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ロンドン〜ブライトンの先鋭レーベル〈Kit Records〉より、ブエノスアイレスを拠点とする作曲家Ignacio SandovalによるプロジェクトYOTOのCD作品『Ciprés』がリリース。アルゼンチン・フォルクローレの伝統と地元ブエノスアイレスの実験芸術シーンの境界に根を下ろし、南米フォークの美学を解体・再構築したアヴァン・フォークロア。リアルタイムのギター・インプロヴィゼーションを中心に、可愛らしいマリンバやシロフォンのメロディ、スピリチュアルで静かな打楽器が層を成すアンサンブルは、前作の緻密なマキシマリズムから一転し、日々の生活の親密さや孤独に寄り添うような素朴で繊細な音響表現へと結実している。ラテンアメリカ伝来の叙情性と有機的な音響実験が静かに融け合い、部屋の隙間に漂う微細な情緒を捉えた充実作!

ヴィンテージ音源の発掘で絶大な信頼を得る〈Death Is Not The End〉より、ポルトガルの伝統歌謡ファドの初期スター歌手Ercília Costaが1920〜30年代にマドリードで録音したアーカイブ集『My Torment』。ポルトガル移民コミュニティに向けて最初にファドを国外へ届けた先駆者であり、ファド・ギターの名手Armandinhoが伴奏を務めた15曲を収録。ムーア人の弦楽器音楽や古の交易路の記憶にルーツを持つファド特有のサウダージを体現する、気品に満ちた切なくも力強い歌声。Armandinhoの繊細で流麗なギターの響きとSP盤時代のヴィンテージな空気感が交錯し、聴く者の心を深く揺さぶる。100年の時を超えて響き渡る、極上のエレガンスと儚さを湛えた珠玉の一本!

絶滅の危機に瀕するブラック・アメリカン・フォークロアの貴重な記録が、名門〈Death Is Not The End〉より考古学的リイシュー。白人文化のイメージが強いシェイプ・ノート合唱において、1世紀以上にわたり独自に受け継がれてきたアラバマ州南東部のアフリカ系アメリカ人伝統。その第一人者Dewey Williams率いるグループが1993年、地元の教会で残した極めて生々しいフィールドレコーディング作品『Songs From The B. F. White Sacred Harp』。1844年編纂の歴史的歌本を紐解き、伝統に則りスクエア状に座った歌い手たちが「fa-sol-la」の音名唱法から立ち上げる無骨で飾り気のない無伴奏アカペラ。黒人伝統特有の歩きながら指揮をとるスタイルが醸す独特のリズムのうねりと、熱狂の末にトランス状態へと至るソウルフルな歌声が教会の空間を満たす。人間の生の感情と祈りの熱量がそのまま刻み込まれたかのような、アメリカン・ルーツ・ミュージックの奥深さを伝えるドキュメント!
東南アジアの光景と異国情操を独自の視点で掬い上げるBodega PopのGary Sullivanによるラオス現地音源の極上コンピレーション『The Remains: Short-Run Regional Releases from the Lao People's Democratic Republic』。ルアンパバーンやビエンチャンのナイトマーケット、カフェ等で掘り起こされた1970年代から2000年代初頭の超小ロット自主制作CDR/CDから音源を厳選したカセット限定作品で、ラオスの象徴である竹製笙ケーンの素朴な響きをはじめ、水牛の角でつくられたリード楽器サナイや儀式用ゴングなど、様々な民族の伝統楽器が紡ぐ力強くもノスタルジックな音像。現地の空気感をそのまま封じ込めたかのような盤面の経年劣化や音飛びすらも美点として抱え込み、学術的な分類を越えて音の質感とリズムに導かれて編み上げた、ラオスの忘れ去られた音楽風景を旅するフォークロア集!

