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2010年夏、東京・高円寺阿波おどりを久保田麻琴による録音で発売した『ぞめき 壱』。根強い阿波おどりファンだけでなく、ワールド・ミュージック・ファンからクラブ系音楽ファンまで多くの反響を受け大ヒット。「ぞめき」シリーズはこれまで8作のCDをリリースした。
本作は、この「ぞめき」シリーズの番外編。12インチ・シングルとして初のアナログ化。
A面は、1968年に爆誕して以来、半世紀以上に渡って一拍子系の雄として阿波踊り新世代に影響を与え続けた苔作。
鉦の谷幸治連長時代の高円寺での演奏。華やかだがそのストイックな演奏は追随を許さない王者の貫禄だ。街の反響と熱狂する客たちの反応も爆音とともにしっかり録音された。
続いてB面は、去年他界した柳町春雨率いる新町橋よいよい囃子と独特のグルーブで知られる眉月連とが合同セッションしたレアなライブ音源。半世紀の間、桟敷席ではなく広場で、まるでジャマイカのダンスホールのような状態で客たちを踊りの渦に巻き込んできたよいよい囃子。一方最もディープなノリを誇る眉月連のグルーブは、ロックドラムの創始者、Earl Palmerのような躍動感と驚異の正確さだ。
ROLAND R4という録音機、それとハンドマイク、SONY ECM 999 で久保田麻琴により2010年代に録音された。行進する連と動く録音なので、時間と共にバランスが変わっていく面白さが堪能できる。
レトロなカバー写真は、今年3月、新宿オリンパスギャラリーで写真展「ぞめき」を開く気鋭のカメラマン、平良博義の2024年の作品。
■収録楽曲:
Side A
1.苔作(桃園 高円寺)
Side B
1.新町橋よいよい囃子 with 眉月連(新町橋 徳島)
大城美佐子のデビュー曲『片思い』を、Churashima Navigatorのメンバーそれぞれが尊敬と感謝の気持ちを込めてカバー&リミックス。
「片思い」は、2021年に逝去した沖縄民謡唄者・大城美佐子の1962年デビュー曲である。
師匠・知名定繁(知名定男の父)が作詞・曲を手がけ捧げた作品で、大城の代名詞的楽曲。最後まで現役唄者だった大城は、この曲を大事に歌い続け、育ててきた。
それを弟子の堀内加奈子が歌い継いだのが本作だ。堀内を筆頭に、Churashima Navigatorのメンバーは生前大城と縁深く、SINKICHIとNu-dohは、2017年に「片思い」(1962年録音)のリミックスを手がけた仲でもある。
今作は、大城への感謝と尊敬の念を示すべく制作されたという。始まりは、Nu-dohが2024年11月に行われた「大城美佐子 偲ぶ唄会」で堀内が歌う「片思い」を聞き、「今の加奈子の歌を残したい」と構想を練り始めたこと。
2025年11月、那覇でのライブで約6年ぶりにChurashima Navigatorのメンバーが集結したことを機に、制作がスタートした。
A-1は、堀内が歌三線のみで聞かせる「片思い」。行きどころのない恋心が切々と語られる本曲だが、闇雲に感情を込めすぎてもいけない、それでいて“泣き”を滲み出すことが求められる難曲だと痛感する。師匠の歌から学び、独自に鍛錬してきた堀内流の「片思い」に宿る、心の揺れをじっくり聞き込んでほしい。
A-2は、Nu-doh & Harikuyamakuのリミックスに、MARINO(sax)、カナミネケイタロウ (bass)が客演。鼓動のように刻まれるビートと、セッション的な美しい音の重なりが、海の彼方の世界にトリップしたような深遠なる景色を見せてくれる。
B-1は、A-2のトラックをベースにSINKICHIがリミックス、大城の持ち歌「白雲節」にかけて「White cloud Mix」と銘打ったナンバー。どこかエキゾチックな音の響きや、鳥の鳴き声などが心地良いアンビエントな仕上がり。途中、一瞬だが大城と堀内の会話が聞けるのも微笑ましい。
「リミックスでも歌三線をしっかり聞かせることが大前提だった」というNu-dohの言葉が頷ける本作。師匠の思いを歌い継ぐ弟子の表現、新たな解釈の音世界を立ち上らせたリミックスで、大城美佐子が愛した「片思い」という楽曲の普遍的な魅力を堪能したい。
(文/岡部徳枝)
■収録楽曲:
Side A
1. 片思い (堀内加奈子)
2. 片思い Island dub Mix
(Nu-doh & Harikuyamaku feat. カナミネケイタロウ (bass) / MARINO (sax))
Side B
1. 片思い White cloud Mix(SINKICHI)

