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Ambient / Minimal / Drone

1973 products

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Kassel Jaeger - Fernweh (LP+DL)Kassel Jaeger - Fernweh (LP+DL)
Kassel Jaeger - Fernweh (LP+DL)Black Truffle
¥4,851

François J. Bonnetが手掛けるエレクトロアコースティック/実験音楽プロジェクトKassel Jaegerのオリジナルは2012年に〈Senufo Editions〉からリリースされた重要作『Fernweh』が〈Black Truffle〉から再発!電子音響とミュジーク・コンクレートを融合させた濃密で感情的なサウンドスケープが展開される本作は、波のように寄せては引く電子音、風や水、ガラスの音のような曖昧で現実感のある音が交錯しながら、明確なイメージを与えずに空間を漂う。具体音と合成音が溶け合い、風景のように推移する構成は、彼のフランス・ミュージック・コンクレートの伝統と音響に対する厳密さと、アンダーグラウンドな実験音楽の粗さが共存している。情緒と実験が同時に息づく独特の音世界は、友人でもあるジム・オルークと同様、アカデミックな伝統から逸脱した開かれた耳によるもので、情緒ある抽象を追求した電子音響の傑作。

Kali Malone + Drew McDowall - Magnetism (CD)Kali Malone + Drew McDowall - Magnetism (CD)
Kali Malone + Drew McDowall - Magnetism (CD)Ideologic Organ
¥2,264

Coil のメンバーとしても知られるスコットランド出身の電子音楽家Drew McDowallとKali Maloneと初の本格的コラボ作『Magnetism』。マローンが精緻な持続音の作曲を展開してきたのに対し、マクダウェルは、有機的に脈打つ歪みや揺らぎを伴ったシンセサウンドを探求してきた。二人のアプローチはいわば正反対だが、本作ではその差異がぶつかり合うのではなく、うまく混じり合ってひとつの響きになっている。全4曲の長大な楽曲では、カープラス・ストロング法といったデジタル音響技術や、純正律などの伝統的な音律を用いて、音が反復し、飽和していくプロセスそのものが聴き手を瞑想的な感覚へ導いていく。時間の流れを忘れるような、ものすごくゆっくりとした大きな動きで展開していく音、一方で、音そのものはとても鮮明で瞬間的。とても大きなスケールでゆっくり変化する響きと今この瞬間に立ち上がる鋭さが同居した音世界は、カリ・マローンが光や構造を担い、マクダウェルが影や有機的な歪みを注ぎ込んでいるかのよう。異なる美学が互いを映し合うことで生まれた、古代的でありながら切実に現代的なミニマリズムの到達点ともいうべき一枚。

Mikkel Rev -  Journey Beyond (CD)
Mikkel Rev - Journey Beyond (CD)A Strangely Isolated Place
¥1,568

ノルウェーのプロデューサーMikkel Revによるアンビエント・トランスの美学を追求したコンセプチュアルなアルバム『Journey Beyond』。BPMが緩やかに上昇する構成によって、瞑想から覚醒へと至る精神的な旅路を描いており、前半はチルアウトやスロートランスの穏やかな音響が広がり、後半に向けてクラシック・トランスの高揚感が立ち上がる。全体を通して、夢幻的で空間的な音響処理と、感情に訴えるメロディラインが印象的。内省的なリスニングにも、感情の旅を求めるリスナーにも響く、現代アンビエント・トランスの到達点。

Sister Irene O'Connor - Fire of God's Love (LP)Sister Irene O'Connor - Fire of God's Love (LP)
Sister Irene O'Connor - Fire of God's Love (LP)Freedom To Spend
¥3,736

12月上旬再入荷。オリジナルは1973年リリースの、修道女Sister Irene O'Connorによる自主制作作品として長らくカルト的評価を得てきた伝説的アルバム『Fire of God’s Love』。オコナーはフランシスカン・ミッショナリーズ・オブ・メアリー修道会に所属するカトリック修道女で、教育や奉仕の傍ら音楽活動に携わってきた。1960年代にはシンガポールでギターを手にし、子どもたちと歌う中で作曲を始め、70年代に入り、同じ修道女で録音技師でもあったシスター・マリミル・ロブレガットとともにシドニーのカトリック放送局のスタジオでこのアルバムを制作。オルガン、ピアノ、アコースティックギターを主体に、チープなリズムボックスやベースペダル、そして大量のリヴァーブを駆使し、オコナーはソプラノで英語・ラテン語・マレー語の詞を歌い、同時にオルガンの全パートを演奏している。マリミルの技術と感性による録音・ミキシングは、清らかでありながら異世界的。霊的で恍惚感のある響きとなっている。歌詞のテーマは「慈悲」「光」「救済」といった聖書的題材に根差していながらも、音楽的には形式的な讃美歌ではなく、フォークや当時のサイケデリック、さらには早すぎたシンセポップを思わせる響きを含んでいるようで、モンド、電子音楽、カルト・アンビエント、フィメール・フォークなど多様な文脈で語られる稀有な作品となっている。修道院という閉ざされた環境から生まれながらも、時代もジャンルも超えてリスナーを魅了し続ける奇跡の一枚であり、無二のスピリチュアル・ポップ/サイケデリック・フォークの古典。長らく入手困難だったが、〈Freedom To Spend〉によってリマスターが施され、公式に復刻。詳細なライナーノーツと歌詞を収めたブックレットも付属した価値ある再発。

JJJJJerome Ellis -  Vesper Sparrow (CD)JJJJJerome Ellis -  Vesper Sparrow (CD)
JJJJJerome Ellis - Vesper Sparrow (CD)Shelter Press
¥2,264