ソウルやロック、ハウスへと脈々と受け継がれる現代ポピュラー音楽の真の源流!黒人アカペラ・ゴスペル・カルテットの聖地であるアラバマ州ジェファーソン郡にて、製鉄所や鉱山の労働者たちによって1929年に結成された名門グループThe Sterling Jubilee Singersが、1994年に遺した貴重な現場リハーサル音源『Jesus Hits Like the Atom Bomb』。楽器伴奏をいっさい排し、長年の練磨によって培われた圧巻の4部合唱ハーモニーだけで構築される生々しく力強い歌声。祈りの言葉や厳格な儀礼、和やかな語らい、さらには会場のすぐ脇を走る列車の走行音までもがそのまま収められており、生活と信仰が地続きとなったアメリカ南部のディープなカルチャーをありのままに伝えてくれる。伝統の重みと生の歓びがそのまま刻まれているかのような、全てのルーツ、ブラック・ミュージック・ファン必携のドキュメンタリー!
ベトナム音楽界の巨星Phạm Duyが1965年にフィールド録音した、Folkwaysの貴重なアーカイブ作品。1960年代当時のベトナムにおける伝統音楽を網羅的に捉えたフィールド録音調査アルバム。前半は「先ベトナム」時代の先住民族・少数民族である高地デガル族やチャム族の音楽、後半はキン族の伝統室内楽、古都の宮廷音楽、民謡を収録。歴史的価値とアジア伝統音響の美しさが詰まったフィールド・レコーディング。
ベトナム北西部および北中部(ゲアン省、タインホア省、ソンラ省など)に分布する少数民族:クムム族。彼らは独自の言語を持ち、農耕や竹細工を生業としています。竹という素材は、そんなクムム族の伝統音楽の重要な主柱。独特な音色を持つ竹製のリード・パイプ、フルート、吹管、マウス・オルガン、その他打楽器は、彼らの伝統音楽を強く印象付ける重要なエッセンスとなります。
本作では、そんなクムム族の竹製伝統民俗楽器の魅力を紹介。カリフォルニア郊外のアパートからラオス、ベトナム、タイの山村に至るまで、およそ15年間にわたるフィールド調査の基に制作された本作は、クムム族各コミュニティが持つ音楽文化の揺るぎない美しさと個性を伝えます。
《Stern’s Africa Archive Editions》
ギニアが生んだ歴代最高のアフリカン・シンガーの決定盤が復活!
西アフリカがアフリカ音楽の宝庫であることは広く知られていますが、その中でも“声の文化”において特別な位置を占めるのがこの地域です。本作は、その頂点に立つ伝説的歌手ソリ・カンジャ・クヤテの決定的コンピレイション。2012年に英Stern’s Africaが制作した2枚組作品が、40ページにおよぶ豪華ブックレット仕様のまま待望の復活となりました。長らく入手困難だった重要タイトルの再登場としても注目されます。
1933年、現在のギニア中部に生まれたクヤテは、マンディングの伝統を受け継ぐグリオー(ジェリ)の家系に育ちました。グリオーとは歴史や叙事詩、家系の記憶を語り継ぐ世襲の音楽家・語り部であり、彼は幼少期から父のもとで叙事詩や旋律、語りの技法を徹底的に学びます。その圧倒的な声量と緻密な節回し、聴衆を惹きつける語りの力によって早くから頭角を現し、宮廷や祝祭の場で名声を確立しました。1958年の独立前後の激動期において、クヤテはギニア国立アフリカ・バレエ団の中心歌手として活躍。ヨーロッパ、アメリカ、中国など世界各地を巡演し、その力強くも気品に満ちた歌声で国際的評価を確立します。独立後は国家文化政策の中核的存在として、伝統的な叙事詩に加え、新国家の理念や社会的メッセージを反映した楽曲も歌い上げました。1970年には代表作『アフリカの声』がフランスでグラン・プリを受賞し、アフリカ音楽を象徴する存在となりますが、1977年に44歳の若さでこの世を去りました。
本作には、ギニア国営レーベル〈シリフォン〉に残された音源を中心に、彼の芸術を多角的に捉える楽曲群を収録。CD1ではエレキ・ギターやホーンズを加えたモダンなバンド編成による録音を収め、独立期の都市文化や国家的高揚を反映したダイナミックなサウンドを展開します。リズミックなグルーヴの中で声がオーケストラを牽引する構造は、当時のギニア音楽の革新性を象徴するものです。一方CD2では、コラやバラフォン、ンゴーニといった伝統楽器を主体とした編成による録音を収録。ここではグリオー本来の役割である叙事詩の語りや賛歌が前面に現れ、声と楽器が緊密に絡み合いながら物語を紡いでいきます。装飾的でありながら厳格な旋律運びや、反復と即興の交錯といったマンディング音楽の本質も鮮やかに示されています。収録曲の内容も幅広く、西アフリカの英雄や王を讃える叙事詩、地域に根ざした民謡、さらには独立国家ギニアの理念や政治的メッセージを反映した楽曲までを網羅。古層の伝統と新しい国家意識が同時に鳴り響く、きわめて重要な時代のドキュメントとなっています。
さらに付属の40ページ・ブックレットには、貴重な写真資料に加え、詳細な英文/仏文解説を掲載。クヤテの生涯や音楽的背景、収録曲の主題や成立事情まで丁寧に解説されており、本作をより深く理解するための重要な資料となっています。このように音源とテキストが一体となった構成も大きな魅力と言えるでしょう。
圧倒的な声量と精神性を兼ね備えたその歌声は、しばしばヌスラット・ファテ・アリー・ハーンにも比されるほど。“アフリカの声”という名にふさわしい、西アフリカ音楽の核心に触れる決定盤です。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト
CD1
1. N'Na
2. Tara
3. Mikossaya
4. Djoliba
5. Conakry
6. Fouaba
7. Minawa
8. Souaressi
9. P.D.G.
10. Hellaya
11. Touyend
12. Namatimbaye
13. Tinkisso
14. Sakhodougou
CD2
1. Douga
2. Kedo
3. Massane Ciss
4. Toubaka
5. Siiba
6. Kem Bourema
7. Nina
8. Malisadio
9. Toutou Diarra
10. Djandjon Bonus Download