10月下旬再入荷。中東や北アフリカのアラブ圏の、知られざるファンク、ソウル、ジャズを発掘する名門〈Habibi Funk〉が新設したレーベル〈Audible Beauty〉からマレーシア産極上ジャズが登場!マレーシア音楽史の礎を築いた作曲家であり編曲家Alfonso SolianoがRadio Television Malaysia向けに残した幻の録音をまとめたアーカイブ作品『Tiga Trombone』。当時は放送用に数十枚のみ制作されたという希少音源を、家族の正式ライセンスのもとで復刻した充実作。ジャズ、ラテン、マレー伝統音楽が自然に交差する独自のサウンドが魅力で、ホーンセクションは柔らかく、時にラテン的な軽快さを帯び、リズム隊はしなやかなスウィングとトロピカルな温度感を併せ持つ。メロディには土地の空気感が滲み、マレー語の響きやローカルの情緒がジャズのフォーマットの中で立ち上がるような印象。風景がゆっくり変化するようなアレンジが続き、ピアノやホーンのフレーズが柔らかく連なりながら、地域性とジャズの普遍性が美しく重なる。

中東や北アフリカのアラブ圏の、知られざるファンク、ソウル、ジャズを発掘する名門〈Habibi Funk〉が新設したレーベル〈Audible Beauty〉からマレーシア産極上ジャズが登場!マレーシア音楽史の礎を築いた作曲家であり編曲家Alfonso SolianoがRadio Television Malaysia向けに残した幻の録音をまとめたアーカイブ作品『Tiga Trombone』。当時は放送用に数十枚のみ制作されたという希少音源を、家族の正式ライセンスのもとで復刻した充実作。ジャズ、ラテン、マレー伝統音楽が自然に交差する独自のサウンドが魅力で、ホーンセクションは柔らかく、時にラテン的な軽快さを帯び、リズム隊はしなやかなスウィングとトロピカルな温度感を併せ持つ。メロディには土地の空気感が滲み、マレー語の響きやローカルの情緒がジャズのフォーマットの中で立ち上がるような印象。風景がゆっくり変化するようなアレンジが続き、ピアノやホーンのフレーズが柔らかく連なりながら、地域性とジャズの普遍性が美しく重なる。未発表写真や詳細なライナーノーツを収めたブックレットも付属。

ロサンゼルスの作曲家、マルチ奏者 Brendan Eder が率いるアンサンブルによる、室内楽、アンビエント、ミニマル、フォークロアが柔らかく溶け合った作品。タイトルの通り、ニューイングランドの海辺にある小さなコテージを思わせる、静けさ、温かさ、ノスタルジーがアルバム全体を包んでいる。フルート、クラリネット、バスーンなど木管中心の室内楽編成、素朴で温かいフォークロア的な旋律による懐かしさに、現代的なミニマル感覚がふんわりと漂う。

