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Nu-dohとHarikuyamakuを中心とするプロジェクト「ウチナースレンテン」。2作目にして最終章となる今作のテーマは”エイサー”。前作よりもさらにダンサブルな内容となっている。
A面の「くーだーかー〜スンサーミー」ではボーカルに大城琢、Saxに前作同様宮古島出身のMARINO、そしてスティールパン奏者のトンチが参加。
南国感満載な仕上がりになった。 AA面の「唐船どーい」では今沖縄で最も勢いのあるYUKINO INAMINEをボーカルに迎え、MCは前作に引き続きSHINGOをフィーチャーしている。最高の琉球ダンスホールが完成。
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DJ Nu-doh(Churashima Navigator/島‘s)とトラックメーカー/ダブエンジニアのHarikuyamakuを中心に、ダンスホール・リディム"Sleng Teng(スレンテン)”と沖縄民謡のチャンプルーを実現した「ウチナースレンテンプロジェクト」の第2弾。
本作のテーマは、沖縄の旧盆に行われる伝統芸能「エイサー」。先祖崇拝を重んじる沖縄では、旧暦7月13日にご先祖を迎え、15日に送るまで、各地で青年会がエイサーの演舞を繰り広げる。
今回の2曲は、そのエイサーの現場で定番曲として根付いているビッグ・チューンだ。「くーだーかー〜スンサーミー」(原題「久高万寿主節」)は、
何かと話題の多い人物“久高万寿主(くだかまんじゅーしゅ)”のうわさ話を歌い、「クユイヌ ハナシヌ ウームッサー(=今宵の話のおもしろさ)」と盛り上げる楽曲。
歌三線は、師匠・大城美佐子から薫陶を受けた民謡唄者、大城琢。リディムに合わせて独自の“間”を作り出した歌い回しは、実はレゲエ好きという感覚が冴え渡った絶妙な仕上がり。
さらに宮古島からサックス奏者のMARINO、スティールパン奏者トンチが参加し、南国の風を感じさせるフレーズで楽曲の世界観を色彩豊かに拡張している。 “唐から船が来たぞー!”という掛け声で始まり、即興の歌詞で歌われることも多い「唐船(とうしん)ドーイ」は、祝いの席など沖縄の暮らしに欠かせないカチャーシーの代表格であり、エイサーではクライマックスで熱狂の渦を巻き起こす楽曲。
Harikuyamakuと“ダブ×民謡”のタッグで海外からも注目されている唄者、YUKINO INAMINEがその熱気を艶やかな歌声と早弾きの三線で見事に表現。
さらに島’sのSHINGOがエモーショナルなMCで畳み掛け、高揚感あふれるチューンに仕上げている。
琉球民謡に潜在するうちなーんちゅ独自のリズム感覚とジャマイカ産80年代ダンスホール・リディムの共鳴が証明された重要作。入魂の琉球ダンスホール!
文/岡部徳枝
80年代レゲエ界に革命を起こした最強のリディム"Sleng Teng”に乗せた沖縄民謡、ウチナースレンテンプロジェクトがついに始動。待望の7インチリリースが決定!
Churashima NavigatorのNu-dohとISLAND HERLEMのSHINGO (MC)のDJユニット島's (シマーズ) による、80年代レゲエ界に革命を起こしたリディム "Sleng Teng"に乗せた沖縄民謡のわらべうた「赤田首里殿内」を7インチでリリース。カップリングには「てぃんさぐぬ花」を比嘉いつみ(唄、三線)そして、宮古島出身のBlack Wax、浜田真理子のサポート等で活躍するMARINO(Sax)をフィーチャー。録音、編集は沖縄を代表するアーティストHARIKUYAMAKUが担当。
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1980年代、ジャマイカのダンスホール・シーンにコンピューターライズド革命を起こしたモンスター・リディム"Sleng Teng(スレンテン)”。沖縄で、詠み人知らずの唄として古くから歌い継がれてきた民謡「赤田首里殿内(あかたすんどぅんち)」、「てぃんさぐぬ花」。島’sのDJ Nu-dohが25年もの間、構想をあたため続けてきた「Sleng Teng×沖縄民謡」のチャンプルー・プロジェクトがついに実現した。そもそもは「"Sleng Teng”を聞いて、これは音階的に沖縄民謡が絶対合うとピンときた」のが始まりだと言う。かつて名曲「バイバイ沖縄」が生まれたように、レゲエと沖縄民謡は惹かれ合う。それを直感できるのは、まさにうちなーんちゅの血というべきか。「赤田首里殿内」は、もとは琉球王朝時代に首里殿内にて弥勒(みるく)様を迎える祭礼で歌われていた唄。今では“シーヤープー シーヤープー”などの囃子に合わせて、子どもたちが体を使って遊ぶ童歌としても親しまれている。「てぃんさぐぬ花」は、親の教えを心に染めなさいと歌う教訓歌。両曲とも沖縄では幼い頃から耳にすることの多い代表的な民謡だが、たとえうちなーぐちがわからない人でも、ふとメロディーを口ずさんでしまえるキャッチーさがある。その選曲の意図には「気軽に親しめる曲で世界中に沖縄の唄が広がってほしい」というDJ Nu-dohの切な願いがある。「必ず会って話をして音楽を作る」をモットーに、参加アーティストと友小(どぅしぐゎー)の絆を育み、音遊び、唄遊びを共にして完成した入魂作。25年越しに実った“ウチナースレンテン”が、2024年、世界に羽ばたく。
文/岡部徳枝
沖縄音階、沖縄伝統音楽に洋楽のアレンジを施した、その独特なグルーヴにハマる人が続出し話題となったコンピレーション『琉球レアグルーヴ』。2003年の『琉球レアグルーヴ』と2006年の『琉球レアグルーヴ2』からのベストセレクションに加え、新たな曲も収録した
リニューアル版『琉球レアグルーヴ Revisited』がアナログで発売決定。 このシリーズの象徴ともいえる屋良ファミリーズはもちろん、島唄ロックのオリジネーター喜納昌吉、2022年に86歳でデビューアルバムをリリースし話題となったジャズ・シンガー齋藤悌子(平良悌子)の歌など、貴重な南国グルーヴ14曲を収録。
さらに、沖縄の旋律や民謡をジャズ・アレンジした楽曲をセレクトした『琉球レアグルーヴ Crossover』も同時発売。
■琉球レアグルーヴ Revisited - Okinawa Pops 1957-1978 -(COJA-9544)
沖縄固有の音階で歌われたポップスに、ロックやソウルのグルーヴを施したレアで個性的な楽曲を集めたコンピレーション。これの基になっているのは、2003年に発売され、話題を呼んだ『琉球レアグルーヴ』とその続編となる2006年の『琉球レアグルーヴ2』。そこからさらに厳選し、新たな曲も収録したリニューアル版がこの作品。このシリーズの象徴ともいえる屋良ファミリーズはもちろん、沖縄民謡ロックのオリジネーター喜納昌吉、沖縄からアメリカのミュージカル映画に進出した沢村みつ子、2022年に86歳でデビューアルバムをリリースし話題となったジャズ・シンガー齋藤悌子(平良悌子)の歌など、貴重な南国グルーヴ・ソング14曲を収録。
Produced & Organized by DJ SASA
トラックリスト:
(Side A)
1. 白浜ブルース/屋良ファミリーズ
2. 軽便鉄道節/フォーシスターズ
3. ボサノバ・ジントーヨー/屋良ファミリーズ
4. ひやみかせ/沢村みつ子
5. むる判からん/高安六郎
6. うるま島/ホップトーンズ
7. ニイマの主/平良悌子
(Side B)
1. ゴーゴー・チンボーラー/屋良ファミリーズ
2. 海やからー/屋良ファミリーズ
3. ハイサイおじさん/喜納昌吉と喜納チャンプルーズ
4. かてーむん/高安勝男
5. 沙汰ン成ラン呉屋主/照屋林助
6. 村はじし/高安勝男
7. 琉球讃歌/海勢頭豊
沖縄音階、沖縄伝統音楽に洋楽のアレンジを施した、その独特なグルーヴにハマる人が続出し話題となったコンピレーション『琉球レアグルーヴ』。沖縄の旋律や民謡をジャズ・アレンジした楽曲をセレクトした『琉球レアグルーヴ Crossover』がアナログで発売決定。 MUROセレクトの『Diggers Dozen』や、トロピックナイトレコードからの『琉球』7インチでも取り上げられた山屋清の沖縄民謡Jazz Funkを中心に、
見砂直照と東京キューバン・ボーイズによるラテン・ビッグ・バンド・ジャズなどのインストを収録。
■琉球レアグルーヴ Crossover - Okinawa Jazz Funk 1964-1984 -(COJA-9545)
King of Diggin 'の異名を持つDJ、MUROによる『Diggers Dozen』(BBE)や、
『Wamono Groove: Shakuhachi & Koto Jazz Funk 1976』(180g)でも取り上げられた山屋清の作品をはじめ、
沖縄民謡をJazz Funk、クロスオーヴァー、Big Band Jazzにアレンジした楽曲を集めたコンピレーション。
2003年に発売され、話題を呼んだ『琉球レアグルーヴ』のシリーズ最新作として登場。
トラックリスト:
(Side A)
1. 安里屋ユンタ/三橋貴風、山屋 清
2. 谷茶前/米川敏子、山屋 清
3. 琉球みやび(二)/山屋 清
4. 琉球みやび(三)/山屋 清
5. 琉球みやび(四)/山屋 清
6. 西武門節・安里屋ユンタ・谷茶前/山屋 清
(Side B)
1. 谷茶前節/見砂直照と東京キューバン・ボーイズ
2. 鳩間節/見砂直照と東京キューバン・ボーイズ
3. 安里屋ユンタ/村岡 実
4. 琉球の空/山屋 清
5. 琉球の祭(一)/山屋 清
6. 谷茶前/三橋貴風、山屋 清
島唄をベースにレゲエやソウル、ロックなどのエッセンスを微妙にブレンドし、ゆったりした独特のヴァイブレーションが心地よい沖縄ポップスの革新的作品。90年代に知名定男がプロデュースを手がけたネーネーズのヒット曲「バイバイ沖縄」「赤花」「キジムナー・ブルース」などのオリジナルが多数収録された貴重な名盤が、本土復帰50周年の今年ついにリイシュー!
【赤花 再発売に寄せて】
1978年。沖縄県の日本復帰から6年が経っていました。
沖縄の若者は復帰を境に中央志向になり、キラキラ輝く東京へと目が向けられ、当時の私は、沖縄が忘れられてしまうという危機感を持っていました。音楽仲間とそういう話で何度も夜通し話し合ったことを覚えています。
沖縄の若者にもう一度沖縄の素晴らしさを伝えるには、東京から沖縄音楽を発信するということが先決だと、本土デビューすることを決め、この『赤花』をリリースすることになりました。
このレコーディングは当初、沖縄民謡の記録盤のような企画だったのですが、デモテープに『バイバイ沖縄』を忍ばせると受けが良く、『オリジナル盤』という企画に乗せ換えることに成功しました。
そもそも沖縄音楽はポップス感に溢れています。それを分かりやすく伝えたかったので、言葉もメロディーもよりポップスに、ロックに、ソウルに仕上げ、さらにアレンジャーやミュージシャンがそうそうたるメンバーだったので、演奏も素晴らしいです。
そしてレゲエとの出会いも運命的でした。ボブ・マーリーのコンサートで初めてレゲエという音楽に触れ衝撃を受けましたが、そのリズムは沖縄民謡がそのまま歌えるリズムでした。これは私自身が沖縄音楽の素晴らしさを再認識、再発見することができた出来事でした。早速『バイバイ沖縄』に取り入れ、以降はネーネーズなどでもそのリズムを多用することになります。
そういう1978年の『赤花』は、沖縄を再発見して欲しいという若者へのメッセージでしたが、私の再出発、いや原点としても大きな意義のある作品です。
今もネーネーズへと受け継いでいる『島唄をベースにしたオキナワンポップス』の源流を、再発売のこの機会にぜひ聴いてみてください。
知名定男
2021年東京、ハリクヤマクの曲だけでDJをするという珍しい機会があった。普段だとエフェクターやミキサーなど、まぁまぁの量の機材を運んでライブ・ダブミックスをしているんだが、DJセットときた。
しかし、リリースの有無に関わらず、自分の中で一度完成した曲だけをプレイするのはDJをやってて、自分が面白くないなと思った。そこで、フライトまでの2日間、色々な曲のダブミックスを録音し、それをCD-Rに焼いて持っていったのである。沖縄に帰ってしばらくして、そのCD-Rを聴き返したら、色々と荒いなと感じながらも、それ含め良い!と思い、配信することにした。それが『島DUBPLATE for Tokyo 2021』である。
それからまた月日は経ち、2024年。なんとこれをレコードにしてくれるという話がきた。最高だ!最高だけど、レコードにするには、惜しい曲や物足りなさがある。配信とレコードとでは訳が違う。一発録りの2ミックスだから、重ねるしか無いと思った。CD-Rから曲を選び、
A2 "Ayahaberu"には盟友MAKI TAFARIによるフルートソロをオーバーダブ。
A4 "Turubaimun"にはAKANMIMANにトースティングしてもらった。彼にとっては初めての録音だった。
B1" Kuduchi Behshiはスプリングリバーブを叩いたノイズやシンセをオーバーダブ。
また、レコード化のために新しくダブミックスも録音した。
A3 "Pacific Dub"は個人的には沖縄レゲエ史上最高の曲、石垣吉道の"Key Stone"をリディムを作りかえダブミックス。
B4 "Dub Season"はこちらも盟友、稲嶺幸乃との共作である”四季口説"をダブミックスしている。
Text by HARIKUYAMAKU
沖縄現代音楽史において最も優れた作曲家の一人、そしてマルフクレコード代表としての顔も持つ普久原恒勇の代表作品と愛唱曲を金城恵子、伊波智恵子ら沖縄のトップシンガーたちがコンテンポラリーなアレンジでレコーディング、1999年に発表されたアルバム「オキナワン・ヒッツ&スタンダーズ」(ビクター/nafinレーベル)に収録された名曲「白浜ブルース/ボサノバ・ジントーヨー」を初7インチ化。
「白浜ブルース」は金城恵子会心の名唄。元々は沖縄芝居歌謡で、戦前大阪に多くの沖縄県人がいた中で生まれたうた。
カップリングの「ボサノバ・ジントーヨー」は沖縄の代表的なうたのひとつ。
DJや愛好家の間では屋良ファミリーズのバージョンが沖縄産レアグルーヴ最高峰として広く知られている。
監修にFLATT THE LAIDBACK(EXHUME EXHUME PRODUCTION)、リマスタングには8ronix(Bullpen lab. )を迎え、DJプレイ時における""音の鳴り""を意識した高音質リマスタリングが施されている。

高嶺剛による長編映像作品『ウンタマギルー』(1989年)のために、音楽家の上野耕路が制作したオリジナル・サウンドトラックが初のレコード化。豪華ボーナストラック3曲を追加収録。
沖縄県石垣島出身の映画監督、高嶺剛による長編映像作品『ウンタマギルー』(1989年 配給:パルコ)のために制作された本作。伝統的な琉球民謡のメロディーにあえて捉われない方法で、あつく倦んだ空気感と開放的な気色を表現。耽美的な魅力に満たされた空想上の沖縄を描写したような、ストレンジ・アンビエント・ミュージックとでもいうべき作品です。
今回のレコード化に際し、映画の主題曲「Untama Giru」のピアノ・ヴァージョン(1999年『Piano Music』)、高嶺剛監督による映画『夢幻琉球・つるヘンリー』から「Mekaru's Room」、「Machibui Vortex」の3曲を新たにボーナストラックとして追加収録。 電子音楽、ニューエイジ、沖縄~琉球民謡のファンにも推薦したい、多くのリスナーに再発見されるべきマスターピースがディスクユニオン新レーベル=Flowmangoより満を持してリリース。
久保田麻琴プロデュースによる大城美佐子の未発表音源が7インチ・アナログ盤としてリリース!
2007年に沖縄・嘉手納のスタジオKadena Studio Oneにてレコーディングされた音源2曲が15年の時を経て、7インチ・アナログ盤として蘇る!
このレコーディングは久保田麻琴のプロデュースによって行われた奇跡的なセッションであり、国内では初披露となる貴重なもの。「ヤッチャー小(ぐゎ)」と続けてセットで唄われることが多い「泊高橋」が、単独の楽曲として演奏されておりとてもめずらしい録音となっている。
また、カップリングには大城美佐子の師匠である知名定繁の名曲「親(うや)ぬ心(くくる)」を収録。一番弟子の堀内加奈子との息の合った共演で、リラックスした艶のある唄声を聴かせている。
琉球民謡歌手、そしてネーネーズをはじめ数々の名プロデューサーとして言わずと知れた知名定男の13歳の時の伝説的なデビュー曲「スーキカンナー」 。
沖縄レコードコレクターの間でも入手困難な一枚をオリジナルマルタカレコード仕様で66年の歳月を経て、7inch Vinylでリイシュー。
B面はHARIKUYAMAKUの協力のもと、Nu-doh流にオリジナルを崩さず、現代の音楽とクロスオーバーさせ完成したNu-doh dub mixを収録。
数量限定生産でリリース。
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1958年に発表された知名定男の伝説的なデビュー曲「惣慶漢那(スーキカンナー)」が、この2024年ついに蘇る。
沖縄大衆文化のレジェンドである知名が「惣慶漢那(スーキカンナー)」を発表したのは13歳のとき。
その天才少年ぶりは滑らかで艶やかな歌声から一聴瞭然だ。「惣慶(スーキ)」と「漢那(カンナー)」とはどちらも沖縄の地名で、
歌詞には同地から箕ザルを売りにやってきた物売りの口上が盛り込まれている。その後、本部やコザ、勝連など各地の物売りたちの売り文句が続く楽しい1曲だ。
注目はB面。沖縄民謡や民俗芸能を現代ベースミュージック解釈で蘇らせるユニット、Churashima Navigatorでも活躍してきたプロデューサー/DJ、Nu-dohによる「惣慶漢那(スーキカンナー)」のダブステップ・リミックスが収められているのだ。
ずっしりとしたビートに三線が絡みついたのち、知名の歌とヘヴィーなベースラインが同時に鳴り響く興奮を何と言葉にすればいいだろうか。
この1曲のリミックスを作る前にNu-dohは知名のもとを訪れ、自分の思いを伝えるとともにリミックス制作の許しを得たのだという。
彼らしい「筋の通し方」が気迫のこもった音にしっかりと表れている。
マルタカレコードから発売された「惣慶漢那(スーキカンナー)」のオリジナル盤は現在高値で取引されているが、
今回はイギリスの名門スタジオ「Curve Pusher」がマスタリングとカッティングを手掛け、高音質でのリイシューとなった。
沖縄民謡のレガシーをどのように受け継ぎ、次の世代に伝えていくことができるのか。
この音盤に込められているのは音だけではない。スピリットもまたひとつひとつの溝に刻み込まれているのだ。
大石始(文筆家)
1987年発表 坂本龍一初の世界リリース作品。通算7枚目のソロアルバムの今作は、世界リリースを前提にビル・ラズウェルとの共同プロデュースで制作され、スライ・ダンバー、ブーツィー・コリンズなど、異なるジャンルのトップ・ミュージシャンたちが参加。エレクトロニックなサウンドをベースにしつつも、沖縄音楽やバリの伝統音楽などオーガニックでエスニックな音楽要素を融合し、東京とニューヨークでレコーディングが行われ、世界20ケ国以上でリリースされたソロ・キャリアの中でもマイルストーン的な作品。重量盤。
トラックリスト:
DISC 1 Vinyl 33 1/3RPM
NEO GEO
SIDE A
BEFORE LONG
NEO GEO
RISKY
FREE TRADING
SIDE B
SHOGUNADE
PARATA
OKINAWA SONG-CHIN NUKU JUUSHII
AFTER ALL
オリジナル発売日:1987年
2023年11月には日本コロムビアからアルバム『Mystic Islands Dub』でメジャー・デビューを果たした気鋭のプロデューサーによる、沖縄民謡×ダブの可能性を追求した最新作!
自身のルーツである琉球の古い唄を基に制作した『島DUB』('13年)をきっかけに注目を集め、これまでにリリースした7インチ2作「大島ヤンゴー節」「Sulukill Kuichar」、最新アルバム『Mystic Islands Dub』もすべて即完。稲嶺幸乃やOdodoafrobeatら沖縄拠点のアーティストのエンジニアとしても信頼の厚い、今最も注目集めるダブ・プロデューサーHarikuyamaku。今作はまさに「カチャーシー(かき回す)」な、高速で渦巻く三線とディープなエレクトロニック&ダブが邂逅するサイケデリック~トランシーなダンス・トラック5曲を収録。カッティングは国内Wolfpack Mastercut Studio、45回転仕様。

Talking HeadsにDavid Byrne主宰の〈Luaka Bop〉の〈Asia Classics〉シリーズから1994年にCDリリースされていた傑作が待望のアナログ再発!喜納昌吉&チャンプルーズや「ハイサイおじさん」も有名。ウチナー・ポップを確立した沖縄の音楽家であり、琉球民謡の第一人者喜納昌永を父に持つ喜納昌吉のディスコグラフィから選曲された素晴らしい楽曲の数々を収めたコンピレーション・アルバム。「ハイサイおじさん」や「すべての人の心に花を」「ジンジン」といった珠玉の名曲を全13曲収録した入門に最適のベスト盤です!
沖縄コザを拠点に、沖縄の古い民謡とドープでサイケデリックなDUBを組み合わせた斬新な音楽を発信しているプロデューサー/ダブ・エンジニアのHARIKUYAMAKU(ハリクヤマク)。海外からも高い評価を受けている彼が、1965年に発売された16枚組のLP-BOX 「沖縄音楽総攬」から厳選した沖縄古謡の音源をDUBミックスしたアルバムを制作。 約60年前に録音されたマジカルな歌声と銀天団による生演奏のヴァイブレーション、そしてHARIKUYAMAKUの神秘的なエレクトロ・ サウンドを融合した唯一無二の音楽。 ライナーノーツは、日本民謡と世界各地のトライバル・ダンス・ミュージックに造詣の深い大石始が執筆。
本作は「沖縄民謡とダブの融合」という一言で片付けることのできない広がりを持つ。近年HARIKUYAMAKUが取り組んでいるアンビ エント的な発想も数曲で試みられており、曲によっては南米フォルクローレを再解釈するニコラ・クルースやバリオ・リンドらの作風とも 共鳴する響きを聞き取れる。自身の足元にあるものを現代の耳と感覚でどのように捉え直し、新たな創造に結びつけることできるの か。本作もまた、そうした問題意識の先に作り上げられた作品といえる。(大石始)

「平和なアジア」の心象風景を託した琉球電子サロンミュージック。この二つとない逸品『水中庭園』(1993)の発表30周年を祝した初LPリリース。 ボーナス曲を加えてお届けします!!
沖縄の音楽家、コージュンこと國場幸順(こくば こうじゅん)は、70 年代から数々のバンドと関わって「裏方のコージュン」と呼ばれ、80 年代に六人組という幻のバンド(※註)を作ったことで一部に知られる。この 『水中庭園』は、琉球王朝交易時代に着想をえた「平和なアジア」をイメージした「BGM」を作ろうと制作着手されたが、予期せぬコンサートバンド結成(のちの六人組)のため制作は中断。その後、バンドが消滅してプロジェクトも白紙に返ったが、彼は機会を待ち 1993 年に本作を完成させた
『水中庭園』は、沖縄をルーツとしながら広くアジアの音楽にも影響されており、アジア各地の伝統的音階に由来するフレーズを重ね、改変し、典型的な西洋の和音ハーモニーの動きを排除した点に大きな特徴がある。電子楽器とマルチトラックを使い、彼いわく「線を積み重ねる」ようなメロディーの集積の実験は、沖縄からアジア世界へ向け新しいエネルギーの拡散を目指したかのようだ。そのすがすがしさと不思議さ、楽しさと色気のユニークな混合物であるサウンドはアジア由来の音階を束ねた結果に思われる。シンセとドラムマシンを駆使して心地よく特徴的なリズムを刻んでいるが、それはダンスフロアのためではなく、テクノロジーを駆使した「BGM=軽音楽」としての電子サロンミュージックをイメージしている。
國場のいう「平和なアジア」とは、海上交易で繁栄したかつての東アジア~東南アジアの営みを想像したもので、そのネットワークでは物だけでなく音も行き来し、どの音楽(音階)も新しく「ポップな」ものとして迎えられたと彼は思い描く。
※註:六人組は坂本龍一のレーベルメイトとして、ビル・ラズウェルのプロデュースで世界デビューする予定だったが、不運と事故が重なって解散した。
=作品仕様=
+ 12インチLP
+ インサート封入/シュリンク包装/ステッカー貼付け
+ 日本語・英語解説(『水中庭園』ストーリー)

2022年版仕様:
艶消しシルバーのアルミ箔を貼ってエンボスをかけた特殊紙に印刷。 ディスクは琉球の太陽をイメージした半透明カラー盤。
「かじゃでぃ風節」は琉球古典音楽・琉球舞踊を代表する曲で、めでたい祝いの席で演奏される大定番。通常、少人数で三線を伴奏に歌われるものだが、新崎純(あらさきじゅん)というミュージシャンの好奇心から、ビッグバンドで演奏したらどうなるか?と70 年代に実験されたのが本ヴァージョンだ。人間国宝の照喜名朝一をはじめとする演奏家がスタジオに集められ、5 人の三線奏者、4 人の管楽器奏者、ピアノ、エレキギター、エレキベース、パーカッションとドラムの総勢13 人で、なんとリハ無しぶっつけ本番、一度きりの演奏で吹き込まれたまさにミラクル録音。新崎によると和声が無い琉球古典ゆえに編成と編曲には苦心したというが、出てきた音は重厚な荘厳さを漂わせ、更に音楽マニアには琉球音階の『Pet Sounds』に聞こえてしまうというオマケ付き。リリースにあたり当時記録用に録音したカセットテープを発掘できたのはこれもまた奇跡である。このテイクにノックアウトされたヴィジブル・クロークスによるリミックスは、あの世でもこの世でもない<第四世界>の傑作ヴァージョン。
なお、シープス(sheeps)は綴り間違いだが、原題のままにしている(英題では修正)。
Tracks:
Side-A: 新崎純とナイン・シープス「かじゃでぃ風節」(1977)
Side-AA: Visible Cloaks「かじゃでぃ風節 (Visible Cloaks Remix)」(2018)