サクソフォン奏者、作曲家であり詩人でもある JJJJJerome Ellis が、即興と自身が持つ吃音を音楽の中心に据えて作り上げたセカンド・アルバムが〈Shelter Press〉より登場。黒人の宗教的伝統や祖先からの継承をテーマにしつつ、時間や声のあり方を探るような内容になっている。音楽的にはサックスやオルガン、ハンマーダルシマー、電子音、そして声を織り交ぜたアンビエント、ポスト・クラシカル的なサウンドスケープが基盤。そこにポップスやインディ・ロックからの影響を感じさせる音響処理や、カリブ、ブラック・アメリカン・ミュージックに通じるサンプリングやリズム感覚も混ざり、静謐な祈りや儀式に近いムードを持ちながら、同時にポップな親しみやすさもかすかに漂っている。

Emily A. Sprague - Cloud Time (Cloudy White LP)Emily A. Sprague - Cloud Time (Cloudy White LP)
Emily A. Sprague - Cloud Time (Cloudy White LP)Rvng Intl.
¥3,784

モジュラーシンセを駆使して、自然の風景や天候、時の移り変わりを音で表現するEmily A. Spragueによる、2024年秋に行われた初の日本ツアーを記録したライヴ・アルバム。全国各地の会場で収録された8時間以上におよぶ演奏から編まれており、余計なミックスを施さず、最低限の編集だけでまとめられている。このツアーは旅として構想されていて、彼女はその場ごとの環境や空気とやりとりするように演奏を展開し、リアルタイムで反応できるようにライヴ機材を組み直し、偶発性と直感に身をゆだねながら音を紡いでいる。収録曲は実際の演奏順ではなく、ひとつの物語の流れを描くように配列されており、たとえば「Nagoya」「Tokyo 1」、10分を超える「Matsumoto」などは、重ねられたシンセの層が静かに脈打ち、日本の環境音楽やディープ・リスニングの系譜とも響き合う内容になっている。彼女が日本での出会いから引き出した、個人的で、かつ癒しの感覚に満ちた一回性の強いアンビエント・ドキュメント。

BJNilsen - True than Nature (CD)BJNilsen - True than Nature (CD)
BJNilsen - True than Nature (CD)Ideologic Organ
¥2,262

アムステルダムを拠点に、1990年代初頭から音楽、演劇、映画、サウンドデザインといった多岐にわたる分野で活躍するBJ Nilsenは、フィールドレコーディングや環境音響、そして音の持つ心理的な側面に長年関心を寄せ、北極圏の鉱山や都市のサウンドスケープなど、自然環境と工業地帯の両方を行き来しながらさまざまな場所で音の探求を続けている。本作『True than Nature』は、日常や環境の音を繊細な電子操作によって昇華させた作品で、工場や電線などから発せられるハミング、エコー、労働の音、物質のテクスチャを感じさせる音といった、普段見過ごされがちな音そのものが持つ本質的な特性に焦点を当て、それらを抽象的で絶えず変化するサウンドスケープへと変貌させている。Nilsenは、意図的に音源の場所や録音技術の詳細を明かしておらず、リスナーが先入観にとらわれず、深く音と向き合うことを促している。知っている世界と想像上の音の可能性との境界を曖昧にし、「今、自分が聴いているのはどんな世界なのだろうか?と内省することを促されるような作品。

Phil Cook - Appalachia Borealis (LP)Phil Cook - Appalachia Borealis (LP)
Phil Cook - Appalachia Borealis (LP)Psychic Hotline
¥3,379

現代音楽のアイコニックな面々とのコラボレーションを通じて知られるギタリスト、バンジョリスト、ピアニスト、シンガーであり、インディーフォークの世界で素晴らしい才能を持つアーティスト、フィル・クックの2024年最新作がPsychic Hotlineより再び登場!2022年秋、ノースカロライナ州ピードモントの野原と森の端にある小さな家に一人で住んでいた時の鳥たちの夜明けのコーラスをきき、そのさえずりを録音し、徐々に鳥のさえずりに加わっていった体験から生まれていったこのアルバムは深く心に響く、個人的な11のピアノ瞑想曲で、これらの曲は、クックにとって不安定な時期の混乱と悲しみだけでなく、希望、光、そして向こう側を探す喜びをも反映している。この曲の多くにインスピレーションを与えてくれた鳥の声や時間を、今でも耳にすることができると言えるだろう。たとえ彼らが耳に届かないところにいても、そのエッセンスが残っているようだ。おすすめ!

Glenn Gould - Bach: The Goldberg Variations (1955) (LP+Obi)
Glenn Gould - Bach: The Goldberg Variations (1955) (LP+Obi)ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
¥4,950

グレン・グールドの偉大なる出発点が、57年ぶりに日本国内でモノラル・マスターからアナログ化。
【完全生産限定盤】アナログ / 180グラム重量盤仕様
■1956年1月に発売され、若きグレン・グールドの名を一躍世界的なものにしたデビュー・アルバム「ゴールドベルク変奏曲」。そしてグールドが生涯を閉じる約1か月前、1982年9月に発売され、生前に発表された最後のアルバムも「ゴールドベルク変奏曲」。この作品は、まるで円環を閉じるようにグールドの生涯を縁取り、その独自の音楽を考える上で欠くことのできない音楽。グールドといえば、ゴールドベルク、そしてその逆も真なり。
■その重要作品の4種類の演奏を6枚のアナログ盤で復刻する特別企画の第1弾は、1955年6月に4日間を費やして録音されたデビュー盤。史上最も成功を収めたクラシック音楽のアルバムであり、録音史のアイコン的存在でもあります。門外不出のオリジナル・モノラル・マスターから慎重にトランスファーされたハイレゾ音源をもとに、日本のソニーミュージック乃木坂スタジオでカッティング。

