MUSIC
6934 products

ウィリアム・バシンスキの金字塔的作品『The Disintegration Loops』が、ローリー・アンダーソンのライナーノーツとジョシュ・ボナティによる最新リマスタリング、オリジナル・アートワークの修復版を収録した豪華仕様で再発。本作は、テープの物理的な劣化をそのまま録音したループ素材によって、音が徐々に崩れゆく過程を追った全4作構成の作品。もともとは1970年代から続けていたミニマル/テープ実験のアーカイブを再生中、磁性体が剥がれ落ちていくことに気づいたバシンスキーが、それをそのまま録音しながらリバーブを加えて仕上げたもの。偶然とはいえ、9.11の朝に完成し、その日バシンスキの自宅屋上で友人と一緒に最初の曲を再生しながら事件を目撃したという経緯もあり、リリース当時から喪失と記憶の音の碑として多くの人に深く受け止められた。2000年代以降のアンビエント/サウンドアートを語る上で避けて通れない傑作であり、時間が音になったかのような体験をもたらしてくれる作品。


6月下旬再入荷。当店でも長年ベストセラーでもお馴染み現行ドローン界隈でも最高峰の名作家!Maria w Hornと共にカルト名門〈XKatedral〉を主宰。〈Hallow Ground〉や〈Total Black〉〈iDEAL Recorings〉といった重要レーベルから傑出したタイトルを発表してきたストックホルム在住の女性ミニマリスト、Kali Maloneの最新アルバム『All Life Long』が、Stephen O'Malley運営の名レーベル〈Ideologic Organ〉よりアナウンス!2020年から2023年にかけて作曲されたパイプ・オルガン、合唱団、金管五重奏のための音楽集!2019年の画期的なアルバム『The Sacrificial Code』以来となるオルガンのための作品や、Macadam Ensemble & Anima Brassによる声と金管のための作品など、反復と変奏の間の常に変化する緊張感の中で煮えたぎる圧巻の全12曲を収録。Stephan Mathieuの手により〈Schwebung Mastering〉にてマスタリング。Matt Coltonがカッティングを担当。Stephen O’Malleyによるカヴァーフォトを採用と万全の布陣です!20ページのブックレット付属。

6月上旬再入荷。当店大大大ベストセラー『The Sacrificial Code』でもおなじみ、〈Hallow Ground〉や〈Total Black〉などといった現行アンダーグラウンドの深遠から極めて優れたドローン/実験作品を繰り出す米国出身/スウェーデン・ストックホルム在住の女性ミニマリスト、Kali Malone。名門〈Ideologic Organ〉からの2022年最新作『Does Spring Hide Its Joy』がアナウンス。Stephen O'Malley(エレキギター)、Lucy Railton(チェロ)という豪華ゲストを迎え、Malone自身が調律したサイン波オシレーターを用いて制作した没入型モダン・クラシカル/ドローン作品!パイプオルガンの調律、和声理論、長時間の作曲の経験が、この作品の出発点となっていて、彼女のニュアンスに富んだミニマリズムは、驚くべき焦点の深さを展開し、リスナーの注意の中に瞑想的な空間を切り開いています。

