法藏館
31 products
差別は、誰かが作りあげたものではなく、「自分」の心が作り出している。
利害を現したあからさまな差別から、「かわいそうな人」といったやさしさや思い遣りに隠された意識されない差別まで、さまざまな差別の裏に隠れた自己中心的な罪悪性を明らかにする。さらに、自己中心性を克服する道を示して、あたたかい心で繋がった人間の連帯と、真の平等社会の実現を説いた講演録。
https://hozokan.tameshiyo.me/9784831879196(試し読み)
マイクロアグレッション等にご興味ある方にも推薦。
一 人間、この深重なるもの
一、病めるもの/二、意識より深い罪業性/三、いのちが抱える矛盾/四、自分は正しいという罪/五、宗教心が開く世界/他
二 真に私を支えるもの、生かすもの
一、まあまあという意識/二、人生に対する態度決定/三、まいらせ心わろし/四、見つめあうということ/五、自身の在り方を悲しむ心/他
三 願いによって開かれる平等社会
一、差別心に気づくことのない差別/二、差別意識を増幅するこだま/三、責任転嫁の生き方/四、ざわめきに生きる鈍感さ/五 差別するものの問題/他
資料「水平社宣言」「業報に喘ぐ」
あとがき……蒲地義秀(真宗大谷派普賢寺住職)
判型・ページ数 A5・116ページ
1931年、京都市に生まれる。大谷大学文学部卒業。大谷専修学院講師、教学研究所所員、真宗教学研究所所長を歴任。真宗大谷派本福寺前住職。九州大谷短期大学名誉教授。2008年11月21日逝去。主な著書は、『宮城顗選集』全17巻、『正信念仏偈講義』全5巻、『“このことひとつ”という歩み―唯信鈔に聞く―』『後生の一大事』『念仏が開く世界』『真宗門徒の生活に自信を持とう』『僧にあらず、俗にあらず』(法藏館)など。
近代と近代以前、東洋的伝統と西洋的伝統、宗教の歴史的変容などについての哲学的思索の土台の上で、広く深い視界から現代世界において仏教が抱える問題をやさしい言葉でわかりやすく語る。七〇歳代の西谷が語った講演の記録。
【目次】
仏教についておもうこと
教団の内と外
自己を世界に開く
仏教の近代化ということ
近代化とは何か
「個」からの出発
良心について
人間関係を支えるもの
自分を確かめること
解説 西谷先生と「大地の会」[藤元正樹]
解説 西谷啓治における哲学と仏教[氣多雅子]
原文に口語訳を付しつつ難解な仏典引用を解き明かし、親鸞の思想を丁寧に読み解く名著。
約50年振りに新装版として復刊。
序
一 総説
二 身心柔軟
三 涅槃の智慧
四 苦悩と安楽
五 師弟と善友
六 勝れた功徳
七 説聴の方軌
八 大悲の受施
九 法王の臣民
一〇 身心の教養
一一 さわりなき道
一二 菩提心
一三 大悲の行人
一四 釈迦と弥陀
一五 仏法あいがたし
一六 摂取と証誠
一七 護念の光
一八 宿業への光
一九 妙好人(上)
二〇 妙好人(下)
二一 弥勒の位
二二 無辺の同朋
二三 分限の生活
二四 涅槃の期待
二五 仏教の真宗
二六 真実と方便
二七 仏法と外教
二八 愚禿の悲歎
判型・ページ数 4-6・251ページ
1881年新潟県高田に生まれる。真宗大学卒業。1911年浩々洞の雑誌『精神界』の編集担当。東洋大学教授、真宗大谷大学教授、広島文理科大学講師、1951年大谷大学名誉教授に就任。1976年10月20日逝去。主著 『金子大榮著作集』(春秋社)、『金子大榮選集』(コマ文庫)。
伝統的な真言宗乗を深く体解した那須政隆。その一貫した学人かつ真言行者である姿が表われた三篇を文庫版として新編。解説:福田亮成
第一篇では、真言密教の確立とその原理を概観し、その独自性を踏まえ、戦後日本における新たな価値観や社会との連携の可能性を論じる。第二・第三篇では、密教教説の実践的意義が日常生活に即して説かれ、信仰者としての確固たる姿勢を明らかにする。
その一貫した学人かつ真言行者である姿が、本書新編の戦後から後年にわたる三篇に現れる。
Ⅰ 真言密教の精随
一 宗史
インド時代/中国時代/日本の密教/密教の祖師
二 教判論
顕教と密教(横の教判)/十住心(竪の教判)
三 即身成仏の原理
世界観/宇宙の三面/自我の実相/即身成仏偈
四 即身成仏の実現
序説/発心と信心/実現の手段
五 即身成仏の世界
生の自由/世は仏土
六 即身成仏の生活
朝礼暮懺/持戒/人生は利他の方便行/真言三昧
七 仏身論
法界法身(大日如来)/四種法身/大日と釈迦
八 加持祈祷
*
