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ラバ・ソセー - ラ・ベル・エポック VOL.1 (2CD)
ラバ・ソセー - ラ・ベル・エポック VOL.1 (2CD)ライス(Stern's Africa)
¥3,520

アフリカ最高の“ソネーロ”が甦る!
セネガルとキューバを結んだ伝説的歌手の決定版アンソロジー!


 西アフリカ音楽史において、キューバ音楽との深い結びつきを象徴する歌手として語り継がれているのがラバ・ソセー(Laba Sosseh)です。1942年にガンビアで生まれた彼は、セネガルとガンビアの両方にルーツを持つ“セネガンビア人”として育ち、英語圏とフランス語圏という二つの文化を自然に身につけました。後に彼は、その豊かな音楽的背景を武器に、西アフリカとラテン音楽の架け橋となる存在へと成長していきます。
 彼を見出したのは、“セネガル音楽の父”とも呼ばれるイブラ・カッセ(Ibra Kasse)でした。1960年代初頭、ダカールの名門ナイトクラブ〈マイアミ〉で歌っていたラバの才能に着目したイブラは、彼をスター・バンド・ド・ダカールへ迎え入れます。当時のスター・バンドは、後のセネガル音楽界を担う数多くの名手たちが集まる一大拠点であり、ラバはそこで頭角を現しました。その歌声は早くから高く評価され、「卓越した才能を持つ歌手が現れた」と評されたと伝えられています。
 その後、ナイジェリア出身のサックス奏者デクスター・ジョンソン(Dexter Johnson)が率いるスーパースター・ド・ダカールに参加し、さらに大きな人気を獲得。情熱的で伸びやかな歌声と圧倒的な表現力によって、“アフリカ最高のソネーロ(ソン歌手)”と称される存在となりました。彼の代表曲「Seyni」や「Aminata」は、西アフリカ各地で広く親しまれ、後にタブー・レイ・ロシュローやベンベヤ・ジャズをはじめとする数多くの音楽家によって取り上げられるなど、世代や国境を越えて歌い継がれていきました。
 その人気は国境を越え、マリではレイル・バンドで活動し、後にはコートジヴォワールへ渡ってSuper International Bandを結成。当時アフリカ音楽の中心地となっていたアビジャンで数多くの録音を残しました。さらにキューバ系音楽家との交流も深く、ロベルト・トーレス(Roberto Torres)やオルケスタ・ブロードウェイとの録音、キューバの名歌手モンギート(Monguito)との共演、さらにはオルケスタ・アラゴーン(Orquesta Aragn)との録音も実現。アフロ・キューバン音楽を体現するアフリカ人歌手として国際的な名声を確立しました。
 本作『ラ・ベル・エポック VOL.1』は、そんなラバ・ソセーの全盛期を振り返る2枚組アンソロジーです。代表曲「Seyni」や「Aminata」をはじめ、「Guantanamera」「El Manisero」などキューバ音楽の名曲も収録。彼のレパートリの幅広さと卓越した表現力を改めて堪能することができます。
 セネガルでンバラが誕生する以前、西アフリカがソンやルンバ、グァヒーラ、サルサに熱狂していた時代。その中心で歌い続けたラバ・ソセーの歌声は、今なお色褪せることなく輝きを放っています。アフリカ音楽とラテン音楽が幸福な形で結びついていた黄金時代の空気を伝える、まさに決定版と言うべき名編集盤です。
 アフロ・ラテン・ファンはもちろん、セネガル音楽の歴史を知りたい方にも強くお勧めしたい作品です。

●日本語による説明をつけた帯を商品に添付して発送いたします。日本語解説は同封しておりません。予めご了承ください

トラックリスト
CD1
1. Unite Africaine
2. Guantanamera
3. Seyni
4. Guateque De Juan
5. Ma Bedou
6. Aminata
7. Fechelen Khaleyi
8. Comolloran
9. Condoleance Au Psdt Houphouet
10. El Manisero
11. Abidjan Me Voy
12. Sindjeli
13. Yo Tango Una Mujer
14. Conel Masayo

CD 2
1. El Guaguanco
2. Ay Que No
3. La Portuguita
4. El Manicero
5. El Divorcio
6. Preparen Candela
7. No Quiero El Son
8. Leyli
9. Sitiera
10. Yamanekh
11. Marie Gomis
12. Boni Boni

シカモー・ジャズ - チェラ・チェラ VOL.1 (CD)
シカモー・ジャズ - チェラ・チェラ VOL.1 (CD)ライス(Stern's Africa)
¥3,300
東アフリカ音楽の黄金時代が甦る!
名門バンドのスターたちが集結した、タンザニア音楽界のスーパー・グループ!

