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ジャイルス・ピーターソンやデニス・ボーヴェルも注目する、UKブライトンのレフトフィールド・ユニットDamos Roomによる『All Shall Go』。本作は、ビートやメロディを前面に押し出すのではなく、重み・残響・空白・腐食した質感といったダブの残骸だけを抽出したような音響作品で、声は言葉としてではなく、息や影のように漂い、金属的なノイズや湿った残響が空間をじわじわと侵食していく。音が消えた後の気配だけで世界を組み立てるような、極端にストイックな作りは、静かで、荒んでいて、しかしどこか祈りのような気配をまとっている。現行レフトフィールド・シーンの核心に触れる。

〈Raster-Noton〉や〈Semantica〉などからのリリースで知られるドイツの電子音楽家Grischa Lichtenbergerが、2013年にイタリア南部ポリニャーノ・ア・マーレのPino Pascali Museumで行ったライブ録音『Live At Fondazione Museo Pino Pascali』。活動の核心である、空間そのものを楽器化するというアプローチが最も純度高く刻まれたドキュメント。美術館の広い展示空間に響く金属的な衝突音、細かく断片化されたビート、機械的なパルス、そして突然訪れる静寂。Lichtenbergerの音は、単なる電子音ではなく、建築物の内部で反射し、歪む、物質としての音として立ち上がってくるかのよう。空間の中で音が変形していくような立体感と、制御された混沌の中に精密な構築美が浮かび上がる。

1975年に結成され、パンク・ムーブメントの果たせなかった約束を完全に達成し、支配体制側を揺るがす手段としてエクストリーム・カルチャーを探求した、音楽、文化、芸術に対する計り知れない影響を及ぼした英国インダストリアル伝説Throbbing Gristle。2004年に再結成した彼らがバンド最後となった2009年のアメリカツアー限定で入手可能な作品としてリリースされた隠れた傑作『The Third Mind Movements』が〈Mute〉からアナログ・リイシュー!ツアー数年前にロンドンの〈ICA〉で行われたセッション中に録音された6つのライブ録音のシリーズ。マニュピレーション、タイムストレッチされた、リズミカルなブレイクビーツと催眠的なエレクトロニクスの振動が大変な事になっています!同時に再発された『TGCD1』(こちらも入荷してます)とセットで是非!

2023年の『When A Worm Wears A Wig』に続く、Robin Stewartによる『Crinkle』が〈The Trilogy Tapes〉よりリリース!このアルバムでは、テクノのリズムを解体し、点描的なリズムとダブ・ロジックを組み合わせて、まるで未知の音空間に誘われるような感覚を呼び起こす。特に、テクノの硬派なビートや耳に残る低音とは一線を画し、重厚でありながらも広がりのある、柔らかなサウンドを構築しているのが特徴的。従来のテクノとは違った斬新なポリリズムを探求し、速いビートとエコーの渦が互いに絡み合っていくタイトル曲「Crinkle」で顕著なように、90年代のBasic Channelから始まったダブ・テクノの定番の美学にとどまらず、ダブ・テクノを進化させ、サウンドの枠を超えて新たな表現へと導く作品であり、Rhyw、Peder Mannerfelt、Rroseなどのアーティストに影響を受けたファンには特に楽しめる内容。Robin Stewartは、単なるサウンド実験ではなく、深い音楽的探求を行っており、その結果生まれたと言えるユニークで挑戦的な一枚!

Russell Haswellが〈Mego〉に登場してから25年の節目に放つ最新作『LET IT GO』。ノルウェーのBergen Centre for Electronic Artsでのレジデンスを経て制作された本作は、GRM Toolsを駆使した鋭利な電子処理と、モジュラー・シンセの生々しい物質感が交錯する、ハスウェルのキャリアを総括するような一枚。急速に変動するピッチ、崩壊寸前のリズム、情報過多の現代社会を反射するような緊張感。デトロイト・テクノの反復性から電子音響の精密さ、金属的インダストリアルまで、彼がこれまで探求してきた要素が一つの流れとして結晶している。「Science Fiction is now!」と語るハスウェルの世界観をそのまま音にした、2020年代以降の電子音楽を象徴する作品。
Massive Attack が1998年に発表した3枚目のスタジオ・アルバムで、彼らの代表作。前作『Blue Lines』『Protection』のソウルフルでジャジーな雰囲気から一転、トリップホップをさらに深化させ、ポストパンクやインダストリアルの影響を強く取り入れた冷たく重厚なサウンド。〈Virgin Records〉からの180g重量盤2枚組仕様。

