Ambient / Minimal / Drone
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ガムランと電子音楽のテクニックを融合させた瞑想的なトライバル・アンビエント/エクスペリメンタル秀逸作品!ベルギー版〈Music From Memory〉としてニューエイジ再興に多大な影響を及ぼしたことでも有名、昨今は自国のカルトで屈折的な地下音楽の発掘へ専心してきた同国の名門レーベル〈STROOM.tv〉より最新物件が登場。デンマーク・コペンハーゲンを拠点とするプロデューサー/電子音楽家であり、ウブドの名高いガムラン・シーンと連携しながら、バリのミュージシャンとの密接な協力のもと、独自の芸術的観点からガムラン音楽を探求しているAnton Friisgaardによるアルバム『Teratai Åkande』がアナログ・リリース。本作は、バリのガムランの音、メロディー、リズムを電子技術で変化させる試みにして、音響と電子表現の相互作用と統合であり、本来は別個の文化世界である、西洋と東洋、2つの世界の間にある想像上の領域を探求したものとなっています。


Kali Maloneの盟友Maria W Hornや〈RVNG〉作品も知られるDialect、mu tateやChantal Michelleといったエクスペリメンタル・シーンの重要アクトが集うスロバキアの〈Warm Winters Ltd.〉から新着物件をストックいたしました!〈Ediciones Capablanca〉からの天上系ニューエイジ/ドローンな傑作10インチで2022年にデビューしていたストックホルム拠点のドイツ人作曲家、Luka Aronによる4部構成の組曲『XV XXVII III XXI IX: Variations & Coda』がアナログ・リリース。〈KMH Stockholm〉にて2022年から2023年にかけて録音。バス・クラリネット、コントラバス、ユーフォニアム、オルガン、ハープシコード、サーペント、笙、トランペットからなる、厳選されたアコースティック・アンサンブルによって織りなされるミニマル・ドローン長編4作が収められた卓越的な作品です。Stephan Mathieuの手により〈Schwebung Mastering〉にてマスタリング。限定200部。

版元完売。ニューエイジとゲーム音楽、ドラムンベース、Y2K文化の融合。〈Red Bull Music Academy〉の日本のビデオゲーム音楽作曲家ドキュメンタリー『Diggin' in the Carts』を監督したドキュメンタリー作家兼監督のNick Dwyerと、プロデューサー兼ミュージシャンのDevin Abrams (別名 Pacific Heights) による新しいプロジェクト、rush2theUnknownのデビューEPが、東京の先鋭的エレクトロニック・ミュージック・レーベル〈Diskotopia〉からカセット・リリース。同ユニットは、ニュージーランドの地方で誕生し、伊豆半島の丘陵地帯で発展したプロジェクトであり、90年代半ばにニュージーランドの都市中心部のダンスフロアで爆発的に広まったジャングルとドラムンベースのフューチャリスティックなサウンドに対する、10代の頃の強烈な記憶の炎の中で鍛え上げられてきたとの事。同国のこれらの音楽シーンの発展に重要な役割を果たした二人のアーティストが数十年に渡って蓄積してきた影響、特にアンビエント、環境音楽、ニューエイジ、ミニマリズム、日本のビデオゲーム音楽の歴史への情熱を織り交ぜ、ユーフォリックで瑞々しいアンビエント・ドラムンベース・サウンドを生み出しています。”EP1”との事なので続編にも期待です!!!
9月下旬再入荷。Cecil McBee、Mtumeも参加!Pharoah Sanders、Gato Barbieri、そしてMiles Davisとの共演でも知られるキーボード奏者、Lonnie Liston Smithがフライング・ダッチマンより1973年に発表したソロ・デビュー作。正しく星体遊泳な、コズミック・スピリチュアル・ジャズ傑作。

