Ambient / Minimal / Drone
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フィンランドはカレリア地方のカンテレ奏者Iivana Mišukka(1861–1919)が、1916〜17年にワックスシリンダーへ残した貴重なフィールド録音をもとに、現代のカンテレ奏者Arja Kastinenが再構築した歴史的アーカイブ作品。古い蝋管録音のノイズや揺れをそのまま生かしつつ、Kastinenが丹念に採譜し、当時の奏法を忠実に再現した新録を重ねることで、100年前の音と現在の音が同じ空間で響き合う。収録されるのは、ポルカ、ワルツ、マアニトゥスなどの舞曲、さらには教会の鐘の音の模倣演奏など、伝統的なルノ歌から新しい舞曲へという当時のカレリアにおける音楽文化の変容を象徴する内容。1〜3分台の小品が並び、素朴でありながら神秘的なカンテレの響きが、森の奥に残る古い歌の記憶を呼び起こすように広がっていく。時間の層が折り重なるような幽玄のサウンドで失われかけたカレリアの音楽文化を現代に蘇らせる価値ある一作。

フィンランドはカレリア地方のカンテレ奏者Iivana Mišukka(1861–1919)が、1916〜17年にワックスシリンダーへ残した貴重なフィールド録音をもとに、現代のカンテレ奏者Arja Kastinenが再構築した歴史的アーカイブ作品。古い蝋管録音のノイズや揺れをそのまま生かしつつ、Kastinenが丹念に採譜し、当時の奏法を忠実に再現した新録を重ねることで、100年前の音と現在の音が同じ空間で響き合う。収録されるのは、ポルカ、ワルツ、マアニトゥスなどの舞曲、さらには教会の鐘の音の模倣演奏など、伝統的なルノ歌から新しい舞曲へという当時のカレリアにおける音楽文化の変容を象徴する内容。1〜3分台の小品が並び、素朴でありながら神秘的なカンテレの響きが、森の奥に残る古い歌の記憶を呼び起こすように広がっていく。時間の層が折り重なるような幽玄のサウンドで失われかけたカレリアの音楽文化を現代に蘇らせる価値ある一作。

2003年に自身のレーベル〈Skintone〉からひっそりとリリースされ、過去に海外に向けライセンスリリースされることもなかったことから、長らく幻のアルバムとして語られてきた横田進の『Laputa』が、ついにSkintone Editionとして登場。『The Boy And The Tree』と『Symbol』の間に位置する本作は、キャリアの中でも最も実験性が強く、神秘的で、不穏さと美しさが同居する特異点のような作品。ドローン、断片的なサンプル、ストリングス、ノイズ、囁き声、ブルースギターなど、多様な素材がコラージュのように重なり合い、ガリバー旅行記の幻想的な浮島の名にふさわしい異世界的なサウンド。複数の映画が同時に流れているような多層的な音像は、横田のサンプラー/セレクターとしての才能を鮮烈に示しており、メロディアスな瞬間と抽象的な音響が交互に現れ揺れ動く独特の世界観は、今聴いても圧倒的な個性を放っている。