ロックマガジン編集長、阿木譲氏の率いた関西アンダーグラウンドの牙城にして、国産初期エクスペリメンタル/プロト・テクノの聖地〈Vanity Records〉に残された作品群の中でも、特に際立ったアヴァン世界を提示した男女ユニットTolerance。日本のインダストリアル/ポストパンク史に残る81年の2ndアルバムにしてラスト・アルバムである『Divin』が〈Mesh Key〉から単独アナログ再発!前作『anonym』で見られたピアノやギターなどを用いたフリーフォームな楽器演奏の側面は後退し、リズムマシンとシンセサイザーをメインとした電子音楽へと大きく歩を進めた作風な、日本のインダストリアル/ポストパンク史に残る名作。

ブリストル・レフトフィールドを代表する名門〈Bokeh Versions〉からは、ブラジル・サンパウロ出身のアーティスト Felinto による7インチ・シングル『Festa Punk』が登場。ブラジルのハードコア・パンク・バンド Os Replicantes の1987年作『Histórias De Sexo E Violência』収録曲「Festa Punk」へのオマージュとして制作されたもので、インダストリアルなざらつき、ダブのうねり、ギターの轟音、暴動を煽るようなヴォーカルが混ざり合う、サンパウロのパーティ・パンクを体現する一作。

ロンドン地下シーンの要所〈SELN Recordings〉から、共同設立者Conrad Packが久々に放つ、ステッパーズの強靭なキックとイタル・ベースを軸にしながら、ダブ、インダストリアル、DIYエレクトロニクスが混ざり合う、ロンドンの今をそのまま刻んだようなEP。タイトル曲「Praise」は鋭いメロディと重心の低いビートが交差し、ステッパーズの枠を越えてUKドリルの感覚にも触れるハイブリッドな仕上がり。続く「Guidance」はより深く沈み込むダブ空間を描き、「Grotto」は、アートスペースの展示のために制作された楽曲を再構築したもので、他の2曲より抽象度が高く、音の奥行きや揺らぎが際立つ。全体を通して、サウンドシステム文化の伝統と、ロンドンのDIY精神が自然に溶け合い、粗削りなのに洗練された現場の手触りが強く残る一枚。

〈Tax Free Records〉より、Question Markによるドゥーム・アンビエント『The Ghetti Man』が登場。DIYアンビエントやインダストリアルの影響を受けた全5曲を収録し、17分に及ぶ最終曲「The Look Out (Ancient Methods)」へ向けてじわじわと深度を増していく。低周波のうねり、ざらついた質感、金属的な残響が重なり合い、まるで地下深くで鳴っているような重く湿ったアンビエンスを形成。反復の中で微細なノイズが揺らぎ、儀式的な緊張感がゆっくりと積み上がっていく。インダストリアルの荒涼とした影が差し込みつつ、カセット作品ならではのローファイな密度が、閉ざされた空間の圧力をより強く感じさせる。深く没入する地下の聖域。
アートとクラブの境界を自在に往復するフランスのプロデューサーLow Jackが、Bambounou主宰レーベル〈Bambe〉から最新7インチをリリース。鋭く跳ねるビートとざらついた低音が牽引する、バイレファンキやゴム、インダストリアル、エレクトロが混ざり合うハイブリッドな質感。都市の雑踏が歪んで聞こえるような幻覚的スピード感があり、アート作品由来の抽象性とクラブ・トラックとしての強度が同居している。A面には原曲のラジオ・エディット、B面にはBambounouによるリミックスを収録。

アンビエント、インダストリアル、実験音楽といったジャンルで活動するイタリアのギタリストEraldo Bernocchi、ブラジルのヘヴィメタルバンドSepulturaの元ドラマーとして世界的に知られるIggor Cavalera、そしてご存じMerzbowという、一見すると異質な3者のコラボレーションから、熱帯雨林の夜をテーマに予測不可能なサウンドを生み出した作品が〈PAN〉より登場。Bernocchi が手がける重層的なギターと電子処理が土台を形作り、Iggor Cavalera が肉体的で原始的なリズムを叩き込む。さらに Merzbow がノイズの嵐を注ぎ、全体を圧倒的な音響体験へと押し上げている。激しいインダストリアル・ドローンや環境音的テクスチャーの中に、時折ジャングルを思わせるプリミティヴな打楽器の呼吸が浮かび上がるそのサウンドは、単なる轟音ではなく、森の闇に包まれるような没入感と儀式的な高揚を兼ね備えている。深夜に聴くと、音の密林に迷い込むようなトリップ感のある一枚。