〈Black Truffle〉より、80代になるスウェーデンのマルチ奏者Christer Bothénが自身の軌跡を辿りながら、伝統楽器ドンソ・ンゴニの深淵な世界を単独で表現した稀有なソロ作品が登場。1970年代からスウェーデンのジャズや即興シーンで活躍してきた彼は、1971年にマリへ渡り、南部ワスル地方で狩猟者のカーストが奏でる神聖なハープ、ドンソ・ンゴニに出会う。伝統的には狩猟者一族にのみ演奏することが許されたこの楽器を、熱心な師匠ブロエマ・ドビアからのマンツーマン指導で習得し、伝統を尊重しつつも自分のスタイルでの演奏許可を得たという。本作は、伝統的なワスルの七つの曲に加え、両者の境界を曖昧にするBothén自身の作曲『La Baraka』を収録。主にペンタトニックの繰り返しに集中しながらも、その中で無限のニュアンスや即興的な息づかいが躍動し、単調に陥ることなく深い聴きごたえを生み出している。特に、楽器に付随する小さなラトルの効果や演奏の微妙な加速・減速が、静かに、しかし鮮やかに音楽の流れを彩っていて、最終曲では長年の弟子でありベーシストのカンサン・トルビョルン・ゼッターベリと、金属スクレイパー奏者マリアンヌ・ンレムボ・リンデンが加わり、独特の響きをさらに深めている。ストックホルムの高音質スタジオで2019年から2023年にかけて録音され、細部まで鮮明に捉えられた音像は、ドンソ・ンゴニのブルブルと震える低音弦の豊かな鳴り響きが強烈に印象に残る。これは約半世紀にわたるBothénの献身的な探求が結実した、精神的とも言える集中の記録で、作品にはマリ滞在時の鮮やかな写真と詳細な解説も添えられ、この深淵な楽器の神秘と魅力を多角的に伝えている。
〈Cairo Records〉より、1920〜30年代アパラチア地方のバンジョー弾き語りだけを集めたコンピレーション『As Time Draws Near』が登場。収録されているのは、Clarence Ashley、Dock Walsh、BF Shelton、Samantha Bumgarner、Bascom Lamar Lunsfordなど、アパラチア音楽の初期録音を代表する重要人物ばかり。1924〜1930年の78回転盤から復刻された音源は、ノイズを含んだ質感のまま丁寧にリマスタリングされ、当時の空気や生活の匂いまで伝わるようなリアリティを持っている。ダンス・チューンや軽快なストリング・バンド曲をあえて排し、失恋、孤独、神秘的な出来事、殺人といったアメリカ的バラッドの暗い物語性に焦点を当てている点が特徴的で、語りと歌の境界にある素朴な声、硬質で乾いたバンジョーの響きが、山間の暮らしの厳しさや、語り継がれる物語の重みを静かに浮かび上がらせる。音楽的には極めてミニマルだが、そのシンプルさが逆に、歌い手の息遣い、弦を弾く指の強さなど、現代の録音では得られない特別なものを感じさせる、〈Cairo Records〉ならではの一枚。

アヴァン・ポップ・バンドの新鋭carolineのヴァイオリニストMagdalena McLeanと、The UmlautsのAnnabelle Mödlingerによるロンドンの新鋭デュオCurbside Lambsearのデビュー作品『Put Rings On All My Fingers To Weigh Down My Hands』。ウィーンでの出会いからロンドンの先鋭的実験シーンで再開したふたりが、自身の所属バンドとは異なる新たなサウンドを探求、加工されたギターとうねるドラム、電子音響やDAWでの実験的手法を高度に融合させ、ポストロック、スローコア、ノイズ、フォークロアなプログレを自在に解体・再構築。DomeやDisco Inferno、Bark Psychosisといった英国地下実験音響の不屈の系譜を感じさせつつも、クールでアンニュイな歌声がTirzahらにも通じる現代的で優美な感性を添えている。歪みやノイズの濁りをあえて隠さず、多幸感と切なさを交錯させる最前線のサウンド!
グラミー受賞歴を持つSP盤コレクターであり、研究の第一人者Christopher Kingの徹底的な調査のもと、1929年から1931年に録音されたギリシャ・エピロス地方の伝説的クラリネット奏者Kitsos Harisiadisの超希少SP盤音源を極上復刻した『Lament in a Deep Style 1929-1931』。78回転盤から直接リマスターされた音源には、むせび泣くような旋律と神秘的な装飾音、そして独特のピッチベンドが織りなす孤高のクラリネット演律が刻まれている。ギリシャ伝統音楽の骨格を成す端正な器楽表現でありながら、静寂と狂気が交錯するその音響は、現代のミニマル・ミュージックやアンビエントにも通じる異次元の空気感を醸し出している。長らく忘却の彼方にあったアフロ・ユーラシア辺境音響の奇跡的な発掘ドキュメント。ビックス・バイダーベックにも通じる孤高の音楽。

