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スローモーション・ダブの独自路線を確立するフランスのアンビエント、エレクトロ・ダブ・デュオFroid Dubによる、自身の美学をさらに深化させた最新作『Positive And Natural』。全8曲の平均BPMは約85前後と極端にスローモーションながら、808キック、303アシッド・ベース、そしてテープディレイの揺らぎが三位一体となり、静けさの中にドライブ感が宿るミニマル・ダブを構築。タイトル曲「Positive And Natural」のメロディカ的ニュアンスから、「Love」「No Sense」で聴けるうねるアシッド・ダブまで、クラシックなダブの精神と現代エレクトロの質感が自然に溶け合う。音数は極端に少ないのに、テープディレイの揺らぎや微細な残響が空間を満たし、静けさの中に情報量が宿る。トリップホップ/ニューエイジ/DIYダブの流れを感じさせる、温かく漂う質感と実験性が共存する、充実作。
〈Workshop〉や〈Third Ear〉からハウス作品を発表してきたOzel AB の別名義、Luka Lickshotによるカセット限定アルバム『Shots Fired』。ロンドン・ペッカムの地下スタジオで制作された本作は、ポストパンク、ダブ、トリップホップ、レフトフィールド電子音楽が混ざり合う、暗く湿った空気をまとっており、ざらついたドラム、重心の低いベース、くぐもった声、そしてダブ処理が交錯し、〈On-U Sound〉の系譜を継ぐラフでサイケデリックな音像を形成。全10曲は「Shot 1〜Shot 10」として連続的に展開され、曲間の境界が曖昧なミックステープ的構成。生楽器の断片、即興ヴォーカル、デジタル処理、ダブが溶け合い、有機と無機が変異し続けるようなUKアンダーグラウンドの空気をそのまま閉じ込めたような空気感をまとっている。濃密で中毒性の高い一本。
UKのプロデューサーMOBBSとフランス系エジプト人アーティスト/呪術師Susu Larocheがタッグを組み、神秘的で儀式めいた雰囲気を持つニューアルバム『ZERO』を大名門〈Modern Love〉よりリリース!本作は、DJ ScrewやMy Bloody Valentineの影響を受けた、トリップホップとシューゲイザーの融合であり、CurveやCocteau Twins、Leila、Nearly Godといったアーティストの影も感じられる。MOBBSの多様な経験と、Larocheの退廃的でアンダーグラウンドな表現によって二人の音楽は、呪術的な詠唱と歪んだダブのビートが交錯し、かすかな明かりに照らているような幻想的な雰囲気を呼び起こす。彼らのサウンドは初期のMy Bloody Valentineのようなざらついた美しさを持ちながらも、ヒップホップ、ドローン、ノイズといった要素を取り入れ、過去の音楽の単なる再現ではなく、冷徹な視点を持った現代的な解釈を加えている。
ロンドンを拠点に活動するイラン出身のプロデューサー Leila Arab によるデビュー作で、当時の潮流の中でも異彩を放ち、今なおカルト的に愛され続けている名盤『Like Weather』。トリップホップの退廃的なムードと、IDM の緻密な構造、そしてアンビエントの柔らかな揺らぎが溶け合った、唯一無二の夜の音楽。ざらついたビート、夢の中のように儚いボーカル、深く沈むベースライン。それらが曖昧に混ざり合い、どこにも属さない幽玄なポップスを形づくっている。孤独、憂鬱、優しさ、夢見心地、聴くたびに違う表情を見せてくれる、暗く、美しく、儚く、深い、長く心に残り続ける孤高の一枚。
Dean BluntやVegynとのコラボ作品『Lucre』にも参加した、デンマークのバンドIceageのフロントマンElias Rønnenfeltによるソロ・アルバム『Speak Daggers』。ベッドルームで制作された親密な質感と、退廃的で詩的なムードが全編を貫き、ノイズや歪んだチャイム、フルートのきらめきなどが重層的に重なり、霧のような音響を形成。Lou Reedを想起させる退廃的な雰囲気と、繊細な美的感覚、愛、正義、世代の葛藤など、現代的で重層的なテーマが重なる現行のコペンハーゲンのシーンを象徴する先鋭的な作品。The Congos、I Jahbar、Erika de Casier、Fine など多彩なゲストが参加。