Side 1*
1 アリア
2 第1変奏 1段鍵盤
3 第2変奏 1段鍵盤
4 第3変奏 同度のカノン、1段鍵盤
5 第4変奏 1段鍵盤
6 第5変奏 1段あるいは2段鍵盤
7 第6変奏 2度のカノン、1段鍵盤
8 第7変奏 1段あるいは2段鍵盤
9 第8変奏 2段鍵盤
10 第9変奏 3度のカノン、1段鍵盤
11 第10変奏 フゲッタ、1段鍵盤
12 第11変奏 2段鍵盤
13 第12変奏 4度の反行カノン
14 第13変奏 2段鍵盤
15 第14変奏 2段鍵盤
16 第15変奏 ト短調、5度の反行カノン、1段鍵盤

Side 2*
17 第16変奏 序曲、1段鍵盤
18 第17変奏 2段鍵盤
19 第18変奏 6度のカノン、1段鍵盤
20 第19変奏 1段鍵盤
21 第20変奏 2段鍵盤
22 第21変奏 7度のカノン
23 第22変奏 アラ・ブレーヴェ、1段鍵盤
24 第23変奏 2段鍵盤
25 第24変奏 8度のカノン、1段鍵盤
26 第25変奏 2段鍵盤
27 第26変奏 2段鍵盤
28 第27変奏 9度のカノン、2段鍵盤
29 第28変奏 2段鍵盤
30 第29変奏 1段あるいは2段鍵盤
31 第30変奏 クオドリベット、1段鍵盤
32 アリア・ダ・カーポ

*LPのSide 2は、第16変奏(序曲)からですが、レーベル面の表示は、米国初出盤以来1980年代に至るまで採用されていた盤面表示「Variations No. 17 through 30」を踏襲しています。

グレン・グールド(ピアノ)

[オリジナル・レコーディング]
[録音]1955年6月10日、14日~16日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ(モノラル)
[プロデューサー]ハワード・H・スコット
[米国初出]1956年1月3日、ML5060

[リイッシュー・プロデューサー(アナログ・トランスファー、DSDリマスター)]
アンドレアス・K・マイヤー
[カッティング・エンジニア]
堀内寿哉(乃木坂ソニー・ミュージックスタジオ)
180グラム重量盤仕様

横田進 Susumu Yokota -  Image 1983-1998 (Skintone Edition) (CD)横田進 Susumu Yokota -  Image 1983-1998 (Skintone Edition) (CD)
横田進 Susumu Yokota - Image 1983-1998 (Skintone Edition) (CD)Lo Recordings
¥2,645

日本の伝説的アーティスト、Susumu Yokotaの音楽的探求の軌跡を年代を超えて記録した、極めて個人的な作品集『Image 1983-1998』。本作は、彼の音楽キャリアにおける二つの異なる時期に制作された短い楽曲で構成されており、前半のトラックは1983年から84年にかけての、ギターやオルガンを用いたローファイなテープ実験の時代のものが収録、ポストパンクやゴーストリー・ポップの断片が垣間見える。続く後半のトラックは、これらの初期作品に触発され1997年から98年に作曲されたもので、後のアンビエントの傑作『Sakura』へと繋がる、より洗練された電子音響とメロディと抽象性が両立する作品が収録されている。音楽的自伝ともいうべき内容で、初期の脆いギターの音色と、後年の穏やかなシンセサイザーのモチーフが、アルバム全体を通して「記憶と予感」という共通のムードで結びついており、両時代が並行して存在するような不思議な感覚を覚える。彼がテクノの制作で多忙を極める中で、初期の実験への回帰と感情的なミニマリズムを追求した、音のスクラップブックあるいはデザインボードとも呼べる、アーティストの核心に迫る貴重なドキュメント。

横田進 Susumu Yokota -  Image 1983-1998 (Skintone Edition) (warm beige vinyl LP)横田進 Susumu Yokota -  Image 1983-1998 (Skintone Edition) (warm beige vinyl LP)
横田進 Susumu Yokota - Image 1983-1998 (Skintone Edition) (warm beige vinyl LP)Lo Recordings
¥5,842

日本の伝説的アーティスト、Susumu Yokotaの音楽的探求の軌跡を年代を超えて記録した、極めて個人的な作品集『Image 1983-1998』。本作は、彼の音楽キャリアにおける二つの異なる時期に制作された短い楽曲で構成されており、前半のトラックは1983年から84年にかけての、ギターやオルガンを用いたローファイなテープ実験の時代のものが収録、ポストパンクやゴーストリー・ポップの断片が垣間見える。続く後半のトラックは、これらの初期作品に触発され1997年から98年に作曲されたもので、後のアンビエントの傑作『Sakura』へと繋がる、より洗練された電子音響とメロディと抽象性が両立する作品が収録されている。音楽的自伝ともいうべき内容で、初期の脆いギターの音色と、後年の穏やかなシンセサイザーのモチーフが、アルバム全体を通して「記憶と予感」という共通のムードで結びついており、両時代が並行して存在するような不思議な感覚を覚える。彼がテクノの制作で多忙を極める中で、初期の実験への回帰と感情的なミニマリズムを追求した、音のスクラップブックあるいはデザインボードとも呼べる、アーティストの核心に迫る貴重なドキュメント。

横田進 Susumu Yokota - Sakura (Skintone Edition) (CD)横田進 Susumu Yokota - Sakura (Skintone Edition) (CD)
横田進 Susumu Yokota - Sakura (Skintone Edition) (CD)Lo Recordings
¥2,645

