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前作『All Is Sound』は弊店でも大ヒット!ポートランドの「偉大なブラックミュージック」の最高の実践者、The Cosmic Tones Research Trioによる2作目のアルバムが登場!前作で打ち出された静けさ、空間性、ロングトーンの美学を引き継ぎつつ、さらにリズム的な力強さと肉体性が加わっており、表面的には癒しやメディテーショナルな穏やかな音楽に聴こえるが、じっくり耳を澄ませると、ルーツ音楽やスピリチュアル・ジャズの語法が下地にしっかり息づいているのがわかる。編成は、チェロ、サックス、ピアノ、フルートというアコースティックな楽器群で、即興を中心に据えながらも、それぞれの音は丁寧に間を取り、余白や沈黙までも音楽として活かすようなアンサンブルになっている。祈りや対話の気配がありつつ、ときにはゴスペル的な魂のこもったメロディが立ち現れ、またある瞬間にはブルースの深みを思わせるしみじみとしたトーンも顔を出す。精神性と有機的なグルーヴやうねりを両立する、心の静寂を求める人にも、深い音楽的な探究を求める人にも響く傑作。

アンナ・バターズ(ベース)、ジェレマイア・チウ(シンセサイザー)、ジョシュ・ジョンソン(サックス)、ブッカー・スタードラム(ドラム)、グレゴリー・ユールマン(ギター)によるロサンゼルス拠点のクインテット、SMLが最新作『Spontaneous Music Live』をリリース!
本作は、編集されていない即興演奏による長尺の2曲で構成されており、2025年12月にロサンゼルスの会場Zebulonで行われたバンドの3夜にわたるレジデンシー公演中にライブ録音されたものである。これは、バンドのセカンドアルバム『HOW YOU BEEN』のリリースからわずか数週間後のセッションだった。録音とミックスは、ジェフ・パーカー・ETAカルテットの美しいライブ記録でも知られるエンジニア/“魔術師”ブライス・ゴンザレスによって、ステレオ・アナログテープにライブで収められている。
『HOW YOU BEEN』と2024年のデビュー作『SMALL MEDIUM LARGE』(いずれも大幅にエディットされ、ポストプロダクションが施されている)を通じて、SMLは緻密に構築されたサウンドで評価を確立してきた。そこではメディアとしての“編集”そのものが前面に出ており、最も美味しい断片が選び抜かれ、編集されることで作品が構築されている。
しかし、これら2枚のアルバムの元となった素材はすべてライブ録音であり、長く、荒々しいグルーヴを持ってうねりながら展開する即興演奏だった。さらに重要なのは、バンドのこれまでのすべての公演が、その精神に基づいた完全な即興で行われているという点である。
この二重性は、彼らの思想的な近親者とも言えるアーティストたちにも見られる。たとえば、カンの『Live in Paris 1973』における長大で奔放な演奏と、同年のよりコンパクトな『Future Days』。あるいはマイルス・デイヴィスの『Dark Magus』におけるスピード感あるファンクの混沌と、『On The Corner』や『Big Fun』に見られる徹底的に解体された構築性などがその例である。
『Spontaneous Music Live』は、こうしたキュレーション的な視点を取り払い、編集プロセスの幕を引き剥がす作品である。そこに残るのは、ロサンゼルスという土地において、その瞬間に存在し、集合的に即興演奏を行うバンドのサイケデリックなリアリズムである。完全にその場にいる状態で、発見の瞬間を掘り出していく音楽だ。そこでは音の一つ一つが、将来のSMLの楽曲になりうる断片として、集合的な混沌と統制のあいだに星のように散りばめられている。
オランダのKim David BotsとLyckle de Jongによる、独自の即興・一発録音手法を用い、特定の展示会場や川沿いの芸術機関の地下室といった「場所」の空気感や記憶をその場で短編フレーズへと定着させた実験的スケッチ集を収録した7インチ作品『
Land of the Few and Far Between / Songs for St. Michel』。クラリネットやカワイK1、ガジェット楽器、サンプラーなどを駆使し、耳を頼りにその場で組み上げられたミニマルな音の断片を収録。空間の湿り気や漂流物のようなノイズ、どこか不穏でノスタルジックな旋律が交錯し、架空の童話や白昼夢を思わせる不思議なローファイ・アヴァンギャルド・ポップを展開している。特定の空間が持つストーリーと即興性がリンクした、怪しくも美しい音響の断片集。
伝説的実験音楽集団、タージマハール旅行団の中心メンバー長谷川時夫が、国内の先鋭的ミュージシャンたちと結成したプロジェクトStone Musicの第2弾『Into The Cosmic Forest』。新潟のミティラー美術館敷地内やOff-Tone Festivalの野外で2023年に録音された、20分超の長尺即興パフォーマンス2篇を収めたもので、固定された楽曲構造に縛られず、その場の空気や自然環境の揺らぎとリアルタイムに響き合うフリーフォームなアプローチを展開。声、弦楽器、管楽器、電子音響、繊細なパーカッションが層をなし、ブライアン・イーノやヴィニ・ライリーを想起させる透明感あふれるアンビエントギターから、ポポル・ヴーやゲダリア・タザルテスにも通じる神秘性、集団即興へとゆるやかに変化していく。自然の静寂や風の気配そのものを包含した、アヴァン・フォーク秀作。

