にオーバーダビングされ、美しく素朴なヴォーカルアンサンブルへと昇華されます。ローレンスはそのヴォイスを用いて、神話的で神秘的な村の生活と風景、そして人間と自然界の関係を描いた歌物語を紡ぎます。
ザ・ワームは、ドロシー・カーター、インクレディブル・ストリング・バンド、ヴァシュティ・バニヤン、ショベル・ダンス・コレクティブ、ブリジット・セント・ジョン、ジェシカ・プラット、キャスリン・ハウ、メアリー・ラティモア、トリストフ・イ・フェニウッドらを含む音楽の系譜に出現した突然変異体のような才能です。『パンティルデ』は、夢のような田園世界へのタイムトリップでありながら、明確な現実感を持つ、驚くべきアヴァンギャルド・フォーク・ファンタジアです。地底に住むというケルト伝説の小人をイメージさせる装丁アートワークはローレンスの手によるもので、「パンティルデ」とは写真のロバの名前のこと。ザ・ワーム自身による英語と日本語の古文書のようなライナーノーツと歌詞を掲載します。CD 版のみ Yama Warashi によるリミックスをボーナス収録。
=作品仕様=
+ 12インチLP、4Pインサート
+ 解説・歌詞:エイミー・ローレンス
+ 日本語・英語訳掲載