セネガルとスウェーデンの音楽家が、距離を越えて作り上げてきたプロジェクトWau Wau Collectifの三部作の最終作『Teranga』。2018年にToubab Dialawの村で始まった録音は、WhatsAppを介した音源交換を経て、2021年『Yaral Sa Doom』、2022年『Mariage』へと発展し、今回の最終作は初のヨーロッパ・ツアー中にメンバーが実際に集まりながら仕上げられた。本作には 26名の音楽家が参加し、バラフォン、ンゴニ、カラバス、ヴァイオリン、チェロ、サックス、オムニコードなど、多彩な楽器が柔らかく重なり合う。アフリカの伝統的な響きと、室内楽的な質感、そして控えめな電子処理が自然に混ざり、素朴なメロディと有機的なリズムがゆっくりと広がる音像をつくり出している。古いアフリカン・ギターを思わせる瞬間や、2000年代初期のアフリカン・ポップの軽やかさが顔を覗かせつつ、録音の配置や編集の手つきは現代的で、過去と未来が同じ地平で響くような独自の感触。実際の旅と共同作業を経て、文化の違いを越えて響き合う、〈Sahel Sounds〉らしいクロスカルチュラルな魅力が詰まった一枚。
1973年にフィリップス・エチオピアからリリースされた黄金期エチオピア音楽の秘蔵名盤『Wedding Songs Of Ethiopia』。アムハラ族の伝統的な結婚式の進行に沿って制作された全14曲を収録し、当時の祝宴の熱気と多幸感をそのままスタジオに封じ込めたもので、伝統楽器とモダンなアンサンブルが織りなすエチオピア特有の哀愁を帯びた旋律に乗せ、3人の実力派シンガーがマイクを交わしながら熱烈なコール&レスポンスを展開。絶え間なく打ち鳴らされる激しいクラップと、蜂蜜酒が振る舞われる宴の興奮を捉えた力強いボーカルが、圧倒的なダンサブル・グルーヴを生み出している。婚礼写真が掲載されたインサートや豪華な手刷りジャケットも含め、当時のエチオピアの祝祭文化をそのままパッケージした、貴重なアフロ・フォークロア名盤!

10月下旬再入荷。2016年に発表後、入手困難でレア化していた中で嬉しいリプレス!Meditationsでもベストセラーな1960年代から活動するエチオピアの女性ピアニスト、Tsege Mariam Gebruの1960年代の秘蔵音源。
Erik Satie, Debussyなどの西洋音楽のエッセンスとエチオピア教会音楽の悠久の歴史が物語る神聖美が邂逅し、アフリカの約束の大地の上にて魂の脈打つ鼓動と瞑想の響きが混ざり合った孤高の音楽であり、女性版Dollar Brandとも言える感動的なモダン・クラシカル。ピアノのみの純粋な音楽性とレトロな音質がたまりません。スピリチュアルな音源がお好きな方は当然マストですが、幅広い音楽ファンへとお薦めしたい果てなき霊性漂うマスターピース。