横田進のカタログの中で最も愛され、高く評価されているアンビエントの金字塔『Sakura (Skintone Edition)』。オリジナルは1999年に自身のレーベル〈Skintone〉から発表されたものが〈Lo Recordings〉よりめでたくリイシュー。本作は、日本の「喜怒哀楽」という四つの感情を音楽で表現することを意図しており、そのサウンドは深遠な静けさからためらい、憂鬱、そして純粋な喜びへと、人間の心の移ろいを桜の花びらが舞うさまに重ねて辿る。穏やかなギターのループがかすかなドローンへと溶け込み、断片的なヴォイス・サンプルが揺らめいては消え、静かな水面に波紋のように突如リズムの脈動が現れるなど、アンビエント、テクノ、そしてドリーム・ポップの要素を彼独自の方法で融合。特に、Steve ReichのミニマリズムやHarold Buddのテクスチャからインスピレーションを得たサンプルワークは、懐かしさと斬新さが同居する独特の世界観を作り上げている。ブライアン・イーノやフィリップ・グラスといった巨匠たちからも絶賛され、ヨコタを国際的な音楽家へと押し上げたこの作品は、その儚くも力強い美しさによって、20年以上経った今もなお、聴く者に静けさと不思議な感覚を与え続ける、時代を超越した傑作。

Mike Ratledge - Riddles of the Sphinx (LP)Mike Ratledge - Riddles of the Sphinx (LP)
Mike Ratledge - Riddles of the Sphinx (LP)Mordant Music
¥5,471

Laura Mulvey & Peter Wollen監督による1977年のフェミニスト映画のために制作されたサウンドトラックで、Mike RatledgeがARP、Moog、VCS-AKSなどのアナログ・シンセを駆使して作り上げた、サイケデリックかつミニマルな電子音楽作品『Riddles of the Sphinx』。元Soft Machineのキーボード奏者として知られるRatledgeが、ARPやMoog、VCS-AKSなどのアナログ・シンセを駆使して構築。映画と音楽の融合を支えたアンダーグラウンド文化のキーパーソンDenys Irvingが開発・改造したZ-80ベースのシーケンサーを用いたねじれたメロディと浮遊する音響処理は、映像のパンやモノローグと呼応しながら、空間的で抽象的な音の連なりを生み出している。Boards of Canadaの原型とも評されるその音像は、タイムレスで神秘的な質感を持ち、Terry RileyやMorton Subotnick、Shackletonなどのファンにも響く内容。オリジナル・マスターテープが失われたという背景もあり、幻の電子音響作品として再評価され、映画の文脈を超えて現代のリスナーにも届く一枚となっている。

Stress Assassin -  Within the Office of Eye and Ear (2LP)Stress Assassin -  Within the Office of Eye and Ear (2LP)
Stress Assassin - Within the Office of Eye and Ear (2LP)DUBMISSION
¥5,615

スウェーデン人プロデューサー、Henrik JonssonがPorn Sword Tobacco (PST)として名を馳せる以前、Stress Assassin名義で2002年にCDで発表したトランス・ダブの秘宝的名作が、20年以上の時を経て初のヴァイナル・リイシュー。本作は、ヘンリク・ヨンソンがヨーテボリの屋根裏部屋で制作した初期の作品であり、ミニマルなビートとスペーシーなシンセが織りなす音響空間は、アンビエント、ダウンテンポ、トランス、エレクトロニカ、そして深遠なダブの要素が融合し、静謐でありながらエモーショナル。チルアウトとトランスの境界を曖昧にするような深い没入感と浮遊感のなか、メロディアスなベースラインと、澄み切った透明度の高いハーモニーを基調としつつ、フィールドレコーディングされた音やテープヒス、浮遊する声などが混じり合う。Harold BuddやTangerine Dreamからの影響を感じさせつつも、Lee "Scratch" PerryやMoritz von Oswaldといったダブの巨匠たちからの手引きも見受けられ、スモーキーで優美なビートと空間を漂うような音響処理が織りなすサウンドスケープは、まるで夢の中で聴くダブ・ミュージックのよう。2000年代初頭のスウェーデン地下シーンから生まれたこの作品は、今なお色褪せることのない、アンビエント/ダブ/エレクトロニカの交差点に立つ静かな金字塔!

Terre Thaemlitz - Tranquilizer 30th Anniversary Restored & Expanded Edition 1994-2024 (2CD)Terre Thaemlitz - Tranquilizer 30th Anniversary Restored & Expanded Edition 1994-2024 (2CD)
Terre Thaemlitz - Tranquilizer 30th Anniversary Restored & Expanded Edition 1994-2024 (2CD)Comatonse Recordings
¥2,948

オプティミズムの結晶にして、内省的で耽美なチルアウト・アンビエント・ミュージック。DJ Sprinkles名義にて本邦の名門ダンス・レーベル〈Mule Musiq〉から発表した傑作『Midtown 120 Blues』で知られるプロデューサー/DJであり、〈Comatonse Recordings〉の運営者でもあるTerre Thaemlitzが〈Instinct Ambient〉より1994年に発表した記念碑的デビュー・アルバム『Tranquilizer』が30周年記念拡張再発!
視聴-040468
視聴-Fat Chair
視聴-Hovering Glows (Little Guy Mix)
視聴-Meditation of the Mountain Oyster§
視聴-Fina†
視聴-Raw Through a Straw

