ROOM40
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実験音楽家Aki Ondaが、アメリカ前衛映画の巨匠Ken Jacobsの代表的映像作品「Nervous Magic Lantern」のために制作したサウンドトラックが〈Room40〉よりアナログ化。Onda自身が長年にわたり自身のライフワークである『Cassette Memories』プロジェクトなどのために世界各地で録音・収集してきた音源を即興的にレイヤーし、構築。テープの歪みやノイズ、日常音の断片がレイヤー状に積み重なり、抽象映像と響き合う独特の感覚のずれを作り出している。長尺曲「Brooklyn Bridge」では、ゆっくりと音のレイヤーが積み重なり、聴くほどに深く入り込み、まるで音の中を漂うような体験へと誘う。日常音と抽象音響が交錯する、サウンドアートとしての完成度が非常に高い作品。
前衛音楽集団Musica Elettronica Viva(MEV)の中心人物として知られ、50年以上にわたり電子音響と環境音の境界に身を置き続けてきたAlvin Curranによる、1970年代に録音された未発表テープ素材をもとに、現在の視点で再構築した新作にしてアーカイブ作品『ARCHEOLOGY // ARCHEOLOGIA』。収録されているのは、VCS3やSergeモジュラーによるアナログ電子音、環境音の断片、テープの揺らぎといった70年代当時の素材を、Curran自身が現在の耳で再編集した2曲。「Le Serra」では、アナログ特有の不安定な揺れが長い時間の層を描き、電子音の粒子がゆっくりと浮かび上がる。「Othello By Night」では、環境音のコラージュとドローンが交差し、遠景と近景が入れ替わるような空間が広がる。Curranの作品に通底する、音を配置するセンスの鋭さは健在で、音数は決して多くないが、ひとつひとつの音が長く尾を引き、空白の時間が音の意味を変えていく。1970年代の未発表素材を未来へ向けて再構築した重要な一枚。

1975年に制作され、長らく入手困難だったAnnea Lockwoodの代表作『World Rhythms』が、〈Room40〉によって再構築・再発。5台のリール・トゥ・リールデッキと巨大なゴングを用い、自然界の音を多層的に重ねたマルチチャンネル・フィールド録音の最初期作品で、火山の轟き、波のうねり、カエルの合唱、沸騰音、鳥の声、遠くの機械音など、環境音を素材ではなく世界の脈動そのものとして扱い、音がゆっくりと重なり、ほどけ、また現れる壮大な音響風景を構築する。自然音がオーケストラのように響き、時間の流れそのものを聴くような環境音楽・サウンドアートの金字塔。オリジナル37分版に加え、6つのパートに再構成された新バージョンを収録。36ページのブックレットには制作背景や資料が豊富に掲載され、アーカイブとしても決定版と言える内容。
ミュジーク・コンクレートの歴史を60年以上にわたり更新し続けてきた作曲家Beatriz Ferreyra。GRMでピエール・シェフェールと共に活動した60年代から、アナログ・テープと電子処理を自在に横断する独自の音響世界を築いてきた彼女の重要作『A Distracted God』。本作に収録されているのは、異なる時期に制作された3つの電子音響作品。冒頭の「Souffle d'un Petit Dieu Distrait」は、声や物音の断片がテープ操作によって変質し、折り重なるように展開する代表的な一作。続く「Tierra Quebrada」は 2020年制作のチェロと電子音響のための作品で、チェロの深い共鳴がデジタル処理によって揺らぎ、アコースティックと電子的な質感がせめぎ合う。終曲Sourires d’Automneでは、微細なノイズや呼吸のような揺らぎが空間を満たし、音が自律的に動き続けるような立体的な音像が広がる。日常音、声、楽器が電子音響の深淵へと融解していく、非常に完成度の高い作品。
オクラホマを拠点にアンビエント、フォークロア的電子音楽を探求してきたBrad E. Roseによる、落ち葉を踏む音という最小の物音から始まった、環境と人間の関係性をめぐる音響作品『The Sound Leaves』。アルバムの前半は、来場者が落ち葉の上を歩くと、その音がマイクで拾われ、リアルタイムで処理され、木立の中に設置されたスピーカーから響き返されるというインスタレーションの録音をもとに構成。乾いた葉が擦れる微細なノイズ、足音のリズム、風の気配。それらが電子処理によって柔らかく広がり、音は大きく変化しないようでいて、細かな揺らぎが積み重なり、時間の流れそのものが音として感じられるよう。後半の「In Collapse」は、同じ素材を1年後に再処理したもので、音像はより暗く、深く沈み込む。遠くで鳴る低周波の揺れ、葉の擦過音が影のように漂い、環境の変化が音の質感に刻まれていく。音を通して環境の変化を聴くという体験を形にした、サウンドアート的作品。
アメリカ実験音楽の重鎮Carl Stoneと、100台以上のオモチャ楽器を操る日本の音響作家ASUNAによる初のコラボレーション作『Imu Plastos』。2024年、ASUNAの地元・金沢での国際実験音楽フェスティバルでの共演をきっかけに生まれた作品で、ライブで展開された循環型サンプリングの手法をさらに発展させた内容となっている。ASUNAが鳴らすオモチャ楽器や小型シンセ、サンプラーの音をStoneがリアルタイムで取り込み加工し、さらにその加工音をASUNAが再びサンプラーに取り込んで送り返す、という、音が往復しながら変質していく独特のプロセス。オモチャ楽器の素朴な響きが電子処理によって奇妙な質感へと変換され、まるで異国の祭りの断片が電子音の霧の中で漂うような、文化的なレイヤーが折り重なる音像。ランダム性と構築性が同時に存在し、音が自律的に動き続けるようなテクスチャーがアルバム全体を貫く、実験精神に満ちた一枚。
ベネズエラ出身でニューヨークを拠点に活動し、ノイズ、電子音響シーンで長年存在感を放ってきたCarlos Giffoniによる、Greg Kelley、Mabe Fratti、Zola Jesus、Ben Chasny、Lea Bertucci、Iggor Cavaleraら豪華アーティストをコラボレーターに迎えた最新作『Pendulum』。Giffoniはこれまでノイズ寄りの作風で知られてきたが、本作では 柔らかな音色や女性ボーカルを積極的に導入し、アコースティック楽器のの響きも活かしながらより開かれた音響表現へと踏み出している。オープニングの「Pendulum」では、Greg Kelleyの管楽器が豊かな倍音を描き、電子音の揺らぎと重なり合う。「Dermis」ではMabe Frattiのチェロが深い陰影を与え、「Beam」ではZola Jesusの声に幽玄な光が差し込む。「Dos」ではLea Bertucciのサックス、クラリネットの響きが点描のように配置される。それぞれのゲストの個性がGiffoni の電子処理と自然に溶け合い、ノイズ、アンビエント、ポストクラシカルにまたがる多層的な音像をつくり上げている。