 1960年代から70年代にかけて、東アフリカ最大級の音楽都市として発展したタンザニアのダル・エス・サラーム。1961年の独立後、この国では数多くのダンス・バンドが誕生し、人々の希望に満ちた時代を彩る音楽を生み出しました。ウェスタン・ジャズ、キコ・キッズ、ダル・ジャズ、ヌタ・ジャズ、ビマ、サファリ・トリッパーズ、レス・ワニカなどのグループは、タンザニアのみならず東アフリカ全域で絶大な人気を獲得。その黄金時代は今なお多くの人々の記憶に刻まれています。
 そんな往年の名手たちが再び集結し、1993年に結成したスーパー・グループがシカモー・ジャズ(Shikamoo Jazz)です。メンバーは、タンザニア黄金時代を支えた名門ダンス・バンドの出身者たち。さらに1940年代から活動するケニア音楽界の大御所ファンディ・コンデ(Fundi Konde)も加わり、東アフリカ音楽史そのものとも言える顔ぶれが揃いました。グループ名の「シカモー」はスワヒリ語で年長者への敬意を表す挨拶の言葉。その名の通り、先人たちが築き上げた音楽文化への敬意を込めたプロジェクトとしてスタートしました。
 結成当時、メンバー11人のキャリアを合計すると300年以上。まさに東アフリカ音楽史の証人とも言える存在で、結成後まもなくタンザニア屈指の人気ソサエティ・バンドとして知られるようになります。1994年には第1回ザンジバル芸術音楽祭に出演し、タンザニア中部の都市モロゴロのルナ・ホテルでの長期公演や国内ツアーも成功。さらに1995年にはケニア公演も実現し、1977年の国境閉鎖以降、長らくタンザニアの人気バンドを目にする機会が少なかったケニアの聴衆からも熱狂的な歓迎を受けました。
 本作『チェラ・チェラ VOL.1』は、そんな彼らが1995年に英RetroAfricから発表した代表作です。RetroAfricはアフリカ各地の歴史的音源の発掘で知られるレーベルですが、本作では趣向を変え、1960~70年代のタンザニア音楽黄金期を支えた名手たちによる新録音作品を制作。当時広く親しまれていた名曲群を、ベテランたち自身の手によって現代に甦らせました。
 アルバムで聴けるのは、東アフリカらしい軽快なギター・アンサンブル、躍動感あふれるリズム、温かみのあるコーラス、そしてサックスやトランペットを交えた豊かなバンド・サウンドです。タイトルにもなった「チェラ・チェラ」は、ゆったりとしたリズムから始まり、徐々に熱気を高めながらクライマックスへ向かう独特のダンス・スタイルのこと。さらにザンジバル出身メンバーによるターラブ音楽の香りもほのかに加わっています。ターラブはアラブ音楽やスワヒリ文化を背景に発展したザンジバル独自の歌謡音楽で、その洗練された感覚が本作のサウンドにもさりげなく彩りを添えています。
 独立後の希望に満ちた時代の記憶と、名手たちの円熟した演奏が見事に結びついた本作。タンザニア音楽の魅力を知るための格好の入門盤であると同時に、東アフリカ・ポピュラー音楽史の豊かさを体感できる貴重な記録でもあります。アフリカ音楽ファンはもちろん、ルンバ・コンゴレーズやスワヒリ音楽の愛好家にも強くお勧めしたい名作です。

トラックリスト
1. Bahati
2. Eva
3. Nakuomba Radhi
4. Ndule
5. Sumu Ya Ugonjwa Ni Dawa
6. Ilole Harwandi
7. Umeniasi Mpenzi
8. Donda La Mapenzi
V.A. - アフロ・ラテン・ヴィア・コトヌー (2CD)
V.A. - アフロ・ラテン・ヴィア・コトヌー (2CD)SYLLART
¥3,065

西アフリカのベニン共和国、その最大都市コトヌーにおいて1960〜70年代に花開いたア
フロ・ラテン音楽を集成した2枚組コンピレーション。アフリカ音楽復刻で知られるフラ
ンスのSYLLARTが2011年に制作した作品で、オルケストル・ポリ=リトゥモ・ド・コトヌー
をはじめ、グノナス・ペドロ、レ・ヴォルカン・デュ・ベナンなど、当時の重要グループ
/音楽家たちの音源を収録しています。当時のベニンではキューバ音楽の人気が非常に高
く、ソン、ルンバ、チャチャチャといったラテン音楽が、西アフリカ独自のリズム感覚や
ファンク、アフロビートと結びつきながら独自の発展を遂げました。本作ではそうした越
境的サウンドの魅力を、躍動感あふれる演奏とともに堪能できます。ベニン音楽黄金期の
熱気を伝える貴重な編集盤です。