横田進の代表作のひとつである2002年作『The Boy And The Tree』が、〈Lo Recordings〉より新装リマスターで再登場。自然や生命の神秘をテーマにした本作は、アンビエント/エレクトロニカ期の魅力が美しく結晶しており、透明感のあるメロディと柔らかな音のレイヤーが幻想的な世界を描き出す。本人が語っている通り、本作は屋久島の原生林を歩いた経験や、宮崎駿の映画『もののけ姫』の生態学的メッセージにインスパイアされており、柔らかなシンセの揺らぎ、アコースティックな質感、そして森の奥で響くようなパーカッションが重なり、自然の世界がそのまま音になったような神秘性を帯びている。彼のアンビエント作品の中でも特にメロディが際立ち、夢の中を歩くような浮遊感と、静かな感情の動きが同時に流れ込んでくる、永遠の名盤。
英国のインストゥルメンタル・トリオHaiku Salutと、映画音楽でも活躍するピアニストMeg Morleyが手を組み、1930年のサイレント映画『People on Sunday』のために制作した再構築スコアが12インチで登場。Flatpack Festivalでのライブ上映+生演奏をきっかけに生まれた音楽を、5年の時間をかけて丁寧にスタジオ録音として仕上げた作品。柔らかなピアノの旋律を中心に、電子音がきらめき、アコーディオンやギターなどのアコースティック要素が重なり、ネオクラシカルとエレクトロニカ、室内楽が溶け合う。サイレント映画の情景を想起させながらも、現代的な透明感と温度を併せ持つ。1曲ごとに異なる短編映画のような展開が続き、アルバム全体がひとつのシネマティックな旅として流れていく静かで美しい一枚。
ASCがロックダウン期に深化させたアンビエント路線の集大成的作品『Colours Of Absence』。前作『Original Soundtrack』と同時期に制作された続編的位置づけの作品で、ピアノを中心とした楽器的アプローチと、ASCらしい深いドローン/アンビエントの質感が絶妙なバランスで共存している。静謐でありながら重力を感じるレイヤー、霧の中で輪郭だけが浮かぶようなピアノの残響、そして時間の流れがゆっくりと変質していくような構成。音数は少ないのに密度が高く、内省的なムードがアルバム全体を包み込む。影、赦し、距離、脆さ、受容といったテーマが音の質感に反映され、静かな感情の移ろいを追体験するようなASCの新しい表現を提示する重要作。
Echospace/cv313のStephen HitchellがVariant名義で残した2009年の名作『The Setting Sun』が最新リマスターで2LPとして再発。ベルリンの嵐のフィールド録音、成田空港の列車音、アナログシンセやアウトボード機材を用い、コンピュータを使わずに制作されたという背景を持つ本作は、ダブテクノの文脈にありながら、より深いところへと沈み込む。冒頭「As Time Stood Still」から広がるのは、分厚い倍音がゆっくりと揺れ続ける巨大なドローンの雲。音はほとんど動かないのに、内部では微細な変化が絶えず生まれ、アナログ制作ならではの温度感やざらつきがそのまま音楽の一部となり、冷たさよりも手触りを感じるドローン/アンビエントに仕上がっている。「A Silent Storm」「Someplace Else」では、メタリックなディレイや微細なキックの残響が静かに浮かび上がり、Echospace〜Deepchord系の美学が深層で息づく。長尺構成による風景がゆっくり変わる感覚も本作の魅力で、特に終盤「Adrift」は深海へ沈んでいくような静謐さと孤独感が際立つ。
2026年リプレス!これは画期的アイデア!ドイツ・ハンブルク拠点のダブ・プロデューサー、Prince Istariが、幼い頃に聴いた、母親の弾くエリック・サティのピアノにインスピレーションを受けて制作した、まさに”家具の音楽ミーツDUB”な破格の傑作『Meets Erik Satie Inna Heavy Dub Encounter』がアナウンス!母親が幼い頃弾いていた美しいエリック・サティの静かな曲の演奏、そして、学校をサボって太陽の下で座りながら聴いていたという記憶を、2024年の最初の週に思い出したという、Prince Istari。年老いた彼は母親の古い楽譜を見つけ出した事で、それらをコンピューターへと転送し、ダブ・ヴァージョンを制作する事に!サティの家具の音楽がダブから電子サイケ、果てはドラムンベースとまで出会うイカれた一枚!エンディングには、Princeの母親であるHubertaがサティの"グノシエンヌ"を演奏している歪んだ録音が含まれています。限定200部。