2009年にCDrでひっそりと発表され、長らく入手困難となっていたCelerの初期代表作『Poulaine』が、〈Room40〉によってついに再発。14世紀写本展のために制作されたという特異な背景を持ち、13点の写本に対応する13のアンビエント小品で構成されるコンセプチュアルな作品。制作は2007〜2009年、Will LongとDanielle Baquetがバックパックに機材を詰め込み、移動しながら録音したフィールド録音、チェロ、ヴァイオリン、ピアノ、テープループ、油絵へのコンタクトマイク録音など、多彩な素材が重ねられている。左右チャンネルの反転やリバース処理など、Celerらしいアナログ的な揺らぎの操作が施され、柔らかなドローンが生まれている。音はどれも淡く、儚く、繊細。Celer特有の夢と現実のあいだにある音響詩。
結成15周年を迎えたシカゴの音響デュオClearedによる、電子音、フィールドレコーディング、アコースティック断片を長尺の音響風景として編み上げた最新作『Lustres』が〈Room40〉から登場。Clearedの制作は、個別に録音した素材を互いに送り合い、加工し、再び組み直すという独特のプロセスが核となる。本作でも、古いデジタル録音機の荒れた質感と、最新スタジオのクリアな音像が同じ平面に並置されることで、時間の層が折り重なるような音の深みが生まれている。フィールドレコーディングの微細な粒子、低周波の揺らぎ、ギターやパーカッションの残響が、判別できないほど加工されながらひとつの地形のように連なっていく。彼らが長年探求してきた素材の再構築をさらに推し進め、暗い輝きを放つ音響世界を描き出した逸品。