V.A. - アフロ・ラテン・ヴィア・コナクリ (2CD)
V.A. - アフロ・ラテン・ヴィア・コナクリ (2CD)SYLLART
¥3,065

西アフリカのギニア共和国、その首都コナクリで1960〜70年代に発展したアフロ・ラテ
ン音楽を集成した2枚組コンピレーション。アフリカ音楽復刻で知られるフランスの
SYLLARTが2011年に制作した作品で、ベンベヤ・ジャズ、ケレティギ&セ・タンブリニ、オ
ルケストル・ドゥ・ラ・パイヨットなど、ギニア音楽黄金期を代表する重要グループの音
源を収録しています。当時のギニアではキューバ音楽の影響が非常に強く、ソン、ルン
バ、チャチャチャなどのラテン音楽が、西アフリカ独自のリズムやアンサンブル感覚と結
びつきながら独自の発展を遂げました。本作では、ホーン・セクションを活かしたダンサ
ブルな演奏や、躍動感あふれるリズムを通して、その熱気と創造力を堪能できます。ギニ
ア音楽史の重要な一時代を伝える貴重な編集盤です。

V.A. - 自由のために歌おう ~歌を通じて読み解く公民権運動の物語 (CD)
V.A. - 自由のために歌おう ~歌を通じて読み解く公民権運動の物語 (CD)ライス(Smithsonian Folkways)
¥3,630

1950年代から1960年代にかけ、アフリカ系アメリカ人たちが法的平等と市民権を求めて繰り広げた〈公民権運動(Civil Rights Movement)〉。マーティ

ン・ルーサー・キング・ジュニア牧師やマルコム・Xといった偉大な指導者たちを先頭に、同運動は全米へと拡大していきました。しかし同期間中、白人優位主

義者、KKK、そして一部白人警官たちの妨害行為は常軌を逸した過激な暴力へと発展。両指導者の暗殺やデモ中の衝突なども含め、死傷者は数百から数千人にの

ぼると伝えられています。このように多くの命が奪われながらも、最終的には人々の声が届けられ、1964年には公共施設利用や雇用における人種隔離と差別を

法律で禁止する公民権法が成立。1965年には投票権法も制定され、アフリカ系アメリカ人の社会・政治参加への道が開かれました。

こうしてアフリカ系アメリカ人たちの歴史を劇的に変えた公民権運動。その背後で絶え間なく流れ続けていたのは、自由を求め立ち上がった〈民衆たちの歌

声〉でした。1955年のモンゴメリー・バス・ボイコット事件を発端に展開された、路線バスへの乗車ボイコット運動、黒人の利用を拒む食堂、売店、劇場、公

共設備などで行われたシット・イン(座り込み)、キング牧師の「I Have a Dream(私には夢がある)」の演説でも有名な1963年のワシントン大行進、全国

で繰り広げられた大規模なデモ行進…こうした険しい道のりを支えてきたのは、名もなき民人々の魂の叫びが集結した〈歌〉にほかなりません。

同期間中に最も多く歌われたのは、ゴスペル・ソング「This Little Light of Mine」(③⑪)、そして賛美歌「We Shal Overcome(勝利を我らに)」

