Ambient / Minimal / Drone
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現代音楽シーンで注目を浴び、David SylvianやSylvain Cheauveauともコラボレーションを果たす気鋭のピアニストがFLAUよりニューアルバムをリリース。
夢想から生まれ、夢想のために設計された叙情的ピアノ組曲。
フランスのピアニスト、作曲家メレーヌ・ダリベールの新しいピアノ組曲 Magic Square の中心は「動き」。この場合、動き=移動とは必ずしも物理的なものではありません。実際、ここ数年の世界の歴史を振り返ると、多くの人にとって移動と旅行は遠い夢のようなものでした。窓から屋根や電線を眺め、遠くに見える雲に覆われた青空を眺めながら漂う想像力。私たちが現実に目を向けず、手の届かないものへの憧れを抱いているとき、この音楽は夢想から生まれ、夢想のために作られました。
5分間に渡ってゆったりとした和音がペーソスを豊かに響かせる「Choral」の大胆な優しさから、「Prélude」のシンプルでうねるようなモチーフまで、Magic Square には穏やかで心地よい音楽がちりばめられています。しかし、躍動感あふれる「Perpetuum Mobile」や、ポップな構成の「Five」など、キネティックな動きを伴う曲もあり、Magic Square の中で最もメロディックな「A Song」は、ノスタルジックな雰囲気に包まれてさえします。アルバムのタイトルそのものが、同名の数学的ゲームにちなんでおり、数学的概念を用いて音楽を創作してきたダリベールの出自が露わになります。例えば、7拍子の「Ritornello」は、落ち着かない子守唄のような響きです。
ダリベール自身が「ファンタジーの旅」と呼ぶように、「魔法の広場」の風景はメランコリーを帯びています。「More or Less」は、遠い未来への希望にしがみつき、その飾り気のない旋律の間の空間は、考えるための時間を提供してくれます。この組曲の最後を飾るタイトル曲は、あまりにも短い間、別世界への入り口であった窓を雨が流れ落ちるように、リスナーを現実の世界に連れ戻すのです。
Melaine Dalibertは現代音楽の作曲家として、オリジナルのピアノ作品の他、ジェラール・ペソン、ジュリアーノ・ダンジョリーニ、トム・ジョンソン、ピーター・ガーランドなど多くの作品の斬新な解釈で、注目を集めるフランスの作曲家/ピアニスト。レンヌでピアニストとしての教育を受けた後、パリ音楽院で現代作曲家の作品のレパートリーを多く学ぶ。幼い頃から実験音楽にも親しみ、数学的な概念を通して作曲する方法を見出したという。ハンガリー生まれのフランス人メディア・アーティスト Véra Molnarの作品に影響を受け、モートン・フェルドマンを思わせる引き伸ばされた時間の概念を含む独自のアルゴリズムによる作曲方法を開発し、フラクタル・シリーズという概念を取り入れたミニマルで内向的な作品を発表している。彼のピアノ曲はこれまでに7枚のCDに収録されている:2015年に自主制作された「Quatre pièces pour piano」、2017年にAnother Timbreから発売された「Ressac」。2018年からはErstwhile RecordsやGravity Waveを運営するYuko Zama主宰のelsewhereから立て続けに4作品をリリースし、その全てのアートワークをデヴィッド・シルヴィアンが手がけ、「Night Blossoms」ではサウンド面でも協働を果たしている。最新作はIci d’Ailleurs からリリースされた「Shimmering」。
その他、FLAUからリリースされたSylvain Chauveau「Life Without Machines」や、近年再評価の著しいJulius EastmanのEnsemble 0による録音、ギリシャ人作曲家Anastassis Philippakopoulosなどのアルバムにもピアニストとして参加。フランス国内外の多くのフェスティバル、美術館、現代アートセンターでの演奏も活発に行っている。
音質もいつもとは違う柔らかさらを全面に出して、よりオーガニックな仕上がりになっています。
前作に引き続き主要メンバーも数曲参加していますが、今回はジャズ的自由度というよりもCalmの作家性に寄り添ったプレイで華を添えています。
そして一番の特徴は、得意とする長尺なアレンジメントを封印し、トータル50分弱であっという間にエンディングを迎える、まるで古き良きレコードアルバム時代の構成となっています。
デザインはファーストからの朋友FJDが担当。
アナログエディションは古き良きLP時代を意識した構成。
最近2枚組が多かったCalmのある意味新しいチャレンジ。
1996年、Moodman 主宰のレーベル M.O.O.D.よりソロ・デビュー。2001年、そのデビュー作を手にした Alec Empire から熱烈なオファーを受け、彼が立ち上げたレーベル Geistから初のフル・アルバムをリリース。その他、Daisy World、Transonic等、レーベル・コンピレーションへの楽曲提供をはじめ、種々様々なプロジェクトの音楽を手掛けてきた、浅野達彦。2000年に発表された本作品は、新録音や 64用に変換される前のゲームでは未使用のヴァージョンを加えた全 15曲収録。