John Zornや巻上公一などとの共作でもおなじみ米実験音楽界の大ベテランDavid Shea。実に14歳の頃から「洞窟」と音や儀式、仏教の教えの関連性へと魅了されてきた彼が、般若心経のテクスト、アンビエント、現代音楽、フィールド録音を緻密に組み合わせた、深い内省へと沈み込む音響作品『Meditations』。古いレコードの断片、声の影、電子音の揺らぎ。それらが丁寧に重ねられ、抽象的な物語性と儀式的な空気を生み出している。静寂とざわめきがゆっくりと入れ替わる構造は、まるで呼吸のように自然で、聴くほどに精神の奥へと導かれていく。瞑想的でありながら、どこか緊張感を帯びた音の流れは、Sheaの音で映画を作るような独自の手法が最も美しく表れた瞬間。外界の喧騒から離れ、内なる深層へと静かに沈んでいくための音楽。
オーストラリアのマルチ奏者Aviva Endeanとニック・アシュウッドによるデュオ、Driftwoodによる、アンビエント/ドローンを軸に、風景の広がりや地形の変化を思わせる音響を丁寧に描き出した一枚『Maps』がオーストラリアの実験音響レーベル〈Room40〉より登場。微分音に調律された2台のリードオルガンを中心に、クラリネットやモジュラーシンセが交錯。微細な揺らぎを持つ持続音、淡い倍音、ゆっくりと重なるレイヤーが中心となり、静けさの中にわずかな動きを感じさせる。特に14分を超える最終曲「You Are Here」は、音が少しずつ変化しながら広がっていく没入型の構成で、聴くほどに深く意識が沈んでいくような瞑想的な時間を生み出す。全編を通して、自然の風景や地図の線がゆっくりと浮かび上がるような感覚があり、レーベルらしい空間性と質感へのこだわりが光るアンビエント作品。
40年以上にわたり、自作楽器Long String Instrumentの探求を続けてきた作曲家/パフォーマーEllen Fullmanの最新作『Elemental View』。本作は100本以上の長大な弦を空間に張り巡らせ、その空間全体を楽器として扱うインスタレーション作品を録音したもの。さらに、ギターやサントゥール、パーカッションを演奏するThe Living Earth Showが参加し、Fullman作品としては珍しいアンサンブル構造が導入されている。Long String Instrumentは、約24mを超える弦を指先で擦りながら歩くことで演奏される。弦の長さの違いによって生まれる倍音は、空間の中で複雑に干渉し合い、音が光の帯のように揺れ続ける独自の音響を生み出す。音がどのように生まれ、どのように空間を移動し、どのように変化していくのか、そのプロセスがそのまま音楽になるというLong String Instrumentの核心を、アンサンブルとの対話によってさらに拡張した意欲作。

版元完売。破格の内容です。Godflesh率いる英国・バーミンガムのアンダーグラウンドの覇者ことJustin K Broadrickによる尖鋭的プロジェクト”FINAL”による最新アルバム『What We Don't See』がLawrence English主宰の〈Room40〉からCDリリース。目に見えない世界と、それに対する自身の必要性をテーマに作り上げられた作品。視覚の外側に広がる荒涼として深遠なサウンドスケープを捉えた、喚起的で美しいノイズ/ドローン絵巻!

これは完敗。流石の内容。邪念も雑念も全てを洗い流します。ケベック拠点のサウンド/インスタレーション・アーティストであり、〈Editions Mego〉や〈Line〉、〈Schwebung〉など各地の先鋭レーベルから傑出した作品を送り出しているFrance Jobinによる最新アルバムがCDリリース。版元はLawrence English主宰の〈Room40〉で、同レーベルからは3年ぶりの作品。一切の無駄を削ぎ落とした、神聖にして不可侵な音の清流を浴びせる、ミニマル・ドローン/サウンド・アートとして一つの完成系と言える全3編を収録。
オーストラリアの現代音楽シーンを牽引してきたピアニスト、作曲家Gabriella Smartによる最新作『Parasymbiosis』が〈Room40〉から登場。25年以上にわたり即興、作曲、キュレーションを横断して活動してきた彼女が、本作ではエレクトロ・アコースティック作品を深く探究している。中心となる楽器は、ガラス棒とアルミの共鳴構造を持つマイクロトーナルな特殊楽器Electric Cristal。ガラスが震えるような倍音、金属的なきらめき、微細な揺らぎが重なり、音が光の粒子のように空間を漂う。電子処理によってその響きはさらに拡張され、アコースティックとエレクトロニクスの境界が曖昧になっていく。深い低音のうねりと繊細な高域のきらめきが同時に存在し、宇宙的な広がりと地表の微細な振動が共存するかのような音像が自律的に呼吸するように変化していく、深度のあるエレクトロ・アコースティック作品。
フィンランド生まれ、オーストラリア育ちの作曲家、ダブルベーシストHelen Svobodaによる最新作『Headwater』が〈Room40〉から登場。16の短い断片から構成される本作は、フィンランドの歌い手Selma Savolainen、シドニーのベーシストJacques Emery、そして電子音楽家Tilman Robinsonを迎え、2本のダブルベース、2つの声、そしてエレクトロニクスを軸に、記憶や自己の輪郭が揺らぎながら形を変えていくような独自の音世界を描き出す。Svobodaの低音は、ただ支えるだけでなく語るように動き、擦過音やハーモニクスが繊細な表情を生む。そこにSelma Savolainenの透明感ある声が重なり、北欧的な響きと現代音楽的な緊張感が同時に立ち上がる。曲はどれも短く、場面が次々と切り替わるが、断片が連鎖することでひとつの大きな流れが生まれ、夢の中で記憶が浮かんでは消えるような感覚を呼び起こす。ジャズ、現代音楽、サウンドアートの要素が自然に交差し、音が空間の中でゆっくりと形を変え、聴き手の意識の奥に静かに染み込んでいくような感触のある一枚。