2022年11月、世界的に有名なコラ奏者Ballaké Sissokoと、南アフリカ出身のギタリストDerek Gripperがレコーディングしたセルフ・タイトルのコラボレーション・アルバムが〈Matsuli Music〉からアナログ・プレス。世界的なコラとギターの名手たちが織りなすのは、瞑想的で晴れやかな時間を旅する、空想的で音楽的滋養豊かなインプロヴィゼーション。まさに絶品です。

11月中旬再入荷。ドイツの実験音楽集団Institut für Feinmotorikによる、8台のターンテーブルと4台のミキサーを使いながら、レコードを一切使わずに制作された異色の作品『Öd』。ゴムバンド、CD、アルミ箔、廃材などをターンテーブル上でこすり合わせ、摩擦、ループ、静電気といった物理的な現象をそのまま音素材として扱っている。6つのゆるいグリッド外のリズムで構成され、即興的なプレイとランダムなループが多層的に絡み合う。輪郭だけが浮かぶようなダブのグルーヴ、揺らぐアンビエント・テクノ、金属片が転がるような即興的ノイズのあいだを絶えず行き来し、音がいつ崩れたり変形したりするかわからない不安定さが魅力になっている。ターンテーブルという物理的な装置を使った音響実験でありながら、どこか奇妙にファンキーなグルーヴが立ち上がるのが印象的で、取るに足らない素材から予想外の可能性を見つけ出すというアルバムの精神が詰まった、音響実験の枠を超えて語り継がれるべき異色の傑作。

Alvin CurranやFrederic Rzewskiらと共に実験音楽集団Musica Elettronica Vivaを立ち上げたAllan Bryant。彼が1970年代に独自開発した改造楽器を用いて制作し、1977年に発表した幻のソロ作『Space Guitars』が、1995年の追加音源を含む拡張版2枚組LPとして〈Death Is Not The End〉より初のヴァイナル再発。シンセサイザーやテープ操作を一切排し、アンプ増幅と自作改造ギターの物理的な演奏のみで電子音楽の音響ロジックを具現化した異色作で、プリペアドされた弦から放たれる高周波のビープ音や昆虫の不規則な羽音、モジュラーラックのシークエンスを思わせる高密度な音塊、そして極限まで張られた弦が鉄路の軋みを想起させる即興音響が交錯。アヴァンギャルド・ギターの概念を根本から覆すような、実体的電子音響の極北。

Alvin CurranやFrederic Rzewskiらと共に実験音楽集団Musica Elettronica Vivaを立ち上げたAllan Bryant。彼が1970年代に独自開発した改造楽器を用いて制作し、1977年に発表した幻のソロ作『Space Guitars』が、1995年の追加音源を含む拡張版2枚組LPとして〈Death Is Not The End〉より初のヴァイナル再発。シンセサイザーやテープ操作を一切排し、アンプ増幅と自作改造ギターの物理的な演奏のみで電子音楽の音響ロジックを具現化した異色作で、プリペアドされた弦から放たれる高周波のビープ音や昆虫の不規則な羽音、モジュラーラックのシークエンスを思わせる高密度な音塊、そして極限まで張られた弦が鉄路の軋みを想起させる即興音響が交錯。アヴァンギャルド・ギターの概念を根本から覆すような、実体的電子音響の極北。
日本を代表するパーカッション/ドラマーである富樫雅彦が、1980年に録音し、1981年に発表したソロ・パーカッション作品。事故により半身不随となった後に、ドラム、鐘、ゴング、打楽器など多様なパーカッションと独自の奏法とテクニックで、自身の音の世界を録音した作品。
トラックリスト:
A1: サムシング・カミング
A2: 祈り
A3: レッツ・シング、レッツ・ダンス
B1: バラード・フォア・ロンリネス
B2: ハートストリングス
B3: ウィスパーリング・スターズ
B4: サムシング・リーヴィング