日本の伝説的アーティスト、Susumu Yokotaの音楽的探求の軌跡を年代を超えて記録した、極めて個人的な作品集『Image 1983-1998』。本作は、彼の音楽キャリアにおける二つの異なる時期に制作された短い楽曲で構成されており、前半のトラックは1983年から84年にかけての、ギターやオルガンを用いたローファイなテープ実験の時代のものが収録、ポストパンクやゴーストリー・ポップの断片が垣間見える。続く後半のトラックは、これらの初期作品に触発され1997年から98年に作曲されたもので、後のアンビエントの傑作『Sakura』へと繋がる、より洗練された電子音響とメロディと抽象性が両立する作品が収録されている。音楽的自伝ともいうべき内容で、初期の脆いギターの音色と、後年の穏やかなシンセサイザーのモチーフが、アルバム全体を通して「記憶と予感」という共通のムードで結びついており、両時代が並行して存在するような不思議な感覚を覚える。彼がテクノの制作で多忙を極める中で、初期の実験への回帰と感情的なミニマリズムを追求した、音のスクラップブックあるいはデザインボードとも呼べる、アーティストの核心に迫る貴重なドキュメント。

横田進が2001年に自身のレーベル〈Skintone〉から発表したアルバム『Grinning Cat (Skintone Edition)』。日常の幸福感、特に自宅で過ごした猫との生活から着想を得て制作された作品で、ピアノや弦楽器などクラシック音楽からの断片をループし、切れ端をあえて見せることで不完全さを強調。不完全なループや微妙なズレという意図的な不協和が、独特の緊張感の中になぜか親しみやすい寛ぎを生み出している。『Sakura』や『Symbol』と並び、国際的に評価されたアンビエント作品群の一角で、彼の音楽世界を再発見する重要な再発。

7月上旬入荷予定。ドローン最重要アーティストの一人Abul Mogardと、現代音響の名手Rafael Anton Irisarriによるコラボレーション作『Where Light Pauses in the Silence of the Sun』。2025年、ベルリンのMorphine Raumにて3日間にわたり行われたレジデンシーでのライブ演奏をマルチトラック録音し、その後ローマとニューヨークで両者が素材を往復しながら再構築。深いローエンドが地層のように積み重なり、モジュラーの揺らぎやギターの残響がゆっくりと浮かび上がる。ライブ録音特有の空気の動きがそのまま残されており、電子音でありながら有機的な呼吸を感じさせる。さらにチェロのMartina Bertoniやヴァイオリン/声のAndrea Burelliが参加し、幽玄な光が差し込むような瞬間と深い陰影が生まれている。両者の美学が交差する、スケール大きなアンビエント・ドローン作品。

デンマークの音響作家øjeRumが、2014〜17年に録音した初期オルガン作品をまとめた『Selected Organ Works』が、幽玄なドローン/アンビエントの聖地としてカルト的な人気を誇るベルリンの名門レーベル〈Vaagner.Archive〉から待望の2LP化。2018年にカセットのみで発表され、現在は入手困難となっていた音源を、リマスター&美しいゲートフォールド仕様で再構成。廃屋で見つかったヴィンテージのポンプオルガンを使い、冬の寒さの中で録音されたという背景そのままに、音は静かに揺らぎ、呼吸し、淡い光のように立ち上がっては消えていく。メロディは最小限、構造は曖昧で、時間の流れがゆっくりとほどけていく。鍵盤の空気、ポンプの圧、微細なノイズまでが触覚として耳に届き、静寂と反復の美学が極限まで研ぎ澄まされている。øjeRumの原点ともいえる親密で内省的な音世界を、じっくり味わえるアナログ・リイシュー。限定300部

6月下旬再入荷。オリジナルは2006年にCDオンリーでリリースされていた、日本が誇るプロデューサーKuniyuki Takahashiのアルバム『We Are Together』が、mule musiqの300タイトル記念として初ヴァイナル化。国内外のアーティストから絶大な信頼を集め、南アフリカのシーンまでも魅了し続けるKuniyukiの原点的作品が、約20年の時を経て再構築されたかたちで蘇る。今回のヴァイナル版では、代表曲「Precious Hall」は未収ながら、未発表曲2曲、初公開バージョン1曲、CD『All These Things』収録曲1曲を新たに収録し、CD版とは大きく内容を刷新。アフリカ由来のパーカッシヴなリズム、ディープハウスの精神性、マニュエル・ゲッチングを思わせるダビーなサイケデリア、そしてクニユキらしい繊細なキーボードが交錯し、ハウスでありながらアンビエント、スピリチュアルを思わせる祈りすら感じさせる音世界を構築。国産ハウスの金字塔として名高い一枚。