(㉖)。奴隷制度が敷かれていた時代より、アフリカ系アメリカ人たちの間で歌い継がれてきたこれらの賛美歌、スピリチュアル、ゴスペルは、この公民権運動

の中で新たな意味を持つようになっていきました。また、若い世代の参加者が増えていくにつれ、新しいスタイルの音楽も導入されるように。この動きはポピュ

ラー・ミュージック・シーンにも波及し、フォーク、ブルース、R&B、ソウル、ファンク、ジャズ、ロック・シーンにおいても、プロテスト・ソングの名作が続々

と誕生していくこととなりました。

本作は、公民権運動中の1960年代に、アラバマ、ジョージア、ミシシッピ、テネシーで録音された、賛美歌、演説、スピリチュアル、ゴスペル・ソングのフィー

ルド・レコーディング集。当時の様子を伝える生々しい環境音と共に、同運動の重要なキーとなる楽曲、そして熱唱の数々が横溢します。収録は、人種差別撤廃

と運動への資金援助を訴えた音楽グループ:SNCCフリーダム・シンガーズ(1962~66)、テネシー州ナッシュヴィルの学生たちによって結成されたナッシュ

ヴィル・カルテットらの魂を揺すぶる歌唱を中心に、キング牧師、そしてミシシッピ州における〈自由の夏運動〉を牽引した女性市民活動家:ファニー・ルー・

ヘイマー(1917-77)の演説など全26トラック。音楽的な素晴らしさはもとより、アフリカ系アメリカ人音楽文化の歴史を紐解く上でも、大変資料価値の高い

一枚です。

立花ハジメ - dad bb (CD)
立花ハジメ - dad bb (CD)Slogan / TUFF BEATS
¥3,500

立花ハジメ、13年ぶりのニュー・アルバム『dad bb』
2013年のUSBアルバム『MONACO』以来13年、立花ハジメがソロとしては10枚目となるニュー・アルバム『dad bb』をリリースします。CDのジャケットは7インチ・シングルジャケットサイズ/ブックレット付きの特殊仕様となります。
立花は、1981年のB-52'sとプラスチックスとのアメリカ・ツアー中に、リッキー・ウィルソンに変則チューニングの教授を受けました。本作は、そのリッキーから受け継いだギター・サウンドを中心に据えた、今の立花ハジメにしかできない唯一無二の傑作です。
高木完の「Sleeper」、自らの代表曲「Modern Things」の2026年ヴァージョンも収録。豊かすぎるマスタリングはゆらゆら帝国で知られる中村宗一郎(Peace Music)。
ロックンロールにしてノイズ、そして音響系。ルー・リード→トム・ヴァーレイン→リッキー・ウィルソン、そして立花ハジメ。NYのエレキ・ギターの伝統が、いま2026年の東京に蘇ります。

■収録楽曲:
1. dad bb 
2. CCCC 
3. Sleeper 
4.自分のことだけ考えよう 
5. Flow 
6. New Girl 
7. Modern Things
8.その時時代は変わるだろう

Tokiyo Ooto & Orhythmo - 童謡と子供の歌を唄う (CD)Tokiyo Ooto & Orhythmo - 童謡と子供の歌を唄う (CD)
Tokiyo Ooto & Orhythmo - 童謡と子供の歌を唄う (CD)Em Records
¥2,750

古い子供の歌をエレキギターとベースを伴奏に唄って顕われたこの深淵な幻想世界――。聴く者を奥深い森の中に誘い込む、フォークロアとドリームポップとスロウコアを貫くかのようなアレゴリックな童謡集。

And Summer Clubや豊田道倫バンドのメンバーを務めた大阪の音楽家Tokiyo Ootoこと大音斗紀世と、ハードコアを出自とする同じく大阪のアーティスト、Orhythmo(オリズモ)のデュオは、大音がイギリスの古い童謡のカセットテープを聴いて創作心をかきたてられたことにはじまり、その創作を実現させる上でのキーマンとしてオリズモに声をかけ、2023年に結成されました。
ソロではエレキギターのループエフェクトを駆使したベッドルームミュージックをプレイする大音と、無限に沈んでいくようなエレキベースのドローン演奏に秀でたOrhythmoの組み合わせは、最初から高いポテンシャルを持ち、この確信犯的なデュオが「大人のための子守歌」をコンセプトに掲げ、大阪・LMスタジオで一発録りした1stアルバム『If All The World Were Paper』(2024年)を自主リリース。2ndアルバムとなる本作『Play Nursery Rhymes and Children's Songs』は、彼らが手に入れた特殊な世界をより緻密に音響化して発展させ、物語絵本を出版するイメージで取り組まれました。4曲中2曲は、滋賀県の子守唄「ねんねん森の」と都築益世作詞・芥川也寸志作曲の傑作「ぶらんこ」を取り上げた新録で、もう2曲は『If All The World…』の中で突出した内容だった英国の古謡「Hey Diddle Diddle」「There Was an Old Woman~」の改編版を収録しています。『Play…』を通じてTokiyo OotoとOrhythmoは、長い歴史のうちに消失した、本来内包していたに違いない唄の神話性の残骸を、その記号の奥深くに沈潜した中から極めて現代的な手段をもって引きずりだし、それをアレゴリックなものに変換して我々に示します。録音・ミックス・マスタリングはLMスタジオの須田一平、アートワークは阿野義和によるもの。

=作品仕様=

TRACKS:
A1. Hey Diddle Diddle [8:25]
A2. There Was an Old Woman Who Lived in a Shoe [10:24]

AA1. ねんねん森の [10:19]
AA2. ぶらんこ [7:22]

Jean-Claude Eloy - Gaku-No-Michi (4CD)
Jean-Claude Eloy - Gaku-No-Michi (4CD)Hors Territories
¥5,937