--- 主に「DJデニム」こと私の弟との冗談でつけたバカげた曲名。 よくあるひどい条件のレコード契約。 すっぽり抜け落ちたタイトルトラック。 詩人の愚かさについてのフランス語の気取った詩。 日本の聴衆がヘロインの袋と誤解し、私がヘビーユーザーだという作り話を生んだ、格子状の枕のジャケット。 超90年代的なPhotoshopの渦巻きのエフェクト。 UFOが牡蠣の殻に変形し、その殻を開けると中に山があるというグラフィックまでも? これらは私のファースト・フル・アルバム『Tranquilizer』の30周年記念復元拡張版を準備する際、私が折り合いをつけなければならなかった恥ずかしいことのほんの一部だ。 ニューヨークのレーベル、Instinct Recordsから1994年にリリースされた『Tranquilizer』は、確かにめちゃめちゃだ。 このアルバムは、1993年にセルフリリースしたアナログEPのデビュー作『Comatonse.000』に続くもので、A面に「Raw Through a Straw」、B面に「Tranquilizer」が収録されている。 このアナログEPは、レコードをプレスするという体験のために出したもので、実際に誰かが買ってくれたり聴いてくれたりするとは思っていなかった。 ディストリビューターがいなかった私は、バックパックにレコードを詰め込んで、地元のレコードショップを回り、そのうちの何軒かは委託販売をしてくれた。 後でわかったことだが、ほとんどの店は委託販売にお金を払わないし、売れ残ったレコードを返品することもない。結局ほとんどを無料で配ったということになる。 その後、びっくり仰天する出来事があった。 David MancusoがA面を定期的にDJするようになり、ロフト・ハウスの名盤へと変貌を遂げていた。 同様にB面はMixmaster MorrisやBill Laswellといったアンビエント・プロデューサーの目に留まった。 こうした偶然の話題は、日本のレコード販売会社シスコ・ミュージックの米国拠点バイヤー、Tak Uchidaの目に留まり、同社は2008年に経営破綻するまで、コマトンズ・レコーディングスのレコード・リリースの主要な支援者であり続けた。 そのすべてが、Instinctの目に留まるには十分な宣伝効果となり、Instinctは私に教科書通りのめちゃくちゃなアルバム2枚のレコード契約を持ちかけてきたのだった。 私はカモにされたくなかったので、正真正銘本物のバカ弁護士と契約交渉にやってきた。 弁護士はろくなアドバイスのかけらもくれなかったが、契約書は署名され、『Tranquilizer』は現実のものになりつつあった。 Instinctの計画は単純だった。 私(あるいは彼らが契約した他の誰か)が、彼らのドル箱アーティストである次のMobyになるかもしれない可能性を考えて、できるだけ多くのトラックの契約を手にいれることだった。 典型的な音楽業界の手口で、アルバムのタイトル・トラック「Tranquilizer」はカットされ、コンピレーションとして別にリリースされた。 その結果、契約上、追加のアルバム曲を考え出す必要がありました。 これでタイトル・トラックが消えてしまった謎が解けただろう。 このアルバムに収録されている曲の大半は、実はInstinctと契約する前にすでに完成していた。 1993年から1994年にかけて、かなりこだわって音源を編集したKorg M1とE-MU Vintage Keysシンセサイザー、そして2台のカシオFZ-10Mサンプラーを使って趣味で作っていた。 ばかげた曲名と趣味的なアプローチにもかかわらず、社会的なメッセージが込められていた。 その多くは、構成主義、インダストリアル・アンビエント・レコード、ディスコ、クィア・サブカルチャーに対する私の長年の関心から生まれたものだ。 これらはすべて、アメリカのアンビエント・ミュージックを支配していたニューエイジ・スピリチュアリズムや「ジッピー」なテクノ・ヒッピー・レイバーとは相容れないものだった。 例えば、オープニング・トラックの「040468」は、アメリカの公民権活動家Martin Luther King Jr.が暗殺された日であり、加害者であるJames Earl Rayの追跡と逃走の際の警察無線がフィーチャーされている。 キング牧師の「I Have a Dream」(私には夢がある)の演説が、まだハウス・アンセムに延々とサンプリングされていた時代に作ったこの曲は、夢から醜悪な現実へ向けて、全く逆の形で表現したものだった。 しかし案の定、音楽ジャーナリストたちは、ミュージシャンのエゴの単純な投影に過ぎないと思い込んで、このタイトルを私の誕生日だと勘違いしていた。 「Fat Chair」は、当時のほとんどのエスノ・アンビエント・ミュージックに潜んでいた植民地主義的幻想に対する批評である。 リスナーを心地よいアームチェアに座って第三世界の楽園への旅に誘うのではなく、1960年代後半のナイジェリア・ビアフラン戦争の際の音源にフォーカスしている。ナイジェリア・ビアフラン戦争では、西側ジャーナリストの干渉によりビアフラ人の人質が殺害された。 「A City on Springs」のタイトルは、芸術よりも工学を優先させるよう呼びかける構成主義者のマニフェストの一節に由来する。 私は、共産主義であれ他の原理原則であれ、社会的平等を達成する人類の能力に対する構成主義の楽観的な信念に共感したことはないが、その言葉は、芸術や音楽の社会的・経済的機能に対する私の生涯にわたる批判への動機づけを与えてくれた。 そして「Hovering Glows」では、Hal Hartleyの映画のモノローグで、虐待的な家族の絆のメタファーとして、傷ついたレコードについて語られる。 私は『Tranquilizer』のオリジナルCDのブックレットにこれらのテーマに関するテキストを掲載するつもりだったが、Instinctはすぐにそれは無理だと明言した。 聴衆を遠ざけることを恐れたのだ。 そんなことがあったので、代わりに私は冒頭にあるような、詩に対抗する「匿名の」小さな詩を書いた。 最初は英語で書いたが、Instinctのスタッフが理解しにくいように、友人で当時の仕事先の同僚、かつコマトンズ・レコーディングス のレーベルメイトであるErik Dahlにフランス語への翻訳を依頼した。 最終的には、ロマンティックな雰囲気を加えるグラフィック要素として盛り込まれたが、私の批判的なテーマが詩の中に密かに隠されていた。 それでも私には不満が残った。 それから2年後、私はInstinctからの2作目にして最後のアルバム『Soil』のデザインに、より意味のあるイメージを挿入することに成功したが、やはりテキストを入れることは許されなかった。 この30周年記念版では、ディスク1には、私が当初リリースする予定だったフル・レングスのアルバムが、タイトル・トラック「Tranquilizer」 を含めて収録されている。 CDの時間の制約上、「Meditation of the Mountain Oyster 」を削除した。 また、エンディング・トラックの 「Fina•Departure 」を長いオリジナル・バージョンに差し替えた。 完全主義の方のために、両曲の1994年アルバム・バージョンはディスク2に完全収録されている。 さらに、ディスク2には、Instinctの『Untitled Ltd. Edition Ambient Double Vinyl Pack』(US: Instinct Records、1994、EX-291-1)に収録された「Hovering Glows」の貴重なビニールミックスが収録されている。 もうひとつのレアな曲は、コンピレーション『Muting the Noise』(DE:Innervisions、2008年、IV CD02)と『Comp x Comp』(JP:Comatonse Recordings、2019年、CxC)で限定リリースされた「Get In and Drive」。 「20min. Epoch」、「Fina」、「Fina•Departure (Original Long Version)」及び「Hovering Glows (Little Guy Mix)」は、私の『売れ残り品アーカイブ(全集)』(JP: Comatonse Recordings、2009、C.018)にMP3隠しボーナストラックとして収録されていたもので、今回初めてちゃんとしたハイファイ・フィジカル盤としてリリースされる。 「アーカイブ」の現存枚数の少なさを考えると、ほとんどの人には新鮮に聴こえるはずだ。 最後に(でも本当に必要な曲かどうかわからないけれど?)、「Pome 」と 「Day Off」は未発表曲だ。 ああ、念のために言っておくと、Little Guyは私の猫の名前だ。彼は、私のスピーカーの前に一斤のパンのように箱座りして、「Hovering Glows 」の808スタイルの重低音を感じるのが大好きだった。 テムリッツ・テーリ 2024年