2023年9月、10月にMARK FELL/RIAN TREANOR/KAKUHANの3組によって実施した日本ツアーを記念したスプリットCDがリリース!300枚限定です。
90年代以降の電子音楽、或いは実験的なテクノ音楽の巨頭として知られ、Mille Plateaux、Line、Mego、Raster Noton等のレーベルから多数の作品をリリース。そして近年はその「テクノ」の枠さえも飛び越え本当の意味での「現代的」なサウンドを提供するMark Fell。
2023年にはNYEGE NYEGE TAPESからウガンダ / アチョリ族のフィドル奏者 Ocen Jamesとのコラボレーションを収めた音源「Saccades」をリリースするなど、クラブ・カルチャー、実験芸術、コンピューター・ミュージックの交差点から、新たな解体と連動を伴う音楽を創出するRIAN TREANOR。
様々なコラボレーションを経た上で2022年に活動をスタートし、そのユニットに備わる音楽性=「電子音楽/弦楽」、「現代音楽/クラブミュージック」、「作曲/即興」など、様々な音楽が持っている極/曲を、その名の通り「攪拌」するKAKUHAN(日野浩志郎×中川裕貴)。
この3者による完全新曲が収録された全9曲のスプリットCDは、単なる「スプリット(寄せ集め)」ではなく、テクノミュージック以降の音楽の周縁にある「フィジカル/メタフィジカル」の境界を超越、融解するようなアプローチがそれぞれの楽曲の中に現れています。三者の音楽に対する現在進行形の態度が如実に、かつカジュアルに現れた、ジャンルを越えて聴くべき作品になっています。お見逃しなく!
暗黒NWとしての到達点的な完成度。豪州のインダストリアルに於ける伝説的バンドSevered Heads。初期の貴重音源が全22曲満載された80年の傑作がDark Entriesより2LP再発!メタリックな音響美から脱線ポスト・パンク、カオティックで緻密なコラージュまで入り乱れる異形の傑作。

TVAMことJoseph Oxleyが喪失と向き合いながら、自身の表現を根本から見つめ直すことで生まれた『Ruins』。創作から意図的に距離を置いた時間を経て、Oxleyは喪失は何もなくなることではなく、その後の自分の感じ方・考え方・世界の捉え方を根本から変えてしまうことだという視点にたどり着く。ここでは希望と絶望、語られることと語られないこと、公の顔と内側の真実といった緊張が交差し、TVAMがこれまで扱ってきたテーマがより深く掘り下げられている。ポストパンクとシンセウェイヴの冷たさに、エモーショナルな熱が宿り、喪失の痛みと、その中に潜む奇妙な美しさを同時に描くことで、暗闇の中に微かな光を見つけるような感覚が続く。シネマティックな陰影を帯び、瓦礫の中に差し込む光のような一枚。

1980年代初頭のパンクバンドThe Freezeから発展した、スコットランド出身のアーティスト、CinderによるソロプロジェクトCindytalkの3rdアルバム『The Wind Is Strong - A Sparrow Dances, Piercing Holes in Our Sky』は、イギリス人監督イヴァン・アンウィンの実験映画のサウンドトラックとして制作されており、フィールドレコーディング、物悲しいピアノの小品、そして不穏な金属音が交錯する、Cinder自身が「ambi-dustrial」と表現した独特のサウンドパレットが特徴的。長らく入手困難だった本作は、Cindytalkのディスコグラフィーの中でも、最も捉えどころがなく、冒険的な作品の一つで、ミュジーク・コンクレート、心に響く夢想、荒涼とした美しさが融合しており、映像がなくても、夕暮れの森や薄暗い廊下といった、映画的な情景を思い起こる。Cinder自身は「Cindytalkの脱線」と注記していたものの、歌を中心としたポストパンクから大胆に逸脱し、未知の領域へと足を踏み入れた、キャリアを俯瞰する上で重要な作品。