6月下旬再入荷。エクアドル系アメリカ人アーティストHelado Negroが2019年に〈RVNG Intl.〉から発表した、自身のルーツ、家族、移民としての経験を静かに見つめたパーソナルで温かなアルバム『This Is How You Smile』。柔らかなシンセとアコースティック・ギター、控えめなビート、囁くような歌声が溶け合い、ルーツであるラテンの香り漂うフォークとエレクトロニカが溶け合う音像を形成。静けさの中に深い感情が宿る楽曲が並び、まるで日記をそっと読み聞かせるような親密さがある。ポップなムードが絶妙に同居し、聴くほどに心の奥へ染み込んでいく。ジャケットもなんとも愛らしく、さりげなく柔らかい声で、重要なアイデンティティを歌い上げた名盤。
6月下旬再入荷。〈Paradise Is A Frequency〉が手がける初のコンピレーション『The Style of Life』は、70分にわたる頭の中のバカンスとも言うべき奇妙なセレクション。中古レコード屋やネットの片隅から発掘された、スムースジャズやVHSワークアウト音源、イージーリスニングのカセットテープといった、忘れ去られたフォーマットが素材になっている。メタモルフォシス、ロラッド・グループ、スキー・ジョンソン、メンサーらの楽曲が並び、軽やかでどこかチープな快楽感に満ちている。作品全体は90年代あたりにあった自己啓発や企業向け啓蒙ビデオ、あるいは健康・フィットネス VHSなどを思わせる作りになっており、音だけでなく付属のブックレットも含めて、架空の企業が描く「理想の生活」をパロディ化したような世界観に浸れるようになっている。ヴェイパーウェイヴ以後の感性で再発見されたスムース・ジャズ、ニューエイジ断片集と言った趣きの、リスナーを日常からずらしてくれる、奇妙に懐かしく、そしてどこかくすっとさせてくれるユーモラスな作品。

6月下旬再入荷。オリジナル盤は10万円越えの高値を付ける骨董的鬼レア盤!〈Notes On A Journey〉からの再発盤が高騰していた中嬉しい再リイシュー。この機会をお見逃しなく!伝説的リズムボックスである「ドンカマ」を駆使した知られざるAORシンガー、Chuck Senrickが1977年に自主リリースした幻のアルバム『Dreamin'』。〈P-Vine〉から国内盤CDも出ていた本作が〈Numero Group〉より2023年度久々のヴァイナル再発!70年代後半のミネアポリスのラウンジとTravis Scott x Diorのファッションショーの両方へと捧げられたような、珠玉のメロウAOR/アンビエント・フォーク・アルバム!

まるで、LCL化した人類のための音楽。浸れて、眠れるどころじゃない、溶けます。カナダからうまれる涼しげハウスの魅力を一手にひきうけたバンクーバーの人気プロデューサー、Khotinが2020年にGhostly Internationalから発表していた名作が待望のリプレス!
90年代のダウンテンポからのインスピレーションを盛大に湛え、どこまでも異界な情緒が炸裂しまくりな神秘的アンビエント~バレアリック・ヴァイブス。〈Mood Hut〉周辺に代表される、カナダ地下の幻想的でフローティンなアンビエント~ニューエイジ・ダンス観を新境地へと押し上げてみせた、20年代標準のKhotinがここに。トランスペアレント・パープル・ヴァイナル仕様。

未体験の方はこの機会にぜひ。ニューエイジ/アンビエント・リスナーにも必聴の一枚!ドイツのミュージシャン/作曲家のDaniel Rosenfeldが変名C418で残した『マインクラフト』の画期的サントラ盤『Minecraft - Volume Alpha』がアナログ・リプレス。壮大なサウンドトラックと鮮やかなサウンドデザインを作り上げ、マインクラフトのボクセルベースの世界へと新たな命を吹き込んだ、ビートレスで繊細なエレクトロニック・ミュージック大傑作!エリック・サティやブライアン・イーノとも比較される繊細なピアノとまばらなアンビエントモチーフによる穏やかで幻想的なサウンドスケープは恍惚ものです。