ニューヨークを拠点に活動するシンガー、プロデューサー、マルチメディア・アーティストのJames K による最新作『Friend』が〈AD93〉より登場。本作は、詩的なサウンド・スケープと内省的な声のレイヤーが交差する、まるで夢の中を彷徨うような幽玄なアンビエント・ポップ作品で、ビートは滲み、旋律は記憶の断片のように浮かんでは消え、聴き手の感覚を揺さぶる。静けさと混沌、優しさと不可思議が同居する音像は、トリップホップやポスト・インダストリアル、ダブの要素を内包しながらも、どこにも着地しない浮遊感に満ちている。音だけでなく、言葉や感情そのものが霧のように立ち上り、聴く者の内面にじわりと染み入る。消えていくものへの眼差しと、つながりへの希求が交錯するようなこの作品は、ジャンルの枠を軽々と越え、リスナーの奥深くにやさしく爪を立てるような、繊細でラディカルな一枚となっている。感覚と記憶が重なり合い、音が色や味になるような、まるで別世界の入口のようなアルバム。

エレクトロニック・ミュージックのトップ・レーベルとして世界に君臨する名門レーベル〈Warp〉の最初期から参加し、30年以上にわたるキャリアを誇る、ナイトメアズ・オン・ワックスことジョージ・エヴリンが新曲13曲を収録した最新ミックステープをリリース!
リーズのサウンドシステム文化に根差す彼の旅は、母親から託されたたった5ポンドの古びたスピーカーボックスを「Echo45」と名付けたことから始まった。この出会いが彼の人生を変えることとなる。そして彼は今回、その系譜をさらに推し進める──『Echo45 Sound System』という名のミックステープは、祝祭であり宣言でもある。いや、それ以上だ。ソウル、ルーツ・レゲエ、ヒップホップ、ダブ、エレクトロニックのテクスチャーを大胆に融合させた、まさに生きたサウンドシステム体験なのである。また、今作にはヤシーン・ベイ (ex. モス・デフ)、オスカー・ジェローム(Oscar Jerome)、グリーンティ・ペン(Greentea Peng)、セイディー・ウォーカー(Sadie Walker)、リアム・ベイリー(Liam Bailey)他、多彩なコラボレーター陣が参加している。
『Echo45 Sound System』にはナイトメアズ・オン・ワックスによる新曲13曲が収録されており、さらにサウンドデザインやトースティングを織り込み、海賊ラジオの放送を思わせる特別なミックスも収録されている。先行シングル「Bang Bien」は、ヤシーン・ベイ (ex. モス・デフ)を迎えた注目のコラボレーションであり、未来的なビートワークと社会的メッセージを融合させている。
本作はオスカー・ジェロームをフィーチャーし、力強くも高揚感溢れる「Echo45, We Are!」で幕をあける。その後に続くのは、深いグルーヴ、コンシャスなリリック、そして幻想的なプロダクションが入り混じるジャンルを越境した旅だ。Louis VIとの「Dive Into」はジャジーな心地よさを湛え、リアム・ベイリーとハイレ・シュプリーム(Haile Supreme)を迎えた「Desire」では、タイムレスかつノスタルジックなソウルが展開されている。
『Echo45 Sound System』全体を通して、UKシーンの重鎮やキーパーソンの声をサンプリングが編み込まれており、ジャイルス・ピーターソン、ゴールディー、Daddy G、ナターシャ・ディグス(Natasha Diggs)、モキシー(Moxie)、コリーン 'コスモ' マーフィー(Colleen “Cosmo” Murphy)ら多数が声で参加している。これらはサウンドシステム文化の文化的重みと歴史に敬意を示すものだ。また、ロンドン拠点のメンズウェアデザイナー、ニコラス・デイリーが本作のクリエイティブ・ディレクション、スタイリング、写真監修、さらにマーチャンダイズのデザインを手掛けている。こうした要素やコラボレーションはUKの系譜に深く根ざしながらも、その未来的な解釈への扉を開くものとなっている。だが、いかに多くのコラボが加わろうとも、『Echo45 Sound System』は間違いなくナイトメアズ・オン・ワックスそのものだ。