Ⅱ 真言道を往く
一 欲望と現実
二 如実知自心
A 本不生観/B 三摩地/C 二種の立場は一に帰する
三 真言陀羅尼
A 真言の原理としての声字観/B 陀羅尼の真言学的意義/C 真言陀羅尼の功力
四 世界観
A 『吽字義』の所説
1 訶字因不可得/2 阿字本不生/3 汙字損減不可得/4 麽字吾我不可得
B 三大論
1 三大の意義/2 六大体大/3 四曼相大/4 三密用大
五 即身成仏論
六 発心・修行・無明煩悩
A 発心/B 修行/C 修行が自心である/D 無明・煩悩
七 むすび
八 人生篇
A 三界は客舎のごとし/B 宗祖の御述懐/C 人生は相身互い/D 仏法王法不二―真俗二諦不二―
*
Ⅲ 本覚より帰命へ
一 如来様を求めて
二 なりきる
三 本来さながら
四 力がものに
五 行為する
六 本覚より帰命へ

民俗学・宗教学・芸能史・演劇史という学問的枠組みを超えて、神楽の継承に携わる全ての人に向けて、神楽とは何だったのかを問う。
第一章は神楽研究の始まりになった備後の荒神神楽を取り上げて、伝承を維持してきたものとは何かを問い直す。
第二章は神楽の神がかりに焦点を当てて、担い手である巫者の変遷を論じ、社会の変動と関連付けて検討する。
第三章は石見の大元神楽を取り上げ、備後の荒神神楽と比較して伝承の維持・継承の状況を検討する。
第四章は強固な伝承を維持してきた南信濃の霜月神楽の意味と機能を探る。
第五章は神楽の近代を主題とし、東北の修験系神楽である大乗神楽を検討して近代の在り方を再考する。
第六章は中国との比較の観点を入れ込み、「目連の能」を手掛かりに死者供養の神楽の考察を行う。
第七章は神楽を研究の主題とすることとは何かを問い、学術研究に至る過程や、芸能の舞台化という近代の実践に着目する。
第八章は神楽に関する研究方法が不安定なことに鑑み、今後の神楽研究の課題を提示した。
目次
まえがき
第一章 伝承を持続させるものとは何か――比婆荒神神楽の場合
1 伝承とは何か
2 比婆荒神神楽を巡る「名付け」と「名乗り」
3 比婆荒神神楽との出会い
4 大神楽の構成
5 前神楽
6 本神楽
7 神がかり
8 灰神楽
9 大神楽の変遷
10 祖霊加入の儀式としての荒神神楽
11 荒神と土公神の複合的性格
12 「古海の一夜」から浄土神楽へ
13 荒神神楽を支える人々
14 文化財への道
15 博物館展示
16 竹森の大神楽
17 映像の暴力
18 神楽を持続させるものとは何だったのか
19 伝承母体の変容
20 将来に向けての課題
第二章 神楽の中の巫者
1 巫女とは何か
2 精霊統御者
3 修験道の影響
4 神楽と女性
5 神楽の歴史的変遷
6 荒神
7 法者
8 死霊の鎮め
9 能舞の変遷と神殿
10 荒平の出現
11 土公祭文
12 周縁の衰退
13 巫者の行方
第三章 大元神楽の変容
1 大元神楽とは
2 大元神楽との出会い
3 大元神と大元神楽
4 大元神楽の変容
5 明治以後の変動
6 大元神楽の構成
7 五龍王
8 神歌
9 神がかり
10 式年の特色と神がかりを巡る言説
11 大元神楽の特徴
12 伝承の変化と持続
13 再興とイベント化
14 伝承の持続と再検討
第四章 湯立神楽の意味と機能――遠山霜月祭の考察
1 湯立神楽
2 天龍川中流域の祭祀
3 遠山霜月祭の特徴
4 冬の到来を告げる季節祭
5 起源伝承
6 供物と湯立
7 山と竈と土公神
8 五大尊法と不動明王
9 九字護身法
10 立願と湯立
11 死霊の鎮めと湯立
12 湯立とは何か
第五章 神楽の近代――大乗神楽の事例から
1 神楽の近代という問題設定
2 山伏神楽
3 大乗神楽の発見
4 江釣子の「大乗會」
5 「大乗會」以前――岩崎の伍大院
6 「大乗會」の出現―南笹間の萬法院
7 幕末期の修験の動向
8 「大乗會」から大乗神楽へ――煤孫の貴徳院
9 神仏分離と「大乗會」
10 法印の意味の変化
11 巡行と権現舞と火防祭
12 文化財から文化遺産へ
13 行政の関与と「大乗會」の復元
14 「大乗會」の意味の変化
15 コスモロジーの行方
第六章 目連の系譜――死者供養の神楽
1 目連とは
2 目連と盂蘭盆会
3 備後の「目連ノ能」
4 「目連ノ能」と浄土神楽
5 「目連ノ能」の特徴
6 「目連ノ能」の時代的背景
7 「語り物」としての目連
8 盆踊りの目連
9 目連救母の読み替え
10 「目連ノ能」と祭文の比較
11 東アジアの中の目連戯
第七章「民俗藝術」の発見――小寺融吉の学問とその意義