化学研究者としてのキャリアを健康問題で断念した後、シンセサイザーを中心に独自の電子音楽を制作し続けたウクライナ系ベネズエラ人作曲家Oksana Linde。膨大な録音を残したたものの長らく未発表のままだった彼女の、1986〜94年に自宅スタジオで製作された音源をまとめたアーカイヴ作品『Travesías』。アナログシンセの柔らかな揺らぎ、呼吸するようなオシレーター、ゆっくりと開閉するフィルターが重なり、瞑想的で内省的な音の風景が広がる。曲は一般的な展開を持たず、生物学的プロセスや地質学的変化のようにゆっくりと形を変える。「Luciérnagas en los manglares(マングローブのホタル)」、「Kerepakupai Vena(エンジェルフォール)」など、自然やスピリチュアルな世界観が音の質感にも反映され、静謐さと神秘性が同居するその音楽は、環境音楽、ニューエイジ、コズミック・アンビエントの要素が溶け合い、まるで内なる宇宙を旅するよう。Suzanne Cianiや冨田勲 に通じる繊細さと、南米の実験音楽らしい自由さが同居するのも魅力的。彼女自身に備わった自然なスピリチュアリティが発露した、パーソナルで独自の音世界。

Nicola Rattiとの名プロジェクトことBellowsの一員としても活動、自身のレーベル〈Schoolmap〉と〈Fringes Recordings〉からのリリースを通じてドローンマスター= Eliane Radigueの再評価にも貢献した重要人物であり、名門〈Senufo Editions〉のオーナーとしても知られるミラノ出身の名実験作家Giuseppe Ielasi。自身も〈12k〉や〈Shelter Press〉〈Entr'acte〉など各地の名門から作品を送り出してきたほか、マスタリング技師としても現代の電子音響に不可欠の人物である同氏が自身の〈Senufo Editions〉から2013年にCDオンリーで発表した傑作アルバム『Rhetorical Islands』が、Jan Jelinek主宰の〈Faitiche〉より2024年度初アナログ化。2011年にパリの〈l’Audible Festival〉のためにJérôme Noetingerに依頼された無題の作品のために制作されたオリジナル素材を収録。〈Entr'acte〉からリリースされた『15cds』テープからいくつかのサウンドが抜粋された電子音響の破格の傑作!Kassian Troyerによるカッティング仕様。限定300部。

オランダを拠点とするJonny Nashの、前作『Point Of Entry』に続くソロ・アルバム『Once Was Ours Forever』が登場。フォーク、アンビエント・ジャズ、ドリームポップの間をたゆたうように結びつけた、内省的で幻想的な音世界を描いている。前作が昼下がりの穏やかな空気感をまとっていたのに対し、今作は夕暮れ時の淡い光のなかにゆっくりと溶け込んでいくような趣きで、指弾きギターを軸に、ぼんやりとしたメロディや残響の深い歌声、繊細なサウンドレイヤーが重なり合い、儚くも心に残る時間を紡ぎ出している。コズミックなアメリカーナ「Bright Belief」や、シューゲイズ的なギターが重なる「The Way Things Looked」など、多彩な楽曲が収録されており、カナダのサックス奏者Joseph Shabasonや、Maya OngakuのShoei Ikeda、元Kikagaku MoyoのTomo Katsurada、そしてSatomimagaeらがゲスト参加し、各曲に独自の彩りを添えている。牧歌的な風景と深い感情、静けさと重みを同時に感じさせるNashらしいバランス感覚が光る作品。聴く人それぞれが自由に余白を見つけられる、あたたかく控えめな作品。