ロンドンのデュオ Babeheaven によるEP『Slower Than Sound』。トリップホップやダウンテンポなビートにアンビエント的な広がりを加え、ヴォーカルは柔らかく夢幻的。愛、自己反省、成長を中心に、個人的な感情を繊細に描写したテーマ性、ほとんどの楽曲がNancy Andersenの自宅スタジオで制作と、プライベートで内省的な雰囲気に満ちている。休日の朝の静かな時間にゆっくりと聴きたい愛すべき作品。Fishmansが好きな方など、幅広い方におすすめできそうな内容。
チルアウトとトランスが融合したGuy ContactとSolar Suiteによるダウンテンポ・トラック集『Perfect Harmony EP』。バレアリックな鍵盤とアンビエント・シンセが織りなす、幻想的でテクスチャー豊かな音響空間が魅力的。〈Wax’o Paradiso Recordings〉からのリリースで、メルボルン発の新世代エレクトロニック・サウンド!

横田進のカタログの中で最も愛され、高く評価されているアンビエントの金字塔『Sakura (Skintone Edition)』。オリジナルは1999年に自身のレーベル〈Skintone〉から発表されたものが〈Lo Recordings〉よりめでたくリイシュー。本作は、日本の「喜怒哀楽」という四つの感情を音楽で表現することを意図しており、そのサウンドは深遠な静けさからためらい、憂鬱、そして純粋な喜びへと、人間の心の移ろいを桜の花びらが舞うさまに重ねて辿る。穏やかなギターのループがかすかなドローンへと溶け込み、断片的なヴォイス・サンプルが揺らめいては消え、静かな水面に波紋のように突如リズムの脈動が現れるなど、アンビエント、テクノ、そしてドリーム・ポップの要素を彼独自の方法で融合。特に、Steve ReichのミニマリズムやHarold Buddのテクスチャからインスピレーションを得たサンプルワークは、懐かしさと斬新さが同居する独特の世界観を作り上げている。ブライアン・イーノやフィリップ・グラスといった巨匠たちからも絶賛され、ヨコタを国際的な音楽家へと押し上げたこの作品は、その儚くも力強い美しさによって、20年以上経った今もなお、聴く者に静けさと不思議な感覚を与え続ける、時代を超越した傑作。

ポーランドのアーティストOlga WojciechowskaとTomasz Walkiewiczによる幻のコラボレーション・プロジェクトMonopartsの長年お蔵入りとなっていたアルバム『Soothsayers』が、傑出したアンビエント作品群で知られる名門〈A Strangely Isolated Place〉よりリリース!Olgaはこれまでモダン・クラシカル作品で知られてきたが、本作では自身のボーカルをフィーチャーしており、TrickyやMassive Attack、Martina Topley-Birdを彷彿とさせるトリップホップの幻想的な雰囲気を醸し出している。Tomaszの精巧なビートとエレクトロニクスがサウンドに深みを加え、Olgaの声をよりエモーショナルに際立たせる。さらに、サンディエゴの鬼才職人名人ASCによる端正なドラムンベースのリミックスが加わり、アルバムのノスタルジックな雰囲気を一層引き立てる。Olgaが本作について「このアルバムは、大地と一体になる感覚。木の質感を感じ、土の匂いを味わい、古代の精霊の気配を感じるような、原始的なエネルギーに満ちている」と語る、繊細で呪術的な頌歌!