1 民俗芸能研究の始まり
2 小寺融吉の位置付け
3 小寺家の人々
4 小寺融吉と舞踊
5 小寺融吉の著作活動
6 小寺融吉の研究の特徴
7 小寺融吉の転機
8 文化財行政の展開
9 日本青年館と小寺融吉
10 「郷土」と「民謡」
11 民俗藝術から民俗芸能へ
12 澁澤敬三の貢献
13 「民間学」としての舞踊研究の誕生
14 「民俗藝能の会」の成立
第八章 神楽研究の再構築へ向けて
1 神楽研究への視座
2 神楽の発生と御神楽
3 鎮魂の近代
4 鎮魂と神楽
5 近代における神楽の創出
6 中世神楽という視座の再検討
7 中世神楽論の問題点
8 浄土神楽をめぐって
9 『神楽源流考』への疑義
10 再び中世神楽へ
11 死者供養の神楽
12 神楽研究の可能性
参考文献
図版クレジット
あとがき
索引
判型・ページ数 4-6・514ページ
鈴木 正崇
1949年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。慶應義塾大学名誉教授。前日本山岳修験学会会長。 主な著書に、『中国南部少数民族誌』(三和書房、1985年)、『山と神と人』(淡交社、1991年)、『スリランカの宗教と社会』(春秋社、1996年)、『神と仏の民俗』(吉川弘文館、2001年)、『女人禁制』(吉川弘文館、2002年)、『祭祀と空間のコスモロジー』(春秋社、2004年)、『ミャオ族の歴史と文化の動態』(風響社、2012年)、『山岳信仰』(中央公論新社、2015年)、『東アジアの民族と文化の変貌』(風響社、2017年)、『熊野と神楽』(平凡社、2018年)、『女人禁制の人類学』(法藏館、2021年)、『日本の山の精神史』(青土社、2024年)、『山岳信仰と修験道』(春秋社、2025年)。受賞歴として、1997年に義塾賞、2014年に第11回木村重信民族藝術学会賞、2016年に第18回秩父宮記念山岳賞(日本山岳会)を受賞。 受賞歴として、1997年に義塾賞、2014年に第11回木村重信民族藝術学会賞を受賞。2016年,「日本の山岳信仰と修験道に関する宗教学的研究」の業績で第18回秩父宮記念山岳賞(日本山岳会)を受賞。

代表的な大乗経典の一つである『維摩経』は、在家の仏教信者である維摩詰を主人公とし、大乗仏教の根本思想である「空」や、「迷いと悟り」「善と悪」といった相反する二つの概念が実は一つであるという「不二の法門」を明らかにした経典である。仏典研究の泰斗が分かりやすく解説する『維摩経』の入門書。
第一講 大乗仏典と『維摩経』
1 大乗思想と大乗仏典/2 大乗における経と論/3 『維摩経』の構想/4 アームラパーリーの園林にて(第一章)
第二講 仏陀の徳と仏国土
1 大蔵経の歴史/2 仏陀を讃える(第一章続き)/3 仏陀の根本的な教説/4 一音説法/5 仏国土の清浄
第三講 機智縦横の維摩
1 維摩の人となり(第二章)/2 十大弟子との問答(第三章)
第四講 衆生病むが故にわれ病む
1 菩薩たちとの対論(第三章続き)/2 文殊との対談(第四章)
第五講 相即相入の世界
1 不可思議解脱の法門(第五章)/2 相即相入の世界/3 知恵と慈悲──二つの方向(第六章)/4 生の根本を問う
第六講 仏陀の道を行く
1 仏道を行ずるとは(第七章)/2 如来の家に生れる/3 維摩の一黙、雷の如し(第八章)/4 香りの説法、言葉の説法(第九章)/5 結尾の諸章
あとがき
解説 桂 紹隆
判型・ページ数 文庫・312ページ
長尾 雅人
1907年仙台市に生まれる。京都帝国大学文学部哲学科卒業。1959年日本学士院賞受賞。1980年日本学士院会員として選出される。京都大学名誉教授。著書に『蒙古学問寺』『西蔵仏教研究』『梵文中辺分別論釈』『中観と唯識』『蒙古ラマ廟記』『仏教の源流 インド』。訳書に『維摩経』『摂大乗論 和訳と注解』(上下二巻)などがある。2005年3月逝去。
一切衆生とは、仏性とは何か。はたして全ての人にほとけになれる本性が具わっているのか。仏教を本当に知るための最重要論考。
改版に当って
はじめに
Ⅰ
如来蔵と仏性
仏性の話
一切衆生悉有仏性
如来と如来蔵
Ⅱ
如来の出現
宝性論入門
Ⅲ
如来蔵思想と密教
Ⅳ
道元の仏性論
Ⅴ
悉有仏性・内なるホトケを求めて
釈尊の原像
生死はほとけの御いのち――道元に学ぶ生死観――
本証妙修ということ
初出一覧
文庫版解説 仏教思想における言説様相の差異について 下田正弘