個人的にもし新譜だったとしたら絶対年間ベス一位に入れるくらいには凄まじい一枚です!〈Pitchfork〉の「The 50 Best Ambient Albums of All Time」にも選出された1975年の唯一作『Neighborhoods』を残した人物。B.B. KingやDizzy Gillespieの作品にも参加するマルチ奏者Bill Hoodの兄弟であり、ポートランドを拠点にジャズ・ギタリストとして活動していたものの20代後半に病のために有望だったキャリアを断念した知られざるニューエイジ・ミュージックのレジェンド・Ernest Hood。1972年から1982年にかけてオレゴン州西部で録音された未発表作品であり、長年行方不明となっていた幻の音源『Back to the Woodlands』がアナログ・リリース!版元は『Neighborhoods』を掘り起こした重要発掘レーベルであり、〈RVNG〉傘下にPete Swanson (Yellow Swans)が運営する〈Freedom To Spend〉。フィールド・レコーディング、チター、シンセサイザーの幻想的な組み合わせにより、ほぼこの世のものではないあちら側の美しさを描き出した珠玉のアンビエント/ニューエイジ・ジャズ大傑作!

トロント拠点の日本人音楽家・Masahiro Takahashi(髙橋政宏)。2023年発表の『Humid Sun』に続く今作では、共同プロデューサー兼エンジニアにジョセフ・シャバソンを迎え、制作のプロセスを一新。作曲の起点をAbletonから楽譜へと移し、メロディとハーモニーを楽曲の基軸に据えました。マーカー・スターリングが手がけた緻密なヴォーカルアレンジや、ドロシア・パースの瑞々しい歌声、ホーンやストリングス、ビブラフォンが重なるアンサンブルからは、ハイラマズやビーチボーイズ、フリーデザインといったポップスへの深い愛情が感じられます。録音には、トム・ギル(サム・ウィルクスのサポート)、フィリップ・メランソン(サム・ゲンデル作品に参加)など、トロントのジャズ/エクスペリメンタル・シーンの重要人物10名が参加。黒澤明の映画『夢』や荘子の寓話に着想を得た全10曲は、ジャズ、アンビエント、インディーポップ、ラウンジまでを鮮やかに横断し、色彩豊かな音楽世界を繰り広げます。

版元完売最終入荷です。John Fahey~Harry Partch、Laraajiのファンにも!弦楽器の世界的なデザイナー/ビルダーとしても知られる米国のウィリアム・イートンによって、1978年に1000枚限定で自主プレスされたファースト・アルバムにして、本邦の名門〈EM Records〉からCD化も為されている大傑作が初となるヴァイナル・リイシュー!
グラミー賞ノミネートでも知られるネイティブ・アメリカンのフルート奏者、Robert Carlos Nakaiとのコラボも知られる同氏。本作には、タイトルや情報が記載されておらず、ジャケットの隅に小さく「ウィリアム・イートンの音楽」と書かれているのみで、すべて自作の弦楽器によるほぼ即興の演奏を18篇収録。卓越した自然観を土台に、ジョン・フェイヒーら〈Takoma〉ファミリーの音楽から、ブライアン・イーノのアンビエント、北米大陸の原始のフォークロアが美しく溶け合った珠玉の一枚。