絶版、最終入荷です。1977年から78年にNHK電子音楽スタジオで制作された、Jean-Claude Eloyの代表作にして大作『Gaku-No-Michi』。日本滞在中に採取した都市環境音、パチンコ店の機械音、駅のアナウンス、雑踏、儀式の声、政治演説などを膨大に取り込み、それらを電子音と融合させて構築した音による旅路を壮大なスケールで描き出す。1979年に一部のみLP化されたが、本作は未発表素材を大幅に加えた完全版として初めて全容を提示する決定的リリース。音響はミニマルでも環境音楽でもなく、都市の音を精神的な体験へと変換するコンクレート的構築。日常と非日常の音が巨大な波のように連続し、変形し、再配置されることで、東京という都市そのものがひとつの音響ドラマとして立ち上がる。静寂と暴力的な音の対比、儀礼的な響き、都市のノイズが織り成す連続的な音の流れは、聴き手を別の精神的地平へ導く。日本の都市文化と欧州前衛音楽が結びつく歴史的タイトル。

Jean-Claude Eloy - Shânti (2CD)
Jean-Claude Eloy - Shânti (2CD)Hors Territories
¥3,869

1972年から73年にケルンのWDR電子音楽スタジオで制作された、Jean-Claude Eloyによる、精神性、政治性、宇宙観を電子音とコンクレート音で扱ったという代表作『Shânti』。1979年LP版では収録されなかった素材を大幅に追加した完全版で、全141分にわたる長大な音響ドラマ。厚みのある持続音やゆっくりと回転するノイズの渦が、長時間にわたって緩やかに変化し続ける中に、政治スローガン、戦場録音、インタビュー、儀礼的な声といったコンクレート素材が浮かび上がる。静けさの音楽ではなく、精神の内部で起こる葛藤、祈り、記憶、闘争を音で構築する儀礼的電子音響という印象が強い。作品全体が作曲者自身の精神的旅路としての性格を保ちながら、同時に政治性を扱う、欧州前衛電子音楽の文脈にありながら特異な位置を占める歴史的タイトル。

Cold Diamond & Mink - Organ-ized (CD)
Cold Diamond & Mink - Organ-ized (CD)Timmion Records
¥1,946

8月28日発売。フィンランドの名門〈Timmion Records〉を支えるハウスバンドCold Diamond & Minkが、Emilia Siscoのデビュー作『Introducing』の楽曲をオルガン主体のインストゥルメンタル・ソウルとして再構築した企画盤『Organ‑ized』。テンポは全体的にゆったりめで、ギター、ベース、ドラムは控えめに支え、Jimmy SmithやJimmy McGriffの系譜を継ぐオルガン奏者Mr. Sophisticated Fingersのオルガンが主役としてメロディを歌う。歌がないのに、恋愛ソウルの情感がしっかり伝わる語るようなインストになっているのが面白く、Emilia Siscoの原曲が持つ甘さや切なさが、映画のサウンドトラックのような落ち着いた世界観へと変換されている。部屋で静かに流しても、じっくり聴き込んでも楽しめる、ネオ・ヴィンテージ美学をそのまま体現した、温かくメロウなオルガン・ソウル集。

Yara Asmar - everyone I love is sleeping and I love them so so much (CD)Yara Asmar - everyone I love is sleeping and I love them so so much (CD)
Yara Asmar - everyone I love is sleeping and I love them so so much (CD)SOUND SHAPE
¥2,765

ベイルートを拠点に活動し、戦争や社会的緊張の中で「日常の音」を音楽に昇華してきたYara Asmarによるフィールドレコーディングと即興演奏を融合させた幻想的な作品『everyone I love is sleeping and I love them so so much』。アコーディオン、トイピアノ、シンセサイザー、即興的な打楽器に、鳥の声やベイルートの日常の環境音を取り込み、自然と音楽が溶け合った夢のように儚く、親密で内省的な音楽。金属の響きへのこだわりが強く、弓で擦る、爪弾く、こする、打つなど多様な方法で振動を引き出し、柔らかいきらめきと微かなざらつきが同時に立ち上がる。オルゴールやトイピアノの短いフレーズは、古い家の引き出しをそっと開けたような空気を運び、家族の声の断片は、誰かがそこにいた時間を静かに照らす。John Murchison、Gideon Forbesもゲスト参加し、音に厚みを加えている。聴く者を眠りと覚醒の間に誘うような現代的な音像。