知られざる奇跡的邂逅が蘇る−−今から遡ること四半世紀前の1998年8月27日、ブライアン・イーノ、CANのホルガー・シューカイ、J・ペーター・シュヴァルムが繰り広げたインプロヴィゼーション・ライヴがこのたび、発掘音源『Sushi. Roti. Reibekuchen』としてリリースされる運びとなった。
1990年代といえばブライアン・イーノが「歓迎されないジャズ(Unwelcome Jazz)」と呼んだ「新種の音楽」としての独自のジャズにアプローチしていた時期でもある。その成果は名称を変えて1997年のアルバム『The Drop』にまとめられることになるのだが、翌1998年に彼はまさに自身がアプローチしていたジャズに近しい音楽と運命的な出会いを果たすことになる。それがJ・ペーター・シュヴァルムによるバンド・プロジェクト、スロップ・ショップのデビュー・アルバム『Makrodelia』(1998年)だった。意気投合した両者はコラボレーションを開始し、2000年に伶楽舎とディスクを分担した2枚組『music for 陰陽師』を、2001年にはCANのホルガー・シューカイを含む多数のミュージシャンを交えた『Drawn from Life』を完成させる−−のだが実はそこには前日譚があった。
イーノがシュヴァルムと知り合って間もない頃、3回目に会ったのがこのたびの発掘音源のリハーサルだそうである。そしてそこにはスロップ・ショップのベーシストであるラウル・ウォルトンおよびドラマーであるイェルン・アタイのほか、シュヴァルムが初めて対面する、カンの創設メンバーでありベーシストとしても知られるホルガー・シューカイがいた。イーノとシューカイはすでに『Cluster and Eno』(1977年)および『After The Heat』(1978年)で共同作業していたが、いずれもシューカイが参加したのは1曲のみ、かつベーシストとしての客演だった。しかし発掘音源に収められたイーノおよびシュヴァルムとのセッションでは、シューカイが「ラジオ・ペインティング」と呼ぶような、短波ラジオとテープを用いたサンプリング/コラージュを行っている。ともかく、三者が揃ってライヴを披露するのは初めてのことだった。しかもウォルトン、アタイを含む5人のメンバーが揃って演奏を行う機会はその後ついに訪れなかった。奇跡的な邂逅と言っていいだろう。
ブライアン・イーノが当時ライヴを行うこと自体も珍しかった。だがこの発掘音源の元となった「Sushi! Roti! Reibekuchen!」なるイベントはやや特殊なものだった。食べ物をタイトルに掲げているように、主役は料理人なのである。というのも、ドイツ・ボンの美術展示館で開催されたイーノによるインスタレーション展のオープニング・パーティーとして野外で行われたイベントだったのだが、字義通りパーティーであり、会場では大勢の来場者に料理人たちが食べ物を振る舞っていた。そうした中、用意されたステージでドローンが鳴り始め、そして5人のミュージシャンが即興で演奏を行った。イーノによればこのイベントにおけるパフォーマーは料理人たちであり、自分たちが作っているのはバックグラウンド・ミュージック。つまり音楽のパフォーマンスではなく、バックグラウンド・ミュージック付きの料理のパフォーマンスなのだという。イーノらしいコンセプトだと思うが、しかし、ステージで魅せる音楽は少なくない観衆の耳を釘付けにした。イーノとシュヴァルムが作り出すミニマルでアンビエント/ドローンなサウンドに、ホルガー・シューカイのサンプリング/コラージュが色を添え、そしてラウル・ウォルトンとイェルン・アタイは時に人力ドラムンベースのごとく怒涛のグルーヴを生み出していく。演奏は2セット、計3時間にもおよび、最後は警察に電源を切られて強制終了させられたという逸話さえ残っている。
発掘音源『Sushi. Roti. Reibekuchen』に収められているのは、そのような計3時間のライヴから抜粋された5つのトラックである。「料理のパフォーマンス」に付随するバックグラウンド・ミュージックとして構想されたライヴは、こうして音源化されることで新たに主役の座に躍り出る。そこから聴こえてくるサウンドは、ブライアン・イーノ、ホルガー・シューカイ、J・ペーター・シュヴァルムという三者の一期一会の本格的なインプロヴィゼーションであるとともに、ただ貴重な記録というだけに留まらず、アンビエント経由の「歓迎されないジャズ」に類する音楽が生演奏で収められた作品として、四半世紀経った2024年現在も実に興味深く思えるのである。
Text by 細田成嗣

イングランド生まれのオーストラリア人弦楽奏者であり、70年代から音楽活動を展開。自身の〈Fringe Benefit Records〉やノイズ/アヴァン系名門〈RRRecords〉〈ReR Megacorp〉などから作品を発表しているJon Roseの最新アルバムが豪州の〈Room 40〉より到着。オーストラリア中部で経験する風の強弱の変化に対応することに重点を置いて制作された2つの自作楽器、Monolith 2021とTube 2022に捧げられたコンセプチュアルかつディープリスニングなドローン/アンビエント作品。Lawrence Englishによるマスタリング仕様。