オリジナルは1973年リリースの、修道女Sister Irene O'Connorによる自主制作作品として長らくカルト的評価を得てきた伝説的アルバム『Fire of God’s Love』。オコナーはフランシスカン・ミッショナリーズ・オブ・メアリー修道会に所属するカトリック修道女で、教育や奉仕の傍ら音楽活動に携わってきた。1960年代にはシンガポールでギターを手にし、子どもたちと歌う中で作曲を始め、70年代に入り、同じ修道女で録音技師でもあったシスター・マリミル・ロブレガットとともにシドニーのカトリック放送局のスタジオでこのアルバムを制作。オルガン、ピアノ、アコースティックギターを主体に、チープなリズムボックスやベースペダル、そして大量のリヴァーブを駆使し、オコナーはソプラノで英語・ラテン語・マレー語の詞を歌い、同時にオルガンの全パートを演奏している。マリミルの技術と感性による録音・ミキシングは、清らかでありながら異世界的。霊的で恍惚感のある響きとなっている。歌詞のテーマは「慈悲」「光」「救済」といった聖書的題材に根差していながらも、音楽的には形式的な讃美歌ではなく、フォークや当時のサイケデリック、さらには早すぎたシンセポップを思わせる響きを含んでいるようで、モンド、電子音楽、カルト・アンビエント、フィメール・フォークなど多様な文脈で語られる稀有な作品となっている。修道院という閉ざされた環境から生まれながらも、時代もジャンルも超えてリスナーを魅了し続ける奇跡の一枚であり、無二のスピリチュアル・ポップ/サイケデリック・フォークの古典。長らく入手困難だったが、〈Freedom To Spend〉によってリマスターが施され、公式に復刻。詳細なライナーノーツと歌詞を収めたブックレットも付属した価値ある再発。


6月下旬再入荷。Psychic TVやThrobbing Gristleでの活動も知られるPeter 'Sleazy' ChristophersonとJohn Balanceが率いたカルト・インダストリアル/エレクトロニック・ユニット、Coil。そのメンバーDrew McDowallが単独で録音した粗いデモ・テープを、バンドメイトのJohn BalanceとPeter Christophersonが完成させた、最小限のポスト・プロダクションで録音された4編のドローンを収めた傑作『Time Machines』が〈Dais Records〉よりアナログ再発。チベットやその他の宗教の儀式音楽からインスピレーションされ、音楽に没入して瞑想したり、トランス状態になることを目的とした、まさに時間を溶かすような深遠で幻覚的な長編ドローンの史上に残る傑作アルバム。

カナダの作曲家Matthew PattonによるプロジェクトThose Who Walk Away による、亡き友人 Jóhann Jóhannsson への深い哀悼を込めたポスト・クラシカル作品『Afterlife Requiem』。ポストクラシカルの巨匠Jóhann Jóhannssonのハードドライブに残されていた未完成の録音断片を素材として使用、その残響を中心に、アイスランドの Ghost Orchestra とウィニペグの Possible Orchestra、2つの弦楽五重奏団も参加し、新たな構造を編み上げている。ドローン、エレクトロアコースティック、フィールド録音、沈黙に近い音が重層的に配置され、音が現れては消え、弦の残響が霧のように漂う。深い静寂と低域のうねりが共存する幽玄な音世界は、レクイエムでありながら、どこか祈りのような温度を持っている。

学生時代に参加した"グループ音楽”での先鋭的な音楽活動、また1964年からはフルクサスへ参加した事でも知られる塩見允枝子氏。1990年に招聘されたヴェネチアのフルクサス・フェスティバルは、その後の氏の活動に大きな変化を与える出来事となり、同年に創始者であるジョージ・マチューナスへの追悼を込め鎮魂曲をカセットフォーマットにて自主出版。
シンセサイザーのチェンバロとオルガンの音色で演奏した自作曲、逆再生した自身の声をテープに記録、その音源を業者に持ち込みヴェネチアの会場で録音した環境音と合成/編集を行ったテープ音楽作品。ラ・モンテ・ヤング、マリアン・ザジーラ、エリック・アンダーセン、ウィレム・ドゥ・リダー、ケン・フリードマンらフルクサスの重要作家らの声も使用、テープの特性を利用しユニークなアイデアと構造を盛り込んだ、氏の音源の中でも特殊な位置付けとなる作品。
塩見氏が本再発版の為に書き下ろした新たな解説文、会場で撮影された当時の写真資料やスコアを掲載した、A4サイズの全8ページブックレット付き(日本語/英語)。
マスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。
※CDフォーマットは作家の意向により、オリジナルカセットのA、Bサイドを繋げ1つの楽曲としている。