Orgone - New You (CD)
Orgone - New You (CD)Colemine Records
¥1,946

ロサンゼルスを拠点に活動する現行ファンク・バンドOrgone。60〜70年代のソウル、ファンクを現代的にアップデートしてきた彼らの中でも、ファンの間でカルト的名作と語れてきた作品『New You』が、〈Colemine Records〉から2LP仕様で再発。重心の低いファンク・グルーヴが全編を貫き、タイトなドラム、太いベース、切れ味のあるホーン、そして曲ごとに異なる表情を見せる女性ヴォーカル陣が加わり、70年代黄金期のソウルを思わせる熱量がしっかり息づいている。アフロビート的なグルーヴィーな曲から、シネマティックなファンク、サイケ寄りのソウルまで、ヴィンテージ感と現代的なキレのバランスが絶妙。LAの多文化的な音楽背景を反映したカラフルで濃密なファンク・アルバムでありながら、家でも自然に聴ける、現行ファンクのクラシック。 

Jean-Claude Eloy - Réminiscences (4CD)
Jean-Claude Eloy - Réminiscences (4CD)Hors Territories
¥5,587

2017〜2019年に制作された、Jean-Claude Eloyによる大規模な電子音響による連作『Réminiscences』は、代表作『Yo-In』の音響世界を再訪しながら、Eloyの過去40年の素材、録音、思想を変容、統合させて新しい音響儀礼を構築した4枚組。船舶サイレン、火山や風雨の自然音、工業ノイズ、鳥の声、金属・木・皮の打楽器など、多様な音が電子音の持続と重なり、自然音と人工音が同じ平面で共存する抽象的な音響空間を形成する。打楽器はリズムではなく、音の粒子や衝撃として扱われ、電子音の波に散りばめられることで、音の変容そのものが作品の中心に据えられている。物語性は排除され、音の現象に集中することで、聴き手の感受性が徐々に研ぎ澄まされていく構造が特徴的。Eloy が長年探求してきた、聴くことの力、音の変容、儀礼的音響が、抽象的かつ深い形で結晶した重要作。自身のスタジオで制作された、創作世界の集大成とも言える一枚。

Jean-Claude Eloy - Anahata (3CD)
Jean-Claude Eloy - Anahata (3CD)Hors Territories
¥5,587

1980年代のEloyが、日本の声明と雅楽、そして電子音響を融合し、「打たれざる音=心の振動」をテーマに構築した大作『Anahata』が世界初の正式出版。天台、真言の僧侶による声明、篳篥、龍笛、笙の雅楽器、Michael Rantaのパーカッション、そしてEloy自身の電子音響がひとつの儀礼空間を形成する、比類なき音響作品。僧侶の声は音の柱として空間に響き、倍音がゆっくりと広がりながら電子音の持続と重なって巨大な音響の呼吸を生む。雅楽器は古代の響きを保ちながらも抽象的な音の色彩として扱われ、電子音の地層に溶け込むことで、伝統と現代が同じ平面で共存する独特の質感が生まれる。宗教音楽でも民族音楽でもない、音そのものが儀礼の役割を担う抽象的な音響儀礼として、Eloyの美学が深く結晶した重要作。

Jean-Claude Eloy Featuring - Yo-In (1980) (4CD)
Jean-Claude Eloy Featuring - Yo-In (1980) (4CD)Hors Territories
¥5,587

日本文化の「余韻」という概念を軸に、Jean-Claude Eloyが1980年に日本で制作した大作『Yo-In』が、ついに世界初の正式出版として4CDで登場。武満徹に招かれた滞在をきっかけに、響き、反響、心理的残響といった余韻の思想を深く掘り下げ、架空の儀礼のための音響劇として構築された作品。電子音の持続と反響がゆっくりと空間を形づくり、Michael Rantaのパーカッションが点描のように配置されることで、音は儀礼的な広がりを帯びていく。リズムや旋律ではなく、音の出来事が重なり、絡み、ほどける巨大な流れが中心にあり、長い時間軸の中で微細な変化が次々と現れる。Eloy自身が語るように、これは催眠的な音ではなく、意識の領域を拡張するための音響構造で、聴き手の感受性が徐々に研ぎ澄まされていく。シュトックハウゼンとの親和性を感じさせる長期的な構築美と、東アジアの響きの思想が交差する、Eloyの代表的な大作。

Eamon Sprod - Foil Void Join Avoid (2CD)
Eamon Sprod - Foil Void Join Avoid (2CD)Aposiopèse
¥3,546