イングランド生まれのオーストラリア人弦楽奏者であり、70年代から音楽活動を展開。自身の〈Fringe Benefit Records〉やノイズ/アヴァン系名門〈RRRecords〉〈ReR Megacorp〉などから作品を発表しているJon Roseの最新アルバムが豪州の〈Room 40〉より到着。オーストラリア中部で経験する風の強弱の変化に対応することに重点を置いて制作された2つの自作楽器、Monolith 2021とTube 2022に捧げられたコンセプチュアルかつディープリスニングなドローン/アンビエント作品。Lawrence Englishによるマスタリング仕様。

灰野敬二やジム・オルークとも共演する孤高のアメリカン・エクスペリメンタル・ミュージシャン、Loren Connors、そして、BastroやRed Krayola、Gastr del Solなどへの参加も知られる名作家David Grubbsによるコラボレーション作品『Evening Air』がLawrence English主宰の〈Room40〉からアナログ・リリース。最初のデュオ・アルバム『Arborvitae (Häpna)』以来、20年ぶりとなる共作は、エレキ・ギター (コナーズ)とピアノ (グラブス)による、魅惑的でゆったりとしたコラボワークが際立つ、静謐で素晴らしい内容の作品に仕上がっています!ジャケットにはLoren Connors自身によるペイントを起用。
Merzbowこと秋田昌美が1996年に録音した、彼の広大なディスコグラフィの中でもあまり知られていない一作『The Prosperity Of Vice, The Misfortune Of Virtue』。マルキ・ド・サドの小説に着想を得た演劇『悪徳の栄え/美徳の不幸』のためのサウンドトラックとして制作され、彼が映画や舞台の音楽に取り組んでいた1990年代の一端を示す作品でもある。ノイズの壁のような音から、空間的でリズミカルな構成まで、彼の音響世界を粒子レベルで解体し、普段は全体に飲み込まれてしまうような細部の表現に焦点を当てたような内容で、もともとは限定流通で出されたレア音源が、リマスター&未発表トラック1曲を追加してこの度めでたくリイシュー!彼のもう一つの顔が垣間見える貴重な記録。

徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbow。そのライブ・ドキュメント三部作の第三作として登場した『TripleAkuma』は、東京で行われた凄烈なパフォーマンスをそのまま封じ込めた一枚。スタジオ作品とは異なる身体で浴びるノイズの体験を深く理解するかのように、極端な低域と高域を自在に操り、耳だけでなく身体そのものを震わせるような音響空間を作り出す。唯一無二で挑発的な音響宇宙。

野心的なデビュー作『A Ghost And His Paintings』では、親密なインディ・フォークから本格的なポスト・ロックまで、様々な要素を取り入れた孤高の作品を作り上げていた香港のミュージシャン/作曲家、Olivier Congによる最新アルバムが〈Room 40〉から登場。催眠的なサウンドから美しいサウンド、壮大なサウンドまで、同じトラックの中で滑らかに変化するサウンドを用いた孤高の作品を作り上げる注目作家。ピアノ、アンビエント・エレクトロニクス、尺八、古筝、スポークンワードで構成された本作は、内省的で深い思索に満ちたアンビエント/ドローン作品に仕上がっています。

どこまでも深く潜れて浸れる漆黒の音絵巻で、個人的にも激激レコメンドな作品です!Koenraad EckerやMiki Yui、Asmus Tietchens、Steve Rodenなど数多の逸材を送り出してきた音響系の一大名門として知られる〈LINE〉を主宰する人物であり、自身もミニマリスト・サウンド・アートの領域で傑出した作品を生み出してきたLAの鬼才Richard Chartierによる名プロジェクト、Pinkcourtesyphoneによる〈Room40〉からの2024年最新アルバム。初期M.B.のインダストリアル/ノイズ・ドローンやDeathprodなどに惹かれる人は間違い無しの激渋なダーク・アンビエント大傑作!ヘッドフォンで爆音で浴びましょう。