ドイツのミュージシャン/作曲家のDaniel Rosenfeldが変名C418にて製作した傑作!物理世界とピクセル化された世界の両方で響くサウンドを描き上げた『マインクラフト』のオリジナルサウンドトラック盤『Minecraft Volume Beta』が〈Ghostly International〉からアナログ・リプレス。前作『Alpha』には未収録の楽曲だけでなく、ゲーム内では使用されたなかった楽曲も収録したC418自身のオリジナル・アルバム的一枚!牧歌的で穏やかなサウンドスケープに仕立てられた前作と比してよりダークで内省的な側面もクローズアップされた魅惑のアンビエント/エレクトロニック・ミュージックが収められています。

ニューヨークを拠点に活動する音楽家、作曲家、映像作家のElori Saxlによる2024年アルバム『Drifts and Surfaces』が〈Western Vinyl〉よりアナログ・リリース。アナログ・シンセやデジタルでの実験と並行して室内楽アンサンブルを活用し続け、質感のある感情や小さなアクションの鮮やかなティティールを描き出す事を得意とするSaxl。本作は、「一時的な動きと日常の停滞の間の流動、非日常と世俗の美しさのパラドックス、そして世界で生きることを定義する野心と怠惰」という共通のテーマに沿って制作された作品を収録した一枚であり、優美なアンビエント・ジャズ/モダン・クラシカル”Surfaces”など素晴らしい楽曲を全3曲収録しています。

灰野敬二やジム・オルークとも共演する孤高のアメリカン・エクスペリメンタル・ミュージシャン、Loren Connors、そして、BastroやRed Krayola、Gastr del Solなどへの参加も知られる名作家David Grubbsによるコラボレーション作品『Evening Air』がLawrence English主宰の〈Room40〉からアナログ・リリース。最初のデュオ・アルバム『Arborvitae (Häpna)』以来、20年ぶりとなる共作は、エレキ・ギター (コナーズ)とピアノ (グラブス)による、魅惑的でゆったりとしたコラボワークが際立つ、静謐で素晴らしい内容の作品に仕上がっています!ジャケットにはLoren Connors自身によるペイントを起用。

版元完売。破格の内容です。Godflesh率いる英国・バーミンガムのアンダーグラウンドの覇者ことJustin K Broadrickによる尖鋭的プロジェクト”FINAL”による最新アルバム『What We Don't See』がLawrence English主宰の〈Room40〉からCDリリース。目に見えない世界と、それに対する自身の必要性をテーマに作り上げられた作品。視覚の外側に広がる荒涼として深遠なサウンドスケープを捉えた、喚起的で美しいノイズ/ドローン絵巻!
未だに謎めいたアイルランド・ダブリン拠点のカルト・レーベルこと〈wherethetimegoes〉から強力物件!アイルランド人スーパーグループであるというPrinc€ssのセルフタイトル・デビュー・アルバムがアナログ・リリース。不穏なエレクトロニクスと瞑想的なアンビエンスを溶け合わせた、10年代初頭のHype Williamsの佇まいを想起させる怪作。マスタリングを担当したのは、Babyfatherや1995 epilepsy 作品などに顔を出すカルト・エンジニア=The Bastard。



Jan Jelinek主宰の〈Faitiche〉 から、イギリス北西部のミルタウン出身のアーティストであり、建築と公共空間の領域でデザイナーとしても活動しているAndrew Black こと blackbody_radiationが発表した2023年のデビュー・アルバム『Ultra-Materials』をストック。サウンド・マスキングの助けを借りて作成された6篇の亡霊のようなドローンを収録。名匠Giuseppe Ielasiによるマスタリング仕様。
Marina RosenfeldやRhys Chathamといった先鋭的な面々との仕事やJoan Of Arcへの参加でも知られるNYの名シンセ奏者/作曲家Ben Vida。〈iDEAL Recordings〉や〈PAN〉といった名所からも作品を繰り出してきたこの人がイタリア前衛の最大の聖地〈Die Schachtel〉の傘下〈Blume〉より最新アルバムをアナログ・リリース。2022年春にドイツのブレーメンで構想、演奏、録音された野心的な新作『Vocal Trio』。システムベースの合成とリアルタイムのボーカル・コラボレーションのアイデアを組み合わせた、作曲概念の真に素晴らしい作品。名匠Stephan Mathieuによるマスタリング仕様。限定200部。
オリジナルは入手不可能にも近い一枚!ジャズ、フォーク、ブルースを越境し、60年代後半から70年代前半のTim Buckleyを支えた、その右腕と言えるギタリスト、Lee Underwoodが1988年にカセットで発表したアコースティック・ギター作品『California Sigh』が〈Drag City〉から初アナログ再発。シンセサイザーとアンビエント界の巨匠Steve Roachとの共同プロデュースによる、浮遊感に富んだアコースティックなムードを、静けさと超越性に満ちたソウルフルなNew Age Folk傑作!
Pitchforkでは8.4点、「BEST NEW REISSUE」のスコアを獲得!チェロ奏者、現代音楽の作曲家、ディスコミュージックへの傾倒と様々な顔を持つArthur Russell。そのパートナーであったトム・リーとオーディカ・レコードのスティーヴ・ナットソンによって発掘された彼の70年代初頭の未発表音源シリーズ、ラッセル・アーカイヴの最新アルバムが登場です!本作では、Rhys Chatham、Peter Gordon、Jon Gibson、David Van Tieghem、Henry Flyntといったミュージシャンもコラボレーション。収録された音源のうち、いくつかはデモとして録音されていたものや、コロンビア・レコードの伝説的プロデューサーである、ジョン・ハモンドのもとで行われたレコーディングも収録。

