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《Stern’s Africa Archive Editions》
ギニアが生んだ歴代最高のアフリカン・シンガーの決定盤が復活!
西アフリカがアフリカ音楽の宝庫であることは広く知られていますが、その中でも“声の文化”において特別な位置を占めるのがこの地域です。本作は、その頂点に立つ伝説的歌手ソリ・カンジャ・クヤテの決定的コンピレイション。2012年に英Stern’s Africaが制作した2枚組作品が、40ページにおよぶ豪華ブックレット仕様のまま待望の復活となりました。長らく入手困難だった重要タイトルの再登場としても注目されます。
1933年、現在のギニア中部に生まれたクヤテは、マンディングの伝統を受け継ぐグリオー(ジェリ)の家系に育ちました。グリオーとは歴史や叙事詩、家系の記憶を語り継ぐ世襲の音楽家・語り部であり、彼は幼少期から父のもとで叙事詩や旋律、語りの技法を徹底的に学びます。その圧倒的な声量と緻密な節回し、聴衆を惹きつける語りの力によって早くから頭角を現し、宮廷や祝祭の場で名声を確立しました。1958年の独立前後の激動期において、クヤテはギニア国立アフリカ・バレエ団の中心歌手として活躍。ヨーロッパ、アメリカ、中国など世界各地を巡演し、その力強くも気品に満ちた歌声で国際的評価を確立します。独立後は国家文化政策の中核的存在として、伝統的な叙事詩に加え、新国家の理念や社会的メッセージを反映した楽曲も歌い上げました。1970年には代表作『アフリカの声』がフランスでグラン・プリを受賞し、アフリカ音楽を象徴する存在となりますが、1977年に44歳の若さでこの世を去りました。
本作には、ギニア国営レーベル〈シリフォン〉に残された音源を中心に、彼の芸術を多角的に捉える楽曲群を収録。CD1ではエレキ・ギターやホーンズを加えたモダンなバンド編成による録音を収め、独立期の都市文化や国家的高揚を反映したダイナミックなサウンドを展開します。リズミックなグルーヴの中で声がオーケストラを牽引する構造は、当時のギニア音楽の革新性を象徴するものです。一方CD2では、コラやバラフォン、ンゴーニといった伝統楽器を主体とした編成による録音を収録。ここではグリオー本来の役割である叙事詩の語りや賛歌が前面に現れ、声と楽器が緊密に絡み合いながら物語を紡いでいきます。装飾的でありながら厳格な旋律運びや、反復と即興の交錯といったマンディング音楽の本質も鮮やかに示されています。収録曲の内容も幅広く、西アフリカの英雄や王を讃える叙事詩、地域に根ざした民謡、さらには独立国家ギニアの理念や政治的メッセージを反映した楽曲までを網羅。古層の伝統と新しい国家意識が同時に鳴り響く、きわめて重要な時代のドキュメントとなっています。
さらに付属の40ページ・ブックレットには、貴重な写真資料に加え、詳細な英文/仏文解説を掲載。クヤテの生涯や音楽的背景、収録曲の主題や成立事情まで丁寧に解説されており、本作をより深く理解するための重要な資料となっています。このように音源とテキストが一体となった構成も大きな魅力と言えるでしょう。
圧倒的な声量と精神性を兼ね備えたその歌声は、しばしばヌスラット・ファテ・アリー・ハーンにも比されるほど。“アフリカの声”という名にふさわしい、西アフリカ音楽の核心に触れる決定盤です。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト
CD1
1. N'Na
2. Tara
3. Mikossaya
4. Djoliba
5. Conakry
6. Fouaba
7. Minawa
8. Souaressi
9. P.D.G.
10. Hellaya
11. Touyend
12. Namatimbaye
13. Tinkisso
14. Sakhodougou
CD2
1. Douga
2. Kedo
3. Massane Ciss
4. Toubaka
5. Siiba
6. Kem Bourema
7. Nina
8. Malisadio
9. Toutou Diarra
10. Djandjon Bonus Download

現代文化における不変の存在、エラ・フィッツジェラルドの長らく埋もれていた1966年の珠玉の作品がリリース!
シンガー・ソングライター、作曲家、そして人道主義者であるエラ・フィッツジェラルドの未発表ライヴ音源『ライヴ・アット・ファルコナー・シアター・コペンハーゲン・6th・フェブラリー・1966』が、7月に全世界リリースされる。
1967年の2月6日にデンマークはコペンハーゲンのファルコナー劇場で録音された今作は、ラジオ局デンマーク放送用のモノラル音源であり、あるデンマーク人プロデューサーの個人アーカイヴに保管されていたもの。何十年もの間忘れ去られたまま廃棄処分される運命にあったが、この希少なアーカイヴ音源のリリースは、エラのキャリアにおけるありのままの瞬間をファンが探求し、その世界に浸るまたとない機会となるだろう。
出演は、デューク・エリントン・オーケストラ。ピアノを担当していたのは、編曲家兼音楽監督としての役割に加え、ジミー・ジョーンズ。そして彼と共に演奏していたのは、ベースのジョー・コンフォートとドラムのガス・ジョンソンだった。ライヴを鑑賞した今作のプロデューサーのボーエ・ロジャー・ヘンリクセンはこの日のエラについて「ここ数年のコペンハーゲンでのトリオだけのコンサートに比べ、より生き生きとしており、機械的な印象が薄れていた」と話している。180g重量盤
ジャズとモンゴルのフォークのユニークなブレンドは、ワシントン・ポスト紙にも「彼女の曲は非常に創造的で自由でありながら、しっかりと地に足をつけている」と評価され、現代ジャズの最も興味深い声の一つとされるモンゴル生まれでミュンヘンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Enjiの4thアルバム『Sonor』が<squama recordings="">よりリリース!自身の多重的なアイデンティティのように、夕暮れ時のほんの一瞬、空が鮮やかな琥珀色に染まる。ドラマチックな色彩の閃光、昼と夜の両方に属する瞬間に生まれてくるような、鮮やかで儚くてしかし生命力に溢れた夢のような歌声が、優しいピアノと重みのあるコントラバスにのって響き渡る傑作!Elias Stemeseder(p)、Robert Landfermann(cb)、Julian Sartorius (ds)、そして前2作でもお馴染みの共同作曲者でもあるPaul Brandle (g)ら世界的に名高いジャズ・アーティストをバンドに迎え、ジャズ・スタンダード「Old Folks」を除く全曲をモンゴル語にて歌われています。180g重量盤

「言葉が意味から解放され、音として漂い始める」というコンセプトで、話し言葉の抑揚や呼吸をそのまま音響素材として扱う独自の手法を中心に据えた、ニューヨーク拠点の作曲家Ben Vidaによる『Oblivion Seekers』。Nina Dante、Christina Vantzou、John Also Bennett、Félicia Atkinsonらが声の出演で参加。複数の声が重なり合い、ジェンダーやアクセントが流動的に混ざり合うことで、誰の声でもあり、誰の声でもない集合的な語りが立ち上がる。電子音は控えめに配置され、低いドローンや微細なノイズが声の動きを支えることで、静謐でありながら幻覚的な空間が広がる。静けさの奥で声が多層に漂い、言葉と音の境界がほどけていくその繊細な瞬間をとらえた、声のための実験音響作品。


ブラジルを代表するボサノヴァ/MPB女性コーラス・グループ、Quarteto Em Cyによる1972年セルフタイトル作が待望のヴァイナル再発。天使のハーモニーと称された四声で、従来の路線を土台にしながら、ソフトロック的な感覚と立体的なアレンジを導入し、Milton Nascimento“Tudo Que Você Podia Ser”の名カヴァー等も収録。プロデュースはEdu Lobo、ストリングス・アレンジにはTamba TrioのLuiz Eçaが参加。今なお世界中のブラジリアン〜MPBファンから高い人気を集め続けている名盤。180g重量盤。

「言葉が意味から解放され、音として漂い始める」というコンセプトで、話し言葉の抑揚や呼吸をそのまま音響素材として扱う独自の手法を中心に据えた、ニューヨーク拠点の作曲家Ben Vidaによる『Oblivion Seekers』。Nina Dante、Christina Vantzou、John Also Bennett、Félicia Atkinsonらが声の出演で参加。複数の声が重なり合い、ジェンダーやアクセントが流動的に混ざり合うことで、誰の声でもあり、誰の声でもない集合的な語りが立ち上がる。電子音は控えめに配置され、低いドローンや微細なノイズが声の動きを支えることで、静謐でありながら幻覚的な空間が広がる。静けさの奥で声が多層に漂い、言葉と音の境界がほどけていくその繊細な瞬間をとらえた、声のための実験音響作品。
テリー・ライリーとのコラボで知られる、2024年に惜しくも亡くなったイタリア出身の名歌手アメリア・クーニの声を中心に据えた作品。インドの伝統的な声楽ドゥルパドの探求と現代実験音楽が見事に融合しており、A面の「Melopea」では、ベルリンでの録音をもとに、ヴァイオリニストのシルビア・タロッツィとチェリストのデボラ・ウォーカーが、クーニの歌声と重ね合わせながら、伝統のドローン音から解き放たれた不安定で複雑な響きを紡ぎ出す。まるで音の細かな倍音を追い求めるように、ゆったりとしたグリッサンドと繊細な音程操作が織り成す歌唱は瞑想的で、聴く者を静かな深みへと誘う。「Bhoop-Murchana」では、ソプラノサックス奏者のヴェルナー・デュランドとチェリストのアンセア・キャディが、クーニが歌うラーガの構成音を丁寧に選び、新たな旋法を探求しており、彼らの純度の高い音色と浮遊感のある長い響きは、クーニの声やタンプーラの繊細な音と溶け合い、まるで温泉につかるかのよう。パンデミックの時期に非同期で行われたコラボレーションから生まれたこの作品は、クーニの芸術への敬意を表すとともに、初めて彼女の世界に触れる人にとっても理想的な入門盤となっている。
イギー・ポップが2012年に仏国内のみでひっそりと発表し、カルトな人気を集めてきた異色のカヴァー・アルバム『Apres』が待望のアナログ再発。セルジュ・ゲンスブールやエディット・ピアフらシャンソンの名曲から、シナトラやビートルズといったクラシック、さらにはヨーコ・オノにまで挑んだ選曲。パンクのアイコンとしての姿を脱ぎ捨て、低く深みを帯びたクルーナー・ヴォイスで人生と音楽の成熟を刻む、イギーのもうひとつの真髄が堪能できる逸品。

ニューヨークを拠点に活動するシンガー/マルチ・インストゥルメンタリスト、ピアニストのエリアナ・グラスのファースト・アルバム『E』が〈Shelter Press〉より登場!本作は、ヴォーカリストとしてクラシックの訓練を受ける前に、両親のピアノの下に座って耳で弾くことを覚えたという、グラスの幼少期の思い出を呼び起こす作品であり、カーラ・ブレイやアネット・ピーコックといったレフトフィールド・ジャズやフリー・インプロヴィゼーションの巨匠たちへの尊敬の念、シビル・ベイヤーのような儚い美しさを感じさせつつも、特有の瑞々しく自然体のサウンドによってフィルターされている。オフビートで探し求めるような質感と、詩的で畏敬の念を抱かせる音域を交互に奏でていくような、彼女自身が「日常生活の凝縮」と表現する、ほろ苦く、はかなく、まばらで瞑想的な音楽!エマホイ・ツェゲ=マリアム・ゲーブルーと彼女の2006年のコンピレーション『Éthiopiques』への物憂げなオマージュである"Emahoy"も収録!
イギー・ポップが2012年に仏国内のみでひっそりと発表し、カルトな人気を集めてきた異色のカヴァー・アルバム『Apres』が待望のアナログ再発。セルジュ・ゲンスブールやエディット・ピアフらシャンソンの名曲から、シナトラやビートルズといったクラシック、さらにはヨーコ・オノにまで挑んだ選曲。パンクのアイコンとしての姿を脱ぎ捨て、低く深みを帯びたクルーナー・ヴォイスで人生と音楽の成熟を刻む、イギーのもうひとつの真髄が堪能できる逸品。

アラブ音楽史上もっとも重要な歌手の一人とされ、その美貌と歌唱力から映画女優としても活躍したAsmahanの名唱を、1937〜1944年の全盛期録音から厳選したコンピレーション『Ya Habibi Taala Elhaani』。ウム・クルスーム唯一のライバルとまで称された Asmahan の歌声は、クラシカルなアラブ歌唱のコブシと映画女優としての表現力が同居し、一音ごとに情景が立ち上がるようなドラマ性を帯びている。兄であり偉大な作曲家Farid El Atracheとの共演曲も収録され、タンゴなど当時の欧州ポピュラー音楽の影響を取り入れたモダンなアラブ歌謡の魅力が存分に味わえる。リマスターによって声の輪郭やオーケストラの質感が鮮明に蘇り、ヴィンテージ録音でありながら現代的な聴きやすさも確保。名曲「Layali El Unse Fi Vienna」の前後編11分完全収録など、20世紀アラブ音楽の核心に触れる決定盤。

1996年、南條麻人主宰の〈La Musica Records〉から、手作業で組まれた超限定カセットとしてひっそりと現れた Neanの唯一作『Doo Dah Nean』。長らく幻のアウトサイダー音源とされてきたこの作品が、〈Black Editions〉よりヴァイナル・リイシュー!Yui(ベース/エレクトロニクス)、Non(ドラム)、そしてNaoko(声)の3人によるトリオで、生み出す音楽はロリータ・サイケ、フリージャズ、ノイズ、即興が無邪気に混ざり合う、90年代日本アンダーグラウンドならではの混沌そのもの。歌とも語りともつかない囁き、呪文のようなフレーズ、息遣いのNaokoの声が中心にあり、無垢さと狂気が同居した、プロトASMR的な存在感が、音全体に奇妙な重力を与えている。Nonの酔ったようでシャーマニックなドラムと、Yuiの形を持たない低音、電子音が絡み合い、儀式的ですらある生々しさがある。ジャンルの外側で生まれた音が、偶然にも強烈な魅力を放ってしまった、日本アンダーグラウンドの深部に埋もれていた宝石。
その天才性を永遠のものと証明した画期的一枚。Moondogが60代で録音した珍しいヴォーカル・アルバムであり、10曲の陽気なアート・ソングと共にクラシックとポップ・ミュージックの境界を揺らがせた78年発表の傑作『H'art Songs』がアナログ・リイシュー!1977年に作曲、録音されたこれらのピアノ・ポップ・ソングのコレクションは、彼の繊細で美しい歌声と共に、驚くほど多様なディスコグラフィーを音楽的にさらに混沌とさせ、その最も魅惑的な言葉遊びの瞬間を収めた、極めて素晴らしい作品。時には政治的、時には自伝的、時には自然を愛する生き方のメタファーとして解釈できる物語を語る、常に興味深く詩的な素晴らしいアルバム。ライナーノーツ/歌詞掲載のインナースリーヴが付属。

EXLRUTHによる、声のためのオリジナル・スコアとして構築された、静謐で深い余韻を持つ作品『Romeo’s Fall』。わずか4曲、約17分という短い尺ながら、声、残響、電子音が溶け合うように広がり、アンビエントとモダン・クラシカルの境界を漂う独特の世界を描き出している。囁きのような声のテクスチャー、柔らかく揺れるシンセ、空間に滲む残響が重なり、落下と浮遊を同時に感じさせるような内省的なムードが続く。1960年代サンダーランド周辺の写真を収めた20pの写真集が付属し、音と共に物語を補完する。ミニマルでありながら情緒が深く、聴くほどに静かな重さを帯びていく作品。
仏〈Ocora〉にも比肩しうる広範かつディープな世界各地の伝統音楽のカタログを持つスイスのローザンヌ近郊に拠点を置く、長い歴史を持つレーベル〈VDE/Gallo〉より、ベトナム北部高原地帯に暮らす少数民族の伝統歌を収録したフィールド録音作品。ヌン族、ヤオ族、モン族、タイ族などの民族による儀式歌や民謡が、素朴な声と独特の旋律で記録されている。歌は生活の場面に根ざしており、恋愛、祈り、労働、子守唄など多様なテーマが扱われる。素朴で力強い歌声と、独特の旋律が民族ごとの文化的背景を映し出しており、言語といい発声法の違いといいベトナムの音楽的多様性と精神性を体感できる、貴重な記録となっている。奥深いに二声曲も収録されており、耳を澄まさなければ聴こえてこないようなあまりに静寂なその音世界は、音楽というよりも、語りと祈りを聴くような体験。貴重な音源として、民族音楽研究やフィールド録音愛好家にとっても重要な一枚。
仏〈Ocora〉にも比肩しうる広範かつディープな世界各地の伝統音楽のカタログを持つスイスのローザンヌ近郊に拠点を置く、長い歴史を持つレーベル〈VDE/Gallo〉より、ベトナム北部に暮らすモン族の伝統音楽と歌を収録したフィールド録音作品。葬儀、恋愛、子守唄、儀式など、さまざまな場面で歌われる声が収められており、男女の歌声は素朴で力強く、旋律は反復的で呪術的な響きを持つ。竹製の笛、口琴、太鼓など、モン族特有の楽器も登場。録音は現地の自然音も含み、臨場感と生活感が強く伝わってくる。楽器にしても歌声にしても、耳を澄まさなければ聴こえてこないようなあまりに静寂なもので、音楽というよりも、民族の語りと祈りを聴くような体験。貴重な音源として、民族音楽研究やフィールド録音愛好家にとっても重要な一枚。
1976年、トレンチタウンにてトレヴァー・ボウを中心に結成された、ルーツ・レゲエ黄金期にあって、熱いメッセージと洗練されたコーラス・ワークで注目を集めたヴォーカルトリオSons Of Jahの、1980年にリリースされた、ジャマイカを代表する名門Treasure Isleスタジオで録音された『Reggae Hit Showcase』が〈Solid Roots〉よりリイシュー!参加ミュージシャンの顔ぶれも豪華そのもので、ベースにはアストン“ファミリー・マン”バレット(The Wailers)、ギターにアール“チナ”スミス、ホーンはスカ〜レゲエを支えた伝説的トロンボーン奏者リコ・ロドリゲスが参加。バック・ヴォーカルには女性コーラス・グループNegus Dawtasを迎え、ヴォーカルと演奏の両面から深い表現力を支えている。ルーツ・レゲエ特有の太いグルーヴとスピリチュアルな雰囲気に加え、数曲のインストゥルメンタル・トラックがアルバム全体に豊かな抑揚を与えており、単なる歌モノにとどまらない広がりを感じさせる内容。宗教性や社会意識を孕んだリリックと、プレイヤー陣の職人芸が交錯した、深く染み入るような一枚。
イギリスのフォーク歌手シャーリー・コリンズが22歳のとき、1958年春に録音した伝統的なフォークソングをシンプルかつ誠実なスタイルで歌ったデビュー・アルバム、『Sweet England』が〈Moved By Sound〉より再発。彼女は当時、民俗音楽研究家アラン・ローマックスと共に暮らしながら、編集助手として彼の書籍やフィールド録音に関わっていた。録音はローマックスとピーター・ケネディによって、ロンドンのベルサイズ・パークにあるピーターの自宅スタジオで2日間にわたり行われた。本作では、彼女の朴訥とした歌声と最低限の伴奏が、古くから口伝で伝えられてきたイングランドのバラッドや労働歌、恋愛歌のもつ静かな力を際立たせている。シャーリー自身にとって、これらの伝承歌は音楽的・感情的に深く響く存在であり、このアルバムは、人生をかけて探求していくことになる「イギリス民謡」という大きな旅の「最初のおぼつかない一歩」だったという。伝統的な歌のよさが伝わってくる一枚。

ニューヨークを拠点に活動するシンガー/マルチ・インストゥルメンタリスト、ピアニストのエリアナ・グラスのファースト・アルバム『E』が〈Shelter Press〉より登場!本作は、ヴォーカリストとしてクラシックの訓練を受ける前に、両親のピアノの下に座って耳で弾くことを覚えたという、グラスの幼少期の思い出を呼び起こす作品であり、カーラ・ブレイやアネット・ピーコックといったレフトフィールド・ジャズやフリー・インプロヴィゼーションの巨匠たちへの尊敬の念、シビル・ベイヤーのような儚い美しさを感じさせつつも、特有の瑞々しく自然体のサウンドによってフィルターされている。オフビートで探し求めるような質感と、詩的で畏敬の念を抱かせる音域を交互に奏でていくような、彼女自身が「日常生活の凝縮」と表現する、ほろ苦く、はかなく、まばらで瞑想的な音楽!エマホイ・ツェゲ=マリアム・ゲーブルーと彼女の2006年のコンピレーション『Éthiopiques』への物憂げなオマージュである"Emahoy"も収録!

カタルーニャの女性ヴォーカルデュオ、Tarta Relenaによる2作目『És pregunta』が〈Latency〉よりリリース!本作では、メンバーのHelena Ros RedonとMarta Torrella i Martínezは地中海の豊かな声楽伝統をベースに、古代ギリシャ語、ラテン語、カタルーニャ語、ラディーノ語など、地中海世界に息づくさまざまな言語を用いて、過去と現在、聖と俗の境界をたゆたうような音楽を紡いでいる。フラメンコや宗教歌、電子音楽の要素を交えながら、運命や知、未来への葛藤といったテーマを深く掘り下げている。ジョージアの嘆き歌や中世の修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの霊的作品からも影響を受けたサウンドは、土着的でありながらも時代を超越した響きを持ち、まるで時間そのものが溶けていくような感覚を呼び起こす。素焼きの壺を打楽器として用いた古代的なリズムや微細なエレクトロニクスと共に、声だけで時間と空間を繋ぐような演奏は、現代フォークロアの革新と呼ぶにふさわしい一枚。
カタルーニャの女性ヴォーカルデュオ、Tarta Relenaによる2作目『És pregunta』が〈Latency〉よりリリース!本作では、メンバーのHelena Ros RedonとMarta Torrella i Martínezは地中海の豊かな声楽伝統をベースに、古代ギリシャ語、ラテン語、カタルーニャ語、ラディーノ語など、地中海世界に息づくさまざまな言語を用いて、過去と現在、聖と俗の境界をたゆたうような音楽を紡いでいる。フラメンコや宗教歌、電子音楽の要素を交えながら、運命や知、未来への葛藤といったテーマを深く掘り下げている。ジョージアの嘆き歌や中世の修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの霊的作品からも影響を受けたサウンドは、土着的でありながらも時代を超越した響きを持ち、まるで時間そのものが溶けていくような感覚を呼び起こす。素焼きの壺を打楽器として用いた古代的なリズムや微細なエレクトロニクスと共に、声だけで時間と空間を繋ぐような演奏は、現代フォークロアの革新と呼ぶにふさわしい一枚。
Lucy DuncombeとFeronia Wennborgによる、人工音声ツールを駆使して4年かけて作られた、ヴァーチャル合唱シンフォニーとも言うべき作品『Joy, Oh I Missed You』が〈Warm Winters Ltd.〉より登場。詩的なサウンドと、機械の故障じみた奇妙さが入り混じった音像は、音声合成やAIボイス解析などの技術を使い倒し、あえて人間の声を完全に模倣せず、失敗やひずみに耳を澄ますアプローチで、。フランソワ・デュフレーヌやオノ・ヨーコ、Phewらの声の実験を、現代のツールでアップデートしたような内容とも言える。Duncombeの奇怪な電子声と、Wennborgの硬質なサウンド処理が絶妙に絡み合い、どこからが人間の声でどこからがデジタルの模倣か判別がつかない。時には機械の故障のように、時には祈りのように、ピッチがずれ、破裂し、ため息のような断片が折り重なって、異形のコーラスが立ち上がる。タイトルどおり、喜びと喪失の間で揺れるような感情の振幅をもった作品で、コンセプトは実験的だが、音楽としての美しさや感情的な深みもしっかりとしており、聴き応えある充実作。