90年代レイヴの熱気と現代アンダーグラウンドのスピード感が真正面からぶつかり合う、ロウで即効性のあるアルバム『Cash Back』。ザラついた質感のビート、太いベースライン、ガラージやブレイクスの影を引きずる疾走感。どのトラックもどこかDIY的な雑味が残っていて、中毒性の強い音。懐古ではなく、90sのエネルギーを2020年代の耳で再構築したような作品で、ストリートの雑多さとクラブの熱がそのまま真空パックされた、現場直結の一枚。
デジタル・ダンスホールとUKアンダーグラウンド実験音楽の隙間に生まれた、オルタナティヴな音楽。英国を拠点に1980年代半ば~後半に活動。〈On-U Sound〉と契約を逃し、音源を残すことが出来なかったものの、〈Downwards〉主宰のRegisを80年代当時熱狂させていたという、伝説のポスト・パンク/インダストリアル・レゲエ・バンドReducer。ジャマイカ音楽史を変えた名リディム「Sleng Teng」を再構築した’86年ディスコ・ミックス・ヴァージョンなど全3曲のアーカイブ音源を収録した強力シングルがブリストル・レフトフィールドを代表する名門〈Bokeh Versions〉より到着。デジタル・ダンスホール黎明期を象徴するCasio MT-40のプリセット音を軸に、当時のサウンドシステム文化の空気を濃厚に呼び戻すかのような鮮烈な楽曲群!反復するリズムとローエンドの揺らぎが現代的な解釈と結びつき、オリジナルの革新性をそのまま保持しつつも、より長尺で恍惚感を増したサイケデリックな仕上がりに。デジタル革命の記念碑をアップデートした、全てのレゲエ~ダブ~ダンスホール愛好家必携の一枚です!
ロンドンを拠点とする深い音響探求を続けてきた電子音楽家/プロデューサーScott Fraserが25年の歳月をかけて完成させた初のフル・アルバムで、デトロイト・エレクトロからダブ・テクノ、インダストリアルまでを横断する、深くパーソナルな電子音楽の旅『Expanded』。Roland TR-606とSpace Echoを中心に構築された、アナログ機材の温かみと緻密なプログラミング、Basic Channel的な胎動感あるダブ・テクノ、デトロイト・エレクトロのソウルフルな響き、ブレイクビートやグリッチーなIDMなどが混在。Andrew WeatherallのDJプレイを彷彿とさせる、ダビーでエッジの効いた音像には、Body Hammerなどのロンドン地下クラブシーンでの個人的な経験が反映されている。Scott Fraserが自身の音楽的ルーツとコミュニティへの愛を込めて完成させた音による手紙であり、クラブと内省が交錯する濃密な作品。

ベルリンの作曲家 Mark Kanak を中心にしたプロジェクト Irrflug によるデビュー・アルバム。「腐食した空気感」と「リズムの研究」をキーワードに、金属的なノイズ、ざらついたテクスチャ、崩れかけたビートが交差し、インダストリアルとアヴァンギャルドの中間にある独自の音像を形成する。音はミニマルでありながら鋭く、リズムは一定の形を保ちながらも、常にどこか歪み、揺れ、崩れ、リズムなのにリズムとして機能しない、リズムそのものを素材として解体するようなアプローチが貫かれている。整った構造を拒むような荒々しさと、音の粒子を精密に配置する冷静さが同時に存在し、本作を単なるノイズやインダストリアルの枠に収めない異物感が生まれている。ベルリンの地下シーンの空気をそのまま吸い込んだような、生々しくも美しい一枚。

英国の音響作家RapoonことRobin Storeyによる1994年発表の、アフリカのパーカッションとアジアの弦楽器を融合したトライバル・アンビエントの傑作『Cidar』が未発表音源3曲を追加、リマスタリングを施されて再発。アフリカの打楽器とアジアの弦楽器をサンプリング、加工し、深い残響と民族的リズムが交錯。旋律よりも質感と空間性を重視し、見えない風景を描くようなアプローチで、フィールドレコーディングや環境音も織り交ぜて、リバーブやディレイを多用したどこか遠くから響いてくるような断片が重なる。瞑想的かつ幻視的な時間が漂うエスノ・アンビエントの金字塔。

英国の音響作家RapoonことRobin Storeyによる1994年発表の、アフリカのパーカッションとアジアの弦楽器を融合したトライバル・アンビエントの傑作『Cidar』が未発表音源3曲を追加、リマスタリングを施されて再発。アフリカの打楽器とアジアの弦楽器をサンプリング、加工し、深い残響と民族的リズムが交錯。旋律よりも質感と空間性を重視し、見えない風景を描くようなアプローチで、フィールドレコーディングや環境音も織り交ぜて、リバーブやディレイを多用したどこか遠くから響いてくるような断片が重なる。瞑想的かつ幻視的な時間が漂うエスノ・アンビエントの金字塔。


大名門〈PAN〉からは、VENERAの2作目『EXINFINITE』が登場。本作は、KornのギタリストJames "Munky" Shafferと作曲家、映像作家のChris Huntによるプロジェクトの深化形で、前作で構築したシネマティックかつ多次元的な音世界をさらに進化させ、より重く、暗く、打楽器的な音像を追求している。また、ノイズやリズムの強度だけでなく、内面へと向かう神秘的・情緒的な要素も色濃く反映されているのが特徴。ノイズまみれのビート、破壊的なシンセ、ギターに、FKA twigs、Dis Fig、Chelsea Wolfeらの幽玄で情感豊かなボーカルが交錯し、ポスト・インダストリアル、ゴシック、テクノ、ノイズ、サイファイ・サウンドデザインなどが溶け合い、感情と物質の境界が曖昧になったような没入的世界を描く。ジャンルを越境しながら、闇と美しさが渦巻く、未来的で感情むき出しのサウンド!