6月下旬再入荷。イタリア・ヴェネツィアのアンビエント巨匠Gigi Masinが、2020年『Calypso』以来となる6年ぶりのソロ・フルアルバムを〈Sacred Bones Records〉からリリース。2023年のGreg Foat & Moses Boydとの共作『Dolphin』で見せたジャジーなライブラリー路線を経て、本作では再びアンビエントへと回帰しつつ、動きをテーマにした新たなアプローチを提示。メランコリックな電子音、テクノ的なロボティックな質感、深海のようなアンビエントがシームレスに行き交い、Masinの音楽的探求がさらに広がったことを感じさせる。静けさの中に微細なリズムが脈打ち、風景がゆっくりと変わっていくような、Masinならではの動くアンビエントが全編を貫く。アンビエントを、身体に響く音楽として再定義する意欲作。

昨秋の『bloweyelashwish』の再発でもお馴染みのデュオ、lovesliescrushingが1996年に発表した2ndアルバム。ギターと声という最小限の素材を徹底的にエフェクト処理し、音の輪郭を完全に溶かしてしまうアンビエント・シューゲイズの美学が決定的に結晶。Scott Cortezのギターはもはや楽器の形を留めず、霞のようなテクスチャーとして空間を満たし、Melissa Arpinの声は言葉を失った光の粒子のように漂う。18曲の短いスケッチが連なる構成は、夢の断片を次々と覗き込むようで、シューゲイズの轟音を極限まで抽象化し、音の雲として提示するアプローチは、現在のドリームアンビエント/ノイズ・シューゲイズの源流ともいうべきもの。音の存在そのものに身を委ねる、唯一無二の作品。

UKマンチェスター出身の詩人、サックス奏者、作曲家 Alabaster DePlume が2020年に発表したアルバムで、詩や朗読で知られるDePlumeが、あえて言葉を使わずに感情を伝えようとした『To Cy & Lee: Instrumentals Vol. 1』。サックス、ギター、パーカッションなどを用い、静かでメロディアス、少し倦怠感も漂う音響。ジャズ的な即興性と、英国フォークの伝統も活かした、穏やかで親密なインストゥルメンタル作品集。

ジャズ、エレクトロニカ、ベース・ミュージック、アンビエントなど、さまざまな音楽的影響を現代の感性で表現した作品で高い評価を得てきたロンドンのプロデューサー、Loraine James。内なる葛藤と変化への渇望を原動力に制作された最新作『Detached From The Rest Of You』は2025年にシンガーAnysia Kymと手がけたEP『Clandestine』での制作経験を経て、よりポップなアプローチと、インストゥルメンタルを洗練された楽曲構造へ落とし込む手法を獲得し、その経験を制作に落とし込むことで完成した。
クラブ志向のサウンドや曲折的な展開から一歩進み、より明確で凝縮されたソング・フォームへとシフトしている。
プロダクションは極限まで削ぎ落とされ、Aoki takamasaやRyoji Ikeda、2000年代初頭のClicks & Cutsに着想を得たクリックやグリッチの音響空間が広がる。ミニマルな鍵盤の和音と余白を巧みに活かし、音とヴォーカルのあいだに生まれる空間が、これまでで最も自信に満ちたダイレクトな作品へと結実した。
客演には、Sydney Spann(“In a Rut”)、Alan Sparhawk(Low/“Peak Again”)、Miho Hatori(Cibo Matto/“Flatline”)、Anysia Kym(“Score”)、Tirzah(“Habits and Patterns”)が参加。さらに旧知のラッパーLe3 bLACKが、Fyn Dobsonのジャズ色豊かなドラムを従えた“Ending Us All”で再び鋭いリリックを響かせている。
オクラホマを拠点にアンビエント、フォークロア的電子音楽を探求してきたBrad E. Roseによる、落ち葉を踏む音という最小の物音から始まった、環境と人間の関係性をめぐる音響作品『The Sound Leaves』。アルバムの前半は、来場者が落ち葉の上を歩くと、その音がマイクで拾われ、リアルタイムで処理され、木立の中に設置されたスピーカーから響き返されるというインスタレーションの録音をもとに構成。乾いた葉が擦れる微細なノイズ、足音のリズム、風の気配。それらが電子処理によって柔らかく広がり、音は大きく変化しないようでいて、細かな揺らぎが積み重なり、時間の流れそのものが音として感じられるよう。後半の「In Collapse」は、同じ素材を1年後に再処理したもので、音像はより暗く、深く沈み込む。遠くで鳴る低周波の揺れ、葉の擦過音が影のように漂い、環境の変化が音の質感に刻まれていく。音を通して環境の変化を聴くという体験を形にした、サウンドアート的作品。
前衛音楽集団Musica Elettronica Viva(MEV)の中心人物として知られ、50年以上にわたり電子音響と環境音の境界に身を置き続けてきたAlvin Curranによる、1970年代に録音された未発表テープ素材をもとに、現在の視点で再構築した新作にしてアーカイブ作品『ARCHEOLOGY // ARCHEOLOGIA』。収録されているのは、VCS3やSergeモジュラーによるアナログ電子音、環境音の断片、テープの揺らぎといった70年代当時の素材を、Curran自身が現在の耳で再編集した2曲。「Le Serra」では、アナログ特有の不安定な揺れが長い時間の層を描き、電子音の粒子がゆっくりと浮かび上がる。「Othello By Night」では、環境音のコラージュとドローンが交差し、遠景と近景が入れ替わるような空間が広がる。Curranの作品に通底する、音を配置するセンスの鋭さは健在で、音数は決して多くないが、ひとつひとつの音が長く尾を引き、空白の時間が音の意味を変えていく。1970年代の未発表素材を未来へ向けて再構築した重要な一枚。