ロサンゼルスの作曲家 Brendan Eder が率いるアンサンブルによる、臨死体験、神智学、哲学の影響を背景に、室内楽の繊細さとミニマルの反復、そしてアンビエントの柔らかい空気感が静かに溶け合う、心の深部に触れるような作品『Therapy』。本作の制作は、Brendan Eder がエイフェックス・ツインの楽曲をカバーした経験から、Richard D. Jamesなら室内アンサンブルと教会オルガンを使って何をするだろう?という発想からスタート。アルバムには、エイフェックス・ツインのカバーも2曲収録されている。楽曲中では、木管・弦・パーカッションが中心の小編成アンサンブルが呼吸するように動き、シンプルなパターンがゆっくりと変化していく。音は決して強く主張せず、余白の多いアレンジが感情の揺れを受け止めるように広がり、どこか懐かしい和音やメロディ、映画音楽的な感触が記憶の奥を静かに刺激する。現代音楽の緻密さを持ちながら、聴き心地は驚くほど軽やかで、日常の中にふっとおさまる静かなセラピーのよう。癒しという言葉では収まりきらない、深い感情の層に触れうる一枚。
Jeff Parker率いるETA IVtetによる、2019年から2021年にかけてロサンゼルスのバー「Enfield Tennis Academy」で毎週月曜に行われていた即興セッションを記録したライブ・アルバム『Mondays at The Enfield Tennis Academy』。Josh Johnson(サックス)、Anna Butterss(ベース)、Jay Bellerose(ドラム)とのカルテット編成で、全4曲、各20分超に及ぶ長尺の演奏を収録。即興といっても、調性や構造、メロディの輪郭がしっかりと感じられ、自由な作曲とでも言うべきアプローチがとられているのが特徴的。サンプリング的手法をリアルタイムに取り入れた演奏は、ジャズでありながらも、アンビエントやポスト・ロック、ヒップホップといった多層的なジャンル感覚を持ち込んでいる。緊張感と寛ぎが絶妙に共存しており、聞き流すことも、深く聴き込むこともできる、現代的な音楽!
Wilco、The Feelies、Califoneなど後続に大きな影響を与えたとされる1986年にシカゴで結成されたオルタナティヴ・カントリーのカルト的存在Souled Americanが、1996年に残した最終作『Notes Campfire』。アンビエント・アメリカーナの先駆とも思える『Frozen』に対して、本作はより素朴で土の匂いが残る、枯れたアコースティック感が前面に出ている。バンドの音楽が極限まで削ぎ落とされていく過程の終着点にあたるアルバムで、カントリーの骨格をほぼそのまま残しつつ、テンポやアレンジは徹底してミニマル。ヴォーカルもより近く、語りかけるような距離感で、ひとりの夜に孤独の中に安らぐような、生活の気配と地に足のついた静けさを持つ作品。
Wilco、The Feelies、Califoneなど後続に大きな影響を与えたとされる1986年にシカゴで結成されたオルタナティヴ・カントリーのカルト的存在Souled Americanによる、アンビエント・アメリカーナの先駆的作品とされるバンド後期の作品『Frozen』。極端に抑制されたテンポ、音数を削ぎ落としたアレンジ、そして淡く揺れる残響。どの曲も時間が止まったような静けさをまとい、深夜の風景をそのまま音にしたような独特の世界が広がる。アコースティック楽器の素朴な響きと、乾いたカントリーの骨格が基盤にありながら、ヴォーカルは前に出すぎず、楽器と同じレイヤーで淡々と歌われ、音の風景の一部として溶け込んでいく。静けさの中に深い情感が宿る一枚。

2025年リプレス!「アルヴィン・ルシエ meets マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」と評される名作!Jim O’Rourkeの盟友でもあるポルトガル実験音響界のレジェンドであり、当店でも大人気のレジェンドRafael Toral。同氏が95年にセカンド・アルバムとして残した傑作『Wave Field』がリマスタリング仕様で〈Drag City〉よりアナログ再発。Toralが「音符ではなく音そのもの」に焦点を当てる転換点となった作品。Alvin Lucierの『I Am Sitting in a Room』や、1993年にリスボンで鑑賞したNirvanaとBuzzcocksのライブ体験(特に、会場の劣悪な音響が生み出した「液状化したロックサウンド」)からインスパイアされたとの事。その他、My Bloody Valentineの『Loveless』やSonic Youthなどからの影響を受けつつも、それらを独自に昇華した本作は、90年代のポルトガルにおける特異な実験的音楽シーンを代表するドローン/アンビエントの傑作。名エンジニア=Rashad Beckerによってマスタリングされ、オリジナルの意図をより忠実に再現した決定版。ロックやアンビエント、ドローン、ノイズの境界を曖昧にする、時代を超えたマスターピースです!