DJ Sprinkles - Gayest Tits & Greyest Shits: 1998-2017 12-inches & One-offs (2CD)DJ Sprinkles - Gayest Tits & Greyest Shits: 1998-2017 12-inches & One-offs (2CD)
DJ Sprinkles - Gayest Tits & Greyest Shits: 1998-2017 12-inches & One-offs (2CD)Comatonse Recordings
¥2,948
テムリッツ・ファン待望のレア音源集が到来。Meditations強力大推薦!CelerことWill LongとのアンビエントxハウスなコラボCDは弊店でもメガ・ヒットでおなじみです。90年代、ニューヨークのトランスセクシュアル系クラブで活躍し、現在日本を拠点に活動しながら世界中を飛び回り、ハウス・ミュージックを切り口にアーティスティックな音楽展開を続けるカリスマDJ、Terre Thaemlitz(=DJ Sprinkles)。古いものは1998年から2017年までに及ぶ、過去の廃盤作品の数々から、今や入手困難となっている名曲たちをセレクト。単発のコンピレーション・トラックからソロ・プロジェクトに関連したセルフ・リミックスなども収録したベスト盤的な一枚。〈Comatonse Recordings〉からのセルフ・リリースで、自身が組み立てたカスタム・パッケージ仕様の2枚組CDセット。2枚の両面インサート・カード(100mm x 100mm)、新聞紙印刷の4x4パネルのポスター・インサート(472mm x 472mm)などを始め付属物も豪華です。この人の入門タイトルとしても一推しです....!!!

視聴-ADMIT IT'S KILLING YOU (AND LEAVE) (SPRINKLES' DEAD END)(Excerpt)
視聴-MEDITATION ON WAGE LABOR AND THE DEATH OF THE ALBUM (SPRINKLES' UNPAID OVERTIME)(Excerpt)

DJ Sprinkles - Midtown 120 Blues (CD)
DJ Sprinkles - Midtown 120 Blues (CD)Comatonse Recordings
¥2,398

大推薦!90年代、ニューヨークのトランスセクシュアル系クラブで活躍し、現在日本を拠点に活動しながら世界中を飛び回り、ハウス・ミュージックを切り口にアーティスティックな音楽展開を続けるカリスマDJ、Terre ThaemlitzがDJ Sprinklesとして発表したデビュー・フル・アルバムであり、オリジナルは高値で取引されている人気作『Midtown 120 Blues』が自身によるカスタム・パッケージで〈Comatonse Recordings〉から再リリース!RAこと〈Resident Adviser〉にも2009年の年間ベスト・アルバムに選出されたディープ・ハウスのマスターピースが待望の復刻。ニューヨーク・ハウスがリバイバルし、それらのユートピア的なフィクションを構築されていく一方で、ハウス・ミュージックの奥深くへと到達した傑作。空っぽのミッドタウンのダンス・フロアのリズムが、トランスジェンダーのセックスワーク、ブラックマーケットのホルモン、ドラッグ&アルコール中毒、人種差別、ジェンダー&セクシュアルクライシス、失業、検閲の困難さと共鳴していく様を眺めているような珠玉のディープ・ハウス・アルバム。両面インサート(100mm x 100mm)や新聞紙ポスター・インサート(472mm x 472mm)がヴァイナル・ポーチに付属。

視聴-Midtown 120 Intro・ミッドタウン120イントロ
視聴-Midtown 120 Blues・ミッドタウン120ブルース
視聴-Reverse Rotation・後戻り
視聴-Grand Central, Pt. II (72 hrs. by Rail from Missouri)・グランドセントラル駅 パート2(列車でミズーリ州から72時間)

Terre Thaemlitz - Snowflakes & Dog Whistles Best Electroacoustic Ambient & Sexpanic 1995-2017 (2CD)Terre Thaemlitz - Snowflakes & Dog Whistles Best Electroacoustic Ambient & Sexpanic 1995-2017 (2CD)
Terre Thaemlitz - Snowflakes & Dog Whistles Best Electroacoustic Ambient & Sexpanic 1995-2017 (2CD)Comatonse Recordings
¥2,948