フランスはリヨン拠点、〈Second End Records〉主宰のJonnnahが、グラスゴーの優良レーベル〈co:clear〉から、揺らめくアンビエントと歪んだトリップホップ、ねっとりした低音が溶け合う没入型の電子音楽『Me, With You』をリリース。全7曲は、クラブの大型システムでも、ヘッドフォンでの内省的なリスニングでも成立する二面性を持って構築されており、フロアと個人空間のどちらにもフィットする作りになっている。オープニングにはButtechnoことPavel Milyakovが参加し、アンビエント・シューゲイザーなギターのレイヤーが霧のように立ち上がり深い没入感をもたらし、Jonnnahは、繊細なビートとメロディで、浮遊感と感情に満ちたスイートな流れを描く。トリップホップからハイパーポップ、D&Bまでを内包しつつ、耳元でささやくような電子音の私小説。クラブミュージックの境界線を優しくぼかすような、静と動、広がりと親密さが交錯する、現代アンビエント/エレクトロニカの秀作。

トロント拠点のアーティスト Rita Mikhael による新プロジェクト Trailcam 名義での第一弾リリース。以前は インダストリアル〜ノイズ~クラブの領域を自在に横断していた彼女だが、この作品ではさらに広い視野を持ちながら、自身の音楽性をより深く掘り下げている。幕開けはヒップホップ的なビートを取り入れたインストで始まり、そこから抽象的で質感に富んだサウンドへと展開。ドラムマシンとサンプルを軸にしたループ感がありつつ、そこにノイズや音響実験を混ぜ込んで、抽象性と肉体性が同居するサウンド作り出している。従来のクラブ・トラックとしての強靭さは残しつつも、よりパーソナルで内省的な側面が前面に出ており、音響の奥行きや余白があり、瞑想的とすら感じさせる瞬間がある。DJ ShadowやFlying Lotusの影響を遠くに感じつつ、インダストリアルやアンビエントの質感を独自に掛け合わせたような、自宅で深いリスニングにも耐えるアルバム。トロントで書かれ、ローマの EnissLab で Giuseppe Tillieci がマスタリングを担当。アートワークは本人によるもので、ヴィジュアル面も含めて強く自主性を感じさせる仕上がりになっている。※入荷時より僅かにプラケースにヒビ部分あります。予めご了承くださいませ。

スペイン生まれ・ベルリン拠点のプロデューサーで、多様な要素を統合するユニークな音楽性と、音楽を媒介にした思考や社会的問いを織り込んだマルチメディア・アーティストでもあるSilvia Jiménez AlvarezことJASSSの3作目『Eager Buyers』が、自身の新レーベル〈AWOS〉ファースト・リリースとして登場!資本主義の幻影とその崩壊を内面から見つめるような、憂いと緊張を孕んだアンチ・ノスタルジアの音世界で、ノイズやブレイクビーツ、ダーク・アンビエントやプリペアド・ピアノ、ベースギターの鈍い重低音に自らのボーカルが絡み、幻のようにジャンルをまたぐ感触はポスト・パンクやトリップホップを想起させながらも、どこにも属さない浮遊感をまとっている。フィールド録音も交えたこの作品は、過去の残響が染みついた場所の記憶までも呼び起こし、不安と焦燥を静かに燃やす、退廃と優美が交差する現代の鎮魂歌のようなアルバム。

Sina (ボーカル/シンセ)、Drop Dylan (ボーカル/ギター)、Ossian (プロダクション/エレクトロニクス)のコア・トリオからなるメルボルンの実験的コレクティヴ、Dregsによるセルフ・タイトル・デビュー・アルバムが、Laila SakiniやMax Eilbacherなどの作品もリリースしているロンドンのレーベル〈Purely Physical Teeny Tapes〉より登場。リチュアル、ダーク・アンビエント、呪術的といったワードを想起させる異端のトリップホップ作品。気怠さと頽廃、耽美性と毒の祝宴に陶酔させる稀有な音盤でありつつ、ダブリミックスでトリップ・ホップの新たな展開の可能性すら示す内容となっています。