〈Black Truffle〉より、80代になるスウェーデンのマルチ奏者Christer Bothénが自身の軌跡を辿りながら、伝統楽器ドンソ・ンゴニの深淵な世界を単独で表現した稀有なソロ作品が登場。1970年代からスウェーデンのジャズや即興シーンで活躍してきた彼は、1971年にマリへ渡り、南部ワスル地方で狩猟者のカーストが奏でる神聖なハープ、ドンソ・ンゴニに出会う。伝統的には狩猟者一族にのみ演奏することが許されたこの楽器を、熱心な師匠ブロエマ・ドビアからのマンツーマン指導で習得し、伝統を尊重しつつも自分のスタイルでの演奏許可を得たという。本作は、伝統的なワスルの七つの曲に加え、両者の境界を曖昧にするBothén自身の作曲『La Baraka』を収録。主にペンタトニックの繰り返しに集中しながらも、その中で無限のニュアンスや即興的な息づかいが躍動し、単調に陥ることなく深い聴きごたえを生み出している。特に、楽器に付随する小さなラトルの効果や演奏の微妙な加速・減速が、静かに、しかし鮮やかに音楽の流れを彩っていて、最終曲では長年の弟子でありベーシストのカンサン・トルビョルン・ゼッターベリと、金属スクレイパー奏者マリアンヌ・ンレムボ・リンデンが加わり、独特の響きをさらに深めている。ストックホルムの高音質スタジオで2019年から2023年にかけて録音され、細部まで鮮明に捉えられた音像は、ドンソ・ンゴニのブルブルと震える低音弦の豊かな鳴り響きが強烈に印象に残る。これは約半世紀にわたるBothénの献身的な探求が結実した、精神的とも言える集中の記録で、作品にはマリ滞在時の鮮やかな写真と詳細な解説も添えられ、この深淵な楽器の神秘と魅力を多角的に伝えている。