1995年から2017年にかけて制作されたテーリ・テムリッツの最高のエレクトロアコースティック・アンビエントおよびコンピューターミュージック作品29曲をコンパイルした2枚組CD。このリリースでのみ入手可能な特別編集曲も多数含まれています。これらのトラックの大半は、何年もの間物理的に絶版となっていました。元々は、Mille Plateaux、Daisyworld Discs (YMOの細野晴臣のプライベートレーベル)、Instinct Ambient、Caipirinha Productions、そしてもちろんテムリッツ自身のComatonse Recordingsなど、さまざまなレーベルからリリースされていました。最初のディスク「Snowflakes」は、より伝統的なアンビエント、あるいは「きれい」なトラックに焦点を当てています。2枚目のディスク「Dog Whistles」は、性別や性的多様性のテーマにもっと明らかに関連する、混沌としたサンプルやサウンドの配列をフィーチャーしたトラックをコンパイルしています。

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disc 1: snowflakes

1. Means From an End I: Means from an End (10:25) 1998
2. Entre l'Action et le Deuil.001 (2:13) 2000
3. Resistance to Change III: Resignation (3:16) 1998
4. Resistance to Change IV: Tranformative Nostalgia (3:07) 1998
5. Residual Expectation [Edit] (6:33) 1997
6. Agnostiko sa Dabaw [Edit] (5:55) 2012
7. Rambles (Down in the Park) [Edit] (8:17) 1999
8. Canto I: Rosary Novena for Gender Transitioning (Alt. Ver.) [Edit] (17:29) 2012
9. Means From an End VI: End to a Means (8:15) 1998
10. The Dream Will Carry Me [Edit] (1:15) 2000
11. Homeward.004 [Edit] (6:20) 2000
12. A Quiet of Intimacy Mirrors Distance [Edit] (5:22) 2000

disc 2: dog whistles

1. Means From an End IV: Means to a Means (7:37) 1998
2. One (Strength in Numbers) (3:45) 1999
3. There Was a Girl/There Was a Boy.INTERSEX (5:38) 2000
4. What is Between is Missing (7:35) 1998
5. Genrecide (I Wish Tricky'd Die Any Way I Hope) [Edit] (5:20) 1999
6. Cycles [Edit] (3:55) 1995
7. Names Have Been Changed [Edit] (6:55) 2017
8. Little Girls Couldn't Murder Anyone [Edit] (5:35) 2007
9. Admit It's Killing You (And Leave) [Edit] (3:08) 2017
10. Taking Stock in Our Pride (2:47) 1999
11. There Was a Girl/There Was a Boy.WENDY (2:05) 2000
12. Trans Am (Transgendered American) [Edit] (3:24) 1997
13. She Maybe May Be... [Edit] (4:03) 1999
14. D.C. D.O.A. (1:10) 1997
15. Facilitator [Edit] (5:13) 1997
16. Between Empathy And Sympathy Is TIme (Apartheid) [Edit] (4:32) 2003
17. Schizophonalysis (5:34) 2000

Saint Abdullah & Jason Nazary - Wiretaps For Oral (LP)Saint Abdullah & Jason Nazary - Wiretaps For Oral (LP)
Saint Abdullah & Jason Nazary - Wiretaps For Oral (LP)Disciples
¥4,558

2月6日発売予定。〈Planet Mu〉や〈The Trilogy Tapes〉といったアンダーグラウンドの名門からリリースを重ねるイラン系カナダ人兄弟Saint Abdullahと〈International Anthem〉、 〈4AD〉などからの作品への参加で知られる人気ジャズ・ドラマーJason Nazaryによるコラボアルバムの第2弾が〈Disciples〉よりリリース!

2023年作『Evicted In The Morning』の続編となる本作は、サイケデリック、ドリーミーに消えては現れる実験的なサンプリングコラージュの中に規則的なリズムが時折顔を出しながらフリージャズのような展開をしていく、聴くたびに新たな発見のある作品となっている。「Here to Body Ratio」は情感溢れるサックスとギターに性急なドラミング、ストレンジに心地よい電子音が独自のバランスを生み出す作品のハイライト。

本作は、反戦デモや国家抑圧が続く新たな時代に向けた"Freedom Now Suite(自由のための組曲)”とも言うべき作品だ。ゲストにはロサンゼルスを拠点とする日系アメリカ人のマルチ奏者Patrick Shiroishi と Ryan Easter が参加している。
兄弟が「‘tellectual condition(知的病)」と呼ぶような表層的な知識が支配する時代において、アルバムはあえて遅く、複雑に、時間に逆らうことを選ぶ。ここでのサンプリングのコラージュは、ポストモダン的な遊戯ではなく、“感情の構造”なのだ。

『Wiretaps for Oral』を聴いていると、語りかけてくるのはサンプルそのものではなく、そのあいだの“隙間”だと気づかされる。信号が途切れる亀裂、ビートが抜け落ちる瞬間、その隙間に意識が宿る。意味を「与える」のではなく、それを「抱える」こと、強引に形を与えず、ただ触れること。

このデュオは、私たちに“盗聴線に耳をあて、囁きを聴け”と誘う。そうして彼らは思い出させてくれる、近くにいるということは、距離よりも「聴くこと」に関わっているのだと。

Nikolajev - Transplant Rejection (LP)Nikolajev - Transplant Rejection (LP)
Nikolajev - Transplant Rejection (LP)Muscut
¥3,784