「ふわふわしてふさふさしていてやわらかくてあったかい生き物のような、山の向こうで鳴っているような音楽」と浅野氏本人が語るように、愛嬌がありつつもどこか掴みどころがない、その風変わりな佇まいは、無数に存在するゲーム・ミュージックの中でもひと際異彩を放っている。
LPレコード化にあたり、リマスタリングは Kuniyuki Takahashi氏が担当。限定1,000部
ネイティブ・インディアンとアフリカン・アメリカンとユダヤ系の血を持つローランド P. ヤングは、70年代バークレーのアンダーグラウンドFM局でDJをつとめ、一時、ブラックパンサー党も支持した極左ミュージシャンで、スピリチュアル・ジャズ・トリオ《インフィニート・サウンド》のリーダーとして活動してLPも発表。ラジオでの革命煽動的な言動が問題となりFM局から解雇されたことを期に、制作に打ち込んで発表したのがこの1stソロ・アルバム『アイソフォニック・ブギ・ウギ』(1980年)である。電子変調したカリンバとクラリネットとヴォイスの演奏には40年を経ても衰えることのない強烈な力が宿っており、現在まで一貫しているヤングのトレードマークである「アイソフォニック音楽」の原点を聞かせる。彼の言によれば、本作は彼がミュージシャンとして目覚めて以来の、エレクトロニック/アコースティック、アンビエンス、ジャズとの道のり、室内楽、ミニマリズム、ワールド・ミュージック、それらの出会いの総合体であり、トリップを促す冥想の作品として今も説得力を持って迫る。
主にジャズの名盤を180gカラー盤で復刻しているレーベル「WAX TIME IN COLOR」から、グールドのゴルトベルク、55年録音盤が登場。クラシックのリリースはまったくもって稀有。
グールドのSONYデビュー盤となった本作は「ピアノによるバッハ」のあり方を根本から覆した衝撃の演奏。疾走感にあふれたタッチ、快感を伴うほどの対位法処理、独特な内声の歌いこみなどの特徴は、後の世に無視することの出来ない決定的な影響を与えました。
ジャンルを超えてあまねく知られるグールドの名盤。クラシック・ファンはもちろん、ジャズ・ファンにもおすすめの注目リリースです。
国内外のエレクトロニック〜アンビエントシーンで大きな注目を集める冥丁が待望の3rdアルバムをリリース!前二作『怪談』『小町』続く「LOST JAPANESE MOOD」を描き出す三部作の最終章。
デビューアルバム『怪談』がPitchfork2018年度の「ベスト・エクスペリメンタル・アルバム」の1枚に選出、そして翌年2019年発表の2ndアルバム『小町』も国内外で高い評価を獲得するなど、日本の古い文化をモチーフにした唯一無比のオリジナリティーで一躍世界のエレクトロニック~アンビエントシーンに躍り出た広島在住のアーティスト冥丁(メイテイ)が、待望の3rdアルバムをシンガポールKITCHEN. LABELよりリリースする。
前二作『怪談』『小町』に続き、本作『古風』でも再び日本の古い文化に焦点を当て、”日本の古い美学への風刺”をテーマに「LOST JAPANESE MOOD」(失われた日本のムード)を描き出す3部作を完結させる。ピアノや和楽器の音色、フィールドレコーディング、わらべ歌や民謡の破片を、遊び心を伴った冥丁の稀有な感性で組み合わせ、想像上の過去と現在を繋いだノスタルジックかつ幻想的な音の情景が描き出されている。連作となる「花魁 I」(M-3)と「花魁 II」(M-8)では、古いドラムや金属の音を加工した疾走感のあるヒップホップのリズムで、これまでにない緊張感揺らめくサウンドを構築。さらに、意味がわからないまで解体された声のサンプル使いは、宮崎駿氏の「世の中にはロジックで物事を考えるべきではない瞬間もある」という概念に共感し、言葉を超えた別の何かを生み出している。また、家父長的な日本社会で長年苦しんできた労働者階級の女性たちに捧げた「女房」(M-6)や、梅毒が蔓延する過酷な労働環境で働く遊女たちを描いた「花魁」(M-3, 8)など、昔の日本社会において自由がなかった女性たちを取り上げ、溝口健二監督のようなアプローチで彼女たちの想像を絶する痛みを優しさをもって形にしている。
本作をもって冥丁は日本の忘れ去られた過去の文化への探求に別れを告げるが、『古風』は世界から完全に切り離された歴史の一部を日本のみならず海外のリスナーにも語り継いでいくことができる作品である。
ポスト・ケージ世代のアメリカの作曲家/サウンドアーティストのデヴィッド・ダンは、音響生態学・生物音響学の第一人者で、ICCでの展覧会「サイレント・ダイアローグ」(2007)でもレクチャーを行ったその筋の最先端。そんなダンのCDデビュー作『天使と昆虫』(1992)は、超自然的な天界の天使の名前と、自然界の水中に棲む昆虫という、二つの極端な世界とのコミュニケーションに焦点を当てた驚くべき包括的なアルバムである。同時に、彼が取り組んでいる音を媒介にした自然環境・社会環境と生命体の相互作用、そのポスト・サウンドスケープの方向性もしっかり提示されている。(これを「環境音楽」と勘違いすれば100% クレーム返品!)