Meditationsでもベストセラーな1960年代から活動するエチオピアの女性ピアニスト、Tsege Mariam Gebruのナンと秘蔵初出音源がリリース!
Erik Satie, Debussyなどの西洋音楽のエッセンスとエチオピア教会音楽の悠久の歴史が物語る神聖美が邂逅し、アフリカの約束の大地の上にて魂の脈打つ鼓動と瞑想の響きが混ざり合った孤高の音楽であり、女性版Dollar Brandとも言える感動的なモダン・クラシカル。ピアノのみの純粋な音楽性とレトロな音質がたまりません。スピリチュアルな音源がお好きな方は当然マストですが、幅広い音楽ファンへとお薦めしたい果てなき霊性漂うマスターピース。

ロンドン〜ブライトンの先鋭レーベル〈Kit Records〉より、ブエノスアイレスを拠点とする作曲家Ignacio SandovalによるプロジェクトYOTOのCD作品『Ciprés』がリリース。アルゼンチン・フォルクローレの伝統と地元ブエノスアイレスの実験芸術シーンの境界に根を下ろし、南米フォークの美学を解体・再構築したアヴァン・フォークロア。リアルタイムのギター・インプロヴィゼーションを中心に、可愛らしいマリンバやシロフォンのメロディ、スピリチュアルで静かな打楽器が層を成すアンサンブルは、前作の緻密なマキシマリズムから一転し、日々の生活の親密さや孤独に寄り添うような素朴で繊細な音響表現へと結実している。ラテンアメリカ伝来の叙情性と有機的な音響実験が静かに融け合い、部屋の隙間に漂う微細な情緒を捉えた充実作!

ヴィンテージ音源の発掘で絶大な信頼を得る〈Death Is Not The End〉より、ポルトガルの伝統歌謡ファドの初期スター歌手Ercília Costaが1920〜30年代にマドリードで録音したアーカイブ集『My Torment』。ポルトガル移民コミュニティに向けて最初にファドを国外へ届けた先駆者であり、ファド・ギターの名手Armandinhoが伴奏を務めた15曲を収録。ムーア人の弦楽器音楽や古の交易路の記憶にルーツを持つファド特有のサウダージを体現する、気品に満ちた切なくも力強い歌声。Armandinhoの繊細で流麗なギターの響きとSP盤時代のヴィンテージな空気感が交錯し、聴く者の心を深く揺さぶる。100年の時を超えて響き渡る、極上のエレガンスと儚さを湛えた珠玉の一本!

絶滅の危機に瀕するブラック・アメリカン・フォークロアの貴重な記録が、名門〈Death Is Not The End〉より考古学的リイシュー。白人文化のイメージが強いシェイプ・ノート合唱において、1世紀以上にわたり独自に受け継がれてきたアラバマ州南東部のアフリカ系アメリカ人伝統。その第一人者Dewey Williams率いるグループが1993年、地元の教会で残した極めて生々しいフィールドレコーディング作品『Songs From The B. F. White Sacred Harp』。1844年編纂の歴史的歌本を紐解き、伝統に則りスクエア状に座った歌い手たちが「fa-sol-la」の音名唱法から立ち上げる無骨で飾り気のない無伴奏アカペラ。黒人伝統特有の歩きながら指揮をとるスタイルが醸す独特のリズムのうねりと、熱狂の末にトランス状態へと至るソウルフルな歌声が教会の空間を満たす。人間の生の感情と祈りの熱量がそのまま刻み込まれたかのような、アメリカン・ルーツ・ミュージックの奥深さを伝えるドキュメント!
東南アジアの光景と異国情操を独自の視点で掬い上げるBodega PopのGary Sullivanによるラオス現地音源の極上コンピレーション『The Remains: Short-Run Regional Releases from the Lao People's Democratic Republic』。ルアンパバーンやビエンチャンのナイトマーケット、カフェ等で掘り起こされた1970年代から2000年代初頭の超小ロット自主制作CDR/CDから音源を厳選したカセット限定作品で、ラオスの象徴である竹製笙ケーンの素朴な響きをはじめ、水牛の角でつくられたリード楽器サナイや儀式用ゴングなど、様々な民族の伝統楽器が紡ぐ力強くもノスタルジックな音像。現地の空気感をそのまま封じ込めたかのような盤面の経年劣化や音飛びすらも美点として抱え込み、学術的な分類を越えて音の質感とリズムに導かれて編み上げた、ラオスの忘れ去られた音楽風景を旅するフォークロア集!