エストニア・タリンを拠点に活動し、レフトフィールド・ハウスやアンダーグラウンド・クラブ・ミュージックの文脈で知られるDJ、音楽家のRobert Nikolajevによる限定150部のLP作品『Transplant Rejection』がウクライナのレーベル〈Muscut〉から登場。本作ではクラブ志向とは異なるローファイで粒状の質感とセピア調のノスタルジアが印象的な、ダーク・アンビエント/エレクトロニカを展開しており、より個人的で静謐な側面が表れている。音の構成は、ぼやけたシンセのレイヤー、微細なノイズ、断片的なメロディが交錯し、まるで記憶の中の風景を手探りで辿るような感覚を呼び起こす。Nikolajevが丁寧に編み上げる孤独と記憶のための音楽にリズムはほとんど存在せず、時間の流れさえ曖昧になるような構造の中で、聴くものは音の余白に身を委ねる。永遠の冬を予感させる秋のメランコリーを体現したような、内省的で物悲しい雰囲気を持つ、架空のサウンドトラック的な作品集。

Mark Fell - Psychic Resynthesis (2LP)Mark Fell - Psychic Resynthesis (2LP)
Mark Fell - Psychic Resynthesis (2LP)Frozen Reeds
¥5,968

Mark FellがExplore Ensembleと共に制作したコンピュータによる構造とアコースティックの融合による緻密で抽象的な室内楽的音響作品『Psychic Resynthesis』が〈Frozen Reeds〉より登場。本作は、Mark Fellがアルゴリズムで生成した楽譜をアンサンブルが演奏するという実験的手法を採用しており、全10曲は「Combination #1〜#10」と題され、それぞれ異なる数値パターンで構成。電子音楽の思考法をアコースティック室内楽に転写する試みであり、その独自の構造によって、電子音響を用いずとも電子音楽的な設計思想が全編に貫かれた内容となっている。各曲は異なるリズムパターンや音の配置によって構成され、弦を弾く音や擦過音、沈黙も交えながら、録音空間の響きも音楽の一部として取り込んでいる。電子音楽特有の精緻なリズム構造に生楽器の持つ微妙なゆらぎやテクスチャが加わった、数学的な決定性と演奏家の柔軟性が拮抗する知的な音響探究!

Banjar Teratai Capung - Tunggak Semi (2LP)
Banjar Teratai Capung - Tunggak Semi (2LP)DOPENESS GALORE
¥4,898

インドネシアのミュージシャン兼プロデューサー、Bambang Pranotoによるプロジェクト、Banjar Teratai Capungによるオリジナルは2003年CDでリリースの静謐なアンビエント傑作『Tunggak Semi』がリマスター、初のヴァイナル・リイシュー!自然への瞑想的なまなざしをテーマに、アコーディオン、アコースティック・ギター、フルート、パーカッションなどを用いた穏やかで詩的なサウンドで、東洋と西洋の記譜法が交差する独自の作曲スタイルで、ジャンルを超えた世界のあいだの世界を描いている。DIY的なスタイルで制作され、物悲しくも懐かしい旋律と自然の美しさと喜びを反映したハーモニーが、深いノスタルジーをもたらす。ドン・チェリーやジョン・ハッセル、モノ・フォンタナなどの精神性とも共鳴する、静かで深い音の旅へと誘割れる一枚。

冥丁 - Komachi (LP)冥丁 - Komachi (LP)
冥丁 - Komachi (LP)PLANCHA
¥5,280

Pitchforkでは”The Best Experimental Albums”にも選出されるなど、日本から大きな話題を呼んだ作家による2019年発表の2ndアルバムが2025年エディションで待望のリプレスです!
浮世絵や雅楽、そして、宮崎駿からJ Dillaにまでインスパイアされた孤高のエクスペリメンタル・アンビエント大傑作!「lost Japanese mood」をコンセプトに活動する広島在住の日本人作曲家、Meitei / 冥丁。これは本当に美しい・・・・本作は、彼の99歳の祖母の死からインスパイアされており、タイトルは小野小町から取られているとのこと。彼の祖母が生きた古き日本の心象風景を切り取るように、今は失われた日本の原風景を描き出した孤高のアルバム。TempleATS周辺の作家達の才気にも劣らない、国籍すらも遥かに超克し、妖艶にして澱み一つ無い、まさに無比と言えるエキゾティック・アンビエント傑作。鈴木春信によるカバー・アートワークをフィーチャー。Brandon Hocuraによるマスタリング。横田進や竹村延和、吉村弘のファンの方も必携の一枚です!

Lullatone - Music for My Friend's Flower Shop (LP)Lullatone - Music for My Friend's Flower Shop (LP)
Lullatone - Music for My Friend's Flower Shop (LP)Mystery Circles
¥4,400

版元完売につきお見逃しなく。名古屋を拠点に活動する音楽家、Shawn Seymourによるユニット、Lullatoneが届けるこのアルバムは、植物をテーマにしたアンビエント・コレクション。日常の中でひっそりと流れる空気のような楽曲群は、儚くも美しい旋律で構成されており、さながら音で綴るボタニカル日記のよう。ギターやトイピアノ、アナログ・シンセやカセット特有のノイズといった要素が、音の一粒一粒を大切に、繊細に編まれており、曲は短く、どれも1~2分程度だが、それがかえって一瞬の美しさを引き立てている。名古屋の花屋「Tumbleweed」で定期開催されているイベント「Flower Listening」のために作られた楽曲を基に構成されており、Shawnはこのイベントのために何曲も書き下ろし、それらが日常の他の場所や時間でもふと寄り添うような音楽へと育っていったという。音の質感はGigi Masinや吉村弘を思わせるが、Lullatoneならではのチャーミングなトーンが全体を包んでおり、シリアスすぎず、全体を通して穏やかな物語のような流れを感じさせる。日記風でもあり、ドリーミーでもある、植物と暮らす日々のための小さなサウンドトラック。

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