aposiopèse

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Andrea Borghi - Palsecam (LP)
Andrea Borghi - Palsecam (LP)Aposiopèse
¥4,721

イタリアのサウンドアーティストAndrea Borghiによる、VHSテープと再生装置そのものを素材にした最新作『Palsecam』。磁気テープの揺れ、機構の摩耗、劣化といった旧メディアの物質的な痕跡を直接扱い、機械が記録を読み取る瞬間の振動や歪みをエレクトロアコースティックな音響として提示する。ここで響くのは懐古的なフィルムノイズではなく、機械の内部が自律的に動いているような触覚的な音。ざらついた低域のノイズ、金属的なクリック、磁気の揺れが層を成し、光と影のようなコントラストを生む耳で感じるキアロスクーロが特徴的。遠くでかすかに揺れる映像の残骸や声の断片が、機械ノイズと混ざり合い、記憶の残響と物質の現在性が同じ空間に存在するような独特の質感をつくり出す。VHSというしばしば軽視されるフォーマットに新たな価値を与え、音と物質の関係を探るBorghiの美学が鮮やかに表れた一枚。

Eamon Sprod - Foil Void Join Avoid (2CD)
Eamon Sprod - Foil Void Join Avoid (2CD)Aposiopèse
¥3,546

Tarab名義で知られるEamon Sprodによる最新作『Foil Void Join Avoid』。都市の床、壁、天井、通路、家具、空調、紙、金属、埃といった日常の周縁にある物質を録音素材として扱い、環境そのものを音の共作者として提示する2枚組作品。自然の美しさを記録するフィールド録音とは対極にある、反自然主義的な都市音響の探求が貫かれている。ここで響く音は、場所の説明ではなく、場所が自ら発する振動そのもの。壁の反射、床の軋み、プラスチックの歪み、空調の低周波が層を成し、都市の内部構造が抽象的な音の圧力として立ち上がる。物質の触覚が強く、金属の擦過音や紙の微細な揺れが、まるで自律的に動いているように聴こえる。録音者が風景を描写するのではなく、環境が勝手に音を発し、聴き手の周囲に空間を形成していくような構造が特徴的。フィールド録音、ノイズ、サウンドアートの境界を横断しながら、都市の忘れられた場所や物質の存在感を音として浮かび上がらせる、現代都市音響。

Thomas Tilly - Birds Measuring Space (CD)
Thomas Tilly - Birds Measuring Space (CD)Aposiopèse
¥2,958

フランスのサウンドアーティストThomas Tillyが、コロンビア・リオクラロ自然保護区で録音した 洞窟性鳥類グアチャロの巨大コロニーを記録した作品『Birds Measuring Space』。鳥類では極めて珍しい可聴域でのエコーロケーションを持つ種で、その鋭いクリック音や叫び声が洞窟の壁に反射し、空間そのものを測定するような音響現象が立ち上がる。本作は編集や加工を一切施さず、現場で起きている音の構造をそのまま提示する点が特徴。数千羽が渦を巻くように集まる場面では、金属的なノイズが層を成し、自然音の美しさと暴力性が同時に現れる。さらに各トラックの間には、録音の残留ノイズやエコーロケーション信号の断片をネガとして扱った分析パートが挿入され、生物音とデジタル処理の境界が揺らぐ独特の質感を生む。鳥=美しい歌というロマン主義的自然観を批評しながら、自然環境の複雑な物理現象を音として提示する、フィールド録音と音響芸術の交差点に位置する一枚。

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