野心的なデビュー作『A Ghost And His Paintings』では、親密なインディ・フォークから本格的なポスト・ロックまで、様々な要素を取り入れた孤高の作品を作り上げていた香港のミュージシャン/作曲家、Olivier Congによる最新アルバムが〈Room 40〉から登場。催眠的なサウンドから美しいサウンド、壮大なサウンドまで、同じトラックの中で滑らかに変化するサウンドを用いた孤高の作品を作り上げる注目作家。ピアノ、アンビエント・エレクトロニクス、尺八、古筝、スポークンワードで構成された本作は、内省的で深い思索に満ちたアンビエント/ドローン作品に仕上がっています。

昨年は、日本のアンビエント巨匠・小久保隆とコラボレーションを果たした東京のサウンド・アーティストであり、〈dublab.jp〉で好企画「Japanese Ambient Journey」を音楽番組を展開していたYui Onodera。豪州の音響系名門〈Room 40〉からリリースした最新アルバム。音の「劣化と再構築」への関心から生まれたアルバム。 10年前、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた生まれ故郷の岩手県に数日滞在し、限られた素材と古いメディアを使って制作した作品。これらの全ての楽曲は古いテープレコーダーへそのまま録音。瓦礫となり、解体された、Onodera氏の記憶に残っていた多くの古いものは、新しい景色としてここに存在しています。

日本の幽霊話のジャンルの1つである怪談。その怪談の持つ闇の中の美しさや「Lost Japanese Mood」(失われた日本のムード)と称する雰囲気を、精巧な作曲構成に落とし込んだ冥丁の1stアルバム『怪談』(2018年)は、Pitchforkの「Best Experimental Albums of 2018」への選出をはじめ、Bandcamp、The Wireなど様々な海外メディアから賞賛され、世界のアンビエント〜エクスペリメンタルシーンに冥丁の名を確立し、その後リリースされる『小町』『古風Ⅰ』&『古風Ⅱ』などの「Lost Japanese Mood」を主題にしたシリーズの最初のアルバムであり、冥丁独自の音世界と卓越した音楽性を示した重要作。
日本各地に伝わる伝説や幽霊話に独自の解釈を加えて文学作品に昇華させた小泉八雲の名作『怪談』は、本作の方向性に大きなインスピレーションを与えており、「漣(さざなみ)」「骨董」「障子」「筵 (むしろ)」などの楽曲は、小泉八雲作品へのオマージュと言える。また、漫画家・水木しげるからも影響を受けており、「塔婆 」や「地蔵」は水木氏の漫画『ゲゲゲの鬼太郎』へのオマージュとして制作された。
このように、日本の重要な芸術から影響を受けた本作には、明らかな不気味な要素だけではなく、ユーモア、情緒、そして哀愁も、まるで霧で濡れた苔のように視覚的に表現されている。さらに、ローファイ・ヒップホップの新しい波に興味を持った冥丁はその要素を再編して絶妙に織り混ぜ、繊細なバランスで怪談の持つ和の雰囲気を構築した。
本5周年記念盤は、オリジナルリリース元のEvening Chantsと、『古風』シリーズをリリースしているKITCHEN. LABELという2つのシンガポールのレーベルによる共同リリースとして、ボーナストラック2曲を追加したCD盤が先行発売、その後、カラーヴァイナル(スモークヘイズ) の発売も予定されている。冥丁本人の曲解説が掲載された8ページブックレットも付属。マスタリングはテイラー・デュプリーが担当。