ソウルやロック、ハウスへと脈々と受け継がれる現代ポピュラー音楽の真の源流!黒人アカペラ・ゴスペル・カルテットの聖地であるアラバマ州ジェファーソン郡にて、製鉄所や鉱山の労働者たちによって1929年に結成された名門グループThe Sterling Jubilee Singersが、1994年に遺した貴重な現場リハーサル音源『Jesus Hits Like the Atom Bomb』。楽器伴奏をいっさい排し、長年の練磨によって培われた圧巻の4部合唱ハーモニーだけで構築される生々しく力強い歌声。祈りの言葉や厳格な儀礼、和やかな語らい、さらには会場のすぐ脇を走る列車の走行音までもがそのまま収められており、生活と信仰が地続きとなったアメリカ南部のディープなカルチャーをありのままに伝えてくれる。伝統の重みと生の歓びがそのまま刻まれているかのような、全てのルーツ、ブラック・ミュージック・ファン必携のドキュメンタリー!
ベトナム音楽界の巨星Phạm Duyが1965年にフィールド録音した、Folkwaysの貴重なアーカイブ作品。1960年代当時のベトナムにおける伝統音楽を網羅的に捉えたフィールド録音調査アルバム。前半は「先ベトナム」時代の先住民族・少数民族である高地デガル族やチャム族の音楽、後半はキン族の伝統室内楽、古都の宮廷音楽、民謡を収録。歴史的価値とアジア伝統音響の美しさが詰まったフィールド・レコーディング。
ベトナム北西部および北中部(ゲアン省、タインホア省、ソンラ省など)に分布する少数民族:クムム族。彼らは独自の言語を持ち、農耕や竹細工を生業としています。竹という素材は、そんなクムム族の伝統音楽の重要な主柱。独特な音色を持つ竹製のリード・パイプ、フルート、吹管、マウス・オルガン、その他打楽器は、彼らの伝統音楽を強く印象付ける重要なエッセンスとなります。
本作では、そんなクムム族の竹製伝統民俗楽器の魅力を紹介。カリフォルニア郊外のアパートからラオス、ベトナム、タイの山村に至るまで、およそ15年間にわたるフィールド調査の基に制作された本作は、クムム族各コミュニティが持つ音楽文化の揺るぎない美しさと個性を伝えます。
《Stern’s Africa Archive Editions》
ギニアが生んだ歴代最高のアフリカン・シンガーの決定盤が復活!
西アフリカがアフリカ音楽の宝庫であることは広く知られていますが、その中でも“声の文化”において特別な位置を占めるのがこの地域です。本作は、その頂点に立つ伝説的歌手ソリ・カンジャ・クヤテの決定的コンピレイション。2012年に英Stern’s Africaが制作した2枚組作品が、40ページにおよぶ豪華ブックレット仕様のまま待望の復活となりました。長らく入手困難だった重要タイトルの再登場としても注目されます。
1933年、現在のギニア中部に生まれたクヤテは、マンディングの伝統を受け継ぐグリオー(ジェリ)の家系に育ちました。グリオーとは歴史や叙事詩、家系の記憶を語り継ぐ世襲の音楽家・語り部であり、彼は幼少期から父のもとで叙事詩や旋律、語りの技法を徹底的に学びます。その圧倒的な声量と緻密な節回し、聴衆を惹きつける語りの力によって早くから頭角を現し、宮廷や祝祭の場で名声を確立しました。1958年の独立前後の激動期において、クヤテはギニア国立アフリカ・バレエ団の中心歌手として活躍。ヨーロッパ、アメリカ、中国など世界各地を巡演し、その力強くも気品に満ちた歌声で国際的評価を確立します。独立後は国家文化政策の中核的存在として、伝統的な叙事詩に加え、新国家の理念や社会的メッセージを反映した楽曲も歌い上げました。1970年には代表作『アフリカの声』がフランスでグラン・プリを受賞し、アフリカ音楽を象徴する存在となりますが、1977年に44歳の若さでこの世を去りました。