Tarab名義で知られるEamon Sprodによる最新作『Foil Void Join Avoid』。都市の床、壁、天井、通路、家具、空調、紙、金属、埃といった日常の周縁にある物質を録音素材として扱い、環境そのものを音の共作者として提示する2枚組作品。自然の美しさを記録するフィールド録音とは対極にある、反自然主義的な都市音響の探求が貫かれている。ここで響く音は、場所の説明ではなく、場所が自ら発する振動そのもの。壁の反射、床の軋み、プラスチックの歪み、空調の低周波が層を成し、都市の内部構造が抽象的な音の圧力として立ち上がる。物質の触覚が強く、金属の擦過音や紙の微細な揺れが、まるで自律的に動いているように聴こえる。録音者が風景を描写するのではなく、環境が勝手に音を発し、聴き手の周囲に空間を形成していくような構造が特徴的。フィールド録音、ノイズ、サウンドアートの境界を横断しながら、都市の忘れられた場所や物質の存在感を音として浮かび上がらせる、現代都市音響。

Thomas Tilly - Birds Measuring Space (CD)
Thomas Tilly - Birds Measuring Space (CD)Aposiopèse
¥2,958

フランスのサウンドアーティストThomas Tillyが、コロンビア・リオクラロ自然保護区で録音した 洞窟性鳥類グアチャロの巨大コロニーを記録した作品『Birds Measuring Space』。鳥類では極めて珍しい可聴域でのエコーロケーションを持つ種で、その鋭いクリック音や叫び声が洞窟の壁に反射し、空間そのものを測定するような音響現象が立ち上がる。本作は編集や加工を一切施さず、現場で起きている音の構造をそのまま提示する点が特徴。数千羽が渦を巻くように集まる場面では、金属的なノイズが層を成し、自然音の美しさと暴力性が同時に現れる。さらに各トラックの間には、録音の残留ノイズやエコーロケーション信号の断片をネガとして扱った分析パートが挿入され、生物音とデジタル処理の境界が揺らぐ独特の質感を生む。鳥=美しい歌というロマン主義的自然観を批評しながら、自然環境の複雑な物理現象を音として提示する、フィールド録音と音響芸術の交差点に位置する一枚。

Mike Cooper - Stochastic Parrot (CD)
Mike Cooper - Stochastic Parrot (CD)Room40
¥2,487

長年、架空の土地の音楽を探求してきたMike Cooper が、さらに鮮やかな第四世界的エキゾチカを描いた新作『Stochastic Parrot』。ラップスティールの揺ライダ気配、歪むフィールド録音、断片化されたサンプルが重なり、まるで半分夢、半分記憶の風景がそのまま音になったような質感。さらにPierre BastienとMark Cunninghamのブラスが加わることで、儀式めいた気配や遠い街の影が音の中に立ち上がり、Cooperの架空の地理がより立体的に広がっていく。手打楽器、ドラムマシン、環境音が互いに衝突し、複数の夢が同時に進行するような多層のリズムが生まれるのも特徴的。ゆらめく熱気、夜の儀式の前触れのような不穏さ、ジャズ・フュージョンの亡霊がふっと現れる瞬間など、Cooperの音響世界がカレイドスコープ的に展開する不思議と心地いい一枚。

Push For Night - That Porous Line (CD)
Push For Night - That Porous Line (CD)Room40
¥2,487

Push For Nightによる、前作の重い暗さから一歩だけ外へ踏み出し、わずかな光を取り込んだ新作『That Porous Line』。その変化を決定づけたのが、長年の音の盟友David Daniellの参加。彼がもたらした有機的な美しさが、PFNの音をよりメロディックで自発的な方向へと再配置している。ギター、ベース、鍵盤、パーカッションを指で触れるリアルタイム演奏へ回帰したことで、加工の重さが少し軽くなり、音の中に柔らかい揺れや不完全な瞬間がそのまま息づく。とはいえ、PFNの核であるコラージュ的でちらつくエレクトロ・アコースティックの質感は健在で、薄暗い空間の中で幽霊のような音が動き、影が形を変えながら漂う独特の世界観が続いている。有機的な美しさとリアルタイム演奏の揺れを取り込みながら、独特の暗がりとコラージュ的質感を新たな角度で響かせた作品。

J.WLSN & Liam Keenan - Country/The Country (CD)
J.WLSN & Liam Keenan - Country/The Country (CD)Room40
¥2,487

シドニーの美術館で長く共に働いてきたJ.WLSNとLiam Keenanが、2024年末に友人のスタジオで録音した初のコラボレーション作品『Country / The Country』。ふたりが育った西シドニー〜ニューサウスウェールズ州の平野、山影、郊外という広い地形の記憶を、ギター、モジュラー、サンプルの長尺レイヤーで静かに描き出す一枚。乾いた倍音、かすかに歪んだ気配、霧のようなパッドがゆっくりと重なり、風景の空気そのものが音になったような質感。テープループの揺れやフェリックなノイズが、過去の記憶を曖昧にしながら少しずつ形を変え、時間の外側で漂う場所のスコアを作り上げていく。広い空、湿った郊外、遠くの山影が、抽象的な音の層として静かに立ち上がる。〈Room40〉の風景的アンビエントの流れにありつつ、ふたりの個人的な地理的記憶が核になった、静かで広がりのある長尺作品。