〈Sahel Sounds〉の新レーベル〈Autotune The World〉の第一弾として、その地域でしか成立しないダンス音楽を世界へ紹介する興味深い一枚。ガーナ北部、Dagbon地域で農民がDIYスタジオで制作した電子ダンス音楽をまとめたコンピレーション『Studio Simpa: Digital dance music on VCD from Dagbon, Ghana』。これらの音源は、地元市場で流通するビデオCDにのみ存在し、地域外では入手できなかったもので、携帯で録音されたドラム、FL Studioで再構築された伝統リズム、そしてGawaniと呼ばれる歌い手たちの強い節回しが重なり、村の祝祭とDIY電子音楽が並行するような独特のサウンドを形成している。パーカッションは乾いた打撃音が高速で連なり、その上をオートチューンのボーカルが鋭く往復する。伝統的なsimpaの円舞的な反復が、電子処理によってより推進力のある形に変換され、シンセの柔らかい質感がローカル録音の荒々しさと対照をつくる。祝祭性、政治的メッセージ、部族固有のリズムなど、地域の生活がそのまま音に刻まれている点も魅力。

エチオピアの作曲家Wesenyeleh Mebrekuが、エチオピア各地に伝わる民謡や子守唄、歴史的な歌を電子キーボードだけで再構築した作品『Resonance of Time』。ローファイなカシオトーンの温かい質感が心地よく、オルガンやピアノのような音色がエチオピア独自のモードと結びつき、独特の浮遊感を生んでいる。リズムマシンの素朴なビートが懐かしさを誘い、メロディはどこか子守唄のように優しく、時に哀愁を帯びる。電子音でありながら人の手触りが強く、民謡の魂が電子回路を通して新たな生命を得たよう。1980年代エチオピアのカセット文化を象徴する名作であり、アンビエント、ローファイ、エチオピア音楽の要素が自然に混ざり合い、素朴さと実験性が同居する唯一無二の音世界。

9月上旬再入荷。2016年に発表後、入手困難でレア化していた中で嬉しいリプレス!Meditationsでもベストセラーな1960年代から活動するエチオピアの女性ピアニスト、Tsege Mariam Gebruの1960年代の秘蔵音源。
Erik Satie, Debussyなどの西洋音楽のエッセンスとエチオピア教会音楽の悠久の歴史が物語る神聖美が邂逅し、アフリカの約束の大地の上にて魂の脈打つ鼓動と瞑想の響きが混ざり合った孤高の音楽であり、女性版Dollar Brandとも言える感動的なモダン・クラシカル。ピアノのみの純粋な音楽性とレトロな音質がたまりません。スピリチュアルな音源がお好きな方は当然マストですが、幅広い音楽ファンへとお薦めしたい果てなき霊性漂うマスターピース。
エクアドルはイバラ出身のキチワ系コミュニティ出身のサウンドアーティスト、Mala Famaが、孤独や喪失を解放への道として捉えたコンセプト作『Jichushka』。キチワの儀礼音楽や北部エクアドルの先住民コミュニティの音文化を軸にしながら、電子音の実験性を大胆に取り込んだ独特の音世界が広がる。2016〜2022年のホームスタジオでの制作を通じて、アンデス地域の多様な音楽系譜、マリンバ、クンビア、バジェナート、アフロ・エクアドルの声が自然に混ざり合い、コミュニティの身体性と電子音の重層的な構造が共存する。リード曲「Mortaja II」に象徴されるように、儀礼的な循環構造や声の残響が、喪失の感情を静かに堪えながら新しい始まりを示す。穏やかなアンビエントと重いシーケンスが交互に現れ、過去の記憶と未来の可能性が同じ空間で響くような感覚を生む。キチワの文化的力と電子音の探求が交差する、現代エクアドル音楽の重要作。
2025年のノルウェー民族音楽全国大会、Landskappleikenで、国内最高のハーディングフェーレ奏者と評されたHelga Myhrが、自身の原点であるノルウェー南部ハリングダールの伝統曲だけを演奏した初のアルバム『Slåttespel』。幼少期から弾き続けてきた音楽を、3挺のハーディングフェーレで記録した作品で、伝統の核をそのまま提示するような強い存在感を放っている。共鳴弦が生む複層的な響き、弓の圧や指板の摩擦まで感じられる生々しい音像、そして舞曲特有の身体性のあるリズムが、山岳地帯の風景や踊りの記憶を立ち上げる。Myhrの演奏は、伝統を忠実に再現するだけでなく、どこか現代的で、ノルウェー伝統音楽の深い歴史と、現代的な感性が自然に交差する、現行の北欧フォークロアを代表する一枚。