収録作のひとつ「49の善き天使の表」は、ルネサンス期の数学者・占星術師ジョン・ディーと霊媒エドワード・ケリーの神秘的な調査に基づく、コンピュータ処理された声のための作品。400 年前、天使の言葉というふれこみでディー博士が発明した「エノク語」をテキストにし、天使(=エイリアン)の声の音響化を試みたオカルティックな実験作で、まるで魔方陣の上で空間が裂け、声が漏れてくるかのような怪しさとカッコ良さは悶絶必至!
もう一方の「混沌と池の創発的な精神」は、水辺に棲む昆虫が発する、人間が耳にすることのできないマイクロ音をデジタルフィールド録音し、人間界での可聴音に調整して提示されたオーディオコラージュ作品。ここでも音を媒介にした異界と人間の接近遭遇が図られるが、昆虫(=エイリアン)がコミュニケーションする音は「人間が作り出したほとんどの音楽よりも複雑な順序で構成されているかのような」(解説より)凄まじいもので、それを前に人間のなす術はない。ダンの転機となる重要作でもある。
=作品仕様=
+ CD(通常ジュエルケース)
+ 24頁ブックレット(英語・日本語訳)、帯付き
+ 解説;デヴィッド・ダン
TRACKS:
「49の善き天使の表」(1991)
1. Segment 1 (4:06)
2. Segment 2 (4:05)
3. Segment 3 (4:05)
4. Segment 4 (4:00)
5. Segment 5 (4:00)
6. Segment 6 (4:05)
7. Segment 7 (4:07)
8. 「混沌と池の創発的な精神」(1991)[24:31]
DIY精神に満ちた自主レーベルを運営しながらロンドン市内でレコード店も営む〈World of Echo〉4周年を記念して制作された、2枚組LPで500枚限定の20曲入りの贅沢なコンピレーションアルバム。午睡を誘うような”Blackwater - Overload”までの流れから、”Komare - Blanco y Verde”から始まる寝耳に水のような、点滅するヴォイスとノイズのコントラスト、終盤の”Tara Clerkin & Sunny Joe Paradisos - Castelfields”でまた幸福で長い気怠さが戻ってくる。始まりと終曲をPat Benjaminの鎮静作用のあるピアノ曲で纏めた、とりとめがないようで巧みな楽曲構成、そして繰り返し繰り返し聴きたくなるのは、中毒性のある微量の毒素が含まれているからなのかも。
アンビエント/ミニマル傑作選の常連にして、ブライアン・イーノも惜しみない賛辞を贈る名盤、ジョン・ハッセル伝説の1stが遂にリマスター再発!!
米ピッチフォークが選ぶ歴代最高のアンビエント・アルバム50枚にも選出されている本作は、1977年に〈Lovely Music〉からリリースされたジョン・ハッセルにとって初の公式リリース作品である。同時に、西洋と非西洋の合体をコンセプトに、フィールドレコーディング、エレクトリック・ジャズ、アンビエント、ワールドミュージックを融合させた「第四世界」シリーズの第一作目としても位置づけられた実験音楽史に残る超重要作。ハッセルのトレードマークでもある、音響信号処理された不可思議なトランペットのサウンドを主役に、ブラジルが誇る世界的パーカッション奏者、ナナ・ヴァスコンセロスによるパーカッションと、バイオフィードバック音楽のパイオニアとして知られる電子音楽家、デヴィッド・ローゼンブームによるシンセサイザーを含む至高のアンサンブルが、静謐で瞑想的で独創的な音響美を生み出している。今回のリイシューにあたり、音源は、当時のオリジナルのマスターテープからリマスタリングされたものとなり、アナログ盤は実に42年ぶりに商品化されることとなる。
ウォーターメロングループの延長線上と言えるエキゾチック作品で中西俊夫、工藤昌之を中心にリトルテンポ等での活動でも知られるスティールギター奏者、田村玄一、ナチュラルカラミティーの森俊二らがバリ島に集まりレコーディングされた本作は、レーベルコンセプトに沿った一貫してスローダウンしたエキゾチック・サウンドで、今のバレアリックやチルアウトサウンドを予見したかのような先見性には驚かされる。
国産エキゾ・ミュージックの最高峰と言える作品。
1992年作品
トラックリスト:
Side A
1.BEYOND THE JUNGLE (there’s something)
2.MOON HOTEL
Side B
1.DEATH A GOOD ADVISER
2.NUHIKA
3.WHEN THE SKY FALLS
DISC 2
Side C
1.MOVING WATER (GET HOT, GET WET)
2.SLACK BABY SLACK
Side D
1.THUNDER ISLAND
2.SPACE COWBOY
3.VOICES