Lawrence English -  The Rest Is My Ghost (CD+BOOK)Lawrence English -  The Rest Is My Ghost (CD+BOOK)
Lawrence English - The Rest Is My Ghost (CD+BOOK)Room40
¥3,989

Lawrence Englishによる、『Wilderness of Mirrors』『Cruel Optimism』へと続く三部作の最終章として位置づけられる『The Rest Is My Ghost』。Swans、The Necks、Mats Gustafsson、Chuck Johnsonら多数の演奏者が参加し、重層的な倍音、濁りを含んだテクスチャ、声の粒子がゆっくりと積み重なり、巨大な音の風景を形成していく。美しい層の中に微かな汚れが混ざり、過去の記憶が変質していくような質感が印象的。楽器の輪郭はあえて曖昧化され、リバーブや干渉音によって誰の音か分からないが確かにそこにある幽霊的な響きが生まれる。静けさから始まり、徐々に圧力を増し、地鳴りのような質量へと変化する構造は、Englishが語る「未来の可能性を再び開くための音」の姿そのもの。政治的・文化的な批評性と、アンビエントの深い音響美が同居する一枚。

Byard Lancaster - Funny Funky Rib Crib (CD)
Byard Lancaster - Funny Funky Rib Crib (CD)Souffle Continu Records
¥3,486

1974年、パリで録音されながら長らく未発表だったByard Lancasterのファンク寄りセッション『Funny Funky Rib Crib』が、〈Souffle Continu〉により初の公式リリース。多楽器を自在に操るLancasterと、Keno Spellerのパーカッションが組み合わさり、〈Palm Records〉期の実験性とファンクが同じ軌道で響く。サックスは熱量を保ちながら、ファンク的な反復リフとフリージャズ的な飛翔を行き来し、フルートやバスクラリネットは柔らかい陰影をつくる。ピアノやオルガンは骨格を支えつつ、時にスピリチュアルジャズ的な高揚を生み出す。さらに電子処理が加わり、独特の質感が立ち上がる。Keno Spellerのパーカッションは儀式的な反復と跳ねるグルーヴを同時に生み、タイトルのFunny、Funkyが示す遊び心をしっかり支えている。フリージャズとスピリチュアル、ファンクの濃密な交差点。

Helen Svoboda - Headwater (CD)
Helen Svoboda - Headwater (CD)Room40
¥2,487

フィンランド生まれ、オーストラリア育ちの作曲家、ダブルベーシストHelen Svobodaによる最新作『Headwater』が〈Room40〉から登場。16の短い断片から構成される本作は、フィンランドの歌い手Selma Savolainen、シドニーのベーシストJacques Emery、そして電子音楽家Tilman Robinsonを迎え、2本のダブルベース、2つの声、そしてエレクトロニクスを軸に、記憶や自己の輪郭が揺らぎながら形を変えていくような独自の音世界を描き出す。Svobodaの低音は、ただ支えるだけでなく語るように動き、擦過音やハーモニクスが繊細な表情を生む。そこにSelma Savolainenの透明感ある声が重なり、北欧的な響きと現代音楽的な緊張感が同時に立ち上がる。曲はどれも短く、場面が次々と切り替わるが、断片が連鎖することでひとつの大きな流れが生まれ、夢の中で記憶が浮かんでは消えるような感覚を呼び起こす。ジャズ、現代音楽、サウンドアートの要素が自然に交差し、音が空間の中でゆっくりと形を変え、聴き手の意識の奥に静かに染み込んでいくような感触のある一枚。

Cleared - Lustres (CD)
Cleared - Lustres (CD)Room40
¥2,487

結成15周年を迎えたシカゴの音響デュオClearedによる、電子音、フィールドレコーディング、アコースティック断片を長尺の音響風景として編み上げた最新作『Lustres』が〈Room40〉から登場。Clearedの制作は、個別に録音した素材を互いに送り合い、加工し、再び組み直すという独特のプロセスが核となる。本作でも、古いデジタル録音機の荒れた質感と、最新スタジオのクリアな音像が同じ平面に並置されることで、時間の層が折り重なるような音の深みが生まれている。フィールドレコーディングの微細な粒子、低周波の揺らぎ、ギターやパーカッションの残響が、判別できないほど加工されながらひとつの地形のように連なっていく。彼らが長年探求してきた素材の再構築をさらに推し進め、暗い輝きを放つ音響世界を描き出した逸品。

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