1950〜1965年の南アフリカで生まれたズールー・ギター音楽の多彩で美しいルーツを掘り起こした貴重なコンピレーション『Zulu Guitar's Pioneering Tricksters』が〈Matsuli Music〉より登場。希少な78回転盤に刻まれていた音源を最新技術で丁寧に修復しており、失われかけていた歴史の一端が、かつてないほど鮮明な音で蘇っている。収録曲は、アパルトヘイト体制下における移民労働者たちの生活と精神の断片を映し出すもので、ハワイアン、カントリー&ウェスタン、初期のムバカンガなど、多様な音楽様式を自在に取り込みつつ、自らの文化的な語りをそこに織り込んでいるのが特徴。ノスタルジアと未来への希求、喪失とユーモアが混ざり合うこの音楽は、まさに「ズールー・ギター」の定義を拡張する、知られざる音楽的遺産。土着のサウンドと異国的影響が織りなす、民俗音楽、戦後アフリカ音楽、ギターを再文脈化する非常に貴重で価値ある録音の数々。今はなき、古き良きアフリカの手触りがたまらない一枚。

中東や北アフリカのアラブ圏の、知られざるファンク、ソウル、ジャズを発掘する名門〈Habibi Funk〉が新設したレーベル〈Audible Beauty〉からマレーシア産極上ジャズが登場!マレーシア音楽史の礎を築いた作曲家であり編曲家Alfonso SolianoがRadio Television Malaysia向けに残した幻の録音をまとめたアーカイブ作品『Tiga Trombone』。当時は放送用に数十枚のみ制作されたという希少音源を、家族の正式ライセンスのもとで復刻した充実作。ジャズ、ラテン、マレー伝統音楽が自然に交差する独自のサウンドが魅力で、ホーンセクションは柔らかく、時にラテン的な軽快さを帯び、リズム隊はしなやかなスウィングとトロピカルな温度感を併せ持つ。メロディには土地の空気感が滲み、マレー語の響きやローカルの情緒がジャズのフォーマットの中で立ち上がるような印象。風景がゆっくり変化するようなアレンジが続き、ピアノやホーンのフレーズが柔らかく連なりながら、地域性とジャズの普遍性が美しく重なる。未発表写真や詳細なライナーノーツを収めたブックレットも付属。
北フランスのノルマンディーに生まれ、パリに移ってからはフランスの伝統的な民族音楽に関心を抱いた女性ミュージシャン、Veronique Chalotが1979年に伊版〈Rough Trade〉的大名門〈Materiali Sonori〉に残した初めてのスタジオ作品『J'ai Vu Le Loup』が、イタリアの発掘レーベル〈Bonfire Records〉より久々のアナログ再発!実に過去30年以上にわたって、何百ものコンサートを開き、フランスとイタリアの伝統的な民謡のレパートリーを紹介し、古典的なメロディーとダンスのリズムという魅力的なサウンドを広めつつ、惜しくも2021年7月3日にこの世を去った偉才によるフランス産アシッド・フォークの大名作。180g重量盤。限定500部。

ロサンゼルスの作曲家、マルチ奏者 Brendan Eder が率いるアンサンブルによる、室内楽、アンビエント、ミニマル、フォークロアが柔らかく溶け合った作品。タイトルの通り、ニューイングランドの海辺にある小さなコテージを思わせる、静けさ、温かさ、ノスタルジーがアルバム全体を包んでいる。フルート、クラリネット、バスーンなど木管中心の室内楽編成、素朴で温かいフォークロア的な旋律による懐かしさに、現代的なミニマル感覚がふんわりと漂う。

コロンビア太平洋岸の伝統音楽を担うNidia GóngoraとCanalón de Timbiquí、そしてフランス拠点のトリオReco Recoが手を組んだ新プロジェクトNuevos Ríosによる、アフロ・コロンビアのルーツと現代的な電子音、アンプリファイド・サウンドを融合させたアルバム。アフロ・コロンビアの古層に息づくマリンバやパーカッション、コール&レスポンスの歌唱を核に、キーボード、ギター、ベース、ドラムが溶け合い、伝統と現代性が自然なかたちで交差。西アフリカからカリブ海、そしてヨーロッパのクラブ・カルチャーへと連なるリズムの系譜を感じさせながらも、祖先から受け継がれた儀式性と共同体の記憶を携えながら、新たな生命を宿した”川”のように流れ続ける、力強く催眠的なサウンドが広がります。

モンゴル出身の音楽家Ts Bayandalaiが、遊牧民として育った原風景と現代のポストロック、実験音楽を結びつけたフルアルバム『Wind of Oirat』。馬頭琴、ホーミー、オックスホーンといった伝統的な音色に、ギターの長い残響や控えめなドラム、環境音のレイヤーが重なり、自然の気配と構築的なサウンドデザインが重なり合っていく。草原の風、川の流れ、動物の気配といったモチーフが、電子音やミニマルなリズムと結びつくことで、独特の音像を形成。サックスや馬頭琴の倍音が空間を震わせ、どこまでも開けた自然の中に音が広がっていくような開放感と、儀式的な厳粛さ、ポストロック的なクールな構築感が自然に共存している。風景としての音楽を鮮明に体現した、アジアの伝統と現代を繋ぐ、注目すべき一枚。

Meditationsベストセラー、2026年リプレスです!Don Cherryにも匹敵する、マルティニーク島の崇高な神秘的音楽。コロンブスが「世界で最も美しい場所」と称賛したことでも知られる、カリブ海に浮かぶマルティニーク島の霊的バンブーフルート奏者Max Cillaの1981年作レア盤がヴァイナル再発。インドの伝統的製法に則って自作したバンブーフルートの生命感溢れる霊的な演奏に、キューバ音楽やラテンのリズム、現地のローカルなパーカッション、極めてジャズに近い構成ながらもスピリチュアル・ジャズの霊性とも異なるもので、石笛等にも通じる自然界の神秘と自然崇拝に根ざした深い密林的霊気漂うアフロ・カリビアンミュージックの大傑作。

ノルウェーのデュオNaaljos Ljomがデビュー作で提示した、民俗音階と電子音の探求をさらに推し進めた続編『II』。アーカイブ録音の研究、Eivind Grovenの音程理論、そしてフィドルの導入を重ねながら、ノルウェー民俗音楽の微分音的構造を電子的ダンス・フォークとして再構築した一枚。シンセは鋭い倍音を含んだうねりを放ち、フィドルや民俗楽器の音程の揺れと重なることで、独特の音像が立ち上がる。クラフトワーク初期のようなミニマルな推進力とノルウェー民俗音楽の非均等音階 という奇妙で魅力的なハイブリッド。サウンドコラージュ的手法も随所に見られ、アーカイブ録音を学習素材として扱う過程が音楽に反映されている点もユニーク。民俗音階の異質さを前景化し、電子音で拡張した現行のフォークロア電子音楽の中でも特に個性的な一枚。