ベネズエラ出身でニューヨークを拠点に活動し、ノイズ、電子音響シーンで長年存在感を放ってきたCarlos Giffoniによる、Greg Kelley、Mabe Fratti、Zola Jesus、Ben Chasny、Lea Bertucci、Iggor Cavaleraら豪華アーティストをコラボレーターに迎えた最新作『Pendulum』。Giffoniはこれまでノイズ寄りの作風で知られてきたが、本作では 柔らかな音色や女性ボーカルを積極的に導入し、アコースティック楽器のの響きも活かしながらより開かれた音響表現へと踏み出している。オープニングの「Pendulum」では、Greg Kelleyの管楽器が豊かな倍音を描き、電子音の揺らぎと重なり合う。「Dermis」ではMabe Frattiのチェロが深い陰影を与え、「Beam」ではZola Jesusの声に幽玄な光が差し込む。「Dos」ではLea Bertucciのサックス、クラリネットの響きが点描のように配置される。それぞれのゲストの個性がGiffoni の電子処理と自然に溶け合い、ノイズ、アンビエント、ポストクラシカルにまたがる多層的な音像をつくり上げている。

サウンドアートの先駆者として60年以上にわたり活動を続ける鈴木昭男。その初期代表作であり、1990年にオランダ・アイントホーフェンの〈Het Apollohuis〉から出版された1stCD『Soundsphere』が、〈Room40〉によってついに復刻。鈴木が1970年代に考案した独自楽器 アナラポスとDe Koolmeesを中心に構成された、彼の音の哲学を象徴する作品。ガラス管を擦り、叩き、触れることで生まれるDe Koolmeesの透明な倍音は、光が空間に広がるように微細な変化を続ける。一方、アナラポスはバネの巻き線を伝って音が上下に反響し、揺れ続けるドローンを生み出す。音数は決して多くないが、響きの余白が空間の奥行きをつくり、水平だけでなく垂直方向にも音が存在するような立体的な音場が広がる。鈴木の作品の特徴は、音を探すという行為そのものが作品になっていることで、楽器に触れ、空間と対話し、予期せぬ響きを受け取る。そのプロセスがそのまま録音に刻まれており、音が生まれる瞬間の対峙と柔らかさが共存している。唯一無二の自作楽器を通して、鈴木昭男が音の存在そのものを探求した記録であり、サウンドアート史における重要な作品。ポスター付属。
