PAROLE
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ハロルド・バッドの初期ミニマリズムとアンビエント音楽の重要な転換点を示す作品として知られる1970年作『The Oak of the Golden Dreams』が〈PAROLE〉より再発!カリフォルニア芸術大学で、伝説的なBuchlaモジュラー・シンセサイザーを用いてリアルタイムで録音されたこの作品は、バッドの初期の音楽的探求を象徴している。表題曲「The Oak of the Golden Dreams」は、変化しないドローンの上に、Buchlaを電気オルガンのように使用して即興的なモーダル演奏を展開しており、このアプローチは、テリー・ライリーやラ・モンテ・ヤングの作品と共鳴し、初期ミニマリズムの特徴を体現している。『The Oak of the Golden Dreams』は、ミニマリズムの黎明期における重要な記録であり、バッドの音楽的進化を理解する上で欠かせない作品で、彼の後の作品と比較することで、彼の音楽的旅路とその影響をより深く探求することができる一枚。
奇才マジカル・パワー・マコが18歳にして創り上げた唯一無二の音世界。灰野敬二も参加した、破天荒でプログレッシヴでアバンギャルドなデビュー・アルバム(1974年発表)
実験音楽史における重要な一作であるリチャード・マックスフィールドの1969年作『Electronic Music』が〈PAROLE〉よりリイシュー!フルクサスに参加し、ラ・モンテ・ヤングやデヴィッド・チューダーらと深く関わっていた1960年代初頭に制作された電子音楽/ミュージック・コンクレート作品を収録しており、「Pastoral Symphony」は連続的な電子音によるサウンドスケープで、当時としては革新的な試み。「Bacchanale」では、ジャズや韓国民謡、スポークン・ワード、テリー・ジェニングスのサックスといった異種素材をコラージュ的にミックス。「Piano Concert for David Tudor」は、ピアノの内部奏法に加えてアンプリファイした金属音などが交錯し、アンダーグラウンドな緊張感を持っている。そして「Amazing Grace」では、異なるスピードのテープループを重ねることで、のちのスティーヴ・ライヒやテリー・ライリーを先取りしたようなミニマル的手法を見せている。60年代の電子音楽の可能性を大きく広げ、ミニマリズムや現代音楽の源流にも連なるこの作品は、今なお刺激的な響きを持っている。アナログ盤でこそ際立つヴィンテージ機材や手作業的コラージュの質感がたまりませんね!
オリジナルは1960年録音、1965年リリースのSun Raのシカゴ時代最後期のアーケストラを捉えた作品『Fate in a Pleasant Mood』が〈PAROLE〉より再発。10年以上過ごしたシカゴに見切りをつけ、モントリオールを経てニューヨークへ拠点を移す直前の録音で、まさに転換期のサン・ラーを象徴するような一枚。内容的には、バラードからビバップ、フリージャズ、デューク・エリントン的ハーモニー、12小節ブルース、さらにはクライム・ジャズやチャチャまで幅広くスタイルがめまぐるしく行き交う万華鏡的な構成だが、それでいて、当時のサン・ラー作品の中では比較的とっつきやすい一枚となっている。とりわけ印象的なのは「Space Mates」におけるジョン・ハーディと思われる控えめで創造的なドラムソロで、宇宙的な空間とリズムの余白を強調するようなアプローチが新鮮。続く「Kingdom of Thunder」では、マーティン・デニーやアーサー・ライマンのエキゾチカを彷彿とさせる音作りが登場し、いわば土星風エキゾチカとでも言いたくなる不思議な味わいを放っている。サン・ラーがまだ“地球に片足を残していた時代”の最終章として魅力的なアルバムで、混沌としたジャンル越境が同居しながらも、どこかリリカルで親密な一枚。