本作には、ギニア国営レーベル〈シリフォン〉に残された音源を中心に、彼の芸術を多角的に捉える楽曲群を収録。CD1ではエレキ・ギターやホーンズを加えたモダンなバンド編成による録音を収め、独立期の都市文化や国家的高揚を反映したダイナミックなサウンドを展開します。リズミックなグルーヴの中で声がオーケストラを牽引する構造は、当時のギニア音楽の革新性を象徴するものです。一方CD2では、コラやバラフォン、ンゴーニといった伝統楽器を主体とした編成による録音を収録。ここではグリオー本来の役割である叙事詩の語りや賛歌が前面に現れ、声と楽器が緊密に絡み合いながら物語を紡いでいきます。装飾的でありながら厳格な旋律運びや、反復と即興の交錯といったマンディング音楽の本質も鮮やかに示されています。収録曲の内容も幅広く、西アフリカの英雄や王を讃える叙事詩、地域に根ざした民謡、さらには独立国家ギニアの理念や政治的メッセージを反映した楽曲までを網羅。古層の伝統と新しい国家意識が同時に鳴り響く、きわめて重要な時代のドキュメントとなっています。
さらに付属の40ページ・ブックレットには、貴重な写真資料に加え、詳細な英文/仏文解説を掲載。クヤテの生涯や音楽的背景、収録曲の主題や成立事情まで丁寧に解説されており、本作をより深く理解するための重要な資料となっています。このように音源とテキストが一体となった構成も大きな魅力と言えるでしょう。
圧倒的な声量と精神性を兼ね備えたその歌声は、しばしばヌスラット・ファテ・アリー・ハーンにも比されるほど。“アフリカの声”という名にふさわしい、西アフリカ音楽の核心に触れる決定盤です。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト
CD1
1. N'Na
2. Tara
3. Mikossaya
4. Djoliba
5. Conakry
6. Fouaba
7. Minawa
8. Souaressi
9. P.D.G.
10. Hellaya
11. Touyend
12. Namatimbaye
13. Tinkisso
14. Sakhodougou
CD2
1. Douga
2. Kedo
3. Massane Ciss
4. Toubaka
5. Siiba
6. Kem Bourema
7. Nina
8. Malisadio
9. Toutou Diarra
10. Djandjon Bonus Download

〈Sahel Sounds〉の新レーベル〈Autotune The World〉の第一弾として、その地域でしか成立しないダンス音楽を世界へ紹介する興味深い一枚。ガーナ北部、Dagbon地域で農民がDIYスタジオで制作した電子ダンス音楽をまとめたコンピレーション『Studio Simpa: Digital dance music on VCD from Dagbon, Ghana』。これらの音源は、地元市場で流通するビデオCDにのみ存在し、地域外では入手できなかったもので、携帯で録音されたドラム、FL Studioで再構築された伝統リズム、そしてGawaniと呼ばれる歌い手たちの強い節回しが重なり、村の祝祭とDIY電子音楽が並行するような独特のサウンドを形成している。パーカッションは乾いた打撃音が高速で連なり、その上をオートチューンのボーカルが鋭く往復する。伝統的なsimpaの円舞的な反復が、電子処理によってより推進力のある形に変換され、シンセの柔らかい質感がローカル録音の荒々しさと対照をつくる。祝祭性、政治的メッセージ、部族固有のリズムなど、地域の生活がそのまま音に刻まれている点も魅力。