フリー・ジャズおよび20世紀音楽の偉大な革新者Cecil Taylorが、1979年に過渡期の5人組編成で残した貴重な未発表ライヴ音源『Live at the KiMo Theater Albuquerque 1979』。長年の相棒Jimmy Lyonsのサックスに、ヴァイオリンとチェロ/ベースが織りなす弦の緻密なテクスチャー、そして新たなドラムスが加わったこの時期限りの珍しいラインナップ。前年の力づくで拮抗する猛烈な演奏とは異なり、強靭な構造美の中で各奏者の個性が引き立ち、シンフォニックで繊細な音のダイナミクスと圧倒的な緊張感が交錯する。約40年間にわたり眠っていたマスターテープを発掘し、オーディオファイル級の音質と豪華な装丁で陽の目を浴びた歴史的発掘盤。
実験ギター界の重鎮Loren ConnorsとElliott Sharp、そして新世代の音響探求者Michael Valleraによる、共同即興を実践し、ギターという楽器の輪郭を溶かし合いながら、ひとつの巨大な音響体を形成していく初共演ライブを収めた『When The Moon Is New』。Connorsのブルース由来の揺らぎ、Sharpの複雑なプラック、Valleraのテクスチャー的な音の層が、判別できないほど自然に絡み合い、音は個々の演奏ではなく集合体としての振る舞いを見せる。微細なノイズ、倍音の尾、擦過音が空間の奥行きを描き、広がりのある音響がゆっくりと立ち上がる。緊張と静けさが同時に存在し、3人が互いの動きを聴きながら音を置いていく慎重な姿勢が、演奏の密度を高めている。ギターの可能性を拡張してきた3人が、世代を越えて作り上げた抽象音響の記録。個々の声部が溶け合い、新しい第四の思考が生まれる瞬間を捉えた、現代即興ギターの重要作。
タンペレのDIYアングラ・シーンから突如出現し、デビュー作が即完売となった実験ジャズ・ユニットFysiikka ja Kemia(=物理と化学)による、ライヴ音源を収めた待望の2nd『Haulitorni』。自然科学や農村生活の無骨な単語を題名に冠し、両面各1曲の長大即興で構成された本作は、70年代スウェーデンのArbete & Fritidを彷彿とさせるフリー・インプロヴィゼーション、北欧フォークの記憶、ルーズなサイケデリック・ロックの脈動が融解し合う音像。会場となった歴史的建造物の響きと空気を吸い込み、音のテクスチャーが自然に変容していくまでじっくりと空間に身を委ねる静けさと忍耐強い展開が素晴らしい。タンペレ周辺で育まれてきたアンダーグラウンドな音楽の現在を伝える一枚。

フィンランドのパーカッショニスト Antti Vauhkonen を中心とするジャズ・コレクティヴ Oiro Pena が、北欧のフォークローレとスピリチュアル・ジャズを静かに融合させた作品『Béke』。スタジオでライヴ録音された本作には、その場で生まれる呼吸や生々しい空気感が刻まれており、フィンランド民謡の素朴な旋律と、霊性を帯びた即興演奏が自然に溶け合っている。「Béke(平和)」というタイトルが示すように、サックスやフルート、ヴィオラ、声が柔らかく重なり合い、音楽は派手さを排しながらも深い祈りのような静けさを湛え、北欧の冷たい空気と温かみを帯びた精神性が同時に漂う独特の世界を描き出す。ミニマルな反復と儀式的な高揚感が共存する北欧スピリチュアル・フォークジャズ。

フィンランドのパーカッショニスト Antti Vauhkonen を中心とするジャズ・コレクティヴ Oiro Pena が、北欧のフォークローレとスピリチュアル・ジャズを静かに融合させた作品『Béke』。スタジオでライヴ録音された本作には、その場で生まれる呼吸や生々しい空気感が刻まれており、フィンランド民謡の素朴な旋律と、霊性を帯びた即興演奏が自然に溶け合っている。「Béke(平和)」というタイトルが示すように、サックスやフルート、ヴィオラ、声が柔らかく重なり合い、音楽は派手さを排しながらも深い祈りのような静けさを湛え、北欧の冷たい空気と温かみを帯びた精神性が同時に漂う独特の世界を描き出す。ミニマルな反復と儀式的な高揚感が共存する北欧スピリチュアル・フォークジャズ。

NYC出身で現在はEUを拠点に活動するアーティストVictoria Mingotが、クラシカル・ギターの即興とノイズ、ドローンを重ねて作り上げた、壊れたフォークの美学を体現する最新作『God Spill』。粗く録られたギターの響き、不安定に揺れるペダルループ、薄いヒスノイズが折り重なる、構造よりも瞬間の感触が中心の音楽。指が弦をこする音、ループ、ドローンの濁りが日記の走り書きのように連なり、即興の断片が積み重なる私的な記録のような質感を生む。時折にじむ声は歌というより気配として現れ、内省的で神秘的なアコースティック・エクスペリメンタルとなっている。曖昧さと壊れた美しさを静かに結晶させた一枚。


Mats ErlandssonとGus Loxboによる初の正式コラボレーション作『Minnets Långa Kedjor』がスウェーデンの電子音響レーベル〈Xkatedral〉から登場。25年以上の友人関係と共演歴を持つ二人が、故郷Bergslagenの風景や記憶を起点に、即興演奏の衝動とスタジオでの電子処理を重ね合わせて構築した長尺音響作品。ダブルベースがつくる地層のような重さと、テープ処理された電子音の霧を中心に、即興で生まれた一瞬の響きが引き延ばされ、逆に長い残響が切り取られることで、時間の感覚がゆっくりと歪んでいく。倍音の細い線が揺れ続けるドローン、擦過音のざらざらした感触、暗い重心を持つドゥーム的な質感が交差し、北欧の風景の影が音に染み込む。電子音響の精密さと、生演奏のフィジカルな振動が自然に重なる、〈Xkatedral〉の美学を体現するかのような、静かで深い音の連なり。

シカゴを拠点に活動するWhitney Johnson、Lia Kohl、Macie Stewartの三人が、長年の即興実践と深い聴取の感覚をもとに紡ぎ上げた『BODY SOUND』。音が生まれる瞬間の親密さと、空間が持つ固有の気配をそのまま封じ込めたような作品で、ヴィオラ、チェロ、ヴァイオリン、声は、ただ重なるのではなく、録音された場所の空気、光、温度と結びつきながら、ゆっくりと形を変えていく。スタジオ、教会、フェス会場のパブ。異なる空間で生まれた即興の断片は、アナログテープの物理的な操作によって再び編み直され、時間の層が折り重なるような独特の深みを帯びる。テープは単に質感を与えるためではなく、もうひとつの即興として機能し、音の流れを揺らし、歪め、再配置していく。そこに立ち上がるのは、フォークの素朴さ、ドローンの持続、実験音楽の自由さが自然に溶け合った、どこかの土地に伝わる古い音楽のような気配。深く、静かで、時にざらつき、時に広がり、言葉よりも先に、音と空間と身体がひとつの呼吸で動くような、内側にある静かな場所へとそっと触れる作品になっている。
Jim O’Rourke と Loren Connors による即興ギター・デュオ作『Two Nice Catholic Boys』。1997年の欧州ツアーで録音された演奏を O’Rourke が後年編集し、〈Family Vineyard〉から2009年に発表したもので、静寂と残響を活かしたブルースから、ノイズを孕んだフィードバックまで、ふたりの音がぶつかり合うのではなく、緊張と余白のバランスで空間を描く即興演奏。実験的ギターの対話と呼べる内容は、ギターの音色そのものを探求するかのよう。
チリ出身の詩人であり芸術家のCecilia VicuñaとコロンビアのピアニストRicardo Gallo、そして同国の先住民音楽を探求するトリオHombre de Barroによるコラボレーション作品『Tejiendo nubes contra la muerte』。気候変動や環境への意識を先住民の知恵と繋げたVicuñaの詩集『Cloud Net』を軸に、2022年7月にコロンビアの山あいで録音、2023年に他界した参加ミュージシャンErnesto "Teto" Ocampoの遺作としても深い意味を持つ一枚。朗読や囁き、吐息や静寂までを自在に行き来するVicuñaの詩的ヴォイスに対し、静謐なピアノやシンセサイザー、チェロ、フルート、ギターが即興的かつ有機的に交差。コロンビア伝承音響の深いルーツと現代アヴァンギャルドが高次元で融合し、儀式的で神秘的な音響空間を立ち上げている。精神性と芸術性が全編を貫く充実作。

フィラデルフィアのアンサンブル Sounds of Liberation の中心人物としても知られるヴィブラフォン奏者 Khan Jamal が1974年にリリースしたスピリチュアル・ジャズの名作『Give The Vibes Some』が〈Souffle Continu Records〉より再発!ヴィブラフォンとマリンバによる浮遊感ある響きと、ドラムとトランペットを交えた自由度の高い即興が共存。フランスの音楽家 Jef Gilson が主宰したPalm Recordsのスタジオで録音、Gilsonはヨーロッパのアヴァン・ジャズシーンを牽引した人物であり、その美学が作品にも反映されている。スピリチュアルな雰囲気と、フリージャズ的な開放感を兼ね備えた名盤。

〈Black Truffle〉より、80代になるスウェーデンのマルチ奏者Christer Bothénが自身の軌跡を辿りながら、伝統楽器ドンソ・ンゴニの深淵な世界を単独で表現した稀有なソロ作品が登場。1970年代からスウェーデンのジャズや即興シーンで活躍してきた彼は、1971年にマリへ渡り、南部ワスル地方で狩猟者のカーストが奏でる神聖なハープ、ドンソ・ンゴニに出会う。伝統的には狩猟者一族にのみ演奏することが許されたこの楽器を、熱心な師匠ブロエマ・ドビアからのマンツーマン指導で習得し、伝統を尊重しつつも自分のスタイルでの演奏許可を得たという。本作は、伝統的なワスルの七つの曲に加え、両者の境界を曖昧にするBothén自身の作曲『La Baraka』を収録。主にペンタトニックの繰り返しに集中しながらも、その中で無限のニュアンスや即興的な息づかいが躍動し、単調に陥ることなく深い聴きごたえを生み出している。特に、楽器に付随する小さなラトルの効果や演奏の微妙な加速・減速が、静かに、しかし鮮やかに音楽の流れを彩っていて、最終曲では長年の弟子でありベーシストのカンサン・トルビョルン・ゼッターベリと、金属スクレイパー奏者マリアンヌ・ンレムボ・リンデンが加わり、独特の響きをさらに深めている。ストックホルムの高音質スタジオで2019年から2023年にかけて録音され、細部まで鮮明に捉えられた音像は、ドンソ・ンゴニのブルブルと震える低音弦の豊かな鳴り響きが強烈に印象に残る。これは約半世紀にわたるBothénの献身的な探求が結実した、精神的とも言える集中の記録で、作品にはマリ滞在時の鮮やかな写真と詳細な解説も添えられ、この深淵な楽器の神秘と魅力を多角的に伝えている。
豪州を代表する稀代の実験音楽家、Oren Ambarchiが、2014年に名門〈Editions Mego〉から発表した傑作『Quixotism』の 10周年記念再発盤が、自身の〈Black Truffle〉より登場!ヨーロッパ、日本、オーストラリア、米国から参加した多数のコラボレーターとレコーディングされた長編作品であり、全体を通じて、ケルン拠点の名作家Thomas Brinkmannによる脈動するダブルタイムの電子パーカッションの基盤の上にその音世界が構築。AMMやThe Scratch Orchestraでの活動も知られる伝説的ピアニストJohn Tilbury、マルチ楽器奏者/作編曲家のEyvind Kang、カナダの女性サウンド・アーティスト、Crys Cole、そして、日本からのU-zhaanに、我らがJim O'Rourkeまで、豪華な面々が結集した、鎮静的でありつつも、確かな熱量とスリリングな魅力に溢れる即興ミニマル大作!Joe Taliaによる新規リマスタリング仕